JP4194690B2 - フェニルチアゾール骨格を有するプリンまたはピリミジンヌクレオシド取り込み阻害剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェニルチアゾール骨格を有する、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの生体細胞内への取り込みを阻害する薬剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンおよびピリミジン体の生合成経路は、低分子アミノ酸、葉酸、二酸化炭素などの非核酸性の前駆体から新たに合成するデノボ生合成経路と、食事やプリンおよびピリミジン体の分解により供給されるプリンおよびピリミジン塩基やヌクレオシドを再利用するサルベージ経路の二種からなる。
【0003】
血中にあるヌクレオシドの再利用は、細胞膜のヌクレオシドトランスポーターを介して行われるが、このトランスポーターは、細胞の種類や状態によって発現量が著しく異なる。例えば、急性白血病やリンパ腫などの癌において、急速に増殖をしている腫瘍細胞は、正常な白血球の10〜50倍のトランスポーターを発現しており(ネイチャー・メディスン(Nature Medicine)1997、3、pp25−26)、積極的にヌクレオシドを取り込んで増殖に必要な核酸合成を行っている。
【0004】
このような腫瘍細胞においては、細胞膜のヌクレオシドトランスポートを阻害することにより、ヌクレオシドの再利用が妨げられ、代謝拮抗剤の抗腫瘍活性が高まることが明らかにされている(薬学雑誌、1996、116、pp217−227)。
【0005】
したがって、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの細胞内取り込みを抑制する物質は、細胞増殖阻害剤の作用増強、たとえば代謝拮抗剤との併用で抗腫瘍活性を高めるのに有用と考えられる。
【0006】
ところで、アデノシン三リン酸やアデノシンといったヌクレオチドやヌクレオシドには、核酸としての役割のみならず、それぞれの受容体を介した生理活性があることが知られている。ヌクレオシドであるアデノシンは、アデノシン受容体を介して種々の作用を引き起こす。例えば、心筋虚血においては、低酸素状態で心筋組織中のATPが分解し、アデノシンが遊離する。アデノシンは近傍の冠血管平滑筋上のアデノシン受容体を介して血管拡張作用をもたらし、心筋への血液を供給する働きがある(カレント・オピニオン・イン・カルディオロジー(Current Opinion in Cardiology)、1995、10、pp577−583)。アデノシンはまた、心拍数低下、心筋収縮力低下、交感神経緊張低下などの抑制性の作用を示し、さらに、好中球や単球からの細胞傷害性物質の遊離を抑制し(バイオケミカル・ファーマコロジー(Biochemical Pharmacology)、1994、48、pp2025−2032;ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、1994、153、pp4159−4168)、抗炎症性サイトカインの遊離を促進することが知られている(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、1996、156、pp4408−4414)。しかし、アデノシンはトランスポーターを介して急速に細胞内に取り込まれるため、その作用は一過性のものである。ヌクレオシドトランスポーターの阻害剤は、アデノシンの急速な消失を防ぎ、受容体近傍での濃度を高め、その作用を増強することが知られる(カレント・オピニオン・イン・カルディオロジー(Current Opinion in Cardiology)、1995、10、pp577−583)。
【0007】
したがって、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの細胞内取り込みを抑制する物質は、たとえば低酸素下における組織または臓器傷害の予防や治療にも有用といえる。
なお、下記式(1)
【0008】
【化2】
【0009】
[式中、R1は式ORまたはNRR’(ここでRおよびR’は無置換もしくは置換されたC1-8のアルキル基を表すか、またはRとR’がそれらの結合する窒素原子と一緒になって無置換もしくは置換された5−7員の異項環を形成する基である)またはC1〜C8のアルコキシ基または環状アミノ基を表し、R2はシアノ基またはニトロ基を表し、R3は水素原子またはC1〜C4のアルキル基を表す。]
で表されるフェニルチアゾール誘導体は、強力なキサンチンオキシダーゼ阻害活性を示す化合物群であり、高尿酸血症および痛風の治療薬として用いられる(国際公開WO92/09279号パンフレット)。しかし、上記式(1)で表される化合物が、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの取り込みに対してどのような影響を及ぼすかについては知られていない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの生体細胞内への取り込みを抑制する薬剤を提供することである。本発明が解決しようとする課題は、また、細胞増殖阻害剤の作用を増強する薬剤を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはかかる目的の下、上記式(1)で表される化合物が、プリンおよびピリミジンヌクレオシドの取り込みに対していかなる影響を及ぼすかについて研究を行ったところ、所期の作用を有することを見出し、さらに研究を進めた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記式(1)
