JP4193356B2 - 水中軸受材料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、運転開始時及び終了時には気体中におかれ、定常運転時には水中にある竪型軸流ポンプ、竪型傾流ポンプなどに用いられる軸受材料であって、気体中のドライ状態下においても優れた摺動特性を有する水中軸受材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記の竪型軸流ポンプや竪型傾流ポンプなどの竪型ポンプの構造は、例えば図1に示すように、固定された導水部分1と前記導水部分1内に設けられた回転体2とからなり、回転体2は導水部分1外部に突出した上部に取り付けられたモータ3の駆動により回転し、回転体2を支える軸受5〜8のうち、羽根車4より上部の軸受5、6、7は、回転体2に取り付けられている図示しないスリーブを介して回転体2のラジアル方向の荷重を支えている。そして、ポンプの運転開始時または終了時には、外水位(W.L.)より高い位置の軸受5、6は接水しておらず気体中におかれており、定常運転時のみモータ3により回転する羽根車4により揚水された水中に没している。従って、前記外水位(W.L.)より高い位置の軸受5、6については、定常運転時には水中にあって取り扱い水自体を潤滑剤として利用できるが、気体中におかれた運転開始時及び終了時のドライ運転中に、いかに安定した摺動特性を付与するかが課題となっている。特に、近年、この種の竪型ポンプの揚程が高くなり運転開始時のドライ状態での運転時間が長くなってきており、前記軸受における気体中での摺動特性はより重要になってきている。
【0003】
上記のような竪型ポンプなどに用いられる水中軸受として従来から利用されている摺動材料としては、ニトリルゴムなどの合成ゴム、黄銅などの金属、フッ素樹脂、フェノール樹脂などの合成樹脂がある。
【0004】
前記合成ゴムは、水中で使用された場合には極めて安定した摺動特性を示すが、水が介在しないドライ状態下では鳴音が発生し、さらには摺動部から激しく発熱して短時間のうちに破損してしまい、全く摺動部材としての機能を果たすことができない。そのため、従来は、ポンプの水中軸受材料として合成ゴムを使用した場合には、ポンプの運転開始時及び終了時には、別途設けられた潤滑剤供給装置からゴム軸受の摺動部に注水していた。しかしながら、大型ポンプの場合には、回転軸の長さが数10メートルになる場合もあり、その場合には多数の軸受を配設しなければならず、各軸受毎に潤滑剤供給装置を配置することが必要となり、多大な設備費の負担が強いられていた。また、黄銅のような金属は、自己潤滑性が乏しく気体中のドライ状態での摺動には適さない。
【0005】
合成樹脂では、フッ素樹脂の場合、自己潤滑性が高く、かつ金属では腐食が問題となる用途、例えば酸やアルカリ環境下においても利用できる利点があるが、その一方で、スラリー中で使用された場合には、該スラリー中で含まれる粒子によって摩耗されやすい欠点がある。
【0006】
また、フェノール樹脂の場合には、綿帆布基材フェノール樹脂を加熱し成形したものがあるが、フェノール樹脂そのものでは自己潤滑性及び耐摩耗性に乏しく、グラファイトや二硫化モリブデンなどの添加剤を混ぜることにより水中軸受としての摺動特性を付与することが行われている。しかし、このように導電性添加剤を含む場合には相手スリーブを電蝕させるという問題がある。また、フェノール樹脂から摺動材料を製造する方法として、フェノール樹脂にポリエチレン粉末を添加して成形する方法や特開昭54−28379号公報に開示されているように、ポリエチレンパルプと他の繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸し、加熱し成形する方法がある。しかし、ポリエチレン粉末をフェノール樹脂に添加して成形する方法では、ポリエチレン粉末とフェノール樹脂との比重差によりポリエチレン粉末が凝集してしまい、フェノール樹脂中に均一に分散させることが困難である。また、ポリエチレンパルプと他の繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸し、加熱し成形する方法では、成形時にポリエチレンの融点以上の温度で高圧をかけると不織布からポリエチレンパルプが溶出してしまい材料中に均一に分散されず、目的とする摺動特性を得ることができない。このため、特開昭54−28379号公報に記載されているように、成形時にはポリエチレンの融点以下の温度で加熱し成形されていた。