JP4186857B2 - 光情報記録及び/または再生装置及びその焦点制御方法 - Google Patents

光情報記録及び/または再生装置及びその焦点制御方法 Download PDF

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本発明は、光情報記録媒体からの反射光によって得られる焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化し、集光スポットの焦点制御を行う光情報記録及び/または再生装置及びその焦点制御方法に関する。
従来、光ディスク記録再生装置に代表される光情報記録再生装置において、記録媒体上における集光スポット径(φ)は、波長をλ、対物レンズの開口数をNAとおくと、一般に次の式(1)によって与えられる。
Figure 0004186857
従って、光源の波長が短いほど、また、対物レンズの開口数が大きいほど、記録媒体上における集光スポット径は小さくなり、高密度光記録が可能となる。
また、光情報記録再生装置に用いられる集光対物レンズは、一般に、記録媒体の特定の厚さを有するカバー層に対して残留波面収差が最小となるように設計されており、CD(Compact Disc)装置においては1.2mm、また、DVD(Digital Versatile Disc)装置においては0.6mmのカバー層厚さに対して最適となるように設計がなされる。
なお、2層の情報記録層を有するDVD再生装置においては、対物レンズの開口数が0.6mmとされ、また、波長650nmの赤色半導体レーザが光源として用いられている。
また、カバー層の厚さ変動に対する対物レンズの許容度は、カバー層の厚さ変動をΔt、その屈折率をnとして、一般に以下の式(2)で与えられる。
Figure 0004186857
一例として、許容される球面収差(W40 )の値をλ/4とすると、DVD装置におけるカバー層厚さの変動許容値(Δt)は±27μmとなる。また、DVD再生装置で実現されている2層ディスクに関しては、情報記録層の間隔が40μm程度に規定され、上記許容値内に収まるように配慮されている。
また、最近は、光源の短波長化と対物レンズの高開口数化によって大容量光ディスク記録再生装置を実現する手法が提案されている。例えば、その1つとして、青紫色半導体レーザと開口数0.85の対物レンズが用いられ、DVDサイズの光ディスクに23Gbyteを超える記録容量が実現されるが、一方で式(2)より、カバー層厚さの精度を±4μm以下とする必要が生じる。
しかしながら、高開口数レンズを使用する上記光ディスク記録再生装置において、DVD装置と同様の2層ディスクを実現する場合、情報信号の層間干渉を防ぐために、層間距離を20μm程度確保する必要が生じ、カバー層厚さの許容値範囲内(±4μm)には収まらない。
そこで、従来は、例えば異なるカバー層厚さに対応すべく、エキスパンダレンズによって球面収差を補正する手法が提案され(例えば特許文献1参照)、また、より効果的な補正手法として、液晶素子を用いる手法も報告されている(例えば特許文献2参照)。
また、高開口数対物レンズを多層ディスク媒体の記録再生に応用する場合、上記補正手法に加え、目標とする情報記録層に対して、集光スポットの焦点位置を選択的に移動・制御する手法が必要となる。
そこで、例えば焦点制御の引き込み動作、並びに焦点移動に際し、予め上記補正手段を目標とする情報記録層に対して最適化しておく手法が提案されている(例えば特許文献3参照)。さらに、この補正手段の最適化手法に加えて、焦点移動に必要となる加速パルスの印加タイミングを開示する提案がなされている(例えば特許文献4参照)。
一方、焦点誤差(Δz)によって生じる波面収差W20はレンズ開口数の2乗に比例し、以下の式(3)で記述される。
Figure 0004186857
特開2000−131603号公報 特開2001−331963号公報 特開2002−100061号公報 特開2002−157750号公報
しかしながら、高開口数対物レンズを用いた多層光ディスク装置においては、一般に集光対物レンズの焦点深度が浅くなるため、情報記録層間で焦点制御誤差信号が不連続となり、加速・減速の切り替えタイミングを把握しにくいという問題点が存在する。従って、従来の2層DVD装置と比較して、集光スポットの層間移動を容易に実現することができない。
そこで、これらの実情に鑑み、本件出願人は、1つの情報記録層から別の情報記録層へ集光スポットの層間移動を行う際に、反射光強度信号の変化率に基づいて対物レンズの駆動手段の加速・減速の切り替えを行うとともに、焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いる手法を提案している。
しかし、この手法を用いる場合、通常の焦点制御動作において焦点制御誤差信号は反射光強度信号によって正規化されているため、情報記録層間で反射光強度が著しく低下する領域においても、光情報記録媒体の多層構造によって生じる迷光成分が正規化によって大きく観察され、引き込み信号の誤検出へとつながる恐れがある。
