JP4192552B2 - 内燃機関支持装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関を支持する内燃機関支持装置に関するもので、特に内燃機関の振動に対する制動振動を発生可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の内燃機関支持装置として、例えば、内燃機関をアクティブコントロールマウント(以下、ACMと称す)により懸架し、このACMが有する空気室に対して、大気圧、又は内燃機関の吸気作用でスロットルバルブの下流側に発生する負圧を交互に供給制御することにより、内燃機関の運転状況に応じた制動振動を発生させて、車体への振動伝達を軽減させる内燃機関の懸架装置がある(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−255277号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例にあっては、スロットルバルブの下流側で発生する負圧と大気圧との圧力差を利用してACMが制動振動を発生させているので、スロットルバルブの開度を大きくする内燃機関の高負荷時には、スロットルバルブの下流側に十分な負圧を発生させることができず、大気圧との圧力差が低下することにより理想的な制動振動を発生させることができないという未解決の課題がある。
【0005】
また、ディーゼルエンジンを懸架する場合、ガソリンエンジンに比べて振動が大きい分、単に内燃機関の吸気作用で発生する負圧を利用するだけでは十分な制動振動を発することが困難となり、況して内燃機関を複数のACMで懸架すると、各ACMに供給すべき負圧が不足してしまうという未解決の課題もある。
そこで、本発明は上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、内燃機関が如何なる運転状態にあっても、必要とされる負圧を安定して供給することで、理想的な制動振動を発生できる内燃機関支持装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る内燃機関支持装置は、供給される気圧の変動により内燃機関の振動に対する制動振動を発生する振動制御型支持機構に対して、負圧ポンプで発生した負圧と、大気圧又は正圧発生手段により吸気通路に発生した正圧のうち圧力の高い方とのどちらかを、内燃機関の振動に応じて振動制御型支持機構に導入することを特徴としている。
【0007】
【発明の効果】
本発明に係る内燃機関支持装置によれば、供給される気圧の変動により内燃機関の振動に対する制動振動を発生する振動制御型支持機構に対して、負圧ポンプで発生した負圧と、大気圧又は正圧発生手段により吸気通路に発生した正圧のうち圧力の高い方とのどちらかを、内燃機関の振動に応じて振動制御型支持機構に導入するように構成されているので、内燃機関が如何なる運転状況にあっても、必要とされる負圧を安定して供給することで、理想的な制動振動を発生できるという効果が得られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示す概略構成図である。図中、1は車体であり、直列4気筒のディーゼルエンジンで構成された内燃機関2が、振動制御型支持機構3を介して支持されている。
【0009】
内燃機関2は、本体となるエンジンブロック4と、エンジンブロック4内に形成されたシリンダ5と、シリンダ5内を上下に摺動するピストン6と、ピストン6に連結されたコネクティングロッド7と、コネクティングロッド7に連結され内燃機関2の動力を取出すクランクシャフト8とを備えている。
また、内燃機関2は、大気を吸入する吸気通路9と、排気を排出する排気通路10とを有している。吸気通路9における吸入口には、吸入空気浄化手段としてのエアクリーナケース11が設けられており、吸入する空気を浄化している。また、吸気通路9、及び排気通路10には、過給機としてのターボチャージャ12が接続されており、排気の圧力で回転するタービン13が同軸上のコンプレッサ14を回転させることにより、内燃機関3の吸気量を増加させることができるように構成されている。また、吸気通路9におけるコンプレッサ14の下流側には、燃料を噴射するインジェクタ15が設けられており、内燃機関3の吸気量や回転速度に応じて燃料を噴射するよう噴射制御用コントローラ16から出力される燃料噴射信号に基づいて駆動制御されている。
【0010】
