JP4178679B2 - 記録再生装置、画像表示方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像画像についての記録再生を行うことのできる記録再生装置と、この記録再生装置における画像表示方法、に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ等の撮像装置と、ビデオデッキ等の記録再生装置が一体化されたビデオカメラとして、例えばデジタルデータにより撮像画像を記録再生することのできるものが普及してきている。
【0003】
そして本出願人は、先に、このようなビデオカメラにあって、ユーザの操作により行われた特殊再生効果のための編集結果をスクリプトにより記述し、録画されたファイルの再生時には、このスクリプトを解釈して再生データに対する信号処理を行うことで特殊再生効果が得られるようにしたものを提案している。
このような構成であれば、例えばビデオカメラを有してさえいれば、特に他の編集用の装置やアプリケーションを使用しなくとも、スタンドアローンで特殊再生の編集を行うことが可能となる。
【0004】
また、特にデジタルビデオカメラの場合、撮像画像を記録したファイルとしては、動画ファイルだけでなく、スチルカメラ的に撮影した静止画ファイルを記録することも容易に可能となる。また、録画ファイルを管理する管理情報を備えれば、この管理情報の書き換えによって、録画ファイルごとに各種の設定を行って管理してやることも容易に可能となる。また、上記した特殊再生効果編集が可能であれば、録画ファイルのなかには、特殊効果が与えられたファイルと与えられないファイルが混在し、また、特殊再生効果が与えられたファイルの中でも、実際に与えられた特殊再生効果の種類が同じであるとは限らない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したことを背景とすると、例えばビデオカメラ装置としては、ユーザの使い勝手上、次のようなことが改善されることが好ましい。
【0006】
1つには、先に述べた、録画ファイルに対する特殊再生効果の編集操作としては、例えば、表示画面上に特殊再生効果のためのメニュー表示を行って、ガイドに従いながら、ユーザが設定操作を行っていくという手法が考えられるが、この場合には、比較的多数の操作手順が必要となる。この点でも、ユーザの使い勝手を考慮すれば、より簡易な操作によって特殊再生効果の編集操作が行えるようにすることが好ましいものである。
【0007】
また、上記したファイルについての動画/静止画等の種別や各種設定状況など、これらのファイルの属性的な内容に関する情報は、必要に応じてユーザに提示できるようにしておいたほうが好ましい。そこで、例えば1つには、例えばファイルごとの情報を提示する情報画面を呼び出して、この情報画面を見ることで確認が行えるようにすることが考えられる。
しかし、上記のようにして、情報画面によりその内容を確認するような構成では、情報画面を呼び出すための操作手順を踏まねばならないために、多少の面倒がともなう。また、この場合には、ファイル単位での情報となるため、複数のファイルについての属性情報を一覧的に確認することが難しい。このような属性的な情報のうちで例えば確認の行われる頻度が高いとされるようなものについては、出来るだけユーザが認識しやすいように提示されるようにしておくことのほうが使い勝手上は好ましいことになる。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は上記した課題を考慮して、特に、特殊再生効果等についての操作の簡略化を図り、また、この特殊再生効果設定状況等を含むファイルについての各種属性についてはユーザが認識しやすい情報表示形態を提供するようにして、使い勝手の向上が図られるようにすることを目的とする。
【0009】
このため、撮像手段と、上記撮像手段により得られる、静止画像又は動画像としての上記画像信号が記憶される記憶手段と、上記記憶手段に記憶される上記静止画像又は上記動画像に対応するとされる小画像を、表示領域内において分割された各分割表示領域に対して表示させる分割表示手段と、上記静止画像又は動作画像に与えることが可能な再生効果を特定する再生効果特定手段と、上記再生効果特定手段により特定された再生効果を示す再生効果画像を、上記小画像に対応する分割表示領域の当該小画像上重畳表示させる表示制御手段と、を備え、上記再生効果特定手段は、ドラッグ・アンド・ドロップによる所定操作を行うことで上記再生効果を特定することのできる操作手段を備えているとともに、上記再生効果画像は、上記ドラッグ・アンド・ドロップとしての当該再生効果の所定操作の軌跡に対応した図柄からなる画像内容とされている。
【0010】
また、上記表示手段は、上記静止画像又は上記動画像についての属性情報も上記対応する小画像の分割表示領域に表示させる。
また、上記静止画像又は上記動画像に対し与えることのできる再生出力態様を特定する再生制御情報が、スクリプト形式にて記述され、上記記録再生装置内に記憶される。
【0011】
また、上記スクリプト形式は、 XML 形式である
また、上記再生効果は、上記再生制御情報に基づき特定される。
【0012】
また、上記記憶手段は、
(1) LAND 記録方式または GROOVE の記録方式、(2) RLL(1,7)変調方式、及び、(3) ブロック完結又は畳み込みインターリーブ方式、を用いる記録方式にて、記録メディアに情報記録する。
【0013】
また、上記再生効果指示手段によって指示された再生効果が与えられるようにして上記静止画像又は上記動画像を再生する再生手段が備えられている。
【0014】
さらに、音声信号を入力する音声入力手段が備えられ、入力された上記音声信号は、上記記憶手段に対して上記静止画像又は上記動画像に対応付けされて記憶されると共に、上記再生手段は、上記再生効果指示手段によって指示された再生効果が与えられるようにして、上記静止画像又は上記動画像と共に上記音声信号を再生する。
【0015】
所定の記録媒体に記録されている、撮像によって得られた静止画像又は動画像としての画像信号についての情報提示を表示により行う画像表示方法として、上記記録媒体に記録されている上記静止画像又は上動画像に対応するとされる小画像を、表示領域内において分割された各分割表示領域に対して表示させる分割表示手順と、上記静止画像又は動作画像に与えるべき再生効果を特定する再生効果特定手順と、上記再生効果指示手順により指示された再生効果を示す再生効果画像を、上記小画像に対応する分割表示領域の当該小画像上重畳表示させる表示手順と、を実行するように構成されているとともに、上記再生効果特定手順は、ドラッグ・アンド・ドロップによる所定操作を行うことで上記再生効果を特定することのできる操作手順を備えているとともに、上記再生効果画像は、上記ドラッグ・アンド・ドロップとしての当該再生効果の所定操作の軌跡に対応した図柄からなる画像内容とされているように構成されている。
【0016】
上記構成によれば、記録媒体に記録される撮像画像の画像信号について、その小画面(サムネイル画像)により提示するようにされる。そして、この小画像に対して再生効果を指示するための操作を行うことが可能とされる。つまり、再生効果編集のための操作としては、小画像に対する操作という簡易な手法によって行うことが可能となる。また、このようにして指示された再生効果を示す再生効果画像が小画像上に対して表示されることで、小画像を見ることで、その小画像が対応する、記録媒体に記録された画像信号について、どのような再生効果が与えられているのかが認識できることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明していく。
