JP4190110B2 - 内燃機関のノッキング検出装置 - Google Patents

内燃機関のノッキング検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関に発生したノッキングを検出するノッキング検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、内燃機関のノッキング検出装置では、内燃機関の振動を圧電素子等からなる振動検出用の検出素子を用いて検出する。そして、検出素子からの検出信号を、ノッキング周波数成分を通過させるフィルタ回路に通すことにより、ノック判定可能な検出信号に変換し、その変換後の検出信号とノック判定用のしきい値とを比較して、検出信号がしきい値よりも大きいときに、内燃機関がノッキングが発生したと判定する。
【0003】
また、検出素子から出力される検出信号には、ノッキングにより内燃機関に発生した振動成分以外にも、例えば、内燃機関の給・排気弁の弁座への着座による振動等、内燃機関に発生した各種振動成分がバックグランドノイズとして重畳されており、フィルタ回路では、こうしたバックグランドノイズを完全に除去することができないことから、従来では、ノック判定用のしきい値を、このバックグランドノイズを含む検出信号に基づき設定している。
【0004】
つまり、従来のノッキング検出装置では、通常、フィルタ回路を通過した検出信号を積分処理することにより、バックグランドノイズの信号レベルを求め、これに、予め設定されたオフセット値を加えたり、或いは、所定の増幅率(ゲイン)で増幅することにより、ノック判定用のしきい値を生成している(例えば、特公昭56−636号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、こうした従来のノッキング検出装置では、バックグランドノイズとして求められる信号レベルが、検出信号の平均値であるため、ノッキングによって発生した振動は勿論のこと、給・排気弁の着座によって一時的に生じる振動に対しても極めて低いものとなってしまい、しきい値の信号レベルは、積分処理により求めたバックグランドノイズの信号レベルに加えるオフセット値や、その信号レベルを増幅する際のゲインで決まってしまうという問題があった。つまり、従来のノッキング検出装置では、検出信号に重畳されているバックグランドノイズがノック判定用のしきい値に与える影響は極めて少ないものとなっている。
【0006】
この結果、従来のノッキング検出装置では、例えば、内燃機関自体の振動或いは内燃機関が周囲から受ける振動等によって、内燃機関に一時的な異常振動が発生した場合に、その異常振動成分をノック判定用のしきい値に反映させることができず、ノッキングを誤判定してしまうという問題があった。また、こうした誤判定を防止するためには、しきい値設定用のオフセット値やゲインを大きくすればよいが、これらのパラメータを大きくすると、今後は、内燃機関の通常運転時のノッキングの検出感度が低下してしまうことになる。
【0007】
このため、従来のノッキング検出装置において、通常時のノッキングの検出感度を低下させることなく、ノッキングの誤判定を防止できるようにするには、内燃機関を車両等に実際に搭載して各種条件で運転するか、或いはその運転をコンピュータを用いてシミュレーションすることにより、各内燃機関毎に、しきい値設定用のパラメータ(オフセット値やゲイン)を適合させる必要があり、ノッキング検出装置の設計が極めて面倒であるという問題があった。
【0008】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、内燃機関のノッキング検出装置において、ノック判定用のしきい値を、簡単な操作で、検出感度及び検出精度を共に確保できる最適値に設定できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
