JP4193061B2 - レンズ鏡筒および撮像装置 - Google Patents
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Description
このようなレンズ鏡筒は、被写体像を撮像する撮像素子の前方箇所に、被写体像を撮像素子に導くレンズと、レンズを保持するレンズ保持枠と、レンズ保持枠を光軸方向に移動させる駆動機構とを有し、これらレンズ、レンズ保持枠、駆動機構は鏡筒内部に配設されている(例えば特許文献1参照)。
前記駆動機構は、前記レンズの半径方向外側で光軸方向に延在する雄ねじ部材と、雄ねじ部材を回転駆動するモータと、雄ねじ部材の両端を支持する支持部材と、雄ねじ部材に螺合され雄ねじ部材の延在方向に移動される雌ねじ部材とを有し、この雌ねじ部材が可動レンズの箇所に連結され、モータの回転により雌ねじ部材とともに可動レンズを光軸方向に移動させるように構成されている。
前記モータとしてはステータ(固定子)に対してロータ(回転子)を回転させる回転形のものが用いられている。
一方、このような回転形モータの代わりにステータ(固定子)とロータ(移動子)が直線状に展開されたいわゆるリニアモータを用いたレンズ鏡筒が提案されている。
図59はリニアモータを用いたレンズ鏡筒の構成を示す斜視図、図60は図59の断面図である。
図59、図60に示すように、レンズ鏡筒は、撮像素子1が設けられたベース2と、被写体像を撮像素子2に導くレンズ3を保持するレンズ保持枠4と、レンズ保持枠4の2つの軸受け4Aにそれぞれ挿通されレンズ保持枠4をレンズ3の光軸方向に移動可能に支持する2つのガイド軸5と、レンズ保持枠4を前記光軸方向に移動させる駆動機構としてのリニアモータ6と、レンズの前記光軸方向における位置を検出する位置検出機構7とを有している。
リニアモータ6は、ボイスコイル型リニアモータとして構成されており、レンズ保持枠4に固定され光軸と平行な巻回軸線回りに巻線が巻回されたコイル6Aと、コイル6Aの中心に挿通されベース2に固定されたヨーク6Bと、ヨーク6Bに取着され前記巻回軸線と直交する方向に沿ってN極、S極が着磁されたマグネット6Cとを有している。
ヨーク6Bは、光軸と平行方向に延在されマグネット6Cが取着されるバックヨーク6B1と、バックヨーク6B1と間隔をおいて平行に延在されコイル6Aの中心に挿通される対向ヨーク6B2とからなり、バックヨーク6B1と対向ヨーク6B2は延在方向の両端が接続されているので、ヨーク6Bとマグネット6Cによって構成される磁気回路が閉塞しており、この磁気回路の外方に形成される磁界はほとんど無視できるものである。
コイル6Aに駆動電流が供給されることで発生する磁界と、マグネット6Cおよびヨーク6Bによって発生する磁界との磁気相互作用によりコイル6A、すなわちレンズ保持枠4に対して光軸方向の駆動力が作用し、これによりレンズ保持枠4が光軸方向に動かされる。
位置検出機構7は、レンズ保持枠4の軸受け4Aの一方に設けられ光軸方向に異なる磁極が交互に配列されたMRマグネット7Aと、ベース2に設けられMRマグネット7Aの磁力を検出するMRセンサ(磁気抵抗素子)7Bとを有している。
MRセンサ7Bはレンズ保持枠4の光軸方向への移動に伴ってMRマグネット7Aの異なる磁極の磁力を検出して検出信号を生成する。不図示の検出回路はこの検出信号の変化に基づいてレンズ保持枠4の光軸方向の移動量、すなわち光軸方向の位置を求める。
しかしながら、扁平リニアモータは、その磁気回路が開放され、また、レンズ鏡筒内は狭い空間でありその狭い空間に多数の部品が配設されていることから、リニアモータの周囲に形成される磁界によってレンズ鏡筒内部の部品と磁気干渉が生じ、レンズ鏡筒内部の部品に悪影響を与えることが懸念される。
本発明は前記磁気干渉に着目してなされたものであり、その目的は磁気干渉を積極的に利用することでレンズの光軸方向の移動速度の向上を図り、操作性を向上させる上で有利なレンズ鏡筒および撮像装置を提供することにある。
また、本発明は、レンズによって導かれた被写体像を撮像する撮像素子を有するレンズ鏡筒を備えた撮像装置であって、前記レンズ鏡筒は、前記撮像素子が設けられたベースと、前記レンズと、前記レンズを保持するレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に支持する案内機構と、前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させる駆動機構とが鏡筒内部に配設されたレンズ鏡筒であって、前記駆動機構は、前記レンズ保持枠に設けられたコイルと、前記ベースに設けられた駆動用マグネットと、前記コイルに駆動電流を供給する電流供給手段とを有し、前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸と平行な方向に沿って延在する磁極面を有し、前記磁極面にはその延在方向に沿って異なる2つの磁極が並べて配置され、前記コイルは巻線が前記磁極面と直交する軸線回りに巻回されその巻回端面が前記磁極面に臨むように配置され、前記位置検出機構は、磁力を発する位置検出用マグネットと前記位置検出用マグネットから発せられる磁力を感磁面を介して検出しその磁力の強度に応じた大きさの検出信号を生成する磁力検出センサで構成され、前記位置検出用マグネットは前記レンズ保持枠に取着され、前記磁力検出センサは、前記光軸と平行し前記位置検出用マグネットを通る直線が通過する前記ベースの壁部箇所に前記感磁面を前記位置検出用マグネットに向けて取着され、前記駆動用マグネットによって形成される第1磁束線と、前記位置検出用マグネットによって形成される第2磁束線とが交わる磁気干渉点において前記第1磁束線と第2磁束線の向きが同一方向となるように構成されていることを特徴とする。
すなわち、本発明ではリニアモータの周囲に形成される磁界をレンズ鏡筒内部の部品に積極的に磁気干渉させるものである。
したがって、駆動機構によってレンズ保持枠が光軸方向の後方に動かされる場合には、駆動機構による駆動力に加えて磁気反力による力がレンズ保持枠に作用し、この力によってレンズ保持枠の移動速度が加速される。
ところで、本発明のレンズ鏡筒によって合焦システムを構成する場合、合焦レンズが撮像素子に近接する方向に移動しながらピント合わせを行い、ピントが合ったところで停止し、撮影モードに入る仕組みになっている。従って、この合焦レンズの移動スピードが速ければ、より短時間で合焦されることとなる。
ここで、上記に述べたように、合焦レンズのレンズ保持枠は磁気反力による力がレンズ保持枠に作用するので、駆動機構による駆動力に加え、この磁気反力も加わり、より早い時間で合焦されることになる。
なお、ここで合焦レンズが撮像素子の反対方向に移動しながらピント合わせを行うという合焦システムの場合には、一方のマグネットの極性を反対にして、駆動用マグネットと位置検出用マグネットの間に互いに吸引する方向に作用する磁気吸着力を発生させ、この磁気吸着力を駆動機構による駆動力に加えれば、同様により早い時間で合焦させることができる。
図1は実施例1の撮像装置を前方から見た斜視図、図2は実施例1の撮像装置を後方から見た斜視図、図3は実施例1の撮像装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本実施例の撮像装置100はデジタルスチルカメラであり、外装を構成するケース102を有している。なお、本明細書において左右は、撮像装置100を前方から見た状態でいうものとし、また、光学系の光軸方向で被写体側を前方といい、撮像素子側を後方という。
ケース102の前面右側部寄りの箇所には撮影光学系104を収容保持する沈胴式の鏡筒10が設けられ、ケース102の前面上部寄りの箇所には閃光を発光するフラッシュ部106などが設けられている。
鏡筒10はケース102の内部に組み込まれた駆動部146(図3)によってケース102の前面から前方に突出した使用位置(広角状態、望遠状態、および広角乃至望遠の中間状態)とケース102の前面に収容された収容位置(沈胴状態)との間を出没するように構成されている。
ケース102の上端面には、撮像を行うためのシャッタボタン108、撮影光学系104のズームを調整するためのズーム操作スイッチ110、再生モードの切り換えなどを行なうためのモード切り換えスイッチ112、電源のオンオフを行うための電源スイッチ114が設けられ、ケース102の後面には、撮像した映像を表示するディスプレイ116、撮影、記録、映像表示などの種々の動作にまつわる操作を行うための複数の操作スイッチ118、ディスプレイ116上に表示されるメニューを選択するなどの操作を行うための制御スイッチ120などが設けられている。
本実施例では、モード切り換えスイッチ112は、いわゆるスライドスイッチで構成され、ケース102の上端面から突出する操作部材112Aを有し、この操作部材112Aを指で左右方向にスライドすることでモードの切り換え動作がなされるように構成されている。
また、制御スイッチ120は、ケース102の後面から後方に突出する操作部材120Aを有し、操作部材120Aはその先端面を指で動かすことにより上下方向および左右方向の4方向に傾動可能に、かつ、その先端面を指でケース102の厚さ方向に押圧可能に構成されている。
具体的には、制御スイッチ120は、操作部材120Aを上下方向および左右方向に動かすことで、例えばディスプレイ116上に表示されるカーソルの位置を上下左右に動かしたり、ディスプレイ116上に表示される数値などを変更(増減)させることができるように構成されている。また、制御スイッチ120は、操作部材120Aを押圧することでディスプレイ116上に表示される複数の選択項目(メニュー)の決定や入力欄に表示されている数値の入力を行うことができるように構成されている。
図4は鏡筒10の状態を説明する斜視図で、(A)が不使用時のレンズ収納状態すなわち沈胴状態を示し、(B)が使用時のレンズ突出状態(広角状態あるいは望遠状態)を示す。
図5は沈胴状態にある鏡筒10の断面図、図6は広角状態にある鏡筒10の断面図、図7は望遠状態にある鏡筒10の断面図である。
図8は鏡筒10を前方から見た分解斜視図、図9は図8のうち第3レンズ保持枠、ベース、フレキシブル基板を示す分解斜視図、図10は図8のうち第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、自動露光装置を示す分解斜視図、図11は図8のうち固定環、カム環を示す分解斜視図である。
