JP4186276B2 - 食品包装用フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品包装用フィルムに関し、さらに詳しくは、基材と積層するフィルムとして、特に加熱殺菌処理に適した食品包装に用いられるフィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリプロピレンフィルムは、食品包装及び繊維包装などの包装用途に広く使用されており、中でも食品包装用途は、食品充填後の加熱殺菌処理を施した後、箱詰め、輸送して店頭販売される形態が近年多くなっているため、シール性と耐熱性を兼ね揃えたフィルムが要求され、更には、上述のような加熱殺菌処理後に、冷凍保存や、冷凍輸送時の落下による袋の破れが問題視されるケースが多く、低温下での耐衝撃強度の向上が要望されている。このような個々の要求に対しては、今までいくつもの提案がなされている。
【0003】
例えば耐熱性を維持するために、ランダム共重合体の配合量を極力減らす方法があるが、この方法では、確かに耐熱性だけを見れば良化するものの、シール性特に低温シール性が劣る傾向にあり、製袋加工や食品充填後の密封シール時間が長く必要となり、その結果として生産性の向上が望めないという欠点がある。また、耐衝撃強度の向上を提案し、袋の破れを低減させたフィルムも最近見掛けるが、ブロッキング発生による加工性低下、シール強度の低下、シール剥離、フィルムの凝集破壊等の実用上の問題を有するものが多い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上述のような個々の問題を個々に改善させるのではなく、▲1▼加熱殺菌処理に耐える耐熱性を有すること、▲2▼食品包装用途に必要なシール強度を有することを前提に、更に、▲3▼落下による袋の破れを減少できること、▲4▼食品衛生性に優れること、など加熱殺菌処理に適した食品包装用フィルムとして要求される特性を向上させた食品包装用フィルムを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の食品包装用フィルムは、融点が156〜168℃のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂(a成分樹脂)70〜100重量%と、融点が130〜150℃のプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)30〜0重量%を構成成分とするポリオレフィン系重合体100重量部に対し、ポリエチレンとポリプロピレン又はその共重合体との混合物からなるエラストマー及び/又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体からなる熱可塑性エラストマー(b成分樹脂)30〜60重量部を配合した樹脂組成物からなり、かつ下記(A)〜(D)の特性を満たすことを特徴とする。
(A)a成分樹脂の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)と同樹脂の20℃キシレン不可溶部の極限粘度([η]CXIS)の比が
([η]CXS/[η]CXIS)≦1.3
(B)上記樹脂組成物から得られたフィルムの135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]F)とa成分樹脂の135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]P)の比が
([η]F/[η]P)≧0.70
(C)上記樹脂組成物から得られたフィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]F CXS)とa成分樹脂の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)の比が
([η]F CXS/[η]CXS)≧0.65
(D)a成分樹脂及びb成分樹脂のメルトフローレートが4以下で、かつ、a成分樹脂のメルトフローレート[MFRa]とb成分樹脂のメルトフローレート[MFRb]の差の絶対値が
|[MFRa]−[MFRb]|≦3.0
【0006】
また、前記ポリオレフィン系重合体が、融点が130〜150℃のプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)を20〜1重量%以下含有することができる。
【0007】
また、前記a成分樹脂のメルトフローレート[MFR a ]とb成分樹脂のメルトフローレート[MFR b ]の差の絶対値が
|[MFR a ]−[MFR b ]|≦1.2
とすることができる。
【0009】
上記の構成からなる本発明の食品包装用フィルムは、加熱殺菌処理するに適した食品包装用フィルムであり、耐熱性、安定したヒートシール性、食品衛生性、低温での耐衝撃性、低温での落下時の耐破袋性が優れている。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の食品包装用フィルムの実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0011】
本発明でa成分樹脂として使用されるプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂は、多量のプロピレンと少量のエチレンとの共重合体成分と、少量のプロピレンと多量のエチレンとの共重合体成分とが、ブロック的に共重合したものであり、それぞれの共重合体ブロックの分子量等は、重合段階で制御される。一般的には、特開昭59−115312号公報で示されるように、2段以上の重合方法によって得ることができるが、特に本発明では限定されるものではない。
