JP4180309B2 - 打検適性に優れた容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶などの容器の形状に関し、特に電磁誘導作用により底部(底蓋)を強制励振させた場合の音響特性に基づいて内圧の検査に供され、かつレトルト処理などの内圧を上昇させる処理を経る容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
缶詰などの密封容器製品の品質検査の一例として、打缶音検査が知られている。これは、密封容器の密封不良による内圧の低下や、腐敗による内圧の上昇に伴って、容器を打撃した場合の音響特性が異なることを利用した検査方法である。一般に、内圧の上昇に応じて周波数が上昇するので、例えば缶蓋を打撃し、あるいは電磁誘導作用により缶蓋を強制励振させて、それに伴う振動をマイクロフォンなどのセンサーで検出し、検出された周波数が所定の範囲に入ったものを良品とし、その範囲から外れたものを不良品としている。なお、実用上、検出された周波数をそのまま使用することに替えて、検出された周波数(Hz)の1/10の値であるデジット値を使用することがある。
【0003】
打缶音検査は、密封容器の内圧を底蓋などの音響特性に基づいて判定する検査であるから、その検査に供される容器の底部は、圧力変化に対して変形度が大きいことが好ましく、この種の容器はいわゆる打検適性に優れることになる。そのため例えば実用新案登録第2539918号公報に記載された缶端壁は、チャックウォールの内側に、周縁環状凹部と、上方に傾斜した環状勾配部と、環状平坦部と、下方に傾斜した環状傾斜部と、中央パネル部とを外周側から順に形成し、かつその中央パネル部には開口用タブを付けていない構成とされている。
【0004】
また、これに類似した構成が実公昭59−31537号公報や実開昭56−131152号公報に記載されており、これらの公報に記載された打検向缶蓋では、カウンターシンクセンターパネルの周辺縁の近傍にビード凸部を形成し、そのビード凸部の内側に窪みのない平板面あるいはセンターエクステンションパネル部を形成した構成としている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記の実用新案登録第2539918号公報に記載された発明は、耐圧強度および落下強度を高くして打検適性を良好にすることを目的とした発明であり、中央パネル部の周囲に凸条部を形成した点に特徴がある。また、上記の実公昭59−31537号公報や実開昭56−131152号公報に記載された発明は、耐圧性を維持しつつ打検適性を向上させることを目的とした発明であり、その構造は、基本的には、中央の平板部分をビード凸部で囲繞した点にある。
【0006】
しかしながら、これら従来の構造は、液体窒素を内容物と共に充填するLN缶や炭酸飲料缶などのいわゆる陽圧缶に使用した場合には、内圧が正常なものと内圧が、ピンホールや巻締め不良などによるリークが生じて低下したものとの音響特性に顕著な相違が出るので、打缶音検査をある程度正確におこなうことができる。一方、ミルクコーヒーや混合茶などを内容物とした缶詰にレトルト殺菌などの加熱処理工程を施した場合、特に陽圧缶にレトルト殺菌処理を施した場合には、加熱することにより内圧が最高圧で640Kpa程度に高くなる。その結果、衝撃力を与える缶蓋あるいは底部が、内圧の上昇によって外側に膨らみ、その後、内圧の低下によってその膨らみが減少するものの、加熱する以前の形状にまでは復帰せずに変形が残ってしまう。そのため、ピンホールや巻締め不良などによるリークが生じて内圧が低下した場合であっても、良品と不良品とに打缶による音響特性の顕著な相違が生じにくく、結局は、打缶音検査ができない問題があった。
【0007】
本発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、レトルトなどの加熱処理をおこなった後に内圧が低下した場合に、その加熱処理をおこなう以前の形状に戻るいわゆる形状の復帰特性を向上させることにより打検適性を改善した容器を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段およびその作用】