ここで、内燃機関2の運転状態に応じた排気圧の増加に伴って、ターボチャージャ12のコンプレッサ14が高回転するときには、空気が過給されて吸気通路9におけるコンプレッサ14の下流側に正圧が発生する。したがって、内燃機関2、及びターボチャージャ12が正圧発生手段に対応している。
そして、振動制御型支持機構2は、図2に示すように、車体1に固定された略筒状の本体ケース17を備えている。この本体ケース17の内側上部には、ゴム等の弾性体からなる弾性部材18が嵌め込まれている。そして、本体ケース17の上部には、この弾性部材18を介して同本体ケース17に連結された連結具19が遊動可能に配設されており、この連結具19に内燃機関3が固定される。また、本体ケース17の内側底部には、ゴム等の弾性体からなる緩衝部材20が充填されている。
【0011】
また、本体ケース17の内部における弾性部材18と緩衝部材20との間には、オイル等の流体が充填される液室21a及び21bが形成されている。液室21a及び21bは、本体ケース17の内側に嵌め込まれたゴム等の弾性体からなる隔離部材22によって、上下2つに区画されている。これら2つの液室21a及び21bは、図示しない小径の通路によって連通されており、両液室21a及び21b間を流体が往来可能になっている。
【0012】
したがって、連結具19を介して内燃機関2の振動が伝達されても、弾性部材18、緩衝部材20、及び隔離部材22の変形と、液室21a及び21b内に充填された流体の流動とに基づいて、車体1への振動伝達を抑制することができる。
さらに、これら2つの液室21a及び21bを区画する隔離部材22の上面には、シート状のダイヤフラム23が設けられている。このダイヤフラム23は、固定具24によってその縁部を隔離部材22に固定されており、ダイヤフラム23と隔離部材22の上面との間には空気室25が形成されている。この空気室25は、変動気圧導入路26から導入される気圧に応じて、容積が拡大又は縮小するように構成されている。したがって、内燃機関2の振動に応じて、空気室25へ供給する気圧を変動させることにより、内燃機関2に対する制動振動を発生させることができる。
【0013】
変動気圧導入路26は、図1に示すように、負圧切換弁27によって負圧導入路28及び非負圧導入路29の何れか一方と連通可能になっており、負圧導入路28は、負圧を発生させる負圧ポンプ30に接続されている。この負圧ポンプ30は、内燃機関2が運転状態にあるときは常に所定の負圧を発生させるように構成されている。また、非負圧導入路29は、切換弁31によって大気圧導入路32及び正圧導入路33の何れか一方と連通可能になっており、大気圧導入路32は、吸気通路9におけるエアクリーナケース11及びコンプレッサの間から分岐し、正圧導入路33は、吸気通路9におけるコンプレッサ14の下流側から分岐している。
【0014】
また、負圧切換弁27及び切換弁31は、夫々電磁ソレノイド(図示省略)を備えており、この電磁ソレノイドに対して、後述する連通制御用コントローラ35からの励磁電流が通電されることにより駆動制御されている。すなわち、負圧切換弁27は、励磁電流の非通電(以下、OFFと称す)状態で変動気圧導入路26と非負圧導入通路29とを連通し、励磁電流の通電(以下、ONと称す)状態で変動気圧導入路26と負圧導入路28とを連通するように構成されている。また、切換弁31は、励磁電流のOFF状態で非負圧導入路29と大気圧導入路32とを連通し、励磁電流のON状態で非負圧導入路29と正圧導入路33とを連通するように構成されている。
【0015】
ここで、内燃機関2が運転状態にあるときには、負圧導入路28には所定の負圧が導入されている。また、吸気通路9におけるエアクリーナケース11の上流側は大気に開放されており、エアクリーナケース11とコンプレッサ14との間は常に大気圧に維持されているので、このエアクリーナケース11及びコンプレッサ14の間から分岐した大気圧導入路29も大気圧を維持している。さらに、内燃機関2の運転状態に応じて吸気通路9におけるコンプレッサ14の下流側に正圧が発生するときには、このコンプレッサ14の下流側に連通された正圧導入路33に正圧が導入される。
【0016】
したがって、切換弁31に対する励磁電流をOFF状態に維持しつつ、内燃機関2の振動に応じて、負圧切換弁27に対する励磁電流をOFF状態又はON状態の何れか一方に制御することにより、振動制御型支持機構3における空気室25に対して、大気圧と負圧とに変動する気圧を供給できるように構成されている。さらに、内燃機関2の運転状態に応じて吸気通路9におけるコンプレッサ14の下流側に正圧が発生するときには、切換弁31に対する励磁電流をON状態に維持しつつ、内燃機関2の振動に応じて、負圧切換弁27に対する励磁電流をOFF状態又はON状態の何れか一方に制御することにより、振動制御型支持機構3における空気室25に対して、正圧と負圧とに変動する気圧を供給できるように構成されている。
