JP4185817B2 - 測定装置、信号生成装置、及びプログラム - Google Patents

測定装置、信号生成装置、及びプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、与えられる複素信号の同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定する測定装置、出力する複素信号のスキューを低減する信号生成装置、及びプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、通信用の信号を生成する信号生成装置に、同相成分と直交成分とを含む複素信号を生成する装置がある。例えば、ディジタルの複素信号を発生する場合、2つのディジタルアナログコンバータにより、複素信号における同相成分信号と直交成分信号をアナログ信号に変換し、それぞれアナログ回路によって直交変調、周波数シフト等を行っている。
【0003】
しかし、生成した複素信号における同相成分信号と直交成分信号との間にスキューが生じている場合、出力される複素信号の信号品質が低下してしまう。このため、当該スキューを低減する必要がある。従来、当該スキューを低減するために、ディジタルアナログコンバータのそれぞれの出力を検出している。検出した同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定することにより、当該スキューを低減するように、信号生成装置のキャリブレーションを行っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、信号生成装置において生じるスキューが小さい場合には、従来の方法ではスキューを精度よく測定することが困難であった。このため、精度よくキャリブレーションを行うことができず、出力する信号の品質が低下してしまう。このため、より精度よくスキューを測定する方法が要求されていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態においては、与えられる複素信号の同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定する測定装置であって、同相成分信号と直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、測定複素信号のスペクトル信号と、複素信号のスペクトルとの差に基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、第1スキュー算出部が算出した測定複素信号におけるスキューから、スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、複素信号のスキューを算出する第2スキュー算出部とを備える測定装置を提供する。
【0006】
測定装置には、複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性が予め与えられており、第1スキュー算出部は、測定複素信号のスペクトル信号の実数部と虚数部との比に基づいて、測定複素信号の周波数成分毎の位相特性を算出する位相算出部と、測定複素信号の周波数成分毎の位相特性から、複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性を差し引くことにより、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出するスキュー成分算出部と、測定複素信号のスキュー成分の、負の周波数成分の傾きを算出する傾き算出部と、スキュー成分の負の周波数成分の傾きに基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出するスキュー値算出部とを有してよい。
【0007】
本発明の第2の形態においては、複素信号を生成する信号生成装置であって、複素信号を発生する信号発生器と、同相成分信号と直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、測定複素信号のスペクトル信号と、複素信号のスペクトルとの差に基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、第1スキュー算出部が算出した測定複素信号におけるスキューから、スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、複素信号におけるスキューを算出する第2スキュー算出部と、第2スキュー算出部が算出した複素信号におけるスキューが略零となるように、スキュー重畳部が発生する重畳スキューを調整する制御部とを備える信号生成装置を提供する。
【0008】
信号発生器は、複数の周波数成分を有し、予め周波数成分毎の理想的な位相特性が与えられた複素信号を生成し、第1スキュー算出部は、測定複素信号のスペクトル信号の実数部と虚数部との比に基づいて、測定複素信号の周波数成分毎の位相特性を算出する位相算出部と、測定複素信号の周波数成分毎の位相特性から、複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性を差し引くことにより、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出するスキュー成分算出部と、測定複素信号におけるスキュー成分の、負の周波数成分の傾きを算出する傾き算出部と、スキュー成分の負の周波数成分の傾きに基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出するスキュー値算出部とを有してよい。
