JP4181171B2 - 液封入式防振装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車エンジン等の振動発生体を防振的に支承するのに用いられる液封入式防振装置に関する。
従来、自動車エンジン等の振動発生体を、その振動を車体に伝達させないように支承するマウントとして、液封入式の防振装置が用いられている。かかる液封入式防振装置として、エンジンシェイク振動とエンジンアイドル振動のような異なる2つの周波数域の振動に対して防振効果を得るものとして、2つのオリフィスを備えた液封入式防振装置が知られている。
例えば、下記特許文献1,2には、第1取付部材と、筒状部を有する第2取付部材と、これら取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、第2取付部材の内側で防振基体との間に液体封入室を形成する第1ダイヤフラムと、該液体封入室を主液室と第1副液室とに仕切る仕切部と、該仕切部にあって主液室に対して第2ダイヤフラムにて区画形成される第2副液室と、主液室と第1副液室との間を連通させる第1オリフィスと、第1副液室と第2副液室との間を連通させる第2オリフィスを備える液封入式防振装置が開示されている。
特開2000−230600号公報 特開2004−108460号公報
上記の液封入式防振装置においては、通常の振動入力時には、2つのオリフィスでの液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能が果たされるが、大きな振動が入力したときに、防振装置自体が異音発生源となってこれが車室内に伝達されてしまうことがある。
かかる異音は、液室内でのキャビテーションにより発生するものである。キャビテーションは、防振装置に大きな振動が入力したときに、オリフィスが目詰まりし、これにより主液室内が過度な負圧状態となって、封入された液体の飽和蒸気圧を下回ることで、多数の気泡が発生することにより生じる現象である。そして、このようにして発生した気泡が消滅するときの衝撃音が異音となって外部に伝達されるのである。
このような異音の原因となるキャビテーションは、上記特許文献2に開示のように第2オリフィスが円環状の二重巻き形態をなしている場合に問題となる。すなわち、主液室内の負圧状態を緩和するためには、第2ダイヤフラムを主液室側に撓み変形させることによる第2副液室を介しての圧力緩和が効果的である。しかしながら、上記二重巻き形態の第2オリフィスを持つものでは、オリフィス長が長いため、第1副液室から第2副液室に液体が流入にくいことから、第2ダイヤフラムの撓みとともに第2副液室も負圧状態となる。そのため、第2副液室を介しての主液室の圧力緩和が十分になされず、主液室内でキャビテーションが発生しやすい。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、第1オリフィスとその内側に設けられた二重巻き形態の第2オリフィスとの2つのオリフィスを備えた液封入式防振装置において、キャビテーションによる異音の発生を防止することを目的とする。
本発明に係る液封入式防振装置は、第1取付部材と、筒状部を有する第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体に対向して配され前記筒状部の内側で前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜よりなる第1ダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記第1ダイヤフラム側の第1副液室とに仕切る仕切部と、前記仕切部にあって前記主液室に対してゴム状弾性膜よりなる第2ダイヤフラムにて区画形成される第2副液室と、前記主液室と前記第1副液室との間を連通させる第1オリフィスと、前記第1副液室と前記第2副液室との間を連通させる第2オリフィスを備える液封入式防振装置において、前記第2オリフィスが、前記仕切部内の前記第2副液室の外側に設けられて平面視が円環状の内外二重巻き形態をなし、前記第1オリフィスが、前記第2オリフィスの外側に設けられており、前記仕切部が、前記第1オリフィスを形成する円環状のオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材の内側に一体に設けられるものであって前記第2ダイヤフラムを備えて前記第2副液室を形成するゴム状部材よりなる液室形成部材と、前記オリフィス形成部材と前記液室形成部材の下面に接設されて前記第2副液室と前記第2オリフィスの下方側を閉塞する仕切受板とからなり、前記第2副液室と前記第2オリフィスとの間を画する円環状の内側隔壁が、前記第2ダイヤフラムと一体のゴム状部材よりなり、該内側隔壁が前記仕切受板に対接せしめられるとともに、前記内側隔壁の外径(D)が前記オリフィス形成部材の開口径(D)よりも小さく設定され、これにより前記内側隔壁が内向きに弾性変形して前記第2オリフィスを短絡できるよう構成されたものである。