【0012】
前記a成分樹脂とb成分樹脂とc成分樹脂の配合割合に関しては、a成分樹脂を主構成成分とするポリオレフィン系重合体100重量部に対しb成分樹脂3〜60重量部であり、好ましくはb成分樹脂の割合が5〜45重量部である。ポリオレフィン系重合体100重量部中a成分樹脂は70〜100重量%を占めることが好ましい。b成分樹脂の割合が60重量部を越える場合には耐熱性、食品衛生性、シール強度が劣り、3重量部未満の場合には落下による袋の破れを低減する効果が劣り好ましくない。また、c成分樹脂は、ポリオレフィン系重合体中に30重量%以下、好ましくは20〜1重量%含有することがシール性、特に低温シール性と低温下での耐衝撃性のバランスの点で好ましい。
【0013】
本発明でa成分樹脂として使用される、プロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂は融点が156〜168℃であり、20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)と、20℃キシレン不可溶部の極限粘度([η]CXIS)の比が([η]CXS/[η]CXIS)≦1.3である。融点が156℃未満の場合には耐熱性が不十分であり、更に、低温下での衝撃強度低下が大きくなり、好ましくない。融点が168℃を越える場合には、ヒートシール温度が高くなり好ましくない。また、20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)と、20℃キシレン不可溶部の極限粘度([η]CXIS)の比([η]CXS/[η]CXIS)が1.3を越える場合には、得られたフィルムにゲル状物が発生して外観が悪化し好ましくない。
【0014】
本発明でc成分樹脂として使用されるプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂は、融点が130〜150℃であり、α−オレフィン含有量は3〜6重量%であるのが好ましい。α−オレフィン含有量が3重量%未満の場合には低温シール性が得られにくく、低温下での衝撃強度の悪化を招く原因になり好ましくない。また、α−オレフィン含有量が6重量%を越える場合には得られたフィルムのブロッキング等が懸念され好ましくない。
【0015】
本発明でb成分樹脂として使用される熱可塑性エラストマーは、好ましくはポリエチレンとポリプロピレン又はその共重合体との混合物からなるエラストマー及び/又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体からなるエラストマーであるが、熱可塑性樹脂からなるエラストマーであれば特に限定するものではない。
【0016】
上記樹脂組成物から得られたフィルムの135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]F)と、a成分樹脂の135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]P)の比が([η]F/([η]P)≧0.70である。この比が0.70未満の場合には、低温下での衝撃強度の低下が著しく、好ましくない。
【0017】
上記配合で得られたフィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]F CXS)と、a成分樹脂の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)の比が([η]F CXS)/([η]CXS)≧0.65である。この比が0.65未満の場合には、シール強度が十分得られなく、更に、柔軟性が低下し好ましくない。
【0018】
また、a成分樹脂及びb成分樹脂のメルトフローレートが4以下で、且つ、a成分樹脂のメルトフローレート[MFRa]と、b成分樹脂のメルトフローレート[MFRb]の差の絶対値が
|[MFRa]−[MFRb]|≦3.0
である。a成分樹脂及びb成分樹脂のメルトフローレートが4を越える場合には、衝撃強度が低下し、a成分樹脂のメルトフローレート[MFRa]と、b成分樹脂のメルトフローレート[MFRb]の差の絶対値|[MFRa]−[MFRb]|が3.0を越える場合には、落下による袋の破れを低減する効果が劣り好ましくない。
【0019】
本発明のフィルムは、前述した好ましい特性を有することから、共押し出し多層フィルムの製造に際してその少なくともその一層の成分としても好適に使用される。また、他のフィルム、例えば、ナイロン二軸延伸フィルム、ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルムやアルミニウム箔等と接着剤を介してラミネートする面の接着性を増強するために、必要に応じて、表面処理を施すことができる。その表面は、物理的あるいは化学的に表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理法としては、例えば、放電処理、プラズマ処理等の電気的表面処理や酸処理、アルカリ処理等の化学薬品処理等を例示することができ、これら単独で、あるいは併用して用いることができる。本発明のフィルムには効果を失わないかぎり、必要に応じて熱安定剤、酸化防止剤等を含有することができる。
【0020】
