JP4187660B2 - 毒性β−アサロンリッチなショウブ油由来の薬学的に活性なα−アサロンの調製のためのプロセス - Google Patents

毒性β−アサロンリッチなショウブ油由来の薬学的に活性なα−アサロンの調製のためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、式Iの中間体2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(毒性β−アサロンのジヒドロ生成物)を経由する毒性β−アサロンリッチなショウブ(Acorus calamus)油からの薬学的に活性なα−アサロンの調製のためのプロセスに関し、この式Iの中間体は、αおよびγ異性体を含むβ−アサロンリッチな市販のAcorus calamusの水素化によって得られ、α−アサロン(トランス−2,4,5−トリメトキシフェニル−1−プロペン)(周知の薬学的に活性なフェニルプロパノイド)および副生成物としてのトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの形成に向かって、固体支持体(例えば、シリカゲル、アルミナなど)を伴うかまたは伴わないで、単に反応時間、温度、溶媒(無水)およびジクロロジシアノベンゾキノン(DDQ)の量を変えることによって、単一工程で脱水素化および/または酸化を受ける。しかし、水性溶媒中で行われる場合、上記脱水素化プロセスは、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパンを提供し、これは、水素化ホウ素ナトリウムでの還元で、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−ヒドロキシプロパンに、続いて、酸性脱水によって、α−アサロンが排他的に与えられる。さらに、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパン(イソアコラモン(isoacoramone))および2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドが、芳香植物および薬用植物のいくらかにおいて微量存在するフェニルプロパノイドとして見出されている。全体として、本発明の目的は、国際的に禁止されているが幅広く入手可能な毒性β−アサロンを、2つの単純な工業的に魅力的なプロセス(すなわち、予期しない2,4,5−トリメトキシンナムアルデヒドの形成がα−アサロンの調製の間、副生成物として発見された水素化および脱水素化/酸化))の組み合わせによって潜在的な抗脂血性および抗血小板活性α−アサロンの調製のための単純かつ経済的な開始物質として利用することである。本発明において、本発明者らは、毒性β−アサロンを、その他の異性体(すなわち、βおよび/またはγ−アサロン)の混入無しに、高い収率で薬学的に活性なα−アサロンに変換し得る単純で経済的なプロセスを開示する。
Figure 0004187660
植物由来の生成物が、精油、着色剤および染料、化粧品、薬品の分野ならびに多くの他の分野において幅広い適用を見出されているが、これらは、容易に入手可能であり、安価であるだけでなく、それらは、合成生成物よりも安全である(これは、必ずそうであるわけではない)という概念の重要な理由がある。特定の制限を超えて、特にフェニルプロペンのいくつかの異性体形態によって悪化したフェニルプロパノイドリッチ精油のような製品の市場の可能性を減少するいくつかの植物化学がある(Miller,E.C.;Swanson,A.B.;Phillips,D.H.;Fletcher.T.L.;Liem,A.and Miller,J.A.,Cancer Research,43(3),1124−1134(1983);Kim;S.C.;Liem;A.;Stewart;B.C.and Miller,J.A.Carcinogensis,20(7),1303−1307(1999)and Lazutka,J.R,;Mierauskiene,S.and Dedonyte,V.Food & Chemical Technology,39,485−492(2001))。実際に、フェニルプロペンは、天然に存在するフェノール化合物であり、芳香族環は、3つの炭素側鎖(C〜C単位)に結合され、シス/トランス(すなわち、α/β−異性体)プロペニルの対またはアリルプロペン(すなわち、γ−異性体)のいずれかとして存在する。一般的に、トランス異性体(例えば、α−アサロンおよびイソオイゲノールなど)は、ヒト消費についてより安全であることが見出され、一方、シス/アリル異性体(例えば、β−アサロンおよびサフロール)は、毒性および発ガン性であることが見出されている(Harbone,J.B.and Baxter,H.,Phytochemical Dictionary:A Handbook of Bioactive Compounds from Plants,Taylor & Francis Ltd.,Washington DC,474(1993))。精油中のフェニルプロペンの濃度およびそれらの異性体の比は、植物の生長段階および環境によって大きき影響し、これは、次いで、特定の油の要求および適用に影響する。これに起因して、大部分の影響を受けた油は、Acorus calamus(Araceae科)の根茎の蒸気蒸留によって得られたショウブ油であり、これは、香味および香料の工業におけるその種々の薬用特性および大きな要求に起因して、幅広く生長し、多くの国で栽培されている(Treben,M.,Health Through God’s Pharmacy,Wilhelm Ennthaler,Steyer.Austria,12−14(1986);Akhtar,H.;Virmani,O.P.;Popli,S.P.;Misra,L.N.;Gupta,M.M.;Srivastava,G.N.;Abraham,Z.and Singh,A.K.,Dictionary of Indian Medicinal Plants,CIMAP,RSM Nagar,Lucknow,10−11(1992);Motley,T.J.,Economic Botany,48,397−412(1994)およびLawrence,B.M.and Reynolds,R.
J.,Perfumer & Flavorist 22(2),59−67(1997))。しかし、ショウブ油の品質における多くの相違および可変性が観察され、四倍体および六倍体の多様性(インド、日本、パキスタンおよび中国のようなアジアの国において広範囲に分布する)は、非常に高い割合の毒性のβ−アサロン(70〜90%で変化する)を含むが、一方、二倍体および三倍体は、制限された量のβ−アサロン(3〜8%)を含み、これは、香味、香料および薬学工業における使用を可能にする(Stahl,E,and Keller,K.,Planta Medica 43,128−140(1981);Waltraud,G.and Schimmer,O.,Mutation Research 121,191−194(1983);Mazza,G.,J.of Chromatography,328,179−206(1985);Nigam,M,C.;Ateeque,A.;Misra,L.N.and Ahmad,A.,Indian Perfumer,34,282−285(1990)およびBonaccorsi,I.;Cortroneo,A.;Chowdhury,J.U.and Yusuf,M.,Essenze Derv.Agrum.,67(4),392−402(1997))。
β−アサロンは、動物において発癌性であることが実験的に証明されており、経口投与後、十二指腸において腫瘍を誘導することが見出されている。さらに、β−アサロンはまた、代謝活性化後、ヒトリンパ球に対してインビトロで染色体損傷の影響を示す(Taylor,J.M.;Jones,W.I.;Hogan,E.C.;Gross,M.A.;David,D.A.and Cook,E.L.,Toxicol.Appl.Pharmacol.,10,405(1967);Keller,K.;Odenthal,K.P.and Leng,P.E.,Planta Medica 1,6−9(1985);Abel,G.,Planta Medica,53(3),251−253(1987)およびRiaz,M.;Shadab,Q.;Chaudhary,F.M.,Hamdard Medicus,38(2),50−62(1995))。結果として、アジア由来のショウブ油は、香味、香料および薬学的工業におけるいかなる種類の使用についても国際的に禁止されている。本発明者らの最良の知識に対して、ショウブ油の毒性β−アサロンが、本発明者らのグループによって非常に最近のことを除いて、その価値の追加について利用される(Sinha,A.K.;Dogra,R.and Joshi,B.P.,Ind. J.Chem.,41B,(2002)(印刷中);Sinha,A.K.;Joshi,B.P.and Dogra,R.,Nat.Prod.Lett.,15(6),439−444(2001);Sinha,A.K.;Acharya,R.and Joshi,B.P.,J.Nat.Prod.(2002)(印刷中),Sinha,A.K.;Dogra,R.and Joshi,B.P.,Sinha,A.K.;Joshi,B.P.,and Dogra,R.,2001年3月12日に出願された日本特許番号2001.68716;Sinha,A.K.;Joshi,B.P.,and Dogra,R.,2001年3月14日に出願されたUS特許番号09−805,832;2001年3月31日に出願されたUS特許番号09−823,123および2001年5月21日に出願されたSinha,A.K.;Joshi,B.P.,and Dogra,R.,PCT/IN 01/00104)。ここで、毒性β−アサロンを含む粗製ショウブ油のギ酸アンモニウム/チャコール担持パラジウムまたはH/チャコール担持パラジウム補助還元は、ショウブ油中のアサロン含有量に基づいて、81〜87%の範囲の収量で、97%の純度で、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(ジヒドロアサロン)を提供する(実施例I)。従って、得られた2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(1−プロピル−2,4,5−トリメトキシベンゼンとしても公知である)は、最初に、β−アサロンよりも5分の1の少ない毒性として発明され、従って、この2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンは、うがい薬、練り歯磨き、防腐石鹸製品、チューインガム香味のような製品においてその適用があり得、その甘さ、イラン(ylang)、わずかなスパイシーおよび果実芳香に起因したスパイス製品においてほとんどない。さらに、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンはまた、サリチルアミドに基づく抗精神病薬(5,6−ジメトキシ−N[(1−エチル−2−ピロリジニル)メチル]−3−プロピルサリチルアミド)の合成のための単純かつ経済的な開始材料として発見される(Thomas,H.;Stefan,B.;Tomas,D.P.;Lars,J.;Peter,S.;Hakan,H.and Orgen,S.O.,J.Med.Chem.,33,1155−1163(1990)およびSinha,A.K.2000年8月31日に出願されたUS特許09−652376)。