JP5056672B2 - エレベータ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、かご及びつり合おもりを連結した主索を駆動する巻上機が昇降路内に設置されたエレベータ装置に関する。
特開平10−139321号
図35及び図36は、特開平10−139321号公報に示された従来のエレベータ装置を示す図で、図35は概念的に示す斜視図、図36は図35の要部横断平面図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1の所定経路を昇降するかご、3は昇降路1内の水平面における一側に配置されたつり合おもり、4は巻上機で、昇降路1上部に設けられた支持用部材5によって天井下面に配置され、垂直軸線を介して枢持された駆動綱車6が設けられている。
7はかご2の下部の一側に設けられたかご第一滑車、8はかご2の下部の他側に設けられたかご第二滑車、9はつり合おもり3の上部に設けられたつり合おもり滑車、10は昇降路1の上部に水平軸線を介して枢着されてかご第二滑車8対応位置に配置されたかご側転向滑車、11は昇降路1の上部に水平軸線を介して枢着されてつり合おもり滑車9対応位置に配置されたつり合おもり側転向滑車である。なお、かご側転向滑車10、つり合おもり側転向滑車11は、垂直投影において、ともにその一部が、かご2と重なっている。
12は主索で、一端がかご第一滑車7に対応して昇降路1の天井に配置された第一綱止め具13によって昇降路1の上部に連結されて下降して、かご第一滑車7及びかご第二滑車8に巻掛けられて上昇し、かご側滑車10に巻掛けられて水平方向に張設され駆動綱車6に巻掛けられてつり合おもり側滑車11に巻掛けられ、下降してつり合おもり滑車9に巻掛けられて上昇して他端はつり合おもり滑車9に対応して昇降路1の天井に配置された第二綱止め具14によって昇降路1の上部に連結されている。
従来のエレベータ装置は上記のように構成され、巻上機4が付勢されて駆動綱車6が回転して主索12を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。また、巻上機4を昇降路1内の上部に配置して、独立的に設けられる機械室を省き、建物におけるエレベータ装置用のスペースを節減するようになっている。
上記のような従来のエレベータ装置では、図36に示すようにかご側転向滑車10、つり合おもり側転向滑車11は平面図においてかご2と重なるように昇降路1上部に配置されている。そのため、かご2が最上階に達したときにかご2と昇降路天井との間には転向滑車10、11分のスペースを要するという問題点があった。
また、かご側転向滑車10とつり合おもり側転向滑車11の位置関係によって駆動綱車6に巻き掛けられる主索12の巻き付け角度θが決定する。この巻き付け角度θは、駆動綱車6のトラクション能力に影響し、次のような関係を有している。トラクション能力=ekθそのため、巻き付け角度θを大きくしてトラクション能力を確保するためには、かご側転向滑車10とつり合おもり側転向滑車11の位置をなるべく接近させて配置することが必要になり、昇降路内への各機器の配置の自由度が低くなる。また、昇降路内への各機器の配置の自由度を優先した場合にはかご側転向滑車10とつり合おもり側転向滑車11の位置を接近させることが必ずしもできないために、トラクション能力を十分確保することができない。この発明は、かかる問題点を解消するためになされたものであり、昇降路に巻上機を内蔵し、かつ建物における最上階の階高に対応した高さの昇降路に設置できるエレベータ装置を得ることを目的とする。また、巻き付け角度θを大きくすることによりトラクション能力を確保したエレベータ装置を得ることを目的とする。さらに、フリートアングルを小さくすることができ、主索等の寿命を長くすることができるエレベータ装置を得ることを目的とする。ここで、フリートアングルとは主索が通る駆動綱車のシーブ溝とおもり側転向滑車のシーブ溝とがどれだけずれているかを示す値であり、詳しくは後述する。
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられる駆動綱車を有し、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記駆動綱車を前記昇降路内に水平方向に対して傾斜させて配置し、前記巻上機と前記第1の転向滑車と前記第2の転向滑車を昇降路内に設けられた共通の取付台に配置するとともに前記駆動綱車を前記取付台の上下面の内、前記かごまたは前記つり合いおもりが位置する側とは反対側に位置させたものである。
また、前記第1の転向滑車及び前記第2の転向滑車の内少なくとも1つの転向滑車に対する前記主索の巻き掛かりを前記反対側に位置させたものである。
さらに、前記取付台に前記主索の両端を固定したものである。
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられ、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記巻上機が前記昇降路内において水平方向に対して傾斜して配置されたものであるため、建物におけるエレベータ装置用のスペースが低減される。
また、前記つり合いおもりは前記昇降路壁と前記かごの間の空隙に配置され、前記巻上機は前記つり合いおもりが配置された空隙の上部に配置されるものであるため、つり合いおもりの設置に必要な空隙を有効に利用することができる。
さらに、前記巻上機は、垂直投影においてその一部が前記かごと重なりあい、他の部分が前記かごと前記昇降路の壁の間に位置し、前記一部が前記他の部分よりも前記昇降路の天井に近いものであるため、昇降路1の天井下面をかご2に接近させることができ、省スペース化が図られる。
さらにまた、前記巻上機は前記主索が巻き掛けられる駆動綱車を有しており、当該駆動綱車は前記昇降路の天井に対向して配置されるものであるため、昇降路1の天井と側壁とで形成されるスペースを有効に利用できる。
