JP4190219B2 - 化学的機械的研磨パッド及びその製造方法 - Google Patents

化学的機械的研磨パッド及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、金属、半導体、ガラス、セラミックス、プラスチックス等の材料からなる研磨対象物の表面を研磨するのに用いられる研磨パッド及びその製造方法に関し、特に、遊離砥粒によらず、固定砥粒により、表面に高い平滑性と平坦性が要求される半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク用ガラス基板などの板状の研磨対象物の表面を研磨するのに適した化学的機械的研磨パッド及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
表面に高い平滑性と平坦性が要求される半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク用ガラス基板などの板状の研磨対象物の表面の仕上げ研磨は、遊離砥粒により行われるのが一般的である。
【0003】
このような研磨対象物の表面の研磨は、表面にパッドを貼り付けた円盤状の定盤と、研磨対象物を保持しながらこの研磨対象物の表面を定盤上のパッドの表面に押し付けることのできる保持具と、定盤上のパッドの表面に研磨液を供給するためのノズルとから構成される既知の研磨装置(例えば、特開平9−306881号、特開2000−239651を参照)を用いて行われる。定盤は外部のモータに連結されており、このモータを駆動することによって定盤は回転する。保持具への研磨対象物の保持は、保持具の下端の平坦面にワックスなどを用いて研磨対象物を貼り付けることによって行われる。保持具は、外部のモータに連結されており、このモータを駆動することによって回転する。研磨対象物の表面の研磨は、表面にパッドを貼り付けた定盤を回転させ、定盤上のパッドの表面に、ノズルを通じて研磨液を供給する。そして、研磨対象物を保持した保持具を回転させながら、研磨対象物の表面を定盤上のパッドに押し付けて行われる。
【0004】
研磨液として、研磨粒子を懸濁したスラリーが使用され、研磨中、研磨パッドの表面と研磨対象物の表面との間に介在するスラリー中の研磨粒子が研磨対象物の表面に機械的に作用し、これにより研磨対象物の表面が研磨される。このスラリーは、水、又は水にグリコール類、アルコール類などの潤滑剤や分散剤などを加えた水ベースの分散液中に、シリカ、アルミナ、セリア、ジルコニアなどの粒子から選択される研磨粒子を懸濁させたものである。ここで、水ベースの分散液に、研磨対象物の表面と化学的に反応する薬剤(例えば、水酸化カリウム)をさらに添加した反応分散液中に研磨粒子を懸濁したスラリーを使用して、研磨対象物の表面を化学的機械的に研磨することもできる。
【0005】
パッドとして、発泡体からなるパッド(以下、これを発泡体パッドという)が使用される。これは、発泡体パッドには以下のような利点があるからである。発泡体パッドは、発泡性樹脂の原液を金型に注入し、これを発泡させて発泡体からなるブロックを成形し、これを所定の厚さにスライスして製造される。発泡体パッドの内部には、発泡時に発生した気泡が分散して配置されるので、研磨対象物の表面を発泡体パッドの表面に押し付けた際、発泡体パッドの弾力性により、スラリー中の研磨粒子が研磨対象物の表面に弾力的に作用させることができる、という利点がある。また、発泡体パッドの表面には、発泡体のブロックをスライスした際に形成される気泡からなる凹部が分散して配置されるので、研磨を行いながら研磨クズを発泡体パッドの表面の凹部に取り込める、という利点もある。発泡体パッドとして、発泡ポリウレタンパッドが広く使用される。
【0006】
しかし、研磨中に発生した研磨クズが発泡体パッドの表面の凹部に取り込まれることにより発泡体パッドの表面が目詰まりするので、ダイヤモンド砥石などを使用して、定期的に発泡体パッドの表面部分を研削するドレス作業を行わなければならず、この作業に手間がかかる。また、上記したようなスラリーは、容器に入れて保管されるので、長時間保管すると、スラリー中の研磨粒子が凝集し沈降する。このため、使用直前に、超音波などを利用して、スラリー中に凝集した研磨粒子を分解する作業を行う必要があり、この作業に設備コストと手間がかかる。さらに、ノズルを通じてスラリーを供給するので、ノズルの内壁に付着したスラリー中の研磨粒子の洗浄に手間がかかる。