かかる液封入式防振装置では、過大な振動の入力により主液室内に所定以上の負圧が生じると、主液室に面する第2ダイヤフラムが主液室側に引っ張られるように変位しようとする。その際、上記のように第2オリフィスが二重巻き形態をなしている場合、第2オリフィスのオリフィス長が長いので、第1副液室から第2副液室への液体の補充が困難であり、第2副液室を介しての主液室内の負圧緩和が通常であれば困難である。しかしながら、本発明のものでは、上記内側隔壁の外径とオリフィス部材の開口径との設定により、内側隔壁が内向きに弾性変形して第2オリフィスが短絡されやすくなっている。そのため、第2副液室への液体のより迅速な流動が図られ、それにより第2副液室の圧力が緩和されて、第2ダイヤフラムを介しての主液室側の圧力低下がより緩和されるので(即ち、主液室内の負圧緩和をスムーズに行うことができるので)、主液室内におけるキャビテーションの発生を低減することができる。
本発明の液封入式防振装置においては、前記第2オリフィスの二重巻きの内外通路間の隔壁が、前記内側隔壁と一体のゴム状部材により形成されて前記仕切受板に対接せしめられており、該隔壁内にて前記オリフィス形成部材の内周端部が終端していることが好ましい。これにより、通常の振動入力時における第2オリフィスの機能を確保しつつ、過大な振動入力時におけるキャビテーションに起因する異音の発生を効果的に防止することができる。
本発明の液封入式防振装置は、前記仕切受板に前記第1オリフィスを前記第1副液室に連通させる開口穴が設けられ、該開口穴と前記第2副液室との間を画する堰部が、前記第2ダイヤフラムと一体のゴム状部材により形成されて前記仕切受板に対接せしめられており、該堰部が前記オリフィス形成部材の開口径(D)の内側に設けられていることが好ましい。
このように第1オリフィスの第1副液室側の開口穴と第2副液室との堰部をオリフィス形成部材の開口縁よりも内側に設けることで、主液室内に所定以上の負圧が生じ、第2ダイヤフラムが主液室側に引っ張られるように変位したときに、該堰部を内向きに弾性変形させることができ、これにより、第1副液室から上記第1オリフィス側の開口穴を通じて第2副液室への液体の補充を行うことができる。そのため、オリフィス長の長い第2オリフィスを介さずに、第2副液室への液体補充を可能として、主液室内の負圧緩和を行うことができる。
本発明の液封入式防振装置であると、過大な振動入力時におけるキャビテーションに起因する異音の発生を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置10の縦断面図である。この液封入式防振装置10は、自動車のエンジンを支持し、そのエンジン振動を車体フレームに伝達させないようにするためのエンジンマウントであり、エンジン側に取り付けられる上側の第1取付部材12と、車体フレーム側に取り付けられる下側の第2取付部材14と、これら取付部材12,14の間に介設されて両者を結合するゴム弾性体からなる防振基体16とを備えている。
第1取付部材12は、金属等の剛性材料よりなり、第2取付部材14の軸心部上方に配されている。第1取付部材12の上面にはボルト穴18が設けられ、このボルト穴18に対し、不図示のエンジン側部材が締結固定されるようになっている。
第2取付部材14は、金属等の剛性材料より有底筒状に形成されている。この例では、第2取付部材14は、防振基体16が加硫接着される筒状部20と、その下端開口部に取付けられる椀状の底部材22とからなり、底部材22の底部にボルト24が突設され、このボルト24で不図示の車体フレーム側部材に固定されるようになっている。
防振基体16は、外形形状が略裁頭円錐形状をなしており、その上部に第1取付部材12が埋設され、下端部に筒状部20の上端部内周面が加硫接着されている。
第2取付金具14の内部には、防振基体16に対向して可撓性のゴム膜よりなる第1ダイヤフラム26が設けられており、該第1ダイヤフラム26は筒状部20の下端開口部に取着されている。また、筒状部20の内周には、防振基体16と一体に形成されたゴム層28を介して仕切部30が嵌着されている。こうして防振基体16と第1ダイヤフラム26との間の内室が、水やエチレングリコール等の非圧縮性液体の封入された液体封入室32として形成されるとともに、この液体封入室32が、仕切部30によって、防振基体16が室壁の一部をなす上側の主液室34と、第1ダイヤフラム26が室壁の一部をなす下側の第1副液室36とに仕切り構成されている。また、第1ダイヤフラム26と底部材22との間が空気室38として形成されている。