【0009】
本発明の第3の形態においては、測定装置に、複素信号の同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定させるプログラムであって、測定装置を、同相成分信号と直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、測定複素信号のスペクトル信号と、複素信号のスペクトルとの差に基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、第1スキュー算出部が算出した測定複素信号におけるスキューから、スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、複素信号のスキューを算出する第2スキュー算出部として機能させるプログラムを提供する。
【0010】
本発明の第4の形態においては、信号生成装置に、複素信号を生成させるプログラムであって、信号生成装置を、複素信号を発生する信号発生器と、同相成分信号と直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、測定複素信号のスペクトル信号と、複素信号のスペクトルとの差に基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、第1スキュー算出部が算出した測定複素信号におけるスキューから、スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、複素信号におけるスキューを算出する第2スキュー算出部と、第2スキュー算出部が算出した複素信号におけるスキューが略零となるように、スキュー重畳部が発生する重畳スキューを調整する制御部として機能させるプログラムを提供する。
【0011】
尚、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又、発明となりうる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係る信号生成装置100の構成の一例を示す。信号生成装置100は、同相成分信号(In−Phase Signal)と直交成分信号(Quadrature−Phase Signal)とを含む複素信号を生成する。例えば、信号生成装置100は、データ通信を行うための複素信号を生成する。また、信号生成装置100は、信号発生器10、測定装置20、ディジタルアナログコンバータ(12a、12b、以下12と総称する)、アナログ部(14a、14b、以下14と総称する)、及び直交変調器16を備える。ここで、信号生成装置100は、生成した複素信号における同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを低減するために、予めキャリブレーションを行う。以下、キャリブレーションの動作について説明する。
【0014】
信号発生器10は、ディジタルの複素信号を生成する。キャリブレーションを行う場合、信号発生器10は、同相成分信号Iと直交成分信号Qとを含むキャリブレーション用の複素信号を生成する。この場合、信号発生器10は、複数の周波数成分を有する複素信号を生成する。また、信号発生器10は、周波数成分毎の位相がランダムとなるような複素信号を生成することが好ましい。これにより、精度よくキャリブレーションを行うことができる。
【0015】
ディジタルアナログコンバータ12aは、測定装置20を介して同相成分信号Iを受け取り、同相成分信号Iをアナログ信号に変換する。また、ディジタルアナログコンバータ12bは、測定装置20を介して直交成分信号Qを受け取り、直交成分信号Qをアナログ信号に変換する。
【0016】
アナログ部14aは、アナログ信号に変換された同相成分信号Iを受け取り、予め定められた信号処理を行う。また、アナログ部14bは、アナログ信号に変換された直交成分信号Qを受け取り、予め定められた信号処理を行う。例えば、アナログ部14a及びアナログ部14bは、受け取ったアナログ信号を予め定められたキャリア周波数に変調する。
【0017】
直交変調器16は、アナログ部14において信号処理された同相成分信号I及び直交成分信号Qを受け取り、直交変調を行う。また、通常の通信を行う場合には、直交変調器16は、直交変調した複素信号を外部に送信する。
【0018】
測定装置20は、信号発生器10が生成した複素信号が外部に出力された場合に生じる、同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定する。つまり、本例において測定装置20は、信号発生器10、ディジタルアナログコンバータ12、アナログ部14、及び直交変調器16を含む系において生じるスキューを測定する。また、測定装置20は、測定したスキューをうち消すように、信号発生器10が生成した複素信号における、同相成分信号と直交成分信号との間にスキューを発生させる。これにより、信号生成装置100のキャリブレーションを行う。次に、測定装置20の構成及び動作を説明する。
【0019】
測定装置20は、遅延部22、ダウンコンバータ24、フィルタ26、アナログディジタルコンバータ32、及び演算部30を備える。遅延部22は、信号発生器10が生成した複素信号を受け取り、同相成分信号Iと直交成分信号Qとの間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成する。つまり、遅延部22は、スキュー重畳部として機能する。本例において、遅延部22は、同相成分信号I又は直交成分信号Qのいずれかを予め定められた遅延量だけ遅延させることにより、同相成分信号Iと直交成分信号Qとの間に重畳スキューを発生させる。
