JP4191821B2 - 固体電解質用ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを固体電解質として用いた燃料電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固体電解質用ランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを固体電解質として用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池は、水素または炭化水素燃料類を改質して得られる燃料と、空気を代表とする酸化剤との電気化学反応により、燃料の持つ化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換できる発電システムである。このため、近時、この燃料電池が、高効率なエネルギー変換機器として、省エネルギー、環境保護の観点から注目されている。
【0003】
このような燃料電池の中で、固体酸化物型燃料電池(Solid OxideFuel Cell:以下SOFCと記す)は、以下のような特長を有することから、次世代の燃料電池としてオンサイト小型コージェネレーションシステムから大規模電源に至る幅広い応用が期待され、国内外で積極的に研究開発が行われている。
【0004】
(1)動作温度が典型的には900〜1000℃と高く、したがって、電極における電気化学反応が円滑に進行するためにエネルギーロスが少なく、発電効率が高い。
(2)動作温度が高いことにより、排熱温度も高いので、多段に利用すること(ボトミングサイクル)により、さらに発電効率を高めることが可能であり、60〜70%もの高効率を得ることができる。
(3)作動温度が、天然ガスなどの炭化水素燃料を改質(つまり水素と一酸化炭素に分解)させるのに十分なほど高いので、改質反応を電池内部で行うことができる(内部改質)。したがって、従来のリン酸塩型やポリマー型のような低温作動型燃料電池システムにおいて炭化水素燃料の改質に用いられていた燃料処理系(改質器+シフトコンバーター)を大幅に簡素化することができる。
(4)従来の低温作動型燃料電池システムにおいては利用することができなかったCOも発電反応に関与させることができる(燃料の多様性)。
(5)全固体により構成されるので、リン酸塩型や溶融炭酸塩型のように部材の腐食や電解質の揮発および流出の心配がない。
【0005】
これまでにSOFCの電解質として検討された材料系には、イットリア安定化ジルコ二ア(以下YSZと示す)、安定化セリア、酸化ビスマスなどが挙げられる。これらの中では、主に還元雰囲気に対する安定性や取り扱いの容易さなどから、YSZが最も優れることが知られている。既に、YSZを電解質とした燃料電池では数万時間の実証試験により、高い発電効率が得られている。
【0006】
しかし、YSZを電解質として用いる場合、動作温度は約1000℃を要するために、上述したように効率が高いという利点がある反面、燃料電池を含む発電装置全体を高価なセラミックスで作製しなければならないという間題がある。また、YSZ電解質膜の厚みを薄くすることで、動作温度を下げることは可能であるが、そのような薄い電解質膜を欠陥を含まないように作製するには未だ課題が多い。
【0007】
そこで、YSZよりも低温での酸化物イオン伝導が可能で、酸化物イオン伝導の活性化工ネルギーが低く、YSZと同等以上の導電率を有する電解質材料を用いることにより、電解質の厚みを薄くすることに伴う問題を解消することが検討されている。この目的に適した材料としてはベロブスカイト型酸化物、特に、ランタンガレート系酸化物(La1-sSrsGa1-mMgmOx:以下LSGMと示す)が優れることが知られている。
【0008】
【発明が解決すべき課題】
しかし、LSGMは材料強度が低いために、使用に際しては電解質膜の厚みを薄く出来ない問題があり、結局、動作温度を下げることが因難であるのが現状である。強度を改善する目的で、Gaの5および10%をAlに置換した場合には、強度の向上はわずかに10%程度であるばかりか、導電率が低下する間題があることが報告されている。さらに、熱膨張係数が増加するという不都合もある。
【0009】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、強度を大幅に向上することができ、低温域で高い導電性を有し、熱膨張係数が実質的に増加しないランタンガレート系焼結体およびその製造方法、ならびにそれを固体電解質として用いた燃料電池を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、LSGMの高強度化について鋭意研究した結果、LSGMの組成(陽イオン構成比)を維持した酸化物に所定量のアルミナを添加することにより、熱膨張係数を殆ど変化させずに、強度を大幅に向上することができ、さらに、イオン伝導の活性化エネルギーが低下し、従来よりも低温域で高いイオン導電率を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、ランタンガレート系酸化物100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下のアルミナを添加してなり、アルミナ粒子がランタンガレート系酸化物粒子の粒界に分散していることを特徴とする固体電解質用ランタンガレート系焼結体を提供する。
【0014】