本実施の形態の記録再生装置としては、カメラ装置部と画像(静止画又は動画)及び音声等の記録再生が可能な記録再生装置部とが一体化された可搬型のビデオカメラに搭載されている場合を例にあげる。また、本実施の形態のビデオカメラに搭載される記録再生装置部は、光磁気ディスクの一種として知られている、いわゆるミニディスクに対応してデータを記録再生する構成を採るものとされる。
説明は次の順序で行う。
1.ディスクフォーマット
2.ビデオカメラの外観構成
3.ビデオカメラの内部構成
4.メディアドライブ部の構成
5.本実施の形態に対応するディスク構造例
6.サムネイル画像生成処理
7.スクリプト
8.操作画面表示
9.編集操作
9−1.操作例
9−2.処理動作
【0018】
1.ディスクフォーマット
本例のビデオカメラに搭載される記録再生装置部は、ミニディスク(光磁気ディスク)に対応してデータの記録/再生を行う、MDデータといわれるフォーマットに対応しているものとされる。このMDデータフォーマットとしては、MD−DATA1とMD−DATA2といわれる2種類のフォーマットが開発されているが、本例のビデオカメラは、MD−DATA1よりも高密度記録が可能とされるMD−DATA2のフォーマットに対応して記録再生を行うものとされている。そこで、先ずMD−DATA2のディスクフォーマットについて説明する。
【0019】
図1及び図2は、MD−DATA2としてのディスクのトラック構造例を概念的に示している。図2(a)(b)は、それぞれ図1の破線Aで括った部分を拡大して示す断面図及び平面図である。
これらの図に示すように、ディスク面に対してはウォブル(蛇行)が与えられたウォブルドグルーブWGと、ウォブルが与えられていないノンウォブルドグルーブNWGとの2種類のグルーブ(溝)が予め形成される。そして、これらウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGは、その間にランドLdを形成するようにしてディスク上において2重のスパイラル状に存在する。
【0020】
MD−DATA2フォーマットでは、ランドLdが記録トラック(データが記録されるトラック)として利用されるのであるが、上記のようにしてウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGが形成されることから、記録トラックとしてもトラックTr・A,Tr・Bの2つのトラックがそれぞれ独立して、2重のスパイラル(ダブルスパイラル)状に形成されることになる。
トラックTr・Aは、ディスク外周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク内周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
これに対してトラックTr・Bは、ディスク内周側にウォブルドグルーブWGが位置し、ディスク外周側にノンウォブルドグルーブNWGが位置するトラックとなる。
つまり、トラックTr・Aに対してはディスク外周側の片側のみにウォブルが形成され、トラックTr・Bとしてはディスク内周側の片側のみにウォブルが形成されるようにしたものとみることができる。
この場合、トラックピッチは、互いに隣接するトラックTr・AとトラックTr・Bの各センター間の距離となり、図2(b)に示すようにトラックピッチは0.95μmとされている。
【0021】
ここで、ウォブルドグルーブWGとしてのグルーブに形成されたウォブルは、ディスク上の物理アドレスがFM変調+バイフェーズ変調によりエンコードされた信号に基づいて形成されているものである。このため、記録再生時においてウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングから得られる再生情報を復調処理することで、ディスク上の物理アドレスを抽出することが可能となる。
また、ウォブルドグルーブWGとしてのアドレス情報は、トラックTr・A,Tr・Bに対して共通に有効なものとされる。つまり、ウォブルドグルーブWGを挟んで内周に位置するトラックTr・Aと、外周に位置するトラックTr・Bは、そのウォブルドグルーブWGに与えられたウォブリングによるアドレス情報を共有するようにされる。
なお、このようなアドレッシング方式はインターレースアドレッシング方式ともいわれる。このインターレースアドレッシング方式を採用することで、例えば、隣接するウォブル間のクロストークを抑制した上でトラックピッチを小さくすることが可能となるものである。また、グルーブに対してウォブルを形成することでアドレスを記録する方式については、ADIP(Adress In Pregroove) 方式ともいう。
【0022】
また、上記のようにして同一のアドレス情報を共有するトラックTr・A,Tr・Bの何れをトレースしているのかという識別は次のようにして行うことができる。
例えば3ビーム方式を応用し、メインビームがトラック(ランドLd)をトレースしている状態では、残る2つのサイドビームは、上記メインビームがトレースしているトラックの両サイドに位置するグルーブをトレースしているようにすることが考えられる。
【0023】
図2(b)には、具体例として、メインビームスポットSPmがトラックTr・Aをトレースしている状態が示されている。この場合には、2つのサイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、内周側のサイドビームスポットSPs1はノンウォブルドグルーブNWGをトレースし、外周側のサイドビームスポットSPs2はウォブルドグルーブWGをトレースすることになる。
これに対して、図示しないが、メインビームスポットSPmがトラックTr・Bをトレースしている状態であれば、サイドビームスポットSPs1がウォブルドグルーブWGをトレースし、サイドビームスポットSPs2がノンウォブルドグルーブNWGをトレースすることになる。
このように、メインビームスポットSPmが、トラックTr・Aをトレースする場合とトラックTr・Bをトレースする場合とでは、サイドビームスポットSPs1,SPs2がトレースすべきグルーブとしては、必然的にウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGとで入れ替わることになる。
【0024】
サイドビームスポットSPs1,SPs2の反射によりフォトディテクタにて得られる検出信号としては、ウォブルドグルーブWGとノンウォブルドグルーブNWGの何れをトレースしているのかで異なる波形が得られることから、上記検出信号に基づいて、例えば、現在サイドビームスポットSPs1,SPs2のうち、どちらがウォブルドグルーブWG(あるいはノンウォブルドグルーブNWG)をトレースしているのかを判別することにより、メインビームがトラックTr・A,Tr・Bのどちらをトレースしているのかが識別できることになる。
【0025】
図3は、上記のようなトラック構造を有するMD−DATA2フォーマットのの主要スペックをMD−DATA1フォーマットと比較して示す図である。
先ず、MD−DATA1フォーマットとしては、トラックピッチは1.6μm、ピット長は0.59μm/bitとなる。また、レーザ波長λ=780nmとされ、光学ヘッドの開口率NA=0.45とされる。
記録方式としては、グルーブ記録方式を採っている。つまり、グルーブをトラックとして記録再生に用いるようにしている。
アドレス方式としては、シングルスパイラルによるグルーブ(トラック)を形成したうえで、このグルーブの両側に対してアドレス情報としてのウォブルを形成したウォブルドグルーブを利用する方式を採るようにされている。
【0026】
記録データの変調方式としてはEFM(8−14変換)方式を採用している。また、誤り訂正方式としてはACIRC(Advanced Cross Interleave Reed-Solomon Code) が採用され、データインターリーブには畳み込み型を採用している。このため、データの冗長度としては46.3%となる。
【0027】
