JP4185775B2 - 調整可能性能を備えた義足 - Google Patents

Description

本発明は改良された動的応答能力を提供し、これらの能力が力印加機構に関連する高性能義足に関する。

人工的脚部補充物のための無関節人工足がマーチンらによる米国特許第５，８９７，５９４号明細書に開示されている。人工足は足関節の機能を模すために関節を備えた強固な構造を有している初期の解決策とは違って、マーチンらによる無関節人工足は足部モールディングを内部に構成された弾性足部挿入部材を使用している。この挿入部材は長手方向断面がほぼＣ形状をなし、後方に開口部を有し、その上方Ｃリムに人工的補充物負荷が持ち上げ、その下方Ｃリムを介して個の負荷をこれに連結された板ばねに伝達する。下方から見た板ばねは凸状をなし足裏域とほぼ平行に足部挿入部材に向ってつま先域に延長している。マーチンらの特許は、かがとの衝撃の緩和、弾力性、かかとからつま先歩行および横方向安定性に関して無関節人工足を改良する目的に基づいており、したがって、着用者が自然な方法で歩けるように、その意図するところは着用者が普通に歩行でき、さらに体操ができ、スポーツもできることである。しかし、この公知の人工足の動的応答特性には限界がある。改良された応用機構設計特徴を有する高性能義足には切断手術を受けた人の運動能力、たとえばランニング、ジャンプ、スプリント、スタート、ストップ、カットのような動作を含む能力を改善できる必要がある。

他の義足がヴァン・エル・フィリップによって提案されており、彼の提案によると切断手術を受けた人に対して従来技術による人工的補充物の構造的制限と対応する性能に起因するこれまで妨げられていた広範な種々の動作に係る機敏さと移動性を提供する。ランニング、ジャンプおよび他の動作は、提案によると、これらの知られている足によって確認され、伝えられているところによると、着用者の正常な足と同じようにして利用される。たとえば、米国特許第６，０７１，３１３号明細書；同第５，９９３，４８８号明細書；同第５，８９９，９４４号明細書；同第５，８００，５６９号明細書；同第５，８００，５６８号明細書；同第５，７２８，１７７号明細書；同第５，７２８，１７６号明細書；同第５，８２４，１１２号明細書；同第５，５９３，４５７号明細書；同第５，５１４，１８５号明細書；同第５，１８１，９３２号明細書および同第４，８２２，３６３号明細書を参照。

切断手術を受けたアスリートに高レベルの性能を達成させるために、義足は人の足の機能をするとともに、従来の義足の機能も発揮する改良された印加機構を有する高性能義足が必要である。切断手術を受けたアスリートの関心は改良された応用機構、高い低動的応答および実存する特別な負担となる動作の水平方向および垂直方向要素を改善するように微調整できるアラインメント調整能力を有する高性能義足を得ることである。

本発明の義足はこれらの必要性に向けられている。本明細書に開示する一例としての実施例によれば、本発明の義足は一端において前足を備えた長手方向に延長するフット・キール（foot keel）と対向端にある後足と、前足から上方向に円弧を描くとともにこれと後足部分とのあいだに延長する比較的長い中足（midfoot）とからなる。下方向に凸状に湾曲している下方端を含むカーフ・シャンク（calf shank）も設けられている。調整可能締め付け機構がカーフ・シャンクの湾曲下方端をフット・キールの上方向に湾曲した中足部に固定して義足のかかと関節部位を形成する。

調節可能な締め付け機構はカーフ・シャンクとフット・キールの関係においてフット・キールの長手方向のアラインメント（alignment）を調整して義足の機能を微調整する。フット・キールの対向する上方向に湾曲した中足部のカーフ・シャンクの下方向凸状湾曲下方端の関係においてフット・キールの長手方向のアラインメントを調整することによって、足の動的応答特性および移動結果が変更され必要とする／所望の水平方向および垂直方向の直線速度に関して特定する仕事をする。多機能義足は高い動的応答能力と低い動的応答能力を有するとともに、バイプラナ（biplanar）移動特性をも有し、切断手術を受けた人のスポーツおよび（または）レクレーション活動への参加に対する機能的結果の改善を開示する。特にスプリント機能に対する義足についても開示する。

義足はこの義足の使用中、カーフ・シャンクへの負荷を加えたり、取り除いたりすることに応答してカーフ・シャンクの上端の動作の範囲を制限する装置も含んでいる。一実施例において、この装置はカーフ・シャンクの上端と下端間に連結され、さらに少なくとも一つの圧力流体を含み動作範囲を制限するとともにカーフ・シャンクの圧縮および伸長中に蓄積または放出されたエネルギーを緩和するピストン−シリンダである。

本発明のこれらの目的および他の目的、特徴と利点は本発明の開示された実施例の次なる詳細な説明と添付図面から明らかとなろう。

図面を参照すると、図３〜５の実施例における義足１は、その一端に前足部３とその他端に後足部４とこれら前足部と後足部間に延長する上方向に湾曲する中足部５を有する長手方向に延長するフット・キール２からなるように示されている。中足部５は実施例において前足部と後足部間にその長手方向全体に延長して上方向凸状に湾曲している。

義足１の直立カーフ・シャンク６がその下方向凸状湾曲下端の部分においてキール・中足部５の近接後方面に解放可能ファスナ８と結合要素１１によって固定されている。ファスナ（fastner）８は実施例においては単一のボルト、ナット、ワッシャであるが、ファスナが締め付けられたときにフット・キール上にカーフ・シャンクを強固に位置付け、保持するための着脱可能クランプまたは他のファスナとすることもできる。

長手方向に延長する開口部９が図８に示されるように、フット・キール・中足部５の近接後方面に形成されている。長手方向延長開口部１０もたとえば図１５に示すようにカーフ・シャンク６の湾曲下端７に形成されている。着脱可能なファスナ８が開口部９および１０を通って延長し、このファスナ８が緩められ、あるいは解放されて義足が特定する仕事をすべく機能を微調整したときに、カーフ・シャンクとフット・キールの図５に示す長手方向、Ａ−Ａにおいて互いに一致させる調整を許容する。したがって、ファスナ８、結合要素１１および長手方向延長開口部９、１０はカーフ・シャンクをフット・キールに固定するために調整可能締付機構を構成して義足の足関節部位を形成する。

カーフ・シャンク６とフット・キール２の一致の調整効果は、図１および２を考慮すると分るが、二つの半径Ｒ１とＲ２は順番に、フット・キール・中足部５とカーフ・シャンク６の近接対面するドーム状ないし凸状湾曲面を表わしている。二つのこのような半径を順番に考慮したときに、移動能力が二つの半径間に描いた図１のＡ、図２のＡ１の切線に対して直交して存在する。これらの二つの半径の相関関係が移動結果の方向を決定する。結果的に、義足１の動的応答力の加わり方がこの関係に左右される。凹状部の半径が大きくなればなるほど、より動的応答能力が高くなる。しかし、半径が小さくなればなるほど、その応答が迅速になる。

本発明の義足中のカーフ・シャンクとフット・キールの一致能力が、半径の変化を許容し、これによって運動活動中の義足の水平方向または垂直方向速度が作用される。たとえば、義足１の水平方向の直線速度能力を改善するために、アラインメントの変更はカーフ・シャンクの半径とフット・キールの半径の関係に作用するようにできる。すなわち、水平方向の直線速度特性を改善するために、フット・キールの底半径Ｒ₂を図１と比較して図２に示すその開始位置よりももっと離して形成する。これがより水平方向への義足１の動的応答特性と移動結果を変化させ、この結果より大きい水平方向直線速度が同じ印加力で達成できる。

実際に、切断手術を受けた人は、そのニーズに合った活動のための設定を実践により見つけることができるが、そのニーズは垂直方向および水平方向の直線速度に関係している。たとえば、跳躍選手およびバスケットボール選手は短距離走者よりもより垂直方向のリフトを必要とする。結合要素１１は固定フット・キール２とカーフ・シャンク６間に挟持されたプラスチックまたは金属合金のアラインメント結合部材（図３、４および２３参照）である。解放可能なファスナ８は結合部材中のホール１２を通って延長している。この結合部材はカーフ・シャンクの固定部とキール・中足部５の近接する後方面に沿って延長している。

