JP4180732B2 - 粉体化粧料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粉体化粧料に関するものであり、更に詳細には、皮脂の濡れによる化粧膜の色変りや、皺やキメへ化粧料が落ち込まず、優れた化粧効果の持続性と滑らかな使用感を兼ね備える、粉体化粧料を提供することを目的とするものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、粉体化粧料においては、化粧効果の持続性を向上させる為に、汗や皮脂を吸収する粉体を配合する技術、肌への付着性が高い油剤を添加ペーストとして配合したり、粉体に予め処理して配合する技術、汗や皮脂で粉体が濡れないよう、粉体にシリコーン化合物やフッ素化合物等で撥水性の処理を施して配合する技術等が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、汗や皮脂を吸収し易い粉体、即ち比表面積が高く、吸油量の大きい粉体の配合は、感触が粉っぽくなったり、肌がかさついたりする弊害があった。また、肌への付着性の高い油剤を添加ペーストとして配合したり、粉体に処理して配合したものは、展延時の感触が重くなることがあり、特に、プレスドタイプの粉体化粧料の場合は、ケーキングの原因となる場合があった。そして、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン化合物で粉体表面を撥水処理して配合する技術は、撥水性は確保でき、汗や水による化粧崩れに対しては改善されるが、皮脂に対する濡れ、すなわち撥油性が充分でなく、経時的な化粧膜の色変わりが発生したり、粉体が皺やキメへのヨレ、落ち込み等を防止することができなかった。
【0004】
更に、粉体をパーフルオロアルキルリン酸エステル及びその塩等のフッ素化合物で処理して配合する技術は、撥水・撥油性が期待でき、汗や皮脂が粉体を濡らすことに起因する化粧持続性の悪化に対しては効果がある。しかしながら、その撥水・撥油性に基づく効果を充分に発揮するためには、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基が必要になる。その場合、粉体表面に処理される化合物は固体状を呈し、非常に低い界面張力を有するため、肌への付着性が低下し使用性が悪化したり、滑らかさが失われる場合があった。従って、充分な化粧効果の持続性と滑らかな使用感を兼ね備えた粉体化粧料の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる事情に鑑み、本発明者は、鋭意研究を行った結果、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸エステル及び/又はその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸エステル及び/又はその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及び/又はその塩から選択される、分子量が300以上であるパーフルオロポリエーテル基を有する、一種又は二種以上の化合物で表面を処理した化粧料用粉体と、分子内に親水性セグメント及びオルガノポリシロキサンセグメントを含む、両親媒性シリコーン化合物とを組み合わせて、粉体化粧料を製すれば、充分な化粧効果の持続性と、良好な使用感を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(a)及び(b);
(a)分子量が300以上であり、パーフルオロポリエーテル基を有するパー
フルオロポリエーテルアルキルリン酸エステル及び/又はその塩の一種又は
二種以上で表面を処理した化粧料用粉体
(b)分子内に親水性セグメント及びオルガノポリシロキサンセグメントを含有
する、両親媒性シリコーン化合物
を含有することを特徴とする粉体化粧料を提供するものである。
【0007】
【本発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の成分(a)の化粧料用粉体は、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物にて表面処理されるものであり、この特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、特開平8−133928号公報等に記載されているものが例示されるものである。特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物とは、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及び/又はその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸エステル及び/又はその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩から選択される。これらの化合物はパーフルオロポリエーテル基を含有し、且つ粉体表面と親和性を持つためのリン酸基及び硫酸基及びカルボキシル基から選択される極性基を有するものである。また、パーフルオロポリエーテル基とは、パーフルオロアルキレン又はパーフルオロアルキルと結合しているエーテル酸素が少なくとも2つ以上有する基をいうこととする。従って、本発明に係るパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩には、特開平5−39209号公報及び特開平5−58841号公報に記載しているエーテル酸素を1つしか持たないパーフルオロオキシアルキル基を含有する化合物は含まれない。パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、好ましくは500以上であり、好ましい上限は、概ね7000程度である。300未満では、撥水・撥油性の付与を充分に行うことができず、本発明の効果を発現することが困難である。