【0020】
ダウンコンバータ24は、直交変調器16が直交変調した測定複素信号を受け取り、当該測定複素信号を周波数シフトする。例えば、測定複素信号がキャリア周波数に変調されている場合、ダウンコンバータ24は、当該キャリア周波数分、測定複素信号の周波数をダウンシフトする。
【0021】
フィルタ26は、ダウンコンバータ24が周波数シフトした測定複素信号を受け取り、当該測定複素信号の周波数成分のうち、予め定められた周波数帯域のみを通過させる。例えば、フィルタ26は、受け取った測定複素信号のエイリアシング成分を除去するべく、通過周波数帯域が設定される。この場合、フィルタ26は、信号発生器10が生成した複素信号の周波数成分に基づいて、通過周波数帯域を設定してもよい。アナログディジタルコンバータ32は、フィルタ26が通過した測定複素信号を受け取り、ディジタルの信号に変換する。
【0022】
演算部30は、ディジタルの信号に変換された測定複素信号を受け取り、当該測定複素信号における同相成分信号Iと直交成分信号Qとの間のスキューを算出する。また演算部30は、算出したスキューに基づいて、遅延部22が発生する重畳スキューを調整し、キャリブレーションを行う。次に、演算部30の構成及び動作を説明する。
【0023】
図2は、演算部30の構成の一例を示す。演算部30は、変換部34、第1スキュー算出部40、第2スキュー算出部36、及び制御部38を有する。変換部34は、アナログディジタルコンバータ32が変換した測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する。変換部34は、例えば測定複素信号をフーリエ変換することにより、スペクトル信号を生成する。
【0024】
第1スキュー算出部40は、変換部34が変換した測定複素信号のスペクトル信号と、信号発生器10が生成した複素信号のスペクトルとの差に基づいて、測定複素信号における同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを算出する。第1スキュー算出部40は、信号発生器10が生成した複素信号のスペクトルが予め与えられていてよく、また当該複素信号を受け取り、当該複素信号のスペクトルを算出してもよい。
【0025】
第1スキュー算出部40は、位相算出部42、スキュー成分算出部44、傾き算出部46、及びスキュー値算出部48を有する。位相算出部42は、変換部34が変換した測定複素信号のスペクトル信号の実数部と虚数部との比に基づいて、測定複素信号の周波数成分毎の位相特性を算出する。例えば、位相算出部42は、下式に基づいて測定複素信号の位相特性φx(f)を算出する。
φx(f)=tan−1(Im(f)/Re(f)) 式(1)
但し、Re(f)は測定複素信号のスペクトル信号の実数部、Im(f)は測定複素信号のスペクトル信号の虚数部を示す。
【0026】
スキュー成分算出部44は、位相算出部42が算出した測定複素信号の周波数成分毎の位相特性から、信号発生器10が生成した複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性を差し引くことにより、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出する。スキュー成分算出部44には、当該複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性が予め与えられていることが好ましい。
【0027】
傾き算出部46は、スキュー成分算出部44が算出した測定複素信号のスキュー成分の、負の周波数成分の傾きを算出する。スキュー値算出部48は、傾き算出部46が算出したスキュー成分の負の周波数成分の当該傾きに基づいて、測定複素信号におけるスキューを算出する。
【0028】
第2スキュー算出部36は、第1スキュー算出部40が算出した測定複素信号におけるスキューから、遅延部22が発生した重畳スキューを減算し、複素信号のスキューを算出する。また、制御部38は、第2スキュー算出部36が算出した複素信号におけるスキューが略零となるように、遅延部22が発生する重畳スキューを調整する。このような動作により、信号生成装置100のキャリブレーションを行うことができる。
【0029】
図3は、測定複素信号の位相特性、及び測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性の一例を示す。図3において、横軸は周波数を示し、縦軸はそれぞれの周波数成分の位相を示す。
【0030】
図3(a)は、測定複素信号の位相特性の一例を示す。キャリブレーションを行う場合、信号発生器10は、それぞれの周波数成分の位相がランダムとなるような複素信号を生成するため、複素信号の位相特性は、周波数成分に依存せずにランダムな特性を示す。また、理想的な複素信号はスキュー成分を含まないため、複素信号の理想的な位相特性は、正の周波数成分のみとなる。しかし、測定複素信号には、信号生成装置100の系において生じるスキュー、及び遅延部22において重畳された重畳スキューが含まれる。このため、測定複素信号の位相特性は、図3(a)に示すように、負の周波数成分を有し、また負の周波数成分は、周波数成分に依存して左上がりの傾きを有する。
【0031】
また、測定複素信号の位相特性の、負の周波数成分の傾きの大きさは、測定複素信号における同相成分信号と直交成分信号との間のスキューの大きさに比例する。このため、前述したように、傾き算出部46が算出した測定複素信号の位相特性の傾きに基づいて、測定複素信号におけるスキューの大きさを算出することができる。
