JP4190337B2 - 低反射フィルム - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵性、耐擦傷性、反射防止性、透明性に優れたフィルムに関し、さらに詳しくは、ワープロ、コンピュータ、テレビ等の各種ディスプレイ、特に特に耐擦傷性や耐汚染性に優れると共に外光による表面の反射に優れた低反射フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワープロ、コンピュータ、テレビ等の電子機器のディスプレイ、その他種々の商業用ディスプレイ等には、ガラスやプラスチック等の透明基板が使用されている。プラスチック基板は、ガラス基板に比べて軽量であると共に破損し難いものであるが、静電気による塵埃付着や、硬度が低いために耐擦傷性が劣り、擦り傷や引っ掻き傷等による透明性が損なわれるという問題があり、また、透明基材共通の問題として、透明基板を通して物体や文字、図形等の視覚情報を観察する場合に透明基板の表面が外光により反射し、内部の視覚情報が見え難いという問題があった。
【0003】
上記問題の一つであるプラスチック基板における静電気による塵埃付着や擦過傷による透明性の低下を防止する方法としては、プラスチック基板の表面に帯電防止塗料を塗布したり、ハードコート層を塗布する技術があった。しかしながら、異物付着を防ぐ程度に帯電防止剤等の導電性材料を分散させたハードコート層は透明性に欠けるばかりでなく、ハードコート層の硬化が阻害され、耐擦傷性を満たす十分な硬度を得ることができないものであった。また、金属酸化物等の蒸着で透明性が高い導電性薄膜をプラスチック基板上に形成することはできるが、蒸着工程は生産性が劣りコストが高く、耐擦傷性も十分ではないという問題もあった。また、上記問題のもう一つである透明基板表面の反射を防止する方法としては、ハードコート層上に低屈折率層を設ける技術があり、表面の反射防止には効果があるが、帯電防止効果は期待できないものであった。
【0004】
そこで本出願人は、先に、透明基材フィルム上に、透明導電性層、ハードコート層及び低屈折率層を順に積層すると共に前記低屈折率層の屈折率を前記ハードコート層の屈折率よりも低く構成した低反射帯電防止性ハードコートフィルムを提案した(特許文献1参照)。この特許文献1記載の発明の低反射帯電防止性ハードコートフィルムは、塵埃による汚れを防止することができ、摩擦による擦り傷等で透明性を損なわない十分な硬度(耐擦傷性)を有すると共に外光による反射を防止することができるものとすることができたが、耐擦傷性においては改善の余地がまだ残っていると共に耐汚染性の向上が要望され、これらの改善を図ることとした。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−326602号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、外光による反射を防止することができると共に防塵性においても優れる低反射フィルムであって、特に摩擦による擦り傷等で透明性を損なうことがない十分な耐擦傷性を有すると共に耐汚染性においても優れる低反射フィルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、以下に記す構成の低反射フィルムとすることにより、上記課題を達成することができることを見出して本発明を完成させたものである。
【0008】
すなわち、請求項1記載の本発明は、透明基材フィルム上に、透明導電性層、ハードコート層、および、前記ハードコート層よりも低い屈折率を有する低屈折率層を順に積層してなる低反射フィルムにおいて、前記低屈折率層が反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体と多官能モノマーとからなる樹脂成分とコロイダルシリカとの3成分系で構成され、前記低屈折率層は前記樹脂成分とコロイダルシリカとの総量を100質量部としたときに、前記樹脂成分としての反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体が2質量部以上含有されると共に、前記コロイダルシリカが24.3〜50質量部含有され、前記樹脂成分は、多官能モノマーに対する反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の質量比Aが0.05≦A≦1.55の範囲であることを特徴とするものである。
【0011】
上記請求項1〜3のいずれかに記載の構成とすることにより、防塵性に優れると共に外光による反射を防止することができ、摩擦による擦り傷等で透明性を損なうことがない十分な耐擦傷性を有すると共に耐汚染性においても優れる低反射フィルムとすることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
上記の本発明について、図面等を用いて以下に詳述する。
図1は本発明にかかる低反射フィルムの一実施例を図解的に示す層構成図であって、図1に示す低反射フィルム1は、透明基材フィルム2上に透明導電性層3、ハードコート層4、および、前記ハードコート層4よりも低い屈折率を有する低屈折率層5を順に積層した実施例である。
【0013】