本発明において、本発明者らは、式IIの薬学的に活性なα−アサロンの形成に対する単純かつ経済的な開始材料としての式Iの2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンのさらなる活用の範囲を拡大している。α−アサロン(トランス−2,4,5−トリメトキシフェニル−1−プロペン)は、抗脂血性および抗血小板活性を含むいくつかの薬学的活性について周知であるが、A.calamusを含む種々の植物種でβ−アサロンおよびγ−アサロンで微量で一般的に存在する(Patra,A.and Mitra,A.K.,J.Nat.Prod.,44,668−669(1981);Dung,N.X.;Moi,L.D.;Nam,V.V.;Cu,L.D.and Leclercq,P.A.,J.of Ess.Oil Res.,7(1),111−112(1995)およびParmar,V.S.;Jain,S.C.;Bisht,K.S.;Jain,R.;Taneja,P.;Jha,A.;Tyagi,O.D.;Prasad,A.K.;Wengel,J.;Olsen,C.E.;Boll,P.M.,Phytochemistry,46(4),597−673(1997))。豊富でないα−アサロンの分離は、アサロンリッチな精油のカラムクロマトグラフィーによって特に困難である。γ−アサロン(2,4,5−トリメトキシアリルベンゼン)のアルカリ異性化を含むα−アサロンの合成についての文献において見出される方法はほとんど無いが、少量の毒性β−アサロンは、常に、アルカリ異性化の間、α−アサロンで存在する(Devgan,O.N.and Bokadia,M.M.,Aust.J.Chem.,21,3001−3003(1968))。従って、報告された合成方法は、多工程のアプローチ、高価な試薬およびその異性体での全体的な乏しい収率のような欠点が無い。これらの問題において、第1に、他の異性体の存在無しに、α−異性体の形成について最も高い選択性を達成し、そして第2に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)のような脱水素化試薬の助けで、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの脱水素化によって容易に達成され得るα−アサロンを得るための単純、経済的および効率的な方法の検索するために、2つの因子が、α−アサロンの合成の中心である。脱水素化試薬(すなわち、二酸化マンガン、p−クロラニル、二酸化セレン、Pd/C、セレンおよび硫黄)のうち、DDQは、一相系または二相系で、シリカゲル、アルミナなどのような固体支持体を伴うかまたは伴わないで、反応時間、温度、溶媒および試薬(DDQ)の量を単に変化させることによって、単一の工程でα−アサロンの形成に対する選択された単一の試薬として発明された。無水溶媒(すなわち、メタノール、エタノールなどのようなアルコール;ヘキサン、ベンゼン、トルエンなどのような脂肪族および芳香族炭化水素;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのようなエーテル)中において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンと種々の量のDDQ(好ましくは、1.0〜1.1モルの範囲)との間の反応は、対応する脱水素化生成物(すなわち、トランス−アサロン(α−アサロン))を41〜44%の収率および未反応の開始材料(すなわち、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン)を、副生成物(4〜6%)として黄色化合物とともに終了し、一方、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンおよび種々の量のDDQ(好ましくは、1.1〜1.3モルの範囲)は、α−アサロン(48〜51%)ならびに上記の黄色化合物(9〜11%)を、開始物質無しで終了する(実施例II)。触媒量の固体支持体(例えば、セライト、シリカゲル、アルミナ、樹脂など)を2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンおよびDDQ(1.1〜1.3モル)の上記混合物に添加することは、脱水素化の速度を劇的に加速し、そしてα−アサロンの収率(67〜72%)を増加することに注目することが興味深い(実施例III)。IR、NMR、質量スペクトルデータに基づいて、黄色固体は、トランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドであることを見出し、これは、α−アサロン(トランス−アサロン、Sigma Chemical Ltd.から購入される)とDDQとをジオキサン中で反応させることによって調製された標準的なトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの混合融点(139〜140℃)と比較することによってさらに確認された。さらに、トランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドは、微量でCaesulia axillariesおよびAlpinia flabella中に存在するまれなフェニルプロパノイド(0.000015%)として見られ(Kulkarni,M.M.;Sohoni,J.;Rojatkar,S.R.and Nagasampagi,B.A.,Ind.J.Chem.Sec.B 25B,981−982(1986)およびKikuzaki,H.;Tesaki,S.;Yonemori,S.and Nakatani,N.Phytochemistry,56(1),109−114(2001)、従って、十分な量のトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの調製は、構造的に類似したシンナムアルデヒド誘導体に公知の種々の適用の評価のための新たな経路を開く(Tomoshi,K.and Makoto,F.,JP特許番号58055414A2;Saotome,K.,JP特許番号58201703A2;Watanabe,T.,Komeno,T.and Hatanaka,M.,JP特許番号6312916A2およびCastelijns,A.M.C.F.,Hogeweg, J.M.and vanNispen,S.P.J.M.,U.S.特許番号5811588))。α−アサロンおよびトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの構造を確認した後に、いかなる開始物質および黄色副作用(すなわち、2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒド)無しで、高収率でα−アサロンの排他的な形成に対する本発明者らの注意を集中する。α−アサロンの合成のための代替の経路は、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを種々の量のDDQ(1.0〜3モル(好ましくは、1.6〜2.1モルの範囲))で、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどから選択される水性有機溶媒中で、処理することによって容易に調製され得る1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノンを介しているようである。後に、2,4,5−トリメトキシプロピオフェノン(イソアコラモン)は、周知の薬用植物Acorus calamus、Piper marginatumならびにAcorus tararinowiiに存在する興味のあるまれなフェニルプロパノイドとして微量で実現される(Mazza,G.,J.of Chromatography,328,179−206(1985);Santos,B.V.de O.and Chaves,M.C.de O.,Biochem.Systematics Ecology,25, 539−541(1999)およびJinfeng,Hu and Xiaozhang, Feng,Planta Medica,66,662−664(2000)。従って、2,4,5−トリメトキシプロピオフェノン(イソアコラモン)の形成は、α−アサロンの調製のためのシントンとしてだけではなく、構造的に類似したプロピオフェノン誘導体に公知なそのより厳格な生物学的評価も容易にする(Stauffer,S.R.;Coletta,C.J.;Tedesco,R.;Nishiguchi,G.;Carlson,K.;Sun,J.;Katzenellenbogen,B.S.and Katzenellenbogen,J.A.,J.Med.Chem.,43,4934−4947(2000)およびJaimol,T.;Moreau.P.;Finiels,A.;Ramaswamy,A.V.and Singh,A.P.,Applied Catalysis A:General,214,1−l0(2001



))。α−アサロンを得るために、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノンは、水素化ホウ素ナトリウムで(1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−ヒドロキシプロパン)に還元し、続いて、p−トルエンスルホン酸または塩化チオニル/ピリジンなどのいずれかを使用して酸性脱水される(実施例IV〜VI)。
結論として、本発明者らの発明は、2つの重要な天然に存在するフェニルプロパノイド(すなわち、2,4,5−トリメトキシプロピオフェノン(イソアカロモン)および2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒド)とともに、薬理学的に活性なα−アサロンの調製のための単純かつ経済的なプロセスを開示し、これは、スキーム−Iに概説されるような、β−アサロンリッチAcorus calamus油の水素化を経由して得られる比較的安価かつ経済的な物質2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンから開始する。本発明の他の目的および利点は、説明が進むにつれて明らかになる。
(スキーム−I)
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(本発明の目的)
本発明の主な目的は、薬学的に活性なα−アサロンを2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンから調製することであり、これは、実際に、市販のAcorus calamus油から単離された毒性β−アサロンの水素化生成物である。
本発明の別の目的は、四倍体または六倍体の変種(アジアの国において排他的に分布する)の毒性ショウブ油を利用する可能性を調査することであり、それによって、その有益性の使用を向上する。
本発明のなお別の目的は、アサロンの他の異性体形態(すなわち、β−異性体および/またはγ−異性体)のいかなる混入物もなしに、排他的にα−アサロンの調製のための単純なプロセスを開発することである。
本発明のなお別の目的は、毒性化合物(すなわち、β−アサロン)から非毒性化合物(すなわち、α−アサロン)の調製のためのプロセスを開発することである。