本発明は、上記の課題を解決するために、衝撃力が加えられることにより生じる振動の音響特性に基づいて内圧が検出される容器において、底部を形成している平板部の周縁部に、外面となる側に向けて前記平板部の板厚の130〜210%の高さに突出した環状ビード部が形成され、かつ前記平板部の中央部に、内面となる側に窪みかつ中央部が平坦な円形の凹パネル部が前記平板部に滑らかな曲面で繋がって形成され、その凹パネル部と平板部との間に形成されている曲面の中央位置の直径が前記平板部の外径の41〜46%でかつ前記凹パネル部の中央の平坦部分の直径が前記平板部の外径の26〜30%であり、さらに前記環状ビード部より外周側に前記凹パネル部の深さより深い環状溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
したがって本発明では、環状ビード部の内側の部分が単純な平板状をなしていずに、その中央部分にいわゆる内面側に、平板部の外径の41〜46%の直径でかつ環状溝より浅く窪んだ凹パネル部が形成されており、しかもその外周側の環状ビード部が平板部の板厚の130〜210%の高さに突出しており、そのために、レトルト殺菌処理などによって内圧が最高で640Kpa程度に高くなった場合に底部を膨出させることになる変形が、主に凹パネル部の外周側の平板部で生じる。その結果、本発明の容器の内圧が低下した場合にその容器の変形が元に戻りやすく、内圧が低下していない良品と内圧が低下した不良品との打缶音検査による音響特性に明確な相違が生じ、特にレトルト殺菌処理後の缶内圧が常温で160Kpa以下で、缶内圧と音響特性の相関性が優れているので良品と不良品の打缶音検査による音響特性に明確な相違が生じ、検査精度が向上する。すなわち容器の打検適性が良好になる。
【0013】
【発明の実施の形態】
缶胴と缶底とを一体化したいわゆるツーピース缶あるいは缶蓋の素材として使用される金属板材は、板厚が0.20〜0.35mmに圧延されたアルミニウムやアルミニウム合金(5052材や5182材等)の金属板を主材料として、その少なくとも一方の面(缶内面側)に樹脂塗料の塗装や熱可塑性樹脂フィルムのラミネートによる保護被膜を施したような、製缶分野で従来から一般的に使用されている缶蓋用のアルミニウム系金属板材である。また、これ以外に、板厚が0.15〜0.25mmまでの電解クロム酸処理鋼板やSnメッキ鋼板あるいはNi/Snメッキ鋼板などの鋼板を使用することができる。
【0014】
つぎに本発明を図に示す具体例に基づいて説明する。図1に本発明に係る缶蓋(底蓋)1の断面形状を示しており、この缶蓋1は全体として円形に形成され、その外周部分には缶胴の開口端に巻き締めるための巻き締め用フランジ2が形成されている。その巻き締め用フランジ2を形成している内周側の壁部(チャックウォール)3は、このチャックウォール3に沿って形成されている環状溝4の底部にまで延びている。この環状溝4は、図2に示すように、缶蓋1を缶胴5に巻き締めて一体化した場合に内面となる側に窪んだ溝である。
【0015】
上記の環状溝4の内周側に環状溝4に沿った環状のビード部6が形成されている。その環状ビード部6の外周端と環状溝4の内周側の上端部とは完全には一致しておらず、環状溝4の内周側の端部より僅か内側に環状ビード部6の外周端が位置している。
【0016】
この環状ビード部6の形状を更に具体的に説明すると、その高さHは、缶蓋1を構成している金属板の板厚Tの130〜210%程度、好ましくは165%程度であって、一例として0.4〜0.6mm程度、好ましくは0.5mmである。また、外周側の傾斜面の勾配に対して内周側の傾斜面の勾配が小さい非対称断面形状をなしている。すなわち環状ビード部6の頂部の直径D1 と環状ビード部6の外周端の直径D2 との寸法差より、頂部の直径D1 と内周端の直径D3 との寸法差の方が大きくなっている。なお、これらの各直径は、一例として、D1 =50.9mm、D2 =53.9mm、D3 =46.0mmである。
【0017】
また、環状ビード部6の外周端部、頂部ならびに内周端部は、断面が円弧状をなす曲面をもってそれぞれ隣接部分に繋がっている。すなわち外周端部は、外面側(図1および図2での上側)に曲率中心を持つ所定半径R1 の円弧状断面の曲面で環状溝4側に繋がっており、また頂部は内面側(図1および図2の下側)に曲率中心を持つ所定半径R2 の円弧状断面となっており、さらに内周端部は、外面側に曲率中心を持つ所定半径R3 の円弧状断面の曲面で内周側の平板部7に繋がれている。