かかる目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、内燃機関に発生する振動を検出する検出素子と、前記検出素子からの出力を信号処理する信号処理手段と、前記信号処理手段の出力に基づいて、前記内燃機関でノッキングが発生していることを判定するノック判定手段と、前記ノック判定手段におけるノッキングの判定を許可するノック判定許可手段とを備えた内燃機関のノッキング検出装置であって、前記ノック判定手段は、前記ノック判定許可手段がノッキングの判定を許可するノック判定期間を除く期間中、前記信号処理手段からの出力のピーク値を出力するピーク値出力手段と、前記ピーク値出力手段の出力を積分し、該積分値に基づくしきい値を出力するピーク値積分手段を有し、前記信号処理手段からの出力と前記しきい値とを比較し、前記信号処理手段からの出力が、前記しきい値よりも高いときに、ノッキングが発生していると判定することを特徴とする。
【0010】
このように、本発明のノック判定手段においては、ピーク値出力手段が、ノック判定許可手段がノッキングの判定を許可するノック判定期間を除く期間中、信号処理手段からの出力のピーク値を出力し、ピーク値積分手段が、このピーク値出力手段の出力を積分した積分値に基づくしきい値を出力する。そして、ノック判定手段は、信号処理手段からの出力としきい値とを比較して、信号処理手段からの出力がしきい値よりも高いときに、内燃機関にノッキングが発生していると判定する。
【0011】
つまり、本発明のノッキング検出装置においては、従来装置のように、信号処理手段からの出力を単に積分処理するのではなく、ノック判定期間を除く期間中、信号処理手段からの出力のピーク値を求め、これを積分処理することにより、ノック判定手段にてノッキングの判定に使用するしきい値を設定している。
【0012】
このため、本発明によれば、ノック判定用のしきい値が、ノック判定期間以外の期間に発生したバックグランドノイズのピーク値に対応した電圧値を用いて設定されることになり、その値は、従来装置に比べて、信号処理手段からの出力に重畳されたバックグランドノイズをより反映させたものとなる。
従って、ノック判定手段が、このしきい値を用いてノック判定を行うことにより、内燃機関に発生したノッキングを、精度よく、しかも、検出感度を低下させることことなく、良好に検出できるようになる。
なお、本発明において、ピーク値出力手段が信号処理手段からの出力のピーク値を出力する期間を、ノック判定期間を除く期間にしているのは、ノック判定期間中にも、ピーク値出力手段がピーク値を出力するようにすると、ノック判定用のしきい値が、ノッキングによる振動成分によって更新されてしまい、ノッキングの検出精度が低下する虞があるためである。
つまり、本発明では、ピーク値出力手段をこのように構成することにより、ノック判定用のしきい値の基準値となるピーク値がノック判定中に変動するのを防止し、ノッキングの検出精度を向上している。
【0013】
また、ノック判定用のしきい値は、内燃機関に実際に発生したバックグランドノイズを反映した値となるため、従来のように、しきい値を内燃機関固有の特性に適合させるために、実験やシミュレーションを繰り返す必要がなく、しきい値設定用の回路パラメータを決定する際の設計作業が楽になり、また、ノッキング検出装置自体は、汎用性が高く、各種内燃機関にて使用できることになる。
【0014】
ここで、ノック判定手段は、ノック判定許可手段からの許可を受けてノック判定を行うが、このための具体的構成としては、例えば、請求項2記載のように、ノック判定許可手段がノッキングの判定を許可するゲート信号を出力し、ノック判定手段がそのゲート信号を受けて動作するように構成するとよい。そして、ノック判定許可手段及びノック判定手段をこのように構成すれば、ノック判定手段によるノック判定の実行・非実行をゲート信号にて簡単に切り換えることができることになる。
【0015】
また、信号処理手段は、検出素子からの出力を信号処理するものであるが、検出素子からの出力には、内燃機関に発生したノッキングに伴う信号成分に加えて、内燃機関の他の振動成分や、外部から入力されるノイズ成分等も含まれることから、信号処理手段としては、請求項3に記載のように、前記検出素子からの出力の内、内燃機関に発生するノッキング特有の周波数成分を通過させ出力するように構成するとよい。つまり、信号処理手段をこのように構成すれば、ノッキング判定手段に対して、内燃機関に発生したノッキングに対応した信号成分のみを入力できることになり、ノッキング判定手段によるノッキングの判定精度を向上できる。
【0016】
