JP4195072B1 - 同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 - Google Patents

同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同時二軸延伸法で問題となる延伸ムラに起因する物性ムラを抑え、詳しくは応力緩和に起因する応力変形バランスの崩れにもとづく厚さムラの拡大を極力抑え、均一で優れた品質安定性を有する同時二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方法を提供する。
【解決手段】未延伸フィルムの巾方向の端部をクリップで把持して縦・横同時に二軸延伸するテンター法同時二軸延伸方法において、横延伸倍率軌跡が最大倍率に到達する迄は、隣り合わせのクリップとクリップの直線距離で表す縦延伸倍率軌跡を、最大延伸倍率の5%以上降下させないようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法に関する。
通常、二軸延伸ポリアミドフィルムの製造においては、押出工程で実質的に無配向の未延伸フィルムを成型し、延伸工程で縦方向と横方向の二軸に引き延ばすことで充分に分子配向された高強度の二軸配向フィルムを得る方法が採用されている。二軸延伸方法には、縦延伸した後に引き続き横延伸する逐次二軸延伸法と、縦・横同時に延伸する同時二軸延伸法とがある。同時二軸延伸法は、逐次二軸延伸法に比べ面方向の配向バランスが均質なフィルムが得られるという優れた利点があるものの、物理的に複雑な延伸機構、つまり未延伸フィルム端部を把持して機械的或いは電気的に駆動されるクリップの走行速度を加速制御するという縦延伸機構を伴うために、延伸工程で均一に延伸変形させることは難しい。
従来から、同時二軸延伸法において、延伸工程の進行に伴う縦延伸倍率の変化の様子を示す線図で表すところの「縦延伸倍率軌跡」を工夫することで、延伸工程における変形挙動の均一化を図る検討がなされている。例えば、延伸時にフィルム中央部が遅れて変形されるボーイング現象を抑制しようとする手段として、縦方向に弛緩処理しながら横方向に延伸する方法(特許文献1)、或いは縦延伸倍率軌跡を横延伸倍率軌跡より先行させる方法(特許文献2)などが提案されている。
しかしながら、縦延伸倍率軌跡における特にクリップ間直線距離で表す縦延伸倍率軌跡を巧く制御できないと、延伸ムラが発生して厚さムラが拡大するという問題がある。
この延伸工程で生じる延伸ムラは、先ず厚さムラとして現れると共に、分子配向の違いによるフィルム物性のムラに繋がる。この物性のムラは、直接フィルム生産工程の弊害に関わらなくても、包装用途の一例として、フィルム製品の印刷ラミネート加工・製袋充填加工といった加工工程において、印刷ピッチずれ・蛇行・シール不良・製袋ムラなどのトラブル発生や、そのためにフィルム加工製品の品質悪化を招くことになる。こうしたフィルムは、特に物性バランスが要求されるフィルム用途では、延伸されたフィルム全巾を同一物性を有するものとして製品扱いできないことになる。
特開2000−309051号公報 特開2002−370278号公報
本発明は、上記同時二軸延伸法で問題となる延伸ムラに起因する物性ムラを抑え、詳しくは応力緩和に起因する応力変形バランスの崩れにもとづく厚さムラの拡大を極力抑え、均一で優れた品質安定性を有する同時二軸延伸ポリアミドフィルムを製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、機械的面倍率変形軌跡と実際のポリアミドフィルムの延伸変形、応力挙動について解析し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、下記の通りのものである。
