以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。本発明に係る縦型遊技機の一例として、遊技島に取り付けられた状態におけるパチンコ機PMを図1及び図2に示しており、まずこれらの図を参照して遊技島を構成する島構造体10およびパチンコ機PMの全体概要構成について説明する。
島構造体10は、天井側から順に配設された、島幕板11と、呼び出しランプ12aを有したランプ板12と、パチンコ機PMを横に1列に並んで配設するために横方向に所定間隔を有して設けられた保持枠13と、球箱載せ台となる天板14と、天板14から下方に床面まで延びる腰板15とから構成される。そして、ランプ板12と天板14との上下間隔内において保持枠13により仕切られて横方向に並んだ複数の空間内にそれぞれパチンコ機PMが図示のように取り付けられる。なお、このように取り付けられたパチンコ機PMの背面側には、後述するように遊技中において入賞装置に入賞せずにアウト口に入り込んだアウト球をホール側に回収するための回収装置(図示せず)が島設備として設けられている。
このようにして島構造体10に取り付けられるパチンコ機PMの構成について簡単に説明する。パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠20の前面開口に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠30が前面左側に設けられた上下ヒンジ機構50,51により外枠20に対して横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、施錠装置32により常には外枠20の前面を覆った閉止状態で保持される。
上記外枠20は、木材や樹脂等で成形加工された複数本の定形尺の枠部材すなわち上枠部材21および左右枠部材22,23と、下枠部材24と、下枠部材24の下面に接合された下面板29とを直角に枠組み連結して構成されており、ランプ板12、左右の保持枠13および天板14に囲まれた空間内に固定される。なお、下枠部材24は、前枠30の下側において前面に露出する部分をなす幕板部25と、幕板部25の下端に繋がって後方に延びた底板部26とを備えて樹脂材料により一体に形成されている。このように樹脂材料を使用することにより、下枠部材24についてはこれをそのまま廃棄することなく、溶融して再利用可能である。
前枠30の前面上部側には、透明アクリル板やガラス板を有したガラス扉33が左端部のヒンジ(図示せず)を介して横開きおよび着脱が自在に取り付けられ、施錠装置32により常には前枠30の前面を覆う閉止状態に保持される。ガラス扉33の背後に位置する前枠上部には、遊技盤35を着脱自在に収容する収容枠が設けられており、この収容枠に立設姿勢で係止保持された遊技盤35がガラス扉33を通して視認されるようになっている。遊技盤35は、所定板厚の積層合板の表面にセルを貼り付けてルーター加工した化粧板を基盤とし、円弧状のレール36に囲まれて略円形状の遊技領域PAが形成されている。遊技領域PAには多数本の遊技釘(図示せず)や風車とともに各種の入賞具38、遊技の展開状況に応じた図柄を表示させる画像表示装置37、サイドランプ等の遊技構成部品が取り付けられ、下端部にアウト口39が設けられている。
前枠30の前面における上記ガラス扉33の下側には、上球皿装置40が左端のヒンジ機構により横開きおよび着脱可能に取り付けられ、常にはガラス扉33の下側において前枠30の前面を覆った状態で係止保持されている。この上球皿装置40には、前方に突出して形成され、遊技中に払い出される入賞球を受容して貯留する上球皿部41が設けられている。なお、詳細図示しないが、上球皿部41に前面側が覆われた前枠30の下部領域には遊技補助盤と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部に、遊技盤35の遊技領域PA内に遊技球を発射する発射装置や、スピーカ等が設けられている。
さらに、前枠30の前面における上球皿装置40の下側に下球皿装置43が前方に突出して設けられている。この下球皿装置43は、上球皿部41内に貯留された入賞球がオーバーフローしたときや、遊技者が上球皿装置40の球排出レバー42を操作して上球皿部41から入賞球が排出されたときに内部に形成された球皿通路を介して送られてくる入賞球を受容して貯留する下球皿部44と、下球皿部44の右側に位置して遊技球の発射操作を行う発射ハンドル45と、下球皿部44の左側に位置する灰皿46、下球皿部44内に貯留した遊技球を下方に載置された球箱(図示せず)内に落下排出させるための球抜きレバー47とから構成されている。なお、下球皿部44の底面には球排出孔が形成されており、この球排出口を開閉自在に覆う球抜き蓋を球抜きレバー47の操作により開放して、下球皿部44内の遊技球を球箱内に排出できるようになっている。
前枠30の裏面側には、球貯留タンク61、球貯留タンク61から供給された遊技球を落下移動させつつ整列させるタンクレール62、遊技盤33における入賞状態等に基づいてタンクレール62を通ってタンク61から供給される遊技球を賞球として払い出す球払出装置63、遊技中での各種制御を行うための電源基盤64、主基盤65、画像表示装置37の裏面側に位置して画像表示制御を行う画像制御基盤66等が図示のように配設されている。なお、図示していないが、内部には、球払出装置63から払い出された賞球を上球皿部41に導く賞球通路や、遊技中において遊技盤35の入賞具38に入賞することなく落下してアウト口39に入り込んだ遊技球をパチンコ機PMの背面側に導くアウト球通路が設けられている。
