JP4195044B2 - エレベーター - Google Patents

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Description

本発明は、駆動装置を設置する機械室を不要にしたトラクション式のエレベーターに関する。
近年、日照権の問題から昇降路頂部に設けられたロープ式エレベーターの機械室をなくす目的で、リニアモータエレベーター、かごと昇降路壁の隙間に巻上機を設置したエレベーター等が考案されている。
図16は、釣合い重り50に円筒型リニアモータ51の電機子を組み込んだエレベーターの概要を示したものである(例えば、特許文献1参照)。この例ではエレベーターの駆動機構を釣合い重り50に組み込むことにより、かご52をロープを介して昇降駆動し、従来のロープ式エレベーターの機械室を不要にしている。
図17および図18は、巻上機53を昇降路54頂部の昇降路壁とかご55横面との隙間に設置したエレベーターの概要を示したものである(例えば、特許文献2,3参照)。
特開平2‐23492号公報 実公平4‐50297号公報 特許第2593288号公報
図16で説明したリニアモータエレベーターでは従来の機械室を不要とするメリットを持つが、昇降路のかご上部にかごを吊るためのオーバーヘッドシーブを設置する必要がある。このため昇降路の高さそれ自体が高くなり、建物の屋上から突出することになるので、十分な効果を上げているとは言えない。また,釣合い重りに駆動装置を取り付けるため、釣合い重りの平面寸法が大きくなり、昇降路の平面寸法が大きくなることにより建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
図17で説明した昇降路内頂部の昇降路壁とかご横面との隙間に駆動装置を設置した例では、駆動シーブの回転面がかご横面に直交する形で配置されているため、かごと壁の隙間の寸法を、駆動シーブの直径分、通常のエレベーターより大きくとらなければならず、リニアモータエレベーターの例と同様に建物の有効利用面積が小さくなるという問題があった。
図18に示したもう一つの例では、かごの定格の積載量が大きくなった場合、巻上モータやトラクションシーブの厚さが大きくなり,乗りかごと昇降路壁の隙間に収まらず、エレベーターの大型化に対応できないことが考えられる。また、乗りかごに返し車を設けた構成となるため、構成が複雑で、部品数も増え、コストや据付け保守の手間という点で問題がある。
本発明の目的は、昇降路の平面寸法を小さく抑えることのできる機械室のないトラクション式のエレベーターを提供することにある。
以上の目的を達成するために、本発明のエレベーターは、昇降路内を昇降する1台の乗りかごと、釣合いおもりと、昇降路内の上部に設置された1台の駆動装置と、この駆動装置によって駆動される出力軸と、この出力軸に固定された2個のトラクションシーブと、一端が前記乗りかごの天井よりも下方の位置の一側部で前記乗かごに連結され前記トラクションシーブの一方を介して他端が前記釣合いおもりに連結された一方の吊りロープと、一端が前記乗りかごの天井よりも下方の位置の他側部で前記乗かごに連結され前記トラクションシーブの他方を介して他端が前記釣合いおもりに連結された他方の吊りロープとを備え、前記駆動装置は、前記釣合いおもりの昇降方向上部の延長上の昇降路頂部で、前記乗りかごの昇降方向への投影面外に設置され、前記トラクションシーブは、前記乗りかごの両側面とこれに対向する昇降路壁との間で前記乗りかごの昇降方向への投影面外に設置されていることを特徴とする。
また、本発明のエレベーターは、前記駆動シーブと前記駆動装置のモータとの間に減速機を配置した構成でもよい。
本発明によれば、駆動用のトラクションシーブ及びその駆動装置は、それぞれ昇降路内壁と前記乗りかごの昇降方向への投影面による空間との間に設置されているので、昇降路の水平断面における省スペースを実現でき、さらに昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、昇降路空間の有効利用を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する。
まず、本発明による第1の実施の形態の概要を図1乃至図4に示す。本実施の形態では、乗りかご1および釣合いおもり2が昇降するための昇降路3に、乗りかご1および釣合いおもり2の昇降をそれぞれ案内するための一対のかご用ガイドレール4および一対の釣合いおもり用ガイドレール5が設置されている。
乗りかご1は、利用客が乗るかご室1aと、かご室1aを支持するかご枠1bとで構成され、出入口部1cを備えている。かご用ガイドレール4と釣合いおもり用ガイドレール5の頂部には、それぞれのガイドレールに亘って設けられた連結ビーム6が一対設けられている。そして、駆動装置7を載置するための支持ビーム8が連結ビーム6間に跨がって取り付けられている。