カーフ・シャンク６の湾曲下方端７がパラボラ形状になっており、下方端に配備され上方向に延長するパラボラの湾曲部で最も小さい半径をなし、最初に前方がパラボラの形状をなしている。後方に対面する凹部が図３に示したようにカーフ・シャンクの湾曲度によって形成されている。パラボラ形状は、比較的大きい半径の近接ターミナル端に関して改善され、一方で迅速な応答特性に対してその下方端で湾曲部の小さい半径を有する水平方向の直線速度を生成する増大した動的応答特性を有する利点がある。パラボラ形状の上方端における湾曲部の大きい半径が切線Ａを可能にし、図１と２を参照して説明するように、アラインメント中の変化を伴ってより垂直方向に維持されるのを可能にし、改善された水平方向の直線速度を生成する。

パラボラ形状のカーフ・シャンクがそれが圧縮または丸くなることによって人の足並みにおける初期接触大地反力（ground reaction force）に応答する。これがパラボラ曲線の半径を小さくし、この結果、圧縮に対する抵抗を減じる。これとは逆に、パラボラ状のカーフ・シャンクは拡張によって人の足並み中の大地反力（ＧＲＦ）のヒールオフに応答し、これがパラボラ曲線の半径を大きくするとともに、結果として抵抗が前述した圧縮抵抗よりもずっと大きくなる。これらの抵抗は人の足並み中の人の前方および後方腓筋肉機能に関連している。人の足並みのフットフラットに対する初期接触において、小さい前方腓筋肉グループが義足を大地に下げるように偏心的に引き締めることによってＧＲＦに応答し、背屈モーメントが生成される。フットフラットからつま先にかけて、より大きい後方腓筋肉グループが偏心的な引き締めによるＧＲＦに応答し、より大きい足の裏の屈曲モーメントが生成される。このモーメントの大きさが異なる腓前方および後方筋肉グループに関係する。結果として、人の足並み中の背屈モーメントおよび足裏屈曲モーメントに対する人工的補充カーフ・シャンク抵抗が最小になり、また平常の足並みが達成される。パラボラ状曲線の可変抵抗能力が人の足並みとランニングおよびジャンプ活動中の人の腓の筋肉組織機能を最小にし、結果として人工的補充物効率が達成される。

人間は１時間当たり約３マイル歩く。４分で走る１マイル走者は１時間と１０秒で１２マイルを走る。１００メートルの短距離走者は１時間当たり２１マイル走る。これは１〜４対７の比である。各タスクの水平方向成分は活動の速度が増大するにつれて大きくなる。結果的に、人工カーフ・シャンク半径のサイズは予め決定することができる。歩行者は１マイル走者および短距離走者よりも小さい半径のパラボラ状に湾曲したカーフ・シャンクを必要とする。短距離走者は７倍の大きさのパラボラ状湾曲カーフ・シャンクを必要とする。この関係は歩行者、走者および短距離走者のためのパラボラ半径をどのように決定するかを示している。これは短距離走者が運動条件の増大した範囲を有し、またそのカーフ・シャンクがより強くなりその活動に関する増大した負荷を許容する必要があるために重要である。より広いまたは大きいパラボラ状カーフ・シャンクは比較的平坦な曲線となり、これは運動の増大した範囲でより大きい構造強度と一致する。

パイロン・アダプタ１３がファスナ１４によってカーフ・シャンク６の上方端に連結されている。このアダプタ１３は次にファスナ１６によってパイロン１５の下方端に固定されている。パイロン１５は脚スタンプに固定された支持構造（図示省略）によって切断手術を受けた人の下方リムに固定されている。

フット・キール２の前足、中足および後足が実施例中の弾性材料で形成されている。たとえば、大地の反応力によって偏向されたときに、形状保持特性を有し、本質的に可塑性の材料の単一ピースのソリッド片を使用することができる。より詳しく説明すると、フット・キールおよびカーフ・シャンクがポリマー・マトリックス材料で積層された強化ファイバーを有する材料を有する積層複合材料で形成できる。特に、エポキシ熱硬化性樹脂で積層された高強度黒鉛またはデルラン(Delran)(商品名）の下で利用される押し出し成形プラスチックまたはガス抜きされたポリウレタン・コポリマーがフット・キールおよびカーフ・シャンクを形成するのに使用できる。これらの材料に関する機能的品質が低重量と最小クリープで高強度を提供する。熱硬化性エポキシ樹脂が人工的補充物工業の基準を利用して真空下で積層される。ポリウレタン・コポリマーがネガティブ（negative）モールド中に注入され、押し出し成形プラスチックが機械仕上される。使用される各材料はその利点と欠点を有している。理解できることはフット・キールとカーフ・シャンクのための積層複合材料は有利には、優れた機械的拡張品質に対して強化ファイバと熱可塑性ポリマーマトリックス材料を用いて工業基準で製造された熱形成された（プリプレグ）積層複合材料である。この種の適切な市場で入手可能な複合材料はメリーランド州、ハーバー・ド・グレースのサイテック・フィベライト・インコーポレイテッドによって製造されたＣＹＬＯＮ（登録商標）である。

剛性、可撓性および強度に関する弾性材料の物理的特性は全て材料の厚みによって決定される。薄い材料は同じ密度のより厚い材料よりも容易に偏向する。利用される材料、物理的特性は義足のキールおよびカーフ・シャンクの剛性と可撓特性に関連している。フット・キールとカーフ・シャンクの厚みは図３〜５の実施例において均一ないし対称的であるが、これらの要素の長さに沿った厚みは次に説明するように変化してもよい。たとえば、後足および前足部位を薄くするとともに中足領域の偏向にさらに応答するようにする。

義足１に高い低動的応答能力をもたせることを助けるために、中足部位５が長手方向円弧によって形成されるが、その長手方向円弧の中間面が長手方向円弧の側面（lateral aspect）よりも比較的高い動的応答能力を有している。この目的のために、長手方向円弧状凹部の中間面（medial aspect）がその側面よりも半径において大きい。

中足部位５の長手方向の円弧状凹所の中間と横方向半径寸法間の相互関係はさらにフット・キール２の前方、後方の足の裏面の、重量支持面領域として規定される。図８の前方部の線Ｔ₁−Ｔ₂は前方足の裏面の重量支持領域（weight bearing area）を表わしている。線Ｐ₁−Ｐ₂は中足部位５の後方足の裏重量ベアリング面を表わしている。義足の側方上の足の裏面の重量ベアリング面はＴ₁−Ｐ₂間の距離によって表わされる。Ｔ₁−Ｐ₁とＰ₂−Ｔ₂によって表わされた距離は半径サイズを決定し、その結果高い低動的応答相互関係が決定されるとともに、これらの二つの線Ｔ₁−Ｔ₂からＰ₁−Ｐ₂の収斂と発散によって影響を受ける。結果的に、高い低動的応答は構造設計で決定することができる。

後足部４の後方端１７は衝撃吸収のための圧縮によるヒール・ストライク(heal strike）中に大地反力に反応する上方向に湾曲する円弧状に形成される。後足部４によって形成されたヒールは後方横側方コーナー１８で形成される。このコーナーは中間コーナー１９よりももっと後方、かつ、側方にあって足並みの接触相中、後足の反転を促進する。前足部３の前方端２０は上方向湾曲円弧に形成され、足並みのレート・スタンス(late stance）相のヒール・ライズ・トウ・オフ（heal rise toe off）位置に背屈される人のつま先をシミュレートしている。ゴムまたは気泡パッド５３および５４がクッションとして下方の前足と後足に設けられている。

義足の改良されたバイプラナ運動能力がその背面と足裏面間の前足部３を通って延長する中間および側方拡張ジョイント・ホール２１および２２によって生成される。拡張ジョイント２３および２４がホールの各々から前足部の前方縁に前方向に延長して中間、中央および側方拡張ストラット２５〜２７を形成しており、これらがフット・キールの前足部の改良されたバイプラナ運動能力を生成している。拡張ジョイント・ホール２１および２２がフット・キールの長軸Ａ−Ａに対して３５°の角度αで延長している横断面において、図５の線Ｂ−Ｂに沿って配備され、横断平面が側方拡張ジョイント・ホール２２よりもより前方に中間拡張ジョイント・ホール２１がある。