【0017】
また、クランクシャフト8には、その回転角信号を検出する電磁ピックアップ式のクランク角センサ34が装着されている。このクランク角センサ34は、クランクシャフト8と共に回転するロータ(図示省略)の外周面に形成されたセレーションを検出して例えば、10°CA毎の回転角信号を出力する。また、セレーションには、180°CA毎に欠歯部が形成されているので、出力される回転各信号からクランクシャフト8の回転位置も把握することができる構成となっている。
【0018】
このクランク角センサ34で検出されるクランクシャフト8の回転角信号と、前述した噴射制御用コントローラ16が出力する燃料噴射信号とが、例えば、マイクロコンピュータで構成された連通制御用コントローラ35に入力されている。この連通制御用コントローラ35は、内燃機関2が運転状態にあるときに、図3に示した振動制御処理を常時実行して、前述した負圧切換弁27、及び正負圧切換弁31に対する励磁電流の通電を制御するように構成されている。
【0019】
次に、連通制御用コントローラ35で実行する連通制御処理を、図3のフローチャートに従って説明する。
この連通制御処理では、先ず、ステップS1で、クランクシャフト8の回転角信号と、インジェクタ15に対して噴射制御用コントローラ16から出力される燃料噴射信号とを読込む。回転角信号は、図4(a)に示すように、クランクシャフト8の回転に応じて、10°CA毎に1パルスが出力されると共に、この1パルスが180°CA毎に非出力となる。また、燃料噴射信号は、図4(b)に示すように、インジェクタ15に対する開弁時間を指示するパルス信号であり、HiからLoに立下りLoを維持している間、燃料が噴射されるように構成されている。なお、燃料噴射信号は、実際には#1〜#4の4気筒分出力されるが、各気筒に噴射される燃料は略同等であるため1気筒分の燃料噴射信号を読込めばよい。
【0020】
次に移行するステップS2では、ステップS1で読込んだ燃料噴射信号、及び回転角信号に基づいて、内燃機関回転速度NEと、燃料噴射時間Tとを夫々算出する。先ず、内燃機関回転速度NEは、クランクシャフト8の回転角信号における180°毎の欠歯部に対応する信号を検出し、その周期から算出する。また、燃料噴射時間Tは、燃料噴射信号のLoを維持する時間をカウントして算出する。
【0021】
次に移行するステップS3では、燃料噴射時間Tに基づいて内燃機関2の負荷状態を判定するための閾値TSを算出する。この閾値TSは、連通制御用コントローラ35に予め記憶された閾値TS及び内燃機関回転速度NEの関係を示した図5の閾値算出用制御マップを参照して、前記ステップS2で算出された内燃機関回転速度NEから算出する。この閾値算出用制御マップでは、内燃機関2の負荷状態を示す燃料噴射時間Tの増加に伴ってコンプレッサ14の下流側が加圧され、発生する気圧が大気圧を超えるときの燃料噴射時間Tの値が、閾値TSとして設定されている。
【0022】
次に移行するステップS4では、前記ステップS2で算出された燃料噴射時間TがステップS3で算出された閾値TSよりも小さいか否かを判定することにより、内燃機関2の負荷状態を判定する。すなわち、燃料噴射時間Tが閾値TSよりも小さいときには、コンプレッサ14による加圧が十分になされておらず、内燃機関2が低負荷状態であると判定し、一方、燃料噴射時間Tが閾値TS以上であるときには、コンプレッサ14による加圧が十分になされており、内燃機関2が高負荷状態であると判定する。
【0023】
次に移行するステップS5では、ステップS4で判定された内燃機関2の負荷状態に応じて切換弁31に対する励磁電流の通電を制御する。すなわち、内燃機関2が低負荷状態であると判定されているときには、正圧導入路33に発生している正圧よりも大気圧導入路32に導入された大気圧の方が高い圧力であると判断し、切換弁31に対する励磁電流をOFF状態に制御して、非負圧導入路29と大気圧導入路32とを連通する。一方、内燃機関2が高負荷状態であると判定されているときには、大気圧導入路32に導入された大気圧よりも正圧導入路33に発生している正圧の方が高い圧力であると判断し、切換弁31に対する励磁電流をON状態に制御して、非負圧導入路29と正圧導入路33とを連通する。
【0024】