また、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記第1の転向滑車から前記巻上機に至る部分と前記巻上機から前記第2の滑車に至る部分の垂直投影が互いに交差するため、巻上機に巻き掛けられる主索の巻き付け角度を大きくすることができ、トラクション能力を大きくすることができる。
さらに、前記第1の転向滑車および前記第2の転向滑車は、垂直投影において前記かごと前記昇降路壁との間に配置されたものであるため、かごを転向滑車よりも高く位置させることができる。
さらにまた、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車と、前記昇降路内に設けられ、前記第1の転向滑車から前記巻上機に至る主索又は前記第2の転向滑車から前記巻上機に至る主索の方向を変化させるそらせ車とを有するため、昇降路内での転向滑車の配置の自由度を高めることができる。
また、前記第1の転向滑車または前記第2の転向滑車の回転面を前記昇降路の壁と平行としたものであるため、転向滑車が配置されるかごと昇降路の壁との間隙を小さくすることができる。
さらに、前記そらせ車は、その回転面が水平となるように前記昇降路の頂上部に配置されたものであるため、昇降路頂上部のスペースを有効利用できる。
さらにまた、前記第1の転向滑車、前記第2の転向滑車および前記巻上機を共通の取付台に取り付けたものであるため、取付台の組立によって第1の転向滑車、第2の転向滑車および巻上機の位置関係が決定されるので、これらの位置調整が容易になる。
前記取付台が前記昇降路の頂上部に配置されたため、冠水による巻上機の故障を防止できる。
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられ、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記第1の転向滑車及び前記第2の転向滑車の内少なくとも1つの転向滑車の回転面を略垂直に配置し、前記巻上機を水平方向に対して傾斜させて前記昇降路内に配置したので、フリートアングルを小さくすることができ、主索等の寿命を長くすることが出来る。
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられ、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記巻上機を前記昇降路内に略水平に配置し、前記第1の転向滑車及び前記第2の転向滑車の内少なくとも1つの転向滑車の回転面を垂直方向に対して傾斜させて前記昇降路内に配置したため、フリートアングルを小さくすることができ、主索等の寿命を長くすることが出来る。
この発明に係るエレベータ装置は、昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられ、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記巻上機を前記昇降路内に略水平に又は水平方向に対して傾斜させて配置配置し、前記巻上機と前記第1の転向滑車と前記第2の転向滑車を昇降路内に設けられた共通の取付台に配置したため、主索の張力によって生じる水平方向の力を互いに打ち消すことができる。
また、前記巻上機は前記主索が巻き掛けられる駆動綱車を有しており、当該駆動綱車を前記取付台の上下面の内、前記かごまたは前記つり合いおもりが位置する側とは反対側に位置させ、前記第1の転向滑車及び前記第2の転向滑車の内少なくとも1つの転向滑車に対する前記主索の巻き掛かりを前記反対側に位置させたため、巻上機、取付台、転向滑車の高さ方向の設置スペースを小さくすることができる。
さらに、前記取付台に前記主索の両端を固定したため、主索にかかる張力を分散させて支持することができる。
実施の形態1.
図1〜図4は、この発明の実施の形態の一例を示す図で、図1は概念的に示す正面図、図2は図1の側面図、図3は図1の要部横断平面図(垂直投影図)、図4は図3に対応した斜視図である。図において、1は昇降路、2は昇降路1の所定経路を昇降するかごで、出入口15及び上梁16が設けられ、また天井上面が上梁16上面から下降して引退面17が形成されている。
3は昇降路1内の水平面における一側に配置されたつり合おもり、18は巻上機で、出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に配置されて昇降路1の天井下面位置に装着され、垂直軸線を介して枢持された駆動綱車6が設けられている。この駆動綱車6は巻上機18の昇降路1の天井側に位置しており、昇降路1の天井と対向している。この実施の形態における駆動綱車6は巻上機18の外形よりも径が小さい。この配置により、昇降路1の天井と側壁とで形成されるスペースを有効に利用している。
また巻上機18は、水平方向に対して斜めに傾斜している(側面から見て斜めに配置している)。即ち、巻上機18は、垂直投影においてその一部がかご2と重なりあい、他の部分がかご2と昇降路1の壁の間に位置しており、かご2と重なる部分が他の部分よりも昇降路1の天井に近くなるように傾斜している。また、巻上機18はなるべく昇降路1の側壁側に位置するように設置されている。
7はかご2の下部の一側に設けられたかご第一滑車、8はかご2の下部の他側に設けられたかご第二滑車である。
9はつり合おもり3の上部に設けられたつり合おもり滑車、10はかご側転向滑車で、垂直投影において昇降路1の内壁及びかご2の間の空隙内に配置されて、昇降路1の上部に水平軸線を介して枢着されてかご第二滑車8対応位置に配置されている。
11はつり合おもり側転向滑車で、垂直投影において昇降路1の内壁及びかご2の間の空隙内に配置されて、昇降路1の上部に水平軸線を介して枢着されてつり合おもり滑車9対応位置に配置されている。かご側転向滑車10およびつり合いおもり側転向滑車11は、かご側転向滑車10が配置されたのと同じ昇降路1の内壁およびかご2の間の空隙に配置されている。このような配置は、昇降路1の横断面積を低減するのに有効である。