次に本発明のフィルムの製造方法について説明する。まず、本発明フィルムの製造に用いる樹脂組成物を所定の組成比に混合し、溶融押出機に供給し、210〜260℃の温度で溶融押出しし、濾過フィルターを経た後、口金からシート状に成形し、30〜60℃に調製された金属ドラムに巻き付け冷却固化して、食品包装用フィルムを得る。このように、本発明のフィルムによれば、特定のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂と、必要に応じ特定のα−オレフィン共重合体樹脂を特定量の範囲に調製し、更に、熱可塑性エラストマーを特定の範囲で添加することで、加熱殺菌処理に耐える耐熱性、食品包装用途に必要なヒートシール強度、食品衛生性を維持しつつ、従来では到達し得なかった落下による袋の破れの減少、耐破袋性を有するフィルムを一挙に得ることができる。
【0021】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。なお、本発明において用いた特性値は次の測定法による。
【0022】
(1)融点(Tm)
示差走査型熱量計(DSC)を用いて、窒素雰囲気下で、10℃/分で昇温させて、得られた融解吸収カーブの最大ピークの温度を融点とした。
【0023】
(2)極限粘度([η]デシリットル/g)
ウベローデ型粘度計を用いて測定した。
【0024】
(3)20℃キシレン可溶部(CXS)、不可溶部(CXIS)
試料5gを沸騰キシレン500ccに完全に溶解させた後、20℃に降温し、15時間放置する。その後、これを析出物と溶液とにろ別し、ろ液と析出物とをそれぞれ減圧下に置き、70℃で乾燥した。ろ液の乾固物をCXSとし、析出物からCXISを得た。
【0025】
(4)メルトフローレート(MFR)
J1S−K−7210に従い、条件14の方法で測定した。
【0026】
(5)ヒートシール強度
厚み70μmのフィルムの片面に、濡れ張力48mN/m以下となるように放電処理を行い、その面にポリウレタン系接着剤を用い、アルミニウム箔(厚み9μm)を、さらに、フィルムと接着されていない該アルミニウム箔面にポリウレタン系接着剤を用い、支持体[ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(厚み12μm)]とをラミネートした後、40℃で5日間エージング硬化させ、ラミネート品を得た。該ラミネート品の支持体面の反対面同士を重ね合わせ、200℃で1kg/cm2の荷重をかけ、1秒間加熱圧着した後、幅15mmに切取り、剥離速度200mm/分の速度でヒートシール部の剥離強度を測定した。n数は5とし、その平均値を算出した。評価基準は、次の通りとした。
○:ヒートシール強度が5kg/15mmを超えるもの
△:ヒートシール強度が3〜5kg/15mmであるが、実用上問題無いもの
×:ヒートシール強度が3kg/15mm未満で、実用上使用不可のもの
【0027】
(6)衝撃強度
0℃において、東洋精機社製フィルムインパクトテスターを使用して、1/2インチ半球状衝撃頭を用いてフィルムの衝撃強度を測定した。評価基準は、次の通りとした。
○:衝撃強度が110kg−cm/mmを超えるもの
△:衝撃強度が70〜110kg−cm/mmであるが、実用上問題無いもの
×:衝撃強度が70kg−cm/mm未満で、実用上使用不可のもの
【0028】
(7)フィッシュアイ
70μmのフィルム1000cm2当たりに確認される0.2mmφ以上の凸物個数を測定した。評価基準は、次の通りとした。
○:0.2mmφ以上の突起が4個以下のもの
△:0.2mmφ以上の突起が5〜20個であるが、実用上問題無いもの
×:0.2mmφ以上の突起が21個以上であり、外観の悪化が問題となり、実用上使用不可のもの
【0029】
(8)食品衛生性(ヘキサン抽出量)
FDA177.1520(d)(3)(ii)に記載の方法に従って50℃、n−ヘキサン抽出量を測定した。なお加熱殺菌処理食品包装用に使用する際の本項目の規制値は、2.6重量%である。評価基準は、次の通りとした。
○:加熱殺菌処理食品包装用に使用する際の本項目の規制値である2.6重量%以下のもの
×:加熱殺菌処理食品包装用に使用する際の本項目の規制値である2.6重量%を超えるもの
【0030】
(9)耐熱性
厚み70μmのフィルムの片面に、濡れ張力48mN/m以下となるように放電処理を行い、その面にポリウレタン系接着剤を用い、アルミニウム箔(厚み9μm)を、さらに、フィルムと接着されていない該アルミニウム箔面にポリウレタン系接着剤を用い、支持体[ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(厚み12μm)]をラミネートした後、40℃で5日間エージンク硬化させ、ラミネート品を得た。該ラミネート品の支持体面の反対面同士を重ね合わせ200℃で1kg/cm2の荷重をかけ1秒間加熱圧着する方法で、縦155mm(フィルムの機械方向と垂直方向)、横120mm(フィルムの機械方向)の内寸、シール幅5mmの四方シール脱気製袋品を得る。これを加熱加圧釜中の温水(50℃)に浸し、121℃で30分(釜内圧力2.3kg/cm2)の加熱加圧処理を施した後、四方の加熱圧着部を切取り、支持体面の反対面同士を剥がす時の抵抗を官能評価した。評価基準は、次の通りとした。
○:全く抵抗無く剥がれるもの
△:若干抵抗はあるが、実用上問題無いもの
×:抵抗が大きく、実用上使用不可のもの
【0031】
(10)耐破袋性
厚み70μmのフィルムの片面に、濡れ張力48mN/m以下となるように放電処理を行い、その面にポリウレタン系接着剤を用い、アルミニウム箔(厚み9μm)を、さらに、フィルムと接着されていない該アルミニウム箔面にポリウレタン系接着剤を用い、支持体[ポリエチレンテレフタレート二軸延伸フィルム(厚み12μm)]とをラミネートした後、40℃で5日間エージング硬化させ、ラミネート品を得た。該ラミネート品の支持体面の反対面同士を重ね合わせ200℃で1kg/cm2の荷重をかけ1秒間加熱圧着する方法で、200ccの水を脱気充填し、縦155mm(フィルムの機械方向と垂直方向)、横120mm(フィルムの機械方向)の内寸、シール幅5mmの四方シール水充填袋を得た。これを加熱加圧釜中の温水(50℃)に浸し、121℃で30分(釜内圧力2.3kg/cm2)の加熱加圧処理を施した後、縦160mm、横130mm、奥行17mmの化粧箱に詰め、更に、該化粧箱を縦方向1箱、横方向3箱、奥行方向12箱の集積箱に集積梱包する。これを、5℃で24時間以上保管し、室温下にてコンクリート床面から集積梱包した箱の底部までが1.6mの高さから化粧箱の縦方向を落下方向とし、天地を交互に変え連続して10回落下させる。各水準n=100で実施した。評価基準は、次の通りとした。
