JP4186141B2 - ダンパ装置およびそれを用いた電磁式吸排気装置 - Google Patents

ダンパ装置およびそれを用いた電磁式吸排気装置 Download PDF

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    • F01L3/00Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
    • F01L3/10Connecting springs to valve members

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度を低減するダンパ装置と、このダンパ装置を用いた電磁式吸排気装置に用する。
【0002】
【従来の技術】
従来、内燃機関(以下、「内燃機関」をエンジンという)の吸排気装置の吸気弁部材または排気弁部材をカムシャフトに形成されたカムにより駆動することが一般的である。このようなカム駆動式の吸排気装置の開閉タイミング(以下、「開閉タイミング」をバルブタイミングという)をエンジンの運転状態に応じて調整するため、ヘリカルギアまたはベーンを有するバルブタイミング調整装置を油圧制御することによりクランクシャフトに対するカムシャフトの位相を調整することが知られている。
【0003】
カム駆動式の吸排気装置のバルブタイミングを調整する油圧制御式のバルブタイミング調整装置は、クランクシャフトに対するカムシャフトの位相、つまりカムの位相を変更することにより吸排気装置のバルブタイミングを調整している。カムの形状によりバルブタイミングの変動量が限定されるので、例えばエンジン運転状態に応じ吸排気装置の開弁タイミングおよび閉弁タイミングを単独で変更することは困難である。
【0004】
そこで、吸気弁部材または排気弁部材を電磁力で駆動し、エンジン運転状態に応じ任意のタイミングで吸排気装置を開閉制御する電磁式吸排気装置が知られている。このような電磁駆動式の吸排気装置では、燃費の向上、あるいは排気エミッションを低減することが可能である。
【0005】
例えばエンジンの低負荷時においては吸入空気量が少ないため、エンジンのシリンダ内に燃焼を悪化させる残留排気ガスが少ないことが望ましい。吸気弁部材と排気弁部材とが同時に開いている期間(オーバーラップ期間)において、吸気側はスロットルにより負圧であり、排気側は正圧であるので、排気ガスが吸気側に吹き返し、燃焼が悪化したり、失火したりする場合がある。このため、排気弁部材の閉じる時期が早く、吸気弁部材の開く時期が遅いことが要求される。また、吸気弁部材の閉じる時期を遅くすることにより、ポンピングロスを低減し燃費を向上することができる。したがって、アイドル運転および始動時には、排気弁部材の閉じる時期が早く、吸気弁部材の開く時期が遅い基本位相に制御することが望ましい。
【0006】
また、エンジンの中負荷以上においてはEGR量を制御し、ポンピングロスの低減を内部EGRにより行い、燃費の向上と排気エミッションの低減をさせるため、吸気側の開弁時期を早くしたり、排気側の閉弁時期を遅くすることが望ましい。
【0007】
さらに、エンジンの全負荷においては、大量の空気をエンジンのシリンダ内に入れる必要があるため、低速域においては早く吸気弁部材を閉じてマニホールドへの逆流を防止し、高速域においては空気の慣性を利用して遅く吸気弁部材を閉じることが望ましい。また排気側は、排気脈動を最大限利用できる位相に排気弁部材を制御することが望ましい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
電磁式吸排気装置は、エンジン制御装置(ECU)からの指示により前述したような吸気側および排気側のバルブタイミングの要求を満たすことができる。しかし、カム駆動式の吸排気装置に比較し、騒音、信頼性、消費電力および製造コスト等において解決すべき課題は多い。
【0009】
特に、開弁および閉弁するときに弁部材がストッパおよび弁座に衝突するときに発生する音の低減が困難である。電磁式吸排気装置の弁部材の移動速度は、弁部材の質量、弁部材を付勢するスプリングの付勢力、印加電圧の電圧値および印加時期により決定される。印加電圧を制御しないとエンジン回転数に関わらず開閉時における弁部材の往復移動速度は一定であるから、アイドル運転時においても通常運転時と同程度の大きさの音が発生するので、衝突音を騒音と感じるようになる。