【0008】
パーフルオロポリエーテル部分を構成する好ましいパーフルオロオキシアルキレン基には、例えばパーフルオロオキシメチレン基、パーフルオロオキシエチレン基、パーフルオロオキシイソプロピレン基、パーフルオロオキシn−プロピレン基等が挙げられる。これらから少なくとも1種以上が選択され且つ重合してパーフルオロポリエーテル基を構成する。
この中で、特に好ましいパーフルオロポリエーテル基は下記一般式(1)、(2)で表わされる基である
【0009】
【化1】
Figure 0004180732
【0010】
【化2】
Figure 0004180732
(但し、分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、l、mは0以上の整数を示し、nは1以上の整数を示し、l=m≠0であり、l/n=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜20であり、Xは同一又は異なっても良く、F又はCF3である。)
【0011】
尚、パーフルオロポリエーテル基が2種以上のパーフルオロオキシアルキレン基を含有する場合において、それぞれ同種のものが連続重合している場合に限られず、ランダム重合或いはブロック重合でも構わない。
【0012】
更に、本発明に係るパーフルオロポリエーテル基を有する化合物と化粧料用粉体との固着力の観点から、前記化合物から化粧料用粉体との親和性を有する極性基が容易に離脱しないことが必要であり、そのために前記化合物には、少なくとも1つ以上のオキシアルキレン基を含むことが好ましく、より好ましくは、1〜2つである。3つ以上のオキシアルキレン基が存在すると前記化合物の撥水・撥油性が劣ったものとなる。同様に固着力の点で、オキシアルキレン基に加え、更に、アルキレン基を含ませてもよい。アルキレン基の好ましい炭素数は2つ以下である。
【0013】
上記のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物は、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキル硫酸及びその塩、パーフルオロポリエーテルアルキルカルボン酸及びその塩が挙げられるが、中でも好ましくはパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸又はその塩である。より好ましくは下記一般式(3)、(4)で表わされる化合物又は、そのジエタノールアミン塩である。
【0014】
【化3】
Figure 0004180732
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好ましくは500以上であり、v/z=1〜100であり、より好ましくは20〜40であり、aは1〜10であり、dは0〜2であり、qは1又は2であり、rは1〜2であり、XはF又はCF3である。)
【0015】
【化4】
Figure 0004180732
(但し、パーフルオロポリエーテル基の分子量は300以上であり、より好まし
くは500以上であり、m/n=0.1〜50であり、より好ましくは0.2〜
20であり、rは1〜2であり、qは1又は2である。)
【0016】
化粧料用粉体の表面をパーフルオロポリエーテル基を有する化合物で表面処理する方法は、特に制限されず、通常の粉体表面処理方法を適用することができる。例えば、パーフルオロポリエーテル基を有する化合物を溶剤(有機媒体あるいは極性溶媒)に溶解または分散し、粉体と混合し、その後溶剤を除去、乾燥することによって容易に表面処理粉体を得ることができる。
尚、上記処理後、粉体にパーフルオロポリエーテル基を有する化合物をより強く吸着させるために、高温で焼き付けても良い。また、表面処理にあっては粉体を同時に二種以上混合して処理することもできる。
【0017】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のフッ素系化合物、ジオルガノポリシロキサン、オルガノハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン系化合物、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、金属セッケン、高級脂肪酸、高級アルコール、炭化水素、エステル、油脂、アミノ酸誘導体等の公知の表面処理剤で同時に又は多重の処理をしてもよい。多重の処理を行う場合、公知の表面処理とパーフルオロポリエーテル基を有する化合物による処理の順序は問わない。
【0018】
パーフルオロポリエーテル基を有する化合物による処理量は、その種類によって異なるが、好ましくは粉体の0.01〜10重量%(以下、単に「%」と略す)、より好ましくは0.1〜7%が好ましい。処理量がこの範囲であれば充分な化粧持続性と良好な使用感の両立が可能である。
【0019】