図５の長軸Ａ−Ａに対する角度αは１５°位まで小さくでき、なおも高い低動的応答を得ることができる。この角度αが変化するにつれて、図８の線Ｔ₁〜Ｔ₂の角度Ｚも変化する。矢状（ないしは球欠、saggital）平面上に突出した拡張ジョイント・ホール２１および２２は、ホールの背面が足裏面よりもより前方になるようにして横断平面に対して４５°の角度で傾斜している。この構成により、解放可能ファスナ８から横方向拡張ジョイント・ホール２２の距離が、解放可能ファスナから中間拡張ジョイント・ホール２１の距離より短くなり、義足１の側方部が中間よりも短いつま先レバーを有することになり、中足の高いおよび低い動的応答が可能になる。付加的に、解放可能ファスナ８〜Ｔ₁によって表わされた側方足裏重量加重面までの距離は、解放可能ファスナから線Ｔ₂によって表わされた中間足裏面加重面までの距離よりも短く、これによって義足１の側方部は中間よりも短いつま先レバーを有することになり中足を高い低動的応答を可能にする。

フット・キール２の後足部４の前方はさらにその背面と足裏面間の後足部４を通って延長する拡張ジョイント・ホール２８を含んでいる。拡張ジョイント２９がホール２８から後方に後足部の後方縁に延長して拡張ストラット３０および３１を形成している。これらは義足の後足部の改良されたバイプラナ運動能力を生成する。

中足部５の背面アスペクトとフット・キール２の前足部３が図３の上方向対面凹所３２を形成しており、これによって人の足の運動の第５レイ軸を機能的に小さくしている。すなわち、凹所３２が長軸Ｃ−Ｃを有し、これがフット・キールの長軸Ａ−Ａに対して１５°〜３５°の角度βが付けられ、中間が側方よりもより前方になり、人の足の第２〜第５中足骨の回転の楕円低ギア軸として足並みの第５レイ運動を促進する。

バイプラナ運動能力の重要性は、切断手術をした人が平坦でない地面を歩行したとき、またはアスリートが足の中間または側方を切ったときに、理解できる。大地反力ベクトルの方向が矢状方向から前方平面要素まで変化する。大地が足の側方へのプッシングに対して対向方向に中間に押圧することになる。このようになる結果として、カーフ・シャンクが中間部で傾斜し、重量がフット・キールの中間構造に加わる。これらの圧力に応答して、フット・キール２の中間拡張ジョイント・ストラット２５と３１が背屈（上方向に偏向）し反転し、また側方拡張ジョイント・ストラット２７と３０が足裏屈曲（下方向に偏向）し外にめくれる。この運動がフット・フラットの足裏面を大地上に付けようとする（足裏グレード）。

本発明の特に短距離走者用の別のフット・キール３３が本発明の義足に使用される（図６と７を参照）。短距離走者の身体の重心はほとんどもっぱら矢状方向となる。義足は低動的応答特性をとる必要がない。結果的に、フット・キール２の前足、中足凹所となる前足の長軸の１５°〜３５°の外部回転方向が不要である。むしろ、凹所の長軸Ｄ−Ｄ方向が図６と７に示したように前方平面と平行になる。これが短距離走者の足を矢状方向のみに応答させるようにする。さらに、線Ｅ−Ｅに沿って、前足と中足部の拡張ジョイント・ホール３４と３５の方向が前方平面と平行になる。すなわち、側方ホール３５が前方に移動し、中間ホール３４と一列になり、また前方平面と平行になる。フット・キール３３の前方ターミナル端３６も前方平面と平行になる。フット・キールの後方ターミナル・ヒール域３７も前方平面と平行になる。これらの修正が消極的な方法として義足の多様な使用能力に影響を与える。しかし、その性能特性が特定の仕事となる。短距離走者のフット・キール３３の別のバリエーションが義足の前足部のつま先にあって、フット・キール２の背屈の１５°がフット・キール３３の背屈の２５〜４０°に増大する。

図９と１０は足のシームズ（Symes）切断手術を受けた人によって短距離走をするために特に有利な義足のための本発明の付加的なフット・キール３８を示す。この目的のために、フット・キール３８の中足部が後方上方向に対面する凹所３９を含んでおり、ここにカーフ・シャンクの湾曲下方端が解放可能ファスナによってフット・キールに固定されている。このフット・キールは下方足部を全て切断した人に利用できる。フット・キール３８はシームズのレベルの切断手術を受けた人に関連したより長い残留リムに適用される。その性能特性は動的応答能力において顕著に迅速である。その使用はこのレベルの切断手術者に特定されない。すべてのトランスティバイアル（transtibial）およびトランスフェモラル（transfemoral）切断手術を受けた人が利用できる。図１１と１２の実施例中のフット・キール４０はシームズ手術を受けた人のための凹所４１も有しており、フット・キールが高い低動的応答特性を伴いさらに図３〜５および８の実施例の義足のようなバイプラナ運動能力をも備えた義足を提供する。

義足１のいくつかのフット・キールの機能特性が形状および設計特性に関連しており、これらは凹部、凸部、半径サイズ、拡張、圧縮、および材料の物理的特性に関係しており、これらの特性は全て歩行、走行および跳躍動作における大地力に対する反応に関連する。

図１３のフット・キール４２は図３〜５および８の実施例のものと同様であるが、フット・キールの厚みは中足部から後足の後方にテーパが付けられていることのみ異なる。図１４のフット・キール４３はその前方および後方端で段階的にその厚みが薄くなり、すなわちテーパが付けられている。義足１に使用できる厚みにおける同様のバリエーションを図１５のカーフ・シャンク４４および図１６のカーフ・シャンク４５に示す。フット・キールおよびカーフ・シャンクの各設計は異なる機能結果を生成し、これらの機能結果は多様な運動関連タスク中の性能を改善に対して特有の水平および垂直直線速度に関連する。フット・キールとカーフ・シャンク間の設定におけるカーフ・シャンクの多数の形態および調整が、切断手術を受けた人および（または）人工補充物を利用する人に対して義足を微調整して広範囲のスポーツおよびレクレーション活動の選択された一つにおける最大の性能を許容する義足のカーフ・シャンク関係を生成する。

義足１の他のカーフ・シャンクを図１７〜２２に示し、Ｃ形状のカーフ・シャンク４６と４７、Ｓ形状のカーフ・シャンク４８〜４９およびＪ形状のカーフ・シャンク５０と５１を示す。カーフ・シャンクの上方端はこの近接ターミナル端に固定されたピラミッド状アタッチメント・プレートを備えたストレートな垂直端をも有している。雄型ピラミッドがカーフ・シャンクのこの垂直端にボルト締めされ、これを通過している。近接雄型ピラミッドおよび末端フット・キールを許容するプラスチックまたはアルミニウムの充填物がカーフ・シャンクの近接端および末端にある細長い開口部に設けられる。本発明の義足はモジュラシステムであって、使用に際して可撓性と多様性の点で標準化された単位ないし寸法で構成されるのが好ましい。

全てのトラック関連走行活動は半時計方向で実施される。本発明の別の任意の特徴はこのような曲線経路に沿って進行される足に作用する力を考慮している。求心的加速が回転中心に向って作用し、ここで物体が曲線経路に沿って移動する。ニュートンの第３法則がエネルギー作用に適用される。これは等価な対抗作用である。したがって、いずれの「求心」力に対しても、「中心逃避（center fleeing）」力がある。求心力が回転中心と遠心力に向って作用し、反力が回転中心から外れて作用する。アスリートがトラックのカーブのまわりを走行すれば、求心力がカーブの中心に向って走者を引き寄せ、一方で遠心力がカーブの中心から外れるように引き寄せる。走者を外方向に傾けようとする遠心力を中和させるために、走者は内側に傾ける。トラック上で走者の回転方向が常に半時計方向であれば、左側がトラックの内側になる。その結果、本発明の特徴によれば、右および左の義足のカーフ・シャンクの左側が右側よりも薄く作ることができ、切断手術をした人のカーブ性能が改善される。