以上の構成のパチンコ機PMにおいて、外枠20の下部を構成する下枠部材24および下枠部材24の下面に接合される下面板29について、図3〜図6を参照して説明する。下枠部材24は、外枠20の前面に閉鎖状態で保持された前枠30の下側において前面に露出する部分を覆うように位置する垂直板状の幕板部25と、幕板部25の下縁から水平に後方に延びた平板状の底板部26と、底板部26の底面前部において下方に突出するとともに横方向に延びる下面前端部265とからなり、樹脂材料により一体に成形されて作られている。なお、下面前端部265の前面には、図7〜図10に示すような左右に延びる凹部265bが形成されており、この凹部265bを覆って下端キャップ266が取り付けられるようになっている。
幕板部25は、前面が垂直平面からなり、後面に桁枠状の補強リブ251を有しており、左右端部に前後に垂直に延びる板状の結合面部252を有している。なお、結合面部252は底板部26と同一の前後長さを有した矩形板状に形成されており、幕板部25および下面前端部265はこれら左右の結合面部252より外側に延出した幕板延出部253および下面前端延出部265aを有している。
下面板29は底板部26における下面前端部265より後側の下面と同一の大きさで且つ下面前端部265と同一厚さの木製板材から構成されており、この下面板29が下面前端部265の後側に繋がるようにして底板部26の下面に接合される。この結合は、例えば、下面板29の挿入孔から挿入した結合ネジを下面板29に形成したネジ孔に螺合させて行われる(この結合構造は図示せず)が、これに代えて接着しても良い。さらに、図8および図9に示すように、下面前端部265の凹部265bに前後に貫通して形成されたネジ挿入孔265cに結合ネジ267を挿入して下面板29に螺合させてこの部分においても下枠部材24と下面板29とが結合される。このようにして結合ネジ267を取り付けた後に、凹部265bに図示のように下端キャップ266が取り付けられ、結合ネジ267のヘッド部267aを隠し、外観を良くしている。
このように構成された下枠部材24が左右枠部材22,23の下部に結合されて外枠20が構成されるのであるが、この結合部の構成を説明する。この結合は、左右枠部材22,23の下部内側面が結合面部252の外側面に接触し、下部前面が幕板延出部253の後面に接触し、底面が下面板29の左右端部の上面に接触するように、下枠部材24の左右端部に左右枠部材22,23を載置し、結合面部252と左右の枠部材22,23とをリベット結合して行われる。このリベット結合のため、左右の結合面部252および左右枠部材22,23にそれぞれ4カ所においてリベット挿通孔252a,22a,23aが形成されており、図4〜図7に示されているように、これらリベット挿通孔252a,22a,23aにリベット222,232を挿通させて左右の結合面部252に左右枠部材22,23をリベット結合する。このとき、リベット222,232の頭部が外側面に突出しないように、左右枠部材22,23の外側面に前後に延びる凹溝221,231が形成されており、且つリベット222,232の両端頭部と結合面部252および左右枠部材22,23との間に受け座金223,233が挟持されて、リベット結合強度の低下(へたり)を防止している。
さらに、幕板延出部253の後面には、図10に詳しく示すように、ネジ挿入口253bが形成されたボス部253aが設けられており、前面にはネジ挿入口253bが開口するキャップ取付凹部253cが形成されている。この幕板延出部253の前面側からネジ挿入口253bにネジ254を挿入して左右枠部材22,23に螺合させ、左右枠部材22,23と幕板部25とを結合させる。この後、キャップ取付凹部253cに図示のようにキャップ255を取り付けて、外観を損なうことを防止するようにしている。このようにして、リベット222,223およびネジ254により左右枠部材22,23が下枠部材24にしっかりと結合される。
ところでパチンコ遊技業界では、「遊技島」を構成する島構造体10における設置台枠の収容部のサイズが地域によって異なっており、大別すれば、西日本地域で多く採用されている通称「関西枠」と、東日本地域で多く採用されている「関東枠」の二種類があり、「関西枠」が「関東枠」より大きな収容部サイズを有している。このような関西枠および関東枠の二種類のサイズに対応するため、本実施形態に係るパチンコ機PMにおいては、下枠部材24を二種類用意するようにしている。すなわち、図3(A)に示すように、下面板29を接合した状態の下枠部材24の高さ寸法Bを関東枠用に設定したものと、図3(B)に示すように、下面板29(二点鎖線で示す)を接合した状態の下枠部材24′の高さ寸法B′を関西枠用に設定したものとを用意し、関東枠用のパチンコ機PMには図3(A)に示す下枠部材24を組み付け、関西枠用のパチンコ機PMには図3(B)に示す下枠部材24′を組み付けて外枠20を作成する。
なお、関東枠用の下枠部材24と関西枠用の下枠部材24′とは、幕板部25,25′の上下寸法を変更した形状により対応している。具体的には、幕板部25,25′(幕板延出部253,253′)の上端面から底板部26の下面までを、関東枠用の下枠部材24では寸法Aとし、関西枠用の下枠部材24′では寸法A′(A<A′)としている。このため、関東枠用の下枠部材24と関西枠用の下枠部材24′とは、幕板部25,25′と、結合面部252、252′と、幕板延出部253,253′とをそれぞれに対応する寸法に設定すればよく、その他の部分、すなわち、底板部26および下面前端部265については同一寸法である。また、下面板29についても共用できる。
上記のように下面板29が接合された下枠部材24,24′と左右枠部材22,23とを結合するとともに、上枠部材21の左右端部に左右枠部材22,23の上端部を結合して関東枠用および関西枠用の外枠20が作られるのであるが、上枠部材21と左右枠部材22,23の結合構造は従来と同一であるので、その説明は省略する。
