JP4181375B2 - ターボ機械コンプレッサのための複数セクタに分かれた固定式ガイドベーン組立体 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本明細書に示す本発明は、航空機に使用されるターボジェットなどターボ機械の高圧タービンに関する。より詳細には、ターボ機械コンプレッサのためのセクタに分かれた固定式ガイドベーン組立体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ターボ機械用に極めて多様なコンプレッサが存在する。製造者は、性能を向上させるため、またコストを下げてメンテナンスを容易にするよう製造を改善するために努力している。
【０００３】
１つの知られている改良は、ターボ機械のためのコンプレッサの固定式ガイドベーン組立体を、複数セクタに分けることから成るものであった。米国特許第４１２６４０５号は、タービンディストリビュータの区画化された組立体を公表している。
【０００４】
文献ＦＲ−Ａ−２７２８０１５は、各々がベーンによって一体に接続された内側区画と外側区画とから成る複数セクタを有する、タービンステータディストリビュータを公表している。コンプレッサのステータに設けられたケーシングが、互いに接触して置かれた複数セクタを支持することになる。ケーシングによって支持されたセクタの回転を防止するために、回転防止手段が設けられる。
【０００５】
【特許文献１】
米国特許第４１２６４０５号明細書
【特許文献２】
仏国特許出願公開第２７２８０１５号明細書
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ターボ機械コンプレッサのための固定式ガイドベーン組立体の製造およびコストをさらに改善するために構成された。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
これは、ケーシングを２つ以上の部品で作製して、製造を容易にすることによって行われる。ケーシングの部品およびガイドベーン組立体のセクタは、摺動部と摺動子システムによって一体に保たれる。セクタがケーシングに関して回転するのを防止するために、回転防止の手段が設けられる。
【０００８】
したがって本発明の目的は、
各々がベーンによって接続された内側区画と外側区画とから成る円の円弧の形状の複数セクタと、
コンプレッサのステータに一体化され、互いに接触したセクタを支持する円形のケーシングと、
ケーシングによって支持されたセクタが回転するのを防止するように構成された回転防止手段とを含み、
ケーシングが、接合面で互いに接触してかつ互いに固定され、摺動部を形成する手段を含む少なくとも２つの部品から構成されること、
複数セクタが、ケーシングの部品に摺動部を形成する手段に適合する摺動子手段を形成すること、
回転防止手段が、ケーシングの部品の接合面に取り付け手段によって固定された回転防止手段、およびセクタ間の接触部でロック手段によってケーシングの部品上にブロック化された回転防止手段を含むことを特徴とする、ターボ機械のコンプレッサのための固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体である。
【０００９】
ケーシングは、半円形の形状の２つの部品から構成されることが好ましい。
【００１０】
１つの好ましい変形実施形態によると、ケーシングは、互いに面する２つの径方向側部を有し、摺動部を形成する手段が、それら側部内に形成された２つの反対側の溝を有し、セクタの外側区画のエッジが、摺動部を形成する手段を形成する。
【００１１】
接合面に固定された回転防止手段は、前記取り付け手段によって２つの溝の間で動かないように保持されて、かつケーシングにある摺動部でセクタの摺動の停止部を形成する、少なくとも１つのストリップを有することができる。接合面に固定された回転防止手段もまた、ケーシングの部品の摺動部を形成する手段に適合する摺動子を形成する手段を含む要素から成る、少なくとも１つの回転防止ロックを含んでもよく、その要素もまた、ケーシング上で固定手段を含む。これらの固定手段は、この要素がケーシング内で摺動される方向と直角の方向に押されるとホゾがホゾ穴に係合し、それにより前記取り付け手段を形成する、ホゾ穴とホゾのタイプとすることができる。前記要素に隣接するセクタの外側区画の端部の一方は、この隣接セクタが前記要素に接触するように摺動されると、要素が前記直角の方向に押され得るように隙間を有してもよい。
【００１２】
ケーシングの部品にブロックされた回転防止手段は、ケーシングの部品に摺動部を形成する前記手段に適合する摺動子を形成する手段を含む要素で形成される、少なくとも１つの回転防止ロックを含んでもよく、その要素もまた、ケーシング上で固定手段を含む。これらの固定手段は、この要素がケーシング内に摺動される方向と直角の方向に押されるとホゾがホゾ穴に嵌り込み、それにより前記ブロック手段を形成する、ホゾ穴とホゾのタイプとすることができる。前記要素に隣接するセクタの外側区画の端部の一方は、この隣接セクタが前記要素に接触するように摺動されると、要素が前記直角の方向に押され得るように隙間を有する。
【００１３】