本発明において、前記透明基材フィルム2としては、透明性を有するプラスチックフィルムであれば、特に限定はなく、たとえば、セルロースジまたはトリアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリウレタン、環状ポリオレフィン、あるいは、ポリエチレンテレフタレート,ポリカーボネートなどのポリエステル等の熱可塑性樹脂のフィルムであり、未延伸、あるいは、一軸ないし二軸方向に延伸したフィルムのいずれも使用することができるが、これらの中では、一軸ないし二軸方向に延伸したポリエステルフィルムないし環状ポリオレフィンフィルムが透明性および耐熱性に優れ、セルローストリアセテートフィルムは透明性および光学的に異方性がない点で好適に用いることができる。前記透明基材フィルム2の厚さとしては、8〜1000μm程度が適当である。
【0014】
次に、前記透明導電性層3としては、透明膜を形成する金属や金属酸化物等を蒸着やスパッタリングして導電性薄膜を形成する方法、あるいは、導電性微粒子と反応性硬化型樹脂を含む導電性塗布液を塗布して導電性塗膜を形成する方法等の周知の方法で形成することができる。前記透明導電性層3を蒸着膜で形成する場合、前記透明導電性層3を構成する金属ないし金属酸化物としては、たとえば、金、ニッケル、アンチモンドープのインジウム・錫酸化物(以下、ATOと呼称する)、インジウム・錫酸化物(以下、ITOと呼称する)、酸化亜鉛・酸化アルミニウム等を用い、蒸着膜の厚さとしては、40〜100nm程度とすることが好ましい。
【0015】
また、前記透明導電性層3を塗膜で形成する場合、前記透明導電性層3の形成に使用する導電性微粒子としては、たとえば、ATOやITO等を挙げることができる。また、前記導電性微粒子を分散する前記反応性硬化型樹脂としては、透光性樹脂であって、前記透明基材フィルム2との接着性が良好であり、かつ、耐光性、耐湿性があり、また、前記透明導電性層3上に形成する前記ハードコート層4との接着性が良好なものであれば特に制限されないが、紫外線や電子線を照射することにより架橋重合反応を起こして3次元の高分子構造に変化する樹脂、すなわち、分子中に重合性不飽和結合、または、エポキシ基をもつ反応性のプレポリマー、オリゴマー、および/または、単量体を適宜混合したものである電離放射線硬化型樹脂、あるいは、塗布適性等を考慮して前記電離放射線硬化型樹脂に必要に応じてウレタン系、ポリエステル系、アクリル系、ブチラール系、ビニル系等の熱可塑性樹脂を混合したものを挙げることができる。前記透明導電性層3を塗膜形成する方法としては、導電性微粒子を分散して液状となした上記樹脂の液状組成物などを用いてロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の周知の塗布方法で塗布・乾燥・硬化させることにより形成することができる。なお、硬化に用いる紫外線源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が使用できる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができるし、また、電子線源としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、あるいは、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器を用いることができる。なお、前記透明基材フィルム2の前記透明導電性層3を形成する面には、必要に応じて、コロナ放電処理やプライマー処理等の適宜の易接着処理を施してもよいものである。
【0016】
前記電離放射線硬化型樹脂としては、具体的にはアクリレート系の官能基を有するものが適当であり、塗膜の硬度や耐熱性、耐溶剤性、耐擦傷性を考慮すると、高い架橋密度の構造とすることが好ましく、2官能以上のアクリレートモノマー、たとえば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。なお上記においては、アクリレート、および/または、メタアクリレートは(メタ)アクリレートと記載した。
【0017】
上記の電離放射線硬化型樹脂は電子線を照射すれば十分に硬化するが、紫外線を照射して硬化させる場合には、光重合開始剤として、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、ミヒラーケトン、ジフェニルサルファイド、ジベンジルジサルファイド、ジエチルオキサイト、トリフェニルビイミダゾール、イソプロピル−N,N−ジメチルアミノベンゾエートなどや、光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチリルアミン、ポリ−n−ブチルホソフィンなどを単独ないし混合物として用いることができる。光重合開始剤や光増感剤の添加量は一般に、電離放射線硬化型樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部程度である。
【0018】
また、前記透明導電性層3を塗膜形成する場合の膜厚としては、前記透明導電性層3の表面抵抗率が1×1012Ω/□以下であることが好ましい。前記透明導電性層3の厚さは、通常、0.05〜2.0μmあり、好ましくは0.3〜1.5μmである。厚さが0.05μm未満では、前記透明導電性層3の表面抵抗率を1×1012Ω/□以下とすることが困難であり、2.0μm超では、前記透明導電性層3の透明性が失われる虞がある。
【0019】
また、前記透明導電性層3の形成方法としては、上記した導電性薄膜や導電性塗膜以外に、たとえば、ポリピロールやポリアニリン等の導電性ポリマーを用いて形成してもよいものである。
【0020】
