JP4191840B2 - 傾斜磁場コイル装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気共鳴診断装置に用いられる傾斜磁場コイル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磁気共鳴イメージング(MRI)装置や磁気共鳴スペクトル分析装置等の磁気共鳴診断装置において、傾斜磁場は、励起範囲を限定したり、磁気共鳴信号に空間的な位置情報を位相や周波数のエンコードとして与える等の役割を担っており、重要な要素の1つである。
【0003】
傾斜磁場コイル装置は、静磁場と同じ方向(Z軸方向)に沿って磁場強度が空間的位置に依存して線形に変化する傾斜磁場を発生するためのZ軸傾斜磁場コイルセット(以下、Zコイルセットと略す)と、Z方向に垂直なX方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生するためのX軸傾斜磁場コイルセット(以下、Xコイルセットと略す)と、Z方向及びX方向に垂直なY方向に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生するためのY軸傾斜磁場コイルセット(以下、Yコイルセットと略す)とが筐体を構成する非磁性の硬質樹脂に含浸され、円筒形に成型されて構成されている。
【0004】
一方、磁気共鳴診断装置においては、磁場が撮影(診断)領域外に漏洩しないことが必要である。このため、傾斜磁場コイルとして、外側に磁場を洩らさないように設計された能動遮蔽型傾斜磁場コイル(Actively Shield Gradient Coil:ASGC)が本願発明者により提案されている(特許62−143012号、USP4,737,716明細書、USP4,733,189明細書参照)。能動遮蔽型傾斜磁場コイルは、撮影領域において傾斜磁場を発生する主コイルと、主コイルの外側に設けられ、主コイルにより発生された傾斜磁場がASGCコイルの外側へ漏洩することを防ぐための傾斜磁場と逆向きの磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる。
【0005】
近年、様々な電子技術や超伝導技術の発展に伴って、従来のスピンエコー法や高速スピンエコー法よりもさらに高速な撮影法の一つであるエコープレナー法が主流を占めつつある。例えば、スピンエコー法では、最大傾斜磁場強度10mT/m、最大傾斜磁場強度までの立ち上がり時間1msの傾斜磁場性能が必要とされる。これに対し、エコープレナー法では、最大傾斜磁場強度30mT/m、最大傾斜磁場強度までの立ち上がり時間0.1msの傾斜磁場性能が必要とされる。このような強力の傾斜磁場性能を達成するためには、全身(ホールボディ)対応の傾斜磁場コイルであれば、例えば、4000V以上の高電圧、且つ高速スイッチングの可能な非常に高価な大型の電源が必要であった。このような高電圧電源は動作の安定性が悪いという問題もあり、しかも、傾斜磁場コイルとしてASGC型コイルを用いる場合は、コイルアセンブリに高い耐圧性能を要求してしまう。さらに、絶縁性の問題から静磁場磁石やRFコイル(高周波コイル)をASGCのコイルアセンブリから十分離間させる必要があり、コイルの大型化の原因となってしまっていた。
【0006】
コイルの大型化を避けるためには、主コイルとアクティブシールドコイルとをより接近させる必要があるが、この接近によりインピーダンスは増大し、したがってより高出力の高電圧電源が必要となってしまい解決策にならない。また、全身用傾斜磁場コイルが、ASGC型コイルでない場合においては、渦電流による磁場によって鈍らされた波形を整形するために、同様の高電圧電源が要求される。
【0007】
そこで、従来は、傾斜磁場コイルの大型化を抑制する目的で、局所用の小形傾斜磁場コイルを用いてエコープレナー法等の高速撮影を行う試みがなされてきた。この傾斜磁場コイルは小型であるため、渦電流の影響をある程度は補正できていたが、近年のパルスシーケンスではスピンの位相を微妙に制御する必要があり、渦電流の影響が無視できなくなってきている。
【0008】
従来の局所用小型傾斜磁場コイルは非シールド型であるが、渦電流の影響を除去するために、ASGC型にすることが考えられる。しかし、空間的な制約条件から、やはり電源の高電圧化が要求される。また、局所用小型傾斜磁場コイル以外の撮影領域、撮影シーケンス、例えば腹部領域高速スピンエコー法で撮影する時は、局所用小型コイルを撮影領域(静磁場磁石内)から取り出さなければならないが、小型とはいえシールドコイルが組み込まれているため例えば150kgもの重量に達しており、現実的に取り扱いが難しく、実用化されるに至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来の傾斜磁場コイル装置には、高電圧を必要とするため大型であり、取り扱いが困難であるという欠点がある。
【0010】
本発明の目的は、比較的低電圧な電源でも、比較的高い傾斜磁場強度及び急速な傾斜磁場の立上がりを実現し、しかも軽量にして取り扱いが容易な傾斜磁場コイル装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