一方、ノック判定手段を構成するピーク値出力手段としては、請求項4に記載のように、信号処理手段からの出力にてコンデンサを充電するピークホールド回路と、そのコンデンサに充電された電荷を所定の時定数で放電させる放電回路とから構成し、コンデンサの電圧値をピーク値として出力するようにするとよい。つまり、検出素子からの出力は、内燃機関の振動に応じて常時変動しているが、ピーク値出力手段をこのように構成すれば、ピークホールド回路と放電回路とにより充放電されるコンデンサの電圧が、検出素子からの出力のピークに応じて変化することになり、そのピーク値に対応した出力が簡単に得られるようになる。
【0017】
そして、ピーク値出力手段を請求項4に記載のように構成し、更に、ノック判定許可手段がノッキングの判定を許可するゲート信号を出力し、ノック判定手段がゲート信号を受けて動作するように構成する際(換言すればノック判定許可手段及びノック判定手段を請求項2に記載のように構成する際)には、請求項5に記載のように、ピーク値出力手段に、ノック判定手段が動作する期間中、ピークホールド回路への入力を、信号処理手段の出力からコンデンサの電圧値に切り替える切替回路を設けるとよい。
【0020】
つまり、ピーク値出力手段をこのように構成すれば、コンデンサの電圧値が内燃機関のノッキングによる振動成分によって変動することはない。
【0021】
よって、請求項5記載のノッキング検出装置によれば、ノック判定用のしきい値の基準値となるピーク値がノック判定中に変動するのを防止して、ノッキングの検出精度を向上することが可能となる。
また次に、ピーク値出力手段を請求項4に記載のように構成した場合、ノック判定用のしきい値を設定するピーク値積分手段としては、請求項6に記載のように、ピーク値出力手段の放電回路の時定数よりも大きな時定数にて、ピーク値出力手段の出力を積分し、この積分値を、ノック判定用のしきい値として出力するように構成するとよい。
【0022】
つまり、ピーク値出力手段を請求項4に記載のように構成した際には、コンデンサが、ピークホールド回路の動作によって信号処理手段からの出力に応じて充電されると共に、放電回路の動作によって所定の時定数で放電させる。このため、ピーク値積分手段にて、ピーク値出力手段からの出力を積分する際の時定数を、ピーク値出力手段を構成する放電回路の時定数よりも小さくすると、ピーク値出力手段からの出力が放電回路の動作によって減少しているときには、ピーク値積分手段からの出力もそれに応じて減少してしまうことになり、安定したしきい値を生成できない虞がある。
【0023】
そこで、請求項6に記載のノッキング検出装置においては、ピーク値積分手段の積分時定数を、放電回路の放電時定数よりも大きい値に設定することで、ノック判定用のしきい値を安定して設定できるようにしているのである。従って、請求項6に記載のノッキング検出装置によれば、内燃機関に発生したノッキングをより高精度に検出することができる。
【0024】
ところで、ピーク値積分手段を請求項6に記載のように構成した場合、ノッキングの検出感度は、ピーク値積分手段の時定数と、ピーク値出力手段側の放電回路の時定数とで決まり、検出感度を微調整することは難しい。
そこで、ピーク値積分手段としては、請求項7に記載のように、ピーク値出力手段からの出力を積分した積分値を更に増幅するか、或いは、その積分値に所定のオフセット値を加える補正処理を行い、その補正処理後の信号をしきい値として出力するように構成するか、或いは、更に、請求項8に記載のように、ピーク値積分手段が補正処理を行う際の増幅率或いはオフセット値を調整できるように構成するとよい。つまり、このようにすれば、しきい値の信号レベルを補正処理を行う際の増幅率或いはオフセット値にて微調整できることから、検出感度の調整を容易に行えることになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1は、本発明が適用された実施例のノッキング検出装置全体の構成を表す回路図である。
【0026】
図1に示す如く、本実施例のノッキング検出装置は、図示しない内燃機関の振動を検出する、圧電素子からなる検出素子2を備える。検出素子2は、点火プラグの内燃機関への取付部分に装着されて、内燃機関の振動(換言すれば筒内圧)に応じた検出信号を発生する、所謂筒内圧センサからなる。そして、検出素子2からの検出信号は、チャージアンプ6にて電圧信号に変換された後、バンドパスフィルタ若しくはハイパスフィルタからなるフィルタ回路8に入力される。
