JP4186334B2 - イオン注入装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のフィラメントを有するイオン源から引き出したイオンビームを基体に照射してイオン注入を行うイオン注入装置に関し、より具体的には、イオン源から引き出すイオンビームのビーム電流を所定の値に、しかも均一性の良いものに制御する手段の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のイオン注入装置の従来例を図6に示す。このイオン注入装置は、イオンドーピング装置(または非質量分離型イオン注入装置)とも呼ばれるものであり、イオン源2から引き出した大面積のイオンビーム12を、質量分離器を通すことなくそのまま基体14に照射して、当該基体14にイオン注入を行うよう構成されている。イオン注入時は、必要に応じて、基体14をイオンビーム照射領域内で、例えば紙面の表裏方向に、機械的に走査しても良い。基体14は、例えばガラス基板、半導体基板等である。
【0003】
このイオン源2は、バケット型イオン源(または多極磁場型イオン源)とも呼ばれるものであり、プラズマ生成容器4内に複数(例えば三つ)のフィラメント6を設けており、この各フィラメント6とプラズマ生成容器4との間でアーク放電を生じさせてイオン源ガスを電離させてプラズマ8を生成し、このプラズマ8から、引出し電極系10によって、上記イオンビーム12を引き出す構成をしている。多極磁場形成用の磁石の図示は省略している。
【0004】
上記各フィラメント6には、この例ではフィラメント電源16がそれぞれ接続されており、この各フィラメント電源16から各フィラメント6に対して、各フィラメント6を加熱するフィラメント電流IFを互いに独立して流すことができる。
【0005】
イオン源2から引き出すイオンビーム12のビーム電流を所定の値に制御するために、このイオン注入装置は、更に、イオンビーム12を受けてそのビーム電流を当該イオンビーム12に交差する面内における複数位置において計測するものであってフィラメント6の数よりも多い複数(例えば24個)のビーム電流計測器18と、この各ビーム電流計測器18で計測したビーム電流IBの平均値を求めて、当該平均値が設定値に近づくように各フィラメント6に流すフィラメント電流IFを互いに同じ量だけ増減させる制御を行う制御装置20とを備えている。
【0006】
各ビーム電流計測器18は、例えばファラデーカップから成り、イオンビーム12の照射領域内に例えば一列に配置されている。なお、ビーム電流計測器18によるイオンビーム12の計測時には、基体14はイオンビーム12を遮らない位置に移動させておくものとする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記イオン注入装置では、各フィラメント6に流すフィラメント電流IFの比率を、イオンビーム12の均一性が良くなるように予め設定しておいて運転している。
【0008】
しかし、各フィラメント6の経時変化の仕方は互いに異なるのが常であるので、各フィラメント6に流すフィラメント電流IFを互いに同じ量だけ増減させる上記制御装置20を用いたのでは、フィラメント6の経時変化に伴って、イオンビーム12の均一性が悪化するという課題がある。
【0009】
また、特開平3−134937号公報には、フィラメントと同数のビーム電流計測器を設けておき、各ビーム電流計測器で計測するビーム電流が設定値になるように、各フィラメントに流すフィラメント電流をそれぞれ制御する技術が記載されている。
【0010】
しかしこの公報に記載の技術では、各設定値を互いに同一にすればイオンビームの均一化が可能なように見えるけれども、実際は、一つのフィラメントに流すフィラメント電流の制御が他のフィラメント付近のプラズマ密度に影響を及ぼし、ひいては他のビーム電流計測器で計測するビーム電流にまで影響を及ぼすので、即ちフィラメント電流の制御が互いに影響を及ぼし合って、一の計測点のビーム電流を所定値に制御しようとすると他の計測点のビーム電流が所定値から外れ、この外れた他の計測点のビーム電流を所定値に制御しようとすると折角所定値に制御した一の計測点のビーム電流が所定値から外れるというように、制御がハンチングを起こして収束しなくなるという深刻な課題がある。
【0011】
