JP4190954B2 - アクリル系プラスチゾル組成物及びそれを用いて得られる物品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクリル系プラスチゾル組成物に関し、特に、引張強度や引裂強度等の機械的物性に優れた成型品の得られるアクリル系プラスチゾル組成物及びそのプラスチゾルを用いて得られる物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、工業的に広く用いられている、ペーストレジンと称する、重合体粉末が可塑剤に分散されたプラスチゾル組成物は、自動車用、床材用、壁紙用、鋼板用等のコーティング剤や、スラッシュ成形用、ディップ成形用、ローテーション成形用等の成形材料として様々な用途に用いられており、特に重合体粉末として塩化ビニル樹脂を用いた塩ビゾルが広く使用されている。
【0003】
しかしながら、塩化ビニル樹脂は、低温で焼却すると猛毒物質のダイオキシンが発生するなどの問題を有している。従って、このような問題点の無い塩ビゾルに替わるプラスチゾル組成物として、例えば特許文献1には、アクリル系樹脂を重合体粉末として用いるアクリルゾルが提案されている。
【0004】
しかしながら、近年、プラスチゾルへの要求性能はさらに高くなっており、特に、引張強度や引裂強度といった成型品の機械的強度を向上させることが要求されている。
【0005】
また、特許文献2にはアクリル系共重合樹脂、可塑剤およびアクリル系モノマーからなるプラスチゾル組成物が提案されているが、この発明におけるアクリル系共重合樹脂を用いた場合、使用できる可塑剤が限定されており、汎用で低コストの可塑剤を用いることができず、また、引裂強度が低くスラッシュ成型等の成型方法に適用できないという問題点があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−233299号公報
【特許文献2】
特開平8−165398号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、焼却時に有毒なガス等が発生せず、成型品の機械的物性に優れる、新規なアクリル系プラスチゾル組成物を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、アクリル系重合体、多官能アクリル系単量体および重合開始剤を必須成分とするアクリル系プラスチゾル組成物において、アクリル系重合体が、メチルメタクリレート30〜85質量%、炭素数3〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル70〜15質量%およびエポキシ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーおよびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のモノマー0〜20質量%の共重合体であることを特徴とするアクリル系プラスチゾル組成物を用いることで、成型品の機械的物性が大幅に向上することを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、アクリル系重合体、多官能アクリル系単量体および重合開始剤を必須成分とするものである。
【0010】
本発明で用いるアクリル系重合体は、メチルメタクリレート30〜85質量%、炭素数3〜8アルコールの(メタ)アクリル酸エステル70〜15質量%および他の共重合可能なモノマー0〜20質量%の共重合体である。このような炭素数3〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルを共重合したアクリル系重合体を用いることで、様々な可塑剤に対して相溶性を示すことができ、可塑剤の選択の幅を広げることが可能となる。
【0011】
本発明に用いられる炭素数3〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステルとしては、特に限定されないが、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐鎖アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の環式アルキルアルコールの(メタ)アクリレート類、ベンジル(メタ)アクリレート等の芳香族アルコールの(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0012】
また、エポキシ基含有モノマーとしては、グリシジル(メタ)アクリレート等が、カルボキシル基含有モノマーとしては、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メタクリル酸2−サクシノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルコハク酸、メタクリル酸2−マレイノロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルマレイン酸、メタクリル酸2−フタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリル酸2−ヘキサヒドロフタロイルオキシエチル−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸等が、ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等が使用可能であるが、これら例示モノマーに限定されるものではない。
【0013】