【0007】
このため、上記のような遊離砥粒による研磨に代えて、固定砥粒による研磨が試行された。この固定砥粒による研磨では、研磨液として、研磨粒子を懸濁したスラリーに代えて、水或いは水ベースの水溶液又は研磨対象物の表面と化学的に反応する薬剤をさらに添加した反応液を使用し、パッドとして、研磨粒子を固定した発泡体パッドを使用して行われた。また、この固定砥粒による研磨は、上記した遊離砥粒による研磨に使用した研磨装置を使用して行われた。この研磨では、上記した遊離砥粒による研磨のように研磨粒子を懸濁したスラリーを使用しないので、スラリー中に凝集した研磨粒子を分解する作業やその設備が不要となり、またスラリー供給用のノズルなどの洗浄も容易となり、作業環境が向上した。しかし、この固定砥粒による研磨では、上記した遊離砥粒による研磨よりも研磨力が著しく低下(ほぼ半分以下に低下)し、生産性(スループット)が低下した。また、上記した遊離砥粒による研磨と同様に、発泡体パッドの表面が目詰まりするので、定期的にドレス作業を行わなければならなかった。
【0008】
そこで、生産性を向上するため、近年、研磨粒子だけでなく、研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性のアルカリ粒子を発泡体にさらに固定したパッドが提案された(“KOHを含有したシリカ入り研磨パッドの加工特性”、東京大学生産技術研究所:高綺、谷泰弘、柳原聖、2002年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、475頁を参照)。このパッドは、研磨対象物の表面に機械的に作用するシリカ粒子(研磨粒子)と、研磨液中に溶け出して研磨対象物の表面と化学的に反応する水酸化カリウム粒子(水溶性アルカリ粒子)とを発泡ポリウレタンに固定したものであり、研磨粒子を懸濁したスラリーを使用せずに、固定砥粒により研磨対象物の表面を化学的機械的に研磨するものである。また、このパッドを使用すると、研磨対象物の表面を研磨しながら、パッドの表面部分も削除されるので、このパッドには“セルフドレス作用”(又は“自己切刃作用”)があることが見出された。すなわち、このパッドに固定される研磨粒子と研磨中にパッドから溶け出される水溶性アルカリ粒子との相乗効果により、上記したドレス作業にかかる手間が低減された。このパッドは、研磨液として水を使用しても研磨対象物の表面を化学的機械的に研磨できるので、化学的機械的研磨パッド又はCMPパッドと呼ばれる(ここで、“CMP”は“Chemical Mechanical Polishing”の略称である)。
【0009】
この化学的機械的研磨パッドは、水酸化カリウム粒子とシリカ粒子とを発泡ポリウレタンの原液中に混入し、これを発泡させて製造される。すなわち、ポリエステルと活性化剤とを混合し、攪拌しながら、これにトリレンジイソシアネートを加え、これに水酸化カリウム粒子とシリカ粒子とを混入し、これを発泡させて製造される。
【0010】
しかし、水酸化カリウム粒子には高い吸水性があるため、水酸化カリウム粒子を発泡性樹脂の原液中に混入すると、水酸化カリウム粒子に吸着した水分が発泡樹脂の原液中のイソシアネートと反応して二酸化炭素を過剰に発生するので、発泡体中に気泡を均一に形成できない、という問題がある。また、発泡樹脂の原液中に水酸化カリウム粒子を投入すると、発泡樹脂の原液がゲル化し、発泡体を成形できないことがある。
【0011】
また、研磨中、水酸化カリウム粒子が研磨液と接触し、水酸化カリウムが高い溶出速度で溶け出し、研磨を開始した直後から、研磨力が極端に低下(半分以下に低下)し、高い研磨力を長時間維持できない、という問題がある。
【0012】
したがって、本発明の目的は、研磨中、研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性アルカリ粒子が研磨液と接触し、溶け出して、研磨対象物の表面を化学的機械的に研磨する発泡体ベースの化学的機械的研磨パッドにおいて、発泡体中に気泡を均一に形成でき、研磨液中への水溶性アルカリ粒子の溶出速度を低くした化学的機械的研磨パッド及びその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決する手段】