仕切部30は、主液室34に対してゴム膜よりなる第2ダイヤフラム40にて区画形成される第2副液室42と、主液室34と第1副液室36との間を連通させる液体流路である第1オリフィス44と、第1副液室36と第2副液室42との間を連通させる液体流路である第2オリフィス46を備えている。
図2,4に示すように、第2副液室42は、円盤状をなす仕切部30の中央部において平面視が該仕切部30と同心の円形状に形成されている。そして、該第2副液室42の外側に、平面視が円環状の内外二重巻き形態をなす第2オリフィス46が設けられ、更に、該第2オリフィス46の外側に、平面視が円環の一部にて形成される円弧状の形態をなす第1オリフィス44が設けられている。
仕切部30は、第1オリフィス44を形成する円環状のオリフィス形成部材48と、その内側中央部において第2ダイヤフラム40を備えて第2副液室42を形成するゴム状部材よりなる液室形成部材50と、これらオリフィス形成部材48と液室形成部材50の下面に接設されて第2副液室42と第2オリフィス46の下方側を閉塞する仕切受板52とで構成されている。
図1〜3に示すように、オリフィス形成部材48は、樹脂又はアルミニウム等の剛性材料からなり、その外周面には円環状に略一周する(円弧状の)凹溝54が設けられ、該オリフィス形成部材48を上記筒状部20の内周に嵌着されることにより、凹溝54とゴム層28との間で上記第1オリフィス44が形成されている。オリフィス形成部材48は、第1オリフィス44とその内側の第2オリフィス46との間を画する円環状の外側隔壁56を備えるとともに、この外側隔壁56の内周面上端部から内向きフランジ状に突出する上板部58と、該上板部58の内周端より下向きに突出する凸部60とを備えてなる(図3参照)。
液室形成部材50は、オリフィス形成部材48の内周端部48Aである上板部58の内端に加硫接着により一体に設けられており、上記第2ダイヤフラム40と、該第2ダイヤフラム40の周縁部から下方に突出形成されるものであって第2ダイヤフラム40とともに上記第2副液室42を形成するための下方に開口する凹陥部を形成する円環状の内側隔壁62とを備えてなる。図1,3に示すように、第2ダイヤフラム40は、第2副液室42側に向かって凸の湾曲面状に形成されており、これにより、上方への撓み変形を可能にして、第2オリフィス46での液流動効果を発揮させるとともに、主液室34の負圧時における圧力緩和機能を発揮するように構成されている。
内側隔壁62は、第2副液室42とその外側の第2オリフィス46との間を画する壁部であり、仕切受板52の上面に押圧状態に対接されて第2副液室42と第2オリフィス46との間をシールしている。図2,3に示すように、この実施形態では、内側隔壁62の下端面に周方向に延びるシール用突条64が設けられて、上記シール性を高めている。
内側隔壁62の外側には、第2オリフィス46の二重巻きの内外通路46A,46B間を画する円環状の隔壁66が設けられており、この隔壁66は、内側隔壁62と一体のゴム状部材により形成されている。隔壁66は、仕切受板52の上面に押圧状態に対接されて第2オリフィス46の内外通路46A,46B間をシールしており、図2,3に示すように、この実施形態では、隔壁66の下端面に周方向に延びるシール用突条68が設けられて、上記シール性を高めている。
仕切受板52は、金属等の剛性材料からなる円板状部材であり、その周縁部にはフランジ69が設けられて、このフランジ69が、第1ダイヤフラム26の周縁部の補助金具27とともに、第2取付部材14の筒状部20と底部材22とのかしめ結合部21に固定されている。
上記第1オリフィス44は、オリフィス形成部材48の外周部上面に設けた開口70(図4参照)を介して主液室34と連通しており、また、仕切受板52に設けられた円形の開口穴72を介して第1副液室36に連通している。上記第2オリフィス46は、内側隔壁62の周上の一箇所に設けられた開口74を介して第2副液室42に連通しており、また、仕切受板52に設けられた円形の開口穴76を介して第1副液室36に連通している。図1,4から明らかなように、両オリフィス44,46は、第2オリフィス46の方が断面積が大きく、かつ、オリフィス長が長く設定されている。また、図4に示すように、第1副液室36への連通部においては、第1オリフィス44側の開口穴72の方が第2オリフィス46側の開口穴76よりも開口面積が大きく設定されている。
