JP4184252B2 - リーク弁 - Google Patents
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Description
ここで、特許文献1記載の定流量リーク弁60(図6参照)において、パイプ67の劣化又は詰りが発生した場合には、故障部分であるパイプ67の補修、交換が可能であれば、リーク弁としての機能を果たす。しかし、定流量リーク弁60は、パイプ67が流路最奥の隔壁65に取り付けられているため、パイプ67を取り外すことは不可能である。つまり、パイプ67に劣化や詰りが生じた場合には、定流量リーク弁60一式を交換しなければならないといった問題点を有する。
また、特許文献1には、パイプ67の口径及び長さを調節することにより、必要リーク流量を変更することが可能であると記載されている。しかし、特許文献1の定流量リーク弁60は、前述のようにパイプ67を取り外すことは不可能である。つまり、特許文献1の定流量リーク弁60は、リーク弁60の製造過程において、必要リーク流量の変更調整が可能なのであって、リーク弁60が製品となった際には、必要リーク流量を変更することは不可能である。この結果、半導体製造設備に使用されている機器の仕様変更があった場合、最適な必要リーク流量を得るには、定流量リーク弁60一式を交換しなければならない。
しかし、弁シート75を取り外すためには、ダイアフラム74を押圧するピストン71等の弁構造部を取り外さなければならない。さらに、弁構造部は、容易に取り外すことが可能なユニット構造ではないので、弁構造部は、部材単位にまで分解する必要がある。そして、ガス流通孔76の補修、交換を終えると、再度、弁構造部を組み立て、取り付ける作業を行なわなければならない。
このように、弁シート75の補修、交換作業を行なうことは可能ではあるが、複雑な弁構造部の取り外し作業を行なわなければならず、非常に多くの労力と時間を必要とするという問題点を有する。
しかし、リーク弁80においても、ダイアフラム82を押圧するピストン81等の弁構造部を分解し、シートカラー87を取り外すことが必要になる。リーク弁80の弁構造部も、部材単位にまで分解しなければならない。さらに、リーク流通路89の補修、交換を終えた際には、部材単位にまで分解されている弁構造部を再度組み立て、弁本体に取り付ける作業が必要となる。
リーク弁80においても、リーク流通路89の補修、交換作業を行うことは可能であるが、複雑な弁構造部の取り外し作業が伴い、多くの労力と時間を費やさなければならないといった問題点を有する。さらに、弁構造部を一度分解することにより、再度組み立てられた弁構造部にダイアフラム82の封止力の低下等の不具合が発生する危険性も有している。
前述のように、バイパスブロックの脱着作業及び、オリフィス部材の交換、補修作業は、ネジを取り外すという非常に単純な作業で行うことが可能となっているので、ユーザの手で、容易に補修、交換の作業を行なうことができる。
例えば、半導体製造設備における使用機器の仕様を変更した場合には、ガスのリーク流量を変化させる必要が生じる。従来のリーク弁では、リーク弁本体を交換しなければ、リーク流量を変更できなかった。しかし、本発明に係るリーク弁では、オリフィス部材の交換によりリーク流量を変更することが可能となる。
また、リーク流量の変更調整作業は、バイパスブロック下部のネジを緩めて、バイパスブロックを取り外し、既設のオリフィス部材を、ユーザ所望の内径を有するオリフィス部材に交換をするだけでよい。つまり、バイパス流路の補修、交換作業と同様に、バイパスブロックの脱着、オリフィスの交換といった単純且つ容易な作業で、ユーザ所望のリーク流量を有するリーク弁に変更可能となる。
リーク弁1は、大別すると本体ブロック2と、バイパスブロック3に分類される。リーク弁1の外殻は、シリンダ6、ベース7、ボディ8及びバイパスブロック3を組み合わせて構成される。そして、本体ブロック2は、メイン流路における流体の制御をおこなう部分であり、制御部4と、弁部5とで構成されている。