また、MD−DATA1フォーマットでは、ディスク駆動方式としてCLV(Constant Linear Verocity)が採用されており、CLVの線速度としては、1.2m/sとされる。
そして、記録再生時の標準のデータレートとしては、133kB/sとされ、記録容量としては、140MBとなる。
【0028】
これに対して、本例のビデオカメラが対応できるMD−DATA2フォーマットとしては、トラックピッチは0.95μm、ピット長は0.39μm/bitとされ、共にMD−DATA1フォーマットよりも短くなっていることが分かる。そして、例えば上記ピット長を実現するために、レーザ波長λ=650nm、光学ヘッドの開口率NA=0.52として、合焦位置でのビームスポット径を絞ると共に光学系としての帯域を拡げている。
【0029】
記録方式としては、図1及び図2により説明したように、ランド記録方式が採用され、アドレス方式としてはインターレースアドレッシング方式が採用される。また、記録データの変調方式としては、高密度記録に適合するとされるRLL(1,7)方式(RLL;Run Length Limited)が採用され、誤り訂正方式としてはRS−PC方式、データインターリーブにはブロック完結型が採用される。そして、上記各方式を採用した結果、データの冗長度としては、19.7%にまで抑制することが可能となっている。
【0030】
MD−DATA2フォーマットにおいても、ディスク駆動方式としてはCLVが採用されるのであるが、その線速度としては2.0m/sとされ、記録再生時の標準のデータレートとしては589kB/sとされる。そして、記録容量としては650MBを得ることができ、MD−DATA1フォーマットと比較した場合には、4倍強の高密度記録化が実現されたことになる。
例えば、MD−DATA2フォーマットにより動画像の記録を行うとして、動画像データについてMPEG2による圧縮符号化を施した場合には、符号化データのビットレートにも依るが、時間にして15分〜17分の動画を記録することが可能とされる。また、音声信号データのみを記録するとして、音声データについてATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding) 2による圧縮処理を施した場合には、時間にして10時間程度の記録を行うことができる。
【0031】
2.ビデオカメラの外観構成
次に本例のビデオカメラの外観例について説明しておく。
図6(a)(b)、図7(a)(b)は、それぞれ、本例のビデオカメラの平面図、側面図、正面図、背面図である。
これらの図に示すように、本例のビデオカメラの本体200の正面部には、撮影を行うための撮像レンズや絞りなどを備えたカメラレンズ201が表出するようにして設けられる。また、同じ本体200の背面部下側には、撮影時において外部の音声を収音するためのマイクロフォン202が設けられている。つまり、このビデオカメラでは、カメラレンズ201により撮影した画像の録画と、マイクロフォン202により収音したステレオ音声の録音を行うことが可能とされている。また、ここでは、マイクロフォン202と同じ位置に再生音声を出力するためのスピーカ205も備えられているものとしている。また、スピーカ205からはビープ音等による所要のメッセージ音も出力される。
【0032】
また、本体200の背面側には、ビューファインダ204が設けられており、記録動作中及びスタンバイ中等においては、カメラレンズ201から取り込まれる画像(スルー画ともいう)及びキャラクタ画像等が表示される。ユーザーはこのビューファインダ204をみながら撮影を行うことができる。
また、後述するメインダイヤル300、レリーズキー301、削除キー302が設けられた部位は電池蓋部206として開閉可能となっており、この電池蓋部206を開くことで、バッテリ(充電池)を装脱することが可能となっている。
【0033】
また、本体200の側面側には、可動パネル部203が備えられている。この可動支持部208によって支持されていることで、本体200に対して可動可能に取り付けられている。この可動パネル部203の動きについては後述する。
【0034】
また、可動パネル部203の背面側には表示パネル67(表示画面)が設けられている。従って、図6(b)に示すように可動パネル部203が収納状態にあるときは、表示パネル67は本体側に向いて格納される状態となる。
【0035】
表示パネル67は、撮影画像、及び内部の記録再生装置により再生された画像等を表示出力するための部位とされる。また、機器の動作に応じて所要のメッセージをユーザに知らせるための文字やキャラクタ等によるメッセージ表示等も行われる。なお、この表示パネル67として実際に採用する表示デバイスは、ここでは特に限定されるものではないが、例えば液晶ディスプレイ等が用いられればよい。
また、表示パネル67は、例えば液晶ディスプレイの表示面の背面側に対して、押圧操作を関知してこれを操作情報として出力するタッチパネルが設けられている。つまり、本実施の形態にあっては、表示パネル67に表示された画像に対して押圧操作を行う、いわゆるGUIとしての操作が可能とされる。
ここで、表示パネル67に対する操作としては、タッチパネルに対して押圧力が加わった位置を座標位置情報として検知する構成とされていることから、指などによって操作されてもよいのものとされる。しかし、表示パネル67の表示面積に制限があって、そのポインティングの操作も指では困難な場合があることを考慮して、図6(b)に示すように、スティック形状のペン320が添え付けされる。ユーザは、指の代わりにこのペン320を使用して表示パネル67に対するポインティング(タッチ)操作を行うことができる。
【0036】
また、可動パネル部203が収納される本体部200側の部位がディスク装脱部205となっており、このディスク装脱部205において、本例のビデオカメラが対応する記録媒体としてのディスクを挿入、あるいは排出させることができる。
【0037】
また、ここでは図示していないが、実際には、外部の映像機器に対して再生画像信号等を出力するビデオ出力端子や、外部の音声機器やヘッドホンに対して再生音声信号を出力するヘッドフォン/ライン端子等が設けられている。また、外部のデータ機器とデータ伝送を行うためのインターフェイス機能に対応してI/F端子等も設けられている。
【0038】
さらに、本体200の各部には、ユーザー操作のための各種の操作子が設けられる。以下、主要となる各操作子について説明する。
メインダイヤル300は、図7(b)に示されるようにして本体200の背面側に設けられ、ビデオカメラのオン/オフ、記録動作、再生動作を設定する操作子とされる。この場合には、回転操作が行えるものとなっている。
メインダイヤル300が電源オフ位置PS2にある場合には電源がオフの状態にある。そして、例えばこの状態からメインダイヤル300を再生/編集位置PS1に回転操作すれば、電源オンの状態となって、録画ファイルの再生や、各種編集操作が可能なモード状態となる。また、カメラモード位置PS2に回転操作を行えば、電源オンの状態で、動画、又は静止画としての録画ファイルを記録可能なモード(カメラモード)となる。更に、カメラモード位置PS2とすれば、インタビューモードとなる。
インタビューモードとは、ここでは詳しい説明は省略するが、記録動作としては、音声主体で記録を行って、任意の時点で、後述するレリーズキー301又はフォトキー304を押圧操作すれば、その時点で撮影されている画像を静止画として記録するモードである。そして、インタビューモードの再生では、このインタビューモードによって記録された録画ファイルを再生するものである。このときには、例えば音声を再生しながら記録時のタイミングで、静止画を切り換えるようにして表示させていく。
【0039】
また、メインダイヤル300の回転部中央には、レリーズキー301が備えられる。
このレリーズキー301は、カメラモード又はインタビューモードにある状態で記録開始/終了のための操作子として機能するものである。