次に、前記ハードコート層4について説明する。前記ハードコート層4は、前記透明導電性層3の上に形成されると共に、耐擦傷性を有する硬度と導電性を極端に損なわない層であり、前記透明導電性層3で説明した電離放射線硬化型樹脂と同じ樹脂および同じ塗布方法で形成することができる。この場合、前記ハードコート層4単独では導電性の機能がなくとも、前記透明導電性層3の効果により前記ハードコート層4上でも帯電防止効果のある表面抵抗率を得ることができる。また、後述するが、前記ハードコート層4上に形成する前記低屈折率層5は前記ハードコート層4に比べて極めて薄膜なために、前記ハードコート層4上に前記低屈折率層5を形成してもその表面抵抗率等の帯電防止効果を十分に得ることができる。
【0021】
また、前記ハードコート層4は、必要に応じて導電性微粒子を分散して導電性を持たせた層としてもよく、前記導電性微粒子としては、金、および/ないし、ニッケルで表面処理されたスチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド等の有機系ビーズが適当であり、その平均粒径は2〜10μm程度が好ましい。
【0022】
また、前記ハードコート層4はその屈折率を後述する低屈折率層5よりも高い屈折率とすることにより外光による反射を一層防止することができる。一般に、電離放射線硬化型樹脂からなるハードコート層の屈折率は、1.48〜1.52であり、ガラス(屈折率:1.50)と同程度の屈折率であるが、本発明におけるハードコート層の好ましい屈折率は1.55〜2.50程度であり、これを達成するためには電離放射線硬化型樹脂に高屈折率の金属や金属酸化物の超微粒子を添加すればよく、前記超微粒子としては、その粒径が1〜50nmで、屈折率が1.60〜2.70程度のものが好ましく、たとえば、ZnO(屈折率:1.90)、TiO2(屈折率:2.3〜2.7)、CeO2(屈折率:1.95)、Sb2O5(屈折率:1.71)、SnO2(屈折率:1.997)、ITO(屈折率:1.95)、Y2O3(屈折率:1.87)、La2O3(屈折率:1.95)、ZrO2(屈折率:2.05)、Al2O3(屈折率:1.63)等の微粉末を挙げることができる。なお、上記したように構成される前記ハードコート層4の厚さとしては、1〜50μmが適当であり、好ましくは、2〜20μmである。
【0023】
次に、前記ハードコート層4上に形成する前記低屈折率層5について説明する。前記低屈折率層5は、反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体と多官能モノマーとからなる樹脂成分とコロイダルシリカとの3成分系で構成される層であり、前記樹脂成分とコロイダルシリカとの総量を100質量部としたときに、前記樹脂成分としての反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体が2質量部以上含有されると共に前記樹脂成分は多官能モノマーに対する反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の質量比Aが0.02≦A≦2.30の範囲であり、かつ、前記コロイダルシリカが16〜50質量部、さらに好ましくは24〜40質量部含有された層であり、その膜厚としては200nm以下の薄膜であって、かつ、耐擦傷性が付与された屈折率が前記ハードコート層4よりも小さいことが外光による反射を防止する上で必要であり、具体的には1.47以下、好ましくは1.40〜1.45である。
【0024】
反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の含有量が2質量部未満では、耐汚染性に劣り、前記樹脂成分の多官能モノマーに対する反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の質量比Aが0.02≦A≦2.30の範囲を外れると耐擦傷性に劣る。また、コロイダルシリカの含有量が16質量部未満では、耐擦傷性に劣り、50質量部超では、均一で薄い被膜形成が困難になる。
【0025】
なお、反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体を例示すれば下記の通りである。
【0026】
【化1】
【0027】
次に、本発明の低反射フィルムを完成させるために行った試験について説明する。
最初に、188μm厚さの二軸延伸ポリエステルフィルム〔東洋紡(株)製:A−4350(商品名)〕の一方の面に、シントロンC−4456−S7〔神東塗料(株)製のATOを分散させた固形分45%のハードコート塗料(商品名)〕をロールコート法で塗布すると共に乾燥した後に、紫外線を照射して硬化させて1μm厚さの透明導電性層を形成し、次いで、この透明導電性層上に電離放射線硬化型樹脂〔大日精化工業(株)製:PET−D31(商品名)〕を溶剤で希釈してロールコート法で塗布すると共に乾燥した後に、電離放射線で硬化させて2μm厚さのハードコート層を形成した中間積層体を作製した。
【0028】
次に、上記で作製した中間積層体の前記ハードコート層上に、表1に記載するコロイダルシリカ(以下、シリカと呼称する)―ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと呼称する)―反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体〔ダイキン工業(株)製:オプツールAR−100(商品名)、以下、DARと呼称する〕の3成分の配合割合を変えると共に溶剤で希釈した21種類の低屈折率層形成用塗料(No.1〜21)を、それぞれロールコート法で塗布すると共に乾燥した後に、電離放射線で硬化させて100nm厚さの低屈折率層を形成した21種類の低反射フィルム(実施例6〜8、11〜15及び18〜21、並びに、比較例1〜5、9、10、16及び17)を作製した。なお、低屈折率層形成用塗料の番号と該番号の塗料で低屈折率層を形成した低反射フィルムの実施例の番号は一致している。