支持ビーム8に載置された駆動装置7は、図4に示すような、巻上機16(巻上モータ)、ブレーキ装置18およびこれらを支持するフレーム19と、支持ビーム8に固定するための支持脚20から構成される減速機を用いないギヤレスの駆動装置であり、巻上機の両端の出力軸25には駆動用のトラクションシーブ10が設けられている。尚、トラクションシーブ10は駆動装置7の片端のみに取り付けた方式でも可能である。
これらのトラクションシーブ10には吊りロープ11がそれぞれつるべ状に巻き掛けられ、吊りロープ11の一端は釣合いおもり2上部のロープヒッチ部12に接続され、他端は乗りかご1の下部のかご枠1bに設けられたヒッチ部13にシャックルロッド11aを介して取り付けられている。このヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に、かつほぼ左右対称の位置に計2カ所設けられている。
すなわち、吊りロープ11の一方は、図1および図2で示すように、その一端が前記乗かご1の天井よりも下方の位置の一側部で前記乗りかご1に連結され、前記トラクションシーブ10の一方を介して他端が前記釣合いおもり2に連結され、吊りロープ11の他方は、その一端が前記乗りかご1の天井よりも下方の位置の他側部で前記乗りかご1に連結され、前記トラクションシーブ10の他方を介して他端が前記釣合いおもり2に連結されている。
尚、トラクションシーブ10が駆動装置7の片端のみに取り付けられた場合には、ヒッチ部は一つで済む。
釣合いおもり2は、乗りかご1の出入口部1cから見て背面に配置され、駆動装置7は、図1および図2で示すように、釣合いおもり2および乗りかご1を昇降させる昇降路3の上部に設置している。
図3は、第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。図3に示されるように、駆動装置7は出入口からみて幅方向に長尺な構造をしており、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10は、昇降路3の釣合いおもり2が対向する対向壁面3aと隣接する隣接壁面3bに寄せて設けられ、乗りかご1の側面14a,14b(かごが釣合いおもり2と対向する面と隣接する側の面)と昇降路3の隣接壁面3bとの間の空間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置されている。
すなわち、駆動用のトラクションシーブ10は、エレベーター昇降路3の上部であって、前記乗りかご1が昇降に必要な空間又はこの空間の上方向への延長部と昇降路壁3bとの間の空間、言い換えると、前記昇降路3の内壁3bと前記乗りかご1の昇降方向への投影面による空間との間に設置されている。
また、図2に示すとおり、駆動装置7のフレーム19の外径B(巻上げモータの外径)は、トラクションシーブ10の直径Aよりも小さくしている。また、図4で示したように、駆動装置7の巻上モータ16は、このトラクションシーブ10の乗りかご1側(図示内側)に配置されている。
次に、このように構成された第1の実施の形態の動作について説明する。まず、駆動装置7の巻上機が駆動されると、この両端に直結したトラクションシーブ10が回転し、このトラクションシーブ10と吊りロープ11との間の静止摩擦力(トラクション)により吊りロープ11が駆動される。これにより、吊りロープ11に連結された乗りかご1および釣合いおもり2がそれぞれのガイドレール4,5に沿って昇降駆動される。
以上、第1の実施の形態のエレベーターによれば、駆動装置7の巻上機の両端に設けられたトラクションシーブ10を、隣接壁面3bに寄せて、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかごの水平投影断面外に配置しているので、乗りかご1が昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかご1と干渉することがなく、その分駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の水平断面寸法を小さく抑えることができる。
また、釣合いおもり2が、乗りかご1の出入口の背面側に設置されるため、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。
また、駆動装置7の巻上機の両端にそれぞれトラクションシーブ10を設けるようにしたので、乗りかご1を吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかご1を昇降させることができる。
さらに、トラクションシーブ10の直径より小径の巻上モータを用いるようにしたので、駆動装置7の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができる。また、駆動装置7は減速機を用いないため静かで良好な走行特性を得ることができる。