(1)未延伸フィルムの巾方向の端部をクリップで把持して縦・横同時に二軸延伸するテンター法同時二軸延伸方法において、横延伸を開始してからその横延伸の最大延伸倍率に到達する迄は、隣り合わせのクリップとクリップの直線距離で表す縦延伸倍率を、その縦延伸の最大延伸倍率の5%以上降下させないことを特徴とする同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(2)延伸中の任意の時点において、縦延伸の最大延伸倍率に対するその時点での前記縦延伸の倍率が、横延伸の最大延伸倍率に対するその時点での前記横延伸の倍率よりも高くなるようにすることを特徴とする(1)の同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
(4)テンター法同時二軸延伸機をリニアモータ方式で駆動することを特徴とする(1)から(3)迄のいずれかの同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
本発明によれば、同時二軸延伸法で問題となる応力緩和に起因する応力変形バランスの崩れを抑えることで厚さムラの拡大を極力抑え、物性均一性、特に機械的特性・熱寸法安定性・光学特性に優れた品質安定性・性能安定性を有する同時二軸延伸ポリアミドフィルムを生産できる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明では、未延伸フィルムにおける巾方向の端部を多数のクリップで把持して縦・横同時に二軸延伸するテンター法同時二軸延伸方法において、横延伸倍率軌跡が最大倍率に到達する迄は、クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率軌跡を最大延伸倍率の5%以上降下させないことが最も重要である。更に好ましくは2%以下である。
本発明でいう延伸倍率軌跡とは、延伸開始点から最大延伸倍率到達点に至る延伸倍率変化を示す線図のことをいう。縦延伸倍率としては、(1)隣り合わせのクリップとクリップの直線距離(クリップ間直線距離)で表すものと、(2)このクリップ間直線距離を縦(フィルム流れ)方向に投影した距離で表すものがあるが、本発明では(1)を用い、これを「クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率」という。
同時二軸延伸装置は、縦・横の二軸方向に同時に引き伸ばす機構を有する。つまり、縦延伸として、フィルム走行方向に向かって右及び左に配列され、フィルム端部を把持して走行する多数のクリップ列の隣同士のクリップとクリップの間隔を、次第に広げてフィルム走行方向に引き伸ばす(加速する)ことと、横延伸として、フィルム走行方向に向かって右左に対向するクリップとクリップの距離を、次第に広げて巾方向に引き伸ばすこととが、同時に行われる延伸方法である。そのため、機械的に漸広する縦方向と横方向の延伸倍率変化が、実際のフィルム変形には相互に影響するのである。その理由は、縦(又は横)一軸方向の延伸変形が行われると、その直角方向である横(又は縦)に収縮応力が作用することによる。つまり、フィルム面には縦(又は横)一軸方向の延伸応力に加え、その直角方向の収縮応力が加重され、相互に且つ同時に作用しているためである。
仮に縦延伸倍率の変化が、延伸途中で一時的に降下して再び戻って上昇するという動きをすると、一時的に延伸応力低下を起こし、その応力低下は縦方向の応力緩和と共に横方向にも波及して、再び縦延伸倍率が戻っても、フィルムにおける延伸ゾーンには、縦延伸倍率が降下する前の延伸応力と、再び延伸倍率が戻ったときの延伸応力とが平衡して存在することになる。横延伸倍率は既に進行しているので、フィルムとフィルムとが引っ張り合う延伸ゾーンでは、面倍率の異なる延伸ムラが応力平衡して存在することになり、特にフィルムに未延伸段階から厚さムラがあると、延伸応力の高い厚い部分は最大延伸倍率に至らず、そのまま延伸ゾーンを通過してしまう結果となる。そのため、延伸されたフィルムの厚さムラ拡大率が増加することになる。この現象は、特にポリアミドフィルムで顕著である。
本発明でいう厚さムラ拡大率とは、単位長さの未延伸フィルムの厚さ変動係数と、その延伸された後の延伸フィルムの厚さ変動係数とを比較した拡大倍率をいう。変動係数とは、標準偏差の平均値に対する比で、データのばらつき度を表す統計用語である。