そこでこの発明は、図6に示したようなイオン注入装置を改良して、そのイオン源から引き出すイオンビームのビーム電流を所定の値に、しかも均一性の良いものに制御することができるようにすることを主たる目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るイオン注入装置の一つは、前記ビーム電流計測器で計測したビーム電流に基づいて前記フィラメント電源から前記各フィラメントに流すフィラメント電流を制御する制御装置であって、前記複数のビーム電流計測器で計測した全ビーム電流の平均値を演算して当該平均値が設定値に近づくように前記各フィラメントに流すフィラメント電流を互いにほぼ同じ量だけ増減させる電流値制御ルーチンと、前記複数のビーム電流計測器を前記フィラメントの数にグループ分けし、各グループ内における計測ビーム電流の平均値をそれぞれ演算し、前記設定値に対して最も差の大きな平均値を有するグループを一つ決定し、当該グループの平均値が前記設定値よりも大きいときは当該グループに対応するフィラメントに流すフィラメント電流を減少させ、同平均値が同設定値よりも小さいときは同フィラメント電流を増加させる均一性制御ルーチンとを、少なくとも1回ずつ行う制御装置を備えていることを特徴としている(請求項1)。
【0013】
上記電流値制御ルーチンによって、イオン源から引き出すイオンビームのビーム電流の平均値が設定値に近づく方向に制御される。
【0014】
一方、上記均一性制御ルーチンによって、設定値に対して最も差の大きな平均値を有するグループのビーム電流が増減させられるので、ビーム電流の均一性が良くなる方向に制御される。
【0015】
上記制御装置は、このような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとを少なくとも1回ずつ行うので、フィラメントの経時変化等による均一性の悪化を防いで、イオンビームのビーム電流を所定の値に、しかも均一性の良いものに制御することができる。
【0016】
前記均一性制御ルーチンにおいて、前記設定値と前記決定されたグループの平均値との差を求めて当該差の大きさを複数段階(例えば大、中、小)に分け、前記フィラメント電流を増減させる量をこの各段階に応じて異ならせる制御を行うようにしても良い(請求項2)。そのようにすれば、差が大きいときほどフィラメント電流を大きく増減させて速くビーム電流を増減させることができるので、ビーム電流の均一性を速く良くすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図1は、この発明に係るイオン注入装置の一例を示す図である。図6に示した従来例と同一または相当する部分には同一符号を付し、以下においては当該従来例との相違点を主に説明する。
【0018】
このイオン注入装置は、従来の制御装置20に代わるものとして、次のような制御装置22を備えている。
【0019】
制御装置22は、前記各ビーム電流計測器18で計測したイオンビームIBに基づいて、前記各フィラメント電源16から前記各フィラメント6に流すフィラメント電流IFを制御するものであり、以下に詳述するような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとを、少なくとも1回ずつ行うものである。
【0020】
電流値制御ルーチンの一例を図2に示す。また、制御の前後におけるビームプロファイルの概略例を図5に示し、以下の説明においてはこの図5も参照するものとする。なお、図5中の横軸の1〜24は、24個のビーム電流計測器18の端からの番号を示している。
【0021】
まず、各ビーム電流計測器18によってイオンビーム12のビーム電流をそれぞれ計測する(ステップ30)。これによって、例えば、図5中のビームプロファイルAが得られる。次に、計測した全てのビーム電流IBの平均値AVEを演算する(ステップ31)。
【0022】
この平均値AVEが、その設定値SETに対する停止範囲STP内にあるか否かを判断する(ステップ32)。停止範囲STPは、例えば、設定値SETの±3%の範囲である。停止範囲STP内にあれば、既に平均値制御の目的は達成されているので、図3に示す均一性制御ルーチンに進む。
【0023】
平均値AVEが停止範囲STP内にないときは、ステップ33に進んで、当該平均値AVEが上記設定値SETより大か否かを判断し、大きければステップ34に進んで全てのフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ減少させ、小さければステップ35に進んで全てのフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ増加させる。この増加または減少の量は、この例では、全てのフィラメント6に対して互いにほぼ同じ(同じを含む)量としている。このフィラメント電流IFの増減によって、各フィラメント6からの放出電子量が増減し、それによって各フィラメント6付近でのプラズマ8の密度が増減し、各フィラメント6に対応する領域から引き出されるイオンビーム12のビーム電流が増減する。
【0024】
上記電流値制御ルーチンによって、イオン源2から引き出すイオンビーム12のビーム電流の平均値AVEが設定値SETに近づく方向に制御される。これによって、例えば、図5中のビームプロファイルBが得られる。この状態では、未だ均一性制御ルーチンを実行していないので、ビームプロファイルBは、元のビームプロファイルAと似た形状をしており、当該ビームプロファイルAをほぼ平行移動させたようなものである。
【0025】