また、かご枠1bのヒッチ部13が、乗りかご1の下部に設けられているため、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
また、ヒッチ部13は、乗りかご1の出入口部1cからみてほぼ左右対称の位置に設けられているため、バランスが良く、良好な走行特性を得ることができる。
次に、図5で示す第2の実施の形態を説明する。図5は、本発明の第2の実施の形態におけるエレベーター駆動装置の構成を示したものであり、駆動装置以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
第2の実施の形態による駆動装置15は、駆動モータ26の中空出力軸27は左右両側に伸びた構造になっていて軸受29に支持されている。駆動モータ26の中空出力軸27と同軸上に中空構造の減速機17及び駆動モータ26の回転を制動するブレーキ18が取付けられている。中空構造の減速機17の出力側には出力軸25が軸受28を介して取付けられており、出力軸25の両端にはトラクションシーブ10が取付けられている。トラクションシーブ10には図示しない乗りかご1と釣合い重り2を懸架する吊りロープ11が巻き掛けられている。
次に、本実施形態の動作を説明すると、駆動モータ26が回転して中空出力軸27に直結した中空構造の減速機17に動力が入力されて、中空構造の減速機17の出力側に取付けられた出力軸25に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。その出力軸25に取付けられたトラクションシーブ10、吊りロープ11を介して乗りかご6が昇降する。
本実施形態によれば第1の実施態様の効果に加え、中空構造の駆動モータ26、減速機17、ブレーキ18を用いることにより、これらを出力軸25と同軸上に配置することが可能となり、小型且つ軽量な駆動装置15が実現できるとともに、減速機17を介して出力軸25を駆動する為、エレベーターに要求される様々な容量、速度に対して減速機17の減速比と駆動モータ26の容量を変えると言った簡単な変更で対応する事が出来る。
また、図6に示すように、支持脚20は、トラクションシーブ10の鉛直方向の中心線を結ぶ面Zより対向壁面3a側、即ち乗りかご1より離れる方向にオフセットしているため、昇降路高さ寸法を変えずに乗りかご1の昇降行程高さの幅を広げることができる。尚、この支持脚20は、第1の実施形態の駆動装置7に適用しても同様の効果が得られる。
次に、第2の実施形態の駆動装置15の変形例を図7を用いて説明する。駆動モータ30の出力軸30aは遊星歯車減速機31の入力軸31aと直結しており、遊星歯車減速機31の出力軸31bは小歯車32に連結されている。トラクションシーブ10は出力軸25に直結されており、出力軸25には小歯車32と噛み合う歯車33が設けられている。また、出力軸25の一端は支持軸受34aを介して駆動モータ30、遊星歯車減速機31等によって構成される駆動ユニット36を持つ取付け脚35aに支持され、他の一端は同じく支持軸受34bを介して取付け脚35bに支持されている。
すなわち、駆動用のトラクションシーブ10は、前記第1の実施の形態とおなじく、エレベーター昇降路3の上部であって、前記乗りかご1が昇降に必要な空間又はこの空間の上方向への延長部と、昇降路壁3bとの間の空間に配置される。この駆動シーブ10の乗りかご1側(図示内側)に減速機31を配置し、更にこの減速機31の反駆動シーブ10側(図示左側の駆動シーブ10の右面側)にモータ30を配置している。
次に、この実施形態の動作を説明すると、駆動モータ30の回転は遊星歯車減速機31へ伝達され、増幅されたトルクが遊星歯車減速機31の出力軸31bより小歯車32に伝達する。小歯車32に伝達した動力は大歯車33を通して、さらに減速され出力軸25を回転させる。大歯車33とトラクションシーブ10は同一出力軸25に固着されており、大歯車33に伝達されたトルクは直接トラクションシーブ10の駆動力となる。
本実施形態によれば第1の実施形態の効果に加え、歯車を用いた減速機構を採用しているので、歯車の歯数比と減速段数を組み合わせることにより幅広く減速比を設定することができる。従って、様々なエレベーターの走行速度及び駆動力に対応することが可能となる。また、昇降路内のスペースが十分ある場合はエレベーター駆動装置を設置する為に機械室を設ける必要がなく、乗りかご1と昇降路壁3a及び天井の間の空間に収めることも可能となる。また、昇降路内にスペースが無い場合も駆動装置が小型化されたことにより機械室を小さくすることができる。