【0040】
また、本体200背面部にはジョグダイヤル303も設けられる。ジョグダイヤル303は、円盤状の操作子とされ、正/逆方向に回転操作可能に取り付けられていると共に、所定の回転角度ごとにクリック感が得られるようになっている。このジョグダイヤル303は、例えば実際には、例えば2相式のロータリエンコーダなどと組み合わされることで、例えば1クリックが1回転ステップとなるようにして、その回転方向と回転角度に対応した回転ステップ数の情報を出力する。
また、この場合のジョグダイヤル311は、図7(b)の左方向に対して押圧操作が行えるようにもなっている。
【0041】
削除キー302は、所定のモードで再生されているデータについて、削除を行うための決定キーとして機能する。
【0042】
また、主としては図6(a)に示されるように、本体200側面部においてはやや上向きの状態でフォトキー304、ズームキー305,フォーカスキー306,及び逆光補正キー307が備えられる。
フォトキー304は、例えばカメラモードの状態で押圧操作することで静止画の録画ファイルを記録するためのシャッターとして機能する操作子である。
【0043】
ズームキー305は、レンズ光学系(カメラレンズ201)におけるズーム状態(テレ側〜ワイド側)を操作する操作子である。
フォーカスキー306は、レンズ光学系のフォーカス状態(例えばノーマル/無限など)を切り換えるための操作子である。
逆光補正キー307は、逆光補正機能をオン/オフするための操作子である。
【0044】
また、図6(b)に示すようにして、可動パネル部203が配置される側の本体200側面部には、主としてファイル(トラック)の記録再生に関するキーとして、再生/ポーズキー308、停止キー309、スロー再生キー310、サーチキー311,312、録音キー313が設けられる。
また、図6(a)に示すように、本体200の上面部には、画面表示のための画面表示キー314と、スピーカからの出力音声の音量調節のための音量キー315,316が設けられる。
【0045】
なお、上記図6及び図7に示すビデオカメラの外観はあくまでも一例であって、実際に本例のビデオカメラに要求される使用条件等に応じて適宜変更されて構わないものである。もちろん操作子の種類や操作方式、さらに外部機器との接続端子類などは各種多様に考えられる。
【0046】
また、図8により、先に述べた可動パネル部203の動き方について説明しておく。なお、図8にあっては、説明の便宜上、ビデオカメラの外観は簡略化して示している。
可動パネル部203の動きとしては、先ず、図6(b)に示した位置状態から図8(a)に示すようにして矢印YJ1の方向に沿って引き起こすようにしてその位置状態を変えることができるようになっている。
この場合、表示画面(表示パネル67)は撮影者(ビューファインダ204)側に向くようにされ、撮像画像を捉えるカメラレンズ201とはほぼ対向する方向を向くことになる。この表示パネルの位置状態では、例えばビデオカメラを所持する撮影者が表示パネル67に表示された撮像画像をモニタしながら撮影(録画)を行うことができる。
【0047】
また、上記図8(a)に示す状態から矢印YJ2の方向に沿って約180°程度の範囲で可動パネル部203を回転させることができるようになっている。つまり、図8(b)に示すようにして、表示パネル67が被写体(カメラレンズ)側を向く位置状態とすることができる。
この状態では、被写体側にいるユーザが撮像画像を見ることができることになる。
ディスク装脱部205に対してディスクの挿入を行ったり、ディスクの取り出しを行ったりする場合には、この図8(a)(b)に示すようにして、本体200から可動パネル部203を起こした状態で行うようにされる。
【0048】
また、図8(b)に示す状態から矢印YJ3の方向に可動パネル部203を動かすこともできる。このようにすれば、図示はしないが、表示パネル67が外側から見える状態で、可動パネル部203が収納位置にあるようにされることになる。
【0049】
なお、上述のようにして矢印YJ2の方向に沿って表示パネルを回転させると、表示パネル67が撮影者側に向いたときと被写体側に向いたときとでは、そのままでは表示画像の見え方が上下左右で反転することになるが、本実施の形態では、可動パネル部203の回動状態に応じて、表示パネル67の表示画像が常にユーザ(撮影者及び被写体)から適正な方向で見えるように反転表示制御を行うことでこのような不都合を解消している。
【0050】
3.ビデオカメラの内部構成
図4は、本例のビデオカメラの内部構成例を示すブロック図である。
この図に示すレンズブロック1においては、例えば実際には撮像レンズや絞りなどを備えて構成される光学系11が備えられている。上記図6に示したカメラレンズ201は、この光学系11に含まれる。また、このレンズブロック1には、光学系11に対してオートフォーカス動作を行わせるためのフォーカスモータや、上記ズームキー304の操作に基づくズームレンズの移動を行うためのズームモータなどが、モータ部12として備えられる。
【0051】
カメラブロック2には、主としてレンズブロック1により撮影した画像光をデジタル画像信号に変換するための回路部が備えられる。
このカメラブロック2のCCD(Charge Coupled Device) 21に対しては、光学系11を透過した被写体の光画像が与えられる。CCD21においては上記光画像について光電変換を行うことで撮像信号を生成し、サンプルホールド/AGC(Automatic Gain Control)回路22に供給する。サンプルホールド/AGC回路22では、CCD21から出力された撮像信号についてゲイン調整を行うと共に、サンプルホールド処理を施すことによって波形整形を行う。サンプルホールド/AGC回路2の出力は、ビデオA/Dコンバータ23に供給されることで、デジタルとしての画像信号データに変換される。
【0052】
上記CCD21、サンプルホールド/AGC回路22、ビデオA/Dコンバータ23における信号処理タイミングは、タイミングジェネレータ24にて生成されるタイミング信号により制御される。タイミングジェネレータ24では、後述するデータ処理/システムコントロール回路31(ビデオ信号処理回部3内)にて信号処理に利用されるクロックを入力し、このクロックに基づいて所要のタイミング信号を生成するようにされる。これにより、カメラブロック2における信号処理タイミングを、ビデオ信号処理部3における処理タイミングと同期させるようにしている。
カメラコントローラ25は、カメラブロック2内に備えられる上記各機能回路部が適正に動作するように所要の制御を実行すると共に、レンズブロック1に対してオートフォーカス、自動露出調整、絞り調整、ズームなどのための制御を行うものとされる。
例えばオートフォーカス制御であれば、カメラコントローラ25は、所定のオートフォーカス制御方式に従って得られるフォーカス制御情報に基づいて、フォーカスモータの回転角を制御する。これにより、撮像レンズはジャストピント状態となるように駆動されることになる。
【0053】
ビデオ信号処理部3は、記録時においては、カメラブロック2から供給されたデジタル画像信号、及びマイクロフォン202により集音したことで得られるデジタル音声信号について圧縮処理を施し、これら圧縮データをユーザ記録データとして後段のメディアドライブ部4に供給する。さらにカメラブロック2から供給されたデジタル画像信号とキャラクタ画像により生成した画像をビューファインダドライブ部207に供給し、ビューファインダ204に表示させる。
また、再生時においては、メディアドライブ部4から供給されるユーザ再生データ(ディスク51からの読み出しデータ)、つまり圧縮処理された画像信号データ及び音声信号データについて復調処理を施し、これらを再生画像信号、再生音声信号として出力する。
【0054】
