JP4190070B2 - 水溶性ビタミン強化食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水溶性ビタミン類及びその誘導体を生理活性成分として含有する組成物、及び該組成物を用いたビタミン強化食品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水溶性ビタミン類及びその誘導体はその生理作用により、食品の栄養強化、または酸化防止剤として広範な用途に供されている。しかしながら、これらの化合物は特異な味を有するため、食品用途での利用に制限を受ける事やL−アスコルビン酸に代表される様に酸化、熱、光に対して不安定という欠点がある。
【0003】
水溶性ビタミンの安定化法としては、脂肪酸とのエステル化(特公昭55−45546等)やリン酸エステル化及び錯塩化(特開平7−53581等)といったビタミン分子の一部の官能基を適当な置換基で置き換える方法、またはアミノ酸や有機酸を安定化剤として併用する方法(特公昭57−48050)等が提案されているが、これらの誘導体はビタミンの薬理効果の低下や副作用の発現等の問題点が残る。
【0004】
アミノ酸や有機酸を安定化剤として併用する場合においては、水溶性ビタミン自体の酸化やpH条件によってアンモニア等が発生したり、安定化剤自体の呈味性が使用上好ましくない影響を及ぼす等の問題がある。
【0005】
その他、ビタミン及びその塩類単体を融点50〜80℃の油脂と乳化剤との混合物に混合して被覆する方法(特公昭57−48050)やビタミン及びその塩類の水溶液を親油性のソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル等を添加した油脂中に乳化させて油中水滴型(W/O)乳化油脂組成物とする方法(特公昭63−96727、特開平6−343400等)等が提案されている。
【0006】
しかしながら前者では、水溶性ビタミン類の結晶表面を高融点の固体油脂で被覆してW/O分散型の固体/固体界面を形成させる方法であり、ビタミン類の安定性には優れるものの、使用するビタミン結晶が数十μm以上の粗大結晶であり、高融点の固体油脂で被覆された0.2〜2mm程度の粒状形態であるためにその応用範囲が限定され、特に液状製品への応用は極めて難しくなる。
【0007】
後者においては、内部水相が0.2〜5μm程度のW/O乳化組成物が得られ、応用範囲は広がるもののビタミン類が水溶液状態であるために乳化界面の物理的強度が弱く、殺菌等の加熱工程を経ると分解等が生じ易くなり、且つW/O乳化型の液体/液体界面である事から攪拌やポンプ輸送等の物理的応力にさらされると乳化状態が転相破壊し易い欠点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、水溶性ビタミンを長期間安定に保ち、且つ呈味性に優れた水溶性ビタミン強化食品を提供する事にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上期の目的を達成するために鋭意検討を行った結果、水溶性ビタミン、グリセリン脂肪酸エステル及び中性脂質を含有する特定の水溶性ビタミン組成物が、水溶性ビタミン特有の異味をマスキングでき、且つ安定性に優れる事を見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、物理的破砕によって平均粒径1μm以下に超微粒子化した水溶性ビタミンをHLB4以下のグリセリン脂肪酸エステル及び融点が45℃以下の中性脂質中にW/O分散させた水溶性ビタミン組成物を用いたビタミン強化食品に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における水溶性ビタミンは特に限定するものではないが、ビタミンC及びその誘導体であるアスコルビン酸−2−リン酸エステルやアスコルビン酸−2−グルコシド類、ビタミンB1及びその誘導体であるチアミンプロピルジスルフィド、チアミンテトラフルフリルジスルフィド、チアミン−8−メチル−6−アセチルジヒドロチオクテートジスルフィド、O、S−ジカルボエトキシチアミン塩酸塩、S−ベンゾイルチアミン−O−モノフォスフェート、O−ベンゾイルチアミンジスルフィド、ビタミンB2 