本発明は、研磨対象物の表面に機械的に作用する研磨粒子を発泡体に固定した発泡体ベースの化学的機械的研磨パッド及びその製造方法であり、上記目的を達成するため、研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性アルカリ粒子に保護膜が形成されて成る反応粒子を上記の発泡体にさらに固定したもので、前記反応粒子は、前記水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理するか又は耐アルカリ性の樹脂でコーティングすることで前記保護膜が形成されて成ることを特徴とするものである。
【0014】
研磨対象物の表面の研磨は、本発明の化学的機械的研磨パッドの表面に、研磨液を供給し、研磨対象物の表面を押し付けながら、本発明の化学的機械的研磨パッドと研磨対象物とを相対的に移動させることによって行われる。ここで、研磨液として、水、又は水にグリコール類、アルコール類などを添加した水ベースの水溶液が使用される。また、研磨液として、研磨対象物の表面と化学的に反応する薬剤をさらに添加した反応液を使用してもよい。
【0015】
本発明に従うと、研磨中、発泡体の表面部分にある反応粒子が研磨対象物の表面と機械的に接触して、反応粒子の保護膜が剥離され、その内側にある水溶性アルカリ粒子が研磨液と接触し、水溶性アルカリ粒子が研磨液中に徐々に溶かし出される。また、本発明の化学的機械的研磨パッドに固定される研磨粒子と研磨中に本発明の化学的機械的研磨パッドから徐々に溶け出される水溶性アルカリ粒子との相乗効果により、研磨対象物の表面を研磨しながら、本発明の化学的機械的研磨パッドの表面部分も徐々に削除される。
【0016】
水溶性アルカリ粒子として、水酸化カリウム粒子が使用される。耐アルカリ性の樹脂として、スチレン系又はポリビニル系の樹脂が使用される。
【0017】
発泡体は、発泡ポリウレタンであり、研磨粒子として、球形又は不定形のシリカ粒子が凝集した凝集シリカ粒子が使用される。
【0018】
上記本発明の化学的機械的研磨パッドの製造は、まず、水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理することによって、又は水溶性アルカリ粒子の表面に耐アルカリ性の樹脂をコーティングすることによって、水溶性アルカリ粒子の表面に保護膜を形成し、反応粒子を製造する。
【0019】
次に、この反応粒子と、研磨粒子とを発泡性樹脂溶液中に混入し、これを発泡させて、これら研磨粒子及び反応粒子を発泡体に固定することによって製造される。好適に、この発泡は、金型を使用して行われ、この金型で発泡体のブロックを成形し、このブロックを所定の厚さにスライスして本発明の化学的機械的研磨パッドが製造される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態は、本発明の化学的機械的研磨パッドを用いて、表面に高い平滑性と平坦性が要求される半導体ウエハ、半導体デバイスウエハ、磁気ディスク用ガラス基板などの板状の研磨対象物の表面を仕上げ研磨する。
【0021】
<研磨パッド> 図1に示すように、本発明の化学的機械的研磨パッド10は、研磨粒子13、反応粒子14、及びこれら粒子13、14を固定した発泡体11から構成される。
【0022】
研磨粒子13として、アルミナ、シリカ、ダイヤモンドなどから選択される平均粒径0.01μm〜10μmの範囲にある粒子が使用される。好適に、不定形又は球形のシリカ粒子が凝集した凝集シリカ粒子が使用される。研磨粒子13は、研磨対象物の表面に機械的に作用する。また、この研磨粒子13は、発泡体11に固定されているので、研磨対象物の表面に弾力的に作用する。
【0023】
反応粒子14は、研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性アルカリ粒子に保護膜が形成されて成るものであり、この保護膜は、水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理することによって、又は水溶性アルカリ粒子の表面に耐アルカリ性の樹脂をコーティングすることによって形成した保護膜から構成される。水溶性アルカリ粒子として、シリコンやガラスと化学的に反応する水酸化カリウム粒子が使用される。耐アルカリ性の樹脂として、スチレン系又はポリビニル系の樹脂が使用される。