本発明のなお別の目的は、時間、温度、溶媒および脱水素化試薬DDQの量を変更することによって、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの相互作用を研究することである。
本発明のなお別の目的は、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンから排他的にα−アサロンの調製のために最初に脱水素化試薬としてDDQを使用することである。
本発明のなお別の目的は、α−アサロンを高い純度および良好な収率で得るために、容易な生成プロセスを開発することである。
本発明のなお別の目的は、実際にα−アサロンとともに副生成物として形成される、極性黄色固体の予期しない形成を特徴付けることである。
本発明のなお別の目的は、天然に存在するまれなトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドに最終的になるようである黄色固体の構造を確立することである。
本発明のなお別の目的は、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノンから開始するα−アサロンの調製のための別の経路を開発することである。
本発明のなお別の目的は、水性有機溶媒中で2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンをDDQで処理することによって、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノン(イソアコラモン)を調製することである。
本発明のなお別の目的は、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノンを対応する1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノールに還元し、続いて酸性脱水することを介して、排他的にα−アサロンを調製することでらある。
(発明の要旨)
本発明は、穏やかかつ効率的な脱水素化剤としての2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)および実際には市販のショウブ油から単離された毒性β−アサロンの水素化生成物である2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの組み合わせを使用する薬学的に活性な天然に存在するα−アサロンの調製のためのプロセスを提供する。上記DDQ補助脱水素プロセスが、α−アサロンを導くだけでなく、天然にまれに存在するフェニルプロパノイド(すなわち、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(イソアコラモン)および2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒド)として後に特徴付けられた2つ以上の生成物も提供する。従って、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンのDDQ補助脱水素化/酸化による1工程でのα−アサロン、イソアコラモンおよび2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの形成は、これまでに報告された方法よりも安価で経済的な方法であり、そして本発明者らの発明は、一連の生物学的に活性なフェニルプロパノイド誘導体を形成し得る。
(発明の詳細な説明)
従って、本発明は、「中間体2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを介する毒性β−アサロンリッチなAcorus calamus油からの薬学的に活性なα−アサロンの調製のためのプロセス」を提供し、ここで、このプロセスは、式Iの2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを得るためのα,βおよびγ−アサロンの混合物を含む毒性β−アサロンまたはショウブ油の水素化、続いて溶媒を使用して30分〜72時間の範囲の期間の間、5〜120℃の範囲の温度でこの上記化合物を脱水素化することを包含する。
本発明の実施形態において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンから薬学的に活性なα−アサロンを調製するための単純なプロセスが利用可能であり、これは、実際、市販のショウブ油から単離される毒性β−アサロンの水素化生成物である。
本発明の別の実施形態において、四倍体または六倍体の変種(アジアの国で広範囲に分布する)のAcorus calamus油の由来の国際的に禁止されているが、幅広く入手可能な毒性β−アサロンの商業的利用のための単純なプロセスが利用可能であり、それによってその有利な使用を向上する。
本発明のなお別の実施形態において、単純なプロセスは、フェニルプロペンの3つの全ての異性体形態の混合物(すなわち、α、βおよびγ−アサロン)を最初に2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンに変換し、次いで、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロペン誘導体を排他的にトランス形態(α−アサロン)に再生することを包含する。
本発明の別の実施形態において、アサロンの他の異性形態(すなわち、βおよび/またはγ−異性体)の任意の組み合わせなしに、α−アサロンを排他的に調製するための簡単なプロセスが利用可能である。
本発明のなお別の実施形態において、公知の毒性化合物(β−アサロン)からあまり毒性でない化合物(すなわち、α−アサロン)の調製のための簡単なプロセスが利用可能である。
本発明のなお別の実施形態において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンと種々の量の脱水素化試薬(例えば、DDQ)との相互作用、ならびに種々の時間、温度、および溶媒の単純なプロセスを開示する。
本発明のなお別の実施形態において、穏やかな脱水素試薬DDQを使用して最初に2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンからα−アサロンを提供する。
本発明のなお別の実施形態において、脱水素化剤(DDQ)対2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンのモル比は、1.0:1.0〜1.3:1.0、好ましくは、1.0〜1.2:1.0の比で使用される。
本発明のなお別の実施形態において、良好な収率で、α−アサロンを得るための容易な精製プロセスを提供する。
本発明のなお別の実施形態において、最終的に天然に存在するまれなトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドであるようである極性の黄色固体の予期しない形成を特徴付ける。
本発明のなお別の実施形態において、工業的スケールで製造し得る、高収率でのα−アサロンについての半合成経路を提供する。
本発明のなお別の実施形態において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンをDDQで、有機溶媒(メタノール、ジオキサン、THFおよび水から選択される)中で、9.9:0.1〜9:1の範囲の比で、5〜110℃、好ましくは、8〜60℃の範囲の温度で処理することによって排他的に2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを提供する;反応時間は、1時間〜54時間、好ましくは、6〜18時間である。
本発明のなお別の実施形態において、固体化合物として2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンを提供するが、2,4,5−トリメトキシフェニルプロピオフェノン(Acorus tatarinowiiおよびPiper marginatumから単離される)は、粘性ガムとして報告される。
本発明のなお別の実施形態において、天然の2,4,5−トリメトキシフェニルプロピオフェノンを十分な量で提供し、これは、その幅広い範囲の生物学的評価のための機会を提供する。
本発明のなお別の実施形態において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロピオフェノンからその還元による1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−ヒドロキシプロパンへの還元、続く、酸性条件下での脱水によるα−アサロンの調製のためのプロセスを提供する。
本発明のなお別の実施形態において、2,4,5−トリメトキシフェニル−1−ヒドロキシプロパンの脱水は、p−トルエンスルホン酸で実施され、そして塩化チオニル/ピリジンなどは、α−アサロンを提供する。
フェニルプロパノイド(C〜C)は、主に、病原体の攻撃に応答して植物において産生される。この二次代謝物の群は、フェニルプロパノン、シンナムアルデヒド、シンナマル(cinnamal)アルコール、桂皮酸およびフェニルプロパンのような多くの生物学的に活性な化合物を含む。フェニルプロペンの3つの異性体形態のうち、シス異性体形態およびγ異性体形態は、毒性かつ発癌性であることが証明されているが、一方、トランス異性体形態は、香味、香料および薬学工業におけるその使用について報告されるが、一般的に、トランス異性体は、しばしば、植物界で少しの割合で存在する(Miller,E.C.;Swanson,A.B.;Phillips,D.H.;Fletcher,T.L.;Liem.A.and Miller,J.A.,Cancer Research,43(3),1124−1134(1983);Kim;S.C.;Liem;A.;Stewart;B.C.and Miller,J.A.Carcinogensis,20(7),1303−1307(1999)およびLazutka,J.R.;Mierauskiene,S.and Dedonyte,V.Food & Chemical Technology,39,485−492(2001))。いくつかの合成方法にも関わらず、γ−異性体のアルカリ異性化は、有用なトランス異性体を導くが、小さい割合の毒性シス異性体をともなう。このように、シス異性体を使用して、トランス異性体を排他的に調製する(すなわち、幅広い市販の毒性β−アサロン(シス異性体)をα−アサロン(トランス異性体)の合成への変換)ための簡単な方法を開発するための非常に興味深い挑戦であった。なぜなら、まれなα−アサロンが、以下に詳細に解説されるように、薬学工業の分野において多くの可能性および範囲を有するからである。
