JP4196041B2 - 入力装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ、携帯電話、ゲーム機、電子楽器等のデジタル機器への入力装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平333990号に記載されている従来例を図21に示す。この従来例では、変形すると電圧が発生する圧電フィルム3の上面および下面に導電層2,4を設け、該各導電層表面の四囲の各辺部に辺部に沿って延びる独立した電極6〜9等を設け、前記圧電フィルムの下面に設けられた導電層の下部に弾性体層5を設け、該弾性体層5の下部に支持板10を設けた構成としている。位置検出装置は、位置検出用部材の各辺部の対をなす電極同士を電流検出回路を介して接続し、各電流検出回路が検出した電流値を入力とする位置検出手段を設けた構成としている
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記従来例では、各電極に接続された電流検出回路で検出された各電流値をもとに位置検出をする方法であるので、圧電フィルムの押下方法により検出位置の再現性が安定しない。また、広い範囲での位置検出は感度が不足して信頼性が低下することとなる。
【0004】
また、押下位置の検出に加えて、押下強度の検出を同時に行うことはできない。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、広範囲に高信頼性の押下位置と押下強度の検出を同時に行える圧電フィルムを使用した、デジタル機器への入力装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、圧電フィルムの上面と下面とに電極を配置して、前記電極のうち少なくともいずれかがパターン化した電極である一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層したセンサーユニットが押下された時、前記各センサーユニットからの出力信号の組合せにより、前記圧電フィルム上の押下位置に対応する信号を出力する入力装置であって、各センサーユニットからの出力信号と予め設定された入力有り判定しきい値とを比較して、前記出力信号が前記しきい値を超える時入力有りと判断し、前記出力信号が前記しきい値を超えない時入力無しと判断して前記比較結果を2値化する比較手段と、前記各センサーユニットに対応した複数の前記比較手段の比較結果の内一つ以上の比較結果が入力有りとなった時、入力有効と判定する判定手段と、予め複数の前記比較手段からの2値化した信号の組合せと圧電フィルム上の押下位置に対応する位置信号との関係を表した対応表を記憶した記憶手段と、前記判定手段による判定結果が有効と判定された時、前記複数の比較手段からの2値化した信号の組合せと前記記憶手段が記憶している前記対応表とを参照して前記位置信号を求める検索手段とから構成されることを特徴とし、この構成によれば広範囲に高信頼性の押下位置と押下強度の検出を同時に行える圧電フィルムを使用した、デジタル機器への入力装置を提供することができる。さらに、センサーユニットからの出力信号を2値化して処理すること及び、あらかじめ前記2値化した信号の組合せと前記位置信号との関係を記憶することで後段の信号処理部の構成を簡略化することができる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、積層した前記複数のセンサーユニットを押下した時に、最も分割数の多い電極を配置した前記センサユニット上の前記電極を配置した各々の箇所と前記電極を配置していない各々の箇所とに対応する前記信号の組合せを出力するように前記各センサユニットの電極をパターン化したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚以上積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とし、圧電フィルムをn枚以上積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数の内最小の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの時間を計測し、前記時間を押下の強度とする強度信号を出力することを特徴とし、アナログ−デジタル変換部を設けることなく簡易な構成で押下の強度に応じた出力を得ることができる。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの発明において、圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの間だけ、圧着フィルム上の押下位置に対応する位置信号を出力することを特徴とし、押下している間だけ位置出力を得られるようにすることができる。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、各センサーユニットからの出力信号のピーク値を多値にデジタル化した値に変換して、前記各センサーユニットからの出力信号のピーク値の内最大のピーク値を押下の強度とする強度信号を出力するアナログ−デジタル変換部を備えることを特徴とし、押下の強度に応じた出力を得ることができる。
【0013】
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの発明において、前記位置信号は、圧電フィルム上の押下位置に割り当てる機能に対応するコードであることを特徴とし、押下位置に応じた機能信号を出力することができる。
【0014】