シリンダ6は、有底円筒形状に形成された部材である。シリンダ6内部には、ピストン組立体10、バネ13が配設される内部空間14を後述するベース7を嵌合することで形成している。
シリンダ6底面中央部には、操作ポート15が穿設されている。操作ポート15は、後述するピストン組立体10を摺動操作する圧縮空気を、密閉空間14aに圧入または、密閉空間14aより放出する部分である。また、操作ポート15開口部には、ピストンロッド11が摺動可能に、円筒部16が内部方向に形成されている。円筒部16内面には、O−リング17が配設されている。
シリンダ6底面の操作ポート15近傍には、逃がし穴18が穿設されている。逃がし穴18は、内部空間14において、シリンダ6とピストン12により形成されるバネ取付空間14bと連通し、バネ取付空間14bが縮小した場合に空気をリーク弁1外部へ放出する。
ピストンロッド11は、円柱状に形成され、上面中央部には、操作ポート15と密閉空間14aを連通するエア流路11aが穿設されている。そして、ピストンロッド11の両端部は、円筒部16と、後述するピストン挿通孔19に摺動可能に挿通されている。ピストン12の配設位置には、環状突部11bが設けられ、ピストン12内周面と当接する部分には、O−リング20が配設されている。環状突部11bからピストン12の厚み分上方にワッシャ11cが取り付けられ、ピストンロッド11とピストン12を一体化している。
ピストン12は、側面が、シリンダ6内側面に当接する円盤状に形成された部材である。ピストン12中央部には、ピストンロッド11を挿通可能な穴12aが穿設されている。そして、穴12aの周辺には、穴12aを中心として、環状にバネ取付部12bが形成されている。ピストン12側面には、O−リング21が配設されている。
バネ13は、ピストン組立体10を弁閉方向に付勢する付勢手段である。そして、バネ13は、バネ取付空間14bにおいて、一端はバネ取付部12bに取り付けられるとともに、他端には、円筒部16を挿入して配設されている。
ここで、シリンダ6、ベース7によって、制御部4に形成される内部空間14について説明する。内部空間14は、シリンダ6とベース7を組み合わせ、制御部4の外殻を形成した際に、制御部4内部に形成される空間で、ピストン組立体10、バネ13が配設される。ここで、シリンダ6、ベース7、ピストン12によって形成され、O−リング20、21、22、23によって密閉されている空間が密閉空間14aである。また、シリンダ6、及びピストン12によって形成された空間が、バネ取付空間14bである。
ボディ8は、流入路24、流出路25、弁室28、弁座29を有する構成である。ボディ8本体上部は、ベース7と嵌合する。ボディ8の外観は、弁室28、弁座29を有する弁部本体30から、略一直線上に流入路24、流出路25が管状に延出されている。流入路24、流出路25の管状部の端部には、ガス配管と接続可能な接続継手38が取り付けられている。また、ボディ8下部は、四角柱状に形成され、ボディ8下面には、バイパス分岐路24a、バイパス合流路25aの開口部と、4箇所のネジ穴33が穿設されている。バイパス分岐路24a、バイパス合流路25aの開口周縁には、オリフィス部材31を取り付ける環状凹部37が形成されている。
流入路24は、弁部本体30までは直線状に形成され、弁部本体30内部において、垂直断面逆L字状に折曲して形成されている。また、流入路24の折曲部近傍には、バイパス分岐路24aが形成されている。流入路24は、逆L字状に折曲した後、弁室28に連通している。
バイパス分岐路24aは、流入路24から分岐し、ボディ8下面で外部と連通している。後述するバイパスブロック3を取り付けた際には、バイパス流路32と接続し、弁閉状態においても常に一定流量の腐食性ガスを流す部分である。