なお本例において、画像信号データ(画像データ)の圧縮/伸張処理方式としては、動画像についてはMPEG(Moving Picture Experts Group)2を採用し、静止画像についてはJPEG(Joint Photographic Coding Experts Group) を採用しているものとする。また、音声信号デーのタ圧縮/伸張処理方式には、ATRAC(Adaptve Transform Acoustic Coding) 2を採用するものとする。
【0055】
ビデオ信号処理部3のデータ処理/システムコントロール回路31は、主として、当該ビデオ信号処理部3における画像信号データ及び音声信号データの圧縮/伸張処理に関する制御処理と、ビデオ信号処理部3を経由するデータの入出力を司るための処理を実行する。
また、データ処理/システムコントロール回路31を含むビデオ信号処理部3全体についての制御処理は、ビデオコントローラ38が実行するようにされる。このビデオコントローラ38は、例えばマイクロコンピュータ等を備えて構成され、カメラブロック2のカメラコントローラ25、及び後述するメディアドライブ部4のドライバコントローラ46と、例えば図示しないバスライン等を介して相互通信可能とされている。
【0056】
ビデオ信号処理部3における記録時の基本的な動作として、データ処理/システムコントロール回路31には、カメラブロック2のビデオA/Dコンバータ23から供給された画像信号データが入力される。データ処理/システムコントロール回路31では、入力された画像信号データを例えば動き検出回路35に供給する。動き検出回路35では、例えばメモリ36を作業領域として利用しながら入力された画像信号データについて動き補償等の画像処理を施した後、MPEG2ビデオ信号処理回路33に供給する。
【0057】
MPEG2ビデオ信号処理回路33においては、例えばメモリ34を作業領域として利用しながら、入力された画像信号データについてMPEG2のフォーマットに従って圧縮処理を施し、動画像としての圧縮データのビットストリーム(MPEG2ビットストリーム)を出力するようにされる。また、MPEG2ビデオ信号処理回路33では、例えば動画像としての画像信号データから静止画としての画像データを抽出してこれに圧縮処理を施す際には、JPEGのフォーマットに従って静止画としての圧縮画像データを生成するように構成されている。なお、JPEGは採用せずに、MPEG2のフォーマットによる圧縮画像データとして、正規の画像データとされるIピクチャ(Intra Picture) を静止画の画像データとして扱うことも考えられる。
MPEG2ビデオ信号処理回路33により圧縮符号化された画像信号データ(圧縮画像データ)は、例えば、バッファメモリ32に対して所定の転送レートにより書き込まれて一時保持される。
なおMPEG2のフォーマットにおいては、周知のようにいわゆる符号化ビットレート(データレート)として、一定速度(CBR;Constant Bit Rate)と、可変速度(VBR;Variable Bit Rate)の両者がサポートされており、ビデオ信号処理部3ではこれらに対応できるものとしている。
【0058】
例えばVBRによる画像圧縮処理を行う場合には、例えば、動き検出回路35において、画像データをマクロブロック単位により前後数十〜数百フレーム内の範囲で動き検出を行って、動きありとされればこの検出結果を動きベクトル情報としてMPEG2ビデオ信号処理回路33に伝送する。
MPEG2ビデオ信号処理回路33では、圧縮符号化後の画像データをある所要のデータレートとするように、上記動きベクトル情報をはじめとする所要の情報を利用しながら、マクロブロックごとの量子化係数を決定していくようにされる。
【0059】
音声圧縮エンコーダ/デコーダ37には、A/Dコンバータ64(表示/画像/音声入出力部6内)を介して、例えばマイクロフォン202により集音された音声がデジタルによる音声信号データとして入力される。
音声圧縮エンコーダ/デコーダ37では、前述のようにATRAC2のフォーマットに従って入力された音声信号データに対する圧縮処理を施す。この圧縮音声信号データもまた、データ処理/システムコントロール回路31によってバッファメモリ32に対して所定の転送レートによる書き込みが行われ、ここで一時保持される。
【0060】
上記のようにして、バッファメモリ32には、圧縮画像データ及び圧縮音声信号データが蓄積可能とされる。バッファメモリ32は、主として、カメラブロック2あるいは表示/画像/音声入出力部6とバッファメモリ32間のデータ転送レートと、バッファメモリ32とメディアドライブ部4間のデータ転送レートの速度差を吸収するための機能を有する。
バッファメモリ32に蓄積された圧縮画像データ及び圧縮音声信号データは、記録時であれば、順次所定タイミングで読み出しが行われて、メディアドライブ部4のMD−DATA2エンコーダ/デコーダ41に伝送される。ただし、例えば再生時においてバッファメモリ32に蓄積されたデータの読み出しと、この読み出したデータをメディアドライブ部4からデッキ部5を介してディスク51に記録するまでの動作は、間欠的に行われても構わない。
このようなバッファメモリ32に対するデータの書き込み及び読み出し制御は、例えば、データ処理/システムコントロール回路31によって実行される。
【0061】
ビデオ信号処理部3における再生時の動作としては、概略的に次のようになる。
再生時には、ディスク51から読み出され、MD−DATA2エンコーダ/デコーダ41(メディアドライブ部4内)の処理によりMD−DATA2フォーマットに従ってデコードされた圧縮画像データ、圧縮音声信号データ(ユーザ再生データ)が、データ処理/システムコントロール回路31に伝送されてくる。
データ処理/システムコントロール回路31では、例えば入力した圧縮画像データ及び圧縮音声信号データを、一旦バッファメモリ32に蓄積させる。そして、例えば再生時間軸の整合が得られるようにされた所要のタイミング及び転送レートで、バッファメモリ32から圧縮画像データ及び圧縮音声信号データの読み出しを行い、圧縮画像データについてはMPEG2ビデオ信号処理回路33に供給し、圧縮音声信号データについては音声圧縮エンコーダ/デコーダ37に供給する。
【0062】
MPEG2ビデオ信号処理回路33では、入力された圧縮画像データについて伸張処理を施して、データ処理/システムコントロール回路31に伝送する。データ処理/システムコントロール回路31では、この伸張処理された画像信号データを、ビデオD/Aコンバータ61(表示/画像/音声入出力部6内)に供給する。
音声圧縮エンコーダ/デコーダ37では、入力された圧縮音声信号データについて伸張処理を施して、D/Aコンバータ65(表示/画像/音声入出力部6内)に供給する。
【0063】
表示/画像/音声入出力部6においては、ビデオD/Aコンバータ61に入力された画像信号データは、ここでアナログ画像信号に変換され、表示コントローラ62及びコンポジット信号処理回路63に対して分岐して入力される。
表示コントローラ62では、入力された画像信号に基づいて表示部6Aを駆動する。これにより、表示部6Aにおいて再生画像の表示が行われる。また、表示部6Aにおいては、ディスク51から再生して得られる画像の表示だけでなく、当然のこととして、レンズブロック1及びカメラブロック2からなるカメラ部位により撮影して得られた撮像画像も、ほぼリアルタイムで表示出力させることが可能である。
また、再生画像及び撮像画像の他、前述のように、機器の動作に応じて所要のメッセージをユーザに知らせるための文字やキャラクタ等によるメッセージ表示も行われるものとされる。このようなメッセージ表示は、例えばビデオコントローラ38の制御によって、所要の文字やキャラクタ等が所定の位置に表示されるように、データ処理/システムコントロール回路31からビデオD/Aコンバータ61に出力すべき画像信号データに対して、所要の文字やキャラクタ等の画像信号データを合成する処理を実行するようにすればよい。