請求項9の発明は、請求項5の発明において、予め各出力信号に対して入力を受け付けるための出力強度しきい値を記憶させたしきい値表を設定し、前記入力発生時、前記しきい値表より前記入力に対応した出力強度しきい値と前記入力の強度信号とを比較し、前記比較結果に応じて前記出力信号を出力するかどうかを判定することを特徴とし、押下位置によって前記しきい値を変えることで、押下位置によるセンサーの感度を変えることができる。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを電極パターン方向を揃えて積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを前記センサーユニットに対して電極パターン方向を略90度異なるように積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる。
【0017】
請求項12の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べてセンサーユニットを構成し、前記同心円状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの距離を検出することができる。
【0018】
請求項13の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を放射状に並べてセンサーユニットを構成し、前記放射状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの方向を検出することができる。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べて構成されたセンサーユニットと、前記パターン化した電極の配置を放射状に並べて構成されたセンサーユニットとを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの極座標情報を検出することができる。
【0020】
請求項15の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、任意に前記パターン化した電極を任意に配置してセンサーユニットを構成し、前記任意の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できる。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、前記各電極パターンの境界が積層方向に重ならないように積層したことを特徴とし、電極パターンの境界位置がずれた場合又は、電極パターンの境界付近に圧力を加えて出力がずれて出た場合でも誤差±1での検出ができる。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、最小幅の電極パターンの次に前記最小幅の電極パターンを前記電極パターン幅の1/2ずらして積層したことを特徴とし、細かい電極パターンを生成することなく位置分解能を上げることができる。
【0023】
請求項18の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを平板上に設置したことを特徴とし、平板上にセンサーを設置して位置検出を行うことができる。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを曲面上に設置したことを特徴とし、曲面上にセンサーを設置して位置検出を行うことができる。
【0025】
請求項20の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを可とう性を持つ面上に設置したことを特徴とし、可とう性を持つ面上にセンサーを設置して位置検出を行うことができ、センサー自体も可とう性を持っているので丸めたりしてコンパクトにできる。
【0026】
請求項21の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットの下に柔軟部材を介して支持材を設置したことを特徴とし、押下時に柔軟な感触を得ることができる。
【0027】
請求項22の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、立体形状に成形した圧電フィルムに前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層したことを特徴とし、センサーを設置しにくい形状の面でも1枚のセンサーで位置検出を行うことができる
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(実施形態1)
図1は実施形態1の構成図を示し、お互いに異なった電極パターンを持つセンサーユニットA1、A2,A3を積層したセンサー部B1と、センサー部B1の出力信号を入力して位置信号と強度信号とを出力する信号処理部Gと、信号処理部Gの出力信号を利用して動作する信号利用部Hとから構成される。
【0030】
まず、センサーユニットA1〜A3及びセンサー部B1の構成、動作を説明する。図2はセンサーユニットA2の断面図であり、センサーユニットA2は、圧電フィルムJ2を4分割し、交互に電極I2を配置し、電極I2は上面と下面が同じ位置で対応したものから構成される。電極I2を配置した部分を押下すると圧電フィルムJ2は押下した力に応じた量のたわみが生じる。この圧電フィルムJ2のたわみにより押下箇所近傍に分極が起こり、上下面の電極I2間にたわみ量に応じた電圧が生じて、この電圧がセンサーユニットA2の出力となる。電極I2を配置していない部分を押下しても上下面の電極I2間には電圧は発生せず、センサーユニットA2は出力しない。なお本実施形態1では、圧電フィルムJ2の上面と下面ともにパターン化した電極I2を各々配置しているが、上面あるいは下面のいずれかのみにパターン化した電極を配置しても同様の効果が得られる。センサーユニットA1,A3についてはセンサーユニットA2と電極パターンが異なるだけで、電極パターン以外の構成は図2と同様である。