α−アサロン(トランス−2,4,5−トリメトキシ−1−プロペニルベンゼン)(A.calamusおよびいくつかの他の植物の構成要素)(Enqiquez,R.G.;Chavez.M.A.ande Jauregui,F.,Phyiochemistry,19(9),2024−2025(1980)およびDung,N.X.;Moi,L.D.;Nam,V.V.;Cu,L.D,and Leclercq,P.A.,J.of Ess.Oil Res.,7(1),111−112(1995))は、鎮静、神経弛緩、鎮痙、抗潰瘍、抗アテローム発生のような薬理学的効果について周知である(Menon,M.K.;and Dandiya,P.C.,J.Pharm.Pharmacol.,9(3),170−175(1967)およびBelova,L.F.;Alibekov,S.D.;Baginskaya,A.I.;Sokolov.S.Y.and Pokrovskava,G.V.,Farmakol.Toksikol.,48,17−20(1985))(抗脂血および抗血小板活性を含む)(Janusz,P.;Bozena,L.;Alina.T.D.;Barbara,L.;Stanislaw.W.;Danuta,S.;Jacek,P.;Roman.K.;Jacek,C.;Malgorzata,S.and Zdzislaw,C.,J.Med.Chem.,43,3671−3676(2000))。高脂血活性に関するので、コレステロールおよびトリグリセリドのレベルを減少するために使用される利用可能な合成薬物は、Colestipol、Questran、ClofibrateおよびNcomycinなどであり、これは、吐き気、腹部および胃腸の不快、便秘、傷んだ髪、下痢および胸やけのような特定の副作用を有する。特に、ネオマイシンは、高い毒性を有することが見出された。このように、これまで、副作用無しで、患者において高いコレステロールおよびトリグリセリドを減少させ得る効果的かつ安全な薬物はない。反対に、Angelica sinesis、Artemisia capillaries、Curcuma longaのような従来の天然の薬草(Soudamini,K.K.;Unnikrishnan.M.C.;Soni,K.B.and Kuttan,R.,Ind.J.Physiol.Pharmacol.,36,239−243(1992)およびDeters,M.;Siegers,C.;Hansel,W.;Schneider.K.P.and Hennighausen,G.,Planta Medica,66,429−434(2000))は、高脂血症のレベルを減少させるための臨床において使用されている。同様に、Guatteria gaumeriの樹皮(従来のメキシコの医薬)はまた、高コレステロール血症および胆石症を処置するために使用され、そしてその活性成分は、α−アサロンであることが報告される(Gomez,C.;Chamcrro,G.;Chav’ez.M.A.;Martinez,G.;Salazar.M.;Pages,N.,Plant.Med.Phytother.,21,279−284(1987))。コレステロールおよびトリグリセリド低下活性は、高コレステロールの食餌を給仕されたマウスに80mg/kgの経口用量でα−アサロンについて観察され、これは、それぞれ、49.6%および83.7%の減少を示す。しかし、高密度のリポタンパク質(HDL)−コレステロールは、増加することが見出された(Hemandez,A.;Lopez.M.L.;Chamorro.G.and Mendoza,F.T.,Planta Medica,59(2),121−124(1993);Chamorro,G.;Salazar.M..;Salazar,S.and Mendoza,F.T.Revista−de−Investigacion Clinica,45(6),597−604(1993)およびGarduno,L.;Salazar,M;Salazar,S.;Morelos,M.E.;Labarrios,F.;Tamariz,J.and Chamorro,G.A.,J.of Ethncpharmacology,55(2),161−163,(1997)。α−アサロンの毒性はまた、ラットおよびマウスにおいて調査され、そして毒性効果は観察されない(Salazar.M,;Salaz,S.;Ulloa,V.;Mendoza,T.;Pages,N.and Chamorro.G.,J.Toxicol.Clin.Exp.,12,149−154(1992);Chamorro,G.,Salazar,M.;Salazar,S.and Mendoza,T.,Rev.Invest.Clin.,45,592−604(1993);Sagimoto,N.;Goto.Y.;Akao,N;Kiucki.F.and Kondo,K.,Biol.Pharm.Bull.,18,605−609(1995);Lopez:,M,L.;Hernandez,A.;Chamorro,G.and Mendoza,F.T.,Planta Medica,59(2),115−120(1993)およびChamorro,G.A.;Salazar,M.;Tamariz,J;Diaz,F,and Labarrios.F.Phyiotheraphy Research,13(4),308−311(1999))。さらに、α−アサロンはまた、種々の生物学的に活性な化合物の合成のための開始材料として(Mori−K;Komatsu,M;Kido.M and Nakagawa,K.Tetrahedron Letter,42(2),523−528(1986))、および薬物の形成で(Harbome.J.B.and Baxter.H.In:Phytochemical Dictionary:A Handbook of Bioactive Compounds from Plants,Taylor & Francis Ltd.,Washington DC,474(1993))使用される。従来、いくつかの経路は、α−アサロンを調製するために開発されている。例えば:
(a)開始物質としてトリメトキシベンゼンを利用する方法(Francisco,D.;Leticia,C.;Rosa.F,;Joaquin,T,;Fernando,L.;German,C.;Heber,M.Org.Prep.Proced.Int.23(2),133−138(1991))。
(b)2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドをエチルマグネシウムブロミド(グリニャール試薬)で処理して、対応するアルコールを得、次いで、アルコールをα−アサロンに脱水した(Wang.Z.;Jiang,L,and Xingxtang.X.,Youji Huaxue,10(4),350−352(1990);Shirokova,E.A.;Segal,G.M,and Torgov,I.V.,Bioorg.Khim.,11(2),270−275(1985)およびJanusz,P,;Bozena,L,;Alina,T.D.;Barbara,L.;Stanislaw,W.;Danuta,S.;Jacek,P.;Roman,K.;Jacek,C.;Malgorzata,S.and Zdzislaw,C.,J.Med.Chem.,43,3671−3676(2000))。
(c)開始物質としてバニリンを利用する方法(Nenoklchi,H.and Shibamoto,N.,Kinki Daigaku Rikogakubu Kenkyu Hokoku,12,63−66(1977))。
(d)β−アサロンの植物化学異性体を含む方法(Saxena,D.B.and Mukerjee,S.K.,Indian J.of Chem.,24B,683−684(1985))。
しかし、全ての上記の報告された方法は、実際的でない。なぜならこれは、いくつかの工程、高価な試薬および開始物質を必要として、全体的に低い収率である。高い選択性でα−アサロンの合成に対する継続的な努力において、幅広い市販のβ−アサロン(上に考察される)の2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(ジヒドロアサロン)に水素化し、続いて、脱水素化することを含む2つの工程のプロセスは、上記欠点が無いようである。
2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンは、パール反応器での水素化プロセスによってβ−アサロンなどの触媒的還元によって得られ得る。しかし、パール反応器での水素化は、爆発性の水素ガスシリンダーを必要とし、そしてまた、TLCによる反応の進行のモニタリングは、水素化の間、可能ではない。従って、本発明者らは、植物由来のβ−アサロンまたはβ−アサロンリッチショウブ油を2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの形成へと良好な収率で、還元する(Sinha,A.K.,2000年8月31日に出願されたUS特許第09−652376)ために、最初に、触媒的水素移動剤としてギ酸アンモニウムまたはギ酸/トリエチルアミンの効率を最近再検討し、この詳細は、実施例(実施例I)に与えられる。得られる2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンは、DDQのような脱水素化剤を使用して、トランス形態(すなわち、α−アサロン)に二重結合の生成のための単純かつ経済的な開始物質として役立つ。
分子中の二重結合の導入は、脱水素化反応として呼ばれ、これは、ヒドリドイオン(イオン性機構)または水素原子または電子(フリーラジカル機構)のいずれかでの抽出によって進行し得る。いくつかの公知の脱水素化試薬(すなわち、MnO、DDQ、DCQ、Hg(OAc)、SeO、Pd/C、SeおよびS)があり、DDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン)は、効率的であることが見出され、そして2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン誘導体をトランス−アサロンに変換するための脱水素化試薬を容易にする。DDQは、強力な脱水素化試薬(Sondengam,B.L.and Kimbu,S.F.,Tetrahedron Letters,1,69−70(1977)およびGuy,A.;Lemaire,M.and Guette,J.P.,Chem.Commun.,8(1980))使用され、これは、一電子酸化剤として作用する(Becker,H.D.,J.Org.Chem.30,982(1965))。DDQは、最初に、テトラリンおよびビベンジルをナフタレンおよびスチルベンにそれぞれ脱水素化するために導入された(Braude,E.A.and Waugh,T.D.,J.Org.Chem.,30,3240(1965))。この高い潜在的なキノンはまた、幅広い適用(Walker,D.and Hiebert,J.D.,Chem.Rev.,67,153(1967))(特に、ステロイドの分野で)を見出され、その範囲は、ケトン、アルコールおよびラクトンなどの脱水素化に拡大されている。多くのアリルアルコールおよびベンジルアルコールは、室温でDDQと迅速に反応し(Findlay,J.W.A.and Turner,A.B.,J.Chem.Soc.(C),23(1971))、これは、それらの構造に依存して、カップリング反応または脱水素化を受ける。DDQとの迅速な反応はまた、活性化された第3級水素原子を含む化合物において観察される(Brown,W.and Turner,A.B.,J.Chem.Soc.(C),2057(1971))。さらに、DDQ媒介反応によって、反応の進行をモニターし得る。なぜなら、最初に形成される緑色電荷移動(CT)錯体が、ピンク色または茶色(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ヒドロベンゾキノンが結晶化して析出するので)に変化し始め、従って、生成物の形成を示すからである。反応の終了の際に、沈殿したヒドロベンゾキノン(DDQH)は、濾過により容易に分離され得、これは、91〜94%の収率で2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ヒドロベンゾキノン(DDQH)を得ることができる。沈殿したヒドロキノン(DDQH)の量は、水素移動の簡便な程度の尺度である。このように得られたDDQHは、標準的な方法(Walker,D.and Waugh,T.D.,J.Org.Chem.,30,3240(1965))によって良好な収率でDDQに簡便に変換して戻り得る。全ての脱水素化試薬(例えば、クロラニル、二酸化セレン、硫黄およびセレン)を考慮して、DDQは、排他的に、トランス形態に炭素−炭素二重結合の形成に向かう効率的な脱水素化試薬であることが見出され、これはまた、4,4’−ジメトキシビベンジルをトランス−4,4’−ジメトキシスチルベンへの変換の間の文献において見出されている(Lernaira,M.;Guy,A.and Imbert,D.,Chem.Commun.,741(1986))およびIreland,R.E.and Brown,G.,Org.Synthesis,Coll.Vol.V,428−431)ことを言及することは、価値がある。