【0064】
また、表示部6Aに対しては、タッチパネル6Bが組み合わされることで、表示パネル67を構成する。
タッチパネル6Bでは、表示部6A上に対して行われた押圧操作の位置情報を検知し、これを操作情報としてビデオコントローラ38に対して出力する。
【0065】
コンポジット信号処理回路63では、ビデオD/Aコンバータ61から供給されたアナログ画像信号についてコンポジット信号に変換して、ビデオ出力端子T1に出力する。例えば、ビデオ出力端子T1を介して、外部モニタ装置等と接続を行えば、当該ビデオカメラで再生した画像を外部モニタ装置により表示させることが可能となる。
【0066】
また、表示/画像/音声入出力部6において、音声圧縮エンコーダ/デコーダ37からD/Aコンバータ65に入力された音声信号データは、ここでアナログ音声信号に変換され、ヘッドフォン/ライン端子T2に対して出力される。また、D/Aコンバータ65から出力されたアナログ音声信号は、アンプ66を介してスピーカ205に対しても分岐して出力され、これにより、スピーカ205からは、再生音声等が出力されることになる。
【0067】
メディアドライブ部4では、主として、記録時にはMD−DATA2フォーマットに従って記録データをディスク記録に適合するようにエンコードしてデッキ部5に伝送し、再生時においては、デッキ部5においてディスク51から読み出されたデータについてデコード処理を施すことで再生データを得て、ビデオ信号処理部3に対して伝送する。
【0068】
このメディアドライブ部4のMD−DATA2エンコーダ/デコーダ41は、記録時においては、データ処理/システムコントロール回路31から記録データ(圧縮画像データ+圧縮音声信号データ)が入力され、この記録データについて、MD−DATA2フォーマットに従った所定のエンコード処理を施し、このエンコードされたデータを一時バッファメモリ42に蓄積する。そして、所要のタイミングで読み出しを行いながらデッキ部5に伝送する。
【0069】
再生時においては、ディスク51から読み出され、RF信号処理回路44、二値化回路43を介して入力されたデジタル再生信号について、MD−DATA2フォーマットに従ったデコード処理を施して、再生データとしてビデオ信号処理部3のデータ処理/システムコントロール回路31に対して伝送する。
なお、この際においても、必要があれば再生データを一旦バッファメモリ42に蓄積し、ここから所要のタイミングで読み出したデータをデータ処理/システムコントロール回路31に伝送出力するようにされる。このような、バッファメモリ42に対する書き込み/読み出し制御はドライバコントローラ46が実行するものとされる。
なお、例えばディスク51の再生時において、外乱等によってサーボ等が外れて、ディスクからの信号の読み出しが不可となったような場合でも、バッファメモリ42に対して読み出しデータが蓄積されている期間内にディスクに対する再生動作を復帰させるようにすれば、再生データとしての時系列的連続性を維持することが可能となる。
【0070】
RF信号処理回路44には、ディスク51からの読み出し信号について所要の処理を施すことで、例えば、再生データとしてのRF信号、デッキ部5に対するサーボ制御のためのフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等のサーボ制御信号を生成する。RF信号は、上記のように二値化回路43により2値化され、デジタル信号データとしてMD−DATA2エンコーダ/デコーダ41に入力される。
また、生成された各種サーボ制御信号はサーボ回路45に供給される。サーボ回路45では、入力したサーボ制御信号に基づいて、デッキ部5における所要のサーボ制御を実行する。
【0071】
なお、本例においては、MD−DATA1フォーマットに対応するエンコーダ/デコーダ47を備えており、ビデオ信号処理部3から供給された記録データを、MD−DATA1フォーマットに従ってエンコードしてディスク51に記録すること、或いは、ディスク51からの読み出しデータがMD−DATA1フォーマットに従ってエンコードされているものについては、そのデコード処理を行って、ビデオ信号処理部3に伝送出力することも可能とされている。つまり本例のビデオカメラとしては、MD−DATA2フォーマットとMD−DATA1フォーマットとについて互換性が得られるように構成されている。
ドライバコントローラ46は、メディアドライブ部4を総括的に制御するための機能回路部とされる。
【0072】
デッキ部5は、ディスク51を駆動するための機構からなる部位とされる。ここでは図示しないが、デッキ部5においては、装填されるべきディスク51が着脱可能とされ、ユーザの作業によって交換が可能なようにされた機構(ディスクスロット203(図6参照))を有しているものとされる。また、ここでのディスク51は、MD−DATA2フォーマット、あるいはMD−DATA1フォーマットに対応する光磁気ディスクであることが前提となる。
【0073】
デッキ部5においては、装填されたディスク51をCLVにより回転駆動するスピンドルモータ52によって、CLVにより回転駆動される。このディスク51に対しては記録/再生時に光学ヘッド53によってレーザ光が照射される。
光学ヘッド53は、記録時には記録トラックをキュリー温度まで加熱するための高レベルのレーザ出力を行ない、また再生時には磁気カー効果により反射光からデータを検出するための比較的低レベルのレーザ出力を行なう。このため、光学ヘッド53には、ここでは詳しい図示は省略するがレーザ出力手段としてのレーザダイオード、偏光ビームスプリッタや対物レンズ等からなる光学系、及び反射光を検出するためのディテクタが搭載されている。光学ヘッド53に備えられる対物レンズとしては、例えば2軸機構によってディスク半径方向及びディスクに接離する方向に変位可能に保持されている。
【0074】
また、ディスク51を挟んで光学ヘッド53と対向する位置には磁気ヘッド54が配置されている。磁気ヘッド54は記録データによって変調された磁界をディスク51に印加する動作を行なう。
また、図示しないが、デッキ部5においては、スレッドモータ55により駆動されるスレッド機構が備えられている。このスレッド機構が駆動されることにより、上記光学ヘッド53全体及び磁気ヘッド54はディスク半径方向に移動可能とされている。
【0075】
操作部7は図6に示した各種操作子に相当し、これらの操作子によるユーザの各種操作情報は例えばビデオコントローラ38に出力される。
ビデオコントローラ38は、先に述べたタッチパネル6B、及び上記操作部7から出力される操作情報に応じた必要な動作が各部において実行されるようにするための制御情報をカメラコントローラ25、ドライバコントローラ46に対して供給する。
【0076】
外部インターフェイス8は、当該ビデオカメラと外部機器とでデータを相互伝送可能とするために設けられており、例えば図のようにI/F端子T3とビデオ信号処理部間に対して設けられる。なお、外部インターフェイス8としてはここでは特に限定されるものではないが、例えばIEEE1394等が採用されればよい。
例えば、外部のデジタル画像機器と本例のビデオカメラをI/F端子T3を介して接続した場合、ビデオカメラで撮影した画像(音声)を外部デジタル画像機器に録画したりすることが可能となる。また、外部デジタル画像機器にて再生した画像(音声)データ等を、外部インターフェイス8を介して取り込むことにより、MD−DATA2(或いはMD−DATA1)フォーマットに従ってディスク51に記録するといったことも可能となる。更には、例えばキャプションの挿入などに利用する文字情報としてのファイルも取り込んで記録することが可能となる。
【0077】
電源ブロック9は、内蔵のバッテリにより得られる直流電源あるいは商用交流電源から生成した直流電源を利用して、各機能回路部に対して所要のレベルの電源電圧を供給する。電源ブロック9による電源オン/オフは、上述したメインダイヤル300の操作に応じてビデオコントローラ38が制御する。