【0012】
【化3】
【0013】
[式中、R1は式ORまたはNRR’(ここでRおよびR’はC 1−8のアルキル基を表すか、またはRとR’がそれらの結合する窒素原子と一緒になって5−7員の異項環を形成する基である)またはC1〜C8のアルコキシ基または環状アミノ基を表し、R2はシアノ基またはニトロ基を表し、R3は水素原子またはC1〜C4のアルキル基を表す。]
で表されるフェニルチアゾール誘導体および/またはその塩を有効成分として含有する、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの生体細胞内への取り込みを阻害するための薬剤である。
【0014】
本発明はまた、上記フェニルチアゾール誘導体および/またはその塩を有効成分として含有する、細胞増殖阻害剤の作用増強剤、ならびに低酸素状態により引き起こされる、組織または臓器の傷害を予防または治療するための薬剤に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記式(1)において、R1は式ORまたはNRR’(ここでRおよびR’は無置換もしくは置換されたC1-8のアルキル基を表すか、またはRとR’がそれらの結合する窒素原子と一緒になって無置換もしくは置換された5−7員の異項環を形成する基である)またはC1〜C8のアルコキシ基または環状アミノ基を表す。かかるC1〜C8の式ORの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ基等が挙げられる。また、かかる式NRR’の例としては、ピロリジノ、ピペリジノ、モルフォリノ、ピペラジニル基等が挙げられる。なかでもR1としては、C2〜C6のアルコキシ基が好ましく、特にイソブトキシ基が好ましい。
【0016】
また、R2はシアノ基またはニトロ基を表すが、特にシアノ基が好ましい。
【0017】
さらに、R3は水素原子またはC1〜C4のアルキル基を表す。かかるC1〜C4のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル基等が挙げられるが、特に水素原子が好ましい。
【0018】
これらの有効成分は、公知の方法で適当な賦形剤等を用いて、軟カプセル剤、硬カプセル剤、錠剤、シロップ剤などの経口剤、注射剤、または外用剤とすることにより使用できる。
【0019】
かかる賦形剤としては、植物油(例えばトウモロコシ油、綿実油、ココナッツ油、アーモンド油、落花生油など)、中鎖脂肪酸グリセリドなどの油状エステル、鉱物油、ワセリン、動物油脂、セルロース誘導体(結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ポリビニルピロリドン、デキストリン、乳糖、マンニトール、ソルビトール、デンプンなどが挙げられる。
【0020】
有効成分の投与量は、通常0.01−300mg/kg/日 程度で、好ましくは0.05−50mg/kg/日 程度であり、投与回数は通常1−3回/日であるので、このような条件を満たすように製剤を調整するのが好ましい。
【0021】
また、本発明薬剤の安全性については、有効成分として2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸についてのラットを用いた急性毒性試験を行ったところ、300mg/kgまで単回で経口投与しても死亡は全く認められなかった。
【0022】
本発明薬剤の有効成分である前記式(1)で表される化合物は、例えば国際公開WO92/09279号パンフレット記載の方法により合成することができる。
【0023】
【実施例】
[実施例1]
以下の組成の錠剤を調製した。
2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸 50 mg
ラクトース 230 mg
ポテトスターチ 80 mg
ポリビニルピロリドン 11 mg
ステアリン酸マグネシウム 5 mg
全量 376 mg
上記のフェニルチアゾール誘導体、ラクトース、およびポテトスターチをよく混合し、それにポリビニルピロリドンの20%エタノール溶液を一様に浸透させた。その後、20のメッシュでろ過し、45℃で乾燥させ、さらに15のメッシュでろ過した。このようにしてできた顆粒を、ステアリン酸マグネシウムと混合し、これを打錠して錠剤化した。
【0024】
[実施例2]
プリンまたはピリミジンヌクレオシドの細胞内取り込みに対する作用を検討するために、肺癌由来細胞株を用いて以下のように、本発明薬剤の有効成分の効果を検討した。
【0025】