及びその誘導体である5−デアザ−7、8−ジデメチル−8−ヒドロキシリボフラビン等やフラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド等の補酵素型リボフラビン、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン等の遊離型ビタミンB6 及びそのリン酸エステル型又はグルコシド型誘導体、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸及び葉酸、から選ばれる1種又は2種以上の混合物であるが、好ましくは中性脂質に不溶で且つ物理的破砕によってレーザー回折型粒度分布測定による平均粒径が1μm以下の超微粒子化する事ができる性質の水溶性ビタミンである。物理的破砕方法に関しては、コボールミル等の湿式摩砕機やジェットミル等の乾式破砕機、又は液体窒素を利用する凍結粉砕等の使用が挙げられるが、レーザー回折型粒度分布測定により平均粒径1μm以下の超微粒子化ができる性能のものであれば何れを使用しても差し支えない。平均粒径が1μmより大きくなると中性脂質中での分散安定性が低下し、ビタミンの微粒子が沈殿分離する。
【0012】
本発明に使用する水溶性ビタミン組成物中の水溶性ビタミンの含有量は特に限定するものではないが、1〜70重量%である事が好ましく、更に好ましくは15〜50重量%である。ビタミン量が1重量%より少ない場合は、ビタミン量が微量となりビタミン強化食品としての用を成さない。また、食品に用いた場合のビタミン量が70重量%より多い場合には、組成物の構造粘度が極度に高まり流動性を失ってしまう為に後の加工特性及び応用範囲を著しく狭める事となる。
【0013】
本発明に用いるグリセリン脂肪酸エステルは特に限定するものではないが、HLB4以下の有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、好ましくはクエン酸グリセリド、リンゴ酸グリセリド、酢酸グリセリド、コハク酸グリセリド、ジアセチル酒石酸グリセリド、平均重合度2〜10のポリグリセリンと炭素数6〜22の脂肪酸エステル及び平均重合度2〜10のポリグリセリンと縮合度2〜4のポリリシノレイン酸のエステルから選ばれる1種または2種以上の混合物であり、グリセリン脂肪酸エステルは中性脂質に対して1〜100重量%配合するが、添加量が1重量%未満の場合はビタミン微粒子結晶を十分に分散させる事が不可能であり、100重量%より多い場合には該組成物を改めて水系に分散させる際、乳化転相により内包する水溶性ビタミン微粒子の溶出が生じ易くなり、安定なW/O/W乳化系を構成するに支障を来たす。
【0014】
本発明に用いる中性脂質は特に限定するものではないが、中鎖脂肪酸トリグリセリド等の合成油脂や大豆、米、菜種、カカオ、椰子等の油糧種子から得られる一般的な植物性油脂及び牛脂、乳脂、豚脂等の動物性油脂の何れでも使用できる。また、これらに本来含まれているリン脂質、ステロール類、ワックス類及び油溶性ビタミン類等が共存しても一向に差し支えないが、脂質の融点が45℃以下であることが好ましく、更に好ましい融点は常温以下にある。融点が45℃より高い中性脂質を用いると水溶性ビタミン組成物の調製時及び食品への添加時に加熱工程がそれぞれ必要となる為、水溶性ビタミンの安定性に好ましくない影響を与える。
【0015】
本発明の水溶性ビタミン強化食品は、その種類を特に限定するものでなく、すべての加工食品が対象となる。加工食品を例示すれば、乳化食品、でんぷん含有食品、糖類含量食品、タンパク含有食品などがあげられる。ここで、乳化食品とは親油性成分または親水性成分が水層に乳化又は分散している食品で、アイスクリーム、コーヒーホワイトナー、ホイップクリーム、チーズ等の乳製品、または低pH食品として、マヨネーズ、ドレッシング、酸性ホイップクリーム、高塩濃度食品として、ソース、たれなどの乳化調味料および、コーヒー飲料、アルコール飲料、乳飲料などの飲料、さらに油性香料を乳化又は可溶化した乳化香料などをいう。
でんぷん含有食品とは例えば、米、小麦、ジャガイモなどの穀物由来のでんぷんを使った食品で、炊飯、麺、パスタ、パン、ケーキなどの他、ビスケット、クッキー、クラッカーなどの焼菓子やスープ、カレー、シチュー、レトルト食品、マッシュポテトなどのでんぷんを含有している食品をいう。
【0016】
