ところで、浴室内において浴槽が設置される上記したような防水床は、入浴しているときには多くの水分が流動して通過していくが、入浴が終了した後においては浴室内から水分が流出することはないので、入浴が終了した後に、ある程度の時間が経過すると防水床の表面は乾燥状態となるものである。しかしながら、上記従来構成のように、熱源システムにおいて発生して貯留部に貯留されている中和排水を前記防水床に排出させるようにすると、例えば、熱源システムの使用状況によっては上述したような中和排水の発生量が多くなり、入浴が終了した後において防水床が乾燥していると想定される時間帯においても、前記防水床に中和排水を排出させることがある。そうすると、防水床の表面が濡れている時間が多くなり、それだけ湿気が多くなりカビが発生するおそれがある。
そこで、このような不利を回避するために、前記中和排水を上記したような浴槽下の防水床ではなく、浴室の洗い場に設けられた排水口の近くに排出させるようにすることが考えられる。つまり、浴室の洗い場は、水分が排出し易いように構成されているものであり、しかも、最近では、水分が速く乾燥し易いものとなるように特殊な加工処理を施した床材を使用して水分が比較的短時間で乾燥し易い構成となっているものもあり、上記したような中和排水を排出させるようにしても乾燥させ易いものにできる。
しかしながら、上述したように中和排水を浴室の洗い場に排出させる場合に、前記貯留部にて貯留される中和排水の量が設定量を越えるとすぐに排出させるような構成にしておくと、そのとき、使用者が入浴している時間帯であれば、洗い場に中和排水が排水されていても問題はないが、使用者が入浴時間帯以外の時間帯に浴室内に入室してきたときに、中和排水が排水されて浴室の洗い場が濡れた状態となっており、使用者が足が濡れて嫌な思いをしたり、故障による水漏れであると誤判断する等のおそれもある。例えば、最近では、浴室内を暖房したり、浴室内で洗濯物を乾燥させるために浴室暖房乾燥機が設けられることがあるが、このような浴室暖房乾燥機が設けられるような場合には、入浴時間帯以外の時間帯に浴室内に洗濯物を干したりあるいは乾燥した洗濯物を回収するために浴室に入室することがある。
本発明の目的は、潜熱を回収するときに生成される凝縮水を中和した中和排水を適切な場所に、且つ、適切なタイミングで排出させることを可能とした熱源システムを提供する点にある。
本発明の第1特徴構成は、燃焼用バーナの燃焼排気における潜熱を用いて被加熱流体を加熱する潜熱回収型熱交換器と、前記潜熱回収型熱交換器にて潜熱を回収するときに生成される凝縮水を中和し、中和排水を貯留部において貯留する中和器とが設けられている熱源システムであって、前記貯留部から浴室の洗い場に前記中和排水を排出する排出手段と、前記浴室に対応して設置された浴室対応設置機器の動作状況に基づいて、前記中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する排出タイミング判定手段と、前記排出タイミング判定手段の判定結果に基づいて、前記中和排水を前記貯留部に貯留する貯留状態と、前記中和排水を前記洗い場に排出する排出状態とに前記排出手段を切換制御する排出制御手段とが設けられている点にある。
第1特徴構成によれば、潜熱回収型熱交換器にて潜熱を回収するときに生成される凝縮水が、中和器により中和されてその中和された中和排水が貯留部において貯留される。そして、貯留部に貯留されている中和排水が排出手段により浴室の洗い場に排出されることになる。浴室の洗い場は入浴時には多くの水分を流す場所であるから防水性も良好であり、乾燥し易い材質のもので構成されるから中和排水を排出させるようにしても、水分が長く残りカビが発生するおそれは少ない。
そして、排出タイミング判定手段が、浴室に対応して設置された浴室対応設置機器の動作状況に基づいて、前記中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定して、その判定結果に基づいて、中和排水を排出してもよいタイミングであれば排出制御手段が中和排水を洗い場に排出させるように排出手段を切換制御することになる。
説明を加えると、浴室に対応して設置された浴室対応設置機器としては、浴室内で湯水を使用するときの湯水使用機器や浴室内の暖房や乾燥を行うための浴室暖房乾燥機等がある。このような浴室対応設置機器の動作状況から、洗い場に中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定することができるのである。例えば、浴室対応設置機器の動作状況から、浴室使用者が入浴していることが想定されるような状況であったり、あるいは浴室に人が入室することがないと想定される状況であれば、洗い場に中和排水を排出してもよいタイミングであると判定することができる。
このように浴室に対応して設置された浴室対応設置機器の動作状況に基づいて、中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定して、洗い場が濡れても問題がない状況となっている適切なタイミングで中和排水を洗い場に排出させることができるのである。
従って、潜熱を回収するときに生成される凝縮水を中和した中和排水を適切な場所に、且つ、適切なタイミングで排出させることが可能となる熱源システムを提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室対応設置機器としての、前記浴室内で湯水を使用するときの湯水使用機器が動作していると判定したときに、前記中和排水を排出してもよいタイミングであると判定する点にある。
第2特徴構成によれば、前記浴室対応設置機器としての、前記浴室内で湯水を使用するときの湯水使用機器が動作していると判定したときに、前記中和排水を排出してもよいタイミングであると判定することになる。前記湯水使用機器としては、例えば、浴槽に対する湯張りや洗い場に設けられた給湯栓から給湯を行うような浴室用の給湯手段があるが、この浴室用の給湯手段が、浴槽に対する湯張りを行っているとき、洗い場に設けられた給湯栓やシャワーか出湯しているとき等には、浴室使用者がこれから入浴しようとしているか又は入浴中であるから、洗い場が濡れても問題ないので中和排水を排出してもよいと判断することができる。又、浴室用の給湯手段が、浴槽内部の湯量が目標水位になるように自動で湯張りを行い且つ浴槽内の湯の温度を適温適量に保つ自動運転を実行するものであれば、そのような自動運転の実行が指令された場合、あるいは、追焚や足し湯が指令されたとき、更には、浴槽の水が排出されているとき等においても、中和排水を排出してもよいタイミングであると判定することができる。