そこで本発明は、焦点制御誤差信号の正規化を行う構成においても、多層記録媒体に対して適正な集光スポットの層間移動を行うことが可能な光情報記録及び/または再生装置及びその焦点制御方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の光情報記録及び/または再生装置は、複数の情報記録層を有する光情報記録媒体に対してスポット光を集光させる対物レンズと、前記対物レンズを光軸方向に移動させて前記スポット光の焦点位置を前記複数の情報記録層の間で移動する駆動手段と、前記情報記録層毎に異なる厚さからなる光透過保護層において生じる球面収差を補正する球面収差補正手段と、前記光情報記録媒体の反射光から焦点制御誤差信号及び反射光強度信号を検出する信号検出手段と、前記信号検出手段によって検出された焦点制御誤差信号及び反射光強度信号に基づいて前記駆動手段を制御し、スポット光の焦点制御を行う焦点制御手段とを有し、前記焦点制御手段は、通常は前記焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、前記スポット光強度の変動及び光情報記録媒体の反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除し、1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、前記焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、前記焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止することを特徴とする。
また本発明の焦点制御方法は、複数の情報記録層を有する光情報記録媒体に対してスポット光を集光させる対物レンズと、前記対物レンズを光軸方向に移動させて前記スポット光の焦点位置を前記複数の情報記録層の間で移動する駆動手段と、前記情報記録層毎に異なる厚さからなる光透過保護層において生じる球面収差を補正する球面収差補正手段と、前記光情報記録媒体の反射光から焦点制御誤差信号及び反射光強度信号を検出する信号検出手段とを有し、前記信号検出手段によって検出された焦点制御誤差信号及び反射光強度信号に基づいて前記駆動手段を制御し、スポット光の焦点制御を行う光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法であって、通常は前記焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、前記スポット光強度の変動及び光情報記録媒体の反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除し、1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、前記焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、前記焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止することを特徴とする。
本発明の光情報記録及び/または再生装置及びその焦点制御方法によれば、通常は焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、スポット光強度の変動及び光情報記録媒体の反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除し、1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止することから、通常の焦点制御動作においては焦点制御誤差信号の正規化によって適正な動作を実現できるとともに、複数の情報記録層を有する層間移動時には、正規化を一時停止して行うことから、層間移動を安定的に実現することが可能となる。
本発明の実施の形態では、多層ディスクの記録再生時に、通常の動作では焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、スポット光強度の変動及び光ディスクの反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除する。一方、1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止する。
図1は本発明の実施例による光ディスク記録再生装置の全体構成例を示すブロック図である。
また、図2は図1に示す光ディスク記録再生装置の対物レンズ駆動部と光ディスクを示す断面図、図3は図1に示す光ディスク記録再生装置の光ディスク再生用光学ピックアップの構成を示す断面図、図4は図1に示す光ディスク記録再生装置に設けられる分割受光素子の構成を示す拡大平面図である。
本実施例の光ディスク記録再生装置は、開口数0.85の2群対物レンズと波長405nmの青紫色半導体レーザ光源を用いた光ディスク(Blu-ray Disc)の記録再生装置で用いられる光学系の例を示している。以下、このような光ディスク記録再生装置において、2層ディスクに対する焦点制御、並びに集光スポットの層間移動(層間ジャンプ)を行う手法を説明する。