(1)中心に被検体を収納できるガントリを有する磁気共鳴診断装置に用いられ、それぞれが複数のコイルセットからなる少なくとも4つの傾斜磁場コイルを具備する傾斜磁場コイル装置において、少なくとも1つの傾斜磁場コイルはシールド型傾斜磁場コイルであり、該シールド型傾斜磁場コイルのコイルセットは撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するシールドコイルとからなり、該シールド型傾斜磁場コイルのシールドコイルは前記ガントリに固定的に設けられ、主コイルは前記ガントリに対して着脱可能に設けられ、前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルは選択的に使用あるいは不使用とされ、該不使用と選択された傾斜磁場コイルのコイルセットの電気回路は遮断されることを特徴とする傾斜磁場コイル装置。
(2)少なくとも4つの傾斜磁場コイルはX、Y、Z軸方向の傾斜磁場を発生する第1、第2、第3の傾斜磁場コイル、及び第4の傾斜磁場コイルを具備し、前記第4の傾斜磁場コイルがシールド型傾斜磁場コイルであり、前記第4の傾斜磁場コイルのシールドコイルが前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルの外側に設けられる(1)記載の傾斜磁場コイル装置。
(3)主コイルとシールドコイルに独立に電流を供給する手段をさらに具備する (1)または(2)記載の傾斜磁場コイル装置。
(4)シールドコイルは残りの傾斜磁場コイルと一体的に構成される(1)乃至(3)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(5)シールドコイルは1ターン当たりの電流が2ターン以上の巻線に分流される(3)記載の傾傾斜磁場コイル装置。
(6)シールドコイルは多層構造を有する(3)記載の傾斜磁場コイル装置。
(7)主コイルは所望の位置まで移動可能に設けられることを特徴とする(1)乃至(6)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(8)主コイルは被検体とともに移動可能に設けられることを特徴とする(7)記載の傾斜磁場コイル装置。
(9)主コイルの内側に配置されるRFシールドとRFコイルとをさらに具備することを特徴とする(1)乃至(8)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(10)主コイルとRFシールドと前記RFコイルとが一体的に構成される(9)記載の傾斜磁場コイル装置。
(11)主コイルの電流供給用のケーブルが架台内に収納可能である(1)乃至(10)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(12)前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルの発生する傾斜磁場と、残りの傾斜磁場コイルの発生する傾斜磁場を組み合わせて使用する(1)乃至(11)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(13)前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルは、X軸、Y軸、Z軸方向の傾斜磁場を発生する3チャンネルのコイルを有する(1)乃至(12)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(14)前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルのみを使用して磁気共鳴イメージングを行う(13)記載の傾斜磁場コイル装置。
(15)前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルの全てがシールド型傾斜磁場コイルであることを特徴とする(1)乃至(13)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(16)前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルの全てがシールド型傾斜磁場コイルであり、前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルは一体的に構成され、前記第4の傾斜磁場コイルのシールドコイルが前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルとの間に配置される(2)乃至(13)記載の傾斜磁場コイル装置。
(17)前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルと、前記第4の傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルとが別体として構成されることを特徴とする(16)記載の傾斜磁場コイル装置。
(18)着脱可能な静磁場補正用シムコイルをさらに具備する(1)乃至(17)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(19)前記静磁場補正用シムコイルと前記シールドコイルとが一体的に構成される(18)記載の傾斜磁場コイル装置。
(20)固定的に設けられる第1の傾斜磁場コイルと、前記第1の傾斜磁場コイルに対して着脱可能に設けられる局所用の第2の傾斜磁場コイルとからなる傾斜磁場コイル装置において、前記第1の傾斜磁場コイル及び第2の傾斜磁場コイルのそれぞれは撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルと、該主コイルと該アクティブシールドコイルとに直列に接続されるスイッチとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記スイッチは前記第1または第2の傾斜磁場コイルが不使用時には開放され主コイルとアクティブシールドコイルとの直列回路を遮断し、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルとともに筐体に対して固定的に設けられ、前記第2の傾斜磁場コイルの主コイルがアクティブシールドコイルに対して着脱可能であることを特徴とする傾斜磁場コイル装置。