このようにして湯水使用機器の動作状態に基づいて中和排水を排出するタイミングであるか否かを適切に判定することができ、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成又は第2特徴構成に加えて、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室対応設置機器としての、前記浴室内において湯水を使用せず動作する湯水非使用機器が動作していると判定したときに、動作開始後の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する点にある。
第3特徴構成によれば、前記浴室内において湯水を使用せず動作する湯水非使用機器が動作していると判定したときに、動作開始後の設定期間を中和排水を排出するタイミングであると判定することになる。浴室内において湯水を使用せず動作する湯水非使用機器としては、浴室に設けられた換気扇や照明用の電灯等が代表的なものである。
例えば、換気扇が動作開始したときには入浴が終了した直後であると考えられるから、それから設定時間が経過するまでの間は、中和排水を排出してもよいタイミングであると判定することができる。又、電灯が点灯動作を開始したときには、これから入浴が行われるものと考えられるからそれから設定時間が経過するまでの間は、中和排水を排出してもよいタイミングであると判定することができる。このようにして湯水非使用機器の動作状態に基づいて中和排水を排出するタイミングであるか否かを適切に判定することができ、請求項1又は請求項2を実施するのに好適な手段が得られる。
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記浴室対応設置機器が浴室暖房乾燥機であり、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき、あるいは、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する点にある。
第4特徴構成によれば、浴室暖房乾燥機が作動していないときは、浴室の暖房する暖房運転や浴室を乾燥する乾燥運転等を行っていないので、浴室に人が入室することはないと考えられ、中和排水を洗い場に排出しても問題はないから、前記中和排水を排出するタイミングであると判定するのである。又、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したとき、例えば、暖房運転の作動を開始してから設定時間経過したときには、入浴中であるから洗い場が濡れても問題ないと推定できるので中和排水を排出してもよいと判断することができ、又、乾燥運転を行うときには、乾燥運転の作動を開始してから設定時間経過したときには、洗濯物を干す作業や回収する作業も終了していると考えられるから中和排水を排出してもよいと判断することができる。
このようにして浴室暖房乾燥機の運転状況によって、前記中和排水を排出するタイミングであるか否かを適切に判定することができる。
本発明の第5特徴構成は、第4特徴構成に加えて、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室対応設置機器として、前記浴室暖房乾燥機以外の機器で、前記浴室内での入浴に使用する機器が動作しているときには、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する点にある。
第5特徴構成によれば、浴室暖房乾燥機の運転状況によって判断すると、前記中和排水を排出するタイミングではないと考えられる場合であっても、浴室内での入浴に使用する機器が動作しているときには、入浴中であり中和排水を洗い場に排出しても問題はないので中和排水を排出するタイミングであると判定するのである。
このように浴室暖房乾燥機の運転状況に加えて、浴室内での入浴に使用する機器の動作状態に基づいて中和排水を排出するタイミングを判定することで、中和排水を排出する機会をできるだけ多くさせるようにしながら、適切なタイミングで中和排水を排出させることができる。
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記浴室対応設置機器が浴室暖房乾燥機であり、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室暖房乾燥機の動作状態に基づいて、前記浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する点にある。
第6特徴構成によれば、浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を中和排水を排出するタイミングであると判定するのである。例えば、浴室暖房乾燥機の作動として暖房運転が指令されているときには、作動開始しているときには、人が浴室に入浴しているか又はこれから入浴しようとするときであるから、中和排水を洗い場に排出しても問題はないから中和排水を排出するタイミングであると判定するのである。又、浴室暖房乾燥機の作動として乾燥運転が指令されているときには、作動開始した直後においては、洗濯物も湿った状態となっており、中和排水を洗い場に排出しても、その後の乾燥運転によって、洗濯物と共に洗い場も合わせて乾燥させることができるから、中和排水を洗い場に排出しても問題はないから中和排水を排出するタイミングであると判定するのである。
このようにして浴室暖房乾燥機の運転状況によって、前記中和排水を排出するタイミングであるか否かを適切に判定することができる。
本発明の第7特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記浴室対応設置機器が浴室暖房乾燥機であり、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室暖房乾燥機の動作状態及び前記貯留部における中和排水が満杯あるいはそれに近い状態を満杯状態であると検出する満杯検出手段の検出情報に基づいて、前記貯留部が満杯でないときには、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを、前記中和排水を排出するタイミングであると判定し、且つ、前記貯留部が満杯であるときには、前記浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する点にある。