興味深いことに、DDQと2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンとの間の相互作用は、時間、温度、溶媒および試薬(DDQ)の量に大きく依存する。極性無水溶媒(すなわち、メタノール、エタノール、プロパノールなどのようなアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのようなエーテル;ジクロロメタン、クロロホルムなどのような塩素化溶媒)において、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンと種々の量のDDQ(好ましくは、1.0〜1.1モルの範囲)との間の反応は、対応する脱水素化生成物(すなわち、副生成物としての黄色極性化合物とともに、α−アサロンおよび未反応開始物質)を供給し、一方、同じ溶媒中の2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンおよび種々の量のDDQ(好ましくは、1.1〜1.3モルの範囲)は、α−アサロンおよび上記化合物を供給するが、いかなる開始物質も含まない(実施例II)。触媒量の固体支持体(セライト、シリカゲル、アルミナ、樹脂など)の添加は、脱水素化の速度を劇的に加速し、そしてα−アサロンの収率を増加する(実施例III)。なぜなら、有機合成のための不活性支持体に吸着される試薬の利用という概念はまた、いくつかの化学によって最近使用されている(Posner,G.H.and Rogers,D.Z.,J.Am.Chem.Soc.99,8208(1997);Jr.Filippo,J.S.and Chem,C.I.,J.Org.Chem.42,2182(1979))。副生成物の形成は、DDQおよび多くの他の酸化剤(例えば、PCC、MnO、KMnO、Cr(VI)など)のような酸化剤で驚くべきことではない(Muzart,J.Tetrahedron Letters 28(40)4665−4668(1987))。最初に、副生成物(すなわち、黄色バンド)は、カラムの内側で数回のままであり(カラムクロマトグラフィーの間)、未反応のDDQと考えられる。なぜなら、DDQは、それ自体、黄色の試薬であるが、トランス−アサロンの不十分な収率は、各バンドの分離し、続いて、それらを詳細に特徴付けることを本発明者らに誘導した。最後に、黄色固体の融点(139〜140℃)は、DDQ(209〜214℃)の可能性を除外し、その後、本発明者らは、それを、スペクトルデータに基づいて、2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドとして特徴付けた。黄色固体は、1648(共役C=O)cm−1にIR吸収バンドを示し、また、陽性の2,4−DNP試験を与え、これは、カルボニル基の存在を確認した。カルボニルのアルデヒドの性質は、Tollen試験によって示された。黄色固体のH NMRは、14個のプロトン(実施例II)を示し、これは、β−アサロンと比較して2個分のプロトンが少ない(Patra,A.and Mitra,A.K.,Phytochemistry,44,668−669,(1981))(δ6.64(1H、っd、J=15.8Hz、J=7.8Hz)の二重線として現れるオレフィンプロトンとカップリングしたアルデヒドプロトンに割り当てられ得るδ9.65(1H、d、J=7.8Hz)の二重線を除く)。この第2のプロトンは、他のオレフィンプロトンδ7.81(1H、d、J=15.8Hz)と代表的に大きなカップリング定数を形成し、または多くの種類の値のJは、トランス立体化学を示す。さらに、2つの芳香族一重線プロトンおよびトリメトキシ基からの9プロトンについての3つの一重線は、開始物質とおよそ同じδ値であるが、δ9.65(1H,d)、7.81(1Hmd)および6.64(1H,dd)の3つのプロトンの存在が、最終的に、トリメトキシフェニル環に結合された不飽和のアルデヒド基(−CH=CH−CHO)の可能性を支持した。同様に、黄色固体の13C NMR(δ194.1、154.1、153.2、147.6、143.3、126.4、114.5、110.5、96.5、56.4、56.2、56.0に見られる)は、δ194.1(C−3’)、154.1(C−1’)および126,4(C−2’)において見られる側鎖プロピル基の位置が、(−CH=CH−CHO)基に起因し得ることを除いて、β−アサロンの12個の炭素と類似した12個の炭素の存在を明らかに示した。黄色固体のEI質量スペクトルは、m/z222の明らかな[M]ピークを示した。上記H、13CおよびIRデータとともに、この黄色の固体は、最終的に、トランス異性体として2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドであることが確認され、これは、後に、天然に存在するまれなフェニルプロパノイドとして発見された(Kulkarni,M.M.;Sohoni,J.;Rojatkar,S.R.and Nagasampagi,B.A.,Indian J.Chem,2513,981(1986))。フェニルアルカン(すなわち、2,4,5−トリメトキシプロパン)からの一工程でのトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの形成は、シンナムアルデヒド誘導体の合成についての新たな経路を開くことを言及することは価値があり、そして本発明者らは、最近一連の置換シンナムアルデヒド誘導体の排他的な開発に対する発見を拡大した(Sinha,A.K.,Joshi,B.P.and Dogra,R.2001年3月14日に出願された米国特許第09−805832号およびSinha,A.K.,Joshi,B.P.and Dogra,R.2001年5月21日に出願されたPCT特許番号IN 01/00104)(これは、これまでに報告された合成方法より単純かつ簡単である(米国特許第2,529,186号,Nov.7,(1950);Friedrich and Hartmann,Chem.Ber.,94,838(1961);Ger.Pat.1,114,798,Oct.12,(1961);米国特許第3,028,419号,April 3,(1962);Deuchert,S.K.,Hertenstein,U.and Hunig,S.,Synthesis,777(1973);El−Feraly,F.S.and Hoffstetter,M.D.,J.Nat.Prod.43,407(1980);Rajasekhar,D.and Subbaraju,G.V.,Indian.J.Chem.,38,837−838(1999))。本発明者らの最良の知識において、幅広く入手可能なアリルおよび/またはプロペニルフェニルのフェニルプロパンへの水素化、次いで、フェニルプロパンのトランス−フェニルプロペン誘導体(α−アサロン)への脱水素化のような二工程は、アリルフェニルのアルカリ異性化が常に、トランス異性体を提供するが、常に、種々の量の毒性シス異性体(β−アサロン)を提供することを十分に言及されているが、先に報告されていない。上記方法が、72%の収率(実施例II)を提供するが、本発明者らの主要な目的は、依然として、α−アサロンの割合を増加することおよび2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの脱水素化/酸化の間、2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの異常な形成の収率をおさめるかまたは減少させることであった。
α−アサロンの収率をさらに増加させるために、代替の経路は、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンをDDQで水性有機溶媒中で処理することによって、中間体1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノン(イソアコラモン)を調製し、これは、水素化ホウ素ナトリウムを用いる処置において、1−(2,4,5−トリメトキシフェニル−1−ヒドロキシプロパンに、続いて、α−アサロンの形成への酸性脱水を行うようである。1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノン(mp109〜110℃)の構造を、スペクトルデータに基づいて確認し(実施例IV)、これを後に、天然に存在するまれなフェニルプロパノイド(明るい黄色の粘稠なガムとしてAcorus tatarinowiiから単離される)として発見するが、本発明者らの方法は、イソアコラモンを、天然のイソアコラモンとしての類似のスペクトルデータを有する結晶固体として得た(Jinfeng,Hu and Xiaozhang,Feng,Planta Medica,66,662−664(2000))。フェニルアルカン(すなわち、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン)から単一の工程で1−(2,4,5−トリメトキシフェニル)−1−プロパノンの形成は、フェニルプロパノン誘導体の合成のための新たな経路を開き、これは、実際に、穏やかで簡単で、一般に報告された合成方法において存在する欠点が無い。報告された方法のいくつかは、以下である:
(a)アリール基または置換アリール基のAlClおよび塩化アシルでのアリールケトンへのFriedel Craft反応。しかし、メトキシ置換アリールは、Friedel Craft反応の間、AlClでのある程度の脱メトキシル化を導き得る(Horie,T.,Tominaga,H.,Kawamura,Y.,Hada,T.,Ueda,N.,Amano,Y.and Yamamoto,S.,J.Med.Chem.,34,2169−2176(1991)およびShaun,R.S.;Christopher,J.C.;Rosanna,T.;Gisele,N.;Kathryn,C.;Jun,S.;Benita,S.K.and J,A.K.,J.Med.Chem.,43,4934−4947(2000))。
(b)酸触媒(例えば、TiCl、FeCl、SnCl、CFSOH、Nafion−Hおよび金属酸化物など)を使用する置換ベンゼン誘導体のアシル化による調製(Brown,H.C.and Marino,G.,J.Am.Chem.Soc.,81,3308(1959);Olah,G.A.;Malhotra,R.;Narang,S.C.and Olah,J.A.,Synthesis,672(1978)およびYamaguchi,T.,Appl.Catal.,61,1(1990))。