【0031】
図3は図1におけるセンサー部B1の電極パターン配置図を示し、1層目に設置するセンサユニットA1は圧電フィルムJ1を4:4に2分割し、一方の分割部分に電極I1を設置した構成からなり、2層目に積層するセンサユニットA2は圧電フィルムJ2を2:2:2:2に4分割して交互に電極I2を設置した構成からなり、3層目に積層するセンサユニットA3は圧電フィルムJ3を1ずつ8分割して交互に電極I3を設置した構成となっている。
【0032】
センサーユニットA1〜A3を積層してセンサー部B1を構成すると、センサーユニットA1〜A3の出力の組合せで構成されるセンサー部B1の出力信号は押下位置に応じて図4の出力組合せ表に示すように変化する。図4では位置「0」〜「7」の8分割された位置の検出に対応しているが、位置「0」の分割位置を押下したときのセンサ部B1の出力信号と、どこも押下していない時のセンサ部B1の出力信号とが同一となるため、位置「0」は位置検出には使えず、本実施形態1では位置「1」〜「7」の7箇所の押下位置が検出できる。例えば図3において、星印の箇所を押下すると、センサーユニットA1の出力は「0」、センサーユニットA2の出力は「1」、センサーユニットA3の出力は「0」となり「2」の位置が押下されたことが検出できる。
【0033】
このようにセンサーユニットの電極を1層目は2分割、2層目は4分割、3層目は8分割というようにn層目のセンサーユニットの電極を2に分割するとn層のセンサーユニットで(2−1)個に分割した位置を検出でき、配線、電極配置を簡略化できる。
【0034】
例えば、7分割された位置の検出をしようとすると、通常であればセンサーを7分割して7個の位置検出信号を使わなければならない。しかし、本実施形態1のように電極パターンの異なる複数のセンサーユニットを積層することで位置検出信号3個で7分割された位置の検出を行うことができる。
【0035】
次に図1の信号処理部Gの構成、動作について説明する。信号処理部Gは、センサ部B1を構成しているセンサユニットA1〜A3からの各出力を増幅するアンプC1〜C3と、アンプC1〜C3の出力信号と入力有り判定しきい値とを比較する比較器D1〜D3と、位置信号を出力するデコーダEと、強度信号を出力するアナログ−デジタル変換器Fとから構成される。
【0036】
アンプC1〜C3は、センサユニットA1〜A3からの各出力を増幅する。
【0037】
比較器D1〜D3は、アンプC1〜C3で増幅された各信号と入力有り判定しきい値とを比較して、前記増幅された信号が前記しきい値より大きければセンサー部B1の電極部分を押下したと判断し、小さければセンサー部B1の電極部分を押下していないと判断して、比較結果を2値化する比較手段を構成する。
【0038】
デコーダEは、比較器D1〜D3が出力した各比較結果の内一つ以上の比較結果がセンサー部B1の電極部分を押下したと判断すると入力有効と判定し、前記判定結果が入力有効と判定すると、比較器D1〜D3からの2値化した信号の組合せに対応した位置信号を検索して、前記位置信号を出力する。
【0039】
アナログ−デジタル変換器Fは、増幅器C1〜C3で増幅されたセンサーユニットA1、A2、A3からの各信号のピーク値を多値なデジタル値にアナログ−デジタル変換し、前記多値なデジタル値に変換された各値のうち最大の値をセンサー部B1を押下した時の押下強度として検出して、前記押下強度に応じた強度信号を出力する。
【0040】
信号利用部Hは、信号処理部Gから出力される位置信号と強度信号とを入力して動作するパソコン、携帯電話、ゲーム機、電子楽器などのデジタル機器である。
【0041】
(実施形態2)
実施形態2は、圧電フィルムの材質が発泡ポリプロピレンからなるものである。
【0042】
図5は圧電フィルムの材質が発泡ポリプロピレンであるセンサーユニットとポリフッ化ビニリデン(PVDF)からなるセンサーユニットとの押下後の出力減衰特性を示している。圧電フィルムの材質がPVDFの場合の出力減衰特性は曲線Y1で示され、押下した瞬間のみ出力されるのに対し、圧電フィルムの材質が発泡ポリプロピレンの場合の出力減衰特性は曲線Y2で示され、内部にバブルを有するために押下後も出力は押下する力に応じてある程度持続する。
【0043】
したがって、圧電フィルムの材質が発泡ポリプロピレンであるセンサーユニットを用いる場合は、センサーユニットからの出力が入力された時に、曲線Y2が入力有り判定しきい値Kを超えた時間t1と、入力有り判定しきい値Kを超えた後入力有り判定しきい値以下になった時間t2とを検出し、(t2−t1)を計測して、その計測結果に応じて押下の強度信号を出力すれば、実施形態1のようにアナログ−デジタル変換を用いずに簡単な構成で押下の強度信号を得ることができる。
【0044】
また、図5において、時間t1〜t2の間だけ位置信号を出力するようにすれば、押下した時間に対応した位置情報を得ることができる。
【0045】
(実施形態3)
図6に示すように、各楽器の押下範囲L1〜L4に4分割された押下場所により音出力の異なるパッドを構成する場合を考えると、出力しようとする楽器の種類に応じて任意の形状に押下範囲L1〜L4を設定し、出力する音量についても押下範囲L1〜L4に応じて強度入力を設定しないといけない。
【0046】
本実施形態3では、図6に示す3枚のセンサーユニットA4〜A6の出力信号の組合せを、押下位置L1〜L4に対応した楽器の種類に応じて図7に示すように設定し、センサーユニットA4〜A6の出力有り・無しを判定する入力有り判定しきい値を各楽器の押下範囲L1〜L4に応じた値に設定することで上記仕様を実現できる。図7に示すセンサーユニットA4〜A6のしきい値設定では、トライアングルの押下範囲L1では入力有り判定しきい値を低く設定しているので弱い押下力でも出力し、バスドラムの押下範囲L4では入力有り判定しきい値を高く設定しているので強い押下力でないと出力しない。