流出路25は、弁部本体30内部において、垂直断面L字状に折曲して形成され、弁部本体30外部では、直線状に形成されている。流出路25折曲部近傍には、バイパス合流路25aが形成されている。
バイパス合流路25aは、流入路24から分岐して形成され、ボディ8下面で外部と連通している。後述するバイパスブロック3を取り付けた際には、バイパス流路32と接続し、弁閉状態においても常に一定流量の腐食性ガスをバイパス流路32から、流出路25に合流させて流す部分である。
弁室28は、弁部本体30上部に有底円筒形状に形成された空間部分である。弁室28は、後述するダイアフラム26、ダイアフラム押え27が配設される空間である。弁室28底面中央部には、流入路24と接続する流入開口部28aが形成され、弁室28側面近傍の底面には、流出路25と連通する流出開口部28bが形成されている。流入開口部28aの開口縁には、環状に突出した弁座29が形成されている。
バイパスブロック3は、ボディ8下面に穿設されたバイパス分岐路24aと、バイパス合流路25aを接続するバイパス流路32を有するブロック部材である。バイパスブロック3は、ボディ3下部と同様に四角柱状に形成され、上面には、ボディ8下面の4箇所に穿設されたネジ穴33と対応した位置に、バイパスブロック3を貫通する貫通孔34が形成されている。バイパスブロック3上面には、バイパス流路32両端部が開口されている。バイパス流路32両端の開口縁は、オリフィス部材31及びガスケット35を挟持する環状凹部37がそれぞれ形成されている(図4参照)。そして、貫通孔34にネジ36を挿通して、ボディ8下面のネジ穴33にネジ止めすることにより、バイパスブロック3は本体ブロック2に固定される。
バイパス流路32は、腐食性ガスの主要な流路である流入路24及び流出路25を閉塞した状態においても、一定流量流し続けるための流路である。バイパス流路32は、バイパスブロック3内部において、バイパス分岐路24aとバイパス合流路25aを接続するとともに、垂直断面V字状に形成された流路である(図3参照)。
オリフィス部材31は、円筒形部材の内部に括れ部31aを設けたものである。オリフィス部材31の外径は、オリフィス部材31側面がバイパス分岐路24aまたはバイパス合流路25aと当接するように形成されている。さらに、オリフィス部材31の一方の端部には、外方環状に突出した挟持部31bが形成されている(図5参照)。括れ部31aにより形成される小穴の内径が、0.1mmから1mmの範囲では、0.05mm刻み、1mmから2mmまでの範囲では0.1mm刻みで複数種類形成されている。
ガスケット35は、オリフィス部材31の挟持部31bを内挿可能に形成したリング状の部材である。これにより、本体ブロック2とバイパスブロック3の接合部より、腐食性ガスが漏出することを防止する。
そして、リーク弁1の閉状態は、密閉空間14a内部の圧縮空気を操作ポート15より外部に放出することにより実現される。圧縮空気の放出に伴い、密閉空間14a内部圧力が低下する。密閉空間14aの内部圧力が低下し、バネ13の付勢力より小さくなると、ピストン組立体10が弁閉方向(図1下方)に移動する。そして、ピストンロッド11端部がダイアフラム押え27に当接し、ダイアフラム26が弁座29に密着する。このようにして、リーク弁1の閉状態が実現されるのである。弁閉状態においては、腐食性ガスの主要な流路である流入路24、流出路25は閉塞される。しかし、腐食性ガスは、バイパス流路32を流れるので、弁閉状態でも、常に一定流量の腐食性ガスを流すことができる。
取り外したバイパスブロック3上面の環状凹部37には、オリフィス部材31及びガスケット35が存在する。ここで、オリフィス部材31については、適宜補修又は、交換を行い、ガスケット35は、新しいものと交換する。