図12は第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、ベースを示す分解斜視図、図13は図12の組み立て図、図14はカム環、第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、ベースを示す分解斜視図、図15は図14の組み立て図である。
図16は鏡筒10を後方から見た分解斜視図、図17は図16のうち第3レンズ保持枠、ベース、フレキシブル基板を示す分解斜視図、図18は図16のうち第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、自動露光装置、第3レンズ保持枠を示す分解斜視図、図19は図16のうち固定環、カム環、第1レンズ保持枠を示す分解斜視図である。
図20は第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、ベースを示す分解斜視図、図21は固定環、カム環、第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、第3レンズ保持枠、フレキシブル基板の組み立て図である。
図22は第3レンズ保持枠、ベースの分解斜視図、図23は図22の組み立て図、図24は図23のA矢視図、図25は図24のXX線断面図である。
図26は第1レンズ保持枠、第2レンズ保持枠、ベースが組み立てられた状態で光軸と直交する面で破断した状態を示す斜視図、図27はレンズ鏡筒を光軸と直交する面で破断した断面図、図28はレンズ鏡筒を光軸と直交する面で破断した断面図、図29は図28のYY線断面図である。
なお、本明細書の図面においては、レンズの表面あるいは各部材の表面、各部品の表面に複数の直線が描かれている箇所が存在しているが、これは作図上表示されているものであり、これら複数の直線が描かれた箇所は、実際には円筒面あるいは曲面あるいは球面をなしている箇所である。
鏡筒10は、1群レンズ14と2群レンズ16が所定のカムカーブにより前記光軸方向に駆動されることによってズーミングを行い、3群レンズ18が前記光軸方向に微小に変位されることによってフォーカッシングを行う。すなわち、1群レンズ14と2群レンズ16の変位によって焦点距離を可変し、この焦点距離の変化によって生じた合焦位置のずれを3群の変位によって修正し適切に合焦させるように構成されている。
言い換えると、3群レンズ18は、前記光軸方向に動かされることで撮像素子140に結像される被写体像の焦点調節を行う焦点調節用レンズを構成している。
ベース本体1202の中央には開口1204が貫通形成され、ベース本体1202が後方に臨む後面1212には、開口1204の周囲を囲むように凹部1206が設けられ、撮像素子140はその撮像面が開口1204に臨むように凹部1206に接着などによって取着されている。
図12、図29に示すように、ベース本体1202が前方に臨む前面1214には、撮影光学系104の光軸を中心とする円筒状に沿って円筒壁1208が立設されている。
円筒壁1208の外周には周方向に間隔をおいて4つの係合片1210が半径方向外方に突設されており、これら係合片1210がカム環20の内周に周方向にわたって延在形成された係合溝2002に係合することで、カム環20はベース12に対してカム環20の周方向に回転可能にかつカム環20の軸方向に移動不能に支持される。なお、図19に示すように、カム環20にはカム環20の端部に開放され係合溝2002に接続された開放溝2003が形成されており、係合片1210の係合溝2002への係合は、開放溝2003から係合片1210を係合溝2002に挿入することでなされる。
一方のガイド軸1216は、後端が前面1214に固定されている。
他方のガイド軸1218は、後端が前面1214に固定され、前端がガイド軸ホルダ1220により支持されている。
ガイド軸ホルダ1220は、前面1214から立設された第1、第2支持壁1220A、1220Bとその前端を連結する第1連結壁1220Cとで構成され、ガイド軸1218の前端は第1連結壁1220Cに固定されている。
図22に示すように、マグネットホルダ1222は、前記第1支持壁1220Aと、第1支持壁1220Aに対して第2支持壁1220Bとは反対方向で前記光軸の回り方向に間隔をおいて前面1214から立設された第3支持壁1222Aと、第1連結壁1220Bと接続され第1支持壁1220Aと第3支持壁1222Aの先端を連結する第2連結壁1222Bと、第1、第3支持壁1220A、1222Aの間の前面1214箇所とによって長手方向を前記光軸方向に合せた矩形枠状に形成されている。
後で詳述するように、マグネットホルダ1222の内側には、駆動用マグネット4002と、この駆動用マグネット4002よりも輪郭が一回り大きく駆動用マグネット4002の厚さ方向の一方の面に取着された帯板状のバックヨーク4004とがそれらの延在方向を前記光軸方向と合わせて挿入され取着される。
本実施例では、ガイド柱50は合成樹脂製でベース12と一体成型されている。
図27に示すように、ガイド柱50は、その断面が、ウェブ5002と、このウェブ5002の両端のフランジ5004からなるI字状を呈している。
ガイド柱50は、前記断面を構成するウェブ5002の延在方向が、ガイド柱50の半径方向外方に位置する円筒壁1208箇所を通る接線方向に平行するように配置されている。言い換えると、ガイド柱50は、後述する第2レンズ保持枠1602箇所を通る接線に平行するように配置されている。
モータ1254はギア収容部1250に取着され、減速機構1252を構成する上流端のギアはモータ1254の駆動ギア1256に噛合し、減速機構1252を構成する下流端のギアは開口1250Bを介してカム環20の外周に設けられたギア部2004に噛合している。
メインフレキシブル基板60には、第3レンズ保持枠1802の位置検出用の磁力検出センサとしてのホール素子7002などが実装され、また、メインフレキシブル基板60にはモータ1254の端子部に電気的に接続される接続部が設けられている。
ホール素子7002からの検出信号はメインフレキシブル基板60を介して制御部148に供給され、制御部148からの駆動信号はメインフレキシブル基板60を介してモータ1254に供給される。
図17に示すように、ホール素子7002はべース12の後面1212に設けられた取り付け凹部1240に収容されて配設されている。言い換えると、前記光軸と平行し後述する位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の箇所にホール素子7002が取着されている。
撮像素子140は不図示のフレキシブル基板に実装され、撮像素子140からの撮像信号はこの不図示のフレキシブル基板を介して画像処理部142に供給される。
枠本体1804の前記光軸を挟む2箇所に軸受け1806、1808が設けられ、これら軸受け1806、1808に前記ガイド軸1216、1218が挿通されることで第3レンズ保持枠1802は前記光軸方向に移動可能にかつ光軸回り方向に回転不能に支持されている。本実施例では、これら軸受け1806、1808およびガイド軸1216、1218によって第3レンズ保持枠1802を前記光軸方向に移動可能に支持する案内機構が構成されている
枠本体1804が前記マグネット4002に臨む箇所にはコイル4006(電装部)が接着剤などによって固定されている。コイル4006はコイル用フレキシブル基板4008(電装部用フレキシブル基板に)を介して前記メインフレキシブル基板60に電気的に接続され、制御部148(特許請求の範囲の電流供給手段に相当)からの駆動信号(駆動電流)がメインフレキシブル基板60、4008を介してコイル4006に供給される。具体的には、図22に示すように、コイル用フレキシブル基板4008の先端部4010はコイル4006に接続され基端部4012はメインフレキシブル基板60に接続される。
ここで、マグネット4002、バックヨーク4004、コイル4006によって駆動機構としてのリニアモータ40が構成されており、コイル4006に制御部148から駆動電流が供給されることによりコイル4006から発生された磁界と、マグネット4002の磁界との磁気相互作用により第3レンズ保持枠1802が前記光軸方向の前方あるいは後方に移動させる駆動力が発生するように構成されている。
図9、図22に示すように、枠本体1804が前記ホール素子7002に臨む箇所には、位置検出用マグネット7004がバックヨーク7006を介して接着などにより取着されている。言い換えると、前記光軸と平行しホール素子7002を通る直線が通過する枠本体1804の箇所に位置検出用マグネット7004が取着されている。
ホール素子7002によって位置検出用マグネット7004の磁力の強さ(磁束密度)が検出され、ホール素子7002によって生成された検出信号が制御部148に供給されることによって制御部148で第3レンズ保持枠1802の前記光軸方向の位置が検出されるように構成されており、これらホール素子7002、位置検出用マグネット7004、制御部148によって位置検出機構70が構成されている。
まず、ホール素子7002について説明する。
図49はホール素子7002から出力される検出信号の説明図である。
図49に示すように、ホール素子7002は、磁束密度に比例した電圧を発生するので、それが受ける磁力の強さ(磁束密度の大きさ)に対応した(比例した)電圧の検出信号Ssを出力するように構成されている。
したがって、第3レンズ枠1802(3群レンズ18)が最も後方の位置(最も撮像素子140に近接した位置)を端点1とし、第3レンズ枠1802が最も前方の位置(最も撮像素子140から離間した位置)を端点2とした場合、第3レンズ枠1802が端点1に位置した状態でホール素子7002によって検出される位置検出用マグネット7004の磁力は最大となるため検出信号Ssも最大となり、第3レンズ枠1802が端点1から端点2に近づくにつれてホール素子7002によって検出される位置検出用マグネット202の磁力は減少し検出信号Ssも減少する。
言い換えると第3レンズ枠1802の位置とホール素子7002の検出信号の電圧が1対1の関係でありレンズ保持枠1410の位置は出力電圧値によって一義的に決定される。
