JP4181511B2 - サラウンド音声ミキシング装置およびサラウンド音声ミキシングプログラム - Google Patents
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Description
雑誌「prosound」、出版「ステレオサウンド社」、2002年10月25日発行、p110−p115
設定聴取ポイントデータとして設定聴取ポイントデータ記録手段に記録させておくことで、当該装置の操作者は、聴取ポイントデータで特定される聴取位置を、設定聴取ポイントデータで特定される聴取位置に任意のタイミングで変更することができ、様々な聴取位置におけるサラウンド音声を出力させることができる。
サラウンド音声となる音像の各成分の値を用いて、聴取位置のほぼ正面に設置されるセンタスピーカの成分の値を、聴取位置の左右に設置される左右スピーカの成分の値に割り振ることで、例えば、番組の中で、センタスピーカに定位されている台詞や解説等に影響を及ぼすことなく、サラウンド音声となる各成分の値を算出することができる。
〈サラウンド音声ミキシング装置の構成〉
図1は、サラウンド音声ミキシング装置のブロック図である。この図1に示すように、サラウンド音声ミキシング装置1は、競技場、劇場等の場内に設置した複数のマイクロフォンによって、音源から発せられた何らかの音声を集音(収音)し、この集音した音声(音声信号)をミキシングして、サラウンド音声となる音像の各成分として、複数のスピーカに出力するもので、データ入力手段3と、音像算出手段5と、角度パラメータ情報付加手段7と、距離情報付加手段9と、音声出力算出手段11と、設定聴取ポイントデータ記録手段13と、ヘッドアンプ部15と、A/D変換器17と、デジタル信号処理部19と、D/A変換器21とを備えている。
延在させた直線と各マイクロフォンの位置を結ぶ直線とを交差させ、この交差した点の両端のマイクロフォンで収音した、多く(別)の音源からの音同士を合成する(単純平均、加重平均して合成)ことで、音像の幅を持たせるためのものである。
また、センタースピーカCから出力される成分に付加される距離情報“C”={l/(c+l)+r/(c+r)+sl/(c+sl)+sr/(c+sr)}1/10となる。
また、サラウンド左スピーカSLから出力される成分に付加される距離情報“SL”={l/(sl+l)+c/(sl+c)+r/(sl+r)+sr/(sl+sr)}1/10となる。
さらに、サラウンド右スピーカSRから出力される成分に付加される距離情報“SR”={l/(sr+l)+c/(sr+c)+r/(sr+r)+sl/(sr+sl)}1/10となる。
、右スピーカR(Rm)=a(R+(−3dB)×C+k×SR)で求められる(これらの式において、大文字アルファベットは各スピーカの成分の値[出力音信号]を指しており、a、kは定数を示している)。なお、このダウンミックスは、電波産業会(ARIB)の規格であるARIB STD−B21で定められている方法により算出され、例えば、左スピーカL(Lm)=L+1/√2C+1/√2SL、右スピーカR(Rm)=R+1/√2C+1/√2SRで求められる(これらの式において、アルファベットは、各スピーカの成分の値[出力音声信号]を指している)。
次に、図2に示すフローチャートを参照して、サラウンド音声ミキシング装置1の動作について説明する(適宜、図1参照)。
まず、サラウンド音声ミキシング装置1は、データ入力手段3を介して、場所データとなるxy座標が入力され、場所データを設定する(S1)。続いて、サラウンド音声ミキシング装置1は、場所データの設定が完了したか否か(OKか)を判断し(S2)、場所データの設定が完了したと判断しなかった場合(S2、No)、場所データを修正(再設定)する旨の指示を、図示を省略した表示手段に出力する(S3)。
次に、図3から図19を参照して、サラウンド音声ミキシング装置1の具体的な操作例を説明する。
図3は、場所データ(競技場データ)を入力する際に、表示手段(図示せず)に表示される表示画面を示したものである。
この図3に示すように、場所データ(競技場データ)として、x軸にX0m、y軸にY0mを入力することによって、競技場の全体の広さ(面積)を特定している。また、ハッチングを施した部分は競技場のグラウンドの部分を、それ以外の部分は観客席の部分を示している。
この図6に示すように、音像算出手段5による音像の自動計算は、まず、各マイクロフォン(a〜h)を結んだ直線と、聴取ポイントデータで特定される聴取位置(リスニングポイント)から各スピーカ(L、C、R、SL、SR)の方向までを結んだ直線との交点を求め、サラウンド音声となる音像の各成分の出力割合を内挿計算によって求めている。
この図7に示すように、距離情報付加手段9は、まず、各マイクロフォン(a〜h)を結んだ直線と、聴取ポイントデータで特定される聴取位置(リスニングポイント)から各スピーカ(L、C、R、SL、SR)の方向までを結んだ直線との交点を求め、聴取位置からこの交点までの距離(l、c、r、sl、sr)を計算している。そして、距離情報付加手段9は、この距離(l、c、r、sl、sr)から距離情報を求め、音像算出手段5で算出した各成分に付加する。
この図8に示すように、聴取位置「★」は、マイクロフォンの設置位置を結ぶ多角形から距離dの内側(網掛け部)の範囲内としている。また、1カ所のマイクロフォンの設置位置に複数個のマイクロフォンを設置する場合には、1つのマイクロフォンとして扱うことにしている。