【0032】
前述したように、位相算出部42は、図3(a)に示すような、測定複素信号の位相特性を算出する。そして、スキュー成分算出部44は、測定複素信号の負の周波数領域における位相特性から、複素信号の位相特性を差し引き、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出する。このとき、複素信号の理想的な位相特性は、正の周波数成分のみであるため、スキュー成分算出部44は、複素信号の位相特性の複素共役を、測定複素信号の負の周波数領域における位相特性から差し引くことにより、測定複素信号のスキュー成分の位相特性を算出する。
【0033】
図3(b)は、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性の一例を示す。そして、傾き算出部46は、当該スキュー成分の位相特性の負の周波数成分の傾きを算出する。このとき、傾き算出部46は、当該スキュー成分の位相特性の負の周波数成分を、例えば最小二乗法により直線近似して、当該傾きを算出してもよい。
【0034】
そして、スキュー値算出部48は、測定複素信号におけるスキュー値τを、下式に基づいて算出する。
τ=b/π 式(2)
但し、bは傾き算出部46が算出した傾きを示す。
【0035】
そして、第2スキュー算出部36は、スキュー値算出部48が算出したスキュー値τから、遅延部22が発生した重畳スキューを減算することにより、信号生成装置100の系において生じるスキューを算出する。そして、制御部38は、当該スキュー値τをうち消すように、遅延部22が重畳する重畳スキューを調整する。
【0036】
以上説明した信号生成装置100によれば、信号生成装置100のキャリブレーションを行い、信号生成装置100において生じるスキューを低減することができる。また、予め重畳スキューを重畳して、スキューを測定し、測定したスキューから重畳スキューを差し引いて、測定するべきスキュー値を算出することにより、より精度よくスキューを算出することができる。例えば、重畳スキューを重畳することにより、式(1)に示した演算の誤差を低減することができる。つまり、信号生成装置100の系において生じるスキューが小さい場合、式(1)の右辺の分母、及び分子は小さい値となる。このため、これらの分母、又は分子の値に測定誤差が含まれると、得られるスキューの値に大きい誤差が生じてしまう。本例においては、予め重畳スキューを重畳して、式(1)の演算を行うため、当該誤差を低減することができる。
【0037】
図4は、測定複素信号のスペクトルの一例を示す。図4において、横軸は測定複素信号の周波数成分を示し、縦軸はそれぞれの周波数成分の振幅を示す。測定複素信号の振幅スペクトルにおいても、位相特性と同様に、信号にスキューが生じている場合、負の周波数領域に、スキューの大きさに比例した傾きのスペクトルを有する。
【0038】
演算部30は、図1から図3において説明した位相特性の負の周波数領域におけるスペクトルの傾きの算出方法の場合と同様に、測定複素信号の振幅スペクトルの負の周波数領域におけるスペクトルの傾きを算出してよい。また、算出した傾きに基づいて、測定複素信号におけるスキューの大きさを算出してよい。
【0039】
図5は、測定装置20の構成の他の例を示す。本例における測定装置20は、遅延部22、ダウンコンバータ24、復調部50、フィルタ(26a、26b)、アナログディジタルコンバータ(32a、32b)、及び演算部30を備える。本例において、遅延部22、ダウンコンバータ24、及び演算部30は、図1に関連して説明した遅延部22、ダウンコンバータ24、及び演算部30と略同一の機能及び構成を有する。
【0040】
復調部50は、ダウンコンバータ24が周波数シフトした測定複素信号を、同相成分信号と直交成分信号とに復調する。そして、フィルタ26a及びフィルタ26bは、同相成分信号、及び直交成分信号のエイリアシング成分を除去するように、予め定められた周波数成分を通過させる。アナログディジタルコンバータ32a及びアナログディジタルコンバータ32bは、同相成分信号、及び直交成分信号をディジタルの信号に変換し、演算部30に受け渡す。演算部30は、同相成分信号、及び直交成分信号に復調された測定複素信号に基づいて、スキューを算出する。本例における測定装置20においても、同様に精度よくキャリブレーションを行うことができる。
【0041】
図6は、信号生成装置100を制御するコンピュータ300の構成の一例を示す。本例において、コンピュータ300は、信号生成装置100を図1から図5において説明した信号生成装置100として機能させるプログラムを格納する。また、コンピュータ300は、演算部30として更に機能してもよい。
【0042】
コンピュータ300は、CPU700と、ROM702と、RAM704と、通信インターフェース706と、ハードディスクドライブ710と、フレキシブルディスクドライブ712と、CD−ROMドライブ714とを備える。CPU700は、ROM702、RAM704、ハードディスクドライブ710、フレキシブルディスク720、及び/又はCD−ROM722に格納されたプログラムに基づいて動作する。
【0043】
例えば、信号生成装置100を機能させるプログラムは、コンピュータ300を、図1から図5に関連して説明した演算部30として機能させ、コンピュータ300に、信号発生器10、遅延部22、ディジタルアナログコンバータ12、アナログ部14、直交変調器16、ダウンコンバータ24、フィルタ26、及びアナログディジタルコンバータ32を図1から図5に関連して説明したように制御させて、信号生成装置100を機能させる。