(21)前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルの外側に配置されていることを特徴とする(20)記載の傾斜磁場コイル装置。
(22)前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルの主コイルとアクティブシールドコイルとの間に配置されている(20)記載の傾斜磁場コイル装置。
(23)前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルの主コイルの内側に配置されていることを特徴とする(20)記載の傾斜磁場コイル装置。
(24)前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルと一体的に構成されていることを特徴とする(21)乃至(23)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
(25)前記第1の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルと主コイルとはスイッチを介して直列に傾斜磁場電源に接続され、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルと主コイルとはそれぞれスイッチを介して別々の傾斜磁場電源に接続され、該スイッチは不使用時に開放されることを特徴とする(21)乃至(23)のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
【0050】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、図面を参照して本発明による傾斜磁場コイル装置の第1の実施形態を説明する。
【0051】
図1は本発明の第1実施形態に係る傾斜磁場コイル装置を有するMRI装置の構成を示す図である。中心に被検体を収容できるように円筒状の撮影空間が形成されたガントリ120の内部には、外側から順に静磁場磁石101、能動遮蔽型傾斜磁場コイル102、及びRFコイル103が設けられる。後述するが、傾斜磁場コイル102、RFコイル103は全身用と局所用の2つがあり、撮影部位に応じていずれか一方が使用される。局所用のコイルは着脱可能であり、局所撮影の場合のみ装着され、全身撮影の時は非装着とされる。静磁場磁石101は、被検体の体軸方向であるZ軸に沿った静磁場Boを撮影空間に発生し、例えば、超電導コイル、常伝導コイル、または永久磁石を用いて構成される。傾斜磁場コイル102は、X軸に沿って磁場強度が線形に変化するX軸傾斜磁場、Y軸に沿って磁場強度が線形に変化するY軸傾斜磁場、Z軸に沿って磁場強度が線形に変化するZ軸傾斜磁場をそれぞれ独立して発生することが可能なように、Zコイルセット、Xコイルセット、Yコイルセットが組み合わされてなる。なお、これらの3つのコイルセットは筐体を構成する非磁性の硬質樹脂に含浸され、円筒形に成形されて構成されている。RFコイル103は、被検体内の診断対象となる核種の磁化スピンに作用する高周波磁場(RFパルス)を発生し、かつ磁気共鳴により発生したエコー信号を検出するために使用される。寝台113上の被検体Pはガントリ120内のイメージング可能領域(イメージング用磁場が形成される球状の領域であり、この領域内でのみ診断が可能となる)に挿入される。なお、RFパルスの送信とエコー信号の受信は別々の送信コイル、受信コイルによって行ってもよい。
【0052】
静磁場磁石101は、静磁場制御装置104により駆動される。送受信コイル103は、磁気共鳴の励起時には送信器105により駆動され、かつエコー信号の検出時には受信器106に結合される。傾斜磁場コイル102のXコイルセット、Yコイルセット、ZコイルセットはそれぞれX軸傾斜磁場電源107、Y軸傾斜磁場電源108、Z軸傾斜磁場電源109により駆動される。
【0053】
X軸傾斜磁場電源107、Y軸傾斜磁場電源108、Z軸傾斜磁場電源109、送信器105はシーケンサ110により所定のシーケンスに従って駆動され、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gz、RFパルスを、後述する所定のパルスシーケンスに従って発生する。この場合、X軸傾斜磁場Gx、Y軸傾斜磁場Gy、Z軸傾斜磁場Gzは、主として、例えば、周波数エンコード用傾斜磁場、または読出し用傾斜磁場Gr、位相エンコード用傾斜磁場Ge、スライス用傾斜磁場Gsとしてそれぞれ使用される。コンピュータシステム111はシーケンサ110を駆動制御するとともに、受信器106で受信されるエコー信号としてのエコー信号を取り込んで所定の信号処理を施すことにより、被検体の断層像を生成し、表示部112で表示する。
【0054】
次に、能動遮蔽型傾斜磁場コイル102の詳細を説明する。以下の説明は全身用、局所用のいずれにも適用可能である。
【0055】
図2はYコイルセットを示す。このYコイルセットは能動遮蔽型であるので、4つの主コイル1〜4と、主コイル1〜4の外側に設けられ、主コイルを外界に対して磁気的に遮蔽するための4つのアクティブシールドコイル5〜8とから構成される。コイルパターンは説明の単純化のために最外周のもののみ示す。コイルパターンの矢印は電流の流れる方向を示す。