この図9に示すように、聴取ポイントデータの聴取位置「★」(リスニングポイント)を、事前に設定聴取ポイントデータ記録手段13に登録した設定聴取ポイントデータの聴取位置「★」(リスニングポイント)に、マウス等の操作手段(図示せず)によってワンボタンで移動させることができる。
また、聴取方向を示す角度φを変更することも可能である。
この図11では、競技場雛形データの中のサッカー場が選択された場合を示しており、例として、サッカー場のY(縦)300mおよびX(横)400mが入力されている。また、「Library」は任意の競技場雛形データを選択する際のボタンである。
3 データ入力手段
5 音像算出手段
7 角度パラメータ情報付加手段
9 距離情報付加手段
11 音声出力算出手段
13 設定聴取ポイントデータ記録手段
15 ヘッドアンプ部
17 A/D変換器
19 デジタル信号処理部
21 D/A変換器
Claims (5)
- 集音された音声にミキシング処理を施し、複数のスピーカから出力させることで、聴取者に対し、サラウンド音声を提供するサラウンド音声ミキシング装置であって、
前記音声の発生源である音源の存在する場所に関する情報である場所データと、当該音声を集音する複数のマイクロフォンの設置位置および当該マイクロフォンの種類を示すマイクロフォン位置種類データと、前記場所の中で前記聴取者が所望する聴取位置および聴取角度を示す聴取ポイントデータとを入力するデータ入力手段と、
このデータ入力手段によって入力されたマイクロフォン位置種類データおよび聴取ポイントデータと、予め設定された前記スピーカの設置位置に関するスピーカ位置データとに基づいて、前記スピーカから出力させる、前記サラウンド音声となる音像の各成分について、前記マイクロフォンで集音した音声の出力割合を算出する音像算出手段と、
前記スピーカから出力させる各成分の数に応じて予め設定された角度パラメータ情報を、当該各成分に付加する角度パラメータ情報付加手段と、
前記聴取位置から前記マイクロフォン間を結ぶ複数の直線に引いたそれぞれの直線の長さを求め、この求めた長さに基づいて、前記音源から前記聴取位置までの距離感に関する情報である距離情報を算出し、この距離情報を、前記各成分に付加する距離情報付加手段と、
前記音像算出手段で算出された前記各成分の前記音声の出力割合と、前記角度パラメータ情報付加手段で前記各成分に付加された角度パラメータ情報と、前記距離情報付加手段で前記各成分に付加された距離情報とに基づいて、前記スピーカから出力させる、前記サラウンド音声となる音像の各成分の値として算出する音声出力算出手段と、
を備えることを特徴とするサラウンド音声ミキシング装置。 - 前記聴取ポイントデータを予め設定した設定聴取ポイントデータとして記録する設定聴取ポイントデータ記録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載のサラウンド音声ミキシング装置。
- 前記音声出力算出手段は、算出した前記サラウンド音声となる音像の各成分の値を用いて、ダウンミックス成分の値を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサラウンド音声ミキシング装置。
- 前記音声出力算出手段は、算出した前記サラウンド音声となる音像の各成分の値を用いて、前記聴取位置のほぼ正面に設置されるセンタスピーカの成分の値を、前記聴取位置の左右に設置される左右スピーカの成分の値に割り振ることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のサラウンド音声ミキシング装置。
- 集音された音声にミキシング処理を施し、複数のスピーカから出力させることで、聴取者に対し、サラウンド音声を提供する装置を、
前記音声の発生源である音源の存在する場所に関する情報である場所データと、当該音声を集音する複数のマイクロフォンの設置位置および当該マイクロフォンの種類を示すマイクロフォン位置種類データと、前記場所の中で前記聴取者が所望する聴取位置および聴取角度を示す聴取ポイントデータと、予め設定された前記スピーカの設置位置に関するスピーカ位置データとに基づいて、前記スピーカから出力させる、前記サラウンド音声となる音像の各成分について、前記マイクロフォンで集音した音声の出力割合を算出する音像算出手段、
前記スピーカから出力させる各成分の数に応じて予め設定された角度パラメータ情報を、当該各成分に付加する角度パラメータ情報付加手段、
前記聴取位置から前記マイクロフォン間を結ぶ複数の直線に引いたそれぞれの直線の長さを求め、この求めた長さに基づいて、前記音源から前記聴取位置までの距離感に関する情報である距離情報を算出し、この距離情報を、前記各成分に付加する距離情報付加手段、
前記音像算出手段で算出された前記各成分の前記音声の出力割合と、前記角度パラメータ情報付加手段で前記各成分に付加された角度パラメータ情報と、前記距離情報付加手段で前記各成分に付加された距離情報とに基づいて、前記スピーカから出力させる、前記サラウンド音声となる音像の各成分の値として算出する音声出力算出手段、
として機能させることを特徴とするサラウンド音声ミキシングプログラム。
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