図1及び図2に示すようにパチンコ機PMは遊技島構造体10に取り付けられるのであるが、このときに、まず上記のように矩形枠状に構成された外枠20が単体で遊技島構造体10に取り付けられる。この取付は、底板部26および下面板29を釘(例えば、五寸釘)により天板14に打ち付けて行われる。このとき、下枠部材24は樹脂材料により形成されているため、釘を底板部26に直接打ち込んだのでは底板部26が割れたり、ヒビが入ったりするおそれがある。このため、図5および図6に示すように、底板部26の左右2カ所に前後方向の後部側に位置して、左右に延びた長孔からなる釘打ち孔261が形成されており、この釘打ち孔261から下面板29を貫通して釘を天板14に打ち込んで、底板部26および下面板29を天板14に結合固定するようになっている。
このようにして釘により下枠部材24を天板14に固定するとともに、上枠部材21を同様に釘により島構造体10を構成する部材(ランプ板12の後側に位置する構造部材)に固定し、外枠20を所要の後傾角度(通常は、1度以内の角度)で島構造体10に固定する。そして、上下のヒンジ機構50,51を介して前枠30を外枠20に開閉自在に取り付けた後、前枠30を閉鎖状態で施錠装置32により外枠20に施錠保持して遊技に供される。これら上下のヒンジ機構50,51のうち、上ヒンジ機構50は従来から用いられているヒンジ機構と同一であり、外枠20及び前枠30のいずれか一方に垂直に延びる係止ピンが設けられ、他方に垂直に延びる係合孔を有した係合部材が設けられており、係止ピンを係合部材の係合孔に嵌合させて外枠20に対して前枠30の左端上部が水平方向に開閉揺動自在に係合保持されるようになっている。
一方、下ヒンジ機構51は図10及び図11に示すように構成されており、この構造についてこれらの図を参照して説明する。下枠部材24の幕板部25における正面から見て左上端部に、前方に突出してヒンジ受容部256が一体に形成されている(下枠部材24の一部として樹脂一体成形されている)。ヒンジ受容部256の上面に、下ヒンジピン部材52を受容するための略変則五角形状の平板状凹部からなる受容凹部256aが形成されており、この受容凹部256a内に下ヒンジピン部材52が受容されて保持される。受容凹部256a内には、上下に貫通するネジ挿入孔256cを有した円筒状の凹部からなる保持凹部256bと、二つの保持ネジ孔256d(図5参照)が形成されている。
下ヒンジピン部材52は、受容凹部256aに対応した略変則五角形状の板状部53と、板状部53の下面に下方に突出して設けられた円盤状の保持部54aと、板状部53の上面における保持部54aと上下に対向する位置に上方に突出して設けられた円盤状の支持部54bと、支持部54bから上方に突出するとともに保持部54aと垂直同軸上に位置して形成された支持ピン部54cとからなり、金属材料等から作られている。なお、板状部53の二カ所に保持ネジ孔256cに対応してネジ挿入孔53aが形成されている。このような形状の下ヒンジピン部材52は、保持部54aを保持凹部256b内に嵌入させつつ板状部53を受容凹部256a内に受容させ、ネジ挿入孔53aから挿入した保持ネジ58をネジ孔256dに螺合させて(図5参照)、ヒンジ受容部256に取り付けられる。さらに、ヒンジ受容部256の下面側からネジ挿入口256c内に固定ネジ55を挿入し、これを下ヒンジピン部材52の保持部54aの下面に形成されたネジ孔に螺合させて下ヒンジ部材52をヒンジ受容部256に強固に固定しても良い。
一方、前枠部材30を構成する枠部材31の左端下端部には、ヒンジ金具56がネジ57により固定されており、ヒンジ金具56には下ヒンジピン部材52の支持ピン部54cと嵌合する嵌合孔56aが形成されている。嵌合孔56a内に支持ピン部54cを嵌入させるようにして前枠30が外枠20に取り付けられる。このとき同時に、上ヒンジ機構50において係止ピンが係合部材の係合孔に嵌合し、上下のヒンジ機構50,51により前枠30が外枠20に開閉自在に取り付けられる。なお、上ヒンジ機構50の係止ピンと下ヒンジ機構51の支持ピン部54cとは、垂直に延びる同軸上に位置し、この軸が開閉揺動中心軸となる。さらにこのとき、図10に示すように、ヒンジ金具56が下ヒンジピン部材52の支持部54bの上に載置されて上下方向の支持がなされる。
上記のように下ヒンジ機構51は幕板部25(下枠部材24)の一部として樹脂一体成形されたヒンジ受容部256内に下ヒンジピン部材52(ヒンジ部材)を受容保持する構成であるので、従来のようにヒンジ金具(ヒンジ部材)が幕板の前方に露出して装飾性を低下させるおそれがない。また、従来のようにヒンジ金具が前方に露出すると、ヒンジ金具が外部の何かに当たって外力が作用したようなときに、ヒンジ金具が変形して前枠の水平保持が狂うおそれがあり、さらには、前方に露出したヒンジ金具を通して遊技機内部に不正に電波等を照射して内部装置の誤作動を引き起こすような不正操作のおそれがあったが、本実施形態の下ヒンジ機構51ではこのような問題がない。本実施形態の下ヒンジ機構51では特に、下ヒンジピン部材52の支持部54bの上に載置されたヒンジ金具56をヒンジ受容部256がカバーして保護する形態となっており、ヒンジ金具56が外部から外力を受けて変形することを防止している。
下枠部材24には、さらに、前枠支持機構27、第1上下動抑止機構28および第2上下動抑止機構70が設けられており、これらの構成および作用について説明する。
まず、前枠支持機構27について、図4〜図9を参照して説明する。前枠支持機構27は、パチンコ機PMを正面から見た状態で、上下ヒンジ機構50,51と反対側すなわち右側における幕板部25の後側に設けられて、閉鎖状態の前枠30を下側から支持するための機構である。前枠支持機構27は、金属板材からなるベース部材271と、軸ピン276を介してベース部材271により回転自在に支持された支持ローラ275とから構成される。ベース部材271は、水平断面形状がコの字状に成形されて、後面板部272と左右面板部273,274とを有し、左右面板部273,274の上部273a,274aに軸ピン276が取り付けられ、この軸ピン276上に回転自在に支持ローラ275が取り付けられている。