本実施の形態では、かご2と昇降路1の側壁との間の空隙でも特につり合いおもり3が配置されている空隙の上部に巻上機18および転向滑車10,11が配置されており、つり合いおもり3の設置に必要な空隙を有効に利用している。また、巻上機18は図3からわかるように昇降路1のコーナー寄りに配置されており、かご2との干渉をなるべく低減している。
また、かご側転向滑車10およびつり合いおもり側転向滑車11の回転面は互いに交わるようにかご2の側面、昇降路1の壁面に対して斜めに配置されている。19は昇降路1の底面に設けられてかご2及びつり合おもり3にそれぞれ対応して配置された緩衝器である。
12は主索で、一端がかご第一滑車7に対応して昇降路1上部に配置された第一綱止め具13によって昇降路1の上部に連結されて下降して、かご第一滑車7及びかご第二滑車8に巻掛けられて上昇し、かご側転向滑車10に巻掛けられて水平方向に張設され駆動綱車6に巻掛けられてつり合おもり側転向滑車11に巻掛けられ、下降してつり合おもり滑車9に巻掛けられて上昇して、他端はつり合おもり滑車9に対応して昇降路1上部に配置された第二綱止め具14によって昇降路1の上部に連結されている。
この主索12は、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分とが水平投影図において互いに交差している。しかしながら、巻上機18が斜めに配置されており、駆動綱車6への主索12の巻き掛かりの位置が巻き始めと巻き終わりとで縦方向にずれているため、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分とが互いに干渉することはない。また、これによって駆動綱車6に巻き掛けられる主索12の巻き付け角度θが大きくなり、トラクション能力が増大する。
かご側転向滑車10はつり合いおもり側転向滑車11よりも低い位置に設置されているが、これは駆動綱車6への主索12の巻き掛かりの位置が巻き始めと巻き終わりとで縦方向にずれているためである。
上記のように構成されたエレベータ装置において、巻上機18が付勢されて駆動綱車6が回転して主索12を介してかご2及びつり合おもり3が互いに反対方向に昇降する。また、巻上機18を昇降路1内の上部に配置して、独立的に設けられる機械室が省略されている。これにより、建物におけるエレベータ装置用のスペースが節減される。
また、昇降路1の上端部に巻上機18が装着されて巻上機18の下端が転向滑車10,11の下端よりも上方位置に配置される。また、巻上機18が出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に設けられる。さらに、かご側転向滑車10及びつり合おもり側転向滑車11が、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。
そして、巻上機18の上側に駆動綱車6が設けられると共に、主索12が駆動綱車6に対して水平方向に張設される。このため、建物における最上階(図示しない)の階高に相当した高さに形成された昇降路1に巻上機18を装着し、また主索12を張設することができる。
したがって、昇降路1の天井下面をかご2に接近させることができるので、建物における最上階の階高よりも昇降路1の天井下面を高くする必要がなく、エレベータ装置の設置スペースのために要する建築費を節減することができる。また、このような作用と共に建物の高さを低くすることができるので、近隣の日照権を損なう不具合を解消することができる。
また、主索12の内、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分とが互いに干渉することなく、水平投影図において交差しているため、駆動綱車6に巻き掛けられる主索12の巻き付け角度θが大きくなる。そのため、トラクション能力を増大させることができる。このトラクション能力の増大は次のような効果をもたらす。
エレベータ装置は、かご重量W1、定員重量W2、カウンターウェイトW3とすると、W1+W2×1/2=W3となるように、カウンターウェイトW3を設計している。駆動綱車6のトラクション能力はW3/W1の値の増減に応じて調整する必要があるが、近年コスト低減を目的として、かご室軽量化(W1減少)が進んでおり、この場合にはW3/W1が大きくなりトラクション能力を増加させる必要がでてくる。したがって、トラクション能力を大きくすることによって、よりかご室の軽量化を進めることができ、コスト低減を進めることができる。
また、トラクション能力はekθ(k:駆動綱車の溝形状で決まる定数、θ:巻き付け角度)で表され、同じトラクション能力を得ようとする場合には、巻き付け角度θをN倍にすることができれば、溝係数kは1/N倍ですむ。駆動綱車6の硬度をHとすると、駆動綱車の摩耗深さはm/Hに比例する。ここで、mは駆動綱車の溝形状で決まる定数で、溝係数kの増減に対応して増減する。同じトラクション能力を得ようとした場合、巻き付け角度θが大きく取れれば、溝係数kは小さくて済み、mも小さくなる。したがって、駆動綱車の硬度Hが低い材料を使っても摩耗深さの増加を抑制でき、駆動綱車の寿命を確保することができる。そのため、より硬度の低い安価な材料を選択することができる。
また、この実施の形態のように主索12を交差することによって、主索12の張力を打ち消すこともできる。駆動綱車6への巻き始めと巻き終わりとが互いに交差する場合と交差しない場合の軸力を図20に示す。図20に示したように、主索12の張力をPとすると、交差しない場合には軸力が2P必要であるが、交差させることによって軸力が2Pよりも小さい2P1となり、駆動綱車6の軸にかかる荷重を低減することができる。このことによって、駆動綱車6の軸を細く設計することや、強度を低く設計することが可能となる。
実施の形態2.