【0056】
ここで、主コイルは2つのペアのコイルに分類される。第1のペアのコイル1、3はX−Z平面に関して対称に配置され、第2のペアのコイル2、4もX−Z平面に関して対称に配置される。第1、第2のペアのコイルはX−Y平面に関して対称に配置される。
【0057】
アクティブシールドコイルも2つのペアのコイルに分類される。第1のペアのコイル5、7はX−Z平面に関して対称に配置され、主コイルの第1のペアのコイル1、3の外側に絶縁層(図示せず)を介して積層される。第2のペアのコイル6、8もX−Z平面に関して対称に配置され、主コイルの第2のペアのコイル2、4の外側に絶縁層を介して積層される。第1、第2のペアのコイルはX−Y平面に関して対称に配置される。
【0058】
図3は、主コイル1〜4、シールドコイル5〜8のコイルパターンを示す。これは1本の導線がスパイラル状に分布された分布型コイルである。
【0059】
図4はYコイルセットに接続されるY軸傾斜磁場電源108の回路図を示す。シーケンサ110からの波形データが波形整形回路9を介して傾斜磁場アンプ10に供給される。傾斜磁場アンプ10から出力される駆動電流が直列接続された主コイル1〜4と直列接続されたシールドコイル5〜8とに一括して供給される。波形整形回路9は、アンプ10からの出力電流波形を整形するために、シーケンサ110からの波形データに基づいて波形制御信号をアンプ10に供給する。
【0060】
Xコイルセットは、図2に示したYコイルセットをZ軸に関して90°回転したものと同様であり、構造的にもYコイルセットと同様である。
【0061】
図5を参照してZコイルセットを説明する。Zコイルセットは図5(a)に示すような2つの主コイル11、12と、2つの主コイル11、12を外界に対して磁気的に遮蔽するための図5(b)に示すような2つのアクティブシールドコイル13、14とから構成される。図5は円筒形のコイルを平面上に展開して示すものである。各コイル11、12、13、14はつる巻き状のソレノイドコイルである。対をなす主コイル11、12はZ軸に沿って並列配置される。アクティブシールドコイル13、14は主コイル11、12の外側に絶縁層(図示せず)を介して積層される。
【0062】
なお、永久磁石等を用いた磁気共鳴イメージング装置では静磁場が鉛直方向に沿って形成される垂直磁場方式がよく用いられているが、この場合は、Yコイルセットは図6に示すように構成される。X−Y平面に平行な平面状の主コイル21、22、23、24と、主コイルの外側に設けられた平面状のアクティブシールドコイル25、26、27、28とからなる。主コイル21、22は主コイル23、24とX−Y平面に関して対称に配置され、主コイル21、23は主コイル22、24とX軸に関して対称に配置される。なお、図中矢印は電流の流れる方向を示している。X,Y,Zの座標の原点は撮影領域の中心である。XコイルセットはYコイルセットをZ軸に関して90°回転したものである。Zコイルセットは図7に示すように、X−Y平面に関して対称に配置される主コイル31、32と、主コイルの外側に設けられたアクティブシールドコイル33、34とから構成されている。
【0063】
次に、本発明の特徴である全身用と局所用のASGC型傾斜磁場コイルの関係を説明する。図8は局所撮影時のガントリ120の断面図であり、図9は全身撮影時(局所用傾斜磁場コイルの非装着時)のガントリ120の断面図である。ガントリ120内には、外側(撮影領域から遠い側)から順番に、静磁場磁石101、全身用傾斜磁場コイルが設けられている。以下の説明では、傾斜磁場コイルはXコイルセット、Yコイルセット、Zコイルセットの組み合わせを示す。全身用傾斜磁場コイルは主コイル41と、主コイル41の外側に設けられたアクティブシールドコイル42とからなる。全身用傾斜磁場コイルの外側には着脱可能な局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43が、全身用傾斜磁場コイルの内側には全身用RFコイル45に対応するRFシールド44が全身用傾斜磁場コイルと一体として設けられる。RFシールド44の内側には全身用RFコイル45が配置される。
【0064】
全身用RFコイル45の内側には局所用傾斜磁場コイルの主コイル47が設けられ、主コイル47の内側には局所用RFコイル51のRFシールド49が主コイル47と一体的に設けられる。RFシールド49の内側には局所用RFコイル51が配置される。
【0065】
局所用傾斜磁場コイルの主コイル47、局所用RFコイルのRFシールド49、及び局所用RFコイル51は一体として着脱可能であり、通常、これらは、全身撮影時には、ガントリ120から取り外され、図9に示すように、別途設けられた台50上に載置される。
【0066】
図10に全身用傾斜磁場コイルと局所用傾斜磁場コイルの等価回路図を示す。全身用傾斜磁場コイルのXコイルセット、Yコイルセット、Zコイルセットの主コイル41x、41y、41zとアクティブシールドコイル42x、42y、42zはスイッチ54x、54y、54zを介して電源53x、53y、53zに直列に接続されている。電源53x、53y、53zには波形整形回路55x、55y、55zを介して波形データが供給される。
【0067】