いくつかの実施例におけるフット・キール２、３３、３８、４２および４３は図３、４および５のスケールで示したシュー１の比率では各々２９ｃｍの長さであり、異なるカーフ・シャンクおよびフット・キールのいくつかの図を示す。しかし、当該技術において習熟した人にとって容易に理解できるように、義足の特定寸法は足に合わされるべき切断手術を受けた人のサイズ、体重および他の特徴に依存して変わる。

歩行および走行スタンス相の足並みサイクルにおける義足１の動作を次に考察する。慣性の法則、加速度の法則および作用−反作用の法則に関するニュートンの運動第３法則がフット２の運動学の基本である。ニュートンの第３法則、すなわち作用−反作用の法則から、足が大地上で押圧する方向と等しい方向と対向方向に大地が足を押圧することが知られている。これは大地反力として知られている。多数の特定する研究が人の足並み、走行および跳躍運動につきなされてきた。力プレートの研究がニュートンの第３法則が足並み中に発生することを示している。これらの研究から、大地が足を押圧することが理解できる。

歩行／走行活動のスタンス相が減速および加速相にさらに分解することができる。義足が大地に接触したときに、足が大地を前方向に押圧し、大地がこれに等しく対向方向に押圧する。この力が義足を動作を与える。歩行および走行活動のスタンス相分析が図５および８の後部側方コーナー１８の接触点で開始されるが、足の中間側部よりもより後方、かつ、横方向にオフセットされている。初期接触におけるこのオフセットが足をして外にめくらせ、カーフ・シャンクをして足裏を曲げさせる。カーフ・シャンクは常に体重をシャンクに移動させる位置を捜しており、例えば大地力と対抗する位置にその長い垂直部材を有する傾向にある。これが足を後方に押圧する大地反力に対抗して後部足裏を曲げるように移動する理由である。

大地力がカーフ・シャンク４４、４５、４６、４７、５０および５１をして後方に移動する近接端で圧縮せしめる。カーフ・シャンク４８、４９により、カーフ・シャンクの末端１／２が末端凹所方向に依存して圧縮される。末端凹所がＧＲＦに応答して圧縮されれば、末端凹所が拡張し、カーフ・シャンク装置全体が後方に移動する。大地力がカーフ・シャンクをして末端の後方移動を圧縮せしめる。カーフ・シャンクの下方のきつい半径が、シュミレートする人の足関節足裏の曲がりを圧縮し、前足がこの圧縮によって大地に降ろされる。これと同時に後足４によって表わされたキールの後方アスペクト１７が圧縮によって上方向に圧縮される。これらの圧縮力の両者がショックアブソーバとして作用する。このショックアブソーバがさらにオフセット後方側部ヒール１８によって高められ、足をして外にめくられ、一度カーフ・シャンクが足裏屈曲運動を停止し、大地が足に対して後方に押圧するとさらにショックアブソーバとして作用する。

こうしてフット・キールとカーフ・シャンクの圧縮部材がアンロードを開始する。すなわち、部材がその本来の形状を捜し、貯蔵されたエネルギーが放出され、これがカーフ・シャンクの近接端をして加速された方法で前方に移動せしめる。カーフ・シャンクがその垂直開始位置に接近するにつれて、大地力が足に抗して後方押圧から上方向垂直への押圧まで変化する。義足が後方および前方足裏面の体重受け域を有しており、これらの域が体重のかからない長い円弧形状の中央部によって結合されているので、人工的補充物からの垂直方向力が長い円弧形状の中央部をして拡張によって負荷せしめられる。後方および前方重量受け面が分散する。これらの垂直方向力が足の長い円弧形状中央部に蓄積され、大地力が本来の垂直位置から前方に移動する。カーフ・シャンクが拡張し足首のオーマン屈曲をシミュレートするように拡張する。これが義足をして前方足裏の体重受け面を回転せしめる。体重のアンローディングが発生するにつれて、ミッドフット部５の長い円弧が拡張態勢から変化し、本来の形状を捜してシミュレートされた足裏の屈筋グループ・バーストを生成する。これが蓄積された垂直方向圧縮力エネルギーを改良された拡張能力に解放する。

フット・キールの長い円弧とカーフ・シャンクがそれぞれの構造の拡張を抵抗している。この結果、カーフ・シャンクの前方部の前進が停止され、足が前方足裏面の体重受け域のピボットオフを開始する。フット・キールの中足部の拡張が、図３〜５および８、図１１および１２、図１３および１４の実施例におけるフット・キール中の高い応答能力と低い応答能力として備えている。これらのフット・キールの中足前足の過渡領域が足の長い円弧から外方向に１５°〜３５°ずれており、中間の長い円弧が側方の長い円弧よりも長くなっている。これは通常の足において、加速中または減速中、足の中間アスペクトが使用されるために重要である。

義足の長い中間円弧が側方よりも大きい動的応答特性を有している。側方の短いつま先レバーが、より遅い速度で歩行または走行しているときに、利用される。人体の重心が正弦曲線中の空間を通して移動する。これは中間、側方、近端および末端を移動する。低速度で歩行または走行しているときに、人体の重心は早く歩行するときまたは走行するときよりもより中間、かつ、側方に移動する。付加的に、運動量または慣性は小さく、またより高い動的応答能力に打ち勝つ能力が小さい。本発明の義足は適用された機構の原理を適合するように適用される。

さらに、ミッドスタンス（midstance）における人の足並みサイクルにおいて、人の重心はそうなるはずであるよりもずっと外れている。つま先を通るミッドスタンスから人体の重心（ＢＣＧ）が側方から中間部に移動する。結果的に、人体の重心はフット・キール２の側方を超えて進行する。第１（ロウギア(low gear)）およびＢＣＧが前方に進行するにつれて、フット・キール２上を中間に移動する（ハイギア(high gear)）。結果的に、義足のキール２は自動変速効果を有している。すなわち、切断手術を受けた人が実行する全ての工程でロウギアから始動してハイギアに移動する。

大地力が義足の前方を押圧すると、これが大地上で後方が押圧され、ヒールが持ち上げられ始めるにつれて中足の長い円弧の前方部がその足裏面に対して直交してその後方に向けられた力を加えるように構成されている。これはこれらの力を加えるもっとも有効的、かつ、効果的な方法である。同様のことが義足の後方後足部のまわりに対しても言えることである。初期接触における後方の大地力が、その印加力の方向に対して直交するフット・キールの足裏面と対向しているような形状に作られる。

ヒールが持ち上げられ、トウオフ歩行および走行活動の遅い段階において、前足部のレイ領域が１５°〜３５°に背屈される。この上方向延長円弧が前方に向けられた大地力をして足のこの領域を圧縮せしめる。この圧縮は拡張よりも抵抗性が少なく、滑らかな変移が足並みのスイング（swing）相と義足による走行に対して生じる。足並みのスタンス相の終わりの工程において、拡張カーフ・シャンクと拡張中足の長い円弧がその蓄積されたエネルギーを、切断手術を受けた人の身体の重心の推進力に付加するように解放する。

人の足並みにおける主たる推進機構の一つは、活動推進相と呼ばれる。ヒールが持ち上げられるにつれて、体重がここでは支持リムの前方にあって、重心が下がる。体重が図５の線Ｃ−Ｃに示す前足ロッカーに降下すると、下方向加速が生じ、人体によって受ける最高の垂直力となる。ヒールの持ち上がりに関連した足首の前方で脚の加速が大地に抗して後方シェアとなる。圧力の中心が前方を回転の中足骨ヘッド軸に移動させると、効果は限りなく増大する背屈トルクとなる。これが完全な前方降下状況を生成し、これが歩行で使用される主たる進行力を発生する。活動的な推進中の足首の機能の兆候はヒールの持ち上げと、最小のジョイント運動とニュートラル（neutral）に近い足首の位置である。安定した中足はヒール・リフト（heal lift）中の平常シーケンスのために必須条件である。

後足の後方アスペクトとフット・キールの前方領域が、既に説明したようにいくつかの実施例中の拡張ジョイント・ホールと拡張ジョイント・ストラットと組み合わされる。拡張ジョイント・ホールの方向付けがえび継ぎヒンジとして作用し、またバイプラナ運動能力が、平坦でない地面上を走行したときに、足の足裏面の全接触特性を改善するために改善された。