図5〜図8は、この発明の他の実施の形態の一例を示す図であり、図5はこの実施の形態におけるエレベータ装置の構成を概念的に示す正面図、図6は図5の側面図、図7は図5の要部横断平面図(垂直投影図)、図8は図7に対応した斜視図である。図において、前述の図1〜図4と同符号は相当部分を示す。
20は巻上機で、出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に配置されて昇降路1の天井下面位置に装着される。さらに巻上機20には垂直軸線を介して枢持された駆動綱車6が設けられると共に、駆動電動機21が下面から下方に突出して設けられている。駆動綱車6は巻上機20の内昇降路1の天井側に位置しており、駆動電動機21は巻上機20の内昇降路1の天井とは反対側に位置している。駆動綱車6は巻上機20の外形よりも径が小さい。また、駆動電動機21は、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置されている。
本実施の形態では、かご2のと昇降路1の側壁とで形成される空間でも特につり合いおもり3が配置されている空間の上部に巻上機20および転向滑車10,11が配置されており、つり合いおもり3の設置に必要な空間を有効に利用している。また、巻上機20は横断平面図7からわかるように昇降路1のコーナー寄りに配置されており、かご2との干渉をなるべく低減している。
この巻上機20は、駆動電動機21が取り付けられている部分を低くし、駆動電動機21が取り付けられていない部分が高くなるように水平方向に対して斜めに配置している(側面から見て斜めに配置されている)。また、かご側転向滑車10およびおもり側転向滑車11の回転面は、互いに交わるように横断平面図7において斜めに配置されている。
かご側転向滑車10はつり合いおもり側転向滑車11よりも低い位置に設置されている。そして、駆動綱車6への主索12の巻き掛かりの位置が巻き始めと巻き終わりとで縦方向にずれている。これによって、主索12の内、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分とが互いに干渉することなく、垂直投影が交差する。これによって、駆動綱車6に巻き掛けられる主索12の巻き付け角度θが大きくなり、トラクション能力が増大する。
上記のように構成されたエレベータ装置においても、昇降路1の上端部に巻上機20が装着されて巻上機20の下端が転向滑車10,11の下端よりも上方位置に配置される。また、駆動電動機21が下面から下方に突設されるものの、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。さらに、巻上機20が出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に設けられる。
また、かご側転向滑車10及びつり合おもり側転向滑車11が、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。したがって、詳細な説明を省略するが図5〜図8の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
実施の形態3.
図9〜図11も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図であり、図9は概念的に示す正面図、図10は図9の要部横断平面図(垂直投影図)、図11は図10に対応した斜視図である。
図において、前述の図1〜図4と同符号は相当部分を示し、22は主索で、一端がかご2の反出入口15側の下部に連結されて上昇して、かご側転向滑車10に巻掛けられて水平方向に張設され駆動綱車6に巻掛けられてつり合おもり側転向滑車11に巻掛けられ、下降してつり合おもり3の上部に連結されている。さらに、かご側転向滑車10及びつり合おもり側転向滑車11が、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。
上記のように構成されたエレベータ装置においても、昇降路1の上端部に巻上機18が装着されてこの下端が転向滑車10,11の下端よりも上方位置に配置される。また、巻上機18が出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に設けられる。この駆動綱車6は巻上機18において昇降路1の天井側に位置している。この実施の形態における駆動綱車6は巻上機18の外形よりも径が小さい。この配置により、昇降路1の天井と側壁とで形成されるスペースを有効に利用している。
また、巻上機18は水平方向に対して斜めに傾斜し(側面から見て斜めに配置している)、なるべく昇降路1の側壁側に位置するように設置されている。本実施の形態では、かご2のと昇降路1の側壁とで形成される空間でも特につり合いおもり3が配置されている空間の上部に巻上機18および転向滑車10,11が配置されており、つり合いおもり3の設置に必要な空間を有効に利用している。また、巻上機18は図10からわかるように昇降路1のコーナー寄りに配置されており、かご2との干渉をなるべく低減している。
したがって、詳細な説明を省略するが図9〜図11の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
実施の形態4.