【0047】
このように、押下位置により入力有り判定しきい値を設定することで、押下位置によるセンサーユニットの感度を変えることができる。
【0048】
次に、図8のようなキーボードの場合は、図9に示すセンサーユニットA7〜A9の出力信号の組合せのように、押下位置L5〜L11に対応したセンサーユニットA7〜A9の出力信号の組合せと押下位置L5〜L11に対応した出力である音階とをあらかじめ記憶装置に記憶させておけば、信号処理部を簡略化できる。
【0049】
また、図10に示す押下力−音量の出力特性のように押下力により音量を可変してやれば、電子楽器としてリアルな操作感を持たせることができる。図10に示す設定では押下力が弱ければ小さな音量で出力し、押下力が強ければ大きな音量で出力する。
【0050】
(実施形態4)
実施形態4は、図12に示す6枚のセンサユニットA10〜A15を積層して構成される。1層目に設置するセンサユニットA10は圧電フィルムJ10を4:3に縦に2分割し、比率4の分割部分に電極I10を圧電フィルムJ10の上下面共に設置した構成からなり、2層目に積層するセンサユニットA11は圧電フィルムJ11を2:2:2:1に縦に4分割して交互に電極I11を圧電フィルムJ11の上下面共に設置した構成からなり、3層目に積層するセンサユニットA12は圧電フィルムJ12を1ずつ縦に7分割して交互に電極I12を圧電フィルムJ12の上下面共に設置した構成からなり、4層目に設置するセンサユニットA13は圧電フィルムJ13を4:3に横に2分割し、比率4の分割部分に電極I13を圧電フィルムJ13の上下面共に設置した構成からなり、5層目に積層するセンサユニットA14は圧電フィルムJ14を2:2:2:1に横に4分割して交互に電極I14を圧電フィルムJ14の上下面共に設置した構成からなり、6層目に積層するセンサユニットA15は圧電フィルムJ15を1ずつ横に7分割して交互に電極I15を圧電フィルムJ15の上下面共に設置した構成からなっている。
【0051】
この構成によると、センサーユニットA10〜A15において電極を配置している箇所を押下した時のみセンサーユニットA10〜A15からの出力が発生するので、6枚のセンサーユニットA10〜A15からの出力の組合せを検出することで49分割の位置検出ができる。つまり、6個の検出信号で49分割された位置の検出を行うことができる。
【0052】
例えば、図11に示すセンサーユニットA10〜A15を積層したセンサー部B3の星印の箇所に圧力を加えると、センサーユニットA10〜A12からは各々「0,1,0」、センサーユニットA13〜A15からは各々「0,1,1」の出力が得られ、「横3、縦2」の位置に圧力が加えられたことを検出できる。
【0053】
このようにセンサーユニットを何層かに積層して、各センサーユニットからの出力の組合せを検出することで、分割された検出位置の数よりも少ない検出信号で分割された位置を検出することができる。
【0054】
(実施形態5)
図13、図14は実施形態5のセンサーユニットの電極配置パターンを示す。図13において、1層目に設置するセンサーユニットA16は、圧電フィルムJ16を同心円状に2分割し、その中心P側に電極I16を圧電フィルムJ16の上下面共に設置した構成からなり、2層目に積層するセンサーユニットA17は、圧電フィルムJ17を同心円状に4分割し、交互に電極I17を圧電フィルムJ17の上下面共に設置した構成からなり、3層目に積層するセンサーユニットA18は、圧電フィルムJ18を同心円状に8分割し、交互に電極I18を圧電フィルムJ18の上下面共に設置した構成からなる。前記のように同心円状に電極を配置したセンサーユニットA16〜A18を積層することで、圧力を加えた位置の同心円中心位置Pからの距離情報を検出できる。
【0055】
次に図14において、1層目に設置するセンサーユニットA19は、圧電フィルムJ19を放射状に2分割し、その一方の側に電極I19を圧電フィルムJ19の上下面共に設置した構成からなり、2層目に積層するセンサーユニットA20は、圧電フィルムJ20を放射状に4分割し、交互に電極I20を圧電フィルムJ20の上下面共に設置した構成からなり、3層目に積層するセンサーユニットA21は、圧電フィルムJ21を放射状に8分割し、交互に電極I21を圧電フィルムJ21の上下面共に設置した構成からなる。前記のように放射状に電極を配置したセンサーユニットA19〜A21を積層することで、圧力を加えた位置の中心Pからの方向を検出できる。
【0056】
また、図13のように同心円状に電極を配置したセンサーユニットA16〜A18と図14のように放射状に電極を配置したセンサーユニットA19〜A21とを積層して1個のセンサー部を構成することで、圧力を加えた位置の中心Pからの極座標を検出できる。
【0057】
(実施形態6)
図15は、実施形態6における積層された3枚のセンサーユニットA22〜A24の電極I22〜I24の配置パターンを示す。積層する順番は、1層目にセンサーユニットA22、2層目にセンサーユニットA23、3層目にセンサーユニットA24が積層される。センサーユニットA22〜A24の電極I22〜I24の配置パターンは、上の層の電極の境界線が下の層の電極の境界線と重ならないように配置(交番2値化パターン)したもので、実施形態1と同様にn枚のセンサーユニットを積層して、各センサーユニットからの計6個の出力の組合せで(2−1)の分解能を得ることができる。
【0058】