図50に示すように、ホール素子7002と位置検出用マグネット7004の間の距離dと検出信号の出力値は反比例の関係にある。
したがって、ホール素子7002と位置検出用マグネット7004の間の距離dが小さいほど、距離dの単位変化量Δdに対する検出信号Ssの出力値の変化量ΔSsが大きいことになり、第3レンズ枠1802の光軸方向における位置検出の分解能や精度を確保する上で有利となる。
言い換えると、ホール素子7002と位置検出用マグネット7004の間の距離dをなるべく小さい範囲に設定することが第3レンズ枠1802の光軸方向における位置検出の分解能や精度を確保する上で有利となる。
図51に示す第1の構成例では、ホール素子7002を取り付けるに際して、弱磁性材料からなる金属板74が用いられている。
金属板74はベース12に取着されており、ホール素子7002は、金属板74がホール素子7002の箇所で感磁面7002Aとは逆の面であるホール素子7002の背面7002Bにメインフレキシブル基板60の上から押し付けられ、これにより感磁面7002Aが薄肉の壁部に当て付けられて配設されている。
この例では、前記光軸と平行し位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の壁部箇所に、位置検出用マグネット7004が位置する方向とは反対の方向に開放状の取り付け凹部1240が設けられ、前記薄肉の壁部は凹部1240の底壁1241で形成され、ホール素子7002は取り付け凹部1240に収容され、感磁面7002Aが凹部1240の底壁1241に当て付けられている。
底壁1241の厚さをt1とした場合、ホール素子7002が底壁1241に当て付けられる感磁面7002Aと位置検出用マグネット7004との距離d1は、前記厚さt1を考慮した範囲となり、具体的には厚さt1よりも小さな寸法に設定することはできない。
また、ベース本体1202を合成樹脂材料で成型した場合、この厚さt1を薄くするには限界があるため、前述した第3レンズ枠1802の光軸方向における位置検出の分解能や精度を向上させる上では不利がある。
図52に示す、第2の構成例では、このような不都合を解消するために以下の構成とした。
すなわち、図51の場合と同様に、ホール素子7002は、ベース12に取着された後述する金属板74がホール素子7002の背面7002Bにメインフレキシブル基板60の上から押し付けられ、これにより感磁面7002Aが薄肉の壁部に当て付けられて配設されている。
より詳細には、前記光軸と平行し位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の壁部箇所に貫通孔1244が貫通形成され、貫通孔1244の内部で位置検出用マグネット7004寄りの箇所に貫通孔1244を閉塞するように非磁性材料(非磁性体、例えば燐青銅などの金属)からなる薄板1246が取着され、ベース12の壁部箇所に設けられた前記薄肉の壁部は薄板1246により形成されている。本例では貫通孔1244と薄板1246により、前記光軸と平行し位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の壁部箇所に、位置検出用マグネット7004が位置する方向とは反対の方向に開放状の取り付け凹部1240が形成されることになる。ホール素子7002は貫通孔1244に収容され、感磁面7002Aが薄板1246に当て付けられている。
薄板1246は非磁性材料で形成されているため、ホール素子7002によって検出される検出用マグネット7004の磁力に対して影響を与えることはない。
このような構成例2によれば、薄板1246が非磁性材料(金属材料)で形成されているため、その厚さt2はベース本体1202の底壁1241の厚さt1よりも小さい寸法で形成することができる。
したがって、ホール素子7002が薄板1246に当て付けられる感磁面7002Aと位置検出用マグネット7004との距離d2は、厚さt1よりも小さな寸法厚さt2に近づけることができ、第3レンズ枠1802の光軸方向における位置検出の分解能や精度を向上させる上で有利となる。
なお、本例では、磁力検出センサとしてホール素子7002を用いた場合について説明したが、このような磁力検出センサは、磁力の強さを検出して検出信号Ssを生成するものであればよく、ホール素子以外の例えばMR素子などの磁気抵抗素子を用いることもできる。
ガイド部1608が環板部1606の半径方向内側に面した箇所(第2レンズ保持枠1602の内周部)にはガイド溝1604が形成されている。
図27に示すように、ガイド溝1604は、互いに対向する側面1604Aとそれら側面1604Aの奥部を接続する底面1604Bとで第2レンズ保持枠1602の半径方向内側に開放状に形成され、ガイド溝1604は前記光軸と平行をなして延在している。
各ガイド溝1604にはそれぞれガイド柱50が係合され、これにより第2レンズ保持枠1602は3つのガイド柱50により回転不能かつ軸方向(前記光軸方向)に移動可能に支持されている。
より詳細には、ガイド柱50を構成する両端のフランジ5004の外面5004Aが第2レンズ保持枠1602のガイド溝1604の側面1604Aに係合することで第2レンズ保持枠1602の周方向への動きが阻止され、両端のフランジ5004の端面5004Bがガイド溝1604の底面1604Bに係合することで第2レンズ保持枠1602の半径方向への動きが阻止されている。
また、ガイド部1608の延在方向と直交する方向の両側には側面1608Aが形成され、ガイド部1608が半径方向外方に臨む面には外面1608Bが形成されている。
ガイド溝1604の半径方向外側に面した第2レンズ保持枠1602の箇所(ガイド部1608の箇所)で後方寄りの箇所には第2カムピン1610が前記半径方向外方に突設されている。
図18に示すように、各ガイド部1608の第2カムピン16010は、後述する第1レンズ保持枠1402の外周部に形成された切り欠き1410を貫通して第1レンズ保持枠1402の外周部から突設され、図19に示すように、カム環20の第2カム溝2012に係合し、カム環20の回転により第2カムピン1610が第2カム溝2012により案内されて第2レンズ保持枠1602が前記光軸方向に移動するように構成されている。
電装部19は、シャッタの機能と可変絞りの機能を備え、シャッタ用フレキシブル基板80(図32参照、電装部用フレキシブル基板)を介してメインフレキシブル基板60に電気的に接続されている。制御部148からの駆動信号がメインフレキシブル基板60、シャッタ用フレキシブル基板80を介して電装部19に供給される(授受される)ことで前記シャッタと可変絞りの動作が制御される。
図27に示すように、ガイド溝1406は、互いに対向する側面1406Aとそれら側面1406Aの奥部を接続する底面1406Bとで第1レンズ保持枠1402の半径方向内側に開放状に形成されている。
第1レンズ保持枠1402の各ガイド溝1406にはそれぞれガイド部1608が係合され、これにより第1レンズ保持枠1402は3つのガイド部1608により回転不能かつ軸方向に移動可能に支持されている。
より詳細には、ガイド部1608の両側面1608Aがガイド溝1406の両側面1406Aに係合することで第1レンズ保持枠1402の周方向への動きが阻止され、ガイド部1608の外面1608Bがガイド溝1406の底面1406Bに係合することで第1レンズ保持枠1402の半径方向への動きが阻止されている。
筒体1404が半径方向外側に面した箇所(第1レンズ保持枠1402の外周部)で後方寄りの箇所には周方向に等間隔をおいて3つの第1カムピン1412が前記半径方向外方に突設されている。
各第1カムピン1412は、図19に示すように、カム環20の第1カム溝2010に係合し、カム環20の回転により第1カムピン1412が第1カム溝2010により案内されて第1レンズ保持枠1402が前記光軸方向に移動するように構成されている。
また、図4(A)に示す鏡筒10の沈胴状態で、第2レンズ保持枠1602の第2カムピン1610は、図13に示すように、第1レンズ保持枠1402の切り欠き1410内に位置し、第1レンズ保持枠1402の第1カムピン1412と、第2レンズ保持枠1602の第2カムピン1610は、前記光軸方向においてほぼ同一の箇所に位置し、かつ、周方向に間隔をおいた箇所に位置するように構成されている。
筒体2001の内周面には周方向に沿って前記第1、第2カム溝2010、2012が形成され、前記内周面の後端には第1、第2カム溝2010、2012に接続された第1、第2開放溝2010A、2012Aが形成されている。
なお、第1レンズ保持枠1402の第1カムピン1412の第1カム溝2010への係合は、第1開放溝2010Aから第1カムピン1412を第1カム溝2010に挿入することでなされる。
また、第2レンズ保持枠1602の第2カムピン1610の第2カム溝2012への係合は、第2開放溝2012Aから第2カムピン1610を第2カム溝2012に挿入することでなされる。
筒体2202は、ベース12の円筒壁1208の外径よりも大きな寸法の内径を有し、ギア収容部1250の前記収容空間と連通する開口2203が形成されている。
ギア収容部1250内のギア列の下流端のギアは開口2203を介してカム環20のギア部2004に噛合している。
固定環22は、筒体2202の内側に第1レンズ保持枠1402、第2レンズ保持枠1602、第3レンズ保持枠1802、カム環20を収容し、かつ、蓋部2204でギア収容部1250の開口1250Aを閉塞した状態で、筒体2202の後端部がベース12の前面1214にねじなどによって取着される。
まず、シャッタ用フレキシブル基板80から説明する。
図30(A)、(B)はシャッタ用フレキシブル基板80の斜視図である。
図31は沈胴状態におけるシャッタ用フレキシブル基板80の状態を示す鏡筒の断面図、図32は広角状態におけるシャッタ用フレキシブル基板80の状態を示す鏡筒の断面図、図33は望遠状態におけるシャッタ用フレキシブル基板80の状態を示す鏡筒の断面図である。
図34(A)は沈胴状態におけるシャッタ用フレキシブル基板80の状態を示す説明図、(B)は広角状態におけるシャッタ用フレキシブル基板80の状態を示す説明図である。