図12〜図14も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図であり、図12は概念的に示す正面図、図13は図12の要部横断平面図(垂直投影図)、図14は図13に対応した斜視図である。図において、前述の図1〜図4と同符号は相当部分を示し説明は省略する。
23はそらせ車で、垂直軸線によって昇降路1の天井下面位置に設けられ駆動綱車6とかご側転向滑車10の間の主索12を昇降路1の内壁面に沿う方向に張設する。即ち、そらせ車23はかご側転向滑車10から巻上機18に至る主索12の方向を変化させている。このような構造は、昇降路内での転向滑車の配置の自由度を高めることができるため、有効である。
この実施の形態でそらせ車23は、回転面が水平となるように配置されている。また、そらせ車23は、横断平面図13においてかご2と重ならない位置に配置されており、特にかご2の側面と昇降路1の内壁面との間の空間であり、つり合おもり3が配置されている空間の上部に配置されている。
上記のように構成されたエレベータ装置においても、昇降路1の上端部に巻上機18が装着されてこの下端が転向滑車10,11の下端よりも上方位置に配置される。また、巻上機18が出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に設けられる。さらに、かご側転向滑車10及びつり合おもり側転向滑車11が、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。したがって、詳細な説明を省略するが図12〜図14の実施の形態においても図1〜図4の実施の形態と同様な作用が得られる。
また、図12〜図14の実施の形態において、そらせ車23によって駆動綱車6とかご側転向滑車10の間の主索12が昇降路1の内壁面に沿う方向に張設されるので、かご側転向滑車10の側面を昇降路1の内壁面と平行に配置することができる。このため、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間幅を縮小することができ、建物におけるエレベータ装置用のスペースを一層節減することができる。また、駆動綱車6に対する主索12の巻き付け角度θを大きくすることができるという利点もある。さらに、そらせ車23が垂直投影においてかご2と重ならず、かご2と昇降路1との空隙に配置されているため、かご2とそらせ車23との干渉が防止できるとともに干渉を防止するために要するスペースが不要となる。
実施の形態5.
図15〜図17も、この発明の他の実施の形態の一例を示す図であり、図15は概念的に示す正面図、図16は図15の要部横断平面図(垂直投影図)、図17は図16に対応した斜視図である。図において、前述の図12〜図14と同符号は相当部分を示し説明は省略する。24はつり合おもりで、かご2の出入口15に接続した外縁部と昇降路1の内壁面との隙間内に設けられている。即ち、かご2の側面の内、出入口15が形成された面に隣接する面と昇降路1の内壁面との間の空間につり合おもり24が配置される。
23はそらせ車で、垂直軸線によって昇降路1の天井下面位置に設けられ駆動綱車6とかご側転向滑車10の間の主索12を昇降路1の内壁面に沿う方向に張設する。即ち、かご側転向滑車10から巻上機18に至る主索12の方向を変化させている。そらせ車23はこの実施の形態では、回転面が水平となるように配置されている。
上記のように構成されたエレベータ装置においても、昇降路1の上端部に巻上機18が装着されてこの下端が転向滑車10,11の下端よりも上方位置に配置される。また、巻上機18が出入口15から離れたかご2の側面の上方対応位置、すなわちかご2の引退面17に対応した位置に設けられる。さらに、かご側転向滑車10及びつり合おもり側転向滑車11が、かご2の縁部と昇降路1の内壁との隙間内に配置される。
また、そらせ車23によって駆動綱車6とかご側転向滑車10の間の主索12が昇降路1の内壁面に沿う方向に張設されるので、かご側転向滑車10の側面を昇降路1の内壁面と平行に配置することができる。したがって、詳細な説明を省略するが図15〜図17の実施の形態においても図12〜図14の実施の形態と同様な作用・効果が得られる。
実施の形態6.
この実施の形態は特に、昇降路1内に巻上機、転向滑車10、11およびそらせ車23を固定するための取付台の構造について説明する。図18は巻上機、転向滑車10、11およびそらせ車23を固定する取付台が設置された状態の側面図であり、図19は横断平面図(垂直投影図)である。
25は取付台であり、この取付台は、かご2のガイドレール2本およびつり合おもりのガイドレール2本に梁を通し、この梁に一体的に固定される。この取付台25には、巻上機を水平方向に対して斜めに配置するとともに、転向滑車10、11の回転軸が取り付けられ、かつそらせ車23の回転軸も取り付けられる。一体的に固定された取付台25に巻上機、転向滑車10、11およびそらせ車23を固定するようにしているため、取付台25の組立によってこれらの位置関係が決定されるので、エレベータ設置時の調整が容易になる。また、巻上機、転向滑車10、11およびそらせ車23にかかる荷重はすべて取付台25を介して、4本のガイドレールで支持されるため、昇降路1の強度を考慮する必要がない。
尚、この実施の形態では、取付台25をかご2のガイドレール2本およびつり合おもりのガイドレール2本に固定しているが、昇降路1の壁に十分な強度があれば、昇降路1の内壁に取り付けてもよい。また尚、先の実施の形態の内、そらせ車23を設けない場合にもこの取付台25を適用することができる。
実施の形態7.
図21、図22はこの実施の形態を示し、図21は側面図であり、図22は要部横断平面図(垂直投影図)である。この実施の形態においては、昇降路1の天井下面位置に巻上機を水平方向に対して斜めに配置する点では先の実施の形態と同様であるが、主索12の内、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分の垂直投影が交差していない点で異なっている。
図において、前述の図15〜図17と同符号は相当部分を示し説明は省略する。この実施の形態における巻上機18も、天井側に巻上機18の外形よりも小さい径の駆動綱車6を設けている。そのため、昇降路1の天井と昇降路1の内壁とで形成される角の空間を有効利用することができる。また、この実施の形態においては、主索12の内、かご側転向滑車10から駆動綱車6に至る部分と、駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る部分とは図22に示したように交差していない。しかし、巻上機18を水平方向に対して斜めにすることにより、従来例に比べて転向滑車11、そらせ車23とのロープ偏向角を小さくすることができる。さらに、かご2が最も上昇したときのかご2の天井位置から昇降路1の天井までの寸法Bを、巻上機18を水平配置したときに必要な寸法Aよりも小さくすることができる。
実施の形態8.