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第2の変形例を,図8乃至図9を参照して説明する。図8において図示しないブレーキを備えた駆動モータ38の両端に出力軸38aが出ており、歯車や継ぎ手などの伝動手段39a,39bを介して取付脚40a,40bを外周に備えた減速機41a,41bに接続されている。これら減速機41a,41bの出力側にはトラクションシーブ10が固着されている。一方、図9において駆動モータ38の両端の出力軸38aが直接減速機41a,41bの入力軸となり、駆動モータ38のフレーム38bが減速機41a,41bの固定部に結合されている。
次に、本変形例の動作を説明すると、駆動モータ38を回転すると伝動手段39a,39bを介して、或いはこれらを介さずに直接減速機41a,41bが駆動され,減速機41a,41bの出力側に取付けられたトラクションシーブ10に乗りかご1の昇降に必要な回転数と駆動力が伝達される。
本変形例によれば先の駆動装置の効果に加え、乗りかご1を幅方向に跨ぐ長尺の伝動経路を高速低トルクの伝達とすることが出来、トラクションシーブ10の間の機構部分を小形に構成することが出来るほか、乗りかご1や昇降路3の様々な寸法に対しこの伝動経路の長さを変えるだけで容易に対応出来るという利点もある。
次に、第2の実施形態の駆動装置15の第3の変形例を、図10乃至図13により説明する。図10において図示しないブレーキを備えた駆動モータ42には減速機43が接続され、その出力軸44の両端にはトラクションシーブ10が設けられている。この出力軸44を図示しない軸受けを介して支持する取付脚の一方45aは減速機43の外周に設けられ、他方の取付脚45bは反対側のトラクションシーブ近傍に設けられる。この取付脚45bに至る出力軸44にトルク伝達を行う継ぎ手46、或いは図11のように両端に継ぎ手46を持つ継ぎシャフト47を設けた。また、図12においては少なくとも一方のトラクションシーブと出力軸44の間に着脱自在な締結部材48を設けた。
本変形例によれば、乗りかご1や昇降路3の寸法に応じて容易にエレベーター駆動装置15の組立寸法を変更できるばかりでなく、据付時の搬入や組立調整が容易になるという利点がある。特に、図12の例では、トラクションシーブ10のみの交換、取付が可能となり作業効率が向上する。
次に、図13で示す第3の実施の形態を説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態におけるエレベーターの吊りロープのヒッチ部21の構成を示したものであり、ヒッチ部21以外の構成は第1の実施形態と同様の構成である。
第3の実施の形態におけるエレベーターの吊りロープのヒッチ部21は、乗かご1の天井面より少し低い位置のかご枠1bに設けられている。このように、吊りロープ11のヒッチ部21は、ロープ端部に設けられたシャックルロッド11aが駆動装置7に干渉しない十分低い位置に設けられているので、乗りかご1が昇降路の頂部付近まで上昇しても駆動装置7と干渉することはなく、昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができるとともに、かご枠1bの構造の簡素化および軽量化を図ることができる。
次に、図14で示す第4の実施の形態を説明する。図14は、本発明の第4の実施の形態によるエレベーターの構成を示したものである。
第4の実施形態のエレベーターは、駆動装置7の配置を変更した以外には第1の実施形態と同様の構成である。第4の実施の形態におけるエレベーターの駆動装置7は、釣合いおもり2の昇降方向上部の延長上の昇降路3頂部に位置しており、かつ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。また、トラクションシーブ10は、乗りかご1の側面14a,14bと昇降路壁との間に、それぞれ乗りかご1の水平投影断面外に配置されている。
このように第4の実施形態のエレベーターでは、乗りかご1の背面側に駆動装置7を配置し、かつ乗りかご1の側面14a,14bの側、即ち昇降路3の隣接壁面3b側にトラクションシーブ10を配置し、それぞれを乗りかご1の水平投影断面外に配置するようにしたので、乗りかご1が駆動装置7付近まで或いは駆動装置7を越えて上昇しても駆動装置7と干渉することがなく、さらに昇降路頂部方向の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法も小さく抑えることができる。
次に、図15で示す第5の実施の形態を説明する。図15は、本発明の第5の実施の形態によるエレベーターの構成を示したものである。
第5の実施の形態によるエレベーターは、第1の実施の形態におけるエレベーターのヒッチ部の位置を変更すると共に、ロープ吊り位置を移動させるためのそらせシーブを設けたこと以外は第1の実施形態の構成と同様である。