続いて、図3に示す例のような均一性制御ルーチンに進む。
【0026】
ここでは、上記24個のビーム電流計測器18(計測点)を上記フィラメント6の数すなわち三つにグループ分けする(ステップ40)。具体的には、図5中に示すように、1番目から8番目までのビーム電流計測器18をグループ1とし、9番目から16番目までのビーム電流計測器18をグループ2とし、17番目から24番目までのビーム電流計測器18をグループ3とする。
【0027】
そして、上記各グループ1〜3内における計測ビーム電流の平均値AVE1 〜AVE3 をそれぞれ演算し(ステップ41)、前記設定値SETに対して最も差の大きい平均値を有するグループを一つ決定する(ステップ42)。図5の例では、AVE2 <AVE1 <AVE3 であるので、グループ3がそれに該当する。
【0028】
次いで、ステップ43に進んで、上記のようにして決定されたグループ3の平均値AVE3 が前記設定値SETより大きいか否かを判断し、大きければステップ44に進んで、当該グループ3に対応するフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ減少させ、大きくなければステップ45に進んで、同平均値AVE3 が同設定値SETより小さいか否かを判断し、小さければステップ46に進んで、当該グループ3に対応するフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ増加させ、小さくなければ(これはAVE3 =SETを意味する)ステップ47に進む。図5の例では、AVE3 <SETであるので、グループ3に対応するフィラメント6のフィラメント電流IFを所定量だけ増加させる。
【0029】
これによって、グループ3のビーム電流が増えるので、ビーム電流の均一性が良くなる方向に制御される。その結果、例えば図5中に示すビームプロファイルCが得られる。なお、ここではグループ3に対応するフィラメント6のフィラメント電流IFのみを制御するので、このビームプロファイルCと上記ビームプロファイルBとは、グループ3以外の部分はほぼ同じ形をしている。
【0030】
上記電流値制御ルーチンおよび均一性制御ルーチンは、少なくとも1回ずつ行うものとし、複数回ずつ行っても良い。何回行うかは予め制御装置22に設定しておけば良い。そしてこの所定回数を繰り返したか否かをステップ47で判断し、繰り返しが完了すれば制御は終了し、繰り返しが未完了であれば電流値制御ルーチンの初め(ステップ30)に戻って上記制御が繰り返される。
【0031】
このイオン注入装置によれば、制御装置22によって、上記のような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとを少なくとも1回ずつ行うので、フィラメント6の経時変化等による均一性の悪化を防いで、イオンビーム12のビーム電流を所定の値に(即ち設定値SETに)、しかも均一性の良いものに制御することができる。
【0032】
しかも、上記のような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとの2段階制御によれば、先の公報に示した従来技術の場合と違って、制御がハンチングを起こして収束しなくなる問題も起こらず、安定した制御を行うことができる。
【0033】
また、上記のような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとを複数回ずつ繰り返すようにすれば、イオンビーム12のビーム電流をより高精度で所定値に制御することができると共に、均一性もより高めることができる。例えば、図5に示す例の場合は、次の回の均一性制御ルーチンでは、ビームプロファイルCを出発点として、設定値SETに対して最も差の大きい平均値を有するグループとしてグループ1が決定され、その平均値AVE1 が設定値SETに近づくように制御されるので、均一性は一層良くなる。
【0034】
上記均一性制御ルーチンにおいて、上記設定値SETと上記決定されたグループの平均値との差(即ち|設定値−平均値|。図5の例の場合は|SET−AVE3 |)を求めて、この差の大きさを複数段階(例えばある一定の値を基準にして大、中、小の3段階)に分け、ステップ44および46においてフィラメント電流IFを増減させる量を、この各段階に応じて異ならせる制御を行うようにしても良い。即ち、差の大、中、小に応じて、フィラメント電流IFの増減量も、ある一定の値を基準にして大、中、小にするようにしても良い。
【0035】
そのようにすれば、差が大きいときほどフィラメント電流IFを大きく増減させて速くビーム電流を増減させることができるので、ビーム電流の均一性をより速く良くすることができる。
【0036】
なお、均一性制御ルーチンに関しては、図4に示す比較例のようにする考えもある。同図のステップ50および55の内容は、図3のステップ40および47の内容とそれぞれ同じである。
【0037】