このように構成された前枠支持機構27の取付のために、幕板部25の後面に後方に突出する一対の支持機構取付ボス257a,257aが上下に並んで形成されており、ベース部材271の後面板部272には上下に並んだネジ挿入孔272a,272aが貫通形成されている。後面板部272を支持機構取付ボス257a,257aの後端面に当接させるとともにネジ挿入孔272a,272aから取付ネジ278を挿入して支持機構取付ボス257a,257aのネジ孔257b,257bに螺合させ、前枠支持機構27が幕板部25の後面に取り付けられる。ここで、図7に明瞭に示すように、幕板部25の幕板上面部25aには、支持機構取付ボス257aの上方に位置して支持開口257cが上下に貫通して形成されており、上記のように幕板部25の後面(支持機構取付ボス257a,257a)に前枠支持機構27が取り付けられた状態で、前枠支持機構27を構成する支持ローラ275の上端部が図5、図8、図9等に示すように幕板上面部25aの上面より上方に突出する。なお、このとき、幕板部25の後面と支持ローラ275との干渉をさけるように幕板部25の後面に逃げ溝257dが形成されている。
このようにして幕板上面部25aの上面から上端部が突出した支持ローラ275は、図8に示すように、前枠30の枠部材31の右端部下面に当接して閉鎖状態の前枠30の右側部を下面側から支持する。ここで前枠30は前述のように左端部において上下のヒンジ機構50,51により開閉自在に支持されるが、図10に示すように前枠30に固定されたヒンジ金具56が下ヒンジピン部材52の支持部54bの上に載置されて左端部の上下方向の位置決めがなされる。このように、前枠30を外枠20に閉鎖状態で取り付けた状態では、左端部においては下ヒンジ機構51により上下方向の支持がなされる一方、右端部においては支持ローラ275により上下方向の支持がなされるようになっている。このとき左右の支持位置が相違したのでは前枠30が外枠20に対して左右どちらかに傾くため、図4に示すように、外枠20の底面から下ヒンジピン部材52の支持部54bの上面までの上下寸法D1と、外枠20の底面から支持ローラ277の上端面までの上下寸法D2とが等しくなるように設定されている。
なお、支持ローラ275は左右に延びる回転軸(軸ピン276)を中心として回転自在であり、前枠30を開閉させるときに、前枠30の枠部材31の下面が支持ローラ275上に載置された状態で支持ローラ277が回転して、前枠30をスムーズに開閉作動させることができる(図8,図9参照)。
このように前枠30を外枠20に対して開閉するときに、前枠30を開放した状態では、前枠30は左側端部において上下のヒンジ機構50,51のみにより開閉自在に支持され(前枠支持機構27による支持が外れ)、前枠30の全体重量がヒンジ機構50,51のみにより支えられる状態となる。このため、ヒンジ機構50,51のピン嵌合部の隙間や部材の弾性変形等に起因して前枠30の右端側が若干下方に下がった状態となる(図9参照)。このように右端側が下方に下がったまま前枠30を外枠20上に閉止状態となるように移動させると前枠30の右端下端が幕板部25の上端部と干渉するおそれがある。
このため、幕板上面部25aを前方に突出させた突出部25bを形成するとともに突出部25bの上面に前方に向かって下がる傾斜のテーパ面25cを形成し、且つ、前枠30の枠部材31の下面後端部に後方に向かって上がる傾斜のテーパ面31bを形成している。このため、図9に示すように、前枠30を外枠20上に閉止するときに、前枠30のテーパ面31bが幕板上面部25aのテーパ面25cの上を滑るようにして移動し、前枠30をスムーズに閉止することができる。また、幕板上面部25aには前後に延びるとともに上方に突出した前枠ガイドリブ25dが前端部にテーパを有して設けられており、テーパ面25cの上を移動した前枠30の下面を前枠ガイドリブ25d上を移動させて支持ローラ277の上にスムーズに導くようにしている。
この突出部25bは、図9に示すように、天板14の前面側に突出して形成される球箱載置台14a(図1参照)上に載置された球箱BBの後側フランジ部BBFの上面が突出部25bの下面と近接対向するように形成されている。これにより、例えば、球箱BBの前端部を誤って手で押し下げたような場合に、後側フランジ部BBFが持ち上がるのを防止し、球箱BBを載置台14aから落下させるようなことを防止できる。このため、図9に鎖線で示すように突出部25bの前方突出量を大きく設定しても良い。
なお、図7〜図9等に示すように、幕板部26の上面には、幕板部26の前面より後側において上方に起立するとともに左右方向に延びた前枠係止アーム部259が一体に形成されている。この前枠係止アーム部259の前面には後方に窪んだ係止凹部259aが形成されており、前枠30が外枠20の前面に閉鎖状態で取り付けられたときに、図8に示すように、前枠30の枠部材31の下端に後方に突出して形成された係止突起部31aが係止凹部259a内に入り込み、前枠30を下枠24に係止させ、前枠30の上方への持ち上がり移動や、外部からの不正操作を防止する。
次に、第1上下動抑止機構28について、図3〜図9および図12〜図13を参照して説明する。第1上下動抑止機構28は、幕板部25の後面に設けられて閉止状態の前枠30の枠部材31の下端と係合し、外枠20に対して前枠30の上下動を抑止するための機構である。図3から良く分かるように、第1上下動抑止機構28は幕板部25の左右方向中間部の二カ所に設けられているが、ともに同一構成である。
第1上下動抑止機構28は、アングル状に折り曲げ成形された係止プレート281を、幕板部25の後面に後方に突出して形成された上下一対の抑止機構取付ボス258aに取り付けて構成される。この取付は、係止プレート281を抑止機構取付ボス258aの後端面に当接させるとともに、係止プレート281に形成されたネジ挿入孔281bに取付ネジ282を挿入し、抑止機構取付ボス258aに形成したネジ孔258bに取付ネジ282を螺合させてなされる。