【0044】
通信インターフェース706は、例えば信号発生器10、遅延部22、ディジタルアナログコンバータ12、アナログ部14、直交変調器16、ダウンコンバータ24、及びフィルタ26と通信し、それぞれの状態等に関する情報を受信し、またそれぞれを制御する制御信号を送信する。
【0045】
また、コンピュータ300は、測定装置20を図1から図5において説明した測定装置20として機能させるプログラムを格納してもよい。例えば、測定装置20を機能させるプログラムは、コンピュータ300を、図1から図5に関連して説明した演算部30として機能させ、コンピュータ300に、遅延部22、ダウンコンバータ24、フィルタ26、及びアナログディジタルコンバータ32を図1から図5に関連して説明したように制御させて、信号生成装置100を機能させる。
【0046】
格納装置の一例としてのハードディスクドライブ710、ROM702、又はRAM704は、設定情報、及びCPU700を動作させるためのプログラム等を格納する。また、当該プログラムは、フレキシブルディスク720、CD−ROM722等の記録媒体に格納されていてもよい。
【0047】
フレキシブルディスクドライブ712は、フレキシブルディスク720がプログラムを格納している場合、フレキシブルディスク720からプログラムを読み取りCPU700に提供する。CD−ROMドライブ714は、CD−ROM722がプログラムを格納している場合、CD−ROM722からプログラムを読み取りCPU700に提供する。
【0048】
また、プログラムは記録媒体から直接RAMに読み出されて実行されても、一旦ハードディスクドライブ710にインストールされた後にRAM704に読み出されて実行されてもよい。更に、上記プログラムは単一の記録媒体に格納されても複数の記録媒体に格納されても良い。また記録媒体に格納されるプログラムは、オペレーティングシステムとの共同によってそれぞれの機能を提供してもよい。例えば、プログラムは、機能の一部または全部を行うことをオペレーティングシステムに依頼し、オペレーティングシステムからの応答に基づいて機能を提供するものであってもよい。
【0049】
プログラムを格納する記録媒体としては、フレキシブルディスク、CD−ROMの他にも、DVD、PD等の光学記録媒体、MD等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、ICカードやミニチュアーカードなどの半導体メモリー等を用いることができる。又、専用通信ネットワークやインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスクまたはRAM等の格納装置を記録媒体として使用してもよい。
【0050】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば信号生成装置100のキャリブレーションを行い、信号生成装置100において生じるスキューを低減することができる。また、精度よくスキューを算出し、精度よくキャリブレーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に係る信号生成装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】 演算部30の構成の一例を示す図である。
【図3】 測定複素信号の位相特性、及び測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性の一例を示す図である。図3(a)は、測定複素信号の位相特性の一例を示し、図3(b)は、測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性の一例を示す図である。
【図4】 測定複素信号のスペクトルの一例を示す図である。
【図5】 測定装置20の構成の他の例を示す図である。
【図6】 信号生成装置100を制御するコンピュータ300の構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・信号発生器、12・・・ディジタルアナログコンバータ、14・・・アナログ部、16・・・直交変調器、20・・・測定装置、22・・・遅延部、24・・・ダウンコンバータ、26・・・フィルタ、30・・・演算部、32・・・アナログディジタルコンバータ、34・・・変換部、36・・・第2スキュー算出部、38・・・制御部、40・・・第1スキュー算出部、42・・・位相算出部、44・・・スキュー成分算出部、46・・・傾き算出部、48・・・スキュー値算出部、50・・・復調部、100・・・信号生成装置、300・・・コンピュータ、700・・・CPU、702・・・ROM、704・・・RAM、706・・・通信インターフェース、710・・・ハードディスクドライブ、712・・・フレキシブルディスクドライブ、714・・・CD−ROMドライブ、720・・・フレキシブルディスク、722・・・CD−ROM

Claims (6)

  1. 与えられる複素信号の同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定する測定装置であって、
    前記同相成分信号と前記直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、
    前記測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号と、前記複素信号のスペクトルとの差に基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、