局所用傾斜磁場コイルのXコイルセット、Yコイルセット、Zコイルセットの主コイル47x、47y、47zとアクティブシールドコイル43x、43y、43zもスイッチ57x、57y、57zを介して電源58x、58y、58zに直列に接続されている。局所用のアクティブシールドコイル43x、43y、43zは全身用の主コイル41x、41y、41zとアクティブシールドコイル42x、42y、42zとともにガントリ120に固定的に配置されている。スイッチ57x、57y、57zは主コイル47x、47y、47zとアクティブシールドコイル43x、43y、43zとの間に接続される。局所用の主コイル47x、47y、47zはガントリ120に対して着脱可能に取付けられている。そのため、主コイル47x、47y、47zの両端には着脱用の端子60が設けられている。電源58x、58y、58zには波形整形回路59x、59y、59zを介して波形データが供給される。
【0068】
スイッチ54x、54y、54z、57x、57y、57zは、全身撮影時(局所用傾斜磁場コイルセットの不使用時)、または局所撮影時(全身用傾斜磁場コイルセットの不使用時)に、全身用傾斜磁場コイルセットと局所用傾斜磁場コイルセットとが磁気的なカップリングを起こさないように、不使用側のコイルの直列回路を遮断するための遮断スイッチである。図10は局所撮影時に、局所用傾斜磁場コイルセットの直列回路の遮断スイッチ57x、57y、57zをオンして、全身用傾斜磁場コイルセットの直列回路の遮断スイッチ54x、54y、54zを開放した状態を示している。
【0069】
図11に全身撮影時に、全身用傾斜磁場コイルセットの直列回路の遮断スイッチ54x、54y、54zを閉じて、局所用傾斜磁場コイルセットの直列回路の遮断スイッチ57x、57y、57zを開放した状態を示している。
【0070】
以上説明したように、本実施形態によれば、傾斜磁場コイル装置を単一の構造体から構成するのではなく2つ以上の構造体から構成し、全身用傾斜磁場コイルと局所用のASGCのシールドコイルとを1つ以上の構造体とし(X、Y、Zコイルセットそれぞれが別々の構造体でもよい)、局所用のASGCの主コイルを1つの構造体とし、前者はガントリ120に固定的に配置し、後者を前者(アクティブシールドコイル)に対して着脱可能とする。したがって、ASGCを局所用コイルとして使う場合に通常考えられる形態である図12に比べて局所用傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルの距離を離すことができる。このため、局所用傾斜磁場コイルでの1アンペア当りの傾斜磁場感度を向上することができる。また、渦電流の影響をほとんど受けない能動遮蔽型傾斜磁場コイルであるため、所望の撮影領域内に効率的で歪の少ない傾斜磁場を得ることができる。これによって比較的低電圧な電源でも、比較的高い傾斜磁場強度及び、急速な傾斜磁場の立ち上がりを実現し得る。
【0071】
また、図12に示すように、従来は局所用傾斜磁場コイルは主コイルとアクティブシールドコイルとが一体構造とされているので、重量やサイズの点で着脱時の取扱いが非常に困難であったが、本実施形態では両者を物理的に別構造とし、アクティブシールドコイル43をガントリ120に固定し、主コイル47だけを着脱可能としたことにより上記問題を解決している。
【0072】
また、局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43を全身用傾斜磁場コイル(主コイル41+シールドコイル42)の外側に設けることによって、全身用傾斜磁場コイル単独で撮影する場合、全身用傾斜磁場コイルから見た局所用傾斜磁場コイルに対する磁気的相互作用を最小にすることができる。そのため、遮断スイッチ54、57をわざわざ開放しなくても、撮影領域の傾斜磁場の歪みを防ぐことができる。
【0073】
本実施形態は次のように変形して実施することができる。
【0074】
図13は、局所用傾斜磁場コイルの主コイル47とアクティブシールドコイル43を別々の回路とし、別々の電源58b、58aで駆動するようにした変形例を示す。
【0075】
図14は、局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43を全身用傾斜磁場コイルの主コイル41とアクティブシールドコイル42との間に設けた変形例である。この変形例は、全身用傾斜磁場コイルの主コイル41とアクティブシールドコイル42との距離を十分離すことができるため、全身用傾斜磁場コイルでの1アンペア当りの傾斜磁場感度を向上することができる。
【0076】
図15は、局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43を全身用傾斜磁場コイル(主コイル41+アクティブシールドコイル42)の内側(撮影領域に近い側、しかし全身用RFシールド44の外側)に設けた変形例である。この変形例は、局所用傾斜磁場コイルの使用頻度が多い時、局所用傾斜磁場コイルから見た全身用傾斜磁場コイルに対する磁気的相互作用を最小にすることができる。この場合も、遮断スイッチ54、57をわざわざ開放しなくても、撮影領域の傾斜磁場の歪みを防ぐことができる。
【0077】
このように局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43をどこに配置するかは、配置箇所に効果がそれぞれ異なるため、用途に応じて決定すればよい。
【0078】
また、全身用傾斜磁場コイルと、局所用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル43と、局所用傾斜磁場コイルの主コイル47とをそれぞれ別々の構造体としてもよい。
【0079】
なお、図示の例では、全身用X、Y、Zコイルセット、及び局所用コイルはともにASGC型コイルとしたが、通常の非シールド型の傾斜磁場コイルでもよく、少なくとも1つがASGC型コイルであればよい。