次に移行するステップS6では、内燃機関2の振動に応じて、負圧切換弁27に対する励磁電流の通電を制御するためのデューティ比A/B及び位相Cを算出する。このデューティ比A/Bは、図4(c)に示すように、クランクシャフト8が180°CA回転する期間Bに対して負圧切換弁27に対する励磁電流をON状態に制御する期間Aの割合を示しており、位相Cは、前記ステップS1でクランクシャフト8の180°CA回転毎の欠歯部に対応する信号を検出した後の1パルス目の立下りを基準として、負圧切換弁27に対する励磁電流をON状態に制御するまでの期間を示している。
【0025】
内燃機関2の振動は、主に、クランクシャフト8軸周りのロール振動と上下振動とで構成されている。ロール振動は、燃焼による圧力変動に基づいてクランクシャフト8が受ける周期的なトルク変動に起因しており、その大きさや位相は燃料噴射量に応じて変化する。また、上下振動は、ピストン6の上下運動により発生する往復慣性力に起因しており、その大きさはピストン6の運動速度の2乗、即ちクランクシャフト8の回転速度の2乗に比例し、位相はクランクシャフト8の回転角に応じて変化する。そこで、内燃機関2の振動に応じて負圧切換弁27を駆動制御するためのデューティ比及び位相は、内燃機関回転速度NEと燃料噴射時間Tとに基づいて算出する。
【0026】
先ず、デューティ比A/Bは、連通制御用コントローラ35に予め記憶され、内燃機関回転速度NE及び燃料噴射時間Tの関係からデューティ比A/Bが決定された図6のデューティ比算出用制御マップを参照して、前記ステップS2で算出された内燃機関回転速度NE及び燃料噴射時間Tからデューティ比A/Bを算出する。また、位相Cも、連通制御用コントローラ35に予め記憶され、内燃機関回転速度NE及び燃料噴射時間Tの関係から位相Cが決定された図7の位相算出用制御マップを参照して、前記ステップS2で算出された内燃機関回転速度NE及び燃料噴射時間Tから位相Cを算出する。これら、デューティ比算出用制御マップ、及び位相算出用制御マップは、車体フロアやステアリング、或いはその他の場所における振動や騒音が最小となる値を実験によって求めて、作成することが望ましい。
【0027】
次に移行するステップS7では、ステップS4の判定結果と、ステップS5で算出されたデューティ比A/B及び位相Cとに基づいて、負圧切換弁27に対する励磁電流の通電を制御してから、前記ステップS1に戻る。
ここで、図3の連通制御処理と負圧切換弁27及び切換弁31とが連通制御手段に対応し、そのうちステップS3及びステップS4の処理が判断手段に対応している。したがって、図1の変動気圧導入路26、負圧導入路28、非負圧導入路29、大気圧導入路32、及び正圧導入路33と、負圧切換弁27、及び切換弁31と、連通制御用コントローラ35とが導入手段に対応している。
【0028】
次に、上記第1実施形態の動作を説明する。
今、内燃機関2が運転状態にあるとする。このとき、負圧ポンプ30は所定の負圧を発生させて、この負圧を負圧導入路28に供給している。
そして、連通制御用コントローラ35は、内燃機関2が低負荷状態であるか、又は高負荷状態であるかを判定する(ステップS3及びステップS4)。この判定は、インジェクタ15の燃料噴射時間Tが、内燃機関回転速度NEに基づいて算出される閾値TSよりも小さいか否かを判定して行う。
【0029】
ここで、燃料噴射時間Tが閾値TSよりも小さいときには、内燃機関2が低負荷状態であることを示しているので、コンプレッサ14による加圧が不十分であり、その下流側に発生している気圧は大気圧よりも低いと判断される。この判断結果に基づいて、連通制御用コントローラ35は、切換弁31をOFF状態に制御することにより、非負圧導入路29と大気圧導入路32とを連通して非負圧導入路29に大気圧を導入する(ステップS5)。
【0030】
また、負圧導入路28には、負圧ポンプ30で発生した所定の負圧が導入されている。
そこで、連通制御用コントローラ35は、内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3の空気室に変動する気圧を供給するために、変動気圧導入路26に対して非負圧導入路29又は負圧導入路28を交互に連通するよう負圧切換弁27を駆動制御する(ステップS6及びステップS7)。この負圧切換弁27を駆動制御するためのデューティ比A/B及び位相Cは、デューティ比算出用制御マップ及び位相算出用制御マップを参照して、内燃機関回転速度NEと燃料噴射時間Tとに基づいて夫々算出される。
【0031】