一方、前枠係止アーム部259に、第1上下動抑止機構28が取り付けられる位置に対応して挿入凹部259cが形成されている。そして、上記のように係止プレート281が抑止機構取付ボス258aに取り付けられた状態で、係止プレート281の上部から前方に直角に折れ曲がって延びる係止アーム281aが挿入凹部259cを通って前方に突出し、幕板上面部25aと上下に所定間隔をおいて平行に延びて位置する。また、図8および図9に示すように、前枠30の枠部材31における第1上下動抑止機構28と対向する部分に、上面が後方に向かって下がるテーパ面31dを有した係合部31cが形成されている。
このように構成される第1上下動抑止機構28は、図8に示すように、前枠30が外枠20を覆って閉止されたときに、係合部31cが係止アーム281aと幕板上面部25aとの間の間隔内に入り込んで挟持される。ここで、前述のように、前枠30は左端部において下ヒンジ機構51により下方から支持されるとともに右端部において前枠支持機構27により下方支持されており、この状態で係合部31cが係止アーム281aにより下方に押し下げられて保持される状態となり、前枠30の上下動が抑止され、前枠30は外枠20に対して安定状態で静止保持される。このとき、係止プレート281は金属プレートから形成されており、係止アーム281aの弾性力により下方への押し下げ力が得られる。また、このように弾性力を有して押圧しているため、外枠20からの振動が前枠30に伝達されにくく、搬送中等での振動に対して前枠30に装着された内部機器を保護できる。なお、係止アーム281aの先端は上方に円弧状に曲げられるとともに係合部31cにはテーパ面31dが形成されているため、前枠30の閉止作動を行わせたときに、係合部31cは係止アーム281aと幕板上面部25aとの間の間隔内にスムーズに入り込み、前枠30をスムーズに開閉できる。
次に、上枠部材21と前枠30の枠部材31の上部との間に設けられた第2上下動抑止機構70について説明する。この第2上下動抑止機構70は、図12および図13に示すように、上枠部材21の左右方向ほぼ中央部における下面前部にネジ72により固設された係止プレート71と、前枠30の枠部材31の上部中央から後方に突出した係合部31eとから構成される。係止プレート71は金属板材を折り曲げ成形して作られ、上枠部材21の下面に接合される基部プレート部71aと、基部プレート部71aの前端から直角に下方に折れ曲がって延びた中間プレート部71bと、中間プレート部71bの下端から直角に後方に折れ曲がって延びた下部プレート部71cとからなる。
このように構成される第2上下動抑止機構70は、図13に示すように、前枠30が外枠20を覆って閉止されたときに、係合部31eの上面テーパ面31fに係止プレート71の下部プレート部71cが当接してこれを下方に押圧する状態となり、前枠30の上下動が抑止され、前枠30は外枠20に対して安定状態で静止保持される。このとき、係止プレート71は金属プレートから形成されており、その弾性力により下方への押し下げ力が得られる。また、このように弾性力を有して押圧しているため、外枠20からの振動が前枠30に伝達されにくく、搬送中等での振動に対して前枠30に装着された内部機器を保護できる。なお、係合部31eの上面にはテーパ面31fが形成されているため、前枠30の閉止作動を行わせたときに、係合部31eと係止プレート71の下部プレート部71cとが滑らかに当接し、前枠30をスムーズに開閉できる。
なお、以上説明したように、この実施形態に係るパチンコ機PMにおいては、下枠部材24の幕板部25と前枠30の下部との間に第1の上下動抑止機構28が設けられ、上枠部材21と前枠30の上部との間に第2の上下動抑止機構70が設けられているが、いずれか一方のみを設けるだけでも良い。
次に、本発明に係るパチンコ機の別の実施形態について、図14〜図21を参照して説明する。以下に示す実施形態において、図1〜図13に示す実施形態と同一構成部分については同一番号を付与して説明するが、重複する説明は省略する。
まず、図14に第2の実施形態を示しており、このパチンコ機では、第1上下動抑止機構328の構成と、下枠部材324の構成と、下面板329の構成とが相違する。第1上下動抑止機構328は、前枠30の枠部材31の後面に設けられた抑止機構取付ボス331にビス332により固設されたL字状の金属板材からなる係止プレート381を有して構成され、係止プレート381の係止アーム381aが後方に突出して形成されている。一方、幕板部325の幕板上面部325aの後端から上方に突出した係止アーム部359には挿入開口359bを有した盛上部359aが形成されている。そして、前枠30が外枠20の前面を覆って閉止保持されると、図14に示すように、係止アーム381aが挿入開口359b内に入り込み、盛上部359aにより押さえられるようにして係止アーム381aを介して前枠30が外枠20に係止保持される。
この実施形態においてはさらに、底板部326の前端から下方に突出した下面前端部365の形状が前述の実施形態と相違(前後厚さ寸法が図1〜図13の実施形態より小さい)しており、これに対応して下面板329のサイズも相違している。また、下面板329を下枠部材324に接合するために、下面前端部365の前面に座ぐり365bを有して前後に貫通するネジ挿通孔365aが形成され、下面板329の前端面にネジ孔329aが形成されている。下面板329を前端面が下面前端部365の後面に当接させるとともに上面を底板部326の底面に当接させて底板部326の下側に配置した状態で、下面前端部365の前面側からネジ挿通孔365a内に接合ネジ366を挿入し、下面板329のネジ孔329aと螺合させる。これにより下面板329を下枠部材324(下面前端部365)に図14に示すようにしっかりと接合することができる。なお、この後、座ぐり365aに嵌合させてキャップ367を取り付け、前面側の外観を損なうことを防止している。
