JP4185824B2 - 可変動弁機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の動弁機構において、複数のロッカアームを連結及び切り離しすることにより、内燃機関の回転速度や負荷に応じてバルブのリフト量又は開閉タイミングを切り替える可変動弁機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の可変動弁機構としては、バルブを押圧する低速用ロッカアームとバルブを直接には押圧しない高速用ロッカアームとを油圧により駆動される切替ピンにより連結及び切り離しするものが多い。内燃機関の低速時には両ロッカアームが切り離され、低速用カムにより揺動する低速用ロッカアームがバルブを開閉する。また、内燃機関の高速時には両アームが連結され、高速用カムにより揺動する高速用ロッカアームと一体で低速用ロッカアームが揺動してバルブを開閉する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この種の可変動弁機構においては、切替ピンを駆動して動作を切り替えるための油圧が必要であり、また、ロッカアームとロッカシャフトとの間の潤滑を図るための油圧が必要である。従来、これら二つの油圧を供給するための油圧経路として次の二種類があったが、それぞれ問題があった。
(1)油圧経路併用タイプ
特許文献1に記載された可変動弁機構では、管状ロッカシャフトの管内を、切替用の油圧経路及び潤滑用の油圧経路として併用している。このタイプでは、潤滑でのリークが多く、オイルポンプの吐出能力の高い高速回転でしか切替必要油圧が確保できないという問題がある。すなわち、油圧源であるオイルポンプは内燃機関の回転により駆動され、回転速度が高いほど吐出能力が高くなるという特性を持っている。そして、その吐出された油の一部が併用の油圧経路から潤滑のためにリークすると、切替のために使える油圧が低下するから、吐出能力の高い高速回転でしか切替必要油圧が確保できなくなるのである。また、潤滑に間欠給油式を採用している場合、間欠給油による油圧脈動の影響を受け、切替応答性が悪化したり、切替保持が困難になったりする場合がある。
(2)ロッカシャフト内油圧経路分離独立タイプ
特許文献2に記載された可変動弁機構は、特許文献1の油圧脈動の影響を対策した事例であり、ロッカシャフト内に切替用給油穴と潤滑用給油穴とを分離独立形成している。しかし、切替用給油穴が細くなり、切替応答性悪化が懸念される。また、ロッカシャフト内の工法が複雑になり、コストアップしてしまう。
【0004】
【特許文献1】
特開平2−78718号公報
【特許文献2】
特公平7−116925号公報
【0005】
そこで、本発明の目的は、切替用の油圧経路と潤滑用の油圧経路とを安価に分離独立化することができ、もって切替用油圧経路を適正な断面径として安定した切替用の油圧供給ができ、また、オイルポンプの吐出能力の低い低速回転でも切替必要油圧を確保することができ、切替応答性も損なわない可変動弁機構を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の可変動弁機構は、サポート間にロッカシャフトを挿通して支持し、第一ロッカアームと第二ロッカアームとを並べてロッカシャフトに揺動可能に挿着し、第一ロッカアームと第二ロッカアームとを切替ピンにより連結及び切り離しすることにより動作を切り替え可変動弁機構において、管状のロッカシャフトの管内を、ロッカアームとロッカシャフトとの間の潤滑を図るための潤滑用油圧経路とし、サポート間にロッカシャフトとは別の油供給管を取り付け、該油供給管を、切替ピンを駆動して動作を切り替えるための切替用油圧経路とし、もって潤滑用油圧経路と切替用油圧経路とを分離独立させたことを特徴とする。
【0007】
そして、ロッカシャフト上に取り付ける部品であってロッカシャフト回りの回り止めが必要な部品(例えばロストモーション機構の部品)を、ロッカシャフトと油供給管に外挿する(同部品にロッカシャフトと油供給管とを通す)ことにより、回り止め可能にしている
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した可変動弁機構の一実施形態を、図1〜図8に基づいて説明する。なお、本例では2気筒分のしかも吸気バルブ側のみの二連の可変動弁機構を図示して説明するが、この連数は内燃機関の気筒数及び気筒配列に応じて適宜変更でき、また、この可変動弁機構は排気バルブ(図1のみに90の符号で示す)側にも実施できる。
【0009】