【0029】
【表1】
【0030】
上記で作製した実施例6〜8、11〜15及び18〜21、並びに、比較例1〜5、9、10、16及び17の低反射フィルムについて、耐擦傷性および耐汚染性テストを下記する方法で行ない評価し、その結果を表2に纏めて示した。
【0031】
【表2】
※2耐擦傷性テスト:
〔白ネルテスト〕
白ネルを用いて、低屈折率層表面を500g荷重で500往復擦り、低屈折率層表面に傷や変色のないものを良好として◎印で示し、200往復擦りでは傷や変色はないが、500往復擦りでは傷や変色があるものを可として○印で示し、200往復擦りで傷や変色があるものを不良として×印で示して評価した。
〔消しゴムテスト〕
消しゴム〔SEED工業(株)製:Radar(商品名)〕を用いて、低屈折率層表面を1kg荷重で100往復擦り、低屈折率層表面に傷や変色のないものを良好として◎印で示し、50往復擦りでは傷や変色はないが、100往復擦りでは傷や変色があるものを可として○印で示し、50往復擦りで傷や変色のあるものを不良として×印で示して評価した。
〔鉛筆硬度試験方法〕
JISK5400に記載されている鉛筆引っかき試験の方法に準じて、ハードコートフィルムのハードコート層面の鉛筆硬度を測定した。具体的には鉛筆を45度の角度で、上から1kgの荷重を掛けて5mm程度引っかき、傷の付き具合を確認した。5回測定して3回以上傷が付かなかった鉛筆の硬度で評価した。
※3耐汚染性:
低屈折率層表面をマッキーケア極細〔ZEBRA(株)製油性マジック(商品名)〕で直径3cmの円を描き、10秒間放置し乾燥させた後に、布〔旭化成(株)製:BEMCOT M−3(商品名)〕で描いた部分を力を入れて擦り、マジックインキが擦り取れれば良好として○印で示し、擦り取ることができなければ不良として×印で示して評価した。
【0032】
表2からも明らかなように、3成分の合計を100質量部としたときに、コロイダルシリカが15.8質量部では、いずれの配合割合でも耐擦傷性(白ネル、消しゴム共)に劣り、また、DARが1.2質量部では耐汚染性に劣り、さらにまた、DPHAに対するDARの質量比が0.018では耐汚染性に劣ると共に、2.30超では耐擦傷性(白ネルおよび/ないし消しゴム)に劣る結果となった。
【0033】
【発明の効果】
以上縷々説明したように、本発明の低反射フィルムは、透明基材フィルム上に、透明導電性層、ハードコート層、および、前記ハードコート層よりも低い屈折率を有する低屈折率層を順に積層してなる低反射フィルムにおいて、前記低屈折率層が少なくとも反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体と多官能モノマーとからなる樹脂成分とコロイダルシリカとの3成分系で構成され、前記低屈折率層は前記樹脂成分とコロイダルシリカとの総量を100質量部としたときに、前記樹脂成分としての反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体が2質量部以上含有されると共に、前記コロイダルシリカが16〜50質量部含有され、前記樹脂成分は、多官能モノマーに対する反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の質量比Aが0.02≦A≦2.30の範囲と規定することにより、外光による反射を防止することができると共に防塵性においても優れることは元より、特に摩擦による擦り傷等で透明性を損なうことがない十分な耐擦傷性を有すると共に耐汚染性においても優れるという効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる低反射フィルムの一実施例を図解的に示す層構成図である。
【符号の説明】
1 低反射フィルム
2 透明基材フィルム
3 透明導電性層
4 ハードコート層
5 低屈折率層
Claims (2)
- 透明基材フィルム上に、透明導電性層、ハードコート層、および、前記ハードコート層よりも低い屈折率を有する低屈折率層を順に積層してなる低反射フィルムにおいて、前記低屈折率層が少なくとも反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体と多官能モノマーとからなる樹脂成分とコロイダルシリカとの3成分系で構成され、
前記低屈折率層は前記樹脂成分とコロイダルシリカとの総量を100質量部としたときに、前記樹脂成分としての反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体が2質量部以上含有されると共に、前記コロイダルシリカが24.3〜50質量部含有され、
前記樹脂成分は、多官能モノマーに対する反応性基をもつポリフッ化ビニリデン誘導体の質量比Aが0.05≦A≦1.55の範囲である
ことを特徴とする低反射フィルム。 - 多官能モノマーは、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートである請求項1記載の低反射フィルム。
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