第7特徴構成によれば、貯留部が満杯でないときには、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する。貯留部が満杯でなく余裕があるときには、排出処理を行わなくても貯留部に対して中和排水を更に貯留させることができる状態であるから、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを中和排水を排出するタイミングであると判定するようにして、浴室暖房乾燥機が作動しているときや作動開始後において設定時間経過するまでの間は中和排水を洗い場に排出させないので洗い場を濡らすことがない。
一方、貯留部が満杯であるときには、浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を、中和排水を排出するタイミングであると判定する。貯留部が満杯でありこれ以上中和排水を貯留させる余裕がないときには、排出処理を行わずに中和排出の貯留を継続すると貯留部から中和排水が溢れて他の装置に悪影響を与えることになるので、中和排水を洗い場に排出しても問題ない状況であると考えられる浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間内に、洗い場に中和排水を排出させるようにして、できるだけ排出させる機会を多くするようにしているのである。
従って、貯留部における中和排水の貯留状況を見ながら、そのときの貯留状況に応じてより適切なタイミングで中和排水を排出させることができる。
本発明の第8特徴構成は、燃焼用バーナの燃焼排気における潜熱を用いて被加熱流体を加熱する潜熱回収型熱交換器と、前記潜熱回収型熱交換器にて潜熱を回収するときに生成される凝縮水を中和し、中和排水を貯留部において貯留する中和器とが設けられている熱源システムであって、前記洗い場における人の不在時期を設定する不在時期設定手段と、前記中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する排出タイミング判定手段とが設けられ、前記排出タイミング判定手段が、前記不在時期設定手段の設定結果に基づいて、前記不在時期であるときに前記中和排水を排出するタイミングであると判定するように構成されている点にある。
第8特徴構成によれば、不在時期設定手段によって洗い場における人の不在時期を設定する。つまり、浴室を使用しないと想定されるような時間帯等を洗い場における人の不在時期として設定して、排出タイミング判定手段が不在時期設定手段の設定結果に基づいて、前記不在時期であるときに中和排水を排出するタイミングであると判定するので、そのように不在時期であるとして設定された時間帯に中和排水を洗い場に排出させることになる。
前記不在時期について説明を加えると、例えば、深夜の午前3時頃の時間帯等の1日のうちで一般的に入浴しないと考えられるような時間帯を不在時期として設定するようにしておくと、浴室に人が入室してくるおそれが少ない時間帯を選んで浴室の洗い場に中和排水を排出させるようにしたので、洗い場が濡れても問題がない状況となっている適切なタイミングで中和排水を洗い場に排出させることができる。
従って、潜熱を回収するときに生成される凝縮水を中和した中和排水を適切な場所に、且つ、適切なタイミングで排出させることを可能とした熱源システムを提供できるに至った。
本発明の第9特徴構成は、第8特徴構成に加えて、前記浴室内で湯水を使用するときに動作する湯水使用機器の動作状態を監視可能な湯水使用機器監視手段が設けられ、前記不在時期設定手段が、前記湯水使用機器監視手段によって監視された過去の前記湯水使用機器の時系列的な動作状態に基づいて、前記湯水使用機器の動作頻度が低い時期を前記不在時期に設定する点にある。
第9特徴構成によれば、湯水使用機器監視手段によって浴室内で湯水を使用するときに動作する湯水使用機器の動作状態を監視して、その湯水使用機器監視手段によって監視された過去の湯水使用機器の時系列的な動作状態に基づいて、湯水使用機器の動作頻度が低い時期を洗い場における人の不在時期に設定するのである。
説明を加えると、過去の湯水使用機器の時系列的な動作状態としては、例えば、過去の設定期間内における浴室における給湯の実行状態の履歴を計測して記憶しておき、その結果から湯水使用機器の動作頻度が最も低い時期を人の不在時期に設定することができる。
従って、前記不在時期として単純に予め設定した時間帯を設定する構成に比べて、実際の浴室の使用状況に対応した状態で適切に人の不在時期を設定することができ、より適切なタイミングで中和排水を洗い場に排出させることが可能となり、請求項8を実施するのに好適な手段が得られる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明に係る第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に、本発明に係る熱源システムの一例としての給湯装置を示している。この給湯装置は、一般家庭用の水道管に接続された給水路1からの水を燃焼用バーナとしてのガス燃焼式のバーナg1によって加熱して、加熱後の湯水を先端に給湯栓2を備えた給湯路3に供給する給湯用動作部Aと、浴槽5内の湯水を燃焼用バーナとしてのガス燃焼式のバーナg2によって加熱して追焚きする追焚用動作部Bとを備えている。そして、これらの給湯用動作部A及び追焚用動作部Bはいずれも、上下2段に配置した主熱交換器N1および潜熱回収熱交換器N2を備えて構成され、潜熱回収熱交換器N2にて熱交換にされた後の燃焼排ガスは排気路7を通して外部に排出されるように構成されている。
前記潜熱回収熱交換器N2からは、燃焼生成水である酸性の凝縮水が生成するが、この凝縮水はドレンパン8によって集められて中和器9に一時貯留される構成となっている。そして、この中和器9は、詳述はしないが凝縮水に対して中和作用する中和剤(例えば、炭酸カルシウム)Cが装填されており、その中和した後の中和排水を貯留部9aにおいて貯留する構成となっている。
前記給湯用動作部A及び追焚用動作部Bには、各バーナg1、g2に一般家庭用の燃料ガスを供給するガス供給路Gが接続され、燃料ガス供給量を調整する電磁式のガス比例弁10、燃料ガスの供給断続する断続弁11が設けられている。前記バーナg1、g2に燃焼用空気を供給する燃焼用ファン12も設けられ、バーナg1の近くには、バーナg1に対する点火動作を実行する点火用のイグナイタと着火されたか否かを検出するフレームロッドなどが設けられている。
前記給湯用動作部Aには、給水路1と、主熱交換器N1および潜熱回収熱交換器N2を通過した後に加熱後の湯水を出湯する給湯路3とが接続され、給水路1を通して供給される被加熱流体としての水が熱交換されて所望の温度の湯水が給湯路3を通して供給されるように構成されている。