【0024】
発泡体11は、好適に、発泡ポリウレタンである。図1には、発泡体11に形成される気泡12として、独立気泡が示されるが、発泡体11に形成される気泡は、連続気泡であってもよい。
【0025】
<製造方法> 本発明の研磨パッドを製造する。
【0026】
反応粒子を製造する。水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理することによって、又は水溶性アルカリ粒子の表面にスチレン系又はポリビニル系の樹脂をコーティングすることによって水溶性アルカリ粒子の表面に保護膜を形成する。ここで、シランカップリング剤での処理は、シランカップリング剤を添加したエーテルなどの有機溶剤に水溶性アルカリ粒子を分散させることによって行われる。また、スチレン系又はポリビニル系の樹脂のコーティングは、水溶性アルカリ粒子を乾燥気流中で流動させ、これに、揮発性溶剤にスチレン系又はポリビニル系の樹脂を溶かした樹脂溶液を噴霧することによって行われる。
【0027】
次に、この反応粒子と研磨粒子とを発泡性樹脂の原液中に混入し、これを金型に注入して発泡体のブロックを成形し、この発泡体ブロックを所定の厚さにスライスして本発明の化学的機械的研磨パッドが製造される。好適に、発泡性樹脂の原液として、発泡ポリウレタンの原液が使用され、ポリエステルと活性化剤とを混合攪拌し、これにトリレンジイソシアネート(TDI)を加えたものに、反応粒子と研磨粒子とを混入し、これを金型に注入して発泡させ、反応粒子と研磨粒子とを固定した発泡ポリウレタンのブロックを成形し、これをスライスする。ここで、水溶性アルカリ粒子の表面には保護膜が形成されているので、水溶性アルカリ粒子に水分が吸着されにくく、また水溶性アルカリ粒子がトリレンジイソシアネートに直接接触しない。
【0028】
<研磨方法> 図1に示す本発明の化学的機械的研磨パッド10を使用して、板状の研磨対象物の表面を仕上げ研磨する。研磨対象物の表面の仕上げ研磨は、図2に示す研磨装置20を使用して行われる。この研磨装置10は、遊離砥粒による研磨に使用される研磨装置と同一の構成であり、この装置を本発明に従った固定砥粒による研磨に使用する。まず、外部のモータ(図示せず)に連結され、このモータを駆動することによって矢印Rの方向に回転可能の円盤状の定盤21上に本発明の化学的機械的研磨パッド10を貼り付ける。次に、外部のモータ(図示せず)に連結され、このモータを駆動することによって矢印rの方向(矢印Rと同一の方向)に回転可能の保持具22の下端の平坦な表面に、ワックスなどを用いて、研磨対象物Wを貼り付け、保持具22に研磨対象物Wを保持する。次に、定盤21を矢印Rの方向に回転させ、定盤21上の本発明の化学的機械的研磨パッド10の表面に、ノズル23を通じて研磨液を供給する。そして、保持具22を矢印rの方向に回転させ、保持具22を下方へ移動させ、定盤21上の本発明の化学的機械的研磨パッド10の表面に研磨対象物Wの表面を押し付ける。これにより、研磨対象物Wの表面の仕上げ研磨が行われる。ここで、研磨液として、水、又は水にグリコール類、アルコール類などを添加した水ベースの水溶液を使用してもよいし、またシリコンやガラスと化学的に反応する水酸化カリウムをさらに添加した反応液を使用してもよい。
【0029】
<実施例> 実施例の化学的機械的研磨パッドを製造した。平均粒径20μmの水酸化カリウム粒子(2.7重量%)の表面をシランカップリング剤(4.0重量%)で処理して水酸化カリウム粒子の表面に保護膜を形成した。次に、この水酸化カリウム粒子と、平均粒径5μmの凝集シリカ粒子(25重量%)とを発泡ポリウレタンの原液中に混入し、これを金型に注入し、これを発泡させて、発泡ポリウレタンのブロック(気泡率12.8体積%)を成形した。このブロックをスライスして、実施例の化学的機械的研磨パッドを製造した。
【0030】