【0027】
フィルタ回路8は、本発明(請求項1,請求項3)の信号処理手段に相当するものであり、チャージアンプ6を介して入力される検出信号S1(図2参照)の内、内燃機関に発生するノッキング特有の周波数成分を通過させる。そして、フィルタ回路8を通過した検出信号S2(図2参照)は、ノック判定回路10及び判定レベル設定回路20に入力される。尚、ノック判定回路10及び判定レベル設定回路20は、本発明(請求項1)のノック判定手段に相当するものであり、その内、判定レベル設定回路20は、本発明(請求項1)のピーク値出力手段及びピーク値積分手段として機能する。
【0028】
また、本実施例のノッキング検出装置には、内燃機関に設けられた図示しないクランク角センサから出力される回転信号(詳しくは、所定クランク角度毎に出力されるクランク角信号、及び、内燃機関が所定クランク角度になったときに出力される基準クランク角信号)を受けて、内燃機関にノッキングが発生してノック判定を行うべき期間(ノック判定期間)を設定し、そのノック判定期間中、ノック判定を許可するゲート信号Sg(図2参照)を出力する、ゲート信号生成回路12が備えられている。尚、ゲート信号生成回路12は、本発明(請求項1,請求項2,請求項5)のノック判定許可手段に相当する。
【0029】
ノック判定回路10は、フィルタ回路8から入力される検出信号S2と判定レベル設定回路20から入力されるノック判定レベルVth(換言すればしきい値)とを比較するコンパレータと、ゲート信号生成回路12で生成されたゲート信号Sgを受けて、コンパレータからの出力をノッキングの有無を表すノック検出信号Snとして出力するゲート回路とから構成されている。尚、ノック判定回路10からは、ゲート信号Sgが入力されるノック判定期間中に、検出信号S2がノック判定レベルVthを越えた際に、内燃機関にノッキングが発生したものとして、その旨を表すノック検出信号が出力される。
【0030】
一方、判定レベル設定回路20においては、フィルタ回路8からの検出信号S2が、切換回路としてのマルチプレクサ22に入力される。マルチプレクサ22は、後段のピークホールド回路24に対して、フィルタ回路8から入力された検出信号S2を入力するか、或いは、抵抗R0及びバッファ回路(オペアンプOP1からなる)を介して入力されるピークホールド用コンデンサ(以下単にコンデンサという)C1の電圧値Vc(図2参照)を入力するかを切り換えるためのものであり、ゲート信号生成回路12からのゲート信号Sgを受けて動作する。
【0031】
即ち、マルチプレクサ22は、本発明(請求項5)の切替回路として機能し、ゲート信号生成回路12からゲート信号Sgが入力されるノック判定期間中には、コンデンサC1の電圧値Vcを、後段のピークホールド回路24に入力し、ゲート信号Sgが入力されないとき(ノック判定期間以外のとき)には、検出信号S2を、後段のピークホールド回路24に入力する。
【0032】
ピークホールド回路24は、マルチプレクサ22からの入力信号(検出信号S2又はコンデンサC1の電圧値Vc)にてコンデンサCP1を充電することにより、コンデンサCP1に検出信号S2のバックグランドノイズのピーク値に対応した電荷を充電するものであり、信号入力用の抵抗R1と、信号入力用のバッファ回路を構成するオペアンプOP1と、入力信号(詳しくは検出信号S2)を整流(換言すれば検波)することにより、グランド電位に対して正電位の信号成分のみを取り出すダイオードD1と、オペアンプOP1及びダイオードD1を介して入力される入力信号によりコンデンサC1を充電する充電用の抵抗R2とから構成されている。
【0033】
尚、充電用の抵抗R2の抵抗値は、コンデンサC1との間で時定数の大きな積分回路を構成することのないよう(換言すれば、コンデンサC1に入力信号のピーク値に対応した電荷を充電できるようにするために)、小さな値に設定されている。
【0034】