まず、図2を用いて本実施例における光ディスク光学系用2群対物レンズを説明する。
図示のように、本実施例の対物レンズ駆動部には、2群対物レンズを構成する第1のレンズ12及び第2のレンズ14と、レンズホルダ13と、2軸電磁アクチュエータ15等からなり、光ディスク11の信号記録面に近接して対向配置されている。
第2のレンズ14は、光軸方向、及び信号トラック(接線)と直交する方向に可動な構造を持つ2軸電磁アクチュエータ15上に搭載されている。第1のレンズ12は、第2のレンズ14と同一の光軸上に位置するように、レンズホルダ13によって支持され、これら2枚のレンズ12、14は一体となって開口数0.85の2群対物レンズとして機能する。半導体レーザ光源(図2には不図示)からのビームは、これら2枚のレンズを通過することによって光ディスク11上に集光される。
なお、対物レンズの開口数が大きくなることで、一般に光ディスク記録再生装置におけるディスク傾き許容度が減少する。光軸に対するディスクの傾き角θとすると、発生するコマ収差(W31 )は以下の式(4)で与えられ、概ねNAの3乗とディスクカバー層の厚さtに比例する。
Figure 0004186857
従って、許容される球面収差(W31 )の値をλ/4とすると、レンズ開口数を0.85まで高めた光ディスク記録再生装置においても、DVD(Digital Versatile Disc)とほぼ同等の傾き許容度を得るため、光透過保護層(カバー層)11aの厚さを0.1mm程度に薄くする必要が生じる。
次に、図3を用いて光ディスク再生用光学ピックアップの構成を説明する。
まず、半導体レーザ16からの出射光は、コリメータレンズ17で平行光とされ、トラック制御誤差信号を生成するために用いられる副ビーム(±1次回折光)生成用の回折格子19を通過した後、2 群対物レンズ12、14によって光ディスク11上に集光される。
そして、出射光の一部は偏光ビームスプリッタ20によって反射した後、集光レンズ21により発光出力検出用の光検出器22へと導かれて、レーザ出力を一定値に制御する目的で用いられる。なお、この光検出器22への入射光量は1/2波長板18を回転することによって調整が可能であり、実際のレーザ出力は、図示しない自動出力制御(APC:Automatic Power Control)回路によって任意の発光出力値に制御される。
また、液晶素子23は、図5に示すように、例えばITO等の透明電極膜よりなる同心状の電極パターン23a、23b、23cを有し、各電極への印加電圧に応じて、カバー層の厚さ誤差により生じる球面収差の補正を行う役割を果たす。なお、このような同心状の電極パターンを有する液晶素子については、例えば「M. Iwasaki, M. Ogasawara, and S. Ohtaki, “A new liquid crystal panel for spherical aberration compensation,“ Tech. Digest of Optical Data Storage Topical Meeting, SPIE 4342, pp. 103-105(2001)」において報告されている。このような液晶素子23により、各電極への印加電圧に応じて、カバー層の厚さ誤差により生じる球面収差の補正量とほぼ等価な波面を発生することが可能である。図6は、この波面の具体例を示しており、横軸に示す電極パターンの半径に対し、縦軸に示す位相分布が生じ、球面収差を補正できる。
また、2群レンズの手前には、半導体レーザ16の直線偏光を円偏光に変換するための1/4波長板24が配置される。
一方、光ディスク11からの反射光は、ビームスプリッタ20で反射した後、検出光路へと導かれる。本例においては、焦点制御誤差信号として非点収差法を用いるとともに、トラック制御誤差信号として差動プッシュプル法を用いており、集光レンズ25、並びにマルチレンズ26を通った収束光は、サーボ誤差信号及びRF信号検出用の光検出器27へと入射し、光電変換が施される。
光検出器27は、図4に示すような4分割受光素子270と2つの2分割受光素子271、272よりなる8分割受光素子で構成されている。そして、各受光素子の出力信号A〜Hに基づいて、以下の式(5)(6)により、焦点制御誤差信号(FE)、並びにトラック制御誤差信号(TE)が演算される。
Figure 0004186857
ここで式(6)において、kは係数を表している。
また、RF信号とSUM信号は、出力信号A〜Dの和として以下の式(7)で与えられ、信号出力の全帯域成分がRF信号として、また、低域成分はSUM信号として利用される。
Figure 0004186857
次に、図1を用いて本実施例を適用する光ディスク記録再生装置の全体構成を説明する。
図3に示す光ピックアップ10の光学系により光ディスク11から読み出された再生信号は、ヘッドアンプ31に入力される。ヘッドアンプ31は、光学ピックアップ10からの再生信号(多分割検出素子の各出力)を後段で処理するために必要となる所定のレベルに増幅するものである。ここで増幅された再生RF信号は、イコライザ・アンプ(RF EQ)32によって波形等化された後、図示しない信号処理系に供給される。