同時二軸延伸機は、レールに沿って駆動される支持部と、この支持部に取り付けられたクリップ(フィルム端把持部)とを有する。実際の同時二軸延伸機では、その構造上、予熱・延伸・熱処理の各工程において、支持部とクリップとは同一の軌道を有しない。つまり、レールに沿って駆動される支持部の走行軌道と、その支持部に取り付けられたクリップ(フィルム端把持部)の移動軌道とは相違する。このため、実際の縦延伸倍率軌跡となる、クリップ間直線距離の変化で表す縦延伸倍率軌跡は、横延伸倍率軌跡のカーブによって歪んだ軌道となる。通常、フィルム端部を把持して移動するクリップとその把持機構は、支持部やレールからのオイル飛び汚染を遮蔽するために、支持部よりもフィルム側に離して設けられるために、この縦延伸倍率軌跡の歪みは避けられない。
この縦延伸倍率軌跡の歪みは、横延伸倍率軌跡の湾曲部で生じる。通常、同時二軸延伸機の予熱ゾーンの平行直線走行部から延伸漸広走行部に移行する延伸序盤における、支持部の湾曲軌道と、次に延伸漸広走行部から熱処理ゾーンの平行直線走行部に移行する延伸終盤における、支持部の逆湾曲軌道との2ヶ所が、主な歪み発生箇所である。つまり、前者の湾曲軌道では、クリップ間直線距離が一旦先行して開き又戻る作用をなし、次に後者の逆湾曲軌道では、クリップ間直線距離は一旦縮まり又戻る作用をなす。特に延伸終盤の逆湾曲軌道においては、フィルム延伸応力がフィルム面に強く掛かっている段階であるので、延伸途中で縦方向に一時的に緩めて再び戻って引き伸ばすという動作は、延伸ゾーンでのフィルム面全体の延伸変形挙動に大きく悪影響を及ぼすことになる。
本発明の趣旨は、同時二軸延伸の途中で縦延伸倍率軌跡の歪みに起因する応力低下をさせてはいけないということにある。
この延伸ゾーンについての応力解析は、例えば、クリップに掛かるフィルム延伸応力を計測することで、行うことが可能である。クリップに掛かるフィルム延伸応力成分及びベクトル合成応力とその傾きとの関係を図1に示す。
図1において、1はレール軌道、2はレール1に沿って走行される支持部、3はクリップである。4は縦方向、αは縦方向4に対するクリップ3の走行移動角である。
クリップ3の走行移動方向の接線方向に掛かる応力FRD(逆方向は−FRD)とクリップ3の走行移動方向の法線方向に掛かる応力FVDとは実測できるので、クリップ3の走行移動角αから、縦方向の応力成分FMD(逆方向は−FMD)と横方向の応力成分FTD、更にそのベクトル合成応力FCPと、FCPの傾きφとが計算できる。
本発明では、このベクトル合成応力FCPを降下させないように、縦延伸倍率軌跡を設定することが重要である。
尚、実際の延伸応力は、フィルム端部を把持する固定クリップの台座、又は支持体としてのレール走行ベアリング装置とクリップユニットとを連結しているアームに、例えば、ストレインゲージや圧電素子などのセンサーを張り付け、そのセンサー信号をコンピューター解析することで検出可能である。
縦延伸倍率軌跡を降下させないためには、前記した縦延伸倍率軌跡の歪みを補正すればよい。
補正方法を説明する。例えば特公昭51−33590号公報に記載されたリニアモータ式の同時二軸延伸装置では、単独に走行するクリップ支持部は、レールに沿って配設された複数のリニアモータの固定誘導子が発生する移動磁界に牽引されて移動する。この固定誘導子の界磁コイルに供給する交流周波数を変えることで、各クリップ支持部の走行速度を個別に加減速調整できるので、各リニアモータドライバの周波数に修正を加えることで、縦延伸倍率軌跡の歪みを補正する方法が挙げられる。
次に、機械式の同時二軸延伸機の補正方法について説明する。例えば、実公昭45−6785号公報に記載されたパンタグラフ式の同時二軸延伸機では、パンタグラフ機構を構成するリンクユニットをエンドレスに連結した無端リンク装置は、左右一対のガイドレールに規制されながら、スプロケットにより駆動される。リンクユニットに固定されているクリップのクリップ間直線距離を伸長する縦延伸機構は、このガイドレール間隔を次第に狭めることにより調整される構造になっているので、このガイドレール軌道を修正することで、縦延伸倍率軌跡の歪みを補正することができる。或いは、ガイドレールの湾曲軌道の曲率半径を連続的に変化させて縦倍率の降下を抑えることにより補正することなどが挙げられる。しかし、これらに限定するものではない。
或いは、クリップの取付位置を支持部の走行軌道に極力近付けることも有効である。