以上の構成において、本実施形態では更に、内側隔壁62の外径D、即ち内側隔壁62の外周面での直径が、オリフィス形成部材48の開口径D、即ちオリフィス形成部材48の中央の開口部の直径よりも小さく設定されている。従って、内側隔壁62は、平面視において、オリフィス形成部材48の開口部の内側に完全に収まっており、該開口部からはみ出した部分がないように構成されている。なお、図2に示すように、内側隔壁62とオリフィス形成部材48の開口部とは、ともに第2副液室42と同心状、即ち共通の中心Oを持つように形成されている。
より詳細には、本実施形態では、オリフィス形成部材48の開口部を形成する内周端部48Aが、図1,3に示すように、第2オリフィス46の上記内外通路間の隔壁66内にて終端しており、該隔壁66よりも内側の液室形成部材50内にはオリフィス形成部材48が埋設されていない。そして、隔壁66には、上記内周端部48Aに設けられた下向きの凸部60が埋設されて補強されている。
また、図1,4に示すように、第1オリフィス44を第1副液室36に連通させる開口穴72と、その内側に設けられた第2副液室42との間を画する遮断部としての堰部78が、第2ダイヤフラム40と一体のゴム状部材により形成されている。この堰部78は、仕切受板52の上面に押圧状態に対接されて、開口穴72が設けられた仕切部30内の空間部80と第2副液室42との間をシールしている。
そして、この堰部78は、図2に示すように、オリフィス形成部材48の開口径Dよりも内側に設けられている。すなわち、オリフィス形成部材48の開口部を規定する円48Bの内側に堰部78が設けられており、第2副液室42の中心Oから堰部78の外側面78Aまでの距離Cが上記開口径Dの半径よりも小さく設定されている(C<D/2)。この実施形態では、堰部78は、開口穴72側の外側面78Aが、平面視にて内向きに凸の円弧状に形成されており、最も肉厚が薄い部分78Bにて上記円48Bの内側に位置するように構成されている。
以上よりなる本実施形態の液封入式防振装置10であると、通常の振動入力時、即ち主液室34内での負圧が小さいときには、上記内側隔壁62及び堰部78と仕切受板52との間のシール性が保持されて、2つのオリフィス44,46での液流動による液柱共振作用や防振基体の制振効果により、振動減衰機能と振動絶縁機能が果たされる。
特に本実施形態のものでは、エンジンアイドル振動のうち、5Hz前後のエンジンの回転0.5次振動に対しては、主液室34内の液体を第1オリフィス44を介して第1副液室36側へ流動させることにより、第1オリフィス44内における液体の流動抵抗によって減衰力を発揮させ、当該振動が制振される。また、エンジンアイドル振動のうち、15Hz前後のエンジンローリング振動に対しては、第2ダイヤフラム40の作動により第2副液室42内の液体を第2オリフィス46を介して第1副液室36側へ流動させることにより、その流動作用によって減衰力が得られ、当該振動が制振される。更に、車両走行中の10〜15Hzのエンジンシェイク振動に関しては、上記第2オリフィス46内の液体の流動作用による減衰力により制振される。このように通常の振動入力時には、各オリフィス44,46の液流動作用により振動が抑え込まれる。
一方、エンジンの始動時や悪路走行時などにおいて、防振装置に過大な振動が入力すると、両オリフィス44,46が目詰まりした状態となり、主液室34内に所定以上の負圧が生じる。これにより、主液室34に面する第2ダイヤフラム40が、主液室34側に引っ張られるように変位しようとする。その際、上記構成を持つ本実施形態によれば、図5に示すように内側隔壁62が内向きに弾性変形して、矢印Lで示すように内側隔壁62の下方を通って第2オリフィス46から第2副液室42に液体が流動(リーク)する。これにより、第2副液室42の圧力緩和がなされるので、第2ダイヤフラム40を介して第2副液室42と区画されている主液室34内において急激な圧力低下が緩和され、主液室34内におけるキャビテーションの発生を抑制することができる。ここで、上記所定以上の負圧として設定される負圧は、主液室34にキャビテーションが発生するときの負圧よりも小さな負圧(絶対値が小さな負圧)であることが好ましい。
特に、本実施形態では、オリフィス形成部材48の内周端部48Aが第2オリフィス46の内外通路間の隔壁66内で終端しているので、内側隔壁62が内向きに弾性変形しやすく、よって、主液室34内におけるキャビテーションの抑制効果に優れる。
また、本実施形態では、第1オリフィス44の第1副液室36側の開口穴72と第2副液室42との間を画する堰部78をオリフィス形成部材48の開口縁よりも内側に設けたので、主液室34内に所定以上の負圧が生じ、第2ダイヤフラム40が主液室34側に引っ張られるように変位したときに、該堰部78を、上記内側隔壁62と同様に、内向きに弾性変形させることもできる。これにより、第1副液室36から第1オリフィス44側の開口穴72を通じて第2副液室42への液体の補充を行うことができるので、オリフィス長の長い第2オリフィス46を介さずに、第2副液室42への液体補充を可能として、主液室34内の負圧緩和を行うことができる。