パーフルオロポリエーテル基を有する化合物によって処理される化粧料用粉体は、通常、化粧料に配合できる粉体であれば、その種類は問わず、具体的に例示すれば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、黒酸化チタン、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、白雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、合成雲母、絹雲母(セリサイト)、カオリン、ベントナイト、無水ケイ酸、酸化アルミニウム、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の光輝性粉体、ポリアミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、セルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン樹脂等の有機高分子樹脂粉体、澱粉、シルク粉末、セルロース粉末等の天然有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体を挙げることができ、粉体の粒子径及び粒子形状は問わない。
【0020】
本発明の粉体化粧料において、特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物により処理された化粧料用粉体は、粉体表面に処理される化合物が固体にはならない為、使用感が良好で肌への付着性にも優れている。同時に撥水撥油性も優れている為、化粧効果の持続性が高い粉体化粧料を製することができる。
【0021】
本発明の粉体化粧料において、成分(a)特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物により処理された化粧料用粉体の含有量は、粉体の種類によっても異なるが、全組成中5〜99.5%であり、好ましくは10〜90%配合である。この範囲で用いると化粧効果の持続性と感触が、より良好である。
【0022】
本発明の粉体化粧料は、成分(a)特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物により処理された化粧料用粉体を粉体成分として、必須に含有して製する。他の粉体成分については、本発明の効果を妨げないためにも、予め油剤等で処理した粉体成分を配合することが好ましいが、特に限定されるものではなく、未処理の粉体成分の配合も可能である。
【0023】
本発明に用いられる成分(b)の両親媒性シリコーン化合物は、分子内に親水性セグメント及びオルガノポリシロキサンセグメントを有するシリコーン誘導体であり、オルガノポリシロキサンの側鎖部及び/又は末端部に親水性セグメントを有するものである。親水性セグメントを例示すれば、アミノ基(−NH、−NHRNH)、水酸基(−OH)、カルボキシル基(−COOH)、ポリオキシアルキレン基〔−(OR)n−〕等が挙げられる。
【0024】
本発明に使用される両親媒性シリコーン化合物をより具体的に例示すれば、アミノ変性オルガノポリシロキサン(−NH側鎖タイプ)としてKF−864、KF−865、KF−868、KF−8003(何れも、信越化学工業株式会社製)、アミノ変性オルガノポリシロキサン(−NH両末端タイプ)としてKF−8012、X−22−161A、X−22−161B、X−22−161AS(同上)、アミノ変性オルガノポリシロキサン(−NHRNH側鎖タイプ)としてKF−860、KF−861、KF−880、KF−8002、KF−8004、KF−8005、KF−858(同上)、カルビノール変性オルガノポリシロキサン(側鎖タイプ)としてX−22−4015(同上)、カルビノール変性オルガノポリシロキサン(両末端タイプ)としてKF−6001、KF−6002、KF−6003、X−22−160AS(同上)、カルボキシ変性オルガノポリシロキサン(側鎖タイプ)としてX−22−3701E(同上)、カルボキシ変性オルガノポリシロキサン(両末端タイプ)としてX−22−162A、X−22−162C(同上)、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(側鎖タイプ)としてKF−6011、KF6012、KF−6013、KF−6015、KF−6016、KF−6017(同上)、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン(両末端タイプ)としてX−22−4991(同上)、ポリオキシアルキレン・アルキル共変性オルガノポリシロキサン(側鎖タイプ)として、ABIL EM−90(ゴールドシュミット社製)等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることができる。
【0025】
これらの両親媒性シリコーン化合物は、いずれも本発明に好適に使用できるが、特に好ましいものとしては、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン及び下記一般式(5)、(6)、(7)で示される、(ポリ)グリセリン変性オルガノポリシロキサンである。
【0026】
【化5】
Figure 0004180732
【0027】
【化6】
Figure 0004180732
【0028】
【化7】
Figure 0004180732
【0029】
〔式中、Raは互いに異なっても良い炭素数1〜6の一価の炭化水素又はハロゲン原子で一部若しくは、全ての水素原子が置換された炭化水素、aは0、1若しくは2、n、mは、1以上200以下の整数、Xは互いに異なっても良い下記一般式(8)及び(9)で表される基〕
【0030】
【化8】
Figure 0004180732
【0031】
【化9】
Figure 0004180732
【0032】
〔式中、Rbは途中を酸素原子で遮断されても良い二価の炭化水素基、pは1〜20の整数を表す。〕
【0033】
成分(b)の両親媒性シリコーン化合物は、親水性セグメント部分とオルガノポリシロキサンセグメント部分が分子中に占める割合によって、水に対する溶解性が変化する。本発明の粉体化粧料には、水に対する溶性の如何を問わずに両親媒性シリコーン化合物を配合することができるが、盛夏用の粉体化粧料のような高い耐水性を要求される化粧料においては、水に不溶性の両親媒性シリコーン化合物を含有することが好ましい。また、性状においては肌への付着性を減じないために液状であることが好ましいが、特に限定されるものではない。