前記給水路1には、給水温度を検出する給水サ−ミスタ13と給水量を検出する水量センサ14とが設けられ、給水サ−ミスタ13と水量センサ14より下流側の給水路1と給湯路3とが、熱交換器N1,N2を迂回するように給水バイパス路15を介して接続されている。さらに、給湯路3には、上流側から順に、給湯用熱交換器4からの湯水の温度を検出する給湯サ−ミスタ16と、熱交換器からの湯量と給水バイパス路15からの水量との混合比を調整するミキシング弁17と、ミキシング弁17により混合された後の湯水の温度を検出する出湯サ−ミスタ18と、湯水の量を調整する水比例弁19と、一般給湯の割込みを検出する割込み水量センサ20とが設けられている。
前記水比例弁19と割込み水量センサ20との間の給湯路3には、給湯路3からの湯水を浴槽5に供給するための風呂用の湯張り路22が分岐接続されている。前記追焚用動作部Bには、浴槽5からの浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24が接続され、浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24とが循環路として構成されている。そして、浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24とは、風呂アダプタ25を介して浴槽5に接続され、浴槽用戻り路23に設けられた循環ポンプ26を駆動することにより、浴槽5内の湯水を浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24を介して循環させながら、追焚用動作部Bで追焚するように構成されている。
前記浴槽用戻り路23には、上流側から順に、圧力を検出することによって浴槽5内の水位を検出する水位検出手段としての水位センサ27と、浴槽5内の湯水の温度を検出する浴槽温検出手段としての戻りサ−ミスタ28と、浴槽用戻り路23を開閉する電磁式の風呂2方弁29と、湯水循環用の循環ポンプ26と、水流スイッチ30とが設けられ、浴槽用往き路24には、浴槽用の往きサ−ミスタ31が設けられている。
前記風呂用の湯張り路22は、追焚用循環ポンプ26と水流スイッチ30との間の浴槽用戻り路23に接続されている。この湯張り路22には、上流側から湯張り路22を開閉する湯張り電磁弁32と、湯張り逆止弁33とが設けられている。なお、前記湯張り路22は、水供給源からの水を浴槽5内に供給する供給路としても作用し、また、湯張り電磁弁32は、その供給路22を開閉する開閉弁としても作用する。
前記湯張り電磁弁32と湯張り逆止弁33との間の湯張り路22には、その湯張り路22に連通する空気層形成用ホッパ34が介装されている。この空気層形成用ホッパ34には、湯水を排水する排水路35と、その排水路35を開閉する電磁式の排水弁36とが設けられ、排水路35の端部が風呂2方弁29と循環ポンプ26との間の浴槽用戻り路23に接続されている。
そして、この給湯装置の運転状態を制御する制御手段としての運転制御部H1は、マイクロコンピュ−タを備え、室内に設置されたリモコン装置R1との間で通信可能に構成されている。リモコン装置R1には、運転の開始と停止を指令する運転スイッチ37、自動運転を指令する自動スイッチ38、一般給湯温度を設定する温度設定スイッチ39、浴槽5内の目標水位を設定する水位設定スイッチ40、浴槽に追加で湯張り給湯する足し湯スイッチ41、追焚運転を指令する追焚スイッチ42等が設けられている。
前記運転制御部H1による給湯装置の制御について簡単に説明する。
運転制御部H1は、リモコン装置R1の運転スイッチ37を操作されると制御可能な状態になり、給湯栓2が開操作されると給湯栓2から湯水を給湯する一般給湯運転制御を実行する。そして、リモコン装置R1の自動スイッチ38が操作されると自動運転を実行する。又、足し湯スイッチ41が操作されると足し湯運転を実行し、追焚スイッチ42が操作されると追焚運転を実行する。
前記一般給湯運転は、給湯栓2を開いて水量センサ14による検出水量が所定量以上になると、給湯用動作部Aにおける燃焼用ファン12を駆動した後、断続弁11を開弁し、ガス比例弁10の開度を調整してイグナイタによりバーナg1に点火し、温度設定スイッチ39による設定温度、給水サ−ミスタ13による検出水温、水量センサ14による検出水量などに基づいて、ガス比例弁10の開度が調整され、かつ、ミキシング弁17の開度も調整されて給湯温度が設定温度になるように、燃料供給量を制御する。通水が検出されなくなると、ガス比例弁10と断続弁11を閉弁してバーナg1の燃焼を停止し、燃焼用ファン12も停止して一般給湯運転を終了する。
次に、自動運転について説明する。この自動運転では、先ず、湯張り運転制御が実行される。この湯張り運転は、上述の一般給湯運転と同様にバーナg1に点火して燃料供給量を調整しながら浴槽5に設定温度の湯水が供給されて湯張りを行う。そして、水位センサ27の検出水位が設定水位以上になると、バーナg1の燃焼を停止して湯張りを終了する。湯張りが終了すると、追焚用循環ポンプ26を駆動させ、浴槽5内の湯水を浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24などを介して循環させ、戻りサーミスタ28の検出温度が温度設定スイッチ42による設定温度になるように燃料供給量を制御する。戻りサ−ミスタ28の検出温度がリモコン装置Rの温度設定スイッチ42による設定温度に達すると、ガス比例弁10と断続弁11を閉弁させ、バーナg2の燃焼を停止させて、一定時間経過後に燃焼用ファン12を停止させて追焚き運転を終了する。その後、引き続いて、設定時間の間キープ運転が実行される。このキープ運転は、浴槽5内の湯温と水位とを設定された状態にキープするように、水位センサ27により浴槽5内の水位を検出し、この検出水位が設定水位になるように浴槽5への給湯され、追焚用循環ポンプ26を駆動させ、浴槽5内の湯水を浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24などを介して循環させ、戻りサ−ミスタ28の検出温度が設定温度になるように給湯運転のときと同様に追焚き用動作部Bにおけるバーナg2の燃焼状態を制御する。
前記足し湯運転では、浴槽5の水位が設定水位になるように浴槽5に湯張り運転を実行して設定水位になると給湯を停止する。又、追焚運転では、キープ運転と同様に、追焚用循環ポンプ26を駆動させ、浴槽5内の湯水を浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24などを介して循環させ、戻りサーミスタ28の検出温度が温度設定スイッチ42による設定温度になるように燃料供給量を制御する。