さらに、上記いずかのランタンガレート系焼結体において、ランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径が3μm以下であることを特徴とするランタンガレート系焼結体を提供する。
【0015】
さらにまた、上記いずれかのランタンガレート系焼結体において、アルミナ粒子の平均粒径がランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径の1/3以下であることを特徴とするランタンガレート系焼結体を提供する。
【0016】
さらにまた、ランタンガレート系酸化物の粉末100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下のアルミナ粉末を添加した原料を成形および焼成し、ランタンガレート系酸化物組成を変化させずに、アルミナ粒子がランタンガレート系酸化物粒子の粒界に分散している焼結体を得ることを特徴とする固体電解質用ランタンガレート系焼結体の製造方法を提供する。
【0017】
さらにまた、上記いずれかのランタンガレート系焼結体を固体電解質として用いたことを特徴とする燃料電池を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明に係るランタンガレート系焼結体は、LSGM100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下のアルミナを添加してなり、アルミナ粒子がランタンガレート系酸化物粒子の粒界に分散している。つまり、LSGMがその組成を変化させずに存在し、さらに1.5〜6重量部のアルミナが添加されている。
【0019】
本発明で用いるLSGMの組成(陽イオン構成比)はLa1-sSrsGa1-mMgmOxの組成比を満たしていれば特に限定されるものではないが、導電率や雰囲気に対する安定性などの各特性を考慮すると、La0.9Sr0.1Ga0.8Mg0.2Ox、あるいはLa0.8Sr0.2Ga0.8Mg0.2Oxのような組成を有するものが好適である。
【0020】
アルミナの添加量は、使用するLSGMの組成(陽イオン構成比)や粒径の他、添加するアルミナの粒径や純度、さらには調製条件などにもよるが、LSGM100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下であることが好ましい。アルミナが1.5重量部未満では、強度向上などのアルミナの添加効果が十分に認められず、6重量部を超えるとLSGM中のGaをAlが置換してGaが排出されたり、Alと他の陽イオンとが反応して、イオン導電性を示さない化合物を形成することから好ましくない。アルミナ添加量のさらに好ましい範囲は2重量部以上、5重量部以下である。
【0021】
LSGMの組成(陽イオン構成比)が変化するのに応じて、格子間隔や結晶の対称性は変化する。その挙動と導電率などの特性との関連性については明かではないが、一般にイオン半径が大きな陽イオンが存在すると導電性が高くなることが知られている。したがって、SrやMgがLSGM結晶外に排出されたり、GaがAlで置換されて格子問隔が減少することは、導電率の低下につながると考えられる。
【0022】
AlとLSGMの反応によるLSGMの組成(陽イオン構成比)の変化、あるいは、LSGM中へのAlの固溶は、LSGM結晶の対称性や格子間隔の変化をもたらす。また、LSGMは結晶構造が安定なベロプスカイト型化合物に属するから、上述の各反応やAlの固溶などによる結晶構造の変化は、X線回折においては、回折ピーク位置のずれのほかに、回折ピークの分離により知ることができる。回折ピーク位置のずれは、例えば焼結体表面では上述の原因以外の原因によっても生じることから、ピークの分離に注目することが必要である。すなわち、ランタンガレート系酸化物のX線回折ピークが分離していないことにより確認される範囲内で、ランタンガレート系酸化物の陽イオン構成比、格子間隔および対称性が維持されていることが望ましい。
【0023】
焼結体におけるLSGM粒子の平均粒径は3μm以下であることが好ましい。LSGM粒子の平均粒径が3μmを超えると、強度が低くなるため好ましくない。
【0024】
また、焼結体におけるアルミナ粒子の平均粒径がランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径の1/3以下であることが好ましい。アルミナ粒子の平均粒径がランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径の1/3を超えると、母相の粒成長を抑制する効果が弱く、低強度となることに加え、母相粒子間の酸化物イオンの移動を妨げ、イオン導電率が低くなるため好ましくない。
【0025】
なお、以上の平均粒径は、インターセプト法により、単位線分長さを横切る粒子数Pを用いて、次式で算出するものとする。
平均粒径〈L〉=1/P
【0026】
以上のようなランタンガレート系焼結体は、ランタンガレート系酸化物の粉末100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下、好ましくは2重量部以上、5重量部以下のアルミナ粉末を添加した原料を成形および焼成することにより得られる。
【0027】
ランタンガレート系酸化物の粉末の平均一次粒径は、0.2μm以上、5μm以下であることが望ましい。0.2μm未満では粉体の取り扱い性が悪くなり、5μmを超えると焼結に高温を要するために分解を生じる。
【0028】