この図4の均一性制御ルーチンでは、ステップ50のグループ分け後、全てのビーム電流計測器18による全ての計測値の中から最大値MAXおよび最小値MINを探し(ステップ51)、その最大値MAXおよび最小値MINが属するグループをそれぞれ決定し(ステップ52)、最大値MAXが属するグループに対応するフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ減少させ(ステップ53)、最小値MINが属するグループに対応するフィラメント6に流すフィラメント電流IFを所定量だけ増加させる(ステップ54)。これによって、上記ビームプロファイルBの最大値MAXが属するグループ1のビーム電流が減少させられ、最小値MINが属するグループ3のビーム電流が増加させられるので、ビーム電流の均一性が良くなる方向に制御される。
【0038】
しかし、図4の均一性制御ルーチンを採用した場合は、均一性の悪い状態からの制御では、ビーム電流を設定値SETに到達させるのに比較的長い時間を要する場合がある。即ち、フィラメント電流IFを増減させる基準になる最大値MAXおよび最小値MINは全ての計測点内での相対値であり、例えば、図5を参照して、電流値制御ルーチン後のビームプロファイルB全体の平均値AVEが設定値SETより小さい(但し停止範囲STP内にはある)場合を考えると、その場合でも、図4の均一性制御ルーチンでは、最大値MAXのあるグループ1のフィラメント電流IFを下げる制御が行われる。しかしこれは、平均値AVEを設定値SETから更に遠ざける方向の制御であり、先の電流値制御ルーチンと相反する制御になる。従ってその分、ビーム電流を設定値SETに到達させるのに時間がかかるようになる。
【0039】
これに対して、図3の均一性制御ルーチンでは、設定値SETに対して最も差の大きな平均値を有する一つのグループの平均値(図5のビームプロファイルBの場合はグループ3の平均値AVE3 )を設定値SETに近づける制御しか行われないので、ビームプロファイルB全体の平均値AVEは必ず設定値SETに近づく方向に制御される。即ち、先の電流値制御ルーチンと相反する制御は行われない。従ってその分、ビーム電流を速く設定値SETに到達させることができる。
【0040】
更に、図3の均一性制御ルーチンでは、グループごとの平均値に基づいて制御するので、仮に複数のビーム電流計測器18による複数のビーム電流計測値の中に少数の特異値やノイズが含まれていても、それの平均値への影響は小さく、従って当該特異値やノイズによる影響を小さく抑えてビーム電流を制御することができる。換言すれば、単発的な特異点やノイズがあったとしても、それに全体の制御が引きずられることを防止して、イオンビーム全体のビーム電流をより正しく制御することができる。図4の均一性制御ルーチンの場合は、上記特異値やノイズを最大値MAXまたは最小値MINとして検出する恐れがあるので、この点においても図3の均一性制御ルーチンの方が優れている。
【0041】
なお、上記複数のフィラメント電源16は、必ずしも別個のものである必要はなく、それらを一つにまとめて、各フィラメント6に互いに独立してフィラメント電流IFを流すことのできる一つのフィラメント電源としても良い。
【0042】
また、上記ビーム電流計測器18の数は、例えばフィラメント6の数の2以上の整数倍であるが、必ずしも整数倍でなくても良い。また、各グループ内に属させるビーム電流計測器18の数は、必ずしも同数ずつにする必要はない。よりきめ細かく制御したいグループ内のビーム電流計測器18の数を他より増やしても良い。
【0043】
制御装置22による上記例のような制御は、制御方法として着目すれば、イオン注入装置の制御方法、イオン源の制御方法またはイオンビーム電流の自動制御方法と言うこともできる。
【0044】
【発明の効果】
この発明は、上記のとおり構成されているので、次のような効果を奏する。
【0045】
請求項1記載の発明によれば、上記のような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとを少なくとも1回ずつ行う制御装置を備えているので、フィラメントの経時変化等による均一性の悪化を防いで、イオンビームのビーム電流を所定の値に、しかも均一性の良いものに制御することができる。
【0046】
しかも、上記のような電流値制御ルーチンと均一性制御ルーチンとの2段階制御によれば、制御がハンチングを起こして収束しなくなる問題も起こらず、安定した制御を行うことができる。
【0047】
また、上記均一性制御ルーチンでは、設定値に対して最も差の大きな平均値を有する一つのグループの平均値を設定値に近づける制御を行うことによって、電流値制御ルーチンと相反する制御が行われることを防止することができるので、計測ビーム電流の最大値および最小値が属するグループのフィラメント電流を増減させる均一性制御ルーチンを採用する場合に比べて、ビーム電流を速く設定値に到達させることができる。
【0048】