特に、本実施形態では、第2オリフィス46側の開口穴76が第1オリフィス44側の開口穴72よりも小さく形成されているため、該開口穴76を通っての第2副液室42への液体の補充は困難である。そのため、開口面積の大きな第1オリフィス44側の開口穴72から上記堰部78の変形により第2副液室42に液体を流動させることで、より効果的に主液室34内の負圧緩和を行うことができる。
以上より、本実施形態であると、二重巻き形態の第2オリフィス46を有するダブルオリフィスタイプの液封入式防振装置10でありながら、過大な振動入力時におけるキャビテーションに起因する異音の発生を防止することができる。
本発明の液封入式防振装置であると、通常の振動入力時における防振性能を確保しつつ、過大な振動入力時におけるキャビテーションに起因する異音の発生を抑制することができるので、自動車のエンジンマウントやボディマウントなどの各種の車両用の防振装置として好適に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る液封入式防振装置の縦断面図である。 同防振装置の仕切部(仕切受板は省略)の底面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 同防振装置の作用時の要部拡大断面図である。
符号の説明
10…液封入式防振装置、12…第1取付部材、14…第2取付部材、16…防振基体、20…筒状部、26…第1ダイヤフラム、30…仕切部、32…液体封入室、34…主液室、36…第1副液室、40…第2ダイヤフラム、42…第2副液室、44…第1オリフィス、46…第2オリフィス、46A…内側通路、46B…外側通路、48…オリフィス形成部材、48A…内周端部、50…液室形成部材、52…仕切受板、62…内側隔壁、66…内外通路間の隔壁、72…開口穴、78…堰部、D…内側隔壁の外径、D…オリフィス形成部材の開口径

Claims (3)

  1. 第1取付部材と、筒状部を有する第2取付部材と、前記第1取付部材と前記第2取付部材の間に介設されて両取付部材を結合するゴム状弾性体からなる防振基体と、前記防振基体に対向して配され前記筒状部の内側で前記防振基体との間に液体封入室を形成するゴム状弾性膜よりなる第1ダイヤフラムと、前記液体封入室を前記防振基体側の主液室と前記第1ダイヤフラム側の第1副液室とに仕切る仕切部と、前記仕切部にあって前記主液室に対してゴム状弾性膜よりなる第2ダイヤフラムにて区画形成される第2副液室と、前記主液室と前記第1副液室との間を連通させる第1オリフィスと、前記第1副液室と前記第2副液室との間を連通させる第2オリフィスを備える液封入式防振装置において、
    前記第2オリフィスが、前記仕切部内の前記第2副液室の外側に設けられて平面視が円環状の内外二重巻き形態をなし、前記第1オリフィスが、前記第2オリフィスの外側に設けられており、
    前記仕切部が、前記第1オリフィスを形成する円環状のオリフィス形成部材と、該オリフィス形成部材の内側に一体に設けられるものであって前記第2ダイヤフラムを備えて前記第2副液室を形成するゴム状部材よりなる液室形成部材と、前記オリフィス形成部材と前記液室形成部材の下面に接設されて前記第2副液室と前記第2オリフィスの下方側を閉塞する仕切受板とからなり、
    前記第2副液室と前記第2オリフィスとの間を画する円環状の内側隔壁が、前記第2ダイヤフラムと一体のゴム状部材よりなり、該内側隔壁が前記仕切受板に対接せしめられるとともに、前記内側隔壁の外径(D)が前記オリフィス形成部材の開口径(D)よりも小さく設定され、これにより前記内側隔壁が内向きに弾性変形して前記第2オリフィスを短絡できるよう構成されたことを特徴とする液封入式防振装置。
  2. 前記第2オリフィスの二重巻きの内外通路間の隔壁が、前記内側隔壁と一体のゴム状部材により形成されて前記仕切受板に対接せしめられており、該隔壁内にて前記オリフィス形成部材の内周端部が終端していることを特徴とする請求項1記載の液封入式防振装置。
  3. 前記仕切受板に前記第1オリフィスを前記第1副液室に連通させる開口穴が設けられ、該開口穴と前記第2副液室との間を画する堰部が、前記第2ダイヤフラムと一体のゴム状部材により形成されて前記仕切受板に対接せしめられており、該堰部が前記オリフィス形成部材の開口径(D)の内側に設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載の液封入式防振装置。
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