また記録動作中はビデオコントローラ38はインジケータ206の発光動作を実行させる。
【0078】
4.メディアドライブ部の構成
続いて、図4に示したメディアドライブ部4の構成として、MD−DATA2に対応する機能回路部を抽出した詳細な構成について、図5のブロック図を参照して説明する。なお、図5においては、メディアドライブ部4と共にデッキ部5を示しているが、デッキ部5の内部構成については図4により説明したため、ここでは、図4と同一符号を付して説明を省略する。また、図5に示すメディアドライブ部4において図4のブロックに相当する範囲に同一符号を付している。
【0079】
光学ヘッド53のディスク51に対するデータ読み出し動作によりに検出された情報(フォトディテクタによりレーザ反射光を検出して得られる光電流)は、RF信号処理回路44内のRFアンプ101に供給される。
RFアンプ101では入力された検出情報から、再生信号としての再生RF信号を生成し、二値化回路43に供給する。二値化回路43は、入力された再生RF信号について二値化を行うことにより、デジタル信号化された再生RF信号(二値化RF信号)を得る。
この二値化RF信号はMD−DATA2エンコーダ/デコーダ41に供給され、まずAGC/クランプ回路103を介してゲイン調整、クランプ処理等が行われた後、イコライザ/PLL回路104に入力される。
イコライザ/PLL回路104では、入力された二値化RF信号についてイコライジング処理を施してビタビデコーダ105に出力する。また、イコライジング処理後の二値化RF信号をPLL回路に入力することにより、二値化RF信号(RLL(1,7)符号列)に同期したクロックCLKを抽出する。
【0080】
クロックCLKの周波数は現在のディスク回転速度に対応する。このため、CLVプロセッサ111では、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKを入力し、所定のCLV速度(図3参照)に対応する基準値と比較することにより誤差情報を得て、この誤差情報をスピンドルエラー信号SPEを生成するための信号成分として利用する。また、クロックCLKは、例えばRLL(1,7)復調回路106をはじめとする、所要の信号処理回路系における処理のためのクロックとして利用される。
【0081】
ビタビデコーダ105は、イコライザ/PLL回路104から入力された二値化RF信号について、いわゆるビタビ復号法に従った復号処理を行う。これにより、RLL(1,7)符号列としての再生データが得られることになる。
この再生データはRLL(1,7)復調回路106に入力され、ここでRLL(1,7)復調が施されたデータストリームとされる。
【0082】
RLL(1,7)復調回路106における復調処理により得られたデータストリームは、データバス114を介してバッファメモリ42に対して書き込みが行われ、バッファメモリ42上で展開される。
このようにしてバッファメモリ42上に展開されたデータストリームに対しては、先ず、ECC処理回路116により、RS−PC方式に従って誤り訂正ブロック単位によるエラー訂正処理が施され、更に、デスクランブル/EDCデコード回路117により、デスクランブル処理と、EDCデコード処理(エラー検出処理)が施される。
これまでの処理が施されたデータが再生データDATApとされる。この再生データDATApは、転送クロック発生回路121にて発生された転送クロックに従った転送レートで、例えばデスクランブル/EDCデコード回路117からビデオ信号処理部3のデータ処理/システムコントロール回路31に対して伝送されることになる。
【0083】
転送クロック発生回路121は、例えば、クリスタル系のクロックをメディアドライブ部4とビデオ信号処理部3間のデータ伝送や、メディアドライブ部4内における機能回路部間でのデータ伝送を行う際に、適宜適正とされる周波数の転送クロック(データ転送レート)を発生するための部位とされる。
また、当該ビデオカメラの動作状態に応じて、メディアドライブ部4及びビデオ信号処理部3の各機能回路部に供給すべき所要の周波数のクロックを発生する。
【0084】
光学ヘッド53によりディスク51から読み出された検出情報(光電流)は、マトリクスアンプ107に対しても供給される。
マトリクスアンプ107では、入力された検出情報について所要の演算処理を施すことにより、トラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、グルーブ情報(ディスク51にウォブルドグルーブWGとして記録されている絶対アドレス情報)GFM等を抽出しサーボ回路45に供給する。即ち抽出されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FEはサーボプロセッサ112に供給され、グルーブ情報GFMはADIPバンドパスフィルタ108に供給される。
【0085】
ADIPバンドパスフィルタ108により帯域制限されたグルーブ情報GFMは、A/Bトラック検出回路109、ADIPデコーダ110、及びCLVプロセッサ111に対して供給される。
A/Bトラック検出回路109では、例えば図2(b)にて説明した方式などに基づいて、入力されたグルーブ情報GFMから、現在トレースしているトラックがトラックTR・A,TR・Bの何れとされているのかについて判別を行い、このトラック判別情報をドライバコントローラ46に出力する。また、ADIPデコーダ110では、入力されたグルーブ情報GFMをデコードしてディスク上の絶対アドレス情報であるADIP信号を抽出し、ドライバコントローラ46に出力する。ドライバコントローラ46では、上記トラック判別情報及びADIP信号に基づいて、所要の制御処理を実行する。
【0086】
CLVプロセッサ111には、イコライザ/PLL回路104からクロックCLKと、ADIPバンドパスフィルタ108を介したグルーブ情報GFMが入力される。CLVプロセッサ111では、例えばグルーブ情報GFMに対するクロックCLKとの位相誤差を積分して得られる誤差信号に基づき、CLVサーボ制御のためのスピンドルエラー信号SPEを生成し、サーボプロセッサ112に対して出力する。なお、CLVプロセッサ111が実行すべき所要の動作はドライバコントローラ46によって制御される。
【0087】
サーボプロセッサ112は、上記のようにして入力されたトラッキングエラー信号TE、フォーカスエラー信号FE、スピンドルエラー信号SPE、ドライバコントローラ46からのトラックジャンプ指令、アクセス指令等に基づいて各種サーボ制御信号(トラッキング制御信号、フォーカス制御信号、スレッド制御信号、スピンドル制御信号等)を生成し、サーボドライバ113に対して出力する。
サーボドライバ113では、サーボプロセッサ112から供給されたサーボ制御信号に基づいて所要のサーボドライブ信号を生成する。ここでのサーボドライブ信号としては、二軸機構を駆動する二軸ドライブ信号(フォーカス方向、トラッキング方向の2種)、スレッド機構を駆動するスレッドモータ駆動信号、スピンドルモータ52を駆動するスピンドルモータ駆動信号となる。
このようなサーボドライブ信号がデッキ部5に対して供給されることで、ディスク51に対するフォーカス制御、トラッキング制御、及びスピンドルモータ52に対するCLV制御が行われることになる。
【0088】
ディスク51に対して記録動作が実行される際には、例えば、ビデオ信号処理部3のデータ処理/システムコントロール回路31からスクランブル/EDCエンコード回路115に対して記録データDATArが入力されることになる。このユーザ記録データDATArは、例えば転送クロック発生回路121にて発生された転送クロック(データ転送レート)に同期して入力される。
【0089】