しかしながら、ポリエチレンの融点以下の温度で成形した場合には、フェノール樹脂の硬化が十分でなく、竪型ポンプなどの水中軸受材料として要求される摺動特性及び機械的特性を得ることができない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような水中軸受材料の現状に鑑み、例えば竪型ポンプの軸受などに用いられる水中軸受材料として、気体中のドライ状態下においても優れた摺動特性を有し、かつ機械的特性にも優れた軸受材料を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、フェノール樹脂に導電性添加剤を一切含まず、かつ気体中のドライ状態でも優れた摺動特性を付与する添加剤としてポリエチレンパルプを利用し、予めポリエチレンの融点以下の温度で加熱し成形することでポリエチレンパルプの均一分散状態が維持され、しかるのちポリエチレンの融点以上の温度で焼成することで、優れた摺動特性及び機械的特性を有し、しかも相手スリーブを電触させることもない水中軸受材料を得た。さらに、前記固体潤滑剤としてポリエチレンパルプを用いた軸受材料に、バッキング材として、通常の綿帆布基材フェノール樹脂やガラス繊維基材エポキシ樹脂などの繊維補強熱硬化性樹脂材料を用いることで、竪型ポンプなどに好適に利用できる肉厚な水中軸受材料を得ることができた。
【0012】
即ち、本発明の水中軸受は、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを、前記ポリエチレンパルプの融点以下の温度の加熱ロールで加熱しながら所定の寸法の円筒状に巻き取り成形し、さらに前記フェノール樹脂の外側に繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグを加熱ロールで加熱しながら所定の寸法に巻き付けたのち、前記ポリエチレンパルプの融点以上の温度で焼成してなり、軸受内径側が前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される軸受材料により構成され、外径側が繊維補強熱硬化性樹脂材料にて構成されている。前記繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグとしては、綿帆布にフェノール樹脂を含浸して乾燥したプリプレグまたはガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記のように、本発明の水中軸受材料は、潤滑剤となるポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成されるものであり、また本発明の水中軸受は、少なくとも摺動面が前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される。前記ポリエチレンパルプとしては、それの短繊維、例えば繊維長が1〜4mmのものを使用するが、さらに長いものであっても、他の有機または無機繊維との混抄が可能であれば、繊維長については特に限定されない。また、前記ポリエチレンパルプと混抄する他の有機または無機繊維としては、木材パルプなどの有機繊維やガラス繊維などの無機繊維を挙げることができるが、これらに限定されない。ただし、例えば、カーボン繊維などのように導電性を有するものは、相手スリーブを電蝕させるという問題があるので好ましくはない。これらの繊維は、主として軸受の強度を向上させる目的で使用されるものであり、ポリエチレンパルプに対する混合比は、その繊維の種類、形状などにより異なるが、ポリエチレンパルプに対して重量比で1:1〜3程度が適当である。
【0014】
また、前記の混抄紙に含浸させるフェノール樹脂は特に限定されるものではなく、例えば通常の含浸用アルコール可溶性フェノール樹脂などを使用することができる。
【0015】
前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機の繊維およびフェノール樹脂のそれぞれの量的関係は、ポリエチレンパルプ10〜30重量%、その他の繊維30〜50重量%、フェノール樹脂30〜50重量%が適当である。ポリエチレンパルプが10重量%未満では、ポリエチレンの摺動特性を十分に発揮し難く、また、30重量%を越えると材料強度が低下し、耐荷重性が低下してかえって摩耗量が増大する。
【0016】
前記のような本発明に係る軸受材料は、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを、前記ポリエチレンパルプの融点以下の温度で加熱して成形したのち、前記ポリエチレンパルプの融点以上の温度で焼成される。前記成形時の温度はポリエチレンの融点以下であればよく、通常は120〜130℃程度であり、また成形圧力は、通常は3〜4.5MPa程度である。さらに、焼成時の温度は、通常は140〜150℃程度である。焼成時間は温度にもよるが、通常は6〜10時間程度である。前記軸受材料からなる水中軸受は、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを、ポリエチレンパルプの融点以下の温度の加熱ローラで加熱、加圧しながら金属製の中芯ロールなどに所定の肉厚になるまで巻き取り、この巻き取ったプリプレグを、中芯ロールに巻き付けたままで、ポリエチレンパルプの融点以上の温度で焼成することで、目的とする軸受を得ることができる。
【0017】