図16及び図17は、前記実施形態1及び本実施形態6において、電極の位置がずれた場合、あるいは電極の境界付近に圧力を加えて出力がずれた場合の、出力の変化について各々示している。図16は実施形態1の場合を示しており、実施形態1において電極I1の位置がずれた場合、あるいは電極I1の境界付近に圧力を加えて出力がずれた場合は、出力が3から7となり4ずれる。しかし図17に示すように本実施形態6では、電極I22の位置がずれた場合、あるいは電極I22の境界付近に圧力を加えて出力がずれた場合は、出力は3から4となり1ずれるだけである。このように本実施形態6では、電極I22〜I24の位置がずれた場合や電極I22〜I24の境界付近に圧力を加えて出力がずれた場合などでも、出力は正しい値から±1しかずれず、精度の良い位置検出を行うことができる。
【0059】
(実施形態7)
実施形態7では、図18に示すように最小幅Nの電極I25がパターン化されて配置されるセンサーユニットA25の下に、センサーユニットA25と同一の最小幅Nの電極I26がパターン化されて配置されるセンサーユニットA26を電極I25のパターン境界位置と電極I26のパターン境界位置とをN/2ずらして積層させることにより、位置検出分解能が2倍になり、幅がN/2の電極I27がパターン化されて配置されたセンサーユニットA27と同等の位置検出分解能を得ることができる。このように、実施形態7では電極パターンを小さくすることなく、位置検出分解能を上げることができる。
【0060】
(実施形態8)
図19は実施形態8を示し、実施形態8は、センサーユニットを積層して構成されているキーボードRと、キーボードRからの信号を入力して、入力信号に応じた信号処理を行った信号を出力する信号処理部Gと、信号処理部Gの出力信号を利用して動作する信号利用部Hとから構成される。
【0061】
キーボードRは、操作する人間の手にフィットするように曲面上にセンサーユニットを積層して構成される。また、前記センサーユニットは可とう性を有するので、丸めて小さくできる。
【0062】
このように、実施形態8では平板だけでなく、曲面形状や可とう性のある面上にもセンサーユニットを積層して位置検出を行うことができる。
【0063】
(実施形態9)
図20は実施形態9を示し、ぬいぐるみXは、頭部に電極を持ったセンサーユニットA28と、背中部に電極を持ったセンサーユニットA29と、腹部に電極を持ったセンサーユニットA30とを積層して1枚のセンサー部B2を構成し、センサー部B2は取り付け形状に応じて成形加工され、1枚のセンサー部B2だけでぬいぐるみXの全面を覆うことができ、センサーユニットA28〜A30に対する押下力に応じた声、表情、動き等の反応動作を行う。
【0064】
また、前記センサーユニットA28〜A30は、各々圧電フィルムJ28〜J30の上面と下面とにパターン化した電極I28〜30から構成されており、センサーユニットA28〜A30は積層され1枚のセンサー部B2を構成し、センサー部B2は柔軟部材Sを介して支持材Tに設置されるため、柔軟な感触が得られる。
【0065】
通常ぬいぐるみやペットロボットの形状は曲面や凹凸形状で構成されているため、センサーは取り付けにくく、従来は複数のセンサーを設置していた。
【0066】
しかし、本実施形態9では、センサー部B2をぬいぐるみXに取り付けるのに適した形状に成形加工し、1枚のセンサー部B2で各設置箇所全面を覆って押下位置を検出でき、押下の強度によって声、表情、動き等の反応動作の動作量を可変にできる。また、センサー部B2からの入力有りを判定するための入力有り判定しきい値を設置箇所に応じて設定することで、電極I28〜I30の設置箇所に応じた各々のセンサー感度を設定することができる。つまり、外部との接触の多い部分は前記しきい値を高くして外乱に強くできる。
【0067】
また、本実施例9では、頭部センサー、背中部センサー、腹部センサーを実施例として挙げているが、任意の位置にセンサーを設置することにより、同様の効果を得ることができる。
【0068】
【発明の効果】
請求項1の発明は、圧電フィルムの上面と下面とに電極を配置して、前記電極のうち少なくともいずれかがパターン化した電極である一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層したセンサーユニットが押下された時、前記各センサーユニットからの出力信号の組合せにより、前記圧電フィルム上の押下位置に対応する信号を出力する入力装置であって、各センサーユニットからの出力信号と予め設定された入力有り判定しきい値とを比較して、前記出力信号が前記しきい値を超える時入力有りと判断し、前記出力信号が前記しきい値を超えない時入力無しと判断して前記比較結果を2値化する比較手段と、前記各センサーユニットに対応した複数の前記比較手段の比較結果の内一つ以上の比較結果が入力有りとなった時、入力有効と判定する判定手段と、予め複数の前記比較手段からの2値化した信号の組合せと圧電フィルム上の押下位置に対応する位置信号との関係を表した対応表を記憶した記憶手段と、前記判定手段による判定結果が有効と判定された時、前記複数の比較手段からの2値化した信号の組合せと前記記憶手段が記憶している前記対応表とを参照して前記位置信号を求める検索手段とから構成されることを特徴とし、この構成によれば広範囲に高信頼性の押下位置と押下強度の検出を同時に行える圧電フィルムを使用した、デジタル機器への入力装置を提供することができるという効果がある。さらに、センサーユニットからの出力信号を2値化して処理すること及び、あらかじめ前記2値化した信号の組合せと前記位置信号との関係を記憶することで後段の信号処理部の構成を簡略化することができるという効果もある。