ヒト肺癌由来細胞株、A549(ジャーナル・オブ・ナショナル・キャンサー・インスティテュート(The Journal of National Cancer Institute)、1973、51, pp1417−1423)を10%のウシ胎児血清(FCS)、100IU/mLのペニシリンおよび100μg/mLのカナマイシンを含むミニマム・エッセンシャル・メディウム(Minimum Essential Medium (MEM))にて、5×105cells/mL の密度で24穴のマイクロプレートに1mLを播種し、5%CO2存在下で一晩培養した。その後上清を除去し、145mM KCl、4.2mM KHCO3、0.36mM K2HCO4、 1.3mM CaCl2、0.44mM KH2PO4、0.5mM MgCl2、および10mMN−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N'−2−エタンスルホン酸(HEPES)を含むメディウムで洗浄し、実験に用いた。
【0026】
一晩培養した後、メディウムを吸引し、細胞を血清不含メディウムにて2回洗浄した。その後、プリンヌクレオシドのイノシン(80μM)またはピリミジンヌクレオシドのウリジン(80μM)を含むメディウム1mLを加え、有効成分の2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸(16μM)または、他のキサンチンオキシダーゼ阻害剤であり、高尿酸血症および痛風の治療薬であるアロプリノール(150μM)の存在下、非存在下にて培養し、1.5、5、および8時間後に50μLの上清を得、イノシンを添加した場合は、上清中のヒポキサンチンおよびイノシン濃度を、ウリジンを添加した場合は、上清中のウラシルおよびウリジン濃度を、それぞれHPLCにて測定した。
【0027】
ウリジンの取り込みについては、さらにKi値を求めるため、以下の検討をした。試験は室温(24〜26℃)にて行った。ウリジンの取り込みは、上記メディウムの、145mM KCl、4.2mM KHCO3を140mM N−メチル−D−グルカミン(HCl)および5mM KClに変更し、[3H]ウリジン(10μCi/mL)を最終濃度15、20、または25μMとなるよう加えたものそれぞれ0.2mLを、有効成分の2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸を最終濃度2、4、6、8、または10μMを添加した培養液中に加えて開始した。1.5、5、8時間後にメディウムを吸引し、氷冷した1mLのNa不含メディウムにて細胞を3回洗浄し、取り込みを終了させた。その後、0.2 mLの0.5M NaOHを添加して細胞を融解し、放射活性を測定した。
【0028】
図1に、イノシンを加えた場合の上清中イノシン濃度の測定結果を示した。これによると、培養液中にイノシンのみを加えた場合、上清中のイノシン濃度は経時的に低下した。これは、ヌクレオシドトランスポーターを介してA549細胞にイノシンが取り込まれたことを示す。これに対して、本発明薬剤の有効成分を添加したものは、上清中のイノシン濃度の低下は抑制された。このことは、本発明薬剤の有効成分によって、プリンヌクレオシドであるイノシンの細胞内取り込みが阻害されたことを示す。ウリジンを加えた場合にも同様であり、ピリミジンヌクレオシドであるウリジンによって、競合的にイノシンの取り込みが阻害されたことが示された。しかし、アロプリノールは、イノシン濃度の低下に影響を与えず、プリンヌクレオシドの取り込みに影響のないことが示された。
【0029】
図2に、イノシンを加えた場合の上清中ヒポキサンチン濃度の測定結果を示した。これによると、培養液中にイノシンのみを加えた場合、上清中のヒポキサンチン濃度は経時的に増加した。これは、ヌクレオシドトランスポーターを介してA549細胞に取り込まれたイノシンが、細胞内でプリンヌクレオシドホスホリラーゼによってヒポキサンチンに変換し、それが細胞外培養液中に漏出したことを示す。これに対して、本発明薬剤の有効成分を添加したものは、上清中のヒポキサンチン濃度の増加は抑制された。ウリジンを加えた場合にも、同様にヒポキサンチン濃度の増加の抑制が見られた。しかし、アロプリノールは、ヒポキサンチン濃度の増加に影響を与えなかった。
【0030】
図3に、ウリジンを加えた場合の上清中ウリジン濃度の測定結果を示した。これによると、培養液中にウリジンのみを加えた場合、上清中のウリジン濃度は経時的に低下した。これは、ヌクレオシドトランスポーターを介してA549細胞にウリジンが取り込まれたことを示す。これに対して、本発明薬剤の有効成分を添加したものは、上清中のウリジン濃度の低下は抑制された。このことは、本発明薬剤の有効成分によって、ピリミジンヌクレオシドであるウリジンの細胞内取り込みが阻害されたことを示す。イノシンを加えた場合にも同様であり、プリンヌクレオシドであるイノシンによって、競合的にウリジンの取り込みが阻害されたことが示された。しかし、アロプリノールは、ウリジン濃度の低下に影響を与えず、ピリミジンヌクレオシドの取り込みに影響のないことが示された。
【0031】
図4に、ウリジンを加えた場合の上清中ウラシル濃度の測定結果を示した。培養液中にウリジンのみを加えた場合、上清中のウラシル濃度は経時的に増加した。これは、ヌクレオシドトランスポーターを介してA549細胞に取り込まれたウリジンが、細胞内でウリジンホスホリラーゼによってウラシルに変換し、それが細胞外培養液中に漏出したことを示す。これに対して、本発明薬剤の有効成分を添加したものは、上清中のウラシル濃度の増加は抑制された。イノシンを加えた場合にも、同様にウラシル濃度の増加の抑制が見られた。しかし、アロプリノールは、ウラシル濃度の増加に影響を与えなかった。