更に、上記均一性制御ルーチンでは、グループごとの平均値に基づいて制御するので、仮に複数のビーム電流計測器による複数のビーム電流計測値の中に少数の特異値やノイズが含まれていても、それの平均値への影響は小さく、従って当該特異値やノイズによる影響を小さく抑えてビーム電流を制御することができる。この点においても、計測ビーム電流の最大値および最小値が属するグループのフィラメント電流を増減させる均一性制御ルーチンを採用する場合に比べて優れている。
【0049】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の上記効果と同様の効果に加えて、更に次のような効果を奏する。
【0050】
即ち、均一性制御ルーチンにおいて、設定値と決定されたグループの平均値との差が大きいときほどフィラメント電流を大きく増減させて速くビーム電流を増減させることができるので、ビーム電流の均一性を速く良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るイオン注入装置の一例を示す図である。
【図2】図1中の制御装置における電流値制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図3】図1中の制御装置における均一性制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図4】均一性制御ルーチンの比較例を示すフローチャートである。
【図5】制御の前後におけるビームプロファイルの概略例を示す図である。
【図6】従来のイオン注入装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
2 イオン源
6 フィラメント
12 イオンビーム
16 フィラメント電源
18 ビーム電流計測器
22 制御装置

Claims (2)

  1. 複数のフィラメントを有するイオン源と、このイオン源の各フィラメントに互いに独立してフィラメント電流を流す1以上のフィラメント電源と、前記イオン源から引き出されたイオンビームのビーム電流を当該イオンビームに交差する面内における複数位置において計測するものであって前記フィラメントの数よりも多い複数のビーム電流計測器とを備えるイオン注入装置において、
    前記ビーム電流計測器で計測したビーム電流に基づいて前記フィラメント電源から前記各フィラメントに流すフィラメント電流を制御する制御装置であって、前記複数のビーム電流計測器で計測した全ビーム電流の平均値を演算して当該平均値が設定値に近づくように前記各フィラメントに流すフィラメント電流を互いにほぼ同じ量だけ増減させる電流値制御ルーチンと、
    前記複数のビーム電流計測器を前記フィラメントの数にグループ分けし、各グループ内における計測ビーム電流の平均値をそれぞれ演算し、前記設定値に対して最も差の大きな平均値を有するグループを一つ決定し、当該グループの平均値が前記設定値よりも大きいときは当該グループに対応するフィラメントに流すフィラメント電流を減少させ、同平均値が同設定値よりも小さいときは同フィラメント電流を増加させる均一性制御ルーチンとを、少なくとも1回ずつ行う制御装置を備えていることを特徴とするイオン注入装置。
  2. 複数のフィラメントを有するイオン源と、このイオン源の各フィラメントに互いに独立してフィラメント電流を流す1以上のフィラメント電源と、前記イオン源から引き出されたイオンビームのビーム電流を当該イオンビームに交差する面内における複数位置において計測するものであって前記フィラメントの数よりも多い複数のビーム電流計測器とを備えるイオン注入装置において、
    前記ビーム電流計測器で計測したビーム電流に基づいて前記フィラメント電源から前記各フィラメントに流すフィラメント電流を制御する制御装置であって、
    前記複数のビーム電流計測器で計測したビーム電流の平均値を演算して当該平均値が設定値に近づくように前記各フィラメントに流すフィラメント電流を互いにほぼ同じ量だけ増減させる電流値制御ルーチンと、
    前記複数のビーム電流計測器を前記フィラメントの数にグループ分けし、各グループ内における計測ビーム電流の平均値をそれぞれ演算し、前記設定値に対して最も差の大きな平均値を有するグループを一つ決定し、当該グループの平均値が前記設定値よりも大きいときは当該グループに対応するフィラメントに流すフィラメント電流を減少させ、同平均値が同設定値よりも小さいときは同フィラメント電流を増加させる均一性制御ルーチンとを、少なくとも1回ずつ行う制御装置を備えており、
    しかも前記制御装置は、前記均一性制御ルーチンにおいて、前記設定値と前記決定されたグループの平均値との差を求めて当該差の大きさを複数段階に分け、前記フィラメント電流を増減させる量をこの各段階に応じて異ならせる制御を行う、ことを特徴とするイオン注入装置。
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