図９〜１２のシームズのフット・ヒールが動的応答能力において明らかに異なる。すなわち、これらの能力は歩行、走行および跳躍動作に関連している。これらのフット・キールは四つの明白な特徴において異なる。これには平坦面よりも優れたシームズ末端残留リム形状を収容するための中足部の近端、後方中の凹所の存在が含まれる。この凹所はフット・キールの高さを低くさせ、シームズ・レベルの切断手術を受けた人と関連する長い残留リムを収容する。アラインメント凹所は、アーチ状フット・キールの中央部の対応する前方および後方半径がより活動的で寸法の小さいことが必要である。この結果、中足の長いアーチの半径と後足の半径全てが厳しく、かつ小さい。これは明らかに動的応答特性に影響を与える。より小さい半径が動的応答性の少ない可能性を生成する。しかし、義足は前述した歩行、走行および跳躍大地力全てに対して迅速に応答する。結果は少ない動的応答で迅速な足となる。

改良されたタスクの特定アスレチック性能が本発明の義足を使用してアラインメントの変更で達成することができる。これらのアラインメント変更が、各タスクの垂直および水平要素に影響を与える。人の足は多機能ユニットである。すなわち、歩行、走行および跳躍である。他方で、人の脛骨、腓骨のカーフ・シャンク構造は多機能ユニットではない。これは簡単なレバーで、その長い近端ー末端方向と平行であるその力が歩行、走行および跳躍活動に適用される。これは非圧縮構造であり、かつ、エネルギーを貯蔵する潜在能力がない。他方において、本発明の義足は動的応答能力を有しており、これらの動的応答能力がアスレチックの歩行、走行および跳躍活動およびより性能の優れた人の脛骨と腓骨の水平および垂直直線速度要素に関連している。この結果、可能性が切断手術を受けた人の運動性能を改善するために存在する。この目的のために、本発明によればファスナ８が緩められ、カーフ・シャンクおよびフット・キールの互いのアラインメントがフット・キールの長手方向に調整される。このような変更を図１および２に関して示した。カーフ・シャンクはファスナ８による調整位置にフット・キールに固定される。この調整中、ファスナ８のボルトがそれぞれフット・キールとカーフ・シャンクの対向する比較的長い長手方向に延長する開口部９および１０の一つまたは両方に関して摺動する。

例えば、中足・ストライク走者のフット・フラットで大地と初期接触する走者の性能特性を改善するアラインメントの変更は、フット・キールがカーフ・シャンクに関して前方に摺動され、足の裏がカーフ・シャンク上で屈曲される。この新しい関係が走行の水平方向成分を改善する。すなわち、足に対して屈曲カーフ・シャンク足の裏が足に対して屈曲し、足が最初のヒール接触に対向するフット・フラット位置で大地と接触し、大地が直ちに前方で大地を押圧する足の後方で押圧する。これがカーフ・シャンクをして迅速に前方に（拡張によって）、かつ、下方向に移動せしめる。動的応答力が拡張によって生成され、初期動作のカーフ・シャンク方向に抵抗を加える。結果として、足が中足骨の足裏面の体重支持域を回動する。これがキールの中足領域をして拡張せしめ、圧縮を超えて抵抗する。カーフ・シャンクの拡張と中足の拡張の正味の効果は、カーフ・シャンクのさらなる前方進行が抵抗を受け、使用者の身体のひざエキステンダ（extender）とヒップ・エキステンダ（hip extender）を許容して身体の重心をもっと異なる方法で前方、かつ、近くに移動させる（すなわち、改善された水平速度で）。この場合において、カーフ・シャンクの前方前進が、カーフ・シャンクによって少なく抵抗を受けるヒール・トウ走者の場合よりももっと前方で、フット・フラット（foot flat）走者よりももっと背屈を受けて（垂直に）スタートする。

機能的にスプリント・フット（sprint foot）を分析するために、カーフ・シャンクのアラインメントの変更とフット・キールが実行される。前方平面に対して平行なその長軸方向にその凹所が全て有するフット・キールに利点がある。カーフ・シャンクは足裏が屈曲し、フット・キール上に後方が摺動する。これが例えば図３〜５および８に示したような多様なフット・キールを備えたフラット・フット走者よりも末端サークルを降下させる。この結果、より大きい水平ポテンシャルが存在し、また動的応答がこの改善された水平能力に向けられる。

短距離走者は増大した運動、力および運動量（慣性）範囲を有する。この運動量は原動力である。そのスタンス相減速相がその加速相よりも短いので、増大した水平直線速度が達成される。これは初期接触において、つま先が大地に接触したときに、大地が足上の後方を押圧し、足が大地を前方で押圧することを意味している。カーフ・シャンクが初期接触のフット・フラット走者よりも増大した力を有し、運動量が大きい屈曲と下方向運動に力を加える。これらの力の結果として、足の長い円弧状凹所が拡張によって負荷され、カーフ・シャンクが拡張によって負荷される。これらの拡張力は走行に関連する全ての他のこれまでに説明した力よりもより大きい範囲に対して抵抗を与える。この結果、フットの動的応答能力が印加された力に比例する。人の脛骨、腓骨カーフ・シャンク応答はエネルギー力ポテンシャルにのみ関連している。すなわち、ストレート構造であり、またエネルギーを貯蔵することができない。スプリントにおける本発明の後方足のこれらの拡張力は、歩行および走行に関する全ての他のこれまでに説明した力よりも量において大きい。この結果、フットの動的応答能力は印加力に比例し、人体機能と比較して切断手術を受けた人の運動性能を増大することは可能である。

図２５に示した義足５３は図３のものと類似であるが、カーフ・シャンクとフット・キール間の調整可能締付機構およびパイロンの下方端に連結するためのカーフ・シャンクの上端の構造が異なる。この実施例において、フット・キール５４がプラスチックまたは金属合金の結合要素５６によってカーフ・シャンク５５に調節可能に連結されている。この結合要素がそれぞれ取り外し可能なファスナ５７と５８によってフット・キールとカーフ・シャンクに固定されている。ファスナは結合要素内にフット・キールの長手方向に沿った方向に互いに隔置されている。結合要素をカーフ・シャンクに結合するファスナ５８は、フット・キールと結合要素を結合するファスナ５７よりもより後方にある。このようにしてカーフ・シャンクの作動長さを増すことによってカーフ・シャンク自体の動的応答能力を増大させる。アラインメントの変更は、他の実施例のようにカーフ・シャンクとフット・キール中の長手方向に延長する開口部と共同して行なわれる。

カーフ・シャンク５５の上端は、パイロン１５を受けるための長尺開口部５９で形成されている。一度パイロンが開口部に受け入れられると、パイロンはボルト６０と６１で締め付け、カーフ・シャンクの自由側縁６２と６３を開口部に沿って互いに引っ張ることによってカーフ・シャンクに強固に締め付けられる。このパイロン結合はボルトを緩めることによって容易に調整でき、パイロンをカーフ・シャンクに対して伸縮自在にして所望の位置にしパイロンを調整位置にボルトを締め付けることによって再締め付けすることができる。

図２８〜３２に示す義足７０は図３〜５、８、２３および２４、さらに図２５〜７のものと類似であるが、さらにフット上にカーフ・シャンクの運動範囲制限装置および緩衝装置７１を含み、切断手術を受けた人による義足の使用中カーフ・シャンクの力の負荷および除去を伴う上端の運動範囲を制限することのみ異なる。この特徴は特に比較的長いカーフ・シャンクを有する義足に有利である。この着用者はその着用者の体重の何倍ものカーフ・シャンクに力を発生する走行および跳躍のような活動をする。例えば、走行には体重の５〜７倍、また跳躍には体重の１１〜１３倍である。これに比べて、歩行中に発生する力は体重の１〜１．５のみである。