アルミナ粉末については、その平均一次粒径は0.2μm以上、3μm以下、純度99%以上が望ましい。アルミナ粉末の粒径が0.2μm未満と微細になると、粉体の取り扱い性が困難になり、成形体および焼結体の内部に欠陥が含まれて強度の向上が妨げられる他、LSGM中へのAlの固溶が容易となることでGaの置換および排出が生じ、導電率が低下する。一方、3μmを超えると粒径が大きく、または純度99%未満の低純度のアルミナを用いると、緻密化が阻害されて強度の向上が困難になる他、不純物が電気抵抗の高い絶縁粒界を形成するなどの問題が生じる。
【0029】
原料粉末の成形および焼成は、常法に従って行えばよく、その条件は特に限定されない。例えば、冷間静水圧プレス(CIP)した後、1300〜1400℃程度の範囲で焼成する。焼成雰囲気は空気中でもよいし、還元雰囲気であってもよい。このようにして、上述のような、LSGM組成(陽イオン構成比)を変化させずに、アルミナが添加されたランタンガレート系焼結体が得られる。
【0030】
上記ランタンガレート系焼結体は、従来のランタンガレート系焼結体と比較して強度が高く、かつ固体電解質として優れた特性を有する。シート状の上記ランタンガレート系焼結体の両面に空気極材料と燃料極材料とを焼き付けたものを固体電解質として燃料電池を構成すれば、動作温度が従来よりも低い、優れた特性を得ることができる。
【0031】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を比較例とともに説明する。なお、本発明は以下の例に限定されるものではない。
(実施例1ないし4)
表1に示す配合に従い、LSGM粉末とアルミナ粉末を工タノール中で粉砕・混合した。これを乾燥後、CIPして得られた成形体を、空気中、1300℃ないし1400℃で焼成して、緻密な焼結体とした。得られた焼結体について、(i)相対比重、(ii)空気中および4%H2−N2中(実際の燃料ガスと類似の酸素分圧)、室温から800℃での熱膨張係数、(iii)X線回折、(iv)空気中、室温および800℃での曲げ強度、および、(v)酸素雰囲気中、600℃ないし1000℃での導電率、(vi)酸素分圧102ないし10-18kPa(1ないし10-20atm)、800℃での導電率を測定した。これらを代表する結果を表1に示す。また、導電率の温度依存性を図1に、導電率の酸素分圧依存性を図2にそれぞれ示す。
【0032】
なお、相対比重は、1400℃で焼成したアルミナ無添加試料(比較例9)を基準とし、それぞれの試料についてアルキメデス法により求めた嵩比重を用いて算出した。アルミナを添加した場合は、これによる組成の変化がないものとして算出した。また、熱膨張係数は焼結アルミナを標準試料とする示差熱膨張測定により求めた。曲げ強度は、JISR1601/1604準拠の3点曲げ試験法によって測定した。さらに導電率は、直流4端子法により測定した。
【0033】
以上の結果から、アルミナを添加しない場合(以下の比較例7、8)と比較して、以下のような特長を有することが確認された。
(i)熱膨張率の差異は酸化・還元両雰囲気下において実質的に認められず、雰囲気の変動に対する材料の寸法安定性が確認された。
(ii)強度は室温および高温ともに大幅に向上した。
(iii)図1の導電率の温度依存性の結果から明らかなように、導電率の温度依存性が弱く、酸化物イオン導電性の活性化エネルギが低下した。このため、導電率は800℃(1073K)ではアルミナ添加によるわずかな低下が認められるが、それ以下の温度ではむしろ向上した。
(iv)図2の導電率の酸素分圧依存性の結果から、酸素分圧による導電性の変化は認められず、実際の燃料電池において起こりうる幅広い酸素分圧範囲において、酸化物イオン伝導支配となっていることが確認された。また、焼結性はアルミナ無添加の場合と同等以上であり、X線回析のピークに分離は認められなかった。
【0034】
さらに、実施例1に記載の原料を用いてシート成型を行い、1400℃で焼成することにより、60xl0-3m角、0.15xl0-3m厚の焼結体シートを作製した。このシートの両面に、空気極材料と燃料極材料とを焼き付け、酸化剤に空気、燃料に3%加湿水素を用いて、800℃で発電試験を行ったところ、電圧が定格0.7V、最大0.5Vにおいて、電流密度が定格0.3A/cm2、最大0.6A/cm2の性能が得られた。
【0035】
(比較例1ないし4)
表1に示す配合に従い、アルミナ添加量を本発明の範囲外とする以外は、上記実施例1ないし4と同様の方法により調製した試験片を用いて物性を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、アルミナ添加量が本発明の範囲を外れた場合には、LSGMと比較して、強度の向上が認められない(比較例1および2)、導電率が大きく低下する(比較例3および4)など、アルミナ添加の効果が認められなかった。また、本発明の範囲以上のアルミナを添加した場合(比較例3および4)では、AlによるGaの置換・排出によるX線回折ピークの分離が認められた。
【0036】
(比較例5および6)
表1に示す配合に従い、LSGM中のGaの一部をAlで置換した配合とする以外は、上記実施例1ないし4と同様の方法により調製した試験片を用いて物性を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、GaをAlで置換した配合では、LSGMと比較して、熱膨張係数が増大する、強度の向上がわずかであるなど、アルミナ添加の効果が得られなかった。
【0037】
(比較例7ないし9)