(c)か焼ZnCrCO、NiAlCO、CuZnAlCOおよびMgAlCO(ハイドロタルサイト)を用いるベンジル炭化水素のケトンへの酸化による調製(Choudhary,B.M.;Bhurna,V.and Narender,N.,Indian J.Chem,36B,278−280(1997))。
(d)酢酸バニリンとヨウ化プロピル/Mgリボンとの反応、続くカルビノール誘導体のフェニルプロパノンへの脱水素化による数工程での調製(Suri,O.P.,Bindra,R.S.,Satti,N.K.and Khajuria,R.K.,Indian J.Chemistry,26B,587−588(1987))。
(e)フェニルリチウム化合物およびグリニャール試薬とカルボン酸リチウムとによる調製(Levine,R.;Karten,M.J.and Kaudunce W.M.,J.Org.Chem.,40,1770−1773(1975))。
(f)プロピオン酸および鉄(II)塩と安息香酸との反応による調製(Granito,C.and Schultz,H.P.,J.Org.Chem.,879−881(1963))。
(g)ゼオライトH−β触媒を使用する塩化プロピルとメトキシル化ベンゼンの反応による調製(Jaimol,T.;Moreau,P.;Finiels,A.;Ramaswamy,AN.and Singh,A.P.,Applied Catalysis A:General,214,1−10(2001))。
1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノン(2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンとしても公知)が、これまでに、周知の2つの薬用植物(Acorus tatarinowiiおよびPiper marginatum)から単離されているが、微量にすぎない。従って、十分な量の2,4,5−トリメトキシプロピオフェノン(イソアコラモン)の調製は、構造的に類似するプロピオフェノン誘導体について公知のより厳密な生物学的評価を容易にし得る(Kuchar,M.;Brunova,B.;Rejholec,V.;Roubal,Z.and Nernecek,O.,Collection Czechoslov.Chem.,41,633−646(1976);Lariucci,C.;Homar,U.B.;Ferri,P.H.and Santos,L.S.,Anais Assoc.Bras.Quim.,44(3),22−27(1995);Stauffer,S.R.;Coletta,C.J.;Tedesco,R.;Nishiguchi,G.;Carlson,K.;Sun,J.;Katzenellenbogen,B.S.and Katzenellenbogen,J.A.,J.Med.Chem.,43,4934−4947(2000)and Jaimol,T.;Moreau,P.;Finiels,A.;Ramaswamy,AN.and Singh,A.P.,Applied Catalysis A:General,214,1−10(2001))だけでなく、2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンの水素化ホウ素ナトリウムなどを用いる1(2,4,5−トリメトキシフェニル)−1−ヒドロキシプロパノン、続く、p−トルエンスルホン酸を用いるその酸性脱水によるα−アサロンの調製のためのシントンでもあり得る(実施例VIおよびVII)。
α−アサロンの合成についてこれまでに報告された全ての方法(Francisco,D.;Leticia,C.;Rosa,F.;Joaquin,T.;Fernando,L.;German,C.;Heber,M.Org.Prep.Proced.Int.23(2),133−138(1991);Wang,Z.;Jiang,L.and Xingxiang,X.,Youji Huaxue,10(4),350−352(1990);Shirokova,E.A.;Segal,G.M.and Torgov,IN.,Bioorg.Khim.,11(2),270−275(1985)およびJanusz,P.;Bozena,L.;Alina,T.D.;Barbara,L.;Stanislaw,W.;Danuta,S.;Jacek,P.;Roman,K.;Jacek,C.;Malgorzata,S.and Zdzislaw,C.,J.Med.Chem.,43,3671−3676(2000));Nenokichi,H.and Shibamoto,N.,Kinki Daigaku Rikogakubu Kenkyu Hokoku,12,63−66(1977);Saxena,D.B.and Mukeijee,S.K.,Indian J.of Chem.,24B,683−684(1985))は、種々の制限を有し、いずれもα−アサロンの経済的な生成に適切であると見出されていない。安価な材料および試薬からのα−アサロンの単純な合成を求める際に、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(アサロン含有量においてリッチな市販のAcorus calamusの水素化から単離される)は、単純かつ経済的な開始物質であるようであり、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパノンは、脱水素化および酸化を受けて、α−アサロンだけでなく、まれな生物学的に重要なフェニルプロパノイド(すなわち、イソアコラモンおよび2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒド)も与える。本発明において、α−アサロンの形成は、毒性β−アサロンから、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを介するα−アサロンのDDQ補助一工程合成の最初の例であり、これは、実際に、単純性および直接性という利点を提供し、そして大スケールの調製に適用され得る。
(実施例)
本発明は、ここで、添付の実施例を参照して、例として記載され、この実施例は、説明の目的のために提供され、そして本発明を制限するとして解釈されない。
(実施例1)
2,4,5−トリメトキシフェニルプロパノン(ジフドロアサロン)の調製:開始物質2,4,5−トリメトキシフェニルプロパノンは、β−アサロン(Acorus calamus油から単離される)またはアサロン(すなわち、βおよび/またはα,γ−アサロン)含有量のリッチな市販のショウブ油の水素化によって調製される。
(a)β−アサロンの2,4,5−トリメトキシフェニルプロパノン(ジヒドロアサロン)への水素化:β−アサロンを、粗製ショウブ油(17.00g)をシリカゲルカラムに装填し、次いで、カラムをヘキサンで溶出して、望ましくない非極性化合物を除去することによって単離した。酢酸エチルの割合を10%まで増加させながら、ヘキサン−酢酸エチル混合物で溶出して、13.94g(82%、w/w)の純粋な液体を得た;R 0.63(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル=1:1:0.1);
Figure 0004187660
上記スペクトルデータに基づき、報告された文献(Gonzalez,M.C.;Sentandrew,M.A.;Rao,K.S.;Zafra,M.C.and Cortes,D.,Phytochemistry 43,1361−1364(1996))と比較して、この液体は、94%の純度のβ−アサロンとして同定された(GCによる、以下の条件を有するShimadzu−GC−14Bガスクロマトグラフで実施された:SE−30カラム;30 m ×0.25mm;インジェクター2500/C;FID検出器230°/c;温度プログラム40(2分間保持)〜220℃(10分間保持)、10℃分−1;容積1μl;Nフロー30ml/分;Hフロー40ml/分;エアフロー300ml/分;スプリットインジェクション比1:30)。
160mlのエタノール中のβ−アサロン(6.00g、0.029モル)を、活性チャコール担持10%パラジウム(0.80g)およびギ酸アンモニウム(17.00g、0.27モル)とともに、室温で、窒素雰囲気下で、開始物質が消えるまで攪拌した。触媒を濾過によって除き、そして溶媒を減圧下でエバポレートさせた。残留物を酢酸エチルと水との間で分配し、そして酢酸エチル層を水で洗浄し、乾燥(NaSO)し、そして濾過した。濾液のエバポレーションを液体のままにし、これを、溶出液として、酢酸エチルの割合を増加させてヘキサン−酢酸エチル混合物を使用してシリカゲル上でクロマトグラフィーを行った。溶出液をエバポレートして、5.85g(97%)の透明な甘い心地よい液体を得た;シリカゲルプレート(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル=1:1:0.1)でR0.69。これは、0℃で固化した;
Figure 0004187660
H NMR、13C NMRおよび質量スペクトルデータに基づいて、上記液体が、99%の純度(GCによる)で2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンとして同定された。
(b)粗製Acorus calamus油のジヒドロアサロンへの水素化:この方法において、300mlのメタノール中の42.00gの粗製ショウブ油(β−アサロンおよび/またはα,γ−アサロンがリッチ)を、開始物質が無くなるまで、室温で10〜40psiで、10%Pd/C(4.80g)とともにパール反応器で水素化した。触媒を濾過し、そして溶媒を減圧下で除き、これは、39.9g(95w/w)の還元した油を与えた。上記溶出物系(ヘキサン−酢酸エチル混合物)を使用するシリカゲルカラムでの還元した油のカラム精製によって、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(35.76g)を液体として85%(w/w)の収率で得た;R 0.63(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル=1:1:0.1);液体のH NMR(CDCl)は、以下で見られた:
Figure 0004187660
スペクトルデータに基づいて、上記液体を2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンとして同定した。
(実施例II)