糖類含有食品とは砂糖、ブドウ糖、果糖などの単糖類や乳糖、オリゴ糖、デキストリンなどの多糖類を含む食品でキャンディー、チューインガム、打錠菓子、ココアなどの菓子や、清涼飲料、ゼリー、氷菓などをいう。
蛋白含有食品とは牛乳などの乳蛋白や魚、肉などの動物蛋白さらに小麦、大豆などの植物蛋白および卵の蛋白などを含有する食品で、ハム、ソーセージ、豆腐、卵加工食品などをいう。
本発明の水溶性ビタミン強化食品の製法については、特に限定するものではなく、通常の食品製造、加工、調理に用いられる機械また器具を用いて製造することができる。本発明の水溶性ビタミン強化食品におけるビタミン量は特に限定するものではないが、該当する食品中に0.001重量%〜50重量%である。ビタミン量が0.001重量%より少ない場合にはビタミンの効果が得られない。また50重量%より多いと食品の形態を保持することが困難となる。更に好ましくは、0.01重量%〜30重量%である。
以下に実施例および比較例を用いて、本発明を更に詳しく説明する。ただし、これらの例は、本発明を制限するものではない。なお、実施例中の「%」は特に説明しないかぎり「重量%」を意味する。
【0017】
【実施例】
実施例1
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6,太陽化学株式会社製)、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)を混合し、L−アスコルビン酸結晶40重量部(平均粒子径約100μm、日本ロシュ株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によりL−アスコルビン酸の平均粒子径が0.4μmとなったW/O分散組成物を得た。
【0018】
実施例2
菜種白絞油70重量部、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル5重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)及びヘキサグリセリンオクタステアリン酸エステル5重量部(サンファットPS−68,太陽化学株式会社製)を混合し、リボフラビン結晶20重量部(平均粒子径約100μm、武田薬品工業株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によりリボフラビン結晶の平均粒子径が0.35μmとなったW/O分散組成物を得た。
【0019】
実施例3
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6,太陽化学株式会社製)、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル5重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)、クエン酸モノグリセリド5重量部(サンソフト623M,太陽化学株式会社製)を混合し、L−アスコルビン酸結晶40重量部(平均粒子径約100μm、日本ロシュ株式会社製)を加えた油性懸濁液を調製し、これをコボールミル(神鋼パンテック株式会社製)に掛け、レーザー回折型粒度分布測定によりL−アスコルビン酸の平均粒子径が0.4μmとなったW/O分散組成物を得た。
【0020】
比較例1
中鎖脂肪酸トリグリセリド50重量部(サンソフトMCT−6,太陽化学株式会社製)、ヘキサグリセリン縮合リシノレイン酸エステル10重量部(サンソフト818H,太陽化学株式会社製)を混合し、10%L−アスコルビン酸水溶液40重量部(pH2.0)を加えながらホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて高速攪拌を行い、レーザー回折型粒度分布測定により内部水相の平均粒子径が0.4μmとなったW/O組成物を調製した。
【0021】
試験例1
実施例1及び比較例1で得られた組成物を用い食品中におけるL−アスコルビン酸の安定性を比較した。
【0022】
市販の加工乳各200gをそれぞれガラスビンに封じて、さらに両者を2gずつ添加し、攪拌混合を行った後に60℃、15分間の加熱殺菌を行った。放冷後に20gを分取し、2%メタリン酸水溶液200mlとn−へキサン200mlを加えて室温下に振盪抽出を実施し、得られた水層部分を回収して0.45μmのメンブレンフィルターにて濾過して試験液とし、アミド結合型逆相カラム(アミド80、東ソー株式会社製)を設置したHPLCによりL−アスコルビン酸量を測定した。溶出溶媒はアセトニトリル/2.5mMリン酸カリウム溶液(50/50)を用い、検出は254nmの吸光度により測定した。その後、両者を5℃で2週間保存し、1週間毎に上記と同様の測定を行うと共に乳化状態を観察した。