【0069】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、積層した前記複数のセンサーユニットを押下した時に、最も分割数の多い電極を配置した前記センサユニット上の前記電極を配置した各々の箇所と前記電極を配置していない各々の箇所とに対応する前記信号の組合せを出力するように前記各センサユニットの電極をパターン化したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚以上積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0070】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とし、圧電フィルムをn枚以上積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0071】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数の内最小の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0072】
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの時間を計測し、前記時間を押下の強度とする強度信号を出力することを特徴とし、アナログ−デジタル変換部を設けることなく簡易な構成で押下の強度に応じた出力を得ることができるという効果がある。
【0073】
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかの発明において、圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの間だけ、圧着フィルム上の押下位置に対応する位置信号を出力することを特徴とし、押下している間だけ位置出力を得られるようにすることができるという効果がある。
【0074】
請求項7の発明は、請求項1乃至4いずれかの発明において、各センサーユニットからの出力信号のピーク値を多値にデジタル化した値に変換して、前記各センサーユニットからの出力信号のピーク値の内最大のピーク値を押下の強度とする強度信号を出力するアナログ−デジタル変換部を備えることを特徴とし、押下の強度に応じた出力を得ることができるという効果がある。
【0075】
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの発明において、前記位置信号は、圧電フィルム上の押下位置に割り当てる機能に対応するコードであることを特徴とし、押下位置に応じた機能信号を出力することができるという効果がある。
【0076】
請求項9の発明は、請求項5の発明において、予め各出力信号に対して入力を受け付けるための出力強度しきい値を記憶させたしきい値表を設定し、前記入力発生時、前記しきい値表より前記入力に対応した出力強度しきい値と前記入力の強度信号とを比較し、前記比較結果に応じて前記出力信号を出力するかどうかを判定することを特徴とし、押下位置によって前記しきい値を変えることで、押下位置によるセンサーの感度を変えることができるという効果がある。
【0077】
請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを電極パターン方向を揃えて積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0078】
請求項11の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを前記センサーユニットに対して電極パターン方向を略90度異なるように積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0079】
請求項12の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べてセンサーユニットを構成し、前記同心円状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの距離を検出することができるという効果がある。
【0080】
請求項13の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を放射状に並べてセンサーユニットを構成し、前記放射状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの方向を検出することができるという効果がある。
【0081】
請求項14の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べて構成されたセンサーユニットと、前記パターン化した電極の配置を放射状に並べて構成されたセンサーユニットとを積層したことを特徴とし、押下した位置の中心からの極座標情報を検出することができるという効果がある。
【0082】
請求項15の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、任意に前記パターン化した電極を任意に配置してセンサーユニットを構成し、前記任意の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とし、圧電フィルムをn枚積層することで、(2−1)分割した位置検出をn個の信号で行うことができ、配線及び電極配置を簡略化できるという効果がある。
【0083】
請求項16の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、前記各電極パターンの境界が積層方向に重ならないように積層したことを特徴とし、電極パターンの境界位置がずれた場合又は、電極パターンの境界付近に圧力を加えて出力がずれて出た場合でも誤差±1での検出ができるという効果がある。
【0084】
請求項17の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、最小幅の電極パターンの次に前記最小幅の電極パターンを前記電極パターン幅の1/2ずらして積層したことを特徴とし、細かい電極パターンを生成することなく位置分解能を上げることができるという効果がある。
【0085】