【0018】
ここで平板部7は、環状ビード部6の内周側の全体を指し示しているが、この平板部7は完全に平坦な面を形成しているわけではなく、容器としての内面となる側に窪んだ凹パネル部8が形成されている。また、缶胴5に巻き締め、かつ内容物の充填密封で内圧が60〜160のKpaの範囲となるようにLN(液体窒素)を充填すると、例えば図2に符号P1 で示すように幾分膨らんだ形状となる。
【0019】
この凹パネル部8は、その周縁部を起点として弾性変形する領域を形成するためのものである。すなわち、平板部7はその周縁部に形成されている環状ビード部6の近傍を起点として、凹パネル部8が板厚方向に弾性変形するのと同様の変形を生じさせるためのものである。
【0020】
その凹パネル部8の形状は、具体的には、円形であり、その深さDe は、前述した環状溝4の深さより浅く、板厚Tの130〜250%程度、好ましくは213%程度であって、一例として0.4〜0.7mm程度、好ましくは0.65mmである。また、凹パネル部8の外径、すなわち凹パネル部8と平板部7との境界部分に形成されている曲面(曲率半径R5 )の中心位置の直径D4 は、平板部7の外径D3 の41〜46%程度、好ましくは44%程度であり、一例として17.5〜21.0mm、好ましくは20.0mmである。
【0021】
さらに凹パネル部8は滑らかな曲面で平板部7に繋がっていて、その中央部分はほぼ平坦になっている。このような凹パネルとすることにより、加工上不可避なテーパーもしくは曲面を介して平板部に繋がっている平坦(フラット)な凹部を設けた形状より更に打検特性が良くなる。その平坦な部分の直径D5 は、平板部7の外径D3 の26〜30%程度、好ましくは28%程度であって、一例として12.0〜14.0mm、好ましくは12.9mmである。そして平板部7から凹パネル部8に到る部分の曲面は、平板部7側から、内面側に曲率中心のある半径R4 の曲面、これに滑らかに続く外面側に曲率中心のある半径R5 の曲面、ならびにこれに滑らかに続く外面側に曲率中心のある半径R6 の曲面から構成されている。
【0022】
上記の缶蓋1は、図2に示すように、缶胴5の開口端に、前記巻き締め用フランジ2をシーマー(図示せず)によって巻き締めて取り付けられる。その缶蓋1には、タブやスコアー線などの開口用の部材あるいは部分が設けられていないので、一般的には底蓋として使用される。なお、缶胴5は、金属板を円筒状に成形したいわゆるスリーピース缶用の缶胴、金属板に絞り加工およびしごき加工を施して有底円筒状に形成したいわゆるツーピース缶用の缶胴の底部に絞り加工を施して口頸部を形成したボトル型缶用の缶胴などのいずれであってもよい。
【0023】
本発明に係る上記の缶蓋1は、各種の缶詰の缶蓋として使用できるが、内圧の変化に対する変形の追従性が良好であって打検適性に優れているので、特にレトルト殺菌処理される缶詰やボトル型缶製品などの密封容器製品の缶蓋として有効である。図2には、その種の製品に使用した場合の内容物の充填後でレトルト殺菌処理前の形状P1 、レトルト殺菌処理時の内圧の掛かっている状態での形状P3 、レトルト殺菌処理後に内圧を抜いた常温状態での形状P2 をそれぞれ示している。
【0024】
実施例の蓋材は、5182アルミニウム合金材とし、従来例および参考例と共に示す。
【0025】
【実施例1】
図1に示す缶蓋を缶胴の開口端に巻き締めるとともにその内部に飲料を窒素充填した後に密封し、これをレトルト殺菌処理装置で加熱(120〜125℃×20min)して内圧を高めたものを複数作り、各々を打缶音検査に供してデジット値を求めた。なお、各部の寸法は、前述の好ましい値として挙げてあるとおりである。また、内圧を所定の圧力まで高くした密封缶を、リークを模するために孔をあけて除圧し、内圧をゼロにし、その状態で打缶音検査に供してデジット値を求めた。
測定結果を図3に示してある。図3において、塗りつぶした点がレトルト殺菌処理後に除圧していない密封容器についての結果を示し、白抜きの点がレトルト殺菌処理後に除圧した密封容器についての結果を示している。