そして、この給湯装置においては、潜熱回収熱交換器N2にて生成されて中和器9において、中和剤により中和し且つ貯留部9aにて貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出する排出手段43と、浴室Yに対応して設置された浴室対応設置機器の動作状況に基づいて、中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する排出タイミング判定手段100と、前記排出タイミング判定手段100の判定結果に基づいて、前記中和排水を前記貯留部9aに貯留する貯留状態と、前記中和排水を前記洗い場に排出する排出状態とに前記排出手段43を切換制御する排出制御手段101とが設けられている。そして、前記排出タイミング判定手段100が、前記浴室対応設置機器としての、前記浴室Y内で湯水を使用するときの湯水使用機器が動作していると判定したときに、前記中和排水を排出してもよいタイミングであると判定する構成となっている。
説明を加えると、前記中和器9における貯留部9aに貯留されている中和排水を、浴室Yの洗い場Y1に向けて流動案内するドレン配管44と、このドレン配管44を通して中和排水を狂税的に排出させる排出ポンプ45とが設けられ、このドレン配管44と排出ポンプ45とによって前記排出手段43が構成されている。前記ドレン配管44は、図2に示すように、前記浴槽用戻り路23と浴槽用往き路24と合わせて束ねられて、それらの合成樹脂製のチューブではシールした状態で浴槽の洗い場Y1に向かうように設置される構成となっている。そして、洗い場Y1における洗面用のカウンターktの下方側箇所から浴室Y内部に向けて開口して中和排水を洗い場Y1に排出させるように構成されている。
そして、前記運転制御部Hが、浴室対応設置機器としての、前記浴室Y内で湯水を使用するときの湯水使用機器、すなわち、前記給湯用動作部Aと前記追焚用動作部Bの動作状況に基づいて、中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する構成となっている。そして、運転制御部H1は、中和排水を排出してもよいタイミングであると判断すると、前記排出ポンプ45を作動させて貯留されている中和排水をドレン配管44を通して浴室Yの洗い場Y1に排出させるように前記排出手段43を切換作動する構成となっている。従って、前記運転制御部H1を利用して、前記排出タイミング判定手段100と前記排出制御手段101とが構成されている。
次に、運転制御部H1における中和排水の排出用制御動作について説明する。
図3に示すように、運転制御部H1は、浴室Y内で湯水を使用するときの湯水使用機器、すなわち、前記給湯用動作部A及びそれに付随する給湯用の各装置、及び、前記追焚用動作部B及びそれに付随する追焚用の各装置等の動作状況に基づいて、浴室Y内で湯水が使用されている使用状態であるか否かを判別し(ステップ1)、湯水使用状態であれば中和排水を排出してもよいタイミングであると判断して、排出処理を実行する(ステップ2、3)。この排出処理としては、中和器9の貯留部9aに中和排水が設定量以上貯留されていることが図示しない検出センサにて検出されると排出用設定時間だけ排出ポンプ45を作動状態に切り換えて中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させる(ステップ2、3)。中和器9の貯留部9aに中和排水が貯留されていなければ、排出ポンプ45を作動状態に切り換える必要がないので、中和排水が設定量以上貯留されているときにだけ排出させるようにしている。
前記浴室Y内で湯水が使用されている使用状態であるか否かを判別する処理について説明を加えると、図4に示すように、前記自動スイッチ38がオン操作されて浴槽5に湯張りが開始されてから3分経過したとき、追焚スイッチ42がオン操作されたとき、足し湯スイッチ41がオン操作されたときの夫々において、湯水使用状態であると判別する(ステップ4〜7、11)。又、このようなリモコン装置R1における前記各スイッチの操作に基づくものだけでなく、水量センサ14にて検出される単位時間あたりの給湯量が設定値以上であることが検出されたとき、給湯を継続して行う時間が設定時間(例えば、10分間)を超えているとき、更には、前記水位センサの検出情報に基づいて浴槽5内の湯が排出されていることが検出されるときにおいても同様にして、湯水使用状態であると判別する(ステップ8〜11)。上記した何れの条件も満たさずに判断が否であるときには、浴室Yで湯水を使用していない非使用状態であると判別する(ステップ12)。そして、浴室Yでの湯水使用状態が判別されると中和排水を排出してもよいタイミングであると判断して中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させるのである。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図5、図6に、本実施形態の熱源システムを示している。
この熱源システムは、浴室Y内を空調する浴室暖房乾燥機C、及び、この浴室暖房乾燥機C並びに浴槽5に給湯する熱源機Dとが設けられ、浴室Yの天井側に設けた浴室暖房乾燥機Cには脱衣室等から操作する暖房乾燥機リモコンR2が双方向に通信可能に接続され、屋外に設けた熱源機Dには台所等から操作するメインリモコンR3と浴室Y内から操作する浴室リモコンR4とが双方向に通信可能に接続されている。
図6に示すように、浴室暖房乾燥機Cには、この浴室暖房乾燥機Cの作動を制御するマイクロコンピュータを主要部とする暖房乾燥機制御部H2が備えられ、熱源機Dには、浴槽5や給湯栓2に給湯する給湯動作部E、浴室暖房乾燥機Cに熱媒としての温水を加熱して循環供給する温水循環用動作部F、浴槽5内の湯水を追焚きする追焚用動作部I、各部の作動を制御するマイクロコンピュータを主要部とする熱源機制御部H3等が備えられている。
前記給湯動作部E及び前記温水循環用動作部Fは、第1実施形態の給湯用動作部A及び追焚用動作部Bの構成と同じように、バーナg1、g2によって加熱される状態で上下2段に配置した主熱交換器N1および潜熱回収熱交換器N2を備えて構成され、潜熱回収熱交換器N2にて熱交換にされた後の燃焼排ガスは排気路を通して外部に排出されるように構成されている。前記潜熱回収熱交換器N2からは燃焼生成水である酸性の凝縮水が生成されるが、この凝縮水はドレンパン8によって集められて第1実施形態と同様な中和器9に一時貯留される構成となっている。