アクリル系重合体は、特に限定されるものではないが、可塑剤等と混合して均一なゾルを速やかに形成することができるよう粉末状のものを使用することが好ましい。アクリル系重合体粉末の製造方法としては、例えば乳化重合を行った後噴霧乾燥する方法、微細懸濁重合法など種々の方法が適用できる。
【0014】
本発明で用いるアクリル系重合体は、コア/シェル構造や多段構造などの多層構造を有するものであることが好ましい。アクリル系重合体に多層構造を導入することで、プラスチゾルとしての貯蔵安定性と、加熱成膜性を両立することが容易となる。この場合、最外層を除く任意の内層部に炭素数3〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル成分をより多く含む構造のものとすることが好ましい。コア/シェル構造のものの場合には、コア/シェル比(質量比)としては、30/70〜90/10が好ましく、40/60〜80/20がより好ましい。
【0015】
本発明においては必要に応じて各種可塑剤を用いることが出来る。可塑剤は、アクリル系重合体を可塑化する能力があれば各種のものが使用でき、例えばフタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸ジアルキルエステル;フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸アルキルベンジル;フタル酸アルキルアリール;フタル酸ジベンジル;フタル酸ジアリール;あるいはリン酸トリクレシル等のリン酸トリアリール系、リン酸トリアルキル系、リン酸アルキルアリール系、等のリン酸エステル;さらにはアジピンジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ジブチルグリコールアジペート等のエーテル含有化合物;ポリエステル系可塑剤、エポキシ化大豆油等の大豆油系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は1種を単独で用いるだけでなく、2種以上の可塑剤を混合して用いることも可能である。可塑剤は、アクリル系重合体100質量部に対して200質量部以下の範囲で用いることが好ましい。
【0016】
本発明で用いるのが特に好ましい可塑剤として、メチルメタクリレート/メタクリル酸=95/5(質量%)の組成比で共重合したアクリルポリマーに対して相溶性を呈する可塑剤が挙げられる。ここでいう相溶性を呈するとは、過硫酸カリウムを開始剤とする乳化重合によって製造された重量平均分子量が60万〜80万のポメチルメタクリレート/メタクリル酸共重合ポリマーと可塑剤とを50/50(質量%)の比で混合し、130℃のオーブン中で20分間加熱成膜させた後、室温まで冷却して1日後に目視観察して塗膜表面に可塑剤のブリードアウトが見られない場合をいう。このような相溶性を示す可塑剤としては、直鎖又は分岐鎖状の、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル系可塑剤、トリクレジルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、ジエチレングリコールジベンゾエート、ジプロピレングリコールジベンゾエート等の安息香酸エステル系可塑剤等が挙げられる。中でも、末端に水酸基を持つポリプロピレングリコールは、塗膜強度発現する上で特に好ましい。
【0017】
本発明のアクリル系プラスチゾルには、多官能アクリル系単量体及び重合開始剤を配合することが必要である。これは、プラスチゾル組成物を使用するに際して、ゲル化させると同時に、あるいはゲル化後にさらに加熱又は光照射を行うことで不飽和単量体を重合硬化させ、成型品の機械的強度を大幅に向上させることができるためである。
【0018】
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物に用いる多官能アクリル系単量体としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌール酸EO変性トリ(メタ)アクリレート等が単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらの単量体は、成型品の強度向上効果が高く、また、沸点が高いため成型時の揮発性が低い。多官能アクリル系単量体は、アクリル系重合体100質量部に対して5〜200質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0019】
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物に用いる重合開始剤としては、特に限定されず、有機過酸化物、アゾ化合物等の熱重合開始剤、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類等の光重合開始剤等硬化方法に応じで各種の重合開始剤が単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。重合開始剤は、エチレン性不飽和単量体100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲で用いることが好ましい。
【0020】
また、本発明のアクリル系プラスチゾル組成物には、用途に応じて各種の添加剤若しくは添加材を配合することができる。例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、バライタ、クレー、コロイダルシリカ、マイカ粉、珪砂、珪藻土、カオリン、タルク、ベントナイト、ガラス粉末、酸化アルミニウム等の無機フィラー類;酸化チタン、カーボンブラック等の顔料;ミネラルターペン、ミネラルスピリット等の希釈剤;消泡剤、防黴剤、防臭剤、抗菌剤、界面活性剤、滑剤、紫外線吸収剤、香料、発泡剤、レベリング剤、接着剤等を任意に配合することができる。