請求項18の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを平板上に設置したことを特徴とし、平板上にセンサーを設置して位置検出を行うことができるという効果がある。
【0086】
請求項19の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを曲面上に設置したことを特徴とし、曲面上にセンサーを設置して位置検出を行うことができるという効果がある。
【0087】
請求項20の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを可とう性を持つ面上に設置したことを特徴とし、可とう性を持つ面上にセンサーを設置して位置検出を行うことができ、センサー自体も可とう性を持っているので丸めたりしてコンパクトにできるという効果がある。
【0088】
請求項21の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットの下に柔軟部材を介して支持材を設置したことを特徴とし、押下時に柔軟な感触を得ることができるという効果がある。
【0089】
請求項22の発明は、請求項1乃至9いずれかの発明において、立体形状に成形した圧電フィルムに前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層したことを特徴とし、センサーを設置しにくい形状の面でも1枚のセンサーで位置検出を行うことができるという効果がある
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1を示す構成図である。
【図2】 本発明の実施形態1のセンサーユニットの詳細を示す断面図である。
【図3】 本発明の実施形態1のセンサー部を示す電極パターン配置図である。
【図4】 本発明の実施形態1のセンサー出力信号の組合せを示す図である。
【図5】 本発明の実施形態2の圧電素子の出力減衰特性を示す図である。
【図6】 本発明の実施形態3のセンサー部詳細を示す構成図である。
【図7】 本発明の実施形態3のセンサー出力信号の組合せを示す図である。
【図8】 本発明の実施形態3のセンサー部詳細を示す構成図である。
【図9】 本発明の実施形態3のセンサー出力信号の組合せを示す図である。
【図10】 本発明の実施形態3の押下力−音量出力特性の例を示す図である。
【図11】 本発明の実施形態4のセンサー部を示す構成図である。
【図12】 本発明の実施形態4のセンサー部を示す電極配置パターン図である。
【図13】 本発明の実施形態5のセンサー部を示す電極配置パターン図である。
【図14】 本発明の実施形態5のセンサー部を示す電極配置パターン図である。
【図15】 本発明の実施形態6のセンサー部を示す電極配置パターン図である。
【図16】 本発明の実施形態1における出力ずれを示す出力信号図である。
【図17】 本発明の実施形態6における出力ずれを示す出力信号図である。
【図18】 本発明の実施形態7のセンサー部を示す電極配置パターン図である。
【図19】 本発明の実施形態8を示す構成図である。
【図20】 本発明の実施形態9を示す構成図である。
【図21】 従来例の位置検出用部材を示す断面図である。
【符号の説明】
A1 センサーユニット
A2 センサーユニット
A3 センサーユニット
B1 センサー部
C1 アンプ
C2 アンプ
C3 アンプ
D1 比較器
D2 比較器
D3 比較器
E デコーダ
F アナログ−デジタル変換器
G 信号処理部
H 信号利用部

Claims (22)

  1. 圧電フィルムの上面と下面とに電極を配置して、前記電極のうち少なくともいずれかがパターン化した電極である一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層したセンサーユニットが押下された時、前記各センサーユニットからの出力信号の組合せにより、前記圧電フィルム上の押下位置に対応する信号を出力する入力装置であって、
    各センサーユニットからの出力信号と予め設定された入力有り判定しきい値とを比較して、前記出力信号が前記しきい値を超える時入力有りと判断し、前記出力信号が前記しきい値を超えない時入力無しと判断して前記比較結果を2値化する比較手段と、前記各センサーユニットに対応した複数の前記比較手段の比較結果の内一つ以上の比較結果が入力有りとなった時、入力有効と判定する判定手段と、予め複数の前記比較手段からの2値化した信号の組合せと圧電フィルム上の押下位置に対応する位置信号との関係を表した対応表を記憶した記憶手段と、前記判定手段による判定結果が有効と判定された時、前記複数の比較手段からの2値化した信号の組合せと前記記憶手段が記憶している前記対応表とを参照して前記位置信号を求める検索手段とから構成される
    ことを特徴とする入力装置。
  2. 積層した前記複数のセンサーユニットを押下した時に、最も分割数の多い電極を配置した前記センサユニット上の前記電極を配置した各々の箇所と前記電極を配置していない各々の箇所とに対応する前記信号の組合せを出力するように前記各センサユニットの電極をパターン化したことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
  3. 複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とする請求項2記載の入力装置。
  4. 複数箇所の位置を識別するために、2を正の整数で累乗した数から1を引いた数が、識別する箇所の数より大きいことを満たす前記正の整数の内最小の整数をセンサーユニットの数とし、前記センサーユニットの電極は2を前記センサーユニットの数を最大とする正の整数で累乗した数に分割され、前記電極の分割数は前記全てのセンサーユニットにおいて異なることを特徴とする請求項3記載の入力装置。