図35はシャッタ用フレキシブル基板80の引き回しを示す斜視図、図36はシャッタ用フレキシブル基板80が挿通されるベース12部分の平面図である。
シャッタ用フレキシブル基板80の基端部8002にはメインフレキシブル基板60に電気的に接続される接続端子が形成され、先端部8004には電装部19に電気的に接続される接続端子が形成されている。
基端部8002と先端部8004の間は均一幅を有する接続部8006で接続され、接続部8006の基端部8002寄りの箇所には接続部8006の幅方向の一方が膨出された幅広部8008が形成されている。
接続部8006の一方の面のうち、基端部8002と接続部8006の境目から所定長さにわたる部分にはシャッタ用フレキシブル基板80よりも硬い材料(例えば合成樹脂材料)で形成された帯板状の補強板82が両面接着テープなどによって貼り付けられている。
補強板82は、図35に示すように、シャッタ用フレキシブル基板80がガイド柱50に沿って配設された状態で、補強板82の上端がガイド柱50の上端よりもベース12寄りの箇所に位置するように構成されている。言い換えると、補強板82は、ガイド柱50の長さに対応した長さで設けられ、シャッタ用フレキシブル基板80がガイド柱50の面に臨む箇所にガイド柱50に沿って延在するようにシャッタ用フレキシブル基板80に取着されている。
したがって、シャッタ用フレキシブル基板80のうち補強板82が貼り付けられている部分は、補強板82の形状にならって直線状に延在した状態が保持されている。
一方、シャッタ用フレキシブル基板80のうち補強板82が貼り付けられていない部分、すなわち、基端部8002、基端部8002と接続部8006の間の部分、先端部8004寄りの接続部8006の部分、先端部8004は可撓性を有した状態となっている。
図36に示すように、3つのガイド柱50のうちの1つのガイド柱50が設けられているベース12の部分には、フレキシブル基板挿通用の挿通孔1260が設けられている。
挿通孔1260は、円筒壁1208の半径方向の外方に向いたガイド柱50の外側に設けられている。
挿通孔1260は、ガイド柱50のウェブ5002の面と各フランジ5004の内面とで形成される輪郭に沿って形成されシャッタ用フレキシブル基板80の接続部8006の幅よりも大きな寸法の幅で形成された幅狭孔部1260Aと、幅狭孔部1260Aに接続されシャッタ用フレキシブル基板80の幅広部8008の幅よりも大きな寸法の幅で形成された幅広孔部1260Bとで形成されている。
このようにしてベース12の前方に導出されたシャッタ用フレキシブル基板80の接続部8006を第2レンズ保持枠1602の内周面1620(図34参照)に臨むガイド柱50の面に沿って、すなわちガイド柱50の両端のフランジ5004の間でウェブ5002に沿って配設する。これにより、シャッタ用フレキシブル基板80はガイド溝1604とガイド柱50とで構成される空間に沿って延在することになる。より詳細には、シャッタ用フレキシブル基板80は第2レンズ保持枠1602のガイド溝1604の底面1604Bとこの底面1604Bに臨むガイド柱50の面とで構成される空間に沿って延在する。
次いで、シャッタ用フレキシブル基板80の基端部8002の接続端子を後述するようにメインフレキシブル基板60に半田付けなどにより電気的に接続し固定する。より詳細には、基端部8002は、メインフレキシブル基板60を介してベース12の後面1212に固定され、この基端部8002が固定されるベース12の後面1212の箇所は、ガイド柱50に対して円筒壁1208の半径方向の外側に位置している。
したがって、接続部8006と基端部8002の境の部分は、図30に示すように90度屈曲されることになり、この屈曲された境の部分で生じる反力によって接続部8006はガイド柱50の面(ウェブ5002の面)側に押し付けられる方向に付勢される。
また、シャッタ用フレキシブル基板80の先端部8004の接続端子を電装部19に半田付けなどにより電気的に接続し固定する。
これでシャッタ用フレキシブル基板80の引き回しが完了する。
図31、図34(A)に示すように、鏡筒10が沈胴状態にある場合には、第2レンズ保持枠1602が最もベース12寄りの箇所に位置しているため、シャッタ用フレキシブル基板80の接続部8006の基端部8002寄り部分は、ガイド溝1604とガイド柱50とで構成される空間に沿って延在し、接続部8006の長手方向の中間部がガイド柱50の前端で180度屈曲され、接続部8006の先端部8004寄り部分がベース12方向に延在した状態となっている。
言い換えると、シャッタ用フレキシブル基板80の先端部8004寄り部分は、ガイド柱50の前端で折り返され第2レンズ保持枠1602の内周面1620に臨むガイド柱50の面とは反対側に位置するガイド柱の面に沿ってベース12側に向けて延在した状態となっている。
図32に示すように、鏡筒10が沈胴状態から広角状態に移動すると、第2レンズ保持枠1602が僅かに前方に移動するため、シャッタ用フレキシブル基板80の先端部8004が前方に移動した分だけ、180度屈曲された部分(ガイド柱50の前端に臨む部分)がガイド柱50の前端から前方に移動する。
図33、図34(B)に示すように、鏡筒10が広角状態から望遠状態に移動すると、シャッタ用フレキシブル基板80の先端部8004が前方に移動した分だけ、180度屈曲された部分(ガイド柱50の前端に臨む部分)がガイド柱50の前端から前方に大きく移動する。
この際、ガイド柱50の前端よりも先に位置する接続部8006はシャッタ用フレキシブル基板80の弾性によりガイド軸50のウェブ5002の面の延長方向に沿って、言い換えると、ガイド柱50の前端から前方に第2レンズ保持枠1602の内周面1620に沿って直線状に延在する。
なお、鏡筒10が望遠状態から広角状態に移動した場合、あるいは、鏡筒10が広角状態から沈胴状態に移動した場合には、それぞれ上述した順番と逆の順番でシャッタ用フレキシブル基板80が移動する。
また、シャッタ用フレキシブル基板80の接続部8006の一方の面に補強板82を取着したので、第2レンズ保持枠1602の移動により接続部8006を屈曲させる方向(圧縮させる方向)の力が作用しても接続部8006がガイド柱50の面に沿った姿勢を維持することができ、シャッタ用フレキシブル基板80が第2レンズ保持枠1602に干渉することを防止でき、第2レンズ保持枠1602を円滑に移動させる上で有利となる。
また、ガイド柱50は、その断面が、ウェブ5002と、このウェブ5002の両端のフランジ5004からなるI字状を呈しているため、ガイド柱50の強度を確保しつつガイド柱50の占有スペースを削減する上で有利となる。また、ガイド柱50を構成する両端のフランジ5004の外面5004Aが第2レンズ保持枠1602のガイド溝1604の側面1604Aに係合し、両端のフランジ5004の端面5004Bがガイド溝1604の底面1604Bに係合しているので、ウェブ5002の部分とガイド溝1604の底面1604Bとの間にデッドスペースが形成されている。したがって、ガイド溝1604の半径方向外側に面した第2レンズ保持枠1602の箇所に第2カムピン1610を圧入することで第2カムピン1610の圧入方向の先端部がレンズ保持枠1602の内周面から突出した場合に、その先端部が前記デッドスペースに収容されるので、前記ガイド柱50のデッドスペースを有効活用することによって鏡筒10の直径方向の寸法の縮小を図る上で有利となる。
図37はメインフレキシブル基板60、コイル用フレキシブル基板4008、シャッタ用フレキシブル基板80の位置関係を示す平面図、図38は図37のAA線断面図であり、(A)はメインフレキシブル基板60の起伏面部の折り曲げ状態を示す図、(B)はメインフレキシブル基板60の起伏面部の平坦状態を示す図、図39はメインフレキシブル基板60の起伏面部の折り曲げ状態を示す斜視図、図40はメインフレキシブル基板60の起伏面部の平坦状態を示す斜視図、図41は第1、第2の半田付け端子部が半田付けされた状態を示す斜視図である。
メインフレキシブル基板60は、可撓性を有する絶縁基板と、前記絶縁基板上に形成された導電パターンとで構成され、図9に示すように、ベース12の後面1212に取着される取着面部62と、取着面部62から延在される可動面部64とを有している。
図37に示すように、取着面部62には、前記ホール素子7002の他に、カム環20の後端にカム環20の周方向に沿って設けられた検知片2020(図8参照)を検知するフォトインターラプタ72が実装されている。
このフォトインターラプタ72は、メインフレキシブル基板60がベース12の後面1212に取着された状態で、ベース12の開口(不図示)を介してベース12の前面1214から前方に突出しカム環20の検知片2020に臨むように配設される。
フォトインターラプタ72の検出信号はメインフレキシブル基板60を介して制御部148に供給され、制御部148は前記検出信号によってカム環20の回転位置を識別するように構成されている。
ベース12の後面1212に臨む起伏面部66の前面に第1の半田付け端子部6602が形成され、本実施例では、直線上に間隔をおいて並んだ3つの接続端子6602Aが前記直線と直交する方向に間隔をおいて2列形成され、合計6つの接続端子6602Aが形成されている。
起伏面部66がベース12の後面1212に臨む前面と反対側の後面に前記絶縁基板よりも硬い材料からなり起伏面部66に対応した大きさの補強板68が取着されている。
シャッタ用フレキシブル基板80の基端部8002(後端)は、前述したようにベース12の挿通孔1260(開口に)を挿通してベース12の後面1212の後方に延出されている。
シャッタ用フレキシブル基板80の基端部8002には、第2の半田付け端子部8020が形成され、本実施例では基端部8002の幅方向の両側にそれぞれ2つの接続端子8020Aが形成され、合計4つの接続端子8020Aが形成されている。
次にコイル用フレキシブル基板4008について説明する。
コイル用フレキシブル基板4008の基端部4012も、シャッタ用フレキシブル基板80と同様に前記挿通孔1260を挿通してベース12の後面1212の後方に延出されている。
コイル用フレキシブル基板4008の基端部4012には、第2の半田付け端子部4014が形成され、本実施例では基端部4012の幅方向の両側にそれぞれ1つの接続端子4014Aが形成され、合計2つの接続端子4014Aが形成されている。