先ず、負圧切換弁27をON状態に制御すると、負圧が導入されている負圧導入路30と変動気圧導入路26とが連通され、変動気圧導入路26を介して振動制御型支持機構3の空気室25に負圧が導入される。この負圧の導入により空気室25内の空気は排出され、その容積が縮小する。次いで、負圧切換弁27をOFF状態に制御すると、大気圧が導入されている非負圧導入路29と変動気圧導入路26とが連通され、変動気圧導入路26を介して振動制御型支持機構3の空気室25に大気圧が導入される。この大気圧の導入により、空気室25に空気が吸入され、その容積が拡大する。こうして、負圧切換弁27のON状態とOFF状態を交互に繰り返すことで、変動する気圧の導入により振動制御型支持機構3が内燃機関2の振動に応じた制動振動を発生することができ、結果として車体1への振動伝達を軽減することができる。
【0032】
一方、燃料噴射時間Tが閾値TS以上であるときには、内燃機関2が高負荷状態であることを示しているので、コンプレッサ14の下流側に大気圧よりも大きな正圧が発生していると判断される。そこで、連通制御用コントローラ35は、切換弁31をON状態に制御することにより、非負圧導入路29と正圧導入路33とを連通して非負圧導入路29に正圧を導入する(ステップS5)。
【0033】
これにより、内燃機関2の振動に応じて駆動制御されている負圧切換弁27が、変動気圧導入路26に対して非負圧導入路29を連通するときに、変動空気圧導入路27を介して振動制御型支持機構3の空気室25に正圧が導入される。この正圧の導入により、空気室25内には、より多くの空気が吸入され、その容積が更に拡大する。こうして、供給される気圧の変動幅を大きくすることで、振動制御型支持機構3が内燃機関2の振動に応じた十分な制動振動を発生することができ、結果として車体1への振動伝達を軽減することができる。
【0034】
このように、内燃機関2の運転状態に応じて吸気通路11に発生した正圧又は導入する大気圧と、負圧ポンプ30から供給される安定した負圧との何れか一方を、内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3の空気室25に供給するように構成されているので、内燃機関2が如何なる運転状況にあっても、必要とされる負圧を安定して供給することにより、常に理想的な制動振動を発生することができる。特に、内燃機関2が高負荷状態となるときには、正圧と負圧との間で大きく変動する気圧を振動制御支持機構3に供給できるので、内燃機関2が低負荷状態であるときに比べて、さらに効果的な制動振動を発生させることができる。
【0035】
なお、上記第1実施形態では、負圧切換弁27、及び正圧切換弁31がソレノイドを有する電磁式の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば機械式の切換弁を使用してもよい。
また、内燃機関2が運転状態であるときには常に負圧ポンプ30が負圧を発生させる場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、負圧切換弁27をON状態に制御するときに、負圧導入路28に負圧が導入されていればよいので、このタイミングに合わせて負圧ポンプ30が負圧を発生させるように構成してもよい。
【0036】
さらに、内燃機関2が低負荷状態であるか、又は高負荷状態であるかを判定するために、燃料噴射時間Tを用いた場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば、内燃機関回転速度NEやスロットルバルブの開度信号やエアフローメータにより検出する吸入空気量に基づいて判定したり、或いは正圧導入路と負圧導入路の圧力を実測したりして内燃機関2の負荷状態を判断するようにしてもよい。
【0037】
さらに、内燃機関2の吸気量を増加させる過給機を、排気の圧力を利用するターボチャージャ12で構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、内燃機関2の動力を利用するスーパーチャージャで構成してもよい。
また、内燃機関2を、直列4気筒のディーゼルエンジンで構成した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、6気筒や8気筒、またV型エンジンや水平対向エンジン、或いはロータリエンジン、更にガソリンエンジン等、如何なる内燃機関にも適用し得るものである。
【0038】