この図3から明らかなように、リークのない密封容器では、内圧に応じてデジット値が大きくなった。これに対してリークさせた密封容器では、デジット値がほぼ一定になった。これは、内圧を抜くことにより缶蓋の変形が戻ったことによるものと推定される。したがって本発明に係る缶蓋を使用して打缶音検査をおこなえば、その容器がたとえレトルト殺菌処理されるとしても、レトルト殺菌処理の後にリークの生じた不良品とリークのない良品とを明確に区別することができる。
【0026】
【実施例2】
図1に示す缶蓋1の形状を僅かに異ならせた例であり、図1に示す例では、凹パネル部が半径がR4 、R5 、R6 の三つの曲面で平板部に繋がれているのに対して、この実施例2では、上記のR6 の曲面部分をなくして、凹パネル部をできるだけ平板状にした。その形状を図4に断面形状として示してある。
この実施例2の缶蓋を使用した打缶音検査は、上記の実施例1と同様にしておこない、レトルト殺菌処理したままの密封容器、リークを模して除圧した密封容器のそれぞれについてデジット値を求めた。その結果を図5に示してある。
図5から明らかなように、上記の実施例1と同様に、リークのない密封容器では、内圧に応じてデジット値が大きくなり、これに対してリークさせた密封容器では、デジット値がほぼ一定になった。したがって本発明に係る缶蓋を使用して打缶音検査をおこなえば、その容器がたとえレトルト殺菌処理されるとしても、レトルト殺菌処理の後にリークの生じた不良品とリークのない良品とを明確に区別することができる。
【0027】
【従来例1】
環状ビード部の内側を平板部のみとし、凹パネル部を設けていない缶蓋であり、その形状を図6に断面図として示してある。また、打缶音検査は、上記の実施例1および実施例2と同様にしておこなった。求められたデジット値を図7に示してある。
図7に示すように、レトルト殺菌処理の後に除圧した密封容器についてのデジット値が、除圧前の圧力に応じて大きくなり、その傾向は、上記の参考例のものよりも顕著であった。これは、レトルト殺菌処理をおこなった際の缶蓋の膨出変形が、上記の参考例よりも明確に残っていることによるものと思われる。そのため、リークのない良品とリークのある不良品との区別が必ずしも明確にならなかった。
【0028】
【従来例2】
平板部を環状溝に直接繋げて環状ビード部をなくし、その平板部に凹パネル部を形成した缶蓋であり、その形状を図8に断面図として示してある。また、打缶音検査は、上記の実施例1および実施例2と同様にしておこなった。求められたデジット値を図9に示してある。
図9に示すように、レトルト殺菌処理の後に除圧した密封容器についてのデジット値が、缶内圧130KPa近傍以上で除圧前の圧力に応じて大きくなった。これは、レトルト殺菌処理をおこなった際の缶蓋の膨出変形が残留したことによるものであり、結局、リークのない良品とリークのある不良品とをデジット値に基づいて区別することができなかった。
【0029】
【従来例3】
巻き締め用フランジ部の内側に環状溝のみ形成され、その環状溝に平板部を直接繋げ、かつその平板部に凹パネル部を形成していない缶蓋である。その形状を図10に断面図として示してある。また、打缶音検査は、上記の実施例1および実施例2と同様にしておこなった。求められたデジット値を図11に示してある。
図11に示すように、レトルト殺菌処理の後に除圧した密封容器についてのデジット値が、除圧前の圧力に応じて大きくなり、その傾向は、上記の参考例のものよりも顕著であった。これは、レトルト殺菌処理をおこなった際の缶蓋の膨出変形が、上記の参考例よりも明確に残っていることによるものと思われる。そのため、リークのない良品とリークのある不良品との区別が必ずしも明確にならなかった。
【0030】
なお、上記の例では、レトルト殺菌処理後のリークが生じたことによる不良品の選別をおこなう例について説明したが、本発明は上記の具体例に限定されないのであって、他の要因で内圧が低下した場合、あるいは内圧が異常に高くなった場合など、製品として不良と思われる状態を打缶音検査で検出するために適用することができる。
【0031】