本発明の目的は、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度を低減するダンパ装置、ならびにこのダンパ装置を用い開閉弁時における音の発生を低減する電磁式吸排気装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のダンパ装置によると、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づくとき、往復移動部材とともに可動部材が移動することにより作動流体が流体抵抗通路を流れる。したがって、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度が低減されるので、往復移動部材を往復移動方向の両終端で係止するときに発生する音を低減できる。
さらに、作動流体が密封容器に密封されているので、ダンパ装置に作動流体を供給、ならびにダンパ装置から作動流体を排出する必要がない。ダンパ装置をモジュール化できるので、ダンパ装置の取り付けが容易である。
【0011】
本発明の請求項2記載のダンパ装置によると、第1流体室と第2流体室とを連通する双方向オリフィスを設け、双方向オリフィスを通り第1流体室と第2流体室との間を双方向に作動流体が流れることにより往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度を低減している。したがって、両流体室および双方向オリフィスで構成される一つのダンパ構造により、往復移動部材の移動速度を低減できるので、ダンパ装置の構成が簡単になる。
【0012】
作動流体の粘度は温度が上昇すると低下するので、同じ流路面積の流体抵抗通路を流れると、温度が高い方が温度が低いときよりも流体抵抗が低下する。したがって、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度が温度の高低により変化する。
【0013】
そこで、本発明の請求項記載のダンパ装置によると、ピストンの熱膨張係数がシリンダの熱膨張係数より大きくなるように設定されている。温度が上昇するとシリンダよりもピストンが膨張し、シリンダとピストンとの摺動クリアランスが小さくなるので、流体抵抗通路の流路面積が小さくなる。また、温度が低下するとシリンダよりもピストンが収縮し、シリンダとピストンとの摺動クリアランスが大きくなるので、流体抵抗通路の流路面積が大きくなる。温度の変化により作動流体の粘度が増減しても、粘度に応じて流体抵抗通路の流路面積が変動するので、温度の高低に関係なく流体抵抗通路の流路抵抗がほぼ一定になる。したがって、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度が温度に関係なくほぼ一定になる。
【0014】
本発明の請求項記載のダンパ装置では、可動部材とともにピストンが一方向に移動した後、ピストンは可動部材とともに反対方向に移動しない。付勢手段の付勢力により反対方向にピストンが付勢され、ピストンにより仕切られる流体室に発生する差圧により一方向オリフィス部材を作動流体が流れることによりピストンは元の位置に戻ろうとする。戻るときの速度は、作動流体の温度が同じであれば一方向オリフィスの流路面積および流路長により決定される。したがって、一方向オリフィスの流路面積および流路長を調整することにより、所望の速度でピストンを戻すことができる。ピストンの戻り速度が一定であれば、ピストンが戻る位置はピストンが戻り始め再び可動部材とともに一方向に移動を開始するまでの時間により決定される。この時間は往復移動部材および可動部材の往復移動速度により増減する。したがって、一方向オリフィスの流路面積および流路長を調整することにより、往復移動部材および可動部材の往復移動速度に応じ所望の位置にピストンを戻すことができる。
【0015】
本発明の請求項記載のダンパ装置によると、一方向オリフィス部材の熱膨張係数がピストンの熱膨張係数より大きくなるように設定されている。温度が上昇するとピストンよりも一方向オリフィス部材が膨張し、一方向オリフィスの流路面積が小さくなる。また、温度が低下するとピストンよりも一方向オリフィス部材が収縮し一方向オリフィスの流路面積が大きくなる。温度の変化により作動流体の粘度が増減しても、粘度に応じて一方向オリフィスの流路面積が変化するので、温度の高低に関係なく一方向オリフィスの流路抵抗がほぼ一定になる。したがって、付勢手段の付勢力によりピストンが戻るときの速度、つまり位置を温度に関係なくほぼ一定にすることができる。
【0016】
本発明の請求項記載の吸排気装置によると、電磁駆動部で駆動される吸排気弁部材が往復移動するとき、往復移動の両終端に向かう吸排気弁部材の速度を請求項1からのいずれか一項記載のダンパ装置により低減する。したがって、吸排気弁部材が弁座やストッパと衝突するときに発生する音を低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるダンパ装置を図1に示す。シャフト1は往復移動部材の一部であり、図1の上下方向に往復移動する。C字状に形成された環状部材2、3はシャフト1の軸方向に所定間隔をおいて嵌合している。