【0023】
L−アスコルビン酸は水存在下で2位及び3位のエノール基より水素原子を容易に失い、ケト型異性体であるデヒドロアスコルビン酸となり、更に酸化が進むと2,3−ジケトグロン酸をへてシュウ酸等に分解する。これらの化合物中L−アスコルビン酸のみが254nmの波長に特異的な吸収を呈する性質があるため、これを指標としてL−アスコルビン酸の残存率を求めて、ビタミンCとしての安定性を比較した。その結果を表1に示した。
【0024】
【表1】
【0025】
表1より明らかのように実施例1の組成物においてはL−アスコルビン酸の減衰が殆ど生じず、優れた安定化性を示した。
【0026】
実施例4.コーヒーホワイトナーの製造例
ヤシ硬化油25.0%、脱脂粉乳 2.5%、カゼインナトリウム2.5%、ソルビタンモノステアレート(太陽化学製:サンソフトNo.61S)0.2%、ステアリン酸モノグリセライド(太陽化学製:サンソフトNo.8000)0.2%、実施例1または比較例1の組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行いコーヒーホワイトナーを調製した。調製品を40℃で2週間保存した結果、実施例1の組成物を使用したコーヒーホワイトナーは、L−アスコルビン酸の残存率が87.0%であったが、比較例1の組成物を使用したコーヒーホワイトナーは、65.3%であった。
【0027】
実施例5.ドレッシングの製造例
サラダ油70.0%、酢酸15%、食塩2.0%、キサンタンガム0.2%、グアーガム0.1%、レシチン0.3%、水11.8%、実施例1,比較例1で得られた組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行いドレッシングを調整し、ドレッシングのpHは、3.5であり、40℃で2週間保存した結果、実施例1の組成物を使用したドレッシングは、L−アスコルビン酸の残存率が92.5%であったが、比較例1の組成物を使用したドレッシングは、71.4%であった。
【0028】
実施例6.タレの製造例
ショウ油88.8%、サラダ油10%、キサンタンガム0.2%、実施例1,比較例1で得られた組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行い、たれを調製し40℃で2週間保在した結果、実施例1の組成物を使用したたれは、L−アスコルビン酸の残存率が95.9%であったが、比較例1の組成物を使用したドレッシングは、52.1%であった。
【0029】
実施例7.飲料の製造例
生クリーム25%、ウオッカ15%、水64%、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=11)0.2%、実施例1,比較例1で得られた組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行いアルコール飲料を調製した。アルコール飲料のアルコール濃度は6%、脂肪分10%であり、40℃で2週間保存した結果、実施例1の組成物を使用したアルコール飲料は、L−アスコルビン酸の残存率が90.6%であったが、比較例1の組成物を使用したアルコール飲料は、58.5%であった。
【0030】
実施例8.ホワイトソースの製造例
小麦粉8%、バター20%、牛乳40%、水37%、グリセリンクエン酸ステアリン酸エステル(太陽化学製 サンソフトNo.621B)0.2%、カラギーナン0.1%、実施例1,比較例1で得られた組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行いホワイトソースを調製した。ホワイトソースの脂肪分は17%であり、120℃10分間加熱した結果、実施例1の組成物を使用したホワイトソースは、L−アスコルビン酸の残存率が88.3%であったが、比較例1の組成物を使用したホワイトソースは、58.4%であった。
【0031】
実施例9.ココアの製造例