尚、前記給湯動作部Eの構成は第1実施形態のときと同じであるから説明は省略するが、同じ機能を有する部材には同じ符号を付す。
前記温水循環用動作部Fには、膨張タンク50内の水を供給する温水循環用給水路51と、加熱後の湯を供給する温水循環用給湯路52とが接続され、この温水循環用給湯路52を浴室暖房乾燥機Cに設けた乾燥暖房用熱交換器53に接続して、その乾燥暖房用熱交換器53により熱交換された後の湯水が、温水循環用戻り路54を介して膨張タンク50内に戻されるように構成されている。
前記温水循環用給湯路52と温水循環用戻り路54は、浴室暖房乾燥機Cを迂回する状態でバイパス路55を介して接続され、そのバイパス路55には、浴槽5内に追焚き用の高温水を供給する為の追焚用熱交換器56と追焚用の熱動弁57とが設けられている。前記温水循環用給水路51には、膨張タンク50内の水を吸引して温水循環用動作部Eに供給するとともに、加熱後の湯を浴室暖房乾燥機Cや追焚用熱交換器56に供給するための循環ポンプ58が設けられ、温水循環用給湯路52には、加熱後の湯の温度を検出する循環温水サーミスタ59が設けられている。
前記追焚用動作部Iは、追焚き用の熱交換器56が液々熱交換器で構成される他は、第1実施形態と同じであるから詳細な説明は省略する。
前記給湯動作部E、温水循環用動作部F及び追焚用動作部Iは熱源機制御部H3にて制御され、浴室暖房乾燥機Cは暖房乾燥機制御部H2にて制御されるように構成され、熱源機制御部H3と暖房乾燥機制御部H2は双方向に通信可能に接続されている。
前記浴室暖房乾燥機Cは、図7に示すように、吸気口60と吹出口61を備えたケーシング62内に、吸気口60から浴室Y内の空気を導入して吹出口61からその浴室Y内に戻す循環ファン63と、この循環ファン63で循環される空気を加熱する乾燥暖房用熱交換器53とを備えた浴室空気循環路64を設けて構成され、浴室空気循環路64には吸気口60から導入した空気の温度を浴室Y内の現在温度として検出する温度センサ65が設けられ、乾燥暖房用熱交換器53への温水の供給を断続する熱動弁66が温水循環用給湯路52に設けられている。
前記浴室空気循環路64の循環ファン63よりも空気循環方向下手側で、かつ、乾燥暖房用熱交換器53よりも空気循環方向上手側には、その浴室空気循環路64の空気を屋外に排出する為の排気ダクト67が接続され、その排気ダクト67との接続部には、浴室空気循環路64に導入した空気を浴室Y内に戻す循環空気量と、浴室空気循環路64に導入した空気をその途中から排気ダクト67で屋外に排出する排出空気量との割合を変更調節可能な電動式の可動ダンパー68が設けられている。
前記暖房乾燥機リモコンR2には、後述するような各種の運転モードを指令する指令操作具が設けられている。そして、暖房乾燥機リモコンR2にていずれかの運転モードが指令されると、その操作情報が熱源機制御部H3と暖房乾燥機制御部H2に送信して、熱源機Dと浴室暖房乾燥機Cの運転を操作できるように構成されている。尚、前記熱源機制御部H3における給湯運転の制御は、第1実施形態のときと同じであるからここでは説明は省略する。
次に、前記暖房乾燥機制御部H2の制御について説明する。すなわち、この暖房乾燥機制御部H2は、図9に示すように、運転スイッチがON操作されて動作を開始すると、暖房乾燥機リモコンR2に設けられた指令操作部(図示せず)にて、予備暖房運転が指令されると、熱源機制御部H3に温水を循環供給させるように温水要求を指令して予備暖房運転を実行する(ステップ20〜23)。乾燥運転が指令されると、熱源機制御部H3に温水を循環供給させるように温水要求を指令して乾燥運転を実行する(ステップ24、25、26)。そして、換気運転が指令されると換気運転を実行し、涼風運転が指令されると涼風運転を実行する(ステップ27〜30)。
前記各運転状態について簡単に説明すると、予備暖房運転及び乾燥運転では、暖房乾燥機制御部H2は、浴室Y内の温度が目標温度になるように浴室暖房乾燥機Cの作動を制御し、熱源機制御部H3は、設定温度の温水を浴室暖房乾燥機Cの乾燥暖房用熱交換器27に循環供給するように温水循環動作を実行する。そして、図7に示すように、浴室空気循環路64に導入した空気の一部が排気ダクト67から屋外に排出されるとともに、残りの空気が乾燥暖房用熱交換器53を通過して加熱されて浴室Y内に戻され、浴室Y内の温度を目標温度に維持するように熱動弁66と循環ポンプ58が制御される。
又、前記換気運転では、図8に示すように、浴室空気循環路64に導入した空気の略全部を排気ダクト67から屋外に排出する状態で、循環ファン63を作動させて浴室Y内を換気する換気運転を実行する。前記涼風運転モードでは、循環ファン63の駆動によりその循環ファン63を通風作動させて、浴室空気を乾燥暖房用熱交換器53で温めずに循環通風させる。
そして、この実施形態では、前記排出タイミング判定手段100が、浴室暖房乾燥機Cの動作状態及び前記貯留部9aにおける中和排水が満杯あるいはそれに近い状態を満杯状態であると検出する満杯検出手段の検出情報に基づいて、前記貯留部9aが満杯でないときには、前記浴室暖房乾燥機Cが作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機Cの作動開始後において設定時間経過したときを、前記中和排水を排出するタイミングであると判定し、且つ、前記貯留部9aが満杯であるときには、前記浴室暖房乾燥機Cの作動開始後の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する構成となっている。又、前記貯留部9aが満杯でないときに、浴室暖房乾燥機C以外の機器で浴室Y内での入浴に使用する機器が動作しているときには、前記中和排水を排出するタイミングであると判定するように構成されている。
具体的には、前記熱源機制御部H3が、前記給湯動作部Eにおける動作状況並びに前記排出手段43の運転状況に基づいて、前記貯留部9aにおける中和排水が満杯あるいはそれに近い満杯状態であるか否かを判定するようになっており、その判定結果に基づいて、中和排水を排出するタイミングであるか否かを判定して、中和排水を排出してもよいタイミングで浴室Yの洗い場Y1に中和排水を排出させる構成となっている。
従って、この実施形態では、前記熱源機制御部H3を利用して、前記排出タイミング判定手段100、前記排出制御手段101、及び、満杯検出手段103の夫々が構成されている。又、この実施形態では、浴室暖房乾燥機C及び給湯動作部Eが浴室対応設置機器として機能することになる。