昇降路1の天井下面位置に巻上機を水平方向に対して斜めに配置した他の実施の形態を以下に説明する。図23、図24はこの実施の形態を示し、図23は正面図であり、図24は要部横断平面図(垂直投影図)である。図において、前述の図15〜図17と同符号は相当部分を示し説明は省略する。
巻上機18は水平方向に対して角度αだけ傾いた状態で昇降路1の頂上部に配置されている。巻上機18は垂直投影図において一部がかご2と重なり、他の部分がかご2と昇降路壁との隙間上に位置する。特につり合いおもり24が配置されている側のかご2と昇降路壁との隙間に位置している。そして、巻上機18が傾斜しているため、巻上機18のかご2と重なっている部分は、隙間上に位置している部分よりも昇降路天井に近い。また、駆動綱車6は巻上機18の天井側に設置されており、駆動綱車6も巻上機18と同様に角度αだけ傾いている。駆動綱車6の大きさは巻上機のモータ部分に対して直径が小さい。
さらに、この実施の形態ではそらせ車は設けられていない。そのため、主索12はそらせ車を介さずにかご側転向滑車10から駆動綱車6に至り、さらに駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る。つり合いおもり側転向滑車11はつり合いおもり24が配置されている側のかご2と昇降路壁との隙間上に位置しており、かご側転向滑車10よりも下(昇降路天井から離れる方向)に位置している。また、かご側転向滑車10およびつり合いおもり側転向滑車11の回転面が略垂直になるように設けられている。
この実施の形態のように昇降路1の天井下面位置に巻上機を水平方向に対して斜めに配置することは、駆動綱車6の溝、主索12の寿命確保の上で有効な手段である。この点を以下に詳述する。
図25は、図34に示した従来のエレベータ装置における駆動綱車6とつり合いおもり側転向滑車11との位置関係を示す図である。図25では駆動綱車6のシーブ溝が水平であり、おもり側転向滑車11のシーブ溝が垂直に配置され、2つのシーブ溝間に主索12が巻き掛けられている状態を示している。図25(b)は、図25(a)を矢印方向から見た図である。図25(b)では、主索12が3本のロープで構成されている場合を示している。ロープ12aは、駆動綱車6のシーブ溝からおもり側転向滑車11のシーブ溝に移行する際にa1の距離だけずれた位置に設定される。
図25においてθ1はフリートアングルを示している。図25の場合、フリートアングルθ1は、以下のように計算できる。
θ1=Arctan(a1/L)
このフリートアングルθ1は、主索12が通る駆動綱車6のシーブ溝とおもり側転向滑車11のシーブ溝とがどれだけずれているかを示す値である。この値が大きくなるとシーブ溝側面に主索12が強くあたるようになり、主索12およびシーブ溝の摩耗力が大きくなる。即ち、図26に示すようにフリートアングルθ1の場合の、主索12の張力をT、シーブ溝と主索12の摩擦係数をμとすると、シーブ溝側面にはT×sinθの力が働き、その結果μT×sinθの摩擦力が発生する。
そして、この摩擦力により、主索12およびシーブ溝の寿命が短くなるという問題がある。一般的にエレベータの場合、フリートアングルθ1を1.5°以下にすることが寿命確保の上で必要とされている。
一方、本実施の形態のように巻上機18を水平方向に対して角度αだけ傾けた場合には、図27の位置関係となる。図27(b)は図27(a)の円部を拡大したものである。図27の場合、ロープ12aは、駆動綱車6のシーブ溝からおもり側転向滑車11のシーブ溝に移行する際にa2の距離だけずれた位置に設定される。巻上機18を傾けているために、距離a2はa2<a1の関係となる。そしてフリートアングルθ2はθ2=Arctan(a2/L)となる。
フリートアングルθ1、θ2の関係は、フリートアングルθ2<フリートアングルθ1となるため、巻上機18を傾けた方が主索12およびシーブ溝の寿命を長くすることができる。
次に、巻上機18の傾き角度αとa2の減少量との関係は、図28のようになる。このグラフからわかるように、角度αが小さい値において急激にa2の距離が小さくなり、角度αが90°に近づくにつれてなだらかに変化する。このグラフから巻上機18をわずかに傾けただけでもフリートアングルθ2が小さくなり、大きな効果が得られる事が分かる。以上説明したように、巻上機18を水平方向に対して傾けることにより、駆動綱車6のシーブ溝、主索12の寿命確保の上で有効な効果が得られる。
但し、設計上、傾き角度αを何度に設定するかは、その他の要素、例えば昇降路のスペースとの関係で決定される。例えば、角度αを傾けていけばいくほど、昇降路頂部を高く設定する必要がでてくる。その結果、建築コストの増加につながる。そのため、駆動綱車6のシーブ溝、主索12の寿命確保を考慮しつつ、かつ建築コスト増を招かない範囲で巻上機の傾き角度αを設定することが設計上必要となる。
尚、以上説明した駆動綱車6のシーブ溝、主索12の寿命が長くなる効果は、巻上機を水平方向に対して斜めに配置した先の実施の形態においても得られる効果である。また、この実施の形態における巻上機18も、天井側に巻上機18の外形よりも小さい径の駆動綱車6を設けている。そのため、昇降路1の天井と昇降路1の内壁とで形成される角の空間を有効利用することができる。
実施の形態9.