また、コンデンサC1には、ピークホールド回路24の動作によって充電された電荷を、コンデンサC1の容量と自己の抵抗値で決まる一定の時定数で放電させる、放電回路としての抵抗R3が並列接続されている。そして、このコンデンサC1の電圧値Vcは、抵抗R0及びオペアンプOP0(バッファ回路)を介してマルチプレクサ22に出力されると共に、オペアンプOP2及び整流用のダイオードD2からなるバッファ回路を介して、積分回路26に入力される。
【0035】
尚、マルチプレクサ22からバッファ回路を構成するオペアンプOP2及びダイオードD2迄の上記各部は、本発明(請求項1,請求項4,請求項5)のピーク値出力手段として機能する。
次に、積分回路26は、抵抗R4とコンデンサC2とからなる周知のものであり、その時定数は、抵抗R3がコンデンサC1に蓄積された電荷を放電させる際の放電時定数よりも大きい値に設定されている。そして、積分回路26による積分値(コンデンサC2の電圧値Vc)は、増幅回路28にて増幅された後、ノック判定レベルVth(図2参照)として、ノック判定回路10に出力される。尚、積分回路26を構成する電荷蓄積用のコンデンサC1には、増幅回路28への入力を安定化させるために抵抗値の大きな抵抗R5が並列接続されている。また、増幅回路28には、その増幅率(ゲイン)を、例えば、1.2〜1.5の範囲で段階的に切り換えるための、ゲイン調整回路30が設けられ、ゲインを調整できるようにされている。
【0036】
尚、積分回路26及び増幅回路28は、本発明(請求項1,請求項6〜請求項8)のピーク値積分手段に相当する。
以上説明したように、本実施例のノッキング検出装置において、判定レベル設定回路20にてノック判定レベルVthを生成するに当たっては、まず、ノック判定期間を除く期間中、ピークホールド回路24にて、検出信号S2のピーク値に対応した電荷をコンデンサC1に充電すると共に、その充電電荷を一定の時定数にて放電させることにより、コンデンサC1の電圧値Vcを、内燃機関の振動成分の内のノック判定期間以外の期間に発生したバックグランドノイズのピーク値に対応した電圧値に制御する(図2参照)。そして、この電圧値Vcを、更に、積分回路26で積分処理し、更にその積分処理後の信号を増幅回路28にて更に増幅することにより、ノック判定レベルVthを設定する(図2参照)。
【0037】
このため、本実施例のノッキング検出装置によれば、ノック判定レベル(しきい値)Vthを、検出信号V2に重畳されたバックグランドノイズ(バルブ着座による振動等)に対応させることができ、ノック判定回路10によるノック判定を、高精度に、しかも、検出感度を低下させることことなく、良好に行うことができるようになる。
【0038】
また、ノック判定レベルVthが、ノッキング成分以外のノイズ成分(換言すればバックグランドノイズ)に対応するため、従来のように、ノック判定レベル(しきい値)を内燃機関固有の特性に適合させるために、実験やシミュレーションを繰り返す必要がなく、ノッキング検出装置の設計を効率よく行うことが可能になる。また、ノッキング検出装置の汎用性を高め、同じノッキング検出装置を各種内燃機関にて使用できることになる。
【0039】
また特に本実施例では、積分回路26を用いた積分処理後の信号を増幅する増幅回路28を、ゲイン調整回路30によって利得調整可能な増幅回路として構成しているため、ノック判定レベルVthの微調整についても、簡単に行うことができる。
【0040】
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなっく種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施例では、コンデンサC1の電圧値Vcを積分回路26にて積分処理した後、増幅回路28にて増幅するものとして説明したが、積分回路26の積分時の時定数や放電回路を構成する抵抗R3の抵抗値等で決まる放電時の時定数の設定によっては、増幅回路28のような補正回路を不要にすることもできる。また、増幅回路28の代わりに、積分回路26からの出力値(電圧)に所定のオフセット値(電圧)を加える加算回路を設け、この加算回路を用いて、ノック判定レベルVthを微調整できるようにしてもよいし、この加算回路と増幅回路28との両方を用いて、積分回路26からの出力を補正するようにしてもよい。
【0041】