【0034】
本発明の粉体化粧料において、成分(b)の両親媒性シリコーン化合物は、成分(a)の特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物により処理された化粧料用粉体でもたらされる、高い化粧効果の持続性を更に向上させる働きをする。
【0035】
本発明の粉体化粧料において、成分(b)の両親媒性シリコーン化合物の含有量は、両親媒性のシリコーン化合物の種類によっても異なるが、化粧料中0.2〜10%であり、好ましくは0.5〜5%である。この範囲で用いると化粧効果の持続性と使用感が良好である。
【0036】
本発明の粉体化粧料において、成分(b)の両親媒性シリコーン化合物の配合方法は、粉体化粧料の製造において一般的に使用される添加ペーストと混合して配合することが可能であるが、粉体に予め分散したり、表面処理したりして配合する等の配合方法も可能であるが、特に限定されるものではない。
【0037】
本発明の粉体化粧料は、成分(a)の特定のパーフルオロポリエーテル基を有する化合物により処理された化粧料用粉体と成分(b)の両親媒性シリコーン化合物とを必須に含有して製するが、その製造方法は従来公知のいかなる方法でも製造することが可能であり、プレス成型工程の有無も問うものではない。
【0038】
本発明の粉体化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で、通常、化粧料に配合可能な成分を配合することができる。例示すれば、多価アルコール、糖類、糖誘導体、アミノ酸、アミノ酸誘導体、塩類等の保湿剤、安息香酸、パラオキシ安息香酸エステル等の防腐剤、ビタミンE誘導体等の酸化防止剤、PABA誘導体類、桂皮酸誘導体類、オキシベンゾン類、ベンゾイルメタン誘導体等の紫外線吸収剤、植物抽出エキス等の美肌成分、香料、保香剤、ワックス微粉末等の結合剤等が挙げられる。
【0039】
本発明の粉体化粧料は、プレス状、粉末状のいずれでも良く、その用途としては、ファンデーション、白粉、日焼け止め、フェイスカラー、アイシャドウ、アイブロウ等が挙げられるが、特にファンデーション、アイシャドウが本発明の効果が発揮されやすい化粧料である。
【0040】
【実施例】
次に実施例を挙げて更に説明する。尚これらは、本発明を何等限定するものではない。
【0041】
製造例1:パーフルオロポリエーテル化合物処理粉体
ビーカーに2−プロパノールを500gと下記一般式(10)に示すパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸5gを入れ、攪拌しながら化粧料用粉体95gを添加する。室温で十分攪拌した後、80℃にて1時間混合後、減圧乾燥し、パーフルオロポリエーテル化合物5%処理粉体を得た。
【0042】
【化10】
Figure 0004180732
【0043】
製造例2:パーフルオロポリエーテル化合物処理粉体
ビーカーに水500mlを入れ、攪拌しながら化粧料用粉体48.75gを入れ室温にて充分攪拌する。この粉体分散液に、下記一般式(11)に示すパーフルオロポリエーテルアルキルリン酸ジエタノールアミン塩20%水溶液6.25gを徐々に添加し、添加後3時間攪拌混合を行った。塩酸にて中和した後、吸引濾過を行い、乾燥してパーフルオロポリエーテル化合物2.5%処理粉体を得た。
【0044】
【化11】
Figure 0004180732
(式中、v/z=24.1、パーフルオロポリエーテルアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の平均分子量は1195であり、パーフルオロポリエーテル基の平均分子量は791である。)
【0045】
製造比較例1:2%シリコーン処理粉体
万能攪拌機に酢酸エチル1000mlを入れ、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:シリコンKF−99−P、信越化学社製)を10g入れ溶解する。そこに化粧料用粉体490gを入れ、室温で充分攪拌後、加温し減圧乾燥する。更に130℃にて3時間撹拌混合し、焼き付けを行い、2%シリコーン処理粉体を得た。
【0046】
製造比較例2:パーフルオロアルキル化合物5%処理粉体
ビーカーに水500mlを入れ、攪拌しながら化粧料用粉体95gを入れ、室温で充分攪拌した。この粉体分散液に、攪拌しながら下記一般式(12)に示すパーフルオロアルキルリン酸ジエタノールアミン塩の20%水溶液25gを徐々に添加し、添加後1時間半攪拌を行った。酸で中和した後、吸引瀘過を行い、乾燥してパーフルオロアルキル化合物5%処理粉体を得た。
【0047】
【化12】
Figure 0004180732
〔式中、m、nは、それぞれ、m=6〜8、2>=n=>1、平均分子量は954であり、パーフルオロアルキル基の平均分子量は619である。〕
【0048】
実施例1〜7及び比較例1〜4:プレスドファンデーション
表1及び表2に示す処方のプレスドファンデーションを調製し、「滑らかな伸び広がり」、「皺へのキメ落ちやヨレの無さ」、「化粧膜の色変わりの無さ」、「化粧効果の持続性」の各項目を下記に示す評価・判定方法に従って評価し、結果を表1及び表2に併せて示した。
【0049】
【表1】
Figure 0004180732
【0050】
【表2】
Figure 0004180732
【0051】
調製方法
A:成分1〜38を分散混合する。
B:成分39〜49を加温し、均一混合する。
C:AにBを添加して混合、粉砕後、金皿に圧縮成型して、プレスドファンデーションを得た。
【0052】
評価・判定方法