DSP(Digital Signal Processor)41は、光ディスク装置全体の動作を制御し、球面収差を補正する液晶素子の駆動回路46やスピンドルモータ48の駆動回路47に対する制御も行うと同時に、光学系の焦点制御、並びにトラック制御に関する主機能も備えている。
また、焦点誤差信号演算部(Focusing Matrix)33は入力信号に対して、上述の式(5)に基づいた演算を施し、また、トラック誤差信号演算部(Tracking Matrix)34、並びにSUM信号演算部(SUM Matrix)35は、それぞれ上述の式(6)、(7)に基づいた演算を施す。上記各演算出力のうち、焦点、及びトラック制御誤差信号は、AGC(Automatic Gain Control)36、37においてSUM信号に対して正規化され、A/D変換器38、39、40でディジタル信号に変換された後、DSP41において焦点制御、及びトラック制御に関する利得調整と位相補償が施される。DSP41の出力はD/A変換器42、43によってアナログ信号に変換された後、増幅部44、45において必要な信号振幅へと増幅され、光学ピックアップに搭載された2軸電磁アクチュエータ15を駆動してレンズ位置の制御に用いられる。
次に、本例の光ディスク記録再生装置において、情報記録層の第1層目(Layer0、以下、L0という)に対するカバー層厚みが100μm、また、第2層目(Layer1、以下、L1という)に対するカバー層厚みが75μmである2層光ディスク媒体に対し、集光スポットの層間移動を行う場合の制御動作例を説明する。なお、ここでは現在の集光スポット位置(すなわち焦点位置)がL0層にあるものとし、上記特許文献3に記述されているように、焦点移動に際しては、球面収差補正手段を予め移動先であるL1層に対して最適化しておく手法を用いて説明を行う。
その具体的な実現例を以下に示す。まず、図7には、本例の方法を用いて、2層情報記録媒体のL0層に焦点制御が施された状態から制御ループ動作を一旦停止し、2軸電磁アクチュエータに層間ジャンプ用の加速パルスを印加してL1層への焦点移動を行う際に観察される信号を示しており、図7(a)はSUM信号を表し、また、図7(b)は同時に検出される焦点制御誤差信号(FE信号)を表している。
本実施例で説明する非点収差焦点誤差信号においては、マルチレンズ26によって光検出器27の受光面上に正確に合焦した場合にはスポット形状が円形となり、焦点がずれてデフォーカス状態になると、図8に示すように、楕円状の強度分布を示すため、上述した式(4)による演算結果は、合焦時にゼロレベルとなる出力(いわゆるS字誤差信号)を発生する。
なお、集光スポットが層間移動する際に観察されるS字信号は、例えば(1)負、(2)ゼロ、(3)正、(4)ゼロの順に強度変化し、連続的なS字信号とはならない。加えて、前記球面収差補正手段の設定が目標とする記録層に対する最適値から大幅にずれている場合、発生する球面収差によって記録媒体上での集光スポットが極端に劣化し、本来の信号振幅を持ったS字焦点誤差信号が得られない可能性もある。
そこで、本実施例においては、SUM信号の変化率によって、集光スポットの層間移動時の加速・減速切り替えタイミングを生成し、SUM信号を特定の閾値(図7(a)中に示すTH)で、また、S字信号を正、負レベルの異なる閾値(図7(b)中に示すTH H、TH L)により識別することで、焦点制御の引き込み動作を行うこととする。
図7(c)は、DSPによりSUM信号の強度変化(一例として微分係数)を検出した結果を表し、図中、Lowレベルが負の微分係数を、Highレベルが正の微分係数に対応する。すなわち、集光スポットがL0層とL1層のほぼ中間位置を通過した際にSUM信号が極小となるため、上記微分係数の変化点を用いて加速パルスと減速パルスの印加を切り替えることが可能となる(図7(g))。
図7(d)はSUM信号に関して閾値判定された論理信号を、また図7(e)、及び図7(f)は、FE信号に関して各閾値により判定された論理信号を表している。従って、加速パルスから減速パルスに切り替えた後、S字信号が閾値(TH H)を超え、再び閾値を下回った時点で、減速パルスの印加を停止し、SUM信号レベルが一定閾値以上となる条件との論理和が成立する条件で、再び焦点制御ループを動作させればよい。
一方、通常の焦点制御動作においては、光照射出力の変動や情報記録媒体の反射率変化に対してループ帯域やサーボ利得を一定に保つ目的でAGC回路が用いられている。2層ディスクにおいて集光スポットの層間移動を行う際、焦点位置がL0層とL1層のほぼ中間に位置する状態においては、情報記録媒体からの反射光が極端に小さくなる。この際、AGC回路を動作状態のままにしておくと、同回路は小さいSUM信号に対しても正規化を施すべく動作するために、FE信号が増幅されて偽のS字信号を検出する恐れが生じる。