以上のように、上記第1実施形態によれば、内燃機関2の運転状態に応じて吸気通路9に発生した正圧又は導入する大気圧、及び負圧ポンプ30により発生した負圧の何れか一方を内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3に導入しているので、内燃機関2が如何なる運転状況にあっても、必要とされる負圧を安定して供給することができ、ガソリンエンジンに比べて振動の大きいディーゼルエンジンを支持したり、複数の振動制御型支持機構3で内燃機関2を支持したりするときにも、常に理想的な制動振動を発生することができるという効果が得られる。
【0039】
また、吸気通路9に設けられた内燃機関2の吸気量を増加させる過給機としてのターボチャージャ12を有し、内燃機関2の運転状態に応じてターボチャージャ12が内燃機関2の吸気量を増加させるときにターボチャージャ12が有するコンプレッサ14の下流側に正圧を発生させることができるので、過給式の内燃機関であれば、正圧を発生させる加圧機等のアクチュエータを新たに追加する必要がなく、コストの増大を抑制することができるという効果が得られる。
【0040】
さらに、大気圧を導入すると共に振動制御型支持機構3に連通可能な大気圧導入路32と、吸気通路9におけるターボチャージャ12の下流側から分岐して振動制御型支持機構3に連通可能な正圧導入路33と、負圧ポンプ30で発生した負圧を導入すると共に振動制御型支持機構3に連通可能な負圧導入路28とを有し、内燃機関2の運転状態に応じて正圧導入路33及び大気圧導入路32のうち内圧が高い方の導入路を判断して、内圧が高いと判断された方の導入路及び負圧導入路28の何れか一方を、内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3に連通させているので、振動制御型支持機構3に対して変動する気圧を容易に且つ確実に供給することができるという効果が得られる。
【0041】
さらに、吸気通路9におけるコンプレッサ14の上流側に設けられ吸入する空気を浄化するエアクリーナケース11を有し、大気圧導入路32は、吸気通路9におけるエアクリーナケース11の下流側で、且つコンプレッサ14の上流側から分岐して大気を導入しているので、非負圧導入路29及び変動気圧導入路26を経た空気室25に、粉塵等が流入することを防止できるという効果が得られる。
【0042】
次に、本発明の第2実施形態を図8に基づいて説明する。
この第2実施形態は、前述した第1実施形態において、内燃機関2の運転状態に応じて振動制御型支持機構3に供給していた大気圧及び負圧に変動する気圧、又は大気圧及び正圧に変動する気圧を、大気圧及び負圧に変動する気圧のみに減縮させたものである。
【0043】
すなわち、第2実施形態では、図8に示すように、切換弁31、非負圧導入路29、及び正圧導入路33を省略すると共に、大気圧導入路32を負圧切換弁27に接続したことを除いては、第1実施形態と同様の構成を有するので、図1との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
したがって、連通制御用コントローラ35で実行する連通制御処理も、図9に示すように、前述した第1実施形態における連通処理のステップS3〜ステップS5の省略したことを除いては、図3と同様の処理を実行するので、図3との対応部分には同一符号を付し、その詳細説明はこれを省略する。
【0044】
ここで、図9の連通制御処理と負圧切換弁27とが連通制御手段に対応しており、さらに、図8の変動気圧導入路26、負圧導入路28、及び大気圧導入路32と、負圧切換弁27と、連通制御用コントローラ35とが、導入手段に対応している。
したがって、内燃機関2が運転状態にあるときには、その運転状態に係らず常に、内燃機関2の振動に応じて大気圧導入路32から供給される大気圧と、負圧ポンプ30から供給される負圧との何れか一を振動制御型支持機構3に連通するように構成されている。
【0045】
それでも、必要とされる負圧が負圧ポンプ30から確実に供給されるので、この安定した負圧と、導入する大気圧との間で変動する気圧を振動制御型支持機構3に供給することができる。したがって、導入路や切換弁等の部品点数を低減させ、更に連通制御用コントローラ35で実行する処理を簡略化しつつも、前述した第1実施形態と同様に、振動制御型支持機構3で理想的な制動振動を発生させることができる。
【0046】
以上のように、第2実施形態によれば、導入する大気圧、及び負圧ポンプで発生した負圧の何れか一方を内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3に導入しているので、内燃機関2が如何なる運転状態にあっても、必要とされる負圧を安定して供給することができ、理想的な制動振動を発生させることができるという効果が得られる。