また、本実施例では、内燃機関の振動を検出する検出素子2として、点火プラグに装着されて、気筒内の圧力を検出する筒内圧センサを用いるものとして説明したが、内燃機関の壁面に直接装着されて、内燃機関の振動を検出する振動センサ(所謂ノックセンサ)を用いるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例のノッキング検出装置全体の構成を表す回路図である。
【図2】 実施例のノッキング検出装置各部の信号波形を表すタイムチャートである。
【符号の説明】
2…検出素子、6…チャージアンプ、8…フィルタ回路、10…ノック判定回路、12…ゲート信号生成回路、20…判定レベル設定回路、22…マルチプレクサ、24…ピークホールド回路、26…積分回路、28…増幅回路、30…ゲイン調整回路、C1…コンデンサ、R3…抵抗。

Claims (8)

  1. 内燃機関に発生する振動を検出する検出素子と、
    前記検出素子からの出力を信号処理する信号処理手段と、
    前記信号処理手段の出力に基づいて、前記内燃機関でノッキングが発生していることを判定するノック判定手段と、
    前記内燃機関の回転に同期して前記ノック判定手段におけるノッキングの判定を許可するノック判定許可手段と、
    を備えた内燃機関のノッキング検出装置であって、
    前記ノック判定手段は、
    前記ノック判定許可手段がノッキングの判定を許可するノック判定期間を除く期間中、前記信号処理手段からの出力のピーク値を出力するピーク値出力手段と、
    前記ピーク値出力手段の出力を積分し、該積分値に基づくしきい値を出力するピーク値積分手段を有し、
    前記信号処理手段からの出力と前記しきい値とを比較し、前記信号処理手段からの出力が、前記しきい値よりも高いときに、ノッキングが発生していると判定することを特徴とする内燃機関のノッキング検出装置。
  2. 前記ノック判定許可手段は、ノッキングの判定を許可するゲート信号を出力し、前記ノック判定手段は、前記ゲート信号を受けて動作することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  3. 前記信号処理手段は、前記検出素子からの出力の内、内燃機関の発生するノッキング特有の周波数成分を通過させ出力することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  4. 前記ピーク値出力手段は、
    前記信号処理手段からの出力にてコンデンサを充電するピークホールド回路と、
    前記コンデンサに充電された電荷を所定の時定数で放電させる放電回路と、
    からなり、前記コンデンサの電圧値を出力することを特徴とする請求項1記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  5. 前記ノック判定許可手段は、ノッキングの判定を許可するゲート信号を出力し、前記ノック判定手段は、前記ゲート信号を受けて動作し、
    前記ピーク値出力手段は、前記ノック判定手段が動作する期間中、前記ピークホールド回路への入力を、前記信号処理手段の出力から前記コンデンサの電圧値に切り替える切替回路を有することを特徴とする請求項4記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  6. 前記ピーク値積分手段は、前記ピーク値出力手段の前記放電回路の時定数よりも大きな時定数にて、前記ピーク値出力手段の出力を積分し、該積分値を前記しきい値として出力することを特徴とする請求項4記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  7. 前記ピーク値積分手段は、前記ピーク値出力手段の前記放電回路の時定数よりも大きな時定数にて、前記ピーク値出力手段の出力を積分すると共に、該積分値に対して少なくとも所定の増幅率で増幅するか或いは所定のオフセット値を加える補正処理を行い、該補正処理後の信号を前記しきい値として出力することを特徴とすることを特徴とする請求項4記載の内燃機関のノッキング検出装置。
  8. 前記ピーク値積分手段が前記補正処理を行う際の前記増幅率或いは前記オフセット値は、調整可能であることを特徴とする請求項7記載の内燃機関のノッキング検出装置。
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