まず、図38(A)、図39に示すように、起伏面部66を折り曲げ状態とする。
この状態で、コイル用フレキシブル基板4008の第2の半田付け端子部4014の各接続端子4014Aを起伏面部66の第1の半田付け端子部6002の各接続端子6002A上に重ね合わせて半田付けする。
次いで、シャッタ用フレキシブル基板80の第2の半田付け端子部8020の各接続端子8020Aを、コイル用フレキシブル基板4008の第2の半田付け端子部4014の後端を露出させた状態でコイル用フレキシブル基板4008の上から起伏面部66の第1の半田付け端子部6002の各接続端子6002A上に重ね合わせて半田付けする。
これにより図41に示すように、各接続端子4014A、6002Aの間にわたって半田Hが半田付けされるとともに、各接続端子8020A、6002Aの間にわたって半田Hが半田付けされ、次に、メインフレキシブル基板60とシャッタ用フレキシブル基板80、コイル用フレキシブル基板4008とが電気的に接続される。
この状態で、半田Hはメインフレキシブル基板60の前面とベース12の後面1212との間に位置しているため、メインフレキシブル基板60の絶縁基板によって覆われ外方に露出していない。
なお、本実施例では、ベース12の後面1212には凹部1230が形成され、第1、第2の半田付け端子部6002、4014、8020に半田付けされた半田Hはこの凹部1230に収容される。
したがって、起伏面部66を前記折り曲げ状態として起伏面部66の第1の半田付け端子部6002上に、シャッタ用フレキシブル基板80、コイル用フレキシブル基板4008の第2の半田付け端子部4014、8020を重ね合わされた状態で半田付けを行うことができるため、組立作業を簡素化する上で有利となる。
また、起伏面部66を前記平坦状態とすれば半田Hがメインフレキシブル基板60で覆われ外方に露出しないので、従来と異なり半田Hの部分と他の部材との接触を防止するためのスペースを確保する必要がないため小型化を図る上で有利となり、また、半田Hの部分に絶縁テープなどの部材を貼付する必要が無いため部品点数の削減を図りコスト削減を図る上で有利となる。
また、起伏面部66に起伏面部66に対応した大きさの補強板68を取着したので、起伏面部66の折り曲げを確実に行え、かつ、折り曲げた際に平坦性を確保でき半田付け作業を効率よく行う上で有利となる。
また、ベース12の後面1212に半田Hを収容する凹部1230を設けたので、起伏面部66を平坦状態とした場合にこの起伏面部66上の半田Hの部分がベース12の後面1212から後方にスペースを占有することがなく、小型化を図る上で有利となる。
図42は2群レンズ16と第2レンズ保持枠1602の断面図、図43は第2レンズ枠1602の斜視図、図44、図45は2群レンズ16と第2レンズ保持枠1602の組み立て説明図、図46は2群レンズ16の光軸合わせ調整の説明図である。
図42に示すように、2群レンズ16は、接合レンズ16Aとレンズ16Bを有している。
接合レンズ16Aは、凹レンズ1650と、この凹レンズ1650よりも外径の小さい凸レンズ1660とがそれらの光軸を合致させ互いに向かい合う面が接合されて構成されている。
凹レンズ1650は、凹面状の第1レンズ面1652と、第1レンズ面1652と反対側に位置し凸レンズ1660が接合される凹面状の第2レンズ面1654とを有し、外周部は円筒面1656で形成されている。
第1、第2レンズ面1652、1654の外周部で、凹レンズ1650と凸レンズ1660が接合された状態で凸レンズ1660の半径方向外側に位置する箇所に環状の端面1652A、1654Aがそれぞれ形成され、各端面1652A、1654Aは凹レンズ1650の光軸と直交する平面上を延在している。
そして、第2レンズ面1652の端面1654Aは凸レンズ1660の円筒面1666に臨んでいる。
第1レンズ面1652の端面1652Aの外縁は面取りされており環状の円錐面1652Bとして形成されている。
レンズ16Bは、接合レンズ16Aとは別体であり、レンズ16Bは、凸レンズ1660に対向する平面状の第1レンズ面1672と、第1レンズ面1672と反対側に位置する凸面状の第2レンズ面1674と、外周部とを有し、外周部は円筒面1676で形成されている。
図42、図43に示すように、第2レンズ保持枠1602の前記環板部1606の中央には、撮像素子140側に臨ませて筒状壁部1630が形成され、被写体側に臨ませて筒状壁部1640が形成されている。
筒状壁部1630の内周部は、凸レンズ1660の円筒面1666の外径よりも大きい内径の内周面1630Aで形成されている。
筒状壁部1630の外周部は、凹レンズ1650の円筒面1656の外径とほぼ同じ寸法の外径の外周面1630Bで形成されている。
筒状壁部1630の先端部には、軸方向(光軸方向)と直交する平面上を延在する先端面1634が環状に形成されている。本実施例では、先端面1630の外径と凹レンズ1650の端面1654Aの外径はほぼ等しい寸法で形成されている。
筒状壁部1630の周方向に等間隔をおいた複数箇所(本実施例では3箇所)には、接着剤充填用切り欠き1632が筒状壁部1630の半径方向に貫通形成され、各接着剤充填用切り欠き1632は先端面1634に開放されている。言い換えると、接着剤充填用切り欠き1632は、筒状壁部1630の外周面1630Bに連通され筒状壁部1630の先端面1634に開放状に形成されている。
筒状壁部1640の内周部は、レンズ16Bの円筒面1676の外径よりも僅かに大きい内径の内周面1640Aで形成され、内周面1640Aには、周方向に等間隔をおいて複数の接着剤充填用凹部1642が形成され、各接着剤充填用凹部1642は筒状壁部1640の先端面に開放されている。
まず、レンズ16Bを筒状壁部1640の内周面1640Aに挿入し、各接着剤充填用凹部1642に紫外線硬化型接着剤を充填し、紫外線を照射することで接着剤を硬化させレンズ16Bを筒状壁部1640に固定する。すなわち、レンズ16Bを第2レンズ保持枠1602に固定する。
次に、不図示の調整治具上に第2レンズ保持枠1602を固定し、図44に示すように、接合レンズ16Aの凸レンズ1660を第2レンズ枠1602の筒状壁部1630の内周面1630Aに臨ませ、凸レンズ1660を筒状壁部1630の内周面1630Aに挿入し、第2レンズ面1654の端面1654Aを筒状壁部1630の先端面1634に載置する。
なお、この状態で、凸レンズ1660の外周面1630Bと筒状壁部1630の内周面1630Aとの間には環状の隙間が確保されている。
次に、図46に示すように、接合レンズ16Aの円錐面1652Bの周方向に間隔をおいた3箇所に前記調整治具のピンJをそれぞれ押し当て、第2レンズ面1654の端面1654Aを筒状壁部1630の先端面1634に当て付けた状態で各ピンJの突出量を制御する。これにより、接合レンズ16Aをその光軸と直交する方向に動かし接合レンズ16Aの光軸をレンズ16Bの光軸と合致させる。
接合レンズ16Aの光軸と接合レンズ16Aの光軸が合致されたならば、図45に示すように、接着剤供給用のディスペンサDの針から各接着剤充填用切り欠き1632内に紫外線硬化型接着剤を充填する。これにより各接着剤充填用切り欠き1632内において、紫外線硬化型接着剤が第2レンズ面1654の端面1654Aに付着する。
次いで、紫外線ランプLから各接着剤充填用切り欠き1632内に充填された紫外線硬化型接着剤に紫外線を照射して硬化させる。これにより、第2レンズ面1654の端面1654Aが筒状壁部1630の先端面1634に取着され固定される。
したがって、接合レンズ16Aを構成する凹レンズ1650の外周部の周方向および軸方向の全域に沿ったスペースは開放され、第2レンズ保持枠1602の筒状壁部1630によって占有されていないので、その分のスペースにレンズ鏡筒10を構成する他の部材や部品(例えば図31に示す電装部19など)を配置することができ、レンズ鏡筒10の外形寸法(直径方向の寸法および光軸方向の寸法)を縮小し、ひいては撮像装置100の小型化を図る上で有利となる。
また、筒状壁部1630の先端面1630の外径と凹レンズ1650の端面1654Aの外径はほぼ等しい寸法で形成されているので、筒状壁部1630の先端面1630と凹レンズ1650の端面1654Aとが重ね合わされる部分の面積を確保する上で有利となり、凹レンズ1650と筒状壁部1630との接着強度、すなわち接合レンズ16Aと第2レンズ枠1602との接着強度を確保する上で有利となる。
図47は1群レンズ14が組み込まれた第1レンズ保持枠1402の分解斜視図、図48は1群レンズ14が組み込まれた第1レンズ保持枠1402の断面図である。
図47、図48に示すように、1群レンズ14は、前側レンズ1420、中間レンズ1430、後側レンズ1440がそれらの光軸を合致させた状態で光軸方向に並べられて第1レンズ保持枠1402で保持されている。
具体的には、前側レンズ1420、中間レンズ1430、後側レンズ1440はこれらの順番で前方から後方に向かって並べられている。
前側レンズ1420は、光軸方向の前方に臨む凸状の前面1424と、光軸方向の後方に臨む凹状の後面1426を有し、その外周部が円筒面で形成された第2外周面1422で形成されている。
本実施例では、前側レンズ1420の後面1426の外周部は、光軸と直交する平面からなる環状の当て付け面1429として形成されている。
中間レンズ1430は、光軸方向の前方に臨む凸状の前面1434と光軸方向の後方に臨む凹状の後面1436とを有している。
中間レンズ1430は、その外周部が円筒面で形成されその外径が前側レンズ1420の第2外周面1422の外径よりも僅かに小さな外径で形成された第1外周面1432で形成されている。
また、中間レンズ1430の外周部には、第1外周面1432の周方向に等間隔をおいて中間レンズ1430の半径方向外方に開放状で周方向に扇形状に延在し中間レンズ1430の厚さ方向に貫通する複数の切り欠き1438が形成され、本実施例では3つの切り欠き1438が設けられている。
本実施例では、中間レンズ1430の外周部は、厚さが均一で光軸方向の前方および後方に臨む面が光軸と直交する平面からなる環板部1439として形成され、複数の切り欠き1438はこの環板部1439に形成されている。なお、中間レンズ1430の後面1436をなす環板部1439の後面1436は、中間レンズ1430の当て付け面として使用される。