(DDQを用いた2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの脱水素化によるα−アサロン(トランス−2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン)の調製):無水ジオキサン(40mL)中のDDQ(2.04〜2.65g)の溶液を、10〜15分にわたって、氷冷した十分に攪拌された2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(1.89g、0.009モル)の溶液に滴下し、そして室温で一晩、不活性雰囲気下で攪拌を続けた。沈殿した固体(DDQH)を濾過し、そしてさらに、ジオキサンで2回洗浄した。合わせたジオキサンをエバポレートし、そして濃縮物を水に注ぎ、次いで、ジクロロメタン(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×15mL)、10%重炭酸ナトリウム(2×10mL)、ブライン(3×15mL)で洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒のエバポレーションで得られた残留物を、40%まで酢酸エチルの割合を増加させて、ヘキサン−酢酸エチル混合物を使用して、シリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、類似のRを有する画分を混合し、溶媒のエバポレーション後に2つの粘稠な液体が得られ、これをヘキサンおよびメタノールの混合物からさらに結晶化して、0.90gの白色固体(48%、mp44〜45℃)および副生成物としての0.18gの黄色固体(9%、mp139〜140℃)を得た。
上記のように得られた白色固体(mp44〜45℃)は、R0.63(ヘキサン:トルエン:酢酸エチル=1:1:0.1);
Figure 0004187660
上記スペクトルデータに基づき、報告された文献(Patra,A.and Mitra,A.K.,J.Nat.Prod.44,668−669(1981)およびGonzalez,M.C.;Sentandrew,M.A.;Rao,K.S.;Zafra,M.C.and Cortes,D.,Phytochemistry 43:1361−1364(1996))と比較して、白色固体(mp44〜45℃)をα−アサロンとして同定した。
副生成物として得られた黄色固体(mp139〜140℃)を、以下を有するトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドとして同定した:R0.45(ヘキサン:酢酸エチル=4:1);
Figure 0004187660
上記スペクトルデータに基づき、報告された文献と比較して、黄色固体(mp139〜140℃)を、トランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドとして同定した
(実施例III)
(少量のシリカゲルを含むDDQでの2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンの脱水素化によるα−アサロンの調製):触媒量のシリカゲル(0.2〜0.6g)の添加は、上記脱水素化プロセス(実施例II−a)が同じ条件下で行われた場合の反応速度を劇的に加速し、そして、α−アサロンの収率を改善し、72%の収率のα−アサロンおよび18%の収率のトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドを生じる。
(実施例IV):
イソアコラモン(1−(2,4,5−トリメトキシフェニル)−1−プロパノンの調製):ジオキサン(40mL)中のDDQ(3.06〜4.09g)の溶液を、10分にわたって、湿潤したジオキサンまたはエタノール(55mL)中の2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(1.89g、0.009モル)の十分に攪拌した氷冷溶液に滴下し、そして得られた混合物を室温で一晩攪拌した。沈殿物を濾過し、さらに、ジオキサンで2回洗浄した。合わせたジオキサン層をエバポレートし、そして混合物を水に注ぎ、そしてジクロロメタン(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×15mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒のエバポレーションで得られた残留物を、40%まで酢酸エチルの割合を増加させて、ヘキサン−酢酸エチル混合物を使用して、シリカゲルでクロマトグラフィーにかけ、粘稠な液体を得、これを、酢酸エチル/ヘキサンから再結晶化して、1.19%(59%)の白色結晶のイソアコラモンを得た。スペクトルデータは、実施例IIIにおいて上記したものと同様に見られた。
(実施例V)
(1−(2,4,5−トリメトキシフェニル)−1−プロパノールの調製):40mLのTHF中のイソアコラモン(1.12g、0.005モル)の溶液を、−5℃で攪拌した。水(1.2〜1.8mL)中のNaBH(0.24〜0.39g)の予め冷却した溶液を滴下し、一方、反応混合物の温度を0℃未満に維持した。NaBHの添加の完了後、数滴の10%NaOHを添加し、そして反応混合物を、一晩、室温で攪拌した。最後に、この反応混合物を、飽和塩化アンモニウム溶液(20mL)で希釈し、そして室温で20分間攪拌し続けた。THFを減圧下で除去し、そしてこの混合物をEtOAcで2回抽出した。このEtOAc溶液をHOで2回(2回)洗浄し、ブラインで2回洗浄し、そして濾過した。濾液を硫酸ナトリウムで乾燥させ、そしてエバポレートして乾固させた。エバポレーションで得られた残留物は、次の工程で十分に純粋であると分かったが、酢酸エチルを25%まで割合を増加しながら、ヘキサン−酢酸エチル混合物を使用して中性アルミナカラムでクロマトグラフィーにかけて、1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノール(1.01g、89%)を液体として得、これを、結晶化後、白色固体を得た;R0.78(ヘキサン中28%酢酸エチル);mp98〜99℃;
Figure 0004187660
(実施例VI)
(α−アサロン(トランス−2,4,5−トリメトキシフェニル−1−プロペン)の調製):触媒量のp−トルエンスルホン酸(0.4〜0.6g)を、トルエン(80mL)中に1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノール(0.90g、0.004モル)の溶液に添加した。この混合物を、Dean Stark装置で12〜14時間、環流させた。最後に、この混合物を、氷冷した水中に注ぎ、そしてトルエン(3×70mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(3×15mL)、飽和重炭酸ナトリウム(2×10mL)、ブライン(3×15mL)で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒のエバポレーションで得られた残留物を、酢酸エチルを10%まで割合を増加しながら、ヘキサン−酢酸エチル混合物を使用してシリカゲルカラムでクロマトグラフィーにかけて、mp44〜45℃を有する白色固体として純粋なα−アサロン(0.72g、87%)を得た。スペクトルデータは、上記と同じであることが見出された(実施例II)。
(本発明の主要な利点):
1.プロセスは、DDQを汎用性の試薬として開示して、幅広い範囲のまれなフェニルプロパノイド(すなわち、α−アサロン、2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドおよび1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−プロパノン(イソアコラモン))を一工程で種々の溶媒、時間、温度および脱水素化DDQ試薬の量を変化させて、提供する。
2.実際に、市販のショウブ油から単離された毒性のβ−アサロンの水素化生成物である2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンからの薬理学的に活性なα−アサロンの調製のための単純なプロセス。
3.国際的に禁止されているが幅広く入手可能な毒性β−アサロンリッチなショウブ油を2工程プロセス(すなわち、水素化および脱水素化)を介して、周知の薬理学的に活性なα−アサロンにし、それによって、四倍体または六倍体の変種(アジアの国に広範囲に分布する)のAcorus calamusの有益な使用を向上する。
4.アサロンの対応する異性体形態(すなわち、β−アサロンおよび/またはγ−アサロン)のいかなる混入も無しに排他的にα−アサロンの調製のための単純なプロセス。
5.毒性化合物(すなわち、β−アサロン)からの非毒性またはあまり毒性でない化合物(すなわち、α−アサロン)の調製のためのプロセス。
6.このプロセスによって、本発明者らは、フェニルプロペンの3つ全ての異性体形態(すなわち、α、βおよびγ−アサロン)の混合物を、最初に、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン(水素化による)にし、次いで、フェニルプロペンを排他的にトランス形態(すなわち、α−アサロン)に再生(脱水素化による)するが、先に報告された方法は、常に、α−アサロンに、γ−アサロンなどのアルカリ異性化の間に、種々の量の毒性β−アサロンを提供する。
7.最初に、穏やかな脱水素化DDQ試薬を使用して、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンからα−アサロンを調製するためのプロセス。
8.フェニルプロパン誘導体から一工程での天然に存在するまれなトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの調製のためのプロセスであって、これは、実際に、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンからα−アサロンの調製の間に発見された。
9.プロセスは、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンを水性溶媒中でDDQで処理することによって得られる2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンから開始してα−アサロンを調製するための代替の経路を提供する。
10.プロセスは、固体として2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンを提供し、一方、天然の2,4,5−トリメトキシプロピオフェノン(Acorus tatarinowiiおよびPiper marginatumから単離された)は、粘稠なガムとして報告される。
12.2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンの形成は、フェニルプロパン誘導体(すなわち、2,4,5−トリメトキシフェニルプロパン)から一工程で一連のプロピロフェノン誘導体を調製するための新たな合成経路を開くプロセス。
14.プロセスは、天然に存在する2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンを、十分な量で形成し、その幅広い範囲の生物学的評価の機会を提供する。
15.プロセスは、2,4,5−トリメトキシプロピオフェノンをの2,4,5−トリメトキシフェニル−1−ヒドロキシプロパノンへの高収率な還元、続く、p−トルエンスルホン酸および塩化チオニル/ピリジンなどを使用する酸性脱水によって排他的にα−アサロンを提供する。