実施例の装置７１は二方向作動ピストン・シリンダ・ユニットであり、空気または液体のような圧力流体、ガスがそれぞれの部材７３と７４を介して注入される。装置は二つの可変制御装置を有している。そのうちの一つは圧縮装置、他の一つは拡張装置であり、カーフ・シャンクの圧縮および拡張両方で力の付加と除去におけるカーフ・シャンクの上端の動作の許容可能範囲の調整を許容する。装置７１はまたカーフ・シャンクの圧縮および拡張中、貯蔵または解放されるエネルギーを緩衝する。ピストン−シリンダ装置７１の対向端はカーフ・シャンクの上端に、義足の下方部に連結されている。実施例において、ピボット連結部７５と７６におけるカーフ・シャンクの各端はボール・ジョイントであるのが好ましい。

カーフ・シャンクの圧縮および拡張にある義足７０のカーフ・シャンク７２の上端の動作を図３２に示す。カーフ・シャンクのほぼパラボラ形状は、カーフ・シャンクの上端がフット・キール７７と、カーフ・シャンクの下端が例えば図５および３２の方向Ａ−Ａに沿ってこれに連結され、カーフ・シャンクの圧縮および拡張が力の付加および除去になっている。従って、義足の改善された動的応答能力が図２８〜３２の実施例に維持される。

装置７１は説明したピストン−シリンダ・ユニットに限定されず、他の速度制御および（または）運動制限装置とすることもできる。例えば、義足のカーフ・シャンク上に使用された運動の後方範囲を制限する緩衝装置７１はマイクロプロセッサ制御水圧ユニットとすることができ、圧縮および拡張相の制御をし、これらはここでは人工ひざ関節中の運動を制御するのに使用される。この場合において、装填センサが個々の運動を読取り、これに適用するように設けられている。特定するソフトおよびＰＣを使用することによって、微調整がマイクロプロセッサ制御水圧ユニットを切断手術を受けた人に合わせるように行なわれる。モーメントが１秒当り５０回以上測定され、動的足並みができる限り通常の歩行と類似することを保証する。水圧ユニットの応答性のために、低いリムのある切断手術を受けた人の広範なスペクトルに適している。ユニット内に装填されたリチウム−イオン電池が十分なエネルギーを提供し水圧ユニットを終日作動する。圧縮に対する抵抗は拡張調整とは独立して調整される。多重複合センサーが足並み分析データを搭載マイクロプロセッサに流し、１秒当り５０回の単位のスタンスとスイング相特性を自動的に調節する。

装置７１のこのマイクロプロセッサ制御水圧ユニットは機械的水圧ユニットよりも感度がよい。電気的に制御された圧縮（足裏の屈曲）弁が１秒当り５０回調節する。ユニット内の圧縮弁はプリスイング中、自動的に完全に開される。この結果、ユニットは限定エリアで、かつ、同様の条件下で屈曲の圧縮を極めて容易に行なう。ユニットのサーボモータの速度が圧縮（足の裏屈曲）および拡張オーマン屈曲弁を１秒当り５０回送られたマイクロプロセッサの命令に応答して非常に迅速に閉じることができる。弁がほぼ閉じられたときに、ユニットがほぼ閉じられ、ユニットの緩衝力が非常に高くなり、速い歩行と走行さえも可能にする。ユニークな人工的補充物調整可能動的要素が水圧ユニットを低速度から積極的な速い足並み速度と運動までの足並みパターン全てに対して最適にする。これがマイクロプロセッサ制御水圧ユニットを個々のユニークな足並みパターンに微調整し、高い足並み効率と快適さを伴う義足に得られる歩調の広範な範囲とすることができる。すなわち、装置７１としてマイクロプロセッサ水圧ユニットの使用は、義足が活動的な切断手術を受けた人によって利用されたときに、必要とされる可変歩調を高揚する。

図２８〜３２の義足７０の長手方向に延長するフット・キール７７が、図３および２５のフット・キールと同様の前足、中間部および後足部を有している。義足のカーフ・シャンク７２が、結合要素をカーフ・シャンクとフット・キールに長手方向に隔置して連結する二つの着脱可能ファスナ７９と８０を伴って結合要素７８によってフット・キールに固定されている。それぞれ図２５〜２７の実施例に示す。カーフ・シャンク７２はカーフ・シャンクの両端の中間に長手方向に延長する拡張スロット８１を含んでいる。拡張ジョイント・ホール８２と８３が拡張スロットの両端に配備されている。フット・キールの前足と後足部位が図２９、３０および３１に示したようにそれぞれの拡張スロットで形成されている。

切断手術を受けた人の低い脚スタンプに固定された人工補充物ソケットが、図に示したようにファスナ８６と８７によってカーフ・シャンクの上端に固定されたアダプタ８５を介してカーフ・シャンク７２の上端に連結されている。アダプタがこのアダプタの上面に固定されたアタッチメント・プレートに連結された反転ピラミッド形状のアタッチメント・フィテング８８を有している。ピラミッド・フィテングが義足と人工補充物ソケットを結合するための依存人工補充物ソケット上に相補的形状ソケット式フィテングによって受承されている。このタイプの連結は図３４ー３６の実施例に示す。

動作が制限されている間、図２８〜３２の緩衝装置７１がカーフ・シャンクの圧縮および拡張両方でカーフ・シャンクの上端の動作範囲を制限する。カーフ・シャンクの上端の動作範囲を圧縮および拡張の一つのみを制限する類似の装置を使用することもできる。強制加重およびアンローディングによりカーフ・シャンクの上端の拡張のみを制限する動作制限緩衝装置８４を図３３の実施例に示す。可撓性ストラップのある装置８４がストラップの制限された弾性拡張を許容し、これによってカーフ・シャンクの拡張を許容し、一方カーフ・シャンクの上端の動作をカーフ・シャンクの圧縮加重において制限しない。

図３４ー３６は本発明の別のカーフ・シャンク９０を示し、図２８〜３２の義足のフット・キール７７と併用でき、またはここで開示する他のフット・キールの一つと併用することができる。カーフ・シャンク９０はほぼバラボラ形状をなし、下方端に配備され上方向に延長する曲率半径が最小である部分とその近傍端で曲率半径が比較的大きく上方向に、かつ最初に前方に延長している。後方対面凹所が図３４に示すようにカーフ・シャンクの湾曲によって形成されている。カーフ・シャンクの末端が長手方向に延長する開口部９１を有しており、結合要素７８と一緒になって、フスナ７９または８０が緩められるか取り外されて特定タスクがなされるべく義足の性能を微調整するときに、着脱可能ファスナ７０と８０およびフット・キール内の長手方向延長開口部がカーフ・シャンクのアラインメントと、長手方向に互いに関してフット・キールの調整を許容する。

カーフ・シャンク９０の末端がより鋭く湾曲し、例えば図２８〜３２のカーフ・シャンク７２よりも小さい曲率半径を有し、かつ短い長手方向距離に上方向、前方に延長している。このカーフ・シャンクの形状はより美容的に優しい。すなわち、その末端がより足首領域に配備され、義足の人の足に形成された外方カバリングの中間および側方くるぶしが平常に配置される。カーフ・シャンクが外方義足カバリングをよりよく押し込む。その機能的特性は、より広いパラボラを伴うカーフ・シャンクよりも鈍い動的応答能力、例えば上述したように長い曲率半径であっても初期接触大地反力に対して迅速に応答する。従って、義足で走行および跳躍するこれらの活発な人は、より大きい水平速度を有する広いパラボラま
たは曲率半径を使用することから利益を得る。

図３４〜３６のカーフ・シャンク９０はさらにファスナ９４と９５によってカーフ・シャンクの上方端に結合されたプラスチックまたは金属アダプタ９３が中間に配備されたアラインメント結合装置９２と、ユーザの脚スタンプに固定された人工補充ソケット９６の下方端とを含んでいる。ユーザは例えばひざ上またはひざ下切断手術を受けた人である。アラインメント結合装置は、互いに直角に配備され大地に対して平行な平面に配備された一対のスライド９７と９８を含んでいる。各スライドの要素の相対的位置は、ねじ付きファスナ９９を緩めることによって調整することができる。それぞれのスライド９７と９８を調節して義足のカーフ・シャンクおよびフット・キールに対する人工補充ソケットの相対的方向を変える。装置９２を支持するアダプタ９３の頂部は、義足による足並みのスタンス相内で大地と平行であるのが好ましい。