図1〜図4に示すように、二つの各気筒1を挟むシリンダヘッド2の三位置に、右サポート3、中央サポート4及び左サポート5がそれぞれボルト6により取り付けられている。右サポート3及び左サポート5の各対向面には横向きで有底の取付穴7が、中央サポート4には横に貫通する取付穴7がそれぞれ設けられている。これらの取付穴7に管状のロッカシャフト10が通され、さらにロッカシャフト10に軸直交方向に貫設された穴に前記ボルト6が通されることによって、ロッカシャフト10が支持されている。各気筒に対応したロッカシャフト10のうち右サポート3・中央サポート4間の第一領域と中央サポート4・左サポート5間の第二領域とには、それぞれ無可変ロッカアーム11、第一ロッカアームとしての低速用ロッカアーム12及び第二ロッカアームとしての高速用ロッカアーム13が配されるとともに、高速用ロッカアーム13のロストモーション機構70が配されている。各アーム11,12,13は、それぞれの長さ方向略中央の挿通穴14に該ロッカシャフト10が挿通されることにより揺動可能に軸着されている。
【0010】
これらのロッカアームを詳述すると、第一領域については、無可変ロッカアーム11は右サポート3の直ぐ左側に略接して配され、低速用ロッカアーム12は中央サポート4の右側に略接して配され、また、高速用ロッカアーム13は低速用ロッカアーム12の右側に略接して配されており、高速用ロッカアーム13と無可変ロッカアーム11との間の残り領域にロストモーション機構70が配されている。第二領域についても、右サポート3を中央サポート4と読み替え、中央サポート4を左サポート5と読み替えれば、同様に各ロッカアーム11,12,13及びロストモーション機構70が配されている。
【0011】
各ロッカアーム11,12,13の後端部には後述するカムに当接するローラ15が回転可能に軸着されている。具体的には、図5(a)(b)に示すように、各ロッカアーム11,12,13の後端部に加工された両側フォーク20にローラ15が挟まれるとともに、両側フォーク20にかしめ止めされた軸21にローラ15が軸着されている(公知の軸着構造)。その他、新規な軸着構造として、図5(c)に示すように、各ロッカアーム11,12,13(入力負荷の低い低速用ロッカアーム12に特に適する)の後端部に加工された片側フォーク22とこれにかしめ止めされた軸23のフランジ23aとにローラ15が挟まれるようにして、該軸23にローラ15が軸着されたものでもよい。また、図5(d)に示すように、片側フォーク22とこれにあてがわれて内軸24によりかしめ止めされた外軸25のフランジ25aとにローラ15が挟まれるようにして、該外軸25にローラ15が軸着されたものでもよい。これらの片側フォーク22への軸着構造によれば、省スペース化を図ることができる。無可変ロッカアーム11及び低速用ロッカアーム12の先端部にはバルブ9の上端を押圧する押圧体26がネジ機構により突出量調節可能に設けられている。高速用ロッカアーム13はバルブ9を直接には押圧しないものなので先端側へ延びておらず、押圧体も設けられていないが、後述するトーションコイルバネ71の一端72に押圧される止め部16が右側面に突設されている。
【0012】
図4〜図6に示すように、ロッカシャフト10から気筒寄りにやや離れた位置にはカムシャフト60が設けられ、回転駆動されるようになっている。カムシャフト60における第一領域及び第二領域の各ロッカアーム11,12,13に対応する位置には、任意の作用角及びリフト量のカムノーズをもつ無可変カム61と、作用角及びリフト量の小さいカムノーズをもつ低速用カム62と、作用角及びリフト量の大きいカムノーズをもつ及び高速用カム63とが形成されている。無可変カム61は無可変ロッカアーム11のローラ15に、低速用カム62は低速用ロッカアーム12のローラ15に、高速用カム63は高速用ロッカアーム13のローラ15にそれぞれ当接する。
【0013】
低速用ロッカアーム12と高速用ロッカアーム13とを連結して一体的に揺動可能とし、また、切り離して別々に揺動可能とするための切替機構は次のように構成されている。各サポート3,4,5の後側(ロッカアームの基端側に対応する)にはそれぞれ突部8が一体的に突設されている。図7等に示すように、中央サポート4及び左サポート5の各突部8の右側面途中部にはシリンダ孔30が凹設され、シリンダ孔30にはピストンピン31が摺動可能に収容されている。第一領域及び第二領域の低速用ロッカアーム12の基端側に設けられた突部17にはピン孔32が貫設され、ピン孔32には切替ピン33が摺動可能に収容されている。高速用ロッカアーム13の基端側に設けられた突部18にはその左側面からピン孔34が凹設され、ピン孔34にはカップ状のプッシャピン35が摺動可能に収容されるるともにコイルバネ36が収容され、コイルバネ36がプッシャピン35を切替ピン33側へ付勢している。シリンダ孔30、ピン孔32及びピン孔34は、内燃機関の高速時に両ロッカアーム12,13を連結すべきタイミングの時に互いの軸線が一致するように設けられており、切替ピン33が両ピン孔32,34に跨ったときに両ロッカアーム12,13が連結されるようになっている。