  5. 圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの時間を計測し、前記時間を押下の強度とする強度信号を出力することを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の入力装置。
  6. 圧電フィルムは発泡ポリプロピレンからなり、前記圧電フィルムよりなる各センサーユニットからの出力信号の内一つの出力信号が予め設定した入力有り判定しきい値を超えてから、前記出力信号が前記しきい値より下がるまでの間だけ、圧着フィルム上の押下位置に対応する位置信号を出力することを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の入力装置。
  7. 各センサーユニットからの出力信号のピーク値を多値にデジタル化した値に変換して、前記各センサーユニットからの出力信号のピーク値の内最大のピーク値を押下の強度とする強度信号を出力するアナログ−デジタル変換部を備えることを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の入力装置。
  8. 前記位置信号は、圧電フィルム上の押下位置に割り当てる機能に対応するコードであることを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の入力装置。
  9. 予め各出力信号に対して入力を受け付けるための出力強度しきい値を記憶させたしきい値表を設定し、前記入力発生時、前記しきい値表より前記入力に対応し た出力強度しきい値と前記入力の強度信号とを比較し、前記比較結果に応じて前記出力信号を出力するかどうかを判定することを特徴とする請求項5記載の入力装置。
  10. 前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを電極パターン方向を揃えて積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  11. 前記パターン化した電極の配置を一次元方向に並べてセンサーユニットを構成し、前記一次元方向の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを前記センサーユニットに対して電極パターン方向を略90度異なるように積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  12. 前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べてセンサーユニットを構成し、前記同心円状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  13. 前記パターン化した電極の配置を放射状に並べてセンサーユニットを構成し、前記放射状の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  14. 前記パターン化した電極の配置を同心円状に並べて構成されたセンサーユニットと、前記パターン化した電極の配置を放射状に並べて構成されたセンサーユニットとを積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  15. 任意に前記パターン化した電極を任意に配置してセンサーユニットを構成し、前記任意の電極配置を持ち、前記センサーユニットと電極パターンが異なるセンサーユニットを積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  16. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、前記各電極パターンの境界が積層方向に重ならないように積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  17. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層する時、最小幅の電極パターンの次に前記最小幅の電極パターンを前記電極パターン幅の1/2ずらして積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  18. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを平板上に設置したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  19. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを曲面上に設置したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  20. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットを可とう性を持つ面上に設置したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  21. 前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層し、前記積層されたセンサーユニットの下に柔軟部材を介して支持材を設置したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
  22. 立体形状に成形した圧電フィルムに前記パターン化した電極を配置して一つのセンサーユニットを構成し、電極パターンの異なる前記複数のセンサーユニットを積層したことを特徴とする請求項1乃至9いずれか記載の入力装置。
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