【0080】
さらに、X、Yコイルセットの各コイルの形状としてはサドル型コイル(鞍型コイル)を示したが、これに限らず、平板型コイル、渦巻き状の分布巻型コイル等、任意のものが採用可能である。例えば、図16に示すように4本の導線が平行にスパイラル状に分布された平行分布型でもよい。ここでは、1ターン当たりの電流が4ターンの巻線に分流される。
【0081】
さらに、局所用傾斜磁場コイルの主コイルを着脱可能としたが、本発明はこれに限らず、X、Y、Zコイルセットと局所用傾斜磁場コイルの4つのコイルのうちの少なくとも1つが能動遮蔽型コイルであり、その主コイルが着脱可能となっていればよい。
【0082】
(第2実施形態)
第2実施形態は、エコープレナー法の撮影時に問題となっていた立ち上り時の傾斜磁場のスリューレート(slew rate)dB/dtを低減する傾斜磁場コイルを説明する。スリューレートは人体に神経刺激を与えるので、低減することが好ましい。従来は、撮影に不必要な部位に金属板等を巻きつけて、これに発生する渦電流によって磁場を弱めることが行われていた。しかし、渦電流は画質を劣化させるので、この手法は好ましくない。そこで、第2実施形態では、スリューレートが問題となる場合(エコープレナー法の撮影時等)だけ、撮影に不必要な部位のスリューレートを能動的に低減する着脱可能のコイルを提供する。
【0083】
図17(a)は心臓の局所撮影時における第2の実施形態の傾斜磁場コイル装置(Zコイルセットのみ)の概略を示す。全身用のアクティブシールド型傾斜磁場コイル71は、第1の実施形態と同様に主コイルとアクティブシールドコイルとからなる。被検体Pの心臓C以外の部位にdB/dt軽減コイル73、75を装着し、これらのコイルに全身用傾斜磁場コイルから発生する磁場とは逆向きの磁場を発生するような駆動電流を流すことにより、Z軸傾斜磁場を心臓以外の頭部、足部で減少させることができる。
【0084】
従来の金属板を巻き付け、それから発生する渦磁場により傾斜磁場を弱める手法では、図17(b)に破線で示すように、時間的に波形の劣化が避けられない。これに対して、本実施形態によれば、コイル73、75を不必要な部位の近傍に設置し、これらを能動的に駆動して発生する磁場により不必要な部位での磁場強度を低下させることにより、スリューレートを低下させることができる。このように空間的に傾斜磁場を弱めるだけなので、同図の実線で示すように波形の劣化がない。
【0085】
図17はZコイルセットのみを示したが、X、Yコイルセットも同様である。
【0086】
以下、エコープレナー法等の高速撮影時にスリューレートを低減する傾斜磁場コイルの他の実施形態を説明する。
【0087】
(第3実施形態)
図18に第3実施形態による傾斜磁場コイル装置のガントリの主要部分の断面を示す。傾斜磁場コイル装置は、比較的大きいFOV(視野:Field of view)に対応して設計された大視野用傾斜磁場コイル81と、比較的小さいFOVに対応して設計された小視野用傾斜磁場コイル82とからなる。大視野用傾斜磁場コイル81とは1つのコイルセットの中に4チャンネル以上のコイルセット(大視野用のXコイルセット、Yコイルセット、Zコイルセット、小視野用のXコイルセット、Yコイルセット、Zコイルセット)を設けるものである。なお、これらのコイル81、82は能動遮蔽型でも、通常の非シールド型でもよい。これらのコイル81、82を撮影対象のサイズや要求されているスリューレートに応じて切換えて使用することにより、スリューレートを効果的に低減することができる。
【0088】
(第4実施形態)
図19(a)に第4実施形態のYコイルセット(またはXコイルセット)の構成を示す。なお、これらのコイルセットも能動遮蔽型でも、通常の非シールド型でもよい。本実施形態は8つのコイル83〜90からなるマルチセグメントコイルである。なお、従来では、コイル83と84、85と86、87と88、89と90は1つのコイルとして形成されていたが、本実施形態ではそれらを2つの小コイルに分割したものである。
【0089】
図19(b)に示すように、8つのコイル83〜90は電源91に対して直列に接続される。本実施形態を大視野用傾斜磁場コイルとして使用する場合は、スイッチ92、93を破線の位置にして、8つのコイル83〜90を全て電源91に接続する。小視野用傾斜磁場コイルとして使用する場合は、スイッチ92、93を実線の位置にして、8つのコイルのうち撮影中心部近傍の4つのコイル83、85、87、89のみを電源91に接続する。なお、この場合は、補正用コイル94及び傾斜磁場強度アップ用コイル95も電源91に接続する。
【0090】
本実施形態によっても、用途によってスイッチ92、93を切換えることにより、スリューレートを効果的に低減することができる。
【0091】
(第5実施形態)
図20はマルチレイヤー構造とし、1層目のコイルにより大視野用傾斜磁場コイル96を構成し、中心部の1層目、2層目のコイルにより小視野用傾斜磁場コイル97を構成する。これらのコイルも能動遮蔽型でも、通常の非シールド型でもよい。図20はX、Y、Zのいずれか1チャンネルのコイルセットを示し、2層目の中心部以外の周辺部(図示斜線領域)は他のチャンネルのコイルのためのスペースとして利用することができる。
【0092】
本実施形態によっても、コイル96、97を撮影対象のサイズや要求されているスリューレートに応じて切換えて使用することにより、スリューレートを効果的に低減することができる。
【0093】
本発明は上述した実施形態に限定されることなく種々変形して実施可能である。例えば、実施形態は能動遮蔽型傾斜磁場コイルを説明したが、アクティブシールドコイルではなく、単なる導体でもよく、能動型に限らず単なるシールド型傾斜磁場コイルでもよい。