また、上記のようにポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される軸受材料の場合には、通常の綿帆布を基材としたフェノール樹脂に較べて機械的強度が低く、また成形上、肉厚品が得られ難い場合がある。そこで、これらの点を補うために、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグに、綿帆布にフェノール樹脂を含浸して乾燥したプリプレグまたはガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグなどの繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグを積層し、二層同時成形を行うことで、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とからなる軸受材料と、前記繊維補強熱硬化性樹脂材料とから構成することが好ましい。この材料を用いた水中軸受は、軸受内径側が前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される軸受材料より構成され、外径側が綿帆布基材フェノール樹脂またはガラス繊維基材エポキシ樹脂などの繊維補強熱硬化性樹脂材料にて構成される。
【0018】
前記綿帆布基材フェノール樹脂は、綿帆布にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを加熱成形させて得られるものであり、フェノール樹脂としては特に限定されるものではなく、例えば通常の含浸用アルコール可溶性フェノール樹脂などを使用することができる。
【0019】
また、前記ガラス繊維基材エポキシ樹脂は、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを加熱成形して得られるものであり、エポキシ樹脂としては特に限定されるものではなく、例えば汎用ビスフェノールA型などを使用することができる。
【0020】
前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される軸受材料により軸受内径側を構成し、外径側を綿帆布基材フェノール樹脂またはガラス繊維基材エポキシ樹脂などの繊維補強熱硬化性樹脂材料にて構成した水中軸受は、ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを、前記ポリエチレンパルプの融点以下の温度の加熱ロールで加熱、加圧しながら金属製の中芯ロールなどに巻き付け必要寸法、即ち所定の厚さになるまで巻き取り、前記フェノール樹脂の外側に綿帆布にフェノール樹脂を含浸して乾燥したプリプレグまたはガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグなどの繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグを、同様に加熱ロールで加熱、加圧しながら巻き付け必要寸法、即ち所定の外径寸法になるまで巻き取り、巻き取ったプリプレグを、中芯ロールに巻き付けたまま、前記ポリエチレンパルプの融点以上の温度で焼成することで得ることができる。前記ポリエチレンパルプを含む混抄紙を基材とするフェノール樹脂のプリプレグの巻き取り成形時の加熱ロールの温度はポリエチレンの融点以下であればよく、通常は120〜130℃程度であり、またロール圧力は、通常は100〜150N/cm(ニップ圧)程度である。また、前記綿帆布基材フェノール樹脂またはガラス繊維基材エポキシ樹脂などの繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグの巻き取り成形時の加熱ロールの温度は、フェノール樹脂やエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂の種類にもよるが、通常は125〜135℃程度である。さらに、焼成時の温度は、フェノール樹脂やエポキシ樹脂の種類にもよるが、通常は140〜160℃程度である。また、焼成時間は温度にもよるが、通常は6〜10時間程度である。
【0021】
【実施例】
次に実施例をあげるが、本発明はこの実施例によりなんら制限されるものではない。なお、以下の記載中、特にことわらない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表す。
【0022】
(実施例1)
ポリエチレンパルプ20部と木材パルプ40部とを混抄した混抄紙に、アルコール可溶性フェノール樹脂(固形分50%)を含浸させ、100℃で10分間乾燥し、フェノール樹脂固形分として40部となるように調整したプリプレグを、125℃の加熱ロールで加熱、加圧(100N/cm)しながら外径70mmの金属製の中芯ロールに巻き付け、外径が80mmとなるまで巻き取った。巻き取ったプリプレグを中芯に巻き付けたままで140℃で10時間焼成し、内径70mm、外径80mmの軸受材料を作製した。
【0023】