【0047】
また、大気圧を導入すると共に振動制御型支持機構3に連通可能な大気圧導入路32と、負圧ポンプ30で発生した負圧を導入すると共に振動制御型支持機構3に連通可能な負圧導入路28とを有し、大気圧導入路32及び負圧導入路28の何れか一方を、内燃機関2の振動に応じて振動制御型支持機構3に連通させているので、振動制御型支持機構3に対して変動する気圧を容易に且つ確実に供給することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1実施形態の概略構成図である。
【図2】振動制御型支持機構の詳細図である。
【図3】第1実施形態における連通制御処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】クランクシャフトの回転角、燃料噴射信号、切換弁駆動信号の関係を示すタイムチャートである。
【図5】内燃機関回転速度NEと推定燃料噴射時間TSとの関係を示した推定燃料噴射時間算出用制御マップである
【図6】内燃機関回転速度NEと燃料噴射時間TINJとの関係に応じたデューティ制御マップである
【図7】内燃機関回転速度NEと燃料噴射時間TINJとの関係に応じた位相制御マップである
【図8】本発明における他の実施形態を示す概略構成図である。
【図9】第2実施形態における連通制御処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 車体
2 内燃機関
3 振動制御型支持機構
9 吸気通路
10 排気通路
12 ターボチャージャ
13 タービン
14 コンプレッサ
15 インジェクタ
16 噴射制御用コントローラ
25 空気室
26 変動気圧導入路
27 負圧切換弁
28 負圧導入路
29 非負圧導入路
30 負圧ポンプ
31 切換弁
32 大気圧導入路
33 正圧導入路
34 クランク角センサ
35 連通制御用コントローラ

Claims (5)

  1. 吸気通路を有した内燃機関を支持すると共に、供給される気圧の変動により当該内燃機関の振動に対する制動振動を発生する振動制御型支持機構を備え、大気圧又は前記内燃機関の運転状態に応じて前記吸気通路に発生した正圧のうち圧力の高い方を判断し、高い方の圧力と、負圧ポンプにより発生した負圧との何れか一方を、前記内燃機関の振動に応じて前記振動制御型支持機構に導入することを特徴とする内燃機関支持装置。
  2. 吸気通路を有した内燃機関を支持すると共に、供給される気圧の変動により当該内燃機関の振動に対する制動振動を発生する振動制御型支持機構と、該振動制御型支持機構に対して変動する気圧を供給する変動気圧供給手段とを備えた内燃機関支持装置において、
    前記内燃機関の運転状態に応じて前記吸気通路に正圧を発生させる正圧発生手段を有し、前記変動気圧供給手段は、負圧を発生させる負圧ポンプと、大気圧又は前記正圧発生手段により前記吸気通路に発生した正圧のうち圧力の高い方を判断し、高い方の圧力と、及び前記負圧ポンプにより発生した負圧の何れか一方を前記内燃機関の振動に応じて前記振動制御型支持機構に導入する導入手段とで構成されていることを特徴とする内燃機関支持装置。
  3. 前記正圧発生手段は、前記吸気通路に設けられ前記内燃機関の吸気量を増加させる過給機を有し、前記内燃機関の運転状態に応じて前記過給機が当該内燃機関の吸気量を増加させるときに、当該過給機の下流側に正圧を発生させることを特徴とする請求項記載の内燃機関支持装置。
  4. 前記導入手段は、大気圧を導入すると共に前記振動制御型支持機構に連通可能な大気圧導入路と、前記吸気通路における前記過給機の下流側から分岐して前記振動制御型支持機構に連通可能な正圧導入路と、前記負圧ポンプで発生した負圧を導入すると共に前記振動制御型支持機構に連通可能な負圧導入路と、前記内燃機関の運転状態に応じて、前記大気圧導入路及び前記正圧導入路のうち内圧が高い方の導入路を判断する判断手段と、該判断手段より内圧が高いと判断された導入路及び前記負圧導入路の何れか一方を前記内燃機関の振動に応じて前記振動制御型支持機構に連通させる連通制御手段とで構成されていることを特徴とする請求項記載の内燃機関支持装置。
  5. 前記吸気通路における前記過給機の上流側に設けられ吸入する空気を浄化する吸入空気浄化手段を有し、前記大気圧導入路は、前記吸気通路における前記吸入空気浄化手段の下流側で、且つ前記過給機の上流側から分岐して大気を導入することを特徴とする請求項記載の内燃機関支持装置。
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