次に、図15〜図17に示す第3の実施形態について説明する。この実施形態は上枠部材21と前枠30の枠部材31の上部とを係止保持する第2上下動抑止機構470に係るものであり、この機構470は、枠部材31に固設された係止プレート471と、上枠部材21の下面に固設された当接部材475とからなる。係止プレート471は枠部材31の後面に突出して形成された抑止機構取付ボス431にネジ挿入孔471aを介してビス432により固設されたL字状の金属板材からなり、係止アーム472が後方に突出して延びる。
一方、当接部材475は、前側に位置して下方に突出する係止突起476と、後側に位置して下方に突出する把持突起477とを連結する形状に形成され、下面側に窪み478が形成されている。係止突起476に上下に貫通して形成されたネジ挿通孔476aと、把持突起477に上下に貫通して形成されたネジ挿通孔477aとにそれぞれネジ476bおよび477bを挿入するとともにこれらネジ476b,477bを上枠部材21の下面に螺合させ、図16に示すように、当接部材475が上枠部材21の下面に固設されている。
そして、前枠30が外枠20の前面を覆って閉止保持されると、図16に示すように、係止アーム472が当接部材475の係止突起476の下面の下側に入り込み、係止突起476により押さえられるようにして係止アーム472を介して前枠30が外枠20に係止保持される。なお、このように前枠30が外枠20に閉止保持された状態のパチンコ機PMを持ち運びするときに、外枠20の後面側から指を窪み478内に差し込み、把持突起477に指を引っかけるようにしてパチンコ機PMを把持することができる。このため、パチンコ機PMを手で把持して搬送することが容易である。
次に、図18および図19に示す、第4の実施形態について説明する。この実施形態も上枠部材21と前枠30の枠部材31の上部とを係止保持する第2上下動抑止機構570に係るものであり、この機構570は、上枠部材21に固設された係止部材571と、前枠30の枠部材31の上部から後方に突出した係止部531とからなる。係止部材571は、上枠部材21の前面に接合される前面プレート部572と、上枠部材21の下面に接合される下面プレート部573と、下面プレート部573の左右から直角に下方に折れ曲がって形成された左右支持プレート部574,574と、これら左右プレート部574,574に掛け渡された軸ピン575aに回転自在に支持された押圧ローラ575とから構成される。前面プレート部572に形成された挿通孔572aに通したビス578aを上枠部材21の前面に螺合させて前面プレート部572が上枠部材21の前面に接合して固設され、下面プレート部573に形成された挿通孔573aに通したビス578bを上枠部材21の下面に螺合させて下面プレート部573が上枠部材21の下面に接合して固設される。
そして、前枠30が外枠20の前面を覆って閉止保持されると、図19に示すように、押圧ローラ575が前枠30の枠部材31の係止部531の上に乗り上げて押圧され、前枠30が外枠20に係止保持される。このとき、押圧ローラ575は軸ピン575a上を回転するため、前枠30の閉止作動抵抗が小さく、前枠30の開閉作動をスムーズに行うことができる。
なお、図18および図19に二点鎖線で示すように、下面プレート部573に一体に繋がって後方に延びる後部下面プレート部576と、後部下面プレート部576の後端から直角に下方に折れ曲がるとともにU字状に折り返された把持部577とを設けるのが好ましい。このようにすると、前枠30が外枠20に閉止保持された状態のパチンコ機PMを持ち運びするときに、外枠20の後面側から指を把持部577に引っかけるようにしてパチンコ機PMを把持することができる。このため、パチンコ機PMを手で把持して搬送することが容易である。
次に、第5の実施形態として、第1実施形態の前枠支持機構27とは相違する構成の前枠支持機構627について図20および図21を参照して説明する。この前枠支持機構627も、パチンコ機PMを正面から見た状態で、上下ヒンジ機構50,51と反対側すなわち右側における幕板部25の後側に設けられて、閉鎖状態の前枠30を下側から支持するための機構であるが、支持高さを調整できるように構成されている。
具体的には、第5の実施形態に係る前枠支持機構627は、金属板材からなるベース部材671と、左右一対のガイド部材672と、調整ネジ673と、保持ナット674と、ローラアセンブリ675とから構成される。ベース部材671は、水平板部671aと、水平板部671aの左右後端から直角に下方に折れ曲がって形成された左右一対の固定アーム部671bと、水平板部671aの中央後端から直角に上方に折れ曲がって形成された支持アーム部671cとを有して構成される。なお、保持ナット674は水平板部671aの下面に接合されている。ベース部材671は、固定アーム部671bに形成された取付孔671eに取付ネジ671gを挿入し、これを幕板部25の背面に設けた取付ボス257のネジ孔に螺合させて幕板部25の背面に固定される。
水平板部671aの中央には上下に貫通してネジ孔671dが形成されており、保持ナット674の雌ネジ孔と連通している。保持ナット674の雌ネジ孔に調整ネジ673が水平板部671aの下面側から螺合して取り付けられる。調整ネジ673は、ヘッド部673aと、雄ネジ部673bと、雄ネジ部673bの先端から同軸に突出した円筒部673cとから構成され、雄ネジ部673bを保持ナット674の雌ネジ孔に螺合させて水平板部671aに取り付けられる。
支持アーム部671cの左右に前後に貫通するネジ孔671fが形成されており、このネジ孔671fに挿入した固定ネジ671hをガイド部材672のネジ孔672aに螺合させて、一対のガイド部材672が支持アーム部671cの左右に固定される。このように固定された状態で左右一対のガイド部材672は互いに所定間隔を置いて対向し、この所定間隔内にガイド部材672に挟持されてガイドされた状態でローラアセンブリ675が配設される。