図29、30はこの実施の形態を示し、図29は正面図であり、図30は要部横断平面図(垂直投影図)である。図において、前述の図15〜図17と同符号は相当部分を示し説明は省略する。
巻上機18は昇降路頂上部に水平に配置されている。一方、かご側転向滑車10およびつり合いおもり側転向滑車11はその回転面が垂直方向に対して角度αだけ傾いている。そのため、巻上機18が水平に配置されているものの、主索12が駆動綱車6のシーブ溝からおもり側転向滑車11のシーブ溝に移行する際の移動量a2およびフリートアングルθ2は実施の形態8と同様の値になる。したがって、従来に比べて主索12およびシーブ溝の寿命を長くすることができる。
また、巻上機18は垂直投影図において一部がかご2と重なり、他の部分がかご2と昇降路壁との隙間上に位置する。さらに、この実施の形態ではそらせ車は設けられていない。そのため、主索12はそらせ車を介さずにかご側転向滑車10から駆動綱車6に至り、さらに駆動綱車6からつり合いおもり側転向滑車11に至る。つり合いおもり側転向滑車11はつり合いおもり24が配置されている側のかご2と昇降路壁との隙間上に位置している。そして、かご側転向滑車10とつり合いおもり側転向滑車11は略同じ高さに設置されている。
以上の実施の形態8、9はいずれも巻上機18から転向滑車10、11へのフリートアングルを低減することも目的としているが、これら実施の形態を組み合わせることも可能である。即ち、巻上機18を水平方向に対して傾斜させ、さらに転向滑車10、11の回転面を垂直方向に対して傾けて配置しても良い。
実施の形態10.
この実施の形態は、昇降路1内に巻上機18、転向滑車10、11を固定するための取付台を説明するものである。図31は巻上機18、転向滑車10、11を固定する取付台が設置された状態の横断平面図(垂直投影図)である。
25はガイドレールの上部に固定された取付台であり、この取付台は、かご2のガイドレール2本およびつり合おもりのガイドレール2本に梁を通し、この梁同士が接合されて一体的な取付台が構成されている。この取付台25には、巻上機18が水平に配置され、かご側転向滑車10およびつり合いおもり側転向滑車11も共通の取付台25に固定される。この実施の形態の取付台には実施の形態9にしているように転向滑車10、11の回転面が垂直方向に対して斜めに配置することも可能であり、以下のような効果が同様に得られる。
取付台25の組立によって巻上機18、転向滑車10、11の位置関係が決定されるので、エレベータ設置時の調整が容易になる。また、巻上機、転向滑車10、11およびそらせ車23にかかる荷重はすべて取付台25を介して、4本のガイドレールで支持されるため、昇降路1の強度を考慮する必要がない。
また、巻上機18、転向滑車10、11を一体的な取付台25に取り付けることは以下の点でも有効である。図32は、巻上機18、転向滑車10、11を一体的な取付台25に取り付けた場合の水平方向の力を示す図である。図33は、巻上機18、転向滑車10、11を一体的な取付台25に取り付けた場合の垂直方向の力を示す図である。
巻上機18の駆動綱車6とかご側転向滑車10、駆動綱車6とつり合いおもり側転向滑車11の間は主索12が巻き掛けられているが、主索12にかかる張力をTとすると、図32のように駆動綱車6には主索12の軸方向にそれぞれTの力がかかる。また、かご側転向滑車10、つり合いおもり側転向滑車11にもそれぞれ張力Tがかかる。これらの力は駆動綱車6の支持部、転向滑車10、11の軸部を介して取付台25に力を及ぼすが、張力Tのベクトル方向が同じで互いに打ち消し合う圧縮力となる。
取付台25の構造強度をあらかじめ確保すれば、取付台25の中で力がバランスするため、取付台25を支持しているかごのガイドレールおよびつり合おもりのガイドレールには力を及ぼさない。
また、巻上機18、かご側転向滑車10、つり合いおもり側転向滑車11、取付台25の重量をWとすると、図33に示すように垂直方向の力は2T+Wとなる。この力をかごのガイドレールとつり合いおもりのガイドレールとで受けることになる。この力はすべてガイドレールの軸方向の力であり、レール強度上最も強い方向であるため理想的な力のかかり方となる。この効果は、先の実施の形態6に記載した取付台25でも同様に言えることである。
また、本実施の形態の場合、巻上機18の上側(天井側)に駆動綱車6が設けられ、取付台25の天井側に主索12が位置している。そして、転向滑車10、11の軸はいずれも取付台25の下側の面に固定されており、固定縦断面において転向滑車10、11への主索12の巻き掛かり位置は取付台25の天井側に突出しており、転向滑車10、11の下端は取付台25の下側に突出している。言い換えれば、取付台25の上下面の内、かご2やつり合いおもり24が位置する側とは反対側の面に駆動綱車5を位置させ、転向滑車10、11に対する主索12の巻き掛かりも反対側の面に位置させる。これによって、縦断面において転向滑車10、11の上端から下端の間に取付台25が位置することになる。