後側レンズ1440は、光軸方向の前方に臨む凸状の前面1444と、光軸方向の後方に臨む凹状の後面1446とを有している。
本実施例では、後側レンズ1440の後面1446の外周部は、光軸と直交する平面からなる環状の当て付け面1449として形成されている。
後側レンズ1440は、その外周部が円筒面で形成されその外径が前側レンズ1420の第2外周面1422の外径および中間レンズ1430の第1外周面1432の外径の双方よりも小さい寸法で形成された第3外周面1442で形成されている。
図47、図48に示すように、第1レンズ保持枠1402は前側レンズ1420、中間レンズ1430、後側レンズ1440が収容される円筒状の筒状壁部1450を有している。
筒状壁部1450の内部には、第1内周面1452、第2内周面1454、膨出壁1456などが設けられている。
具体的には、第1内周面1452、膨出壁1456、第2内周面1454はこれらの順番で前方から後方に向かって並べられ、筒状壁部1450の後端には後方に向けて筒状壁1460が突出されている。
第1内周面1452は、前側レンズ1420および中間レンズ1430が挿入可能な寸法の内径および幅(光軸方向の長さ)で形成されている。
第2内周面1454は、第1内周面1452の後方箇所に設けられている。
第2内周面1454は、第1内周面1452の内径よりも小さい内径で、かつ、後側レンズ1440の外周面1442に係合可能な大きさの内径および幅(光軸方向の長さ)で形成されている。
膨出壁1456は、第1内周面1452の第2内周面1454寄りの箇所で第1内周面1452の周方向に間隔をおいた複数箇所(本実施例では3箇所)から周方向に扇形状に延在して第1内周面1452の半径方向内方に突出され、中間レンズ1430の切り欠き1438に挿入される形状で形成されている。
本実施例では、各膨出壁1456は、第1内周面1452と第2内周面1456の境の箇所から第1内周面1452側に突出形成され、各膨出壁1456が半径方向内方に位置する箇所は、第2内周面1454と同一面上に位置する円筒面1456Aで形成されている。
そして、第1内周面1452と第2内周面1456の境の箇所に、膨出壁1454箇所を除いて光軸と直交する面上を延在し第1内周面1452に臨みつつ円弧状に延在する円弧状端面1458が形成されている。
膨出壁1456の円弧状端面1458から光軸方向に沿った延在長さは、切り欠き1438が設けられた中間レンズ1430の環板部1439の厚さよりも大きな寸法で形成されている。
光軸方向における各膨出壁1456の両面のうちの一方の面(前方に臨む面)は光軸と直交する面上を延在する平坦な当て付け面1456Bとして形成されている。本実施例では、膨出壁1456は第1内周面1452と第2内周面1456の境の箇所から第1内周面1452側に突出形成されているので、膨出壁1456は光軸方向において前方に臨む面のみを有しており、この面が当て付け面1456Bとして形成されている。
また、第2内周面1456の後端箇所には、第2内周面1456の半径方向内方に突出する当て付け段部1459が形成され、当て付け段部1459が第2内周面1456に臨む面には光軸と直交する平面上を延在する環状の当て付け面1459Aが形成されている。
なお、図47に示すように、中間レンズ1430、前側レンズ1420の光軸方向および光軸と直交する方向の位置決め精度の向上を図るために、筒状壁部1450には平坦な平面からなる複数の光学規制面が形成されている。
具体的には、前記光学規制面は、第1内周面1452の周方向に等間隔をおいた複数箇所にそれぞれ設けられ中間レンズ1430の外周面1432が当接される平坦な光学規制面1452Kと、円弧状端面1458の周方向に等間隔をおいた複数箇所にそれぞれ設けられ中間レンズ1430の後面1436(環板部1439の後面1436)が当接される平坦な光学規制面1458Kと、第2内周面1454の周方向に等間隔をおいた複数箇所にそれぞれ設けられ後側レンズ1440の外周面1442が当接される平坦な光学規制面1454Kと、当て付け面1459Aの周方向に等間隔をおいた複数箇所にそれぞれ設けられ後面1446(当て付け面1449)が当接される平坦な光学規制面1459Kを有している。
まず、紫外線硬化型の接着剤を当て付け段部1459の当て付け面1459Aに塗布する。
次いで、後側レンズ1440の後面1446を後方に向けて筒状壁部1650の内側に挿入し、第3外周面1442を第2内周面1456に係合させるとともに、後面1446を当て付け面1459Aに当て付けて(より詳細には当て付け面1449を光学規制面1459Kに当て付けて)筒状壁部1450の内部に配設する。
この状態で、紫外線を当て付け面1459Aの接着剤部分に照射することでこの接着剤を硬化させ後側レンズ1440を筒状壁部1450に固定する。すなわち、後側レンズ1440を第1レンズ保持枠1402に固定する。
次に、紫外線硬化型の接着剤を各円弧状端面1458に塗布する。
次いで、中間レンズ1430の後面1436を後方に向けて筒状壁部1650の内側に挿入し、各切り欠き1438内に各膨出壁1456を収容させ、第1外周面1432を第2内周面1456に係合させるとともに、環板部1439の後面1436を円弧状端面1458に当て付けて(より詳細には当て付け面をなす後面1436を光学規制面1458Kに当て付けて)筒状壁部1450の内部に配設する。
この状態で、紫外線を円弧状端面1458の接着剤部分に照射することでこの接着剤を硬化させ中間レンズ1430を筒状壁部1450に固定する。すなわち、中間レンズ1430を第1レンズ保持枠1402に固定する。
なお、後側レンズ1440と中間レンズ1430は光学規制面1454K、1452Kによりそれらの光軸が合致した状態で第1レンズ保持枠1402に固定される。
次に、紫外線硬化型の接着剤を各膨出壁1456の当て付け面1456Bに塗布する。
次に、前側レンズ1420の後面1426を後方に向けて筒状壁部1650の内部に挿入し、前側レンズ1420の後面1426を各切り欠き1438から前方に臨む各膨出壁1456の当て付け面1456Bに当て付け(より詳細には前側レンズ1420の当て付け面1429を当て付け面1456Bに当て付け)、不図示の調整治具を用いて、前側レンズ1420を光軸と直交する方向に動かし、前側レンズ1420の光軸が後側レンズ1440および中間レンズ1430の光軸と合致するように調芯を行う。
調芯が完了したならば、紫外線を円弧状端面1458の接着剤部分に照射することでこの接着剤を硬化させ、前側レンズ1420を筒状壁部1450に固定する。すなわち、前側レンズ1420を第1レンズ保持枠1402に固定する。
なお、ここでは接着剤を塗布してからレンズを挿入し接着剤を硬化させたが、先ずレンズを挿入してから接着剤を塗布するようにしてもよい。
このため、中間レンズ1430と前側レンズ1420の外径を異ならせるとともに、これらのレンズの外径に対応した直径の当て付け面をレンズ保持枠にそれぞれ形成する必要がないため、第1レンズ保持枠1402の外径寸法を縮小する上で有利となる。
また中間レンズ1430は、その外周面1432が筒状壁部1450の第1内周面1452(光学規制面1452K)に係合することで位置決めされ、前側レンズ1420は、その当て付け面1429が筒状壁部1450の膨出壁1456の当て付け面1456Bに当て付けられることで位置決めされるため、従来技術2のように、2つのレンズのうち一方のレンズが他方のレンズに当て付けられて位置決めされる場合に比較してレンズの位置精度を確保する上で有利となる。
したがって、レンズ鏡筒10および撮像装置100の小型化を図りつつレンズの位置精度を向上させる上で有利となる。
図53は図25において矢印X方向から見た駆動用マグネット4002とコイル4006の説明図である。
図24、図25、図53に示すように、駆動用マグネット4002は、3群レンズ18の光軸と平行な方向に沿って延在する磁極面42を有し、磁極面42にはその延在方向に沿って異なる2つの磁極、すなわちN極4202とS極4204とが並べて着磁され配置されている。
駆動用マグネット4002の磁極面42と反対側の面44には前記バックヨーク4004が取着されることで磁極面42から放射される磁力線が効率よくコイル4006に到達されるようになっている。
具体的に説明すると、駆動用マグネット4002は前記光軸方向に細長い矩形状に形成されており、前記光軸方向に延在する長さと、この長さよりも小さい寸法の幅と、この幅よりも小さい寸法の高さとを有して前記光軸方向に細長く光軸直交する方向の厚さが小さい矩形板状の扁平マグネットとして形成されている。
磁極面42は前記長さと前記幅とで形成される前記扁平マグネットの細長い矩形面に形成されている。
図24、図25に示すように、駆動用マグネット4002は、前記光軸と直交する仮想線が磁極面42に直角に交わるように配設されている。
また、本実施例では、3群レンズ18は、前記光軸方向から見て矩形に形成され、駆動用マグネット4002は、前記光軸方向から見て磁極面42が前記矩形をなす3群レンズ18の一辺に対して平行するように配設されている。
具体的に説明すると、コイル4006は、巻線が巻回されて形成される巻回端面4006Aの輪郭の大きさに比べてその巻回高さが小さい寸法で形成され磁極面42に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されている。
さらに詳細には、コイル4006は、巻線が矩形枠状に巻回されその巻回高さが矩形枠状の形状をなす長辺4006Bおよび短辺4006Cよりも小さい寸法で形成され磁極面42に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されている。
制御部148からコイル4006に駆動電流が供給されると、コイル4006から前記駆動電流の向きに対応して磁界が発生する。
コイル4006で発生された磁界と、マグネット4002の磁極面42から発生された磁界との磁気相互作用、すなわちフレミング左手の法則に従ってコイル4006に対して光軸方向の前方あるいは後方に向けて駆動力が発生する。
より詳細には、図53に示すように、コイル4006の2つの短辺4006Cで発生した磁界と、磁極面42のN極4202およびS極4204で発生した磁界との磁気相互作用により前記駆動力が発生する。