<比較例> 比較例の化学的機械的研磨パッドを製造した。比較例の研磨パッドは、水酸化カリウム粒子の表面をシランカップリング剤で処理しない以外は、上記実施例の研磨パッドと同様である。すなわち、平均粒径20μmの水酸化カリウム粒子(2.7重量%)と、平均粒径5μmの凝集シリカ粒子(25重量%)とを発泡ポリウレタンの原液中に混入し、これを金型に注入し、これを発泡させて、発泡ポリウレタンのブロック(気泡率12.8体積%)を成形した。このブロックをスライスして、比較例の化学的機械的研磨パッドを製造した。
【0031】
<比較試験> 上記実施例及び比較例の化学的機械的研磨パッドを使用して、3インチシリコンウエハの表面を仕上げ研磨し、研磨後のシリコンウエハの平均表面粗さ(Ra)と、研磨量(研磨力)について調べた。なお、研磨前のシリコンウエハの平均表面粗さは約0.2μmであった。
【0032】
シリコンウエハの表面の仕上げ研磨は、図2に示す研磨装置を使用し、下記の表1に示す研磨条件で行った。
【表1】
Figure 0004190219
【0033】
<試験結果> 上記実施例と比較例の化学的機械的研磨パッドを使用してシリコンウエハの表面を仕上げ研磨(研磨時間:20分)した後の平均表面粗さは、上記実施例も比較例もほぼ同一であり、約1.5nmであった。
【0034】
また、上記実施例と比較例の化学的機械的研磨パッドを使用した研磨量は下記の表2に示すとおりであった。
【表2】
Figure 0004190219
【0035】
表2に示すように、実施例では、水酸化カリウム粒子(水溶性アルカリ粒子)の表面に保護膜が形成されているので、水酸化カリウムが研磨液中に比較的ゆっくりと安定して溶け出すことから、比較的高い研磨力で比較的安定していることがわかる。
【0036】
【発明の効果】
本発明が以上のように構成されるので、研磨中、研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性アルカリ粒子が研磨液と接触し、溶け出して、研磨対象物の表面を化学的機械的に研磨する発泡体ベースの化学的機械的研磨パッドにおいて、発泡体中に気泡を均一に形成できる、という効果を奏するものである。また、研磨液中への水溶性アルカリ粒子の溶出速度が低いので、高い研磨力を長時間維持できる、という効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の研磨パッドの断面図である。
【図2】図2は、本発明を実施する研磨装置の斜視図である。
【符号の説明】
10・・・研磨パッド
11・・・発泡体
12・・・気泡
13・・・研磨粒子
14・・・反応粒子
20・・・研磨装置
21・・・定盤
22・・・保持具
23・・・ノズル
R・・・定盤回転方向
r・・・保持具回転方向
W・・・研磨対象物

Claims (6)

  1. 研磨対象物の表面と化学的に反応する水溶性アルカリ粒子に保護膜が形成されて成る反応粒子と
    研磨対象物の表面に機械的に作用する研磨粒子
    前記反応粒子及び前記研磨粒子を固定した発泡体と、を備えてなる化学的機械的研磨パッドであって、
    前記反応粒子は、前記水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理するか又は耐アルカリ性の樹脂でコーティングすることで前記保護膜が形成されて成ることを特徴とする化学的機械的研磨パッド
  2. 前記水溶性アルカリ粒子として、水酸化カリウム粒子が使用される、請求項1の化学的機械的研磨パッド。
  3. 前記耐アルカリ性の樹脂として、スチレン系又はポリビニル系の樹脂が使用される、請求項1の化学的機械的研磨パッド。
  4. 前記研磨粒子として、凝集シリカ粒子が使用される、請求項1の化学的機械的研磨パッド。
  5. 前記発泡体が、発泡ポリウレタンである、請求項1の化学的機械的研磨パッド。
  6. 請求項1の化学的機械的研磨パッドを製造するための方法であって、
    前記水溶性アルカリ粒子の表面をシランカップリング剤で処理することによって、又は前記水溶性アルカリ粒子の表面に耐アルカリ性の樹脂をコーティングすることによって、前記水溶性アルカリ粒子の表面に前記保護膜を形成し、前記反応粒子を製造する工程、及び
    前記反応粒子と、前記研磨粒子とを発泡性樹脂の原液中に混入し、これを発泡させて、これら研磨粒子及び反応粒子を前記発泡体に固定する工程、
    を含む方法。
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