図1は、実施例IIの反応生成物のα−アサロンのH NMR(300MHz)(CDCl中)である。 図2は、実施例IIの反応生成物のα−アサロンの13C NMR(75.4MHz)(CDCl中)である。 図3は、実施例IIIの反応生成物の2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドのH NMR(300MHz)(CDCl中)である。 図4は、実施例IIIの反応生成物の2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドの13C NMR(75.4MHz)(CDCl中)である。 図5は、実施例IVの反応生成物の1−(2,4,5−トリメトキシ)−1−プロパノンのH NMR(300MHz)(CDCl中)である。 図6は、実施例IVの反応生成物の1−(2,4,5−トリメトキシ)−1−プロパノンの13C NMR(75.4MHz)(CDCl中)である。 図7は、実施例Vの反応生成物の1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−ヒドロキシプロパノンのH NMR(300MHz)(CDCl中)である。 図8は、実施例Vの反応生成物の1−(2,4,5−トリメトキシ)フェニル−1−ヒドロキシプロパノンの13C NMR(75.4MHz)(CDCl中)である。

Claims (23)

  1. 毒性β−アサロン(シス異性体)またはα−異性体およびγ−異性体を含むβ−アサロンリッチなAcorus calmus油からの、薬理学的に活性な式IIのα−アサロン(トランス異性体)の調製のためのプロセスであって、該プロセスが、以下の工程:
    (a)室温で、0〜276kPa(0〜40psi)の圧力下で、ギ酸アンモニウムを伴うかまたは伴わないで、10%Pd/C触媒を使用して、β−アサロンまたはα−アサロンおよびγ−アサロンを含むβ−アサロンリッチなショウブ油を水素化する工程、
    (b)カラムクロマトグラフィーを実行することによってシリカゲル上で工程(a)の生成物を精製して、式(I)
    Figure 0004187660
    の化合物を得る工程、
    (c)工程(b)で得られた式(I)の化合物を不活性雰囲気下で、0.5〜72時間、室温で、無水有機溶媒中で、必要に応じてシリカまたはアルミナを含むDDQで処理することによって、脱水素化する工程、
    (d)工程(c)の反応混合物を濾過して、沈殿した(DDQH)を除き、残留物を有機溶媒で洗浄し、そして合わせた透明な濾液を得る工程、
    (e)工程(d)の合わせた濾液を濃縮し、そして該濃縮物を水に注ぎ、水不混和性有機溶媒で抽出する工程、
    (f)工程(e)の有機溶媒抽出物を合わせ、ブライン、10%水性ビカルボネートで洗浄し、続いて、再びブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過およびエバポレートして、乾固し、残留物を得る工程、
    (g)工程(f)の残留物をシリカゲルカラムで精製して、ヘキサン:酢酸エチルの混合物で溶出して、粘稠な液体としてのα−アサロンおよび式(IIa)
    Figure 0004187660
    のトランス−2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドとして特徴付けられる黄色固体を得る工程、
    (h)ヘキサン:メタノール混合物を使用して、α−アサロンを含む粘稠液体を結晶化して、α−アサロン(II)
    Figure 0004187660
    の白色固体を得る工程、
    を包含する、プロセス。
  2. 毒性β−アサロン(シス異性体)またはα−異性体およびγ−異性体を含むβ−アサロンリッチなAcorus calmus油からの、薬理学的に活性な式IIのα−アサロン(トランス異性体)の調製のためのプロセスであって、該プロセスが、以下の工程:
    (i)16〜20時間、室温で、水性有機溶媒中でDDQで式(I)の化合物を処理する、工程、
    (j)工程(i)の反応混合物を濾過して、沈殿した固体(DDQH)を除去して、有機溶媒で残留物を洗浄し、そして透明な溶液を得る工程、
    (k)工程(j)の該透明な溶液をエバポレートし、該残留物を水に注ぎ、有機溶媒で抽出して該有機溶媒抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過しそしてエバポレートして、残留物を得る工程、
    (l)シリカゲルカラムで工程(k)の残留物を精製し、ヘキサン:酢酸エチルの混合物で溶出して、イソアコラモンを含む粘稠な液体画分を得、このイソアコラモンを、酢酸エチル:ヘキサンから結晶化して、式(III)
    Figure 0004187660
    のイソアコラモンの白色結晶を得る工程、
    (m)工程(l)の式(III)の化合物を、16〜20時間、−5℃〜室温の温度範囲で、水性水酸化アルカリ溶液の存在下で、有機溶媒中で水素化ホウ素ナトリウムで処理する工程、
    (n)工程(m)の反応混合物を飽和塩化アンモニウム溶液で希釈して、20〜30分間攪拌する工程、
    (o)減圧下で工程(n)の溶液から有機溶媒を除去し、そして酢酸エチルで水層を抽出する工程、
    (p)工程(o)の酢酸エチル層を水で洗浄し、酢酸エチル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして有機溶媒をエバポレートして乾固して、残留物を得る工程、
    (q)ヘキサン:酢酸エチルの溶出液を使用して、中性アルミナカラムで工程(p)の残留物を精製して、式(IIIa)
    Figure 0004187660
    の1−(2,4,5−トリメトキシ)−フェニル−1−プロパノールを得る工程、
    (r)水を連続的に除去するためのDean−stack装置を使用して、還流温度で芳香族炭化水素溶媒において、脱水剤で処理することによって、式(IIIa)の化合物を脱水する工程、
    (s)工程(r)の反応混合物を冷水に注ぎ、芳香族炭化水素溶媒で抽出し、そして有機層を分離する工程、
    (t)工程(s)の有機層をブライン、飽和ビカルボネート溶液で再び洗浄し、続いて、ブラインで洗浄して、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして有機溶媒でエバポレートして残留物を得る工程、
    (u)工程(t)の残留物をシリカゲルカラムで精製し、ヘキサン:酢酸エチル混合物で溶出して、式(II)の白色固体α−アサロンを得る工程、
    を包含し、
    ここで、該式(I)の化合物が、以下の工程:
    (a)室温で、0〜276kPa(0〜40psi)の圧力下で、ギ酸アンモニウムを伴うかまたは伴わないで、10%Pd/C触媒を使用して、β−アサロンまたはα−アサロンおよびγ−アサロンを含むβ−アサロンリッチなショウブ油を水素化する工程、
    (b)カラムクロマトグラフィーを実行することによってシリカゲル上で工程(a)の生成物を精製して、式(I)
    Figure 0004187660
    の化合物を得る工程、
    によって得られる、
    プロセス。
  3. 請求項1に記載のプロセスであって、工程(c)および(d)において、使用される前記無水有機溶媒が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランおよびジオキサンからなる群から選択される、プロセス。
  4. 請求項1に記載のプロセスであって、工程(c)において、使用されるDDQ対2,4,5−トリメトキシフェニルプロパンのモル比が、1:1〜1.3:1の範囲である、プロセス。
  5. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(i)において、使用されるDDQ対式(I)の2,4,5−トリメトキシプロパンのモル比が、1.6:1〜2.1:1の範囲である、プロセス。
  6. 請求項1に記載のプロセスであって、式(I)の2,4,5−トリメトキシプロパンの脱水素化が、51%の収率の式(II)のα−アサロンおよび11%の収率の式(IIa)の黄色固体2,4,5−トリメトキシシンナムアルデヒドを提供する、プロセス。
  7. 請求項1に記載のプロセスであって、工程(c)において、触媒量のシリカゲルまたはアルミナの添加が、α−アサロンの収率を72%まで、そしてトランス−2,4,5−トリメトキシンナムアルデヒドを18%まで増加させる、プロセス。
  8. 請求項1に記載のプロセスであって、工程(e)において、使用される水不混和性有機溶媒が、四塩化炭素、ジクロロメタンおよびクロロホルムから選択される、プロセス。
  9. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(i)および(j)において、使用される前記有機溶媒が、メタノール、エタノール、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、テトラヒドロフランおよびジオキサンからなる群から選択される、プロセス。
  10. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(i)において、使用される水:有機溶媒の比が、0.1:9.9〜1:9の範囲である、プロセス。
  11. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(k)において、使用される有機溶媒が、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランおよびジオキサンからなる群より選択される、プロセス。
  12. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(m)において、使用される有機溶媒が、テトラヒドロフランである、プロセス。
  13. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(r)において、使用される脱水剤が、p−トルエンスルホン酸および塩化チオニルピリジンからなる群より選択される、プロセス。
  14. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(r)において、使用される前記芳香族炭化水素溶媒が、ベンゼン、トルエン、およびキシレンからなる群より選択される、プロセス。
  15. 請求項2に記載のプロセスであって、工程(u)が、87%までのα−アサロンを生じる、プロセス。
  16. 請求項1または2に記載のプロセスであって、前記α−アサロンが、β−アサロンおよびγ−アサロンを含まない、プロセス。
  17. 請求項3に記載のプロセスであって、工程(c)および(d)において、前記無水有機溶媒が、無水ジオキサンである、プロセス。
  18. 請求項8に記載のプロセスであって、工程(e)において、前記水不混和性有機溶媒が、ジクロロメタンである、プロセス。
  19. 請求項9に記載のプロセスであって、工程(i)および(j)において、前記使用される有機溶媒が、エタノールである、プロセス。
  20. 請求項9に記載のプロセスであって、工程(i)および(j)において、前記使用される有機溶媒が、テトラヒドロフランである、プロセス。
  21. 請求項11に記載のプロセスであって、工程(k)において、前記使用される有機溶媒が、ジオキサンである、プロセス。
  22. 請求項13に記載のプロセスであって、工程(r)において、前記使用される脱水剤が、p−トルエンスルホン酸である、プロセス。
  23. 請求項14に記載のプロセスであって、工程(r)において、使用される前記芳香族炭化水素溶媒が、トルエンである、プロセス。
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