ローラアセンブリ675は、正面視U字状に折り曲げられた板材からなる支持プレート676と、支持プレート676のU字状空間内に配設されるとともに左右板部676aにより回転自在に支持された支持ローラ677と、支持プレート676のU字状空間の底板部676bに固設された円筒状の受容部材678とから構成される。受容部材678には上下に貫通する受容孔678aが形成されており、受容孔678aは支持プレート676の底板部676bに形成された貫通孔676cと連通して下面に開口している。このような構成のローラアセンブリ675が、支持プレート676が左右一対のガイド部材672の間に上方から挿入されるとともに、支持プレート676の底板部676bの貫通孔676cから受容部材678の受容孔678a内に調整ネジ673の円筒部673cを嵌入させて、ベース部材671に上下に移動可能に取り付けられている。なお、ローラアセンブリ675は、支持プレート676の左右側面が左右のガイド部材672により挟持されてガイドされ、且つ後面が支持アーム部671cの前面に当接してガイドされて上下に移動可能となっている。
ここで貫通孔676cは円筒部673cを嵌入させる径であるが調整ネジ673の雄ネジ部673bより小径に形成されており、図20から分かるように、雄ネジ部673bの先端面上に支持プレート676の底板部676bが載置される状態となる。このため、この状態で調整ネジ673の保持ナット674に対する螺合量を変化させると雄ネジ部673bが支持プレート676を支持した状態で上下動し、支持ローラ677の上下位置調整を行うことができる。
このようにして上下位置調整がなされる支持ローラ677は、図20に示すように、前枠30の枠部材31の右端部下面に当接して閉鎖状態の前枠30の右側部を下面側から支持する。ここで前枠30は前述のように左端部において上下のヒンジ機構50,51により開閉自在に支持され、且つ前枠30に固定されたヒンジ金具56が下ヒンジピン部材52の支持部54bの上に載置されて左端部の上下方向の位置決めがなされる。すなわち、前枠30を外枠20に閉鎖状態で取り付けた状態では、左端部においては下ヒンジ機構51により上下方向の支持がなされる一方、右端部においては前枠支持機構627の支持ローラ677により上下方向の支持がなされる。このとき、前枠支持機構627において支持ローラ677の上下位置調整が可能であり、閉鎖状態において前枠30の左右方向の傾きが生じないように上下位置調整がなされ、前枠30は水平に保持される。
以上説明した本発明の実施形態において、達成される主要な効果を整理すれば、下記のようになる。
第1に、下枠部材24は、前枠30の下側において前面に露出する部分をなす幕板部25と、幕板部25の下端に繋がって後方に延びた底板部26とを備えて樹脂材料により一体に形成されており、このように樹脂材料を使用することにより、下枠部材24についてはこれをそのまま廃棄することなく、溶融して再利用可能である。
第2に、関東枠用の下枠部材24と関西枠用の下枠部材24′とは、幕板部25,25′(幕板延出部253,253′)の上端面から底板部26の下面までを、関東枠用の下枠部材24では寸法Aとし、関西枠用の下枠部材24′では寸法A′(A<A′)としている。このため、関東枠用の下枠部材24と関西枠用の下枠部材24′とは、幕板部25,25′と、結合面部252、252′と、幕板延出部253,253′とをそれぞれに対応する寸法に設定すればよく、その他の部分、すなわち、底板部26および下面前端部265については同一寸法で良く、対応が簡単である。また、下面板29についても共用できる。
第3に、パチンコ機PMを遊技島構造体10に取り付けるときに、まず外枠20が単体で遊技島構造体10に取り付けられるが、この取付は、底板部26および下面板29を釘(例えば、五寸釘)により天板14に打ち付けて行われる。このとき、下枠部材24は樹脂材料により形成されているため、釘を底板部26に直接打ち込んだのでは底板部26が割れたり、ヒビが入ったりするおそれがあるが、図5および図6に示すように、底板部26の左右2カ所に前後方向の後部側に位置して、左右に延びた長孔からなる釘打ち孔261が形成されており、この釘打ち孔261から下面板29を貫通して釘を天板14に打ち込んで、底板部26および下面板29を天板14に結合固定するようになっている。このため、下枠部材24が割れたり、ヒビが入ったりするおそれがなくなる。
第4に、下ヒンジ機構51は幕板部25(下枠部材24)の一部として樹脂一体成形されたヒンジ受容部256内に下ヒンジピン部材52(ヒンジ部材)を受容保持する構成であるので、従来のようにヒンジ金具(ヒンジ部材)が幕板の前方に露出して装飾性を低下させるおそれがない。また、従来のようにヒンジ金具が前方に露出すると、ヒンジ金具が外部の何かに当たって外力が作用したようなときに、ヒンジ金具が変形して前枠の水平保持が狂うおそれがあり、さらには、前方に露出したヒンジ金具を通して遊技機内部に不正に電波等を照射して内部装置の誤作動を引き起こすような不正操作のおそれがあったが、本実施形態の下ヒンジ機構51ではこのような問題がない。本実施形態の下ヒンジ機構51では特に、下ヒンジピン部材52の支持部54bの上に載置されたヒンジ金具56をヒンジ受容部256がカバーして保護する形態となっており、ヒンジ金具56が外部から外力を受けて変形することを防止している。