【0018】
円筒状に形成されたハウジング11の外周壁に雄ねじ11aが形成されており、ハウジング11は図示しない支持部材とねじ結合している。外輪12は、上側部材13および下側部材14で形成されており、ハウジング11の内周壁に固定されている。内輪15は、上側部材16および下側部材17で形成されている。上側部材13と上側部材16との間に可動輪22が配設されている。ゴム材で形成された可動膜20は上側部材13と上側部材16と可動輪22とにそれぞれ焼き付けられている。下側部材14と下側部材17との間に可動輪23が配置されている。ゴム材で形成された可動膜21は下側部材14と下側部材17と可動輪23とそれぞれに焼き付けられている。外輪12、内輪15および可動膜20、21は密封容器を構成しており、この密封容器内に作動油が充填されている。
【0019】
可動筒30は、筒部31、下側フランジ部32、上側フランジ部35を有している。筒部31の軸方向ほぼ中央部に中心に向けて環状突部33が形成されている。上側フランジ部35が可動輪22に、下側フランジ部32が可動輪23に当接するように、下側フランジ部32と反対側の筒部31の外周に上側フランジ部35がねじ結合している。前述した可動膜20、21、可動輪22、23、可動筒30は可動部材を構成している。
【0020】
双方向オリフィス部材としての環状部材40の外周壁および内周壁はそれぞれ外輪12および内輪15に嵌合しており、可動膜20と可動膜21との間に収容されている。流体抵抗通路としての双方向オリフィス41は環状部材40をシャフト1の移動方向に貫通して形成されており、第1流体室としての第1作動油室60と、第2流体室としての第2作動油室61とを連通している。さらに環状部材40には、それぞれシャフト1が往復移動する方向に向けて開口する凹部42が形成されている。図2に示すように、双方向オリフィス41は径方向反対側に計2個、凹部42はシャフト1が往復移動する各方向に向けて交互に開口し計6個形成されている。双方向オリフィス41と後述する摺動クリアランス63とを作動油が流れるときに生じるダンパ力がシャフト1の軸上に働くように、双方向オリフィス41および摺動クリアランス63は形成されている。C字状のストッパ45、46は環状部材40の軸方向両端部にそれぞれ嵌合している。ストッパ45、46はスプリング55の付勢力によるピストン50の移動を規制する。
【0021】
図3に示すように、ピストン50は、筒部51および底部52からなる有底円筒状に形成されており、シリンダとしての凹部42に往復移動可能に支持されている。ピストン50の底部52に貫通孔52aが形成されている。スプリング55は、凹部42の内周底部に一端を当接し、長板状のスプリング座56に他端を当接している。図4に示すように、スプリング座56に断面コ字状の板ばね57が接合されている。スプリング55がスプリング座56を付勢すると、逆止弁部材としての円板58は板ばね57によりピストン50の底部52に向け付勢される。図3に示すように、円板58が底部52に密着した状態において、貫通孔52aおよび一方向オリフィス59aは閉塞される。樹脂材で形成された一方向オリフィス部材としてのオリフィス部材59は貫通孔52aに収容されている。オリフィス部材59には、図5に示すように外周から中央部に向け矩形の一方向オリフィス59aが形成されている。
【0022】
密封される作動油に空気が混入しないよう、可動膜20を焼き付けた上側部材13、16、可動輪22と、可動膜21を焼き付けた下側部材14、17、可動輪23と、環状部材40と、ピストン50と、スプリング55と、板ばね57を接合したスプリング座56と、円板58と、オリフィス部材59とを、作動油内で図6に示すように組み付ける。
【0023】
次に、ダンパ装置10の作動について説明する。
(1) シャフト1が図1の下方に移動すると、環状部材2が環状突部33に衝突する。そして、シャフト1とともに可動筒30が図1の下方に移動する。すると、可動輪22および可動膜20が図1の下方に移動し、第1作動油室60の容積が減少する。また、可動輪23および可動膜21が図1の下方に移動し、第2作動油室61の容積が増加する。作動油は、第1作動油室60から双方向オリフィス41を通り第2作動油室61に移動する。
【0024】
また、可動筒30が図1の下方に移動すると、可動輪22に当接しているピストン50が図1の下方に移動し、ピストン室62の容積が減少する。ピストン室62内の作動油は、凹部42とピストン50との間に形成された流体抵抗通路としての摺動クリアランス63を通り第1作動油室60に移動する。