更に、本発明の手法を、縦延伸倍率軌跡を横延伸倍率軌跡より先行させるボーイング対策と組み合わせて適用することもできる。
又、本発明では、同時二軸延伸の縦延伸倍率が2.5倍以上4.5倍以下であり、且つ、縦延伸倍率と横延伸倍率との比率が1:0.5以上1.5以下であることが好ましい。上記範囲は、充分な配向を与えるために実用化されている同時二軸延伸ポリアミドフィルムの二軸延伸倍率範囲であり、本発明の焦点である縦延伸倍率軌跡を最大倍率の5%以上降下させない効果、つまり均一に延伸させるための効果が顕著に発現できる範囲である。この倍率範囲で本発明は特に有用なものとなる。
この縦延伸倍率軌跡の歪みに関わる横延伸倍率軌跡(レール)のカーブは、特に限定するものではないが、二次或いは三次関数、三角関数、円弧と直線、曲線などの組み合わせで設定できる。
本発明における同時二軸延伸は、パンタグラフ方式テンター、スクリュー方式テンター、リニアモータ方式テンターなどを用いて行うことができる。かかる手段の具体例のうち、個々のクリップがリニアモータ方式で単独に駆動されているテンターは、可変周波数ドライバを制御することで縦延伸倍率変化を任意に制御できるという柔軟性を有することから、最も好ましい。これによると、縦延伸倍率軌跡の歪を補正する調整が容易であり、縦延伸倍率軌跡のカーブを微妙にしかも自由に選定できる利点がある。
本発明の製造方法が適用できるポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66の他、ナイロン11、ナイロン12などの単独重合体や、これらの混合物、共重合体などが挙げられる。
ポリアミド樹脂には、公知の添加剤、たとえば安定剤、酸化防止剤、充填剤、滑剤、帯電防止剤、ブロッキング防止剤、着色剤などを含有させても良い。
以下の実施例、比較例において用いた評価方法を下記に示す。
(1)厚さムラ拡大率
未延伸フィルムの厚みを、その巾方向に5mmピッチで測定した。これを長さ方向10m毎に10箇所測定し、全データより変動係数を求め、未延伸フィルムの厚さ変動係数CADとした。次に二軸延伸後のフィルムについて、その厚みを巾方向に[5×横延伸倍率×リラックス率]mmピッチで測定し、これを長さ方向に[10×縦延伸倍率×リラックス率]m毎に10箇所測定し、全データより変動係数を求め、延伸フィルムの厚さ変動係数CBOとした。
このCADに対するCBOの倍率(CBO/CAD)を求め、厚さムラ拡大率とした。
尚、測定器は、アンリツ社製の、FILM THICKNESS TESTER(KG601A)を用いた。
(2)升目延伸倍率(面倍率)
未延伸フィルム全面に10mm角の升目を印刷したうえで連続延伸を行った。二軸延伸後の升目四辺形の面積を求め、各升目毎に該当するフィルムの実質延伸倍率(面倍率)を計測した。巻取フィルムの全巾を長さ方向に5m採取して、実質延伸倍率の配列マトリックスより面倍率分布を得た。これを長さ方向100m毎に10箇所測定した。全ての面倍率データから変動係数を求めた。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。
実施例1
ナイロン6樹脂を巾600mmのT型ダイより溶融押出し、冷却ロール上でシート状に冷却固化させ、厚さ150μmの未延伸ポリアミドフィルムを成形し、続いて50℃に温調された温水槽で吸水処理させた。次に、このフィルムをリニアモータ駆動の同時二軸延伸テンターに供給し、巾方向の両端をクリップで把持して、190℃の条件下で、縦延伸倍率3.0倍、横延伸倍率3.3倍に同時二軸延伸を行った。尚この際、リニアモータドライバの周波数を調整して、縦延伸倍率軌跡の歪みに補正を加え、クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率が降下しない縦延伸倍率軌跡を採用した。この縦延伸倍率軌跡のパターンを図2においてAで示す。
更にテンターオーブンで215℃の熱処理を施し、縦横2%リラックス処理をして冷却後、フィルムの両端部をトリミングして巻取機で巻取った。こうして、厚さ15μmの同時二軸延伸ポリアミドフィルム製品ロールを得た。巻取速度は、120m/minとした。