【0014】
この切替機構用の油圧経路を説明すると、右サポート3には、シリンダヘッド2への取付面に給油口40が形成されるとともに、給油口40から突部8に向かう油路41が形成されており、突部8の左側面先端部には油路41に連通する取付穴49が形成されている。給油口40は、シリンダヘッド内の油路を経て、さらに切替弁を介し油圧ポンプにつながっている。中央サポート4には該中央サポート4を貫くとともに前記シリンダ孔30に連通する油路43が形成されているとともに、突部8の右側面先端部及び左側面先端部には油路43に連通する取付穴49が形成されている。左サポート5には前記シリンダ孔30に連通する油路45が形成されているとともに、突部8の右側面先端部には油路45に連通する取付穴49が形成されている。そして、右サポート3と中央サポート4との間には第一油供給管42がその両端を両サポート3,4の取付穴49に差し込んで取り付けられており、中央サポート4と左サポート5との間には第二油供給管44がその両端を両サポート4,5の取付穴49に差し込むことで取り付けられている。従って、給油口40→油路41→第一油供給管42→油路43→第二油供給管44→油路45の油圧経路が形成されており、油路43から中央サポート4のシリンダ孔30へ、また、油路45から左サポート5のシリンダ孔30へ切替用の油が供給されるようになっている。各油供給管42,44とロッカシャフト10とは平行に配置されている。
【0015】
一方、ロッカシャフト10と各ロッカアーム11,12,13の挿通穴14との間の潤滑用の油圧経路を説明すると、図3〜図6に示すように、中央サポート4にはシリンダヘッド2への取付面に給油口50が形成され、この給油口50は取付穴7に開口している。この取付穴7内のロッカシャフト10の管壁には入油孔51が、各ロッカアーム11,12,13の挿通穴14内のロッカシャフト10の管壁には出油孔52がそれぞれから貫設されている。従って、給油口50→入油孔51→ロッカシャフト10の管内→出油孔52の油圧経路が形成されており、出油孔52からロッカシャフト10と挿通穴14との間に潤滑用の油が供給されるようになっている。この潤滑用の油圧経路は、前記切替用の油圧経路とは分離独立している。
【0016】
次に、高速用ロッカアーム13を高速用カム63に追従させるロストモーション機構70は、前記のとおりロッカシャフト10の第一領域及び第二領域のうち高速用ロッカアーム13と無可変ロッカアーム11との間の残りの領域に配されており、次のように構成されている。この残りの領域のうち、高速用ロッカアーム13の隣りである左側にはコイル状のトーションコイルバネ71が該トーションコイルバネ71を掴持するバネ枠74と共に同心状に外挿されて回動可能になっており、無可変ロッカアーム11の隣りである右側にはトーションコイルバネ71の他端を止めるとともにバネ荷重を調節する調節式止め部材78が回動可能に外挿されて回動調節後に締着されている。
【0017】
トーションコイルバネ71は線材がコイル状に複数回巻かれてなり、その一端72と他端73とが放射状に突出している。線材は丸線材でもよいが、図8(c)に示すように、本例では巻き線同志の隣接面が略平らな面をなす異形線材が用いられており、具体的な断面寸法としては3.1mm(巻き半径側)×1.9mm(バネ長側)である。この線材を用いることで、応力を低減でき、省スペースになり、バネ作動時の倒れを防止できる等の効果が得られる。バネ枠74は、トーションコイルバネ71の両端面を覆う一対のリング枠部75と、両リング枠部75を連結する連結部76とからなり、一方のリング枠部75の突出部には次に述べる止め部を差し込む穴77が形成されている。そして、バネ枠74にトーションコイルバネ71が収められてバネ長方向の伸びが規制され、トーションコイルバネ71及びリング枠部75がロッカシャフト10に外挿されている。そして、トーションコイルバネ71の一端72が高速用ロッカアーム13の止め部16に、トーションコイルバネ71のねじり方向の伸長が規制されるように当接することで、止められている。
【0018】