本発明は、添付図面を伴う非限定的な例として提供する以下の説明を読んだ後で、さらによく理解され、他の利点および特別な特徴が明らかになるであろう。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１は、本発明による固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体１、２および３を使用する、ターボ機械のコンプレッサの部分断面図である。これらのガイドベーン組立体は、機能的には同じものである。
【００１５】
さらに詳細に、ガイドベーン組立体１を説明する。ガイドベーン組立体１は、コンプレッサのステータに一体化されてかつセクタ５のような複数セクタを支持する、円形のケーシング４を含む。
【００１６】
セクタ５は、ベーン８によって相互に接続された内側区画７と外側区画６とで構成される。
【００１７】
図２は、セクタ化された固定ガイドベーン組立体１の部分的な分解組み立て図である。例えば、固定ガイドベーン組立体１は、半円の形の２つの部品のケーシングを含む。図２は、このケーシングの部品の一方１１の部分図を示しており、その接合面の一方１８は、ケーシングの他方の部品の対応する接合面に固定される。現在組み立てられている３つのセクタ５が、示されている。セクタ５について、外側区画６、内側区画７、および接続ベーン８を認めることができる。
【００１８】
ケーシングの部品１１は、互いに向かい合って各々が溝を備えた、２つの径方向側部１２と１３を含む。これらの溝は、互いに向かい合って摺動部を形成する。セクタ５の外側区画６のエッジ２１と２２は、外方向に突き出ており、ケーシングの部品１１によって形成される摺動部で自由に摺動する摺動子としてはたらく。
【００１９】
第１のセクタ５をケーシングの部品１１に係合させる前に、回転防止ロックが、ケーシングの部品１１の接合面１８に装着される。これは、図４に示したようなストリップまたはロックであってもよい。
【００２０】
図２はまた、２つのセクタ５の間に配置された回転防止ロック３０をも示している。このロック３０は、図３で斜視図で示される。回転防止ロック３０は、ケーシングの部品１１（図２参照）の２つの側部１２と１３との間に配置された要素３１で形成される。要素３１は、円の円弧の形であり、外側エッジ３２と内側エッジ３３が要素３１につながっている。エッジ３２と３３は、ロック３０がケーシングの部品１１の溝内で摺動できるように構成される。外側エッジ３２は、要素３１の面から突き出したピン３４を含む。同じことが、内側エッジ３３上のピン３５にも当てはまる。
【００２１】
図５および６は、２つのセクタ５の間に回転防止ロック３０を配置する２つのステップを描いている。理解を容易にするために、ケーシングの部品１１の一方の側部だけが示されている。この側部に設けられた溝１４を見ることができる。
【００２２】
図５は、すでに装着された第１のセクタ５（図の左）と、装着工程にある第２のセクタ５（図の右）を示している。これら２つのセクタの間に摺動によって、ロック３０を挿入した。溝１４の高さが、ピン３４をもつロック３０の外側エッジの通過を可能にすることに留意されたい。
【００２３】
要素３０は、第１のセクタ５と接触するまで摺動する。これは、要素３０については、ピン３４が、ケーシングの部品１１に機械加工された切り欠き１５に面するようなケーシングの部品１１に対する相対位置に対応する。そのとき必要となるすべては、ピン３４が、切り欠き１５を貫通して、ロック３０が上昇した位置に留まるように、（図５と６に示す図の場合）ロック３０を上方に押すことである。
【００２４】
その後に第２のセクタ５が、ロック３０に向けて押されることができる。この第２のセクタ５は、外側区画６の部品がロック３０の下を通過するように、ロック３０との接触する端部に隙間２３を有する。
【００２５】
図４に示された接合面の回転防止ロック４０は、図３のロックと同じ方式で装着される。回転防止ロック４０は、ケーシングの部品の２つの側部の間に置かれる要素４１で形成される。要素４１は、外側エッジ４２と内側エッジ４３に続く。外側エッジ４２は、要素４１の面から突き出たピン４４を含む。内側エッジ４３上のピン４５についても同じことが言える。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体を使用する、ターボ機械コンプレッサの部分的断面図である。
【図２】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体の部分的斜視図である。
【図３】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体のためのケーシングの部品の接合面の回転防止ロックの斜視図である。
【図４】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体の２つのセクタ間に置かれた回転防止ロックの斜視図である。
【図５】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体の２つのセクタ間に回転防止ロックを配置する２つのステップを描いた図である。
【図６】本発明による固定式のセクタ化ガイドベーン組立体の２つのセクタ間に回転防止ロックを配置する２つのステップを描いた図である。