実施例及び比較例のプレスドファンデションを10名の官能検査パネルに使用してもらい、「滑らかな伸び広がり」、「皺へのキメ落ちやヨレの無さ」、「化粧膜の色変わりの無さ」、「化粧効果の持続性」の各項目を、下記の7段階(0〜6)絶対評価基準(A)に従って、評点を付け、パネル全員の評点の平均点を更に4段階判定基準(B)に従って、評価・判定した。
【0053】
7段階絶対評価基準(A)
評 価 評 点
非常に良い : 6
良い : 5
やや良い : 4
普通 : 3
やや悪い : 2
悪い : 1
非常に悪い : 0
【0054】
4段階判定基準(B)
Figure 0004180732
【0055】
表1及び表2の結果から明らかなように、本発明に係わる実施例1〜7のプレスドファンデーションは、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。それに対し、比較例1〜4のプレスドファンデーションは、全ての項目を満足するものは得られなかった。
【0056】
Figure 0004180732
※注5:シリコンKF6015(信越化学工業社製)
【0057】
(調製方法)
A:成分1〜6を混合する。
B:成分7〜12を均一に混合する。
C:AにBを加え混合、粉砕後、樹脂皿に圧縮成形してプレスドアイシャドウを得た。
実施例8のプレスドアイシャドウは、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。
【0058】
Figure 0004180732
※注6:ペミュレンTR−1(BFグッドリッチ社製)
注7:シリコンKF6011(信越化学工業社製)
【0059】
(調製方法)
A:成分1〜7を混合する。
B:成分8〜13を加熱し、均一に混合する。
C:AにBを加え混合、粉砕後、樹脂皿に圧縮成形してプレスドアイブロウ
を得た。
実施例9のプレスドアイブロウは、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。
【0060】
Figure 0004180732
※注8:製造例1と同様に、パーフルオロポリエーテル化合物の配合量を1%にして処理した。
注9:製造例1と同様に、パーフルオロポリエーテル化合物の配合量を4%にして処理した。
【0061】
(調製方法)
A:成分1〜8を混合する。
B:成分9〜14を均一に溶解する。
C:AにBを加え混合、粉砕後、樹脂皿に圧縮成形してプレスドフェイスカラーを得た。
実施例10のプレスドフェイスカラーは、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。
【0062】
Figure 0004180732
※注10:製造例1と同様に、パーフルオロポリエーテル化合物の処理量が2%になるように処理した。
注11:アミホープLL(味の素社製)
【0063】
(調製方法)
A:成分1〜8を混合する。
B:成分9〜13を均一に混合する。
C:AにBを加え混合、粉砕後、容器に充填して粉末状白粉を得た。
実施例11の粉末状白粉は、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。
【0064】
【発明の効果】
本発明の粉体化粧料は、滑らかな伸び広がりの使用感触を有し、化粧料が皺やキメへ落ち込むことなく、ヨレも発生しない良好な仕上がり感で、経時的な化粧膜の色変わりを生じることなく、化粧効果の持続性に優れたものであった。

Claims (3)

  1. 次の成分(a)及び(b);
    (a)分子量が300以上であり、パーフルオロポリエーテル基を有するパーフルオ
    ロポリエーテルアルキルリン酸エステル及び/又はその塩の一種又は二種以上
    で表面を処理した化粧料用粉体
    (b)ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン、長鎖アルキル基含有ポ
    リオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン及び下記一般式(5)、(6
    )、(7)で示される(ポリ)グリセリン変性オルガノポリシロキサンより
    なる群から選ばれた1種または2種以上の両親媒性シリコーン化合物
    を含有することを特徴とする粉体化粧料。
    Figure 0004180732
    Figure 0004180732
    Figure 0004180732
    〔式中、Raは互いに異なっても良い炭素数1〜6の一価の炭化水素基又はハロゲン原子で一部若しくは、全ての水素原子が置換された炭化水素基、aは0、1若しくは2、n、mは、1以上200以下の整数、Xは互いに異なっても良い下記一般式(8)及び(9)で表される基〕
    Figure 0004180732
    Figure 0004180732
    〔式中、Rbは途中を酸素原子で遮断されても良い二価の炭化水素基、pは1〜20の整数を表す。〕
  2. 成分(b)が、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン及び/又は長鎖アルキル基含有ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサンである、請求項1記載の粉体化粧料。
  3. 成分(b)が、ポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサン及び前記一般式(5)、(6)、(7)で示される(ポリ)グリセリン変性オルガノポリシロキサンよりなる群から選ばれる1種または2種以上である、請求項1記載の粉体化粧料。
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