調節式止め部材78は、リングの一箇所に切れ目を入れてなる止め部材本体79と、該切れ目の両側を接近させて止め部材本体79を締め付けられるように止め部材本体79に螺合された締付ネジ80と、止め部材本体79の左側面に突設された突起状の止め部81とからなる。止め部材本体79がロッカシャフト10に外挿され、止め部81が前記穴77に差し込まれ、トーションコイルバネ71の他端73が止め部81に対しトーションコイルバネ71のねじり方向の伸びが規制されるように当接した状態で、図8(a)(b)に示すように、止め部材本体79が手動で回動調節されると、止め部81による他端73の止め位置がロッカシャフト10回りの回動方向に位置調節され、トーションコイルバネ71がねじり方向に圧縮される。この回動調節による圧縮加減により、トーションコイルバネ71のバネ荷重(一端72が高速用ロッカアーム13の止め部16を押圧する荷重)が調節され、回動調節後は止め部材本体79が締付ネジ80でロッカシャフト10に回動不能に締着される。こうしてバネ荷重が調節されたトーションコイルバネ71の一端72が高速用ロッカアーム13の止め部16を押圧して、ローラ15を高速用カム63に押し付けるため、後述する低速回転時の空振り時にも高速用ロッカアーム13を高速用カム63に追従させることができる。
【0019】
上記のとおり構成された可変動弁機構は、次のように作用する。給油口50には常に給油が行われ、給油口50→入油孔51→ロッカシャフト10→出油孔52の油圧経路を経て、出油孔52からロッカシャフト10と各ロッカアーム11,12,13の挿通穴14との間に潤滑用の油が供給される。この潤滑用給油は連続給油式でも間欠給油式でもよく、たとえ間欠給油式であってもその際の油圧脈動が後述する切替用の油圧経路に影響を及ぼす心配はない。切替用の油圧経路と潤滑用の油圧経路とは独立しているからである。無可変ロッカアーム11は、次に述べる内燃機関の回転速度に拘わらず、常に無可変カム61により揺動され、無可変ロッカアーム11に押圧されるバルブ9は無可変カム61のカム形状に従って任意の無可変用のタイミング及びリフト量で開閉される。
【0020】
さて、内燃機関の低速回転時には、給油口40への給油が止められ、図7(a)に示すように、ピストンピン31が消勢される。このため、コイルバネ36がプッシャピン35を介して切替ピン33及びピストンピン31を押すため、切替ピン33は低速用ロッカアーム12と高速用ロッカアーム13とに跨らない位置で止まり、両ロッカアーム12,13の連結は切り離される。従って、低速用ロッカアーム12が低速用カム62により単独で揺動され、バルブ9が低速用カム62のカム形状に従って低速用のタイミング及びリフト量で開閉される。このとき、高速用ロッカアーム13は高速用カム63により空振りするが、ロストモーション機構70が高速用ロッカアーム13のローラ15を高速用カム63に押し付けて追従させるため、高速用ロッカアーム13のぱたつきが防止されるとともに、後述する高速回転への移行時にスムーズな切り替えを行うことができる。
【0021】
本実施形態では、ロストモーション機構70としてロッカシャフト10に外挿したトーションコイルバネ71を用いているので、ロストモーション機構70を含めた可変動弁機構のモジュール化が可能になる。また、シリンダヘッド2をロストモーション機構のために専用設計したり改造したりする必要がなくなり、現在量産化されている内燃機関を大幅にレイアウト変更することなく可変動弁化することもできる。また、ロストモーション機構による高速用ロッカアーム13の慣性質量増加への影響が小さいので、ロストモーション機構70におけるバネ設計に充分な安全率を見込むことができるとともに設計自由度が高くなる。しかも、トーションコイルバネ71のバネ荷重を調節できるので、最適な荷重付与が可能となり、必要以上の荷重でローラ15を高速用カム63に押し付けた場合のフリクション増の問題を解決することができる。また、調節を行うということで、バネ等の構成部品個々の寸法精度要求を抑えることも可能となる。
【0022】
次に、内燃機関の切替回転速度以上の高速時には、給油口40への給油が行われ、給油口40→油路41→第一油供給管42→油路43→第二油供給管44→油路45の油圧経路を経て、油路43から中央サポート4のシリンダ孔30へ、また、油路45から左サポート5のシリンダ孔30へ切替用の油が供給される。前記のとおり、この切替用の油圧経路は潤滑用の油圧経路から分離独立しており、従来の油圧経路併用タイプのように潤滑でのリークや油圧脈動の影響を受けることがないため、切替応答性に優れ、切替保持も容易である。また、必要以上に吐出能力の高いオイルポンプを使わなくても済み、オイルポンプの吐出能力がさほど高くない低回転域でも切替必要油圧を確保できる利点がある。また、サポート間に架設した油供給管42,44を用いた油圧経路で切替用給油を行うので、従来のロッカシャフト内油圧経路分離独立タイプのように切替用給油穴が細くなって切替応答性が悪化する懸念がなく、また製作が容易である。こうしてシリンダ孔30へ切替用の油が給油されると、図7(b)に示すように、ピストンピン31が付勢され、コイルバネ36の付勢力に抗して切替ピン33及びプッシャピン35を押すため、切替ピン33は低速用ロッカアーム12と高速用ロッカアーム13とに跨がり、両ロッカアーム12,13は連結される。従って、高速用ロッカアーム13が高速用カム63により揺動され、高速用ロッカアーム13と一体に低速用ロッカアーム12も揺動し、バルブ9が高速用カム63のカム形状に従って高速用のタイミング及びリフト量で開閉される。このとき、低速用カム62は低速用ロッカアーム12の揺動に影響を与えることなく空回転する。