このように、シャフト1とともに可動筒30が図1の下方に移動するとき、作動油が双方向オリフィス41および摺動クリアランス63を流れ可動筒30がダンパ力を受けるので、シャフト1および可動筒30の移動速度が低下する。
【0025】
(2) また、図1の上方にシャフト1が移動すると、図1に示すピストン50と反対方向に開口するピストン50と凹部42との間に形成された摺動クリアランス63および双方向オリフィス41を作動油が流れ可動筒30がダンパ力を受けるので、図1の上方に移動するシャフト1および可動筒30の移動速度が低下する。このとき、シャフト1および可動輪22とともに図1の下方に移動していたピストン50がスプリング55の付勢力により図1の上方に付勢されることにより、第1作動油室60の圧力がピストン室62の圧力よりも高くなるので、円板58は底部52から離れる。そして、オリフィス部材59の一方向オリフィス59aを通り第1作動油室60からピストン室62に作動油が流れることにより、ピストン50は図1の上方に戻る。例えば、第1実施例のダンパ装置10をエンジンの吸気弁部材または排気弁部材のダンパ装置に用いる場合、吸気弁部材または排気弁部材とともに往復移動するシャフト1のダンパ装置10による終端までの移動時間は、エンジン回転数によらず一定である。このことは、エンジン回転数が高い運転領域では、弁開角度または弁閉角度が長くなることに相当し望ましくない。これを避けるため、エンジン高回転時においてピストン50の戻り位置がストッパ45、46に係止される手前になるようにする。一方向オリフィス59aの径を選定し、例えばエンジン回転数が2000rpm以上ではストッパ45、46に係止される位置まで戻らないようにすることができる。
【0026】
シャフト1の移動速度を低減するダンパ装置10の減衰特性は双方向オリフィス41の径および長さ、摺動クリアランス63のクリアランスおよび長さ、可動筒30のストローク長、ならびに作動油の粘度等により決定される。特に、作動油の粘度は温度により大きく増減するので、ダンパ装置の減衰特性は作動油の粘度変化により大きく変動する。例えば、低温から高温までの温度変化幅が150℃の場合、粘度温度係数の小さいシリコンオイルで1/5、鉱物系オイルで1/100に粘度が変化する。このような温度変化に伴う作動油の粘度変動に起因する減衰特性の変動を防止するため、熱膨張率の異なる材質で各部材を形成することが考えられる。
【0027】
例えば、ピストン50と凹部42との間に形成される円筒状の摺動クリアランス63の場合、摺動クリアランス63を流れる流体流量は次式(1) で表される。式(1) は定常状態の式を表している。
dQT/dt=
(απDPT 3/12μTl)×{1+1.5(e/hT2}×ΔP ・・・(1)
dQT/dt:温度Tでの単位時間当たりの流量、ΔP:ピストン前後の差圧
T:クリアランス、e/hT:離心率、μT:粘度、l:シール長さ
P:ピストン径、α:補正係数
【0028】
望ましいダンパ特性が得られる諸元が例えば100℃で求められたとして、−30℃で100℃と同じダンパ特性、つまり単位時間当たりの流量を得るため、式(1) において、100℃と−30℃とで粘度μTが変わるとき、dQ100/dt=dQ-30/dtを満たすようにクリアランスhTが変化する材質を組み合わせればよい。例えば、環状部材40を鉄系材料、ピストン50をアルミ系材料とし、ピストン50の熱膨張係数を環状部材40よりも大きくすることが有力である。
【0029】
また、オリフィス部材59に形成した一方向オリフィス59aを流れる流体流量によりピストン50の戻り速度が変化する。図1に示す方向に開口しているピストン50が可動輪22とともに図1の下方に移動しした後、図1の上方に戻るときを考える。オリフィス部材59とピストン50とを熱膨張係数の異なる材質を用いることにより粘度変化に対応し一方向オリフィス59aの径を増減する。図5に示す形状のオリフィス部材59を樹脂材料で形成し、ピストン50を前述したようにアルミ系材料で形成することによりオリフィス部材59の熱膨張係数をピストン50よりも大きくしている。これにより、温度が上昇し作動油の粘度が低下すると一方向オリフィス59aの幅が狭くなり、温度が低下し作動油の粘度が上昇すると一方向オリフィス59aの幅が広がる。したがって、温度変化に関わらず一方向オリフィス59aを流れる作動油の流量が一定になりピストン50の戻り速度が一定になるので、シャフト1の往復移動速度に応じピストン50を所定位置に戻すことができる。
【0030】