【0021】
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、前述したよう加熱によりゲル化させると同時に不飽和単量体を重合硬化させて成形品を製造することができるし、あるいはゲル化後にさらに加熱又は光照射を行うことで不飽和単量体を重合硬化させ成型品を製造することができる。
【0022】
本発明のアクリル系プラスチゾル組成物は、従来塩ビゾルが用いられていた用途分野をはじめ、ひろく利用可能である。具体的には、自動車アンダーコート、自動車ボディーシーラ、自動車マスチック接着剤、タイルカーペットバッキング材、クッションフロア、壁紙、鋼板塗料、玩具、手袋、食品サンプル、靴、建材用など各種接着材、各種シーラ、ガスケット、防水シート、自動車内層表皮材、帆布、テーブルクロス、合成皮革、消しゴム、スクリーン印刷用塗料、等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例に従い本発明をより具体的に説明する。実施例中に記載した評価は、以下の方法により行ったものである。なお、例中の「部」は、「質量部」を意味する。
【0024】
[塗膜の引張強度]
プラスチゾル組成物を硬化して得られた塗膜を、ダンベル形状2号形に裁断して試験片とし、JIS−K7113に従って、引張破壊強さの測定を行った。なお、この際の測定条件は、試験速度200mm/分、ロードセル定格980N、および環境温度25℃とした。得られた強度について、下記評価基準に従い評価した。
◎:15.0MPa以上
○:10.0MPa以上15.0MPa未満
×:10.0MPa未満
【0025】
[塗膜の引裂強度]
プラスチゾル組成物を硬化して得られた塗膜を、基材から剥離し直角引裂試験片に裁断して試験片とし、JIS−K7128に従って、最大引裂荷重を測定した。なお、この際の測定条件は、試験速度500mm/分、ロードセル定格980N、および環境温度25℃とした。得られた強度について、下記評価基準に従い評価した。
◎:50.0N/mm以上
○:20.0N/mm以上50.0N/mm未満
×:20.0N/mm未満
【0026】
[アクリル系重合体粉末(A1)の調製]
温度計、窒素ガス導入管、攪拌棒、滴下漏斗、冷却管を装備した2リットルの4つ口フラスコに、純水500gを入れ、30分間十分に窒素ガスをバブリングし、純水中の溶存酸素を置換した。次に、窒素ガスをフローに変えた後、メチルメタクリレート15.0g、n−ブチルメタクリレート15.0gを入れ、200rpmで攪拌しながら80℃に昇温した。内温が80℃に達した時点で、10gの純水に溶解した過硫酸カリウム0.3gをフラスコ内に一度に添加し、重合を開始させた。その後、80℃にて攪拌を60分継続し、シード粒子分散液を得た。なお、この重合は乳化剤を使用しないソープフリー重合である。
【0027】
次いで、得られたシード粒子分散液に、メチルメタクリレート250.0gと、n−ブチルメタクリレート250.0gと、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム5.0gと、純水250.0gとを混合攪拌して乳化して得られたモノマー乳化液を6時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、重合体分散液を得た。
【0028】
この重合体分散液を室温まで冷却した後、これをスプレードライヤによって噴霧乾燥して、アクリル系重合体粉末(A1)を得た。なお、スプレードライヤの乾燥条件は、入口温度170℃、出口温度75℃、アトマイザ回転数25000rpmであった。
【0029】
[アクリル系重合体粉末(A2)の調製]
滴下するモノマー乳化液のモノマー組成をメチルメタクリレート450.0gと、グリシジルメタクリレート50.0gとした以外は重合体粉末(A1)の調製と同様の方法でアクリル系重合体粉末(A2)を調製した。
【0030】
[アクリル系重合体粉末(A3)の調製]
アクリル系重合体粉末(A1)の調製の場合と全く同様にしてシード粒子分散液を得、このシード粒子分散液に、メチルメタクリレート125.0gと、n−ブチルメタクリレート125.0gと、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム2.50gと、純水125.0gとを混合攪拌して乳化して得られたモノマー乳化液を3時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、コア粒子の重合体分散液を得た。
【0031】
次いで、得られた重合体分散液に、メチルメタクリレート186.0gと、n−ブチルメタクリレート32.0gと、グリシジルメタクリレート32.0gと、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム2.50gと、純水125.0gとを混合攪拌して乳化して得られたモノマー乳化液を3時間かけて滴下し、引き続き80℃にて1時間攪拌を継続して、コアシェル型重合体分散液を得た。
【0032】
このコアシェル型重合体分散液を室温まで冷却した後、これをスプレードライヤによって噴霧乾燥して、重合体粉末(A3)を得た。
【0033】
[アクリル系重合体粉末(A4)の調製]
滴下するモノマー乳化液のモノマー組成をコアがメチルメタクリレート125.0gと、n−ブチルメタクリレート125.0g、シェルがメチルメタクリレート150.0gと、i−ブチルメタクリレート90.0g、メタクリル酸5.0g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート5.0gとした以外はアクリル系重合体粉末(A3)と同様の方法でアクリル系重合体粉末(A4)を調製した。