【符号の説明】
１、２、３ ガイドベーン組立体
４、１１ ケーシング
５ セクタ
６ 外側区画
７ 内側区画
８ ベーン
１２、１３ 径方向側部
１４ 溝
１５ 切り欠き
２１、２２ エッジ
２３ 隙間
３０、４０ ロック
３１、４１ 要素
３２、４２ 外側エッジ
３３、４３ 内側エッジ
３４、３５、４４、４５ ピン

Claims (10)

1. 各々がベーン（８）によって接続された内側区画（７）と外側区画（６）とから成る円の円弧の形状の複数セクタ（５）と、
   コンプレッサのステータに一体化され、セクタ（５）を互いに接触させて支持する円形ケーシング（４）と、
   ケーシングによって支持されたセクタの回転を防止するように構成された回転防止手段とを含む、ターボ機械のコンプレッサのための固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体であって、
   前記ケーシング（４）が、接合面で互いに接触してかつ互いに固定され、摺動部を形成する手段を含む少なくとも２つの部品（１１）から構成されること、
   前記複数セクタ（５）が、前記ケーシングの前記部品に摺動部を形成する手段に適合する摺動子手段を形成すること、
   回転防止手段が、前記ケーシングの前記部品の前記接合面に取り付け手段によって固定された回転防止手段、およびセクタ間の接触部でロック手段によって前記ケーシングの前記部品にブロックされた回転防止手段を含むことを特徴とする、固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
2. 前記ケーシング（４）が、半円の形の２つの部品（１１）から成ることを特徴とする、請求項１に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
3. 前記ケーシングが、互いに向かい合った２つの径方向側部（１２、１３）を含み、摺動部を形成する前記手段が、側部に形成されて互いに反対を向いた２つの溝（１４）を含み、前記セクタ（５）の前記外側区画（６）のエッジ（２１、２２）が、前記摺動子を形成することを特徴とする、請求項１および２のいずれかに記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
4. 前記接合面に固定された前記回転防止手段が、前記２つの溝の間で前記取り付け手段によって固定され、かつ前記ケーシングにある前記摺動部でのセクタの摺動の停止部を形成する、少なくとも１つのストリップを含むことを特徴とする、請求項３に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
5. 前記接合面に固定された前記回転防止手段が、前記ケーシングの前記部品の摺動部を形成する手段に適合する摺動子（４２、４３）を形成する手段を形成する要素（４１）から成る、少なくとも１つの回転防止ロック（４０）を含み、前記要素が、前記ケーシングへの固定手段（４４、４５）を含むことを特徴とする、請求項３に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
6. 前記固定手段が、ホゾ−ホゾ穴タイプであり、前記要素（４１）が前記ケーシング内で前記要素の摺動方向に対して直角の方向に押されるとき、ホゾがホゾ穴に係合するに至り、それにより前記取り付け手段を形成することを特徴とする、請求項５に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
7. 前記要素（４１）に隣接する前記セクタの前記外側区画の端部の一方の隙間が、前記隣接セクタが摺動して前記要素と接触するとき、前記要素が前記直角方向に押され得るようにされることを特徴とする、請求項６に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
8. 前記ケーシングの前記部品にブロックされた前記回転防止手段が、前記ケーシングの前記部品の摺動部を形成する前記手段に適合する摺動子（３２、３３）を形成する手段を含む要素（３１）によって形成される、少なくとも１つの回転防止ロック（３０）を含み、前記要素も、前記ケーシングへの固定手段（３４、３５）を含むことを特徴とする、請求項３に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
9. 前記固定手段が、ホゾ−ホゾ穴タイプであり、前記要素（３１）が前記ケーシング内で前記要素の前記摺動方向に対して直角の方向に押されるとき、ホゾが前記ホゾ穴に係合し、それにより前記ブロックされた手段を形成することを特徴とする、請求項８に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。
10. 前記要素（３１）に隣接するセクタの前記外側区画の前記端部の一方の前記隙間が、隣接セクタが摺動して前記要素と接触するとき、前記要素が前記直角方向に押され得るようにされることを特徴とする、請求項９に記載の固定式のセクタ化されたガイドベーン組立体。

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