その様子を図9に示す。図9(a)はSUM信号を、また、図9(b)は集光スポットが層間移動する際、常にAGC回路を動作させた場合に得られるFE信号の一例を表している。SUM信号が小さくなる領域において、偽のFE信号が現れ、誤った減速パルスを印加する恐れがある。従って、層間移動を行う際、加速パルスを与えた後に一時的にAGC動作を停止することで誤検出を防止し(図9(c))、L0層からL1層への安定なスポット移動を実現することが可能となる。この場合、集光スポットの層間移動が完了した時点で、再びAGC回路を動作させればよい。
以上のような本実施例の焦点制御方法によれば、多層光情報記録媒体における集光スポットの層間移動を安定に実現することが可能となる。特に本実施例の焦点制御方法は、高開口数対物レンズを用いて多層光ディスクの再生、あるいは記録再生を行う場合に有効であり、球面収差補正素子における設定値と組み合わせることで、確実な焦点切り替えを実現することができる。
なお、本実施例においては、L0層からL1層への集光スポット移動の例を説明したが、同様の手法を用いることで、L1層からL0層への層間移動も実現できる。この際、一般には、観察される焦点制御誤差信号の極性が反転するが、上記実施例における閾値レベルをTH HからTH Lに変更するだけでよい。
また、本実施例においては、球面収差補正素子を、予め移動先であるL1層のカバー層厚さに対して最適化しておく手法を用いた。この手法により、集光スポットの移動先において球面収差が極小となり正規の焦点誤差信号強度が得られるため、制御ループの動作タイミングを判定し易くなる。しかしながら、球面収差補正素子の設定値をL0層とL1層のカバー層厚さの中間的な値に設定しておく手法でも、引き込み動作判定に足る十分な強度の焦点制御誤差信号が得られる。また、本実施例においては、球面収差補正素子として液晶素子を例示しているが、例えば特許文献1に記載されるエキスパンダレンズを用いる手法も有効である。
また、実際の多層光記録媒体においては、各記録層のカバー層厚さに製造上の誤差が生じる恐れがある。また、補正素子自体にも印加電圧に対する補正量の偏差が存在するため、焦点制御引き込み動作完了後、球面収差補正量が最適となるように微調整を施す必要がある。具体的には、再生クロック(通常はPLL(Phase-Locked Loop Clock)によるクロックを用いる)に対するデータエッジの揺らぎとして表されるジッタ値や信号振幅、あるいはエラーレート等を利用して、情報記録媒体からの再生信号が最良となるように調整を行う手法や、情報記録媒体からの戻り光強度によって生成される球面収差誤差信号に基づいた自動補正機構を設ける手法(例えば「T. Shimano, M. Umeda, and T. Ariyoshi, “Spherical aberration detection in the optical pickups for high-density digital versatile discs, Jpn. J. Appl. Phys. 40, pp. 2292-2295(2001)」参照)等の具体例が報告されている。
また、本実施例においては、高開口数対物レンズの例として2群構成のレンズを用いたが、単レンズによっても同等の機能を実現することが可能である。また、3層以上の記録層を有する光情報記録媒体においても、同様の手法を用いることで集光スポットの層間移動を行うことが可能となる。
また、以上の実施例では、記録機能と再生機能を兼備した装置について説明したが本発明は記録または再生のいずれか一方の機能を有する装置にも適用し得るものであり、光情報記録及び/または再生装置とは、それらを広く含むことを意味するものとする。
本発明の実施例による光ディスク記録再生装置の全体構成例を示すブロック図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置の対物レンズ駆動部と光ディスクを示す断面図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置の光ディスク再生用光学ピックアップの構成を示す断面図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置に設けられる分割受光素子の構成を示す拡大平面図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置に設けられる液晶素子の電極パターンを示す平面図である。 図5に示す液晶素子による収差補正用の位相分布を示す説明図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置の焦点制御動作のための信号波形を示すタイミングチャートである。 図4に示す4分割受光素子に対するスポット波形の例を示す拡大平面図である。 図1に示す光ディスク記録再生装置の層間移動時の信号波形を示すタイミングチャートである。
符号の説明
10……光ピックアップ、11……光ディスク、15……2軸電磁アクチュエータ、31……ヘッドアンプ、32……イコライザ・アンプ、33……焦点誤差信号演算部、34……トラック誤差信号演算部、35……SUM信号演算部、36、37……AGC、38、39、40……A/D変換器、41……DSP、42、43……D/A変換器、44、45……増幅部、46、47……駆動回路、48……スピンドルモータ。