また、この発明は、缶蓋に限らないのであって、打検のために衝撃力を付与される部位は、プルタブなどの設けられていない底部であるから、その種の底部を胴部と一体に形成してある容器にも適用することができる。その一例を図12に部分断面図として示してある。すなわち図12は、シームレス缶11の底部の形状を示しており、缶外方が凸となる断面実質円弧状の接地リム部12の内周側から缶胴13の軸線方向に立ち上がる短円筒状の内壁部14に連続して設けられ、缶内方に凸となる断面円弧状の環状凹部15の内周側からコーナー部16を介して連続する平坦な中央パネル部17を有するシームレス缶11である。このシームレス缶11は、素材厚さ0.1mm以上0.3mm以下のアルミニウム板から成形され、缶底18のコーナー部16の缶内方の曲率半径Rが0.5mm以上1.5mm以下、中央パネル部17と環状凹部15との軸線方向段差hが0.2mm以上3.0mm以下で、前述した実施例1および実施例2と同様な環状ビード部19とセンター凹パネル部20とを備えている。
【0032】
なお、図12に示すようなツーピース缶に適用されるアルミニウム板は、通常缶容器に用いられる3004系、5550系、5081系アルミニウム合金等種々のアルミニウム板が適用される。アルミニウム合金板の板厚としては、0.1mm〜0.3mmのものが適用される。
【0033】
他方、ツーピース缶に適用される表面処理鋼板としては、冷延圧延鋼板または焼鈍後二次冷間圧延し、錫メッキ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理等の表面処理の一種または二種以上を行ったものが使用される。鋼板の板厚としては、0.1mm〜0.24mmのものが適用される。
【0034】
更には、上記のような金属板を主材料として、その少なくとも一方の面(缶内面側)に樹脂塗料の塗装や熱可塑性樹脂フィルムのラミネートによる保護皮膜を施したような、製缶分野で従来から一般的に使用されている缶用金属板材を使用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、密封容器の内圧を高くした後に、内圧が低下した場合に変形が元に戻りやすく、内圧が低下していない良品と内圧が低下した不良品との打缶音検査による音響特性に明確な相違が生じて打検適性が良好になり、その結果、密封容器の打缶音検査精度を向上させることができ、ひいては良品に不良品が混在したり、反対に良品を不良品として排除してしまうなどの不都合を未然に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る缶蓋の一例を示す断面図である。
【図2】 その缶蓋を缶胴の開口端部に巻き締めた状態の断面図である。
【図3】 その缶蓋についての打検適性の測定結果を示す線図である。
【図4】 本発明の実施例2の缶蓋の形状を示す断面図である。
【図5】 実施例2の缶蓋についての打検適性の測定結果を示す線図である。
【図6】 従来例1の缶蓋の形状を示す断面図である。
【図7】 従来例1の缶蓋についての打検適性の測定結果を示す線図である。
【図8】 従来例2の缶蓋の形状を示す断面図である。
【図9】 従来例2の缶蓋についての打検適性の測定結果を示す線図である。
【図10】 従来例3の缶蓋の形状を示す断面図である。
【図11】 従来例3の缶蓋についての打検適性の測定結果を示す線図である。
【図12】 この発明を適用したシームレス缶の底部の形状の一例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1…缶蓋、 2…巻き締め用フランジ、 4…環状溝、 5,13…缶胴、 6,19…環状ビード部、 7…平板部、 8,20…凹パネル部、 15…環状凹部、 17…中央パネル部、 18…缶底。

Claims (1)

  1. 衝撃力が加えられることにより生じる振動の音響特性に基づいて内圧が検出される容器において、
    底部を形成している平板部の周縁部に、外面となる側に向けて前記平板部の板厚の130〜210%の高さに突出した環状ビード部が形成され、かつ前記平板部の中央部に、内面となる側に窪みかつ中央部が平坦な円形の凹パネル部が前記平板部に滑らかな曲面で繋がって形成され、その凹パネル部と平板部との間に形成されている曲面の中央位置の直径が前記平板部の外径の41〜46%でかつ前記凹パネル部の中央の平坦部分の直径が前記平板部の外径の26〜30%であり、さらに前記環状ビード部より外周側に前記凹パネル部の深さより深い環状溝が形成されていることを特徴とする打検適性に優れた容器。
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