第5に、前枠支持機構27において、幕板上面部25aを前方に突出させた突出部25bを形成するとともに突出部25bの上面に前方に向かって下がる傾斜のテーパ面25cを形成し、且つ、前枠30の枠部材31の下面後端部に後方に向かって上がる傾斜のテーパ面31bを形成している。このため、図9に示すように、前枠30を外枠20上に閉止するときに、前枠30のテーパ面31bが幕板上面部25aのテーパ面25cの上を滑るようにして移動し、前枠30をスムーズに閉止することができる。また、幕板上面部25aには前後に延びるとともに上方に突出した前枠ガイドリブ25dが前端部にテーパを有して設けられており、テーパ面25cの上を移動した前枠30の下面を前枠ガイドリブ25d上を移動させて支持ローラ277の上にスムーズに導くことができる。
なお、上記突出部25bは、図9に示すように、天板14の前面側に突出して形成される球箱載置台14a(図1参照)上に載置された球箱BBの後側フランジ部BBFの上面が突出部25bの下面と近接対向するように形成されている。これにより、例えば、球箱BBの前端部を誤って手で押し下げたような場合に、後側フランジ部BBFが持ち上がるのを防止し、球箱BBを載置台14aから落下させるようなことを防止できる。
第6に、図7〜図9等に示すように、幕板部26の上面には、幕板部26の前面より後側において上方に起立するとともに左右方向に延びた前枠係止アーム部259が一体に形成されている。この前枠係止アーム部259の前面には後方に窪んだ係止凹部259aが形成されており、前枠30が外枠20の前面に閉鎖状態で取り付けられたときに、図8に示すように、前枠30の枠部材31の下端に後方に突出して形成された係止突起部31aが係止凹部259a内に入り込み、前枠30を下枠24に係止させ、前枠30の上方への持ち上がり移動や、外部からの不正操作を防止することができる。
第7に、上下動抑止機構28は、図8に示すように、前枠30が外枠20を覆って閉止されたときに、係合部31cが係止アーム281aと幕板上面部25aとの間の間隔内に入り込んで挟持される。ここで、前述のように、前枠30は左端部において下ヒンジ機構51により下方から支持されるとともに右端部において前枠支持機構27により下方支持されており、この状態で係合部31cが係止アーム281aにより下方に押し下げられて保持される状態となり、前枠30の上下動が抑止され、前枠30は外枠20に対して安定状態で静止保持される。このとき、係止プレート281は金属プレートから形成されており、係止アーム281aの弾性力により下方への押し下げ力が得られる。また、このように弾性力を有して押圧しているため、外枠20からの振動が前枠30に伝達されにくく、搬送中等での振動に対して前枠30に装着された内部危機を保護できる。なお、係止アーム281aの先端は上方に円弧状に曲げられるとともに係合部31cにはテーパ面31dが形成されているため、前枠30の閉止作動を行わせたときに、係合部31cは係止アーム281aと幕板上面部25aとの間の間隔内にスムーズに入り込み、前枠30をスムーズに開閉できる。
第8に、上枠部材21と前枠30の上部との間に設けられた第2上下動抑止機構70は、図13に示すように、前枠30が外枠20を覆って閉止されたときに、係合部31eの上面テーパ面31fに係止プレート71の下部プレート部71cが当接してこれを下方に押圧する状態となり、前枠30の上下動が抑止され、前枠30は外枠20に対して安定状態で静止保持される。このとき、係止プレート71は金属プレートから形成されており、その弾性力により下方への押し下げ力が得られる。また、このように弾性力を有して押圧しているため、外枠20からの振動が前枠30に伝達されにくく、搬送中等での振動に対して前枠30に装着された内部危機を保護できる。なお、係合部31eの上面にはテーパ面31fが形成されているため、前枠30の閉止作動を行わせたときに、係合部31eと係止プレート71の下部プレート部71cとが滑らかに当接し、前枠30をスムーズに開閉できる。
第9に、第2上下動抑止機構470を図15〜図17に示すように構成すれば、前枠30が外枠20の前面を覆って閉止保持されると、図16に示すように、係止アーム472が当接部材475の係止突起476の下面の下側に入り込み、係止突起476により押さえられるようにして係止アーム472を介して前枠30が外枠20に係止保持される。なお、このように前枠30が外枠20に閉止保持された状態のパチンコ機PMを持ち運びするときに、外枠20の後面側から指を窪み478内に差し込み、把持突起477に指を引っかけるようにしてパチンコ機PMを把持することができる。このため、パチンコ機PMを手で把持して搬送することが容易である。
第10に、第2上下動抑止機構570を図18および図19に示すように構成すれば、前枠30が外枠20の前面を覆って閉止保持されると、図19に示すように、押圧ローラ575が前枠30の枠部材31の係止部531の上に乗り上げて押圧され、前枠30が外枠20に係止保持される。このとき、押圧ローラ575は軸ピン575a上を回転するため、前枠30の閉止作動抵抗が小さく、前枠30の開閉作動をスムーズに行うことができる。
なお、図18および図19に二点鎖線で示すように、下面プレート部573に一体に繋がって後方に延びる後部下面プレート部576と、後部下面プレート部576の後端から直角に下方に折れ曲がるとともにU字状に折り返された把持部577とを設けるのが好ましい。このようにすると、前枠30が外枠20に閉止保持された状態のパチンコ機PMを持ち運びするときに、外枠20の後面側から指を把持部577に引っかけるようにしてパチンコ機PMを把持することができる。このため、パチンコ機PMを手で把持して搬送することが容易である。
第11に、図20および図21に示す前枠支持機構627を用いれば、前枠30を外枠20に閉鎖状態で取り付けた状態では、左端部においては下ヒンジ機構51により上下方向の支持がなされる一方、右端部においては前枠支持機構627の支持ローラ677により上下方向の支持がなされるが、このとき、前枠支持機構627において支持ローラ677の上下位置調整が可能であり、閉鎖状態において前枠30の左右方向の傾きが生じないように上下位置調整し、前枠30を水平に保持することができる。