ココア粉末25%、砂糖60%、乳糖10%、水4%、ショ糖ステアリン酸エステル(HLB=16)0.3%、実施例2,比較例2で得られた組成物1%を添加し造粒機にて造粒した。40℃で2週間保存した後に、この10gを40mlの水に静かに加えてココア飲料とした後に、L−アスコルビン酸の残存率を調べた。実施例2の組成物を使用したココア飲料は、L−アスコルビン酸の残存率が92.7%であったが、比較例2の組成物を使用したココア水溶液は、75.1%であった。
【0032】
実施例10.加工全卵の製造例
全卵80%、ナタネ油5%、液糖15%、キサンタンガム0.1%、タマリンドガム0.1%、実施例1,比較例1で得られた組成物1%を添加し、ホモミキサーを使用して、10,000rpm、2分間の乳化を行い調理用加工全卵を調製し、70℃で30分間殺菌したのちに40℃で2週間保存した結果、実施例1の組成物を使用した調理用加工全卵は、L−アスコルビン酸の残存率が95.6%であったが、比較例1の組成物を使用した調理用加工全卵は、70.9%であった。
【0033】
本発明の実施の様態ならびに目的生成物をあげれば以下の通りである。
(1)水溶性ビタミン、グリセリン脂肪酸エステルおよび中性脂質を含有するビタミン強化食品。
(2)水溶性ビタミンが平均粒径1μm以下の固体であることを特徴とする前記(1)記載のビタミン強化食品。
(3)グリセリン脂肪酸エステルがHLB4以下であることを特徴とする前記(1)記載のビタミン強化食品。
(4)中性油脂の融点が45℃以下であることを特徴とする前記(1)記載のビタミン強化食品。
【0034】
(5)食品が加工食品である前記(1)記載の食品。
(6)加工食品が、乳化食品,でんぷん含有食品,糖類含有食品,タンパク含有食品からなる群より選ばれる1種又は2種以上の加工食品である前記(5)記載の食品。
(7)乳化食品が、乳製品,低pH食品,高塩濃度食品,飲料,乳化香料からなる群より選ばれる1種又は2種以上の乳化食品である前記(6)記載の食品。
【0035】
(8)乳製品が、アイスクリーム,コーヒーホワイトナー,ホイップクリーム,チーズからなる群より選ばれる1種又は2種以上の乳製品である前記(7)記載の食品。
(9)低pH食品が、マヨネーズ,ドレッシング,酸性ホイップクリームからなる群より選ばれる1種又は2種以上の低pH食品である前記(7)記載の食品。
(10)高塩濃度食品が、ソース又はたれである前記(7)記載の食品。
(11)飲料が、コーヒー飲料,アルコール飲料,乳飲料からなる群より選ばれる1種又は2種以上の飲料である前記(7)記載の食品。
(12)でんぷん含有食品が、炊飯,麺,パスタ,パン,ケーキ,ビスケット,クッキー,クラッカー,スープ,カレー,シチュー,レトルト食品,マッシュポテト,ホワイトソースからなる群より選ばれる1種又は2種以上のでんぷん含有食品である前記(6)記載の食品。
【0036】
(13)糖類含有食品が、キャンディー,チューインガム,打錠菓子,ココア,清涼飲料,ゼリー,氷菓子からなる群より選ばれる1種又は2種以上の糖類含有食品である前記(6)記載の食品。
(14)タンパク含有食品が、ハム,ソーセージ,豆腐,卵加工食品からなる群より選ばれる1種又は2種以上のタンパク含有食品である前記(6)記載の食品。
【0037】
【発明の効果】
本発明により、食品用途での利用に制限を受けることが無く、酸化、熱、光に対して安定に水溶性ビタミンを利用できる水溶性ビタミン強化食品を提供することができ、産業上貢献大である。
Claims (3)
- 平均粒径1μm以下の水溶性ビタミンを、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル及び融点45℃以下の中性脂質中にW/O分散させたことを特徴とするビタミン組成物を含むビタミン強化食品。
- ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルがHLB4以下であることを特徴とする請求項1記載のビタミン組成物を含むビタミン強化食品。
- 水溶性ビタミンを、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステルを含有する中性脂質に均一に分散させ物理的破砕により水溶性ビタミンの平均粒径を1μm以下としたことを特徴とする請求項1または2記載のビタミン組成物を含むビタミン強化食品。
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