(比較例)
11号綿帆布に、グラファイトとカーボンを添加したアルコール可溶性フェノール樹脂を含浸し、120℃で10分間乾燥し、帆布50部、フェノール樹脂固形分として34部、グラファイト15部、カーボン1部となるように調整したプリプレグを、130℃の加熱ロールで加熱、加圧(150N/cm)しながら外径70mmの金属製の中芯ロールに巻き付け、外径80mmとなるまで巻き取った。巻き取ったプリプレグを中芯に巻き付けたままで160℃で6時間焼成し、内径70mm、外径80mmの軸受材料を作製した。
【0024】
実施例1及び比較例で作製した軸受材料の物性は表1、表2に示すとおりであった。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
(実施例2)
実施例1と同じポリエチレンパルプと木材パルプとを混抄した混抄紙に、アルコール可溶性フェノール樹脂を含浸、乾燥したプリプレグを、125℃の加熱ロールで加熱、加圧(100N/cm)しながら外径70mmの金属製の中芯ロールに巻き付け、厚さ5mmとなるまで巻き取った。巻き取ったフェノール樹脂のプリプレグのうえから、11号綿帆布にアルコール可溶性フェノール樹脂を含浸し、120℃で10分間乾燥し、帆布50部、フェノール樹脂固形分として50部となるように調整したプリプレグを、130℃の加熱ロールで加熱、加圧(100N/cm)しながら巻き付け、外径が80mmとなるまで巻き取った。巻き取ったプリプレグを中芯に巻き付けたままで140℃で10時間焼成し、内径70mm、外径80mmの軸受材料を作製した。
【0028】
実施例2及び比較例で作製した軸受材料を長さ90mmに切断して軸受を得、これを図1に示すような竪型ポンプの軸受6の位置に装着して36ヶ月使用し、軸受材料の摩耗状況について調べた。
【0029】
使用した竪型ポンプの仕様は以下のとおりである。
ポンプ形式:竪型タービンポンプ
液質:海水
軸回転速度:1500rpm(5.5m/sec)
軸径:φ70h7
軸受寸法:φ70×φ80×90(mm)
運転状況:間歇運転(1日4回稼働、1回の運転時間は5時間、合計稼働時間を1900時間とした。)
【0030】
結果を表3に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】
以上のように、本発明の水中軸受材料は、フェノール樹脂に優れた摺動特性を付与する添加剤としてポリエチレンパルプを利用し、予めポリエチレンの融点以下の温度で加熱し成形することで材料中におけるポリエチレンパルプの均一分散状態を維持し、この状態でポリエチレンの融点以上の温度で焼成することでフェノール樹脂を充分に硬化させてなるものであることから、得られた軸受材料は、気体中のドライ状態でも優れた摺動特性及び機械的特性を有し、しかも導電性添加剤を一切含まず相手スリーブを電触させることもない。さらに、前記のように固体潤滑剤としてポリエチレンパルプを用いた軸受材料に、綿帆布基材フェノール樹脂やガラス繊維基材エポキシ樹脂などの繊維補強熱硬化性樹脂材料を併用した複合材料とすることで、竪型ポンプなどに好適に利用できる肉厚な水中軸受材料を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 竪型ポンプの1例を示す模式図。
【符号の説明】
1:導水部分、2:回転体、3:モータ、4:羽根車、5〜8:軸受。
Claims (2)
- ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙にフェノール樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグを、前記ポリエチレンパルプの融点以下の温度の加熱ロールで加熱しながら所定の寸法の円筒状に巻き取り成形し、さらに前記フェノール樹脂の外側に繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグを加熱ロールで加熱しながら所定の寸法に巻き付けたのち、前記ポリエチレンパルプの融点以上の温度で焼成してなり、軸受内径側が前記ポリエチレンパルプと他の有機または無機繊維とを混抄した混抄紙とフェノール樹脂とから構成される軸受材料により構成され、外径側が繊維補強熱硬化性樹脂材料にて構成された水中軸受。
- 前記繊維補強熱硬化性樹脂のプリプレグが、綿帆布にフェノール樹脂を含浸して乾燥したプリプレグまたはガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸して乾燥させたプリプレグである請求項1記載の水中軸受。
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- 2000-12-05 JP JP2000370408A patent/JP4193356B2/ja not_active Expired - Lifetime
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