このように、補修、交換したオリフィス部材31、ガスケット35と、バイパスブロック3を本体ブロック2に取り付ける。オリフィス部材31をバイパス分岐路24aに内挿し、ガスケット35とともに、本体ブロック2、バイパスブロック3にて挟持させる。本体ブロック2のネジ穴33と、バイパスブロック3の貫通孔34をそれぞれ対応させながら、4本のネジ36を締めることにより、バイパスブロック3、オリフィス部材31及びガスケット35を本体ブロック2に取り付ける。このようにして、バイパスブロック3及び、オリフィス部材31の補修、交換作業が行なわれる。
上記のようにバイパス流路32に障害が発生した場合、従来のリーク弁では、障害が発生している部品のみを交換することができず、リーク弁全体を交換していた。しかし、本実施例のリーク弁1では、バイパスブロック3の脱着と、オリフィス部材31の補修、交換作業を行えばよい。
バイパスブロック3の脱着作業及び、オリフィス部材31の補修、交換作業は、ネジ36を取り外すという非常に単純な作業で行うことが可能となっているので、ユーザの手で、容易に補修、交換の作業を行なうことができる。
例えば、半導体製造設備における使用ガスや使用機器を変更した場合には、ガスのリーク流量を変化させる必要が生じる。従来のリーク弁では、リーク弁本体を交換しなければ、リーク流量を変更できなかった。しかし、本発明に係るリーク弁1では、オリフィス部材31の交換によりリーク流量を変更することが可能となる。
また、リーク流量の変更調整作業は、バイパスブロック3下部のネジを緩めて、バイパスブロック3を取り外し、既設のオリフィス部材31を、ユーザ所望の内径を有するオリフィス部材31に交換をするだけでよい。つまり、バイパス流路32の補修、交換作業と同様に、バイパスブロック3の脱着、オリフィス部材31の交換といった単純且つ容易な作業で、ユーザ所望のリーク流量を有するリーク弁1に変更可能となる。
例えば、本実施例においては、エアオペレート弁として説明したが、エアオペレート弁に拘泥する必要はなく、ピストンの操作方式を電磁式やモータ式当に変更したとしても、本発明の実施について何等支障をきたすことは無い。
2 本体ブロック
3 バイパスブロック
6 シリンダ
7 ベース
8 ボディ
10 ピストン
11 ピストンロッド
12 ピストンリング
13 バネ
15 操作ポート
24 流入路
24a バイパス分岐路
25 流出路
25a バイパス合流路
26 ダイアフラム
29 弁座
31 オリフィス部材
32 バイパス流路
36 ネジ
Claims (2)
- 流体が流入するとともに、バイパス分岐口を有する流入路、
流体を流出するとともに、バイパス合流口を有する流出路、及び、
前記流入路と前記流出路の間の開閉を行うダイアフラムを備える本体ブロックと、
前記バイパス分岐口と前記バイパス合流口を連通するバイパス流路が形成されているとともに、本体ブロックへ脱着可能に構成されたバイパスブロックと、
オリフィス部材と、を備え、
前記オリフィス部材は、
前記流体が流通する括れ部と、前記括れ部の径外側に前記括れ部と段差をもって突出した環状の挟持部とを有し、
前記挟持部を、前記本体ブロックと前記バイパスブロックとの間に挟持して配設されていることを特徴とするリーク弁。 - 流体が流入するとともに、バイパス分岐口を有する流入路、
流体を流出するとともに、バイパス合流口を有する流出路、及び
前記流入路と前記流出路の間の開閉を行うダイアフラムを備える本体ブロックと、
前記バイパス分岐口と前記バイパス合流口を連通するバイパス流路が形成されているとともに、本体ブロックへ脱着可能に構成されたバイパスブロックと、
夫々異なる内径を有した複数種類のオリフィス部材と、により構成され、
前記オリフィス部材は、
前記流体が流通する括れ部と、前記括れ部の径外側に前記括れ部と段差をもって突出した環状の挟持部とを有し、
前記挟持部を、前記本体ブロックと前記バイパスブロックとの間に挟持して配設され、
前記オリフィス部材を交換することにより、容易に任意のリーク量へ変更可能としたリーク弁におけるリーク量変更システム。
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