表1に示す配合に従い、アルミナを添加せず、LSGM単味とする以外は、実施例1ないし4と同様の方法により調製した試験片を用いて物性を測定した。その結果を表1に示す。表1に示すように、アルミナを添加しない場合には、強度が低く、実用的な電解質膜を得ることはできないことが確認された。
【0038】
次に、上述のようにLSGMに添加するアルミナの量を変化させたサンプルの走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図3ないし図11に示す。なお、図3ないし図5は倍率が2000倍であり、図6ないし図11は倍率が5000倍である。図3はアルミナ無添加のサンプル(比較例7)であり、粒径が10μm程度の大きなLSGM結晶粒が存在しているのがわかる。図4および図5はそれぞれアルミナを0.5重量部、1重量部添加したサンプル(比較例1,2)であり、アルミナが0.5重量部でもLSGM結晶粒の粒成長が抑制されているのが確認される。ただし、LSGM結晶粒界にアルミナ結晶の存在は確認されない。図6、図7、図8および図9は、それぞれアルミナを2重量部、3重量部、4重量部および5重量部添加したサンプル(実施例1ないし4)であり、アルミナの量が増加するに従って結晶粒が一層微細になっているのが確認される。また、いずれもLSGM結晶粒界に微細なアルミナ結晶粒(黒い結晶粒)が分散していることが確認される。図10および図11は、それぞれアルミナを7.5重量部、10重量部添加したサンプル(比較例3,4)であり、アルミナの増加にともなってさらに一層LSGM結晶粒径が微細になっていることが確認される。ただし、それと同時にLSGM結晶粒界に析出するアルミナの量が多く、かつその結晶粒径が大きくなっていることがわかる。この状態ではむしろアルミナ結晶がLSGM結晶の導電性を阻害していると考えられる。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、強度を大幅に向上することができ、低温域で高い導電率を示し、熱膨張係数が実質的に増加しないランタンガレート系焼結体が得られる。また、この焼結体を固体電解質として用いた燃料電池は低温(800℃以下)において優れた性能を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】ランタンガレート系焼結体の導電率の温度依存性を示す図。
【図2】ランタンガレート系焼結体の導電率の酸素分圧依存性を示す図。
【図3】アルミナ無添加のランタンガレート系焼結体サンプル(比較例7)の走査型電子顕微鏡写真。
【図4】アルミナを0.5重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(比較例1)の走査型電子顕微鏡写真。
【図5】アルミナを1.0重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(比較例2)の走査型電子顕微鏡写真。
【図6】アルミナを2重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(実施例1)の走査型電子顕微鏡写真。
【図7】アルミナを3重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(実施例2)の走査型電子顕微鏡写真。
【図8】アルミナを4重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(実施例3)の走査型電子顕微鏡写真。
【図9】アルミナを5重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(実施例4)の走査型電子顕微鏡写真。
【図10】アルミナを7.5重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(比較例3)の走査型電子顕微鏡写真。
【図11】アルミナを10重量部添加したランタンガレート系焼結体サンプル(比較例4)の走査型電子顕微鏡写真。
Claims (5)
- ランタンガレート系酸化物100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下のアルミナを添加してなり、アルミナ粒子がランタンガレート系酸化物粒子の粒界に分散していることを特徴とする固体電解質用ランタンガレート系焼結体。
- ランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径が3μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質用ランタンガレート系焼結体。
- アルミナ粒子の平均粒径がランタンガレート系酸化物粒子の平均粒径の1/3以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体電解質用ランタンガレート系焼結体。
- ランタンガレート系酸化物の粉末100重量部に対して1.5重量部以上、6重量部以下のアルミナ粉末を添加した原料を成形および焼成し、ランタンガレート系酸化物組成を変化させずに、アルミナ粒子がランタンガレート系酸化物粒子の粒界に分散している焼結体を得ることを特徴とする固体電解質用ランタンガレート系焼結体の製造方法。
- 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のランタンガレート系焼結体を固体電解質として用いたことを特徴とする燃料電池。
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