【0034】
以上で得られたアクリル系重合体粉末(A1)〜(A4)の粒子構造を表1に示した。
【0035】
【表1】
Figure 0004190954
【0036】
表中の略号は、下記を意味する。
【0037】
MMA:メチルメタクリレート
nBMA:n−ブチルメタクリレート
iBMA:i−ブチルメタクリレート
MAA:メタクリル酸
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
GMA:グリシジルメタクリレート
【0038】
[実施例1]
上記で得られたアクリル系重合体粉末(A1)100部に対し、可塑剤としてジイソノニルフタレート(DINP)75部、エチレン性不飽和単量体としてトリメチロールプロパントリメタクリレート(アクリエステルTMP、商品名、三菱レイヨン(株)製、)25部、重合開始剤としてt−アミルパーオキシベンゾエート(KD−1、商品名、化薬アクゾ(株)製)0.25部を添加し、ディスパーミキサーにて60秒間混合攪拌し、さらに減圧脱泡(20mmHgで5分)を行って均一なプラスチゾル組成物を得た。
【0039】
得られたプラスチゾルをテフロンコーティングした鉄板上に2mm厚に塗布し、160℃のオーブン中で20分加熱し、プラスチゾルをゲル化させると同時に不飽和単量体を重合硬化して、塗膜を得た。得られた塗膜の引張破壊強さは11.8MPaであり、最大引裂荷重は20.8N/mmであり、良好な引張強度および引き裂き強度を示した。
【0040】
[実施例2〜6、比較例1、2]
アクリル系重合体粉末、可塑剤、不飽和単量体および熱重合開始剤を表2に示す配合として、実施例1と同様の方法でプラスチゾル組成物を得た。
【0041】
得られたプラスチゾル組成物を実施例1と同様の方法でゲル化及び硬化し、得られた塗膜の強度評価を行った。評価結果を表2に示した。これら実施例では、実施例1を上回る、特に良好な引張強度および引裂強度を示した。なお、不飽和単量体及び重合開始剤を用いない場合には、引張強度および引裂強度が不充分であり、重合開始剤を用いな場合には、引張強度は良好であったが、引裂強度が不充分であった。
【0042】
[実施例7]
アクリル系重合体粉末、可塑剤、不飽和単量体および光重合開始剤を表2に示す配合として、実施例1と同様の方法でプラスチゾル組成物を得た。
【0043】
得られたプラスチゾル組成物をテフロンコーティングした鉄板上に2mm厚に塗布し、130℃のオーブン中で5分加熱した。この塗膜を、ランプ高さ15cmの高圧水銀灯(80w/cm)により、積算光量2000mJ/cm2のエネルギー量で硬化させた。得られた塗膜の強度評価を行った。評価結果を表2に示した。この塗膜も、特に良好な引張強度および引裂強度を示した。
【0044】
【表2】
Figure 0004190954
【0045】
表中の配合部数は質量基準で示した。
表中の略号を以下に示す。
DINP:ジイソノニルフタレート
PPG:ポリプロピレングリコール(平均分子量700)
TCP:トリクレジルホスフェート
MAH:無水マレイン酸
TMP:トリメチロールプロパントリメタクリレート
EH:2−エチルヘキシルメタクリレート
M−315:イソシアヌール酸EO変性トリアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
KD−1:t−アミルパーオキシベンゾエート
AN:t−アミルパーオキ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート
O:t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
CP−4:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、焼却時などに塩化水素ガスやダイオキシン等の物質を排出しないアクリル系重合体をベースとし、可塑剤、エチレン性不飽和単量体、重合開始剤等を配合したアクリル系プラスチゾル組成物を用いることで、引張強度や引裂強度の良好な塗膜が得られる。また、汎用で低コストの可塑剤を用いることもでき、その工業的利益および環境保全にもたらす効果は顕著である。

Claims (4)

  1. アクリル系重合体、多官能アクリル系単量体および重合開始剤を必須成分とするアクリル系プラスチゾル組成物において、アクリル系重合体が、メチルメタクリレート30〜85質量%、炭素数3〜8のアルコールの(メタ)アクリル酸エステル70〜15質量%およびエポキシ基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーおよびヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートからなる群より選ばれる1種以上のモノマー0〜20質量%の共重合体であることを特徴とするアクリル系プラスチゾル組成物。
  2. アクリル系重合体がコア/シェル構造であり、コア/シェル比(質量比)が30/70〜90/10である請求項1記載のプラスチゾル組成物。
  3. さらにポリエーテル系可塑剤、リン酸エステル系可塑剤、安息香酸エステル系可塑剤からなる群から選ばれた1種以上の可塑剤を用いることを特徴とする請求項1または2記載のプラスチゾル組成物。
  4. 請求項1〜3記載のいずれか一項記載のプラスチゾル組成物を硬化して得られる物品。
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