    前記第1スキュー算出部が算出した前記測定複素信号におけるスキューから、前記スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、前記複素信号のスキューを算出する第2スキュー算出部と
    を備える測定装置。
  2. 前記測定装置には、前記複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性が予め与えられており、
    前記第1スキュー算出部は、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号の実数部と虚数部との比に基づいて、前記測定複素信号の周波数成分毎の位相特性を算出する位相算出部と、
    前記測定複素信号の周波数成分毎の位相特性から、前記複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性を差し引くことにより、前記測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出するスキュー成分算出部と、
    前記測定複素信号のスキュー成分の、負の周波数成分の傾きを算出する傾き算出部と、
    前記スキュー成分の負の周波数成分の傾きに基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出するスキュー値算出部と
    を有する請求項1に記載の測定装置。
  3. 複素信号を生成する信号生成装置であって、
    前記複素信号を発生する信号発生器と、
    前記同相成分信号と前記直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、
    前記測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号と、前記複素信号のスペクトルとの差に基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、
    前記第1スキュー算出部が算出した前記測定複素信号におけるスキューから、前記スキュー重畳部が発生した前記重畳スキューを減算し、前記複素信号におけるスキューを算出する第2スキュー算出部と、
    前記第2スキュー算出部が算出した前記複素信号におけるスキューが略零となるように、前記スキュー重畳部が発生する前記重畳スキューを調整する制御部とを備える信号生成装置。
  4. 前記信号発生器は、複数の周波数成分を有し、予め周波数成分毎の理想的な位相特性が与えられた前記複素信号を生成し、
    前記第1スキュー算出部は、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号の実数部と虚数部との比に基づいて、前記測定複素信号の周波数成分毎の位相特性を算出する位相算出部と、
    前記測定複素信号の周波数成分毎の位相特性から、前記複素信号の周波数成分毎の理想的な位相特性を差し引くことにより、前記測定複素信号におけるスキュー成分の位相特性を算出するスキュー成分算出部と、
    前記測定複素信号におけるスキュー成分の、負の周波数成分の傾きを算出する傾き算出部と、
    前記スキュー成分の負の周波数成分の傾きに基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出するスキュー値算出部と
    を有する請求項3に記載の信号生成装置。
  5. 測定装置に、複素信号の同相成分信号と直交成分信号との間のスキューを測定させるプログラムであって、
    前記測定装置を、
    前記同相成分信号と前記直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、
    前記測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号と、前記複素信号のスペクトルとの差に基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、
    前記第1スキュー算出部が算出した前記測定複素信号におけるスキューから、前記スキュー重畳部が発生した重畳スキューを減算し、前記複素信号のスキューを算出する第2スキュー算出部と
    して機能させるプログラム。
  6. 信号生成装置に、複素信号を生成させるプログラムであって、
    前記信号生成装置を、
    前記複素信号を発生する信号発生器と、
    前記同相成分信号と前記直交成分信号との間に、予め定められた重畳スキューを発生させた測定複素信号を生成するスキュー重畳部と、
    前記測定複素信号を、周波数領域のスペクトル信号に変換する変換部と、
    前記測定複素信号の前記スペクトル信号と、前記複素信号のスペクトルとの差に基づいて、前記測定複素信号におけるスキューを算出する第1スキュー算出部と、
    前記第1スキュー算出部が算出した前記測定複素信号におけるスキューから、前記スキュー重畳部が発生した前記重畳スキューを減算し、前記複素信号におけるスキューを算出する第2スキュー算出部と、
    前記第2スキュー算出部が算出した前記複素信号におけるスキューが略零となるように、前記スキュー重畳部が発生する前記重畳スキューを調整する制御部として機能させるプログラム。
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