○:破れた袋の数が35個未満のもの
△:破れた袋の数が35〜60個のもの
×:破れた袋の数が60個を超えるもの
【0032】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0033】
(実施例1〜5(ただし、実施例の欄の4は参考例)、比較例1〜3)
エチレン−プロピレンブロック共重合体を主体とするポリオレフィン樹脂(a成分樹脂)として融点が165℃のエチレン−プロピレンブロック共重合体樹脂を、熱可塑性エラストマー(b成分樹脂)としてエチレン−プロピレン系エラストマーを、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)として融点が137℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂を、それぞれ表1に示す割合いで配合して押出機に供給し、240℃の温度で溶融押出し、スリット状の口金吐出口よりシート状に吐出し、表面温度が40℃の金属ドラムに巻付け冷却固化して、ポリオレフィンフィルムに成形した。厚みは70μmとなるように調整した。得られたフィルムの物性を表1に示す。なお、特性(A)〜特性(D)を、合わせて表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例6、比較例4〜8)
エチレン−プロピレンブロック共重合体を主体とするブロックポリオレフィン樹脂(a成分樹脂)として融点が165℃のエチレン−プロピレンブロック共重合体樹脂を、熱可塑性エラストマー(b成分樹脂)としてエチレン−プロピレン系エラストマーを、プロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)として融点が137℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体樹脂を、それぞれ表2に示す割合いで配合して押出機に供給し、240℃の温度で溶融押出し、スリット状の口金吐出口よりシート状に吐出し、表面温度が40℃の金属ドラムに巻付け冷却固化して、ポリオレフィンフィルムに成形した。厚みは70μmとなるように調製した。得られたフィルムの物性を表2に示す。なお、特性(A)〜特性(D)を、合わせて表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】
本発明の食品包装用フィルムによれば、耐熱性、シール性、耐破袋性、食品衛生性に優れ、加熱殺菌処理に適した食品包装用フィルムとして要求される特性を同時に満足している。
Claims (3)
- 融点が156〜168℃のプロピレン−エチレンブロック共重合体を主成分とするブロックポリオレフィン樹脂(a成分樹脂)70〜100重量%と、融点が130〜150℃のプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)30〜0重量%を構成成分とするポリオレフィン系重合体100重量部に対し、ポリエチレンとポリプロピレン又はその共重合体との混合物からなるエラストマー及び/又はエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体からなる熱可塑性エラストマー(b成分樹脂)30〜60重量部を配合した樹脂組成物からなり、かつ下記(A)〜(D)の特性を満たすことを特徴とする食品包装用フイルム。
(A)a成分樹脂の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)と同樹脂の20℃キシレン不可溶部の極限粘度([η]CXIS)の比が
([η]CXS/[η]CXIS)≦1.3
(B)上記樹脂組成物から得られたフィルムの135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]F)とa成分樹脂の135℃テトラリン中で測定した極限粘度([η]P)の比が
([η]F/[η]P)≧0.70
(C)上記樹脂組成物から得られたフィルムの20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]F CXS)とa成分樹脂の20℃キシレン可溶部の極限粘度([η]CXS)の比が
([η]F CXS/[η]CXS)≧0.65
(D)a成分樹脂及びb成分樹脂のメルトフローレートが4以下で、かつ、a成分樹脂のメルトフローレート[MFRa]とb成分樹脂のメルトフローレート[MFRb]の差の絶対値が
|[MFRa]−[MFRb]|≦3.0 - 前記ポリオレフィン系重合体が、融点が130〜150℃のプロピレンとエチレン及び/又は炭素数4〜12のα−オレフィン共重合体樹脂(c成分樹脂)を20〜1重量%以下含有することを特徴とする請求項1記載の食品包装用フィルム。
- 前記a成分樹脂のメルトフローレート[MFR a ]とb成分樹脂のメルトフローレート[MFR b ]の差の絶対値が
|[MFR a ]−[MFR b ]|≦1.2
であることを特徴とする請求項1記載の食品包装用フィルム。
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