この実施例1での巾方向の厚さムラ拡大率は2.1倍であった。つまり、未延伸フィルムの厚さ変動係数は1.0%であったのに対して、延伸フィルムの厚さ変動係数は2.1%であった。面倍率の変動係数は2%以下であり、均一に延伸されていた。又、図1に示されるFCPの低下は、全くなかった。
すなわち、巾方向にも長さ方向にも均一に延伸されたフィルムが得られた。ほぼフィルム全巾が製品として実用可能であった。
実施例2
実施例1と同様の条件で、クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率が2%降下する、図2においてBで示すパターンの縦延伸倍率軌跡を採用した。
この実施例での巾方向の厚さムラ拡大率は3.4倍であった。つまり、未延伸フィルムの厚さ変動係数は1.0%であったのに対して、延伸フィルムの厚さ変動係数は3.4%であった。面倍率の変動係数は4%以下であったが、厚さムラは増大していた。又、FCPは一時的に平衡状態になったが低下はなかった。
結果的に、ほぼ均一に延伸され実用上問題ないフィルムが得られた。フィルム製品として採用できるものであった。
実施例3
実施例1と同様の条件で、未延伸ポリアミドフィルムをパンタグラフ式同時二軸延伸機に供給し、フィルムの巾方向の両端をクリップで把持して、縦延伸倍率3.0倍、横延伸倍率3.3倍で同時二軸延伸を行った。この際、ガイドレール間隔を調整して、縦延伸倍率軌跡の歪みに補正を加え、クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率が降下しない縦延伸倍率軌跡を採用した。この縦延伸倍率軌跡のパターンを図2においてAで示す。
この実施例での巾方向の厚さムラ拡大率は2.2倍であった。つまり、未延伸フィルムの厚さ変動係数は1.0%であったのに対して、延伸フィルムの厚さ変動係数は2.2%であった。面倍率の変動係数は2%以下であり、均一に延伸されていた。又、FCPの低下は全くなかった。
以上により、巾方向にも長さ方向にも均一に延伸されたフィルムが得られた。ほぼフィルム全巾が製品として実用可能であった。
比較例1
実施例1と同様の条件で、クリップ間直線距離で表す縦延伸倍率が5%降下する、図2においてBで示すパターンの縦延伸倍率軌跡を採用した。
この比較例1では、巾方向の厚さムラ拡大率は9.5倍であった。つまり、未延伸フィルムの厚さ変動係数は1.0%であったのに対して、延伸フィルムの厚さ変動係数は9.5%であった。面倍率の変動係数は10%以上で、著しい延伸ムラが観察された。又、FCPは一時的に30%低下した。
フィルム製品として採用できるものではなかった。
延伸応力成分及びベクトル合成応力とその傾きとの関係を示す図である。 実施例及び比較例に用いた縦延伸倍率軌跡のパターンを示す概略図である。

Claims (4)

  1. 未延伸フィルムの巾方向の端部をクリップで把持して縦・横同時に二軸延伸するテンター法同時二軸延伸方法において、横延伸を開始してからその横延伸の最大延伸倍率に到達する迄は、隣り合わせのクリップとクリップの直線距離で表す縦延伸倍率を、その縦延伸の最大延伸倍率の5%以上降下させないことを特徴とする同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  2. 延伸中の任意の時点において、縦延伸の最大延伸倍率に対するその時点での前記縦延伸の倍率が、横延伸の最大延伸倍率に対するその時点での前記横延伸の倍率よりも高くなるようにすることを特徴とする請求項1記載の同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  3. 同時二軸延伸の縦延伸倍率が2.5倍以上4.5倍以下であり、且つ、縦延伸倍率と横延伸倍率との比率が1:0.5以上1.5以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
  4. テンター法同時二軸延伸機をリニアモータ方式で駆動することを特徴とする請求項1から3迄のいずれか1項記載の同時二軸延伸ポリアミドフィルムの製造方法。
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