次に、熱源機制御部H3における中和排水の排出用制御動作について具体的に説明する。
図10に示すように、熱源機制御部H3は、先ず、中和器9における中和排水の貯留状態が満杯状態であるか否を判別する処理を実行する(ステップ31)。この判別処理においては、例えば、前回の中和排水の排出処理を実行してから、浴室暖房乾燥機Cが運転されるまでの間、言い換えると、浴室暖房乾燥機Cから温水要求が指令されるまでの間に、前記給湯動作部Eや温水循環用動作部Fにおいてバーナの燃焼作動が設定時間以上行われて、中和排水が設定量以上貯留されているおそれがあるか否かを判別するものである。具体例で説明すると、前回の中和排水の排出処理を実行してから浴室暖房乾燥機Cが運転されるまでの間に、次の各条件のいずれかが成立していると、中和器9における中和排水の貯留状態が満杯又はそれに近い満杯状態であると判断する。
すなわち、風呂の自動運転を指令する自動スイッチがオン操作されたとき、設定時間(約10分間)以上の給湯運転が行われたとき、ガス消費量の積算値が設定量を越えているとき、及び、熱負荷の積算値が設定値を超えているときのいずれかの条件が成立していると満杯状態であると判断するのである。尚、前記熱負荷は、入水温度と給湯温度との温度差に給湯流量を掛けた値である。
そして、前記満杯状態でないと判別すると、暖房乾燥機制御部H2から温水要求の指令がない場合、あるいは、温水要求の指令があった場合であっても浴室暖房乾燥機Cが作動を開始してから設定時間(例えば1時間)経過していれば、中和排水を排出するタイミングであると判定して、第1実施形態における排出処理と同様な排出処理を実行して中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させる(ステップ32、33、34、37)。このとき、中和器9の貯留部9aに中和排水が貯留されていなければ、排出ポンプ45を作動状態に切り換える必要がないので、中和排水が設定量以上貯留されているときにだけ排出させるようにしている。
又、上記した条件が満たされていなくても、浴室Yでの湯水の使用状態を判別して、使用状態であれば排出処理を行うようにしている(ステップ35、36)。この湯水の使用状態の判別処理は第1実施形態における判別処理と同じである。
前記満杯状態であると判別すると、暖房乾燥機制御部H2から温水要求の指令があり、浴室暖房乾燥機Cが作動を開始してから設定期間内であるときに、中和排水を排出するタイミングであると判定して、上記排出処理と同様な排出処理を実行する(ステップ38、39、40)。前記設定期間としては数分間〜10分間程度の時間が設定される。温水要求の指令があった場合に、予備暖房運転であれば入浴直前であるか又は入浴中であるから中和排水を排出しても問題ない。又、乾燥運転が指令されている場合であれば、運転開始直後では入浴の後であるか又は濡れた洗濯物が干された後であり、その後の乾燥運転で洗い場Y1も乾燥されることになるから問題ない。
〔第3実施形態〕
次に、本発明に係る第3実施形態を図面に基づいて説明する。
この第3実施形態では、前記排出タイミング判定手段が中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する構成が異なる他は、第1実施形態の構成と同じであるから、異なる構成についてのみ説明し、同じ構成についてはここでは説明は省略する。
すなわち、この実施形態では、前記洗い場Y1における人の不在時期を設定する不在時期設定手段が設けられ、前記排出タイミング判定手段が、前記不在時期設定手段の設定結果に基づいて、前記不在時期であるときに前記中和排水を排出するタイミングであると判定するように構成されている。
説明を加えると、予め、1日のうちで入浴しないと考えられるような設定時間帯(例えば、深夜の午前3時頃の時間帯)を浴室Yの洗い場Y1における人の不在時期として予め設定しておき、図11に示すように、前記運転制御部H1はマイクロコンピュータにおける時計機能を利用して、時刻が前記設定時間帯に至ると、前記中和排水を排出するタイミングであると判定して、第1実施形態における排出処理と同様な排出処理を実行して中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させる(ステップ50、51)。
又、前記不在時期設定手段として、上記構成に代えて次のように構成するものでもよい。
すなわち、前記浴室Y内で湯水を使用するときに動作する湯水使用機器の動作状態を監視可能な湯水使用機器監視手段が設けられ、前記不在時期設定手段が、前記湯水使用機器監視手段によって監視された過去の前記湯水使用機器の時系列的な動作状態に基づいて、前記湯水使用機器の動作頻度が低い時期を前記不在時期に設定する構成である。前記過去の湯水使用機器の時系列的な動作状態としては、過去の設定期間(1週間)内における浴室Yにおける給湯の実行状態の履歴を計測して記憶しておき、その結果から湯水使用機器の動作頻度が最も低い時期を人の不在時期に設定する構成となっている。
具体的には、前記運転制御部H1が次のような処理を実行する構成となっている。すなわち、図12に示すように、運転制御部H1が、浴室Y内で湯水を使用するときの湯水使用機器、すなわち、前記給湯用動作部Aと給湯用の配管等の給湯用の各装置、及び、前記追焚用動作部Bと追焚用の配管類の追焚用の各装置等の動作状況に基づいて、浴室Y内での湯水の使用状態であるか否かを監視しており、1日の時間帯を複数の時間帯に区分けして、その複数の時間帯毎に、前記各操作の運転状況から給湯の実行状態の履歴を計測して給湯運転が行われる頻度を計測して記憶しておく(ステップ60)。そして、1週間分のデータ計測が行われると、過去1週間分の計測データに基づいて、1日の時間帯の中で給湯運転が行われる頻度が最も低い時間帯を前記不在時期として設定し(ステップ61、62)、現在時刻が不在時期として設定された時間帯であれば、前記中和排水を排出するタイミングであると判定して、第1実施形態における排出処理と同様な排出処理を実行して中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させる(ステップ63、64)。
従って、この実施形態では、前記運転制御部H1を利用して、前記排出タイミング判定手段、前記排出制御手段、前記湯水使用機器監視手段及び前記不在時期設定手段の夫々が構成される。
〔第4実施形態〕
次に、本発明に係る第4実施形態を図面に基づいて説明する。
この第4実施形態では、前記排出タイミング判定手段が中和排水を排出してもよいタイミングであるか否かを判定する構成が異なる他は、第1実施形態の構成と同じであるから、異なる構成についてのみ説明し、同じ構成についてはここでは説明は省略する。