装置９２の上方スライド９８の頂部は、これに固定された反転ピラミッド形状取付部材１０１を有し、これに人工補充ソケット９６上の対応取付部材１０２にねじ付きファスナ１０３によって調節可能に締め付けられている。取付部材１０１と１０２間のこの結合が、人工補充ソケットと足間の角度変更屈曲／拡張および外転／内転を許容する。装置９２のスライドが中間／側方および前方／後方直線的スライド調整を許容する。従って、装置９２はアラインメント取付部材であって人工補充ソケットの全方向への移動を許容し、大地の反力がどのようにカーフ・シャンクとフット・キールの機械的構造に応答するか影響を与える。

図３７と３８のフット・キール１１０と図３９と４０のフット・キール１２０はさらなる実施例のフット・キールであり、本発明の義足に使用することができる。フット・キールは右足のものであって、後足部を除いて同様の構造を有している。二つのフット・キールの中間および側方は同じ形状である。フット・キール１１０は後足域で矢状に切断され、同様の側方および中間拡張ストラット１１１と１１２が長手方向延長拡張ジョイントないしスロット１１３によって分離されている。フット・キール１１０の後方ターミナル・ヒール域１１４が前方平面と平行であり、例えばフット・キールの長軸Ａ−Ａと直交している。同様にして、フット・キールの後足背面凹所１１５が前方平面と平行な長軸Ｆ−Ｆを有し、例えば、長軸Ａ−Ａと直角、すなわち、角度Δが９０°である。

フット・キール１１０と対抗してフット・キール１２０は後足域で矢状に切断されておらず、その後足背面凹所１２１は、凹所の長軸Ｆ’−Ｆ’が前方平面を横断して傾斜しており、例えば長軸Ａ−Ａと鈍角Δ’を、好ましくは１１０〜１２５°を形成し、側方が中間側方よりもさらに前方にある。背面凹所のこの方向付けが横方向拡張ストラット１２２をより薄く形成し、中間拡張ストラッド１２３よりもより長くなっており、これによってストラット１２３よりも有効的、かつ、より可撓性をもつようになっている。これが可撓性を高めて、反転による大地反転力と初期接触するように応答して後足を傾斜させる。これが衝撃緩衝機構になる。これがより平常な足並みパターンのための足並み中のフット・キールの後足を介する人体の重心の力を有効に転送する助けをする。

これが本実施例の説明を終結する。本発明は多数の図示実施例を参照して説明してきたが、多数の他の修正例および実施例も当該技術に習熟した人によって作成でき、本発明の精神と原理の範囲に入ることが理解されるはずである。例えば、本発明の義足中のカーフ・シャンクの下方端はパラボラ形状またはほぼパラボラ形状に限定されず、下方向に凸状となることもでき、フット・キールを結合したときに足の足首ジョイント域を形成するように曲線的に形成して足の所望の動作結果を生成することもできる。種々の実施例の特徴は互いに併用することもできる。より詳しく説明すると、理由のあるバリエーションおよび修正は要素部材および（または）本発明の精神から逸脱しないこれまでの説明、図面および添付の請求の範囲の範囲内の物体組み合わせ構成の構成要素とすることもできる。要素部材および（または）構成中のバリエーションおよび修正に加えて、代用部材の使用も当該技術に習熟した人にとって明白であろう。

二つの近接する曲率半径Ｒ₁とＲ₂を表わす概略図であって、本発明の義足のフット・キールとカーフ・シャンクの一方が他方に対抗し、二つの半径を連結する切線Ａと直交する矢印Ｂの方向の足並み中の足の動的応答能力と運動結果の生成を示す図である。 図１と同様の図であるが、二つの半径のアラインメントが本発明による義足中で変化し、水平要素が増大し、動的応答能力の垂直成分と足並み中の足の運動結果が減少し、これによって切線Ａ₁と直交する矢印Ｂ₁が図１に示した場合よりもより水平方向に向けられている状態を示す図である。 足を切断手術を受けた人の下方脚に固定させるために連結されたパイロン・アダプタとパイロンを備えた本発明の実施例による義足の側面図である。 図３のパイロン・アダプタとパイロンを備えた義足の正面図である。 図３および４の実施例の平面図である。 本発明の義足に使用される本発明のフット・キール、特に短距離走者のための別のフット・キールの側面図である。 図６のフット・キールの平面図である。 高い低動的応答特性だけでなくバイプラナ運動能力をも提供する図３の義足の底面図である。 足のシームズ切断を有する切断手術を受けた人による短距離走行のために特に有利な義足のための本発明の付加的なフット・キールの側面図である。 図９のフット・キールの平面図である。 シームズ切断手術を受けた人のための本発明の義足のフット・キールのさらなる変形例を示し、フット・キールが高い低動的応答特性だけでなくバイプラナ運動能力をも伴う義足を提供するフットキールを提供する図である。 図１１のフット・キールの頂部の平面図である。 キールの厚みにテーパが付けられ、例えばキールの中足部から後足部まで漸次減少する本発明のフット・キールの側面図である。 フット・キールの別の形態を示し、厚みがキールの前足から後足に向う中足からテーパが付けられているキールの別の形態を示す側面図である。 本発明の義足のパラボラ形状カーフ・シャンクの僅かに上部から前部までを示し、カーフ・シャンクの厚みがその上端に向ってテーパのある側面図である。 図１５と同様であるが、その上端から下方端に向う中間からテーパの付けられた別のカーフ・シャンクを示す側面図である。 義足のためのＣ形状のカーフ・シャンクを示し、カーフ・シャンクの厚みが中間からその上方端と下方端に向ってテーパの付けられた側面図である。 義足のためのＣ形状カーフ・シャンクの別の実施例を示し、カーフ・シャンクの厚みがその中間部からその上方端にかけて漸次小さくなる義足を示す側面図である。 義足のためのＳ形状カーフ・シャンクを示し、両端がその中間から厚みが漸次小さくなる義足を示す側面図である。 その上方端でのみ厚みにテーパの付けられたＳ形状カーフ・シャンクのさらなるレイを示す図である。 本発明の義足のためのＪ形状カーフ・シャンクであって、各端でテーパの付けられているカーフ・シャンクの側面図である。 図２１と同様であるが、その上方端のみに向って厚みが漸次減少するＪ形状カーフ・シャンクを示す図である。 カーフ・シャンクを図３に示したフット・キールに固定するための本発明の調節可能締め付け機構に使用する金属合金またはプラスチック結合要素を僅かに上方から見た側面図である。 図３〜５の義足に使用されたパイロン・アダプタの側方および僅かに前方から見るともに、足の切断手術を受けた人の脚に固定されるべきパイロンに結合するための図２８と２９の足にも有利であるパイロン・アダプタを示す図である。 図３のものと同様の本発明の別の義足であるが、結合要素をカーフ・シャンクおよびフット・キールにそれぞれ結合する長手方向に隔置された二つの着脱可能ファスナを伴う結合要素の使用を示す図である。 図２５の結合要素の拡大側面図である。 図２５の義足のカーフ・シャンクの拡大側面図である。 図３および２５のものと同様の義足のさらなる実施例であって、運動制限、緩衝装置がカーフ・シャンクのそれぞれの端部間に結合され、義足の使用中カーフ・シャンクに力を加えたり、取り除いたりすることに応答してカーフ・シャンクの上方端の運動の範囲を制限する実施例の側面図である。 足のカーフ・シャンク中の長尺スロットを示す図２８に示した義足の左側から見た義足の正面図である。 図２８に示した義足の右側から見た義足の背面図である。 図２８の義足の底面図である。 義足の使用中カーフ・シャンクの力を加えたり、取り除いたりした結果、カーフ・シャンクの上方端の運動の例を示す図２８の義足のカーフ・シャンクおよびフット・キールの側面図である。 図２８〜３２のものと類似した義足のさらなる実施例を示すが、可撓性ストラップがカーフ・シャンクの上方端の拡張運動の範囲のみを制限するのに使用されることが異なる実施例の側面図である。 足の切断手術を受けた人の脚に固定された人工補充ソケットに固定するためのカーフ・シャンクの上方端に連結されたアダプタ上に配置されたアラインメント結合装置を伴う義足の別の実施例であって、アラインメント結合装置が人工補充ソケットに関して足の中間ー側方および前方ー後方スライド調節を許容する実施例の側面図である。 図３４に示した義足の左側から見た図３４の義足の正面図である。 図３４に義足の右側から見た図３４の義足の背面図である。 義足の後方端が前方平面と平行であり、例えば、義足の長軸Ａ−Ａと直交し、また近端後足の凹所の長軸Ｆ−Ｆも長軸Ａ−Ａと直交している本発明の右義足のための別のフット・キールの平面図である。 フット・キールの側方からの方向で見た図３７のフット・キールの側面図である。 図３７と３８のものと類似の本発明の付加的なフット・キールであるが、鈍角Δ’でその近端後足凹所の長軸Ｆ’−Ｆ’を有しており、長軸Ａ−Ａが後足の横方向ストラットを中間ストラッドよりも効果的に長く、かつ、より可撓性にして足並みのヒール接触上の義足の反転を助ける付加的フット・キールの平面図である。 フット・キールの側方から見た図３９のフット・キールの側面図である。