第5の実施形態のエレベーターは、2本の吊りロープ11の内、一方の吊りロープ11のヒッチ部22を乗りかご1の出入口部1cからみて後方(釣合いおもり2側)に設け、他方の吊りロープ11のヒッチ部23を乗りかご1の出入口近傍に重心Gに対してヒッチ部22と対称位置に設けている。ヒッチ部23に固定される吊りロープ11は、乗りかご1上方のかご用ガイドレール4に固定されたそらせシーブ24によりその懸垂位置が移動されている。
このように、乗りかご1の吊りロープ11のヒッチ部22,23をそれぞれ重心Gと対称位置としたことにより、乗りかご1を案内するガイドレールおよび案内装置(ガイドローラ)に偏荷重が加わり難くなり、これによりガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることができ、乗りかご1の走行特性も向上する。
以上のように本発明の各実施の形態によれば、乗りかごが昇降路頂部付近まで上昇した場合でも、乗りかごがトラクションシーブと干渉することがなく、その分駆動装置の昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ昇降路の平面寸法を小さく抑えることができる。
また、出入口幅方向の寸法を大きく取れない昇降路の場合でも昇降路寸法を大きくすることなくエレベーターを設置することができる。また、乗りかごを吊る位置の自由度が増し、安定して乗りかごを昇降させることができる。
また、昇降路頂部の寸法を低く抑えることができ、かつ、静かで良好な走行特性を得ることができる。また、駆動装置の小形化を図ることができ、さらに、ガイドレール、案内装置、かご枠等の簡素化および軽量化を図ることもでき、乗りかごの走行特性も向上する。
また、トラクションシーブを駆動装置の両端に設けているので、駆動モータを小径長軸に構成でき、高出力が得られるとともにスペース効率に優れたエレベーターを提供できる。
また、駆動装置を単純な構成で、低騒音かつ高い動力伝達効率のものとすることができるとともに、駆動装置に減速機を用いても、小型、軽量化を図ることができる。
また、駆動装置のスペース効率が向上し、エレベーター乗りかごの上昇最高点の範囲を拡大することができる。また、エレベーターの多種多様な速度、容量への対応が容易となる。さらに、昇降路や乗りかごの寸法に対して駆動装置の寸法を自由な対応が容易となり、組立てや取り付け作業も容易となる。
本発明の第1の実施形態のエレベーターの全体構成図である。 本発明の第1の実施形態のエレベーターの平面図である。 本発明の第1の実施形態のエレベーターの水平断面図である。 本発明の第1の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の構成を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第2の実施形態のエレベーターの駆動装置の変形例を示す正面図である。 本発明の第3の実施形態のエレベーターの全体構成図である。 本発明の第4の実施形態のエレベーターの全体構成図である。 本発明の第5の実施形態のエレベーターの全体構成図である。 従来のつるべ式リニアモータエレベーターの概要を示す図である。 従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。 従来の機械室レス型エレベーターの概要を示す図である。
符号の説明
1…乗りかご 2…釣合いおもり
3…昇降路 4…かご用ガイドレール
5…釣合いおもり用ガイドレール 7…駆動装置
10…トラクションシーブ 11…吊りロープ
13…ヒッチ部 17…減速機
18…ブレーキ装置 19…フレーム
20…支持脚 24…そらせシーブ
25…出力軸 46…継ぎ手
47…継ぎシャフト 48…締結部材

Claims (2)

  1. 昇降路内を昇降する1台の乗りかごと、釣合いおもりと、昇降路内の上部に設置された1台の駆動装置と、この駆動装置によって駆動される出力軸と、この出力軸に固定された2個のトラクションシーブと、一端が前記乗りかごの天井よりも下方の位置の一側部で前記乗かごに連結され前記トラクションシーブの一方を介して他端が前記釣合いおもりに連結された一方の吊りロープと、一端が前記乗りかごの天井よりも下方の位置の他側部で前記乗かごに連結され前記トラクションシーブの他方を介して他端が前記釣合いおもりに連結された他方の吊りロープとを備え、前記駆動装置は、前記釣合いおもりの昇降方向上部の延長上の昇降路頂部で、前記乗りかごの昇降方向への投影面外に設置され、前記トラクションシーブは、前記乗りかごの両側面とこれに対向する昇降路壁との間で前記乗りかごの昇降方向への投影面外に設置されていることを特徴とするエレベーター。
  2. 前記駆動シーブと前記駆動装置のモータとの間に減速機を配置したことを特徴とする請求項1に記載のエレベーター。
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