【0023】
次に、図9〜図11はロストモーション機構70の変更例を示している。本変更例では、調節式止め部材83が、ロッカシャフト10と別のシャフトとしての第一油供給管42(又は第二油供給管44)との2本に外挿されることによりロッカシャフト10に回動しないように取り付けられた止め部材本体84と、トーションコイルバネ71の他端73を当接させて止める止め部85と、止め部材本体84に対して止め部85をロッカシャフト10回りの回動方向に変位調節可能にする調節ネジ86とからなる。止め部材本体84にはロッカシャフト10を通す穴から連続して延びて調節ネジ86に交差するスリット87が形成されており、調節ネジ86によってスリット87が狭められることにより、止め部材本体84がロッカシャフト10にある程度締着されるようになっている。止め部材本体84とバネ枠74の一方のリング枠部75の突出部とには、止め部85の前記変位をガイドするガイド間隙88が形成されている。
【0024】
本変更例によれば、図11(a)(b)に示すように、止め部材本体84を回動しなくても、調節ネジ86を螺合調節するだけで、止め部85による他端73の止め位置をロッカシャフト10回りの回動方向に変位調節でき、トーションコイルバネ71がねじり方向に圧縮される。この変位調節による圧縮加減により、トーションコイルバネ71の付勢力が調節されるので、調節作業が容易である。
【0025】
なお、本発明は前記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
【0026】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明に係る可変動弁機構によれば、切替用の油圧経路と潤滑用の油圧経路とを安価に分離独立化することができ、もって切替用油圧経路を適正な断面径として安定した切替用の油圧供給ができ、また、オイルポンプの吐出能力の低い低速回転でも切替必要油圧を確保することができ、切替応答性も損なわない、という優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施形態の可変動弁機構の斜視図である。
【図2】同可変動弁機構の平面図である。
【図3】同可変動弁機構の底面図である。
【図4】同可変動弁機構の分解斜視図である。
【図5】(a)は図2のV−V線断面図、(b)(c)(d)はローラの軸着構造を示す断面図である。
【図6】図2のVI−VI線断面図である。
【図7】同可変動弁機構の切替機構を示し、(a)は低速時における断面図、(b)は高速時における断面図である。
【図8】同可変動弁機構のロストモーション機構の断面図である。
【図9】ロストモーション機構の変更例の斜視図である。
【図10】同変更例の要部分解斜視図である。
【図11】同変更例の断面図である。
【符号の説明】
3 右サポート
4 中央サポート
5 左サポート
10 ロッカシャフト
11 無可変ロッカアーム
12 第一ロッカアームとしての低速用ロッカアーム
13 第二ロッカアームとしての高速用ロッカアーム
33 切替ピン
42 第一油供給管
44 第二油供給管
70 ロストモーション機構
71 トーションコイルバネ
72 一端
73 他端
78 調節式止め部材
79 止め部材本体
80 締付ネジ

Claims (1)

  1. サポート間にロッカシャフトを挿通して支持し、第一ロッカアームと第二ロッカアームとを並べてロッカシャフトに揺動可能に挿着し、第一ロッカアームと第二ロッカアームとを切替ピンにより連結及び切り離しすることにより動作を切り替え可変動弁機構において、
    管状のロッカシャフトの管内を、ロッカアームとロッカシャフトとの間の潤滑を図るための潤滑用油圧経路とし、サポート間にロッカシャフトとは別の油供給管を取り付け、該油供給管を、切替ピンを駆動して動作を切り替えるための切替用油圧経路とし、もって潤滑用油圧経路と切替用油圧経路とを分離独立させ、
    ロッカシャフト上に取り付ける部品であってロッカシャフト回りの回り止めが必要な部品を、ロッカシャフトと油供給管とに外挿することにより、回り止めを可能にしたことを特徴とする可変動弁機構。
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