第1実施例では、ダンパ装置10の流体抵抗通路として、双方向オリフィス41、ならびにピストン50と凹部42との間で形成される摺動クリアランス63とをともに備えている構成を採用している。これに対し、双方向オリフィス41または摺動クリアランス63だけで流体抵抗通路を構成してもよい。また、シャフト1の軸に対し双方向オリフィス41を斜めに形成することにより、双方向オリフィス41の通路長を変更することも可能である。
【0031】
(第2実施例)
本発明の第2実施例による電磁式吸排気装置を図7に示す。第2実施例は、ハウジング11および可動筒30を除き第1実施例と実質的に同一構成のダンパ装置100を電磁式吸排気装置70に用いた例である。
往復移動部材としての吸気弁部材71はガイド部材72に往復移動自在に支持されている。吸気弁部材71の一方の端部に形成された当接部71aが吸気口112に着座するとエンジンブロック110に形成した吸気通路111が閉塞され、当接部71aが吸気口112から離座すると吸気通路111と燃焼室とが連通する。吸気弁部材71の他方の端部は、結合部材80およびビス81によりスプリング座82および可動部材83と結合されている。
スプリング85は、一方の端部をスプリング座82に当接し、他方の端部をスプリング座86に当接している。スプリング85は吸気弁部材71を閉弁方向に付勢する。
【0032】
往復移動部材としてのシャフト90は一方の端部でアーマチャ91と結合しており、他方の端部でスプリング座92と結合している。さらにシャフト90は、他方の端面で吸気弁部材71と当接している。シャフト90はシャフトガイド93に往復移動自在に支持されている。スプリング94は、一方の端部をスプリング座92に当接し、他方の端部を電磁駆動部95のハウジング98に当接している。スプリング94は開弁方向にシャフト90を付勢している。
【0033】
電磁駆動部95は、アーマチャ91を挟み、アッパーソレノイド96とロアソレノイド97とを有している。アッパーソレノイド96およびロアソレノイド97への通電オフ時、吸気弁部材71およびシャフト90は、スプリング85およびスプリング94の付勢力のつり合いにより図7に示す中間位置に保持されている。
【0034】
この状態でアッパーソレノイド96への通電をオンすると、アーマチャ91およびシャフト90は図7の上方に吸引される。すると、シャフト90の移動とともに吸気弁部材71が図7の上方、つまり閉弁方向に移動し、当接部71aが吸気口112に着座する。これにより、吸気通路111が閉塞される。
【0035】
アッパーソレノイド96への通電をオフし、ロアソレノイド97への通電をオンすると、アーマチャ91およびシャフト90は図7の下方に吸引される。すると、シャフト90の移動とともに吸気弁部材71が図7の下方、つまり開弁方向に移動し、当接部71aが吸気口112から離座する。これにより、吸気通路111が解放される。
【0036】
ダンパ装置110は、アーマチャ91が図7の下方に移動しロアソレノイド97側に係止されるときの速度を低減し、衝突音を低減する。さらにダンパ装置110は、吸気弁部材71が図7の上方に移動し吸気口112に着座するときの速度を低減し、衝突音を低減する。
【0037】
(第3実施例、第4実施例)
本発明の第3実施例、第4実施例による電磁式吸排気装置を図8、図9に示す。ダンパ装置120、130の構成は、ハウジング11および可動筒30を除き第1実施例と実質的に同一であり、第2実施例と実質的に同一構成部分に同一符号を付し、説明を省略する。
第2実施例では吸気弁部材71とともに往復移動する往復移動部材83がダンパ装置100の可動輪22、23と接触する。これに対し第3実施例では、シャフト90とともに往復移動する往復移動部材121がダンパ装置120の可動輪22、23と接触する。また第4実施例では、ダンパ装置130がエンジンブロック110ではなく電磁駆動部95のハウジング98に固定されている。
【0038】
以上説明した本発明の実施の形態を示す上記複数の実施例では、密封容器の中に作動油を充填したことにより、ダンパ装置に作動油を供給する手段、ならびにダンパ装置から作動油を排出する手段が不要である。したがって、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づく速度を低減するダンパ装置をモジュール化できるので、ダンパ装置の組付けが容易になる。
【0039】
また第2実施例、第3実施例および第4実施例では、電磁式吸排気装置に本発明のダンパ装置を用いた例について説明した。電磁式吸排気装置以外にも、往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づくときの移動速度を低減するのであれば、どのような装置に本発明のダンパ装置を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるダンパ装置を示す縦断面図である。