Claims (12)

  1. 複数の情報記録層を有する光情報記録媒体に対してスポット光を集光させる対物レンズと、
    前記対物レンズを光軸方向に移動させて前記スポット光の焦点位置を前記複数の情報記録層の間で移動する駆動手段と、
    前記情報記録層毎に異なる厚さからなる光透過保護層において生じる球面収差を補正する球面収差補正手段と、
    前記光情報記録媒体の反射光から焦点制御誤差信号及び反射光強度信号を検出する信号検出手段と、
    前記信号検出手段によって検出された焦点制御誤差信号及び反射光強度信号に基づいて前記駆動手段を制御し、スポット光の焦点制御を行う焦点制御手段とを有し、
    前記焦点制御手段は、通常は前記焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、前記スポット光強度の変動及び光情報記録媒体の反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除し、
    1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、前記焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、前記焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止する、
    ことを特徴とする光情報記録及び/または再生装置。
  2. 前記層間移動を行う場合に、前記球面収差補正手段の設定値を予め特定の値に設定しておくことを特徴とする請求項1記載の光情報記録及び/または再生装置。
  3. 前記特定の値が、前記層間移動の移動先の情報記録層に相当する値であることを特徴とする請求項2記載の光情報記録及び/または再生装置。
  4. 前記層間移動を行った後、前記球面収差補正手段による補正量を前記光情報記録媒体からの再生信号、あるいは前記信号検出手段により検出される球面収差誤差信号に基づいて最適化することを特徴とする請求項2記載の光情報記録及び/または再生装置。
  5. 前記駆動手段が2軸電磁アクチュエータであることを特徴とする請求項1記載の光情報記録及び/または再生装置。
  6. 前記対物レンズ部が高開口数を有する2群対物レンズを含むことを特徴とする請求項1記載の光情報記録及び/または再生装置。
  7. 前記球面収差補正手段がエキスパンダレンズを含むことを特徴とする請求項1記載の光情報記録及び/または再生装置。
  8. 前記球面収差補正手段が液晶素子を含むことを特徴とする請求項1記載の光情報記録及び/または再生装置。
  9. 複数の情報記録層を有する光情報記録媒体に対してスポット光を集光させる対物レンズと、
    前記対物レンズを光軸方向に移動させて前記スポット光の焦点位置を前記複数の情報記録層の間で移動する駆動手段と、
    前記情報記録層毎に異なる厚さからなる光透過保護層において生じる球面収差を補正する球面収差補正手段と、
    前記光情報記録媒体の反射光から焦点制御誤差信号及び反射光強度信号を検出する信号検出手段とを有し、
    前記信号検出手段によって検出された焦点制御誤差信号及び反射光強度信号に基づいて前記駆動手段を制御し、スポット光の焦点制御を行う光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法であって、
    通常は前記焦点制御誤差信号を反射光強度信号によって正規化して、前記スポット光強度の変動及び光情報記録媒体の反射率の違いが焦点制御動作へ与える影響を排除し、
    1つの情報記録層から別の情報記録層にスポット光の焦点位置を移して層間移動を行う場合には、前記焦点制御誤差信号を焦点制御の引き込み信号として用いるとともに、前記焦点制御誤差信号の正規化を一時的に停止する、
    ことを特徴とする光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法。
  10. 前記層間移動を行う場合に、前記球面収差補正手段の設定値を予め特定の値に設定しておくことを特徴とする請求項9記載の光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法。
  11. 前記特定の値が、前記層間移動の移動先の情報記録層に相当する値であることを特徴とする請求項10記載の光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法。
  12. 前記層間移動を行った後、前記球面収差補正手段による補正量を前記光情報記録媒体からの再生信号、あるいは前記信号検出手段により検出される球面収差誤差信号に基づいて最適化することを特徴とする請求項10記載の光情報記録及び/または再生装置の焦点制御方法。
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