【0094】
【発明の効果】
本発明は、可搬傾斜磁場コイルとして遮蔽型コイルを使用する際に、主コイルとシールド部材を分離し、主コイルのみを着脱可能として、シールド部材は他の傾斜磁場コイルとともに固定的に配置している。このため、小型、軽量の傾斜磁場コイル装置が実現できる。
【0095】
さらに、この構成により、主コイルとシールド部材との間隔を、主コイルとシールド部材とを一体的に構成する場合に比べて大きくすることができるので、比較的低電圧な電源でも、比較的高い傾斜磁場強度及び、急速な傾斜磁場の立ち上がりを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による傾斜磁場コイル装置の第1実施形態を含む磁気共鳴イメージング装置の概略構成を示す図。
【図2】第1実施形態の傾斜磁場コイル装置のうちのYコイルセットの構成を示す図。
【図3】図2に示すYコイルセットの各コイルのコイルパターンを示す図。
【図4】図2に示すYコイルセットの電源の回路図。
【図5】第1実施形態の傾斜磁場コイル装置のうちのZコイルセットの構成を示す図。
【図6】垂直磁場方式の磁気共鳴イメージング装置のYコイルセットの構成を示す図。
【図7】垂直磁場方式の磁気共鳴イメージング装置のZコイルセットの構成を示す図。
【図8】第1実施形態の局所撮影時のガントリの断面図。
【図9】第1実施形態の全身撮影時のガントリの断面図。
【図10】局所撮影時の第1実施形態の全身用傾斜磁場コイルと局所用傾斜磁場コイルを含む回路の回路図。
【図11】全身撮影時の第1実施形態の全身用傾斜磁場コイルと局所用傾斜磁場コイルを含む回路の回路図。
【図12】第1実施形態と比較するための従来構成を示す図。
【図13】第1実施形態の変形例の回路図。
【図14】第1実施形態の他の変形例のガントリの構成を示す断面図。
【図15】第1実施形態のさらに他の変形例のガントリの構成を示す断面図。
【図16】第1実施形態の別の変形例のコイルパターンを示す図。
【図17】本発明による傾斜磁場コイル装置の第2実施形態の概略構成を示す図。
【図18】本発明による傾斜磁場コイル装置の第3実施形態の概略構成を示す図。
【図19】本発明による傾斜磁場コイル装置の第4実施形態の概略構成を示す図。
【図20】本発明による傾斜磁場コイル装置の第5実施形態の概略構成を示す図。
【符号の説明】
101…静磁場磁石
41…全身用傾斜磁場コイルの主コイル
42…全身用傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイル
43…局所用傾斜磁場コイルのシールドコイル
44…全身用RFコイルのRFシールド
45…全身用RFコイル
47…局所用傾斜磁場コイルの主コイル
49…局所用RFコイルのRFシールド
51…局所用RFコイル
54x、54y、54z、57x、57y、57z…遮断スイッチ
60…着脱用端子
120…ガントリ
Claims (25)
- 中心に被検体を収納できるガントリを有する磁気共鳴診断装置に用いられ、それぞれが複数のコイルセットからなる少なくとも4つの傾斜磁場コイルを具備する傾斜磁場コイル装置において、少なくとも1つの傾斜磁場コイルはシールド型傾斜磁場コイルであり、該シールド型傾斜磁場コイルのコイルセットは撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するシールドコイルとからなり、該シールド型傾斜磁場コイルのシールドコイルは前記ガントリに固定的に設けられ、主コイルは前記ガントリに対して着脱可能に設けられ、前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルは選択的に使用あるいは不使用とされ、該不使用と選択された傾斜磁場コイルのコイルセットの電気回路は遮断されることを特徴とする傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルはX、Y、Z軸方向の傾斜磁場を発生する第1、第2、第3の傾斜磁場コイル、及び第4の傾斜磁場コイルを具備し、前記第4の傾斜磁場コイルがシールド型傾斜磁場コイルであり、前記第4の傾斜磁場コイルのシールドコイルが前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルの外側に設けられることを特徴とする請求項1記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルと前記シールドコイルに独立に電流を供給する手段をさらに具備することを特徴とする請求項1、または請求項2記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記シールドコイルは残りの傾斜磁場コイルと一体的に構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記シールドコイルは1ターン当たりの電流が2ターン以上の巻線に分流されることを特徴とする請求項3記載の傾傾斜磁場コイル装置。