【0032】
図5にウリジンの取り込み阻害に関してディクソンプロットを行った結果を示す。本発明薬剤は、非拮抗型の阻害を示し、Ki値は4.1μMであった。
【0033】
[実施例3]
プリンヌクレオシドであるアデノシンは、アデノシン受容体を介して単球からの炎症性物質の遊離を抑制し(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、1994、153、pp4159−4168)、抗炎症性サイトカインの遊離を促進することが知られ(ジャーナル・オブ・イムノロジー(Journal of Immunology)、1996、156、pp4408−4414)、ヌクレオシドトランスポーターの阻害剤は、アデノシンの急速な消失を防ぎ、受容体近傍での濃度を高め、それらの作用を増強することが期待される。
【0034】
そこで、炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNF−α)と、抗炎症性サイトカインであるインターロイキン10(IL−10)の産生に対する作用を検討するために、ラットを用いて以下のようにサイトカイン産生モデルを作製し、本発明薬剤の有効成分の効果を検討した。
【0035】
ウィスター系ラット(オス、8週齢)にリポポリサッカライド(LPS、10mg/kg)を尾静脈より投与し、その1時間後、エーテル麻酔下にて眼窩静脈叢より採血を行った。
【0036】
採取した血液から血清を遠心分離した後、血清中のTNF−αおよびIL−10を酵素免疫測定法にて測定した。
【0037】
有効成分の2−(3−シアノ−4−イソブチルオキシフェニル)−4−メチル−5−チアゾールカルボン酸を0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、LPS投与の1時間前に、1、10、および100mg/kg/5mlの用量で経口投与した。対照群には溶媒である0.5%メチルセルロース水溶液を5ml/kgの容量で経口投与した。また、陽性対照群として既知のヌクレオシド取り込み阻害剤であるジピリダモールを0.5%メチルセルロース水溶液に懸濁し、300mg/kgの用量で経口投与した。
【0038】
各群の例数は、対照群が7、薬物投与群が8、また正常動物である無処置群は4であった。得られた結果を各群につき平均値±標準偏差で表した。ここで、対照群との有意差検定は、Dunnettの多重比較検定またはStudentのt−検定により行った。
【0039】
図6に血清TNF−αの測定結果を示した。これによると、対照群のラットの血清TNF−αは16.7±4.3ng/mlと、無処置群(6.4±12.7pg/ml)と比較して明らかに高値を示した。これに対して、本発明薬剤の有効成分を投与したものは、血清TNF−αの増加が有意に抑制されていた(10mg/kg:7.5±4.0ng/ml;100mg/kg:6.6±3.4ng/ml)。また、陽性対照のジピリダモール群も、血清TNF−αの増加が有意に抑制された(6.4±4.7ng/ml)。
【0040】
図7に血清IL−10の測定結果を示した。これによると、対照群のラットの血清IL−10は2.6±0.4ng/mlと、無処置群(検出されず)と比較して明らかに高値を示した。これに対して、本発明薬剤の有効成分を投与したものの血清IL−10は、更に有意に増加していた(100mg/kg:3.2±0.2ng/ml)。また、陽性対照のジピリダモール群も、血清IL−10の増加が有意に増強された(3.6±0.4ng/ml)。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、プリンまたはピリミジンヌクレオシドの生体細胞内への取り込みを抑制する薬剤が提供される。また、本発明によれば、細胞増殖阻害剤の作用を増強する薬剤が提供される。さらに本発明によれば、血清TNF−α産生を抑制し、血清IL−10産生を増強する薬剤が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】イノシンを加えた場合の上清中イノシン濃度の測定結果。
【図2】イノシンを加えた場合の上清中ヒポキサンチン濃度の測定結果。
【図3】ウリジンを加えた場合の上清中ウリジン濃度の測定結果
【図4】ウリジンを加えた場合の上清中ウラシル濃度の測定結果
【図5】ウリジンの取り込み阻害に関してディクソンプロットを行った結果
【図6】ラット血清中TNF−α濃度の測定結果
【図7】ラット血清中IL−10濃度の測定結果
Claims (3)
- 上記式(1)で表されるフェニルチアゾール誘導体および/またはその塩を有効成分として含有する、細胞増殖阻害剤の作用増強剤。
- 上記式(1)で表されるフェニルチアゾール誘導体および/またはその塩を有効成分として含有する、低酸素状態により引き起こされる、組織または臓器の傷害を予防または治療するための薬剤。
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