Claims (35)

1. 前足部、中足部および後足部を有する長手方向に延びるフット・キールと；弾性の直立した一体的に形成されたカーフ・シャンクであって、当該カーフ・シャンクは下方端と後部の自由端とを有しており、前記フット・キールに連結され、当該カーフ・シャンクは前記下方端から、前方に向かって連続して形成された凸面を経由して前記中足部まで上方に延びて、足首領域を形成し、かつ実質的に垂直方向を向いた上方端まで前記足首領域上を実質的に前方に向かって突出した曲線状に上方に延びて、脚の端部の支持構造を上方端において連結するために下部義足部を形成し、前記カーフ・シャンクによって形成された足首領域および脚の義足部が、歩行中に地面の反作用に応答して圧縮可能であり、かつ伸ばすことが可能であり、同時に前記カーフ・シャンクの上方端が、エネルギーを保持したり解放したりするために後部に屈曲移動し、前部に屈曲移動して、歩行中の義足の動的応答性を改善するカーフ・シャンクと；圧縮および伸長の少なくとも１つにおいて、前記カーフ・シャンクの上端の動作を緩和したり、動作の範囲を制限するために上方端と下方端の間に延び、かつ連結された装置と
   からなる義足。
2. 前記装置がカーフ・シャンクの上端の前方動作を制限する請求項１記載の義足。
3. 前記装置がカーフ・シャンク上端の後方動作を制限する請求項２記載の義足。
4. 前記装置が少なくとも一つの圧縮流体を収容しているピストン−シリンダを含む請求項１記載の義足。
5. 前記装置がマイクロプロセッサ制御の水圧ユニットを含む請求項１記載の義足。
6. 前記装置が制限された弾性伸長を許容する可撓製ストラップを含み、該ストラップがカーフ・シャンクの両端間に連結されている請求項１記載の義足。
7. 前記カーフ・シャンクが、当該カーフ・シャンクの両端の中間に長手方向に延長する拡張スロットを含む請求項１記載の義足。
8. 前記カーフ・シャンクがさらに拡張スロットの各端に設けられた拡張ジョイントホールを含む請求項７記載の義足。
9. 前記フット・キールとカーフ・シャンクの少なくとも一つが、ポリマーマトリックス材料で積層された補強ファイバーを含む積層複合材料で形成されている請求項１記載の義足。
10. 前記ポリマーマトリックス材料が熱可塑性材料である請求項９記載の義足。
11. 前記積層複合材料が熱形成される請求項９記載の義足。
12. 前記カーフ・シャンクの下方端が下方向に凸状に湾曲している請求項１記載の義足。
13. 前記カーフ・シャンクの凸状に湾曲する下方端が、カーフ・シャンクがその湾曲した下方端から上方向に延長するにつれて増大する湾曲半径を有している請求項１２記載の義足。
14. 前記カーフ・シャンクの上方端に結合されたアラインメント結合装置をさらに備え、この装置が、人の脚の端部で支持構造に連結される固定部材と調節可能スライド機構とを有し、この部材とこれに結合された支持構造に関して義足の中間部／側部および前方部／後方部を調節する請求項１記載の義足。
15. アラインメント結合装置とカーフ・シャンクの上方端を結合するアダプタをさらに備える請求項１４記載の義足。
16. 前記フット・キールの後足が、凹部の側方がさらに中央側部より前方になるように、前方平面に関して傾斜している長軸を伴う反対凹面を有している請求項１記載の義足。
17. 前記フット・キールの中足部の平坦面が側面よりも大きい中間面を伴う長手方向円弧状凹部を有している請求項１記載の義足。
18. 前記カーフ・シャンクの下方端をフット・キールに連結して足関節部位を形成する調整可能締付機構をさらに備え、この締付機構が義足の機能を微調整するために義足の長手方向にカーフ・シャンクとフット・キールのアラインメントの調整を許容する請求項１記載の義足。
19. 前記調節可能な締付機構がカーフ・シャンクとフット・キール間に配備された解放可能なファスナと結合部材の少なくとも一つを含む請求項１８記載の義足。
20. 義足の長手方向に延びるフット・キールと連結する下端を有する長く延びた半剛性の一体的に形成された弾性部材であって、当該下端が後部の自由端を有しており、前記下方端から、前方に向かって連続して形成された凸面を経由して前記中足部まで上方に延びて、足首領域を形成し、かつ実質的に垂直方向を向いた上方端まで前記足首領域上を実質的に前方に向かって突出した曲線状に上方に延びて、脚の端部の支持構造を上方端において連結するために下部義足部を形成し、当該義足の使用中に負荷をかけた無負荷にしたりすることに応答して、圧縮性および引張製において柔軟であり、その結果、上端が前記フット・キールに対して長手方向に移動してなる弾性部材と、義足の使用中に圧縮および伸長の少なくとも１つにおいて、前記弾性部材の上端の動作を緩和したり、動作の範囲を制限するために上方端と下方端の間に延び、かつ連結された装置とからなるカーフ・シャンク。
21. 前記装置が部材の対向端の前方運動を制限する請求項２０記載のカーフ・シャンク。
22. 前記装置がカーフ・シャンクの対向端の後方運動も制限する請求項２１記載のカーフ・シャンク。
23. 前記装置が少なくとも一つの圧力流体を含んでいるピストン−シリンダを収容している請求項２０記載のカーフ・シャンク。
24. カーフ・シャンクの上方端に結合されたアラインメント結合装置をさらに備え、この装置が、人の脚の端部で支持構造に連結される固定部材と調節可能スライド機構とを有し、この部材とこれに結合された支持構造に関して義足の中間部／側部および前方部／後方部を調節する請求項２０記載のカーフ・シャンク。
25. アラインメント結合装置とカーフ・シャンクの上方端を結合するアダプタをさらに備える請求項２４記載の義足。
26. 前記装置が制限された弾性的拡張を許容する可撓製ストラップを含み、このストラップが前記部材のそれぞれの端部間に連結されている請求項２０記載のカーフ・シャンク。
27. 前記部材がその端部の中間に長手方向に延長する拡張スロットを含む請求項２０記載のカーフ・シャンク。
28. 前記部材が拡張スロットの各端に配備された拡張ジョイントホールをさらに含む請求項２７記載のカーフ・シャンク。
29. 前記弾性部材がポリマー・マトリックスで積層された強化ファイバーを含む積層複合材料で形成されている請求項２０記載のカーフ・シャンク。
30. 前記ポリマー・マトリックスが熱可塑性材料である請求項２９記載のカーフ・シャンク。
31. 前記ポリマー・マトリックスが熱硬化性材料である請求項２９記載のカーフ・シャンク。
32. 前記積層複合材料が熱形成される請求項２９記載のカーフ・シャンク。
33. 前記部材の一端が外方向に凸状湾曲している請求項２０記載のカーフ・シャンク。
34. 前記弾性部材の外方向に凸状湾曲する一端がパラボラ形状をなし、その湾曲部の最も小さい半径が一端に位置されそこから延長している請求項３３記載のカーフ・シャンク。
35. 前記部材の一端が、カーフ・シャンクが固定されたフット・キールの長手方向に関して当該一端を調節可能に配置するための手段を含む請求項２０記載のカーフ・シャンク。

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