【図2】第1実施例の環状部材を示す平面図である。
【図3】第1実施例によるダンパ装置のピストン周囲を示す拡大断面図である。
【図4】(A)は図3のIV方向から見たスプリング座および円板の矢視図であり、(B)は(A)のB−B線断面図である。
【図5】オリフィス部材の平面図である。
【図6】第1実施例によるダンパ装置を示す分解斜視図である。
【図7】本発明の第2実施例による電磁式吸排気装置を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施例による電磁式吸排気装置を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施例による電磁式吸排気装置を示す断面図である。
【符号の説明】
10 ダンパ装置
11 ハウジング
12 外輪(密封容器)
15 内輪(密封容器)
20、21 可動膜(可動部材、密封容器)
22、23 可動輪(可動部材、密封容器)
30 可動筒(可動部材)
40 環状部材(双方向オリフィス部材)
41 双方向オリフィス(流体抵抗通路)
42 凹部(シリンダ)
50 ピストン
52 底部
52a 貫通孔
55 スプリング(付勢手段)
58 円板(逆止弁部材)
59 オリフィス部材(一方向オリフィス部材)
59a 一方向オリフィス
63 摺動クリアランンス(流体抵抗通路)
70 電磁式吸排気装置

Claims (6)

  1. 往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づくとき前記往復移動部材の移動速度を低減するダンパ装置であって、
    作動流体を密封している密封容器と、
    前記往復移動部材が往復移動方向の両終端に近づくとき前記往復移動部材とともに移動することにより、前記密封容器内の作動流体を移動させる可動部材と、
    前記密封容器内の作動流体が流れる流体抵抗通路を有し、前記可動部材が前記往復移動部材とともに移動することにより作動流体が前記流体抵抗通路を流れる流体抵抗手段とを備え、
    前記流体抵抗手段は、前記可動部材とともに一方向に移動するピストンと、前記密封容器内に収容され、前記ピストンを往復移動自在に支持し、前記可動部材とともに前記ピストンが一方向に移動する側が閉塞されているシリンダとを有し、前記ピストンおよびシリンダは前記往復移動部材が往復移動する各方向に向け配置されており、前記流体抵抗通路は前記シリンダと前記ピストンとの間に形成されている摺動クリアランスであり、前記可動部材とともに前記ピストンが一方向に移動するとき、前記摺動クリアランスを作動流体が流れることを特徴とするダンパ装置。
  2. 前記流体抵抗手段は双方向オリフィスを設けた双方向オリフィス部材を有し、前記双方向オリフィスは前記密封容器内に形成された第1流体室と第2流体室とを連通し、前記往復移動部材とともに前記可動部材が往復移動すると、前記双方向オリフィスを通り前記第1流体室と前記第2流体室との間で作動流体が双方向に流れることを特徴とする請求項1記載のダンパ装置。
  3. 前記ピストンの熱膨張係数は、前記シリンダの熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項1または2記載のダンパ装置。
  4. 前記ピストンが前記可動部材とともに一方向に移動する方向と反対方向に前記ピストンを付勢する付勢手段と、
    前記ピストンを軸方向に貫通する貫通孔に取り付けられ、一方向オリフィスを有する一方向オリフィス部材と、
    前記付勢手段により前記一方向オリフィス部材に向けて付勢され、作動流体が前記付勢手段の付勢方向に前記一方向オリフィスを流れることを防止する逆止弁部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1、2または記載のダンパ装置。
  5. 前記一方向オリフィス部材の熱膨張係数は、前記ピストンの熱膨張係数より大きいことを特徴とする請求項記載のダンパ装置。
  6. 往復移動することにより内燃機関の吸気通路または排気通路と燃焼室との連通を断続する吸排気弁部材と、
    前記吸排気弁部材を駆動する電磁駆動部と、
    前記吸排気弁部材が往復移動するとき、往復移動の両終端に向かう前記吸排気弁部材の速度を低減する請求項1からのいずれか一項記載のダンパ装置と、
    を備えることを特徴とする電磁式吸排気装置。
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