この実施形態では、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室対応設置機器としての、浴室Y内において湯水を使用せず動作する湯水非使用機器が動作していると判定したときに、動作開始後の設定期間を、中和排水を排出するタイミングであると判定する構成である。
説明を加えると、この実施形態では、図13(イ)に示すように、前記湯水非使用機器としての浴室Y用の換気扇70の動作状態についての情報が運転制御部H1に入力される構成となっており、運転制御部H1は、図13(ロ)に示すように、浴室Y用の換気扇70がオン状態になり動作を開始してから設定時間が経過するまでの間の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定して、第1実施形態における排出処理と同様な排出処理を実行して中和器9に貯留されている中和排水を浴室Yの洗い場Y1に排出させる(ステップ70、71、72)。
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
(1)上記第1実施形態では、前記浴室Y内で湯水が使用されている使用状態であるか否かを判別する処理として、自動スイッチがオン操作されて浴槽に湯張りが開始されてから3分経過したとき、追焚スイッチがオン操作されたとき、足し湯スイッチがオン操作されたとき、水量センサにて検出される単位時間あたりの給湯量が設定値以上であることが検出されたとき、及び、給湯を継続して行う時間が設定時間を超えているときの夫々において、湯水使用状態であると判別する構成としたが、このような構成に代えて、次のように構成してもよい。
図14に示すように、水量センサにて検出される単位時間あたりの給湯量が設定値以上であることが検出されたとき、及び、給湯を継続して行う時間が設定時間を超えているときにだけ湯水使用状態であると判別し、それ以外のときは非使用状態であると判別する(ステップ80〜83)。このように構成すると、自動運転等の複雑な制御を行わずに、単に設定温度の湯を給湯するように湯温制御を行うだけの簡単な構成の給湯装置であっても中和排水を適正なタイミングで排出させることができる。
(2)上記第2実施形態では、前記満杯検出手段として、前記熱源機制御部が、風呂の自動運転を指令する自動スイッチがオン操作されたとき、設定時間(約10分間)以上の給湯運転が行われたとき、ガス消費量の積算値が設定量を越えているとき、及び、熱負荷の積算値が設定値を超えているときのいずれかの条件が成立していると満杯状態であると判断する構成としたが、上記したような複数の条件を備えるものに限らず、そのうちのいずれか1つの条件又は2つ以上のいずれかの条件が成立しているか否かを判断するようにしてもよい。
又、前記満杯検出手段として、上記したような構成に代えて、貯留部の貯留量を検出する水量センサを設けて貯留量を直接検出して、その検出情報に基づいて満杯状態であるか否かを判別する構成としてもよい。
(3)上記第2実施形態では、貯留部において中和排水が満杯あるいはそれに近い状態を満杯状態であると検出する満杯検出手段が設けられ、その満杯検出手段の検出情報に基づいて、貯留部が満杯でないときには、浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを、中和排水を排出するタイミングであると判定し、更に、浴室Y内での入浴に使用する機器が動作しているときには、中和排水を排出するタイミングであると判定し、且つ、貯留部が満杯であるときには、浴室Y暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を、中和排水を排出するタイミングであると判定する構成としたが、このような構成に代えて次のように構成してもよい。
すなわち、前記満杯検出手段を備えることなく、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき、あるいは、前記浴室暖房乾燥機が作動していないとき及び前記浴室暖房乾燥機の作動開始後において設定時間経過したときを、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する構成としてもよい。
具体的には、前記熱源機制御部H3における中和排水の排出用制御動作として、次のような制御を実行する構成である。つまり、図15に示すように、暖房乾燥機制御部H2から温水要求の指令がない場合、あるいは、温水要求の指令があった場合であっても浴室暖房乾燥機Cが作動を開始してから設定時間(例えば1時間)経過している場合には、中和排水を排出するタイミングであると判定して、中和排水の排出処理を実行する(ステップ90、91、92)。上記した条件が満たされていなくても、浴室Yでの湯水の使用状態を判別して、使用状態であれば排出処理を行うようにしている(ステップ93、94)。尚、この湯水の使用状態の判別処理は第1実施形態における判別処理と同じである。又、この場合、ステップ93、94を実行しない構成としてもよい。この実施形態は、要するに、第2実施形態における図10に示す処理のうち、ステップ33〜37に示される処理だけを実行し、それ以外の処理を実行しない構成である。
又、このような構成に代えて、次のように構成してもよい。
前記満杯検出手段を備えることなく、前記排出タイミング判定手段が、前記浴室Y暖房乾燥機の動作状態に基づいて、前記浴室暖房乾燥機の作動開始後の設定期間を、前記中和排水を排出するタイミングであると判定する構成としてもよい。
具体的には、前記熱源機制御部H3における中和排水の排出用制御動作として、次のような制御を実行する構成である。つまり、図16に示すように、暖房乾燥機制御部H2から温水要求の指令があり、浴室暖房乾燥機Cが作動を開始してから設定期間内であるときに、中和排水を排出するタイミングであると判定して中和排水の排出処理を実行する(ステップ100、101、103)。前記設定期間としては数分間〜10分間程度の時間が設定される。この実施形態は、要するに、第2実施形態における図10に示す処理のうち、図10におけるステップ38〜40だけを実行し、それ以外の処理を実行しない構成である。
(4)上記第4実施形態では、前記湯水非使用機器としての浴室Y用の換気扇の動作状態に基づいて、排出タイミングを判定するようにしたが、前記湯水非使用機器としては、浴室Y用の換気扇に限らず、例えば、浴室Y用の電灯や浴室Y用の床暖房装置等の各種の装置を用いることが可能である。