これにより、第3レンズ保持枠1802が前記光軸方向の前方あるいは後方に移動される。
したがって、リニアモータ40を構成するコイル4006と駆動用マグネット4002が鏡筒10の内部において占有するスペースは、回転駆動式のモータに比較して小さくデッドスペースも少なくて済み、また、駆動機構が前記駆動機構を構成する雄ねじ部材や支持部材や雌ねじ部材を有しないため駆動機構の占有スペースを削減することができる。このため、レンズ鏡筒および撮像装置を小型化する上で有利となり、また、部品や部材の配置の自由度を確保する上でも有利となる。
また、本実施例では、3群レンズ18が前記光軸方向から見て矩形に形成され、駆動用マグネット4002が前記光軸方向から見て磁極面42が前記矩形をなす3群レンズ18の一辺に対して平行するように配設されていることから、駆動用マグネット4002を前記光軸に近づけて配置することができレンズ鏡筒の外径を縮小する上で有利となる。
また、駆動用マグネット4002は、前記光軸方向に延在する長さと、この長さよりも小さい寸法の幅と、この幅よりも小さい寸法の高さとを有して前記光軸方向に細長く厚さが小さい矩形板状の扁平マグネットとして形成され、また、コイル4006は、巻線が巻回されて形成される巻回端面4006Aの輪郭の大きさに比べてその巻回高さが小さい寸法で形成され磁極面42に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されているので、鏡筒10の内部においてこれら駆動用マグネット4002とコイル4006が占有するスペースを削減する上でより有利となる。
また、駆動用マグネット4002が前記光軸と直交する仮想線が磁極面42に直角に交わるように配設されているため、駆動用マグネット4002の高さ方向およびコイル4006の高さ方向を鏡筒10の半径方向とほぼ一致させることができ、これら駆動用マグネット4002およびコイル4006が鏡筒10内部で前記半径方向に占有するスペースを削減する上でより有利となる。
また、ガイド軸ホルダ1220とマグネットホルダ1222はベース12に一体に形成されているため、部品点数を削減し占有スペースを削減する上で有利となる。
図54、図55は金属板74と第3レンズ保持枠1802を斜め前方から見た斜視図、図56(A)は駆動用マグネット4002と位置検出用マグネット7002の磁界の説明図、(B)は(A)の要部拡大図、図57(A)は駆動用マグネット4002およびヨーク4004の側面図、(B)は(A)のB矢視図、(C)は(B)のC矢視図、図58は位置検出機構70の断面図である。
より詳細には、図56(A)、図57に示すように、駆動用マグネット4006の磁極面42は光軸方向で撮像素子140側寄り(光軸方向で後方寄り)がN極4202に着磁され、光軸方向で被写体側寄り(光軸方向で前方寄り)がS極4204に着磁されている。
図56(A)に示すように、駆動用マグネット4002とバックヨーク4004によって形成される磁気回路は閉じられておらず、この磁気回路によって駆動用マグネット4002の磁極面42から広がる第1磁束線M1が形成されている。
すなわち、リニアーモータ40は、扁平リニアモータで構成されており、その磁気回路が開放されているため、リニアモータ40の周囲に磁界が形成される。
図54、図55に示すように、位置検出用マグネット7004は、バックヨーク7006を介して第3レンズ保持枠1802に取着されており、例えばネオジウム磁石(Nd−Fe−B磁石)などのように小型軽量でありながら強力な磁界(磁場)を作りだす磁石で構成されている。
図56(A)に示すように、位置検出用マグネット7004は、撮像素子140側に臨む面(光軸方向で後方に臨む面)がN極7004Aに着磁され、被写体側に臨む面(光軸方向で前方に臨む面)がS極7004Bに着磁されている。
位置検出用マグネット7004とバックヨーク7006によって形成される磁気回路も閉じられておらず、この磁気回路によって位置検出用マグネット7004のN極7004Aとバックヨーク7006との間にわたって広がる第2磁束線M2が形成されている。
本例では、駆動用マグネット4006によって形成される磁界の中心(N極4202とS極4204の境界)と、位置検出用マグネット7004によって形成される磁界の中心(N極7004AとS極7004Bの境界)とが前記光軸と平行な方向に間隔をおいて設けられている。
図58に示すように、ホール素子7002は、その感磁面7002Aを位置検出用マグネット7004に向けてベース12の壁部箇所に設けられた取り付け凹部1240に配設されており、位置検出用マグネット7004の磁極から発せられる磁力を感磁面7002Aを介して検出しその磁力の強度に応じた大きさの検出信号を生成する。
より詳細には、前記光軸と平行し位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の壁部箇所に貫通孔1244が貫通形成され、貫通孔1244の内部で位置検出用マグネット7004寄りの箇所に貫通孔1244を閉塞するように非磁性材料(例えば燐青銅などの金属)からなる薄板1246が取着されている。本例では貫通孔1244と薄板1246により、前記光軸と平行し位置検出用マグネット7004を通る直線が通過するベース12の壁部箇所に、位置検出用マグネット7004が位置する方向とは反対の方向に開放状の取り付け凹部1240が形成されることになる。
ホール素子7002は、ベース12に取着された金属板74がホール素子7002の箇所で感磁面7002Aとは逆の面であるホール素子7002の背面7002Bにメインフレキシブル基板60の上から押し付けられ、これにより感磁面7002Aが薄板1246に当て付けられて配設されている。
金属板74は、弱磁性材料(弱磁性体)からなる金属材料、例えばステンレスSUS303、SUS304などで形成されている。金属板74は弱磁性材料であるため、それ自体は磁力を発生しないが、磁力によって吸引される性質を有している。
図56(A)に示すように、駆動用マグネット4006の磁極面42は光軸方向で撮像素子140側寄り(光軸方向で後方寄り)がN極4202に着磁され、光軸方向で被写体側寄り(光軸方向で前方寄り)がS極4204に着磁され、位置検出用マグネット7004は、撮像素子140側に臨む面(光軸方向で後方に臨む面)がN極7004Aに着磁され、被写体側に臨む面(光軸方向で前方に臨む面)がS極7004Bに着磁されている。
したがって、図56(A)に示すように、駆動用マグネット4006によって形成される第1磁束線M1と、位置検出用マグネット7004によって形成される第2磁束線M2とが交わる磁気干渉点Pにおいて第1磁束線M1と第2磁束線M2の向きが同一方向となっている。
このように磁気干渉点Pにおいて第1磁束線M1と第2磁束線M2が同一方向を向いている場合には、駆動用マグネット4006と位置検出用マグネット7004の間には互いに離間する方向に作用する磁気反力Fが発生する。
本例では、駆動用マグネット4006の中心と、位置検出用マグネット7004の中心とが光軸と平行な方向に間隔をおいているため、図56(A)、(B)に示すように、位置検出用マグネット7004には、光軸に対して傾斜した方向に磁気反力Fによる力が作用することになる。
この場合、位置検出用マグネット7004は、第3レンズ保持枠1802に取着され、この第3レンズ保持枠1802が光軸方向に移動可能に支持されていることから、磁気反力Fのうち光軸と平行な方向の成分の力Fxが第3レンズ保持枠1802に作用する。言い換えると、第3レンズ保持枠1802は、光軸方向の後方(撮像素子140に接近する方向)に向けて常時付勢される。
したがって、コイル4006に駆動電流が供給され、第3レンズ保持枠1802が光軸方向の後方に動かされる場合には、リニアモータ40による駆動力に加えて前記力Fxが第3レンズ保持枠1802に作用し、前記力Fxによって第3レンズ保持枠1802の移動速度が加速されることになる。
前述したように第3レンズ保持枠1802に保持されている3群レンズ18はフォーカスレンズ(合焦レンズ)であり、光軸方向に動かされることで焦点調節を行うものである。焦点調節は、例えば3群レンズ18を光軸方向に動かしつつ撮像素子140で撮像された被写体像のエッジの鮮明さが最も得られるように行われる。
このような焦点調節動作は、まず3群レンズ18を光軸方向の前方の限界位置である至近端に移動させておき、次いで3群レンズ18を光軸方向の後方の限界位置である無限遠方端に向けて移動させつつ行われる。
本実施例では、このような3群レンズ18の焦点調節動作の際に、3群レンズ18の移動速度が前記磁気反力Fによって加速されるため、磁気干渉の影響を受けるもののこの影響は悪影響ではなく、第3レンズの移動を迅速に行うことができる影響であり、焦点調節動作を迅速に行うことで撮影時の操作性を向上させる上で有利となる。
この場合、位置検出用マグネット7004は、第3レンズ保持枠1802に取着され、この第3レンズ保持枠1802が光軸方向に移動可能に支持されていることから、金属板74による吸引力が第3レンズ保持枠1802に作用する。言い換えると、第3レンズ保持枠1802は、光軸方向の後方(撮像素子140に接近する方向)に向けて常時付勢される。
このため、コイル4006に駆動電流が供給され、第3レンズ保持枠1802が光軸方向の後方に動かされる場合には、リニアモータ40による駆動力に加えて前記吸引力も第3レンズ保持枠1802に作用し、前記吸引力によっても第3レンズ保持枠1802の移動速度が加速されることになる。
したがって、駆動用マグネット4006と位置検出用マグネット7004の間に発生する前記磁気反力Fの場合と同様に、3群レンズ18の移動速度が前記吸引力によって加速されるため、3群レンズ18の焦点調節動作を迅速に行うことができ、撮影時の操作性を向上させる上で有利となる。
したがって、この合焦レンズの移動スピードが速ければ、より短時間で合焦されることになるが、これと反対に、合焦レンズが撮像素子から離間する方向に移動しながらピント合わせを行うという合焦システムもある。