このような構造は、取付台25、巻上機18および転向滑車10、11の高さ方向の設置スペースを小さくするのに有効である。図34のように巻上機18の下側に駆動綱車6を設けた場合には、取付台25、巻上機18および転向滑車10、11の高さ方向の設置スペースはS1の距離となる。しかし、本実施の形態の場合には、巻上機18の上側(天井側)に駆動綱車6が設けられて取付台25の天井側に主索12が位置するため、取付台25、巻上機18および転向滑車10、11の高さ方向の設置スペースはS1よりも小さい距離S2とすることができる。この実施の形態では転向滑車10、11の両方の回転軸を取付台25の下側の面に固定し、主索12の巻き掛かり位置が取付台25の天井側に突出しているが、いずれか一方の回転軸についてこのような配置にしても同様の効果が得られる。
さらに、主索12の両端末は取付台25に固定している。これにより、主索固定用のブラケットを別途設けることが不要となる。従来のように主索の両端末を建物又はガイドレールに取付けた場合には、取付け部分に集中的に主索の張力がかかるため建物又はガイドレールの強度が必要になるが、取付台25に主索の両端末を取付け、さらに取付台25を複数のガイドレールで支持することにより支持力を分散することもできる。
また、以上説明した構造は、実施の形態6の取付台25にも適用することができる。尚、この実施の形態では、取付台25をかご2のガイドレール2本およびつり合おもりのガイドレール2本の上部に固定しているが、昇降路1の壁に十分な強度があれば、昇降路1の内壁に取り付けてもよい。また、取付台25をかご2のガイドレールにのみ固定、つり合おもりのガイドレールにのみ固定してもよい。また、上記4本のガイドレールの内いずれか数本を選択して固定してもよい。
この発明の実施の形態1を示す概念的正面図。 図1の側面図。 図1の要部横断平面図。 図3に対応した斜視図。 この発明の実施の形態2を示す概念的正面図。 図5の側面図。 図5の要部横断平面図。 図5に対応した斜視図。 この発明の実施の形態3を示す概念的正面図。 図9の要部横断平面図。 図10に対応した斜視図。 この発明の実施の形態4を示す概念的正面図。 図12の要部横断平面図。 図13に対応した斜視図。 この発明の実施の形態5を示す概念的正面図。 図15の要部横断平面図。 図16に対応した斜視図。 この発明の実施の形態6を示す概念的正面図。 図18の要部横断平面図。 主索の張力と軸力の関係を示す図。 この発明の実施の形態7を示す概念的正面図。 図21の要部横断平面図。 この発明の実施の形態8を示す正面図。 図23の要部横断平面図。 従来のエレベータ装置における駆動綱車6とつり合いおもり側転向滑車11との位置関係を示す図。 主索12およびシーブ溝側面に働く力を示す図。 本実施の形態における駆動綱車6とつり合いおもり側転向滑車11との位置関係を示す図。 巻上機18の傾き角度αと主索12の移行距離a2との関係図。 この発明の実施の形態9を示す正面図。 図29の要部横断平面図。 この発明の実施の形態10を示す要部横断平面図。 巻上機18、転向滑車10、11を一体的な取付台25に取り付けた場合の水平方向の力を示す図。 巻上機18、転向滑車10、11を一体的な取付台25に取り付けた場合の垂直方向の力を示す図。 巻上機18の下側に駆動綱車6を設けた場合の、取付台25、巻上機18および転向滑車10、11の高さ方向の設置スペースを示す図。 従来のエレベータ装置を示す概念的斜視図。 図35の要部横断平面図。
符号の説明
1 昇降路、2 かご、3 つり合おもり、6 駆動綱車、10 かご側転向滑車、11 つり合おもり側転向滑車、12 主索、15 出入口、17 引退面、18 巻上機、20 巻上機、21 駆動電動機、22 主索、23 そらせ車、24 つり合おもり。

Claims (3)

  1. 昇降路内を移動するかごと、前記昇降路内を移動するつり合いおもりと、前記かごおよび前記つり合いおもりとを懸架する主索と、前記主索が巻き掛けられる駆動綱車を有し、当該主索を介して前記かごおよび前記つり合いおもりを昇降させる巻上機とを有するエレベータ装置において、前記主索の内、前記かごから前記巻上機に至る部分が巻き掛けられる第1の転向滑車と、前記主索の内、前記巻上機から前記つり合いおもりに至る部分が巻き掛けられる第2の転向滑車とを有し、前記駆動綱車を前記昇降路内に水平方向に対して傾斜させて配置し、前記巻上機と前記第1の転向滑車と前記第2の転向滑車を昇降路内に設けられた共通の取付台に配置するとともに前記駆動綱車を前記取付台の上下面の内、前記かごまたは前記つり合いおもりが位置する側とは反対側に位置させたことを特徴とするエレベータ装置。
  2. 前記第1の転向滑車及び前記第2の転向滑車の内少なくとも1つの転向滑車に対する前記主索の巻き掛かりを前記反対側に位置させたことを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
  3. 前記取付台に前記主索の両端を固定したことを特徴とする請求項1記載のエレベータ装置。
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