- 前記シールドコイルは多層構造を有することを特徴とする請求項3記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルは所望の位置まで移動可能に設けられることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルは被検体とともに移動可能に設けられることを特徴とする請求項7記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルの内側に配置されるRFシールドとRFコイルとをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルと前記RFシールドと前記RFコイルとが一体的に構成されることを特徴とする請求項9記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記主コイルの電流供給用のケーブルが架台内に収納可能であることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルの発生する傾斜磁場と、残りの傾斜磁場コイルの発生する傾斜磁場を組み合わせて使用することを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルは、X軸、Y軸、Z軸方向の傾斜磁場を発生する3チャンネルのコイルを有することを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも1つの傾斜磁場コイルのみを使用して磁気共鳴イメージングを行うことを特徴とする請求項13記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルの全てがシールド型傾斜磁場コイルであることを特徴とする請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記少なくとも4つの傾斜磁場コイルの全てがシールド型傾斜磁場コイルであり、前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルは一体的に構成され、前記第4の傾斜磁場コイルのシールドコイルが前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルとの間に配置されることを特徴とする請求項2乃至請求項13記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記第1、第2、第3の傾斜磁場コイルと、前記第4の傾斜磁場コイルの主コイルとシールドコイルとが別体として構成されることを特徴とする請求項16記載の傾斜磁場コイル装置。
- 着脱可能な静磁場補正用シムコイルをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項17のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記静磁場補正用シムコイルと前記シールドコイルとが一体的に構成されることを特徴とする請求項18記載の傾斜磁場コイル装置。
- 固定的に設けられる第1の傾斜磁場コイルと、前記第1の傾斜磁場コイルに対して着脱可能に設けられる局所用の第2の傾斜磁場コイルとからなる傾斜磁場コイル装置において、前記第1の傾斜磁場コイル及び第2の傾斜磁場コイルのそれぞれは撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルと、該主コイルと該アクティブシールドコイルとに直列に接続されるスイッチとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記スイッチは前記第1または第2の傾斜磁場コイルが不使用時には開放され主コイルとアクティブシールドコイルとの直列回路を遮断し、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルとともに筐体に対して固定的に設けられ、前記第2の傾斜磁場コイルの主コイルがアクティブシールドコイルに対して着脱可能であることを特徴とする傾斜磁場コイル装置。
- 前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルの外側に配置されていることを特徴とする請求項20記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルの主コイルとアクティブシールドコイルとの間に配置されていることを特徴とする請求項20記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記第1の傾斜磁場コイルも撮影領域に傾斜磁場を発生させる主コイルと、前記主コイルの外側に設けられ、主コイルから発生された傾斜磁場が外側へ漏洩することを防ぐための磁場を発生するアクティブシールドコイルとからなる能動遮蔽型傾斜磁場コイルであり、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルの主コイルの内側に配置されていることを特徴とする請求項20記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルは前記第1の傾斜磁場コイルと一体的に構成されていることを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
- 前記第1の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルと主コイルとはスイッチを介して直列に傾斜磁場電源に接続され、前記第2の傾斜磁場コイルのアクティブシールドコイルと主コイルとはそれぞれスイッチを介して別々の傾斜磁場電源に接続され、該スイッチは不使用時に開放されることを特徴とする請求項21乃至請求項23のいずれかに記載の傾斜磁場コイル装置。
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