このように場合には、駆動用マグネット4006と位置検出用マグネット7004のうちの一方のマグネットの光軸方向に沿ったN極とS極の配置、言い換えれば着磁方向あるいは磁石の向きを本実施例の場合とは逆転させることで、レンズ保持枠に撮像素子から離間する方向に作用する付勢力を加えるようにしてもよいことは勿論である。
すなわち、本発明は、駆動用マグネットの磁極の中央部(磁界の中心)から光軸方向にオフセットした位置において位置検出用マグネットが移動する構成として、合焦レンズがピント合わせのために移動する方向に付勢力がレンズ保持枠に取着された位置検出用マグネットに加わるようにすることで、より短時間のピント合わせができるようにしたものである。
Claims (22)
- ベースと、
前記ベースに設けられた撮像素子と、
被写体像を前記撮像素子に導くレンズと、
前記レンズを保持するレンズ保持枠と、
前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に支持する案内機構と、
前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させる駆動機構と、
前記レンズの前記光軸方向における位置を検出する位置検出機構とが鏡筒内部に配設されたレンズ鏡筒であって、
前記駆動機構は、前記レンズ保持枠に設けられたコイルと、前記ベースに設けられた駆動用マグネットと、前記コイルに駆動電流を供給する電流供給手段とを有し、
前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸と平行な方向に沿って延在する磁極面を有し、
前記磁極面にはその延在方向に沿って異なる2つの磁極が並べて配置され、
前記コイルは巻線が前記磁極面と直交する軸線回りに巻回されその巻回端面が前記磁極面に臨むように配置され、
前記位置検出機構は、磁力を発する位置検出用マグネットと前記位置検出用マグネットから発せられる磁力を感磁面を介して検出しその磁力の強度に応じた大きさの検出信号を生成する磁力検出センサで構成され、
前記位置検出用マグネットは前記レンズ保持枠に取着され、
前記磁力検出センサは、前記光軸と平行し前記位置検出用マグネットを通る直線が通過する前記ベースの壁部箇所に前記感磁面を前記位置検出用マグネットに向けて取着され、
前記駆動用マグネットによって形成される第1磁束線と、前記位置検出用マグネットによって形成される第2磁束線とが交わる磁気干渉点において前記第1磁束線と第2磁束線の向きが同一方向となるように構成されている、
ことを特徴とするレンズ鏡筒。 - 前記駆動用マグネットの磁極面は前記光軸方向で前記撮像素子側がN極またはS極の一方に着磁され、前記光軸方向で前記被写体側がN極またはS極の他方に着磁され、前記位置検出用マグネットは、前記光軸方向で前記撮像素子側に臨む箇所がN極またはS極の一方に着磁され、前記光軸方向で前記被写体側に臨む箇所がN極またはS極の他方に着磁されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記駆動用マグネットによって形成される磁界の中心と、前記位置検出用マグネットによって形成される磁界の中心とが前記光軸と平行な方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記レンズは前記光軸方向に動かされることで前記撮像素子に結像される被写体像の焦点調節を行う焦点調節用レンズであることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記駆動用マグネットは、前記光軸と直交する仮想線が前記磁極面に直角に交わるように配設されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸方向に細長い矩形状に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸方向に延在する長さと、前記長さよりも小さい寸法の幅と、前記幅よりも小さい寸法の高さとを有して前記レンズの光軸方向に細長く厚さが小さい矩形板状の扁平マグネットとして形成され、前記磁極面は前記長さと前記幅とで形成される前記扁平マグネットの細長い矩形面に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記コイルは、巻線が巻回されて形成される巻回端面の輪郭の大きさに比べてその巻回高さが小さい寸法で形成され前記磁極面に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記コイルは、巻線が矩形枠状に巻回されその巻回高さが前記矩形枠状の形状をなす長辺および短辺よりも小さい寸法で形成され前記磁極面に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記レンズは前記光軸方向から見て矩形に形成され、前記駆動用マグネットは、前記光軸方向から見て前記磁極面が前記矩形をなす前記レンズの一辺に対して平行するように配設されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- 前記案内機構は、前記光軸と平行に延在するガイド軸を有し、前記駆動用マグネットは前記ベースに設けられ、前記ガイド軸を支持するガイド軸ホルダが設けられ、前記駆動用マグネットを支持するマグネットホルダが設けられ、前記ガイド軸ホルダとマグネットホルダは前記ベースに一体に形成されていることを特徴とする請求項1記載のレンズ鏡筒。
- レンズによって導かれた被写体像を撮像する撮像素子を有するレンズ鏡筒を備えた撮像装置であって、
前記レンズ鏡筒は、
前記撮像素子が設けられたベースと、
前記レンズと、
前記レンズを保持するレンズ保持枠と、
前記レンズ保持枠を前記レンズの光軸方向に移動可能に支持する案内機構と、
前記レンズ保持枠を前記光軸方向に移動させる駆動機構とが鏡筒内部に配設されたレンズ鏡筒であって、
前記駆動機構は、前記レンズ保持枠に設けられたコイルと、前記ベースに設けられた駆動用マグネットと、前記コイルに駆動電流を供給する電流供給手段とを有し、
前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸と平行な方向に沿って延在する磁極面を有し、
前記磁極面にはその延在方向に沿って異なる2つの磁極が並べて配置され、
前記コイルは巻線が前記磁極面と直交する軸線回りに巻回されその巻回端面が前記磁極面に臨むように配置され、
前記位置検出機構は、磁力を発する位置検出用マグネットと前記位置検出用マグネットから発せられる磁力を感磁面を介して検出しその磁力の強度に応じた大きさの検出信号を生成する磁力検出センサで構成され、
前記位置検出用マグネットは前記レンズ保持枠に取着され、
前記磁力検出センサは、前記光軸と平行し前記位置検出用マグネットを通る直線が通過する前記ベースの壁部箇所に前記感磁面を前記位置検出用マグネットに向けて取着され、
前記駆動用マグネットによって形成される第1磁束線と、前記位置検出用マグネットによって形成される第2磁束線とが交わる磁気干渉点において前記第1磁束線と第2磁束線の向きが同一方向となるように構成されている、
ことを特徴とする撮像装置。 - 前記駆動用マグネットの磁極面は前記光軸方向で前記撮像素子側がN極またはS極の一方に着磁され、前記光軸方向で前記被写体側がN極またはS極の他方に着磁され、前記位置検出用マグネットは、前記光軸方向で前記撮像素子側に臨む箇所がN極またはS極の一方に着磁され、前記光軸方向で前記被写体側に臨む箇所がN極またはS極の他方に着磁されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記駆動用マグネットによって形成される磁界の中心と、前記位置検出用マグネットによって形成される磁界の中心とが前記光軸と平行な方向に間隔をおいて設けられていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記レンズは前記光軸方向に動かされることで前記撮像素子に結像される被写体像の焦点調節を行う焦点調節用レンズであることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記駆動用マグネットは、前記光軸と直交する仮想線が前記磁極面に直角に交わるように配設されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸方向に細長い矩形状に形成されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記駆動用マグネットは前記レンズの光軸方向に延在する長さと、前記長さよりも小さい寸法の幅と、前記幅よりも小さい寸法の高さとを有して前記レンズの光軸方向に細長く厚さが小さい矩形板状の扁平マグネットとして形成され、前記磁極面は前記長さと前記幅とで形成される前記扁平マグネットの細長い矩形面に形成されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記コイルは、巻線が巻回されて形成される巻回端面の輪郭の大きさに比べてその巻回高さが小さい寸法で形成され前記磁極面に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記コイルは、巻線が矩形枠状に巻回されその巻回高さが前記矩形枠状の形状をなす長辺および短辺よりも小さい寸法で形成され前記磁極面に対して直交する方向の高さが小さい扁平コイルで形成されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記レンズは前記光軸方向から見て矩形に形成され、前記駆動用マグネットは、前記光軸方向から見て前記磁極面が前記矩形をなす前記レンズの一辺に対して平行するように配設されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
- 前記案内機構は、前記光軸と平行に延在するガイド軸を有し、前記駆動用マグネットは前記ベースに設けられ、前記ガイド軸を支持するガイド軸ホルダが設けられ、前記駆動用マグネットを支持するマグネットホルダが設けられ、前記ガイド軸ホルダとマグネットホルダは前記ベースに一体に形成されていることを特徴とする請求項12記載の撮像装置。
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