スクランブル/EDCエンコード回路115では、例えば記録データDATArをバッファメモリ42に書き込んで展開し、データスクランブル処理、EDCエンコード処理(所定方式によるエラー検出符号の付加処理)を施す。この処理の後、例えばECC処理回路116によって、バッファメモリ42に展開させている記録データDATArに対してRS−PC方式によるエラー訂正符号を付加するようにされる。
ここまでの処理が施された記録データDATArは、バッファメモリ42から読み出されて、データバス114を介してRLL(1,7)変調回路118に供給される。
【0090】
RLL(1,7)変調回路118では、入力された記録データDATArについてRLL(1,7)変調処理を施し、このRLL(1,7)符号列としての記録データを磁気ヘッド駆動回路119に出力する。
【0091】
ところで、MD−DATA2フォーマットでは、ディスクに対する記録方式として、いわゆるレーザストローブ磁界変調方式を採用している。レーザストローブ磁界変調方式とは、記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加すると共に、ディスクに照射すべきレーザ光を記録データに同期してパルス発光させる記録方式をいう。
このようなレーザストローブ磁界変調方式では、ディスクに記録されるピットエッジの形成過程が磁界の反転速度等の過渡特性に依存せず、レーザパルスの照射タイミングによって決定される。
このため、例えば単純磁界変調方式(レーザ光をディスクに対して定常的に照射すると共に記録データにより変調した磁界をディスク記録面に印加するようにした方式)と比較して、レーザストローブ磁界変調方式では、記録ピットのジッタをきわめて小さくすることが容易に可能とされる。つまり、レーザストローブ磁界変調方式は、高密度記録化に有利な記録方式とされるものである。
【0092】
メディアドライブ部4の磁気ヘッド駆動回路119では、入力された記録データにより変調した磁界が磁気ヘッド54からディスク51に印加されるように動作する。また、RLL(1,7)変調回路118からレーザドライバ120に対しては、記録データに同期したクロックを出力する。レーザドライバ120は、入力されたクロックに基づいて、磁気ヘッド54により磁界として発生される記録データに同期させたレーザパルスがディスクに対して照射されるように、光学ヘッド53のレーザダイオードを駆動する。この際、レーザダイオードから発光出力されるレーザパルスとしては、記録に適合する所要のレーザパワーに基づくものとなる。このようにして、本例のメディアドライブ部4により上記レーザストローブ磁界変調方式としての記録動作が可能とされる。
【0093】
5.本実施の形態に対応するディスク構造例
次に、本実施の形態に対応するディスク51のデータ構造例について説明する。
先ず、MD−DATA2のフォーマットとしてセクタ、クラスタといわれるデータ単位について述べておく。
セクタは、ディスクからの物理的なデータ読み出しの最小単位であり、各セクタには、PSA(Physical Sector Address)が割り当てられる。
また、クラスタは、ディスクへの物理的なデータ書き込みの最小単位とされ、PSAが0h〜Fhまでの連続する16のセクタの集合により形成される。各クラスタには、PCA(Physical Cluster Address)が割り当てられる。そして、後述するリードインエリア(プリマスタード・エリア)に在るセクターは、PCAによって一意に特定することができる。また、レコーダブルエリアにあるクラスタは同一のPCAを有するクラスタがトラックTr・A,Tr・Bとで1つずつ存在することになる。
【0094】
図9は、本実施の形態に対応するとされるディスク51のデータ管理形態例を概念的に示している。なお、この図に示すディスク51の物理フォーマットについては、先に図1及び図2により説明した通りである。
ディスク51においては、例えば、管理情報としてPTOC、及びRTOCが設定される。PTOCは、ピット形態により所要の管理情報が記録される。このPTOCの内容は書き換えが不可とされている。
RTOCは、例えばディスクに記録されたデータを管理するのに必要な基本的な情報が記録される。
例えば本例の場合であれば、ディスクに記録されたデータとして、トラック(ファイルと同義の場合有り)、及びフォルダ(トラックをグループ化して管理するための構造)を記録再生時において管理するための情報が格納される。
なお、RTOCの内容は、例えば、これまでのディスクに対するデータの記録結果や、トラック(ファイル)、フォルダの削除等の編集処理結果に従って逐次書き換えが行われるものとされる。
【0095】
ユーザデータは、1つのルートフォルダ内に置かれたボリュームフォルダ(Volume Folder)として管理される。本実施の形態においてボリューム(Volume)とは、ユーザデータの完全な集合として定義され、1枚のディスクにはただ1つのボリュームが存在するものとして規定される。そして、このボリューム内に含まれるデータは、上記PTOC、RTOCで管理されるものを除いて、ボリュームフォルダ以下のフォルダ及びトラックとして格納されることになる。
【0096】
ボリュームフォルダ内においては、所定サイズ(例えば12クラスタ)のボリュームインデックストラック(VIT:Volume Index Track)が置かれる。
このボリュームインデックストラックは、例えば上記PTOC、RTOCが主的管理情報とすれば、いわば副管理情報が記録される領域として規定されるもので、トラック(ファイル)、フォルダ、及び補助データ(Auxiliary Data)に関すプロパティ、タイトル、及びトラックを形成するパケットデータを管理するための情報が記録されるテーブルを有する。
【0097】
また、ボリュームフォルダ内で管理されるトラックとして、サムネイルトラック(Thumbnail Picture Track)がオプションとして配置可能とされている。
本実施の形態においては、ディスクに記録された各ファイルごとに対応付けして、所定解像度による1枚の静止画像をサムネイル画像として有することが可能とされている。サムネイル画像は、ファイルを視覚的に認識可能とするための代表画像として扱われる。
サムネイルトラックには、ディスクに記録されているファイル(トラック)との対応付けと、サムネイル画像の格納位置とが示されるインデックス情報と共に記録される。サムネイルトラックのデータ長は、格納されるサムネイル画像数等に応じて任意に拡張可能とされる。
【0098】
そして、例えばユーザが撮影等によって記録した画像/音声データはファイル単位で管理され、ボリュームフォルダ内において、トラックとしてボリュームフォルダの下に置かれる、或いは、ボリュームフォルダ以下に置かれるフォルダ内に置かれることになる。
図9では、或る1ファイルが1トラックとして表現された上で、このトラックが或る1つのフォルダ内に格納されている状態が示されている。フォルダは、上述のように、トラック又はフォルダを1グループにまとめて管理するための構造である。
従ってボリュームフォルダ以下の構造においては、ボリュームフォルダ内に格納可能な最大件数と、フォルダの階層構造の最大段数により規定される範囲内で、任意の数のトラック又はフォルダが格納されることになる。
【0099】
また、ボリュームフォルダ内には、補助データ(Auxiliary Data)が格納される補助データトラック(Auxiliary Data Track)が配置される。
補助データトラックに格納されるべき情報としては、例えば、実際に適用されるアプリケーションによって任意とされる。
本実施の形態においては、再生制御情報としてのスクリプトの情報が格納されることになる。また、ここでの詳しい説明は省略するが、トラック(録画ファイル)に対する「落書き編集」によって作成された画像データ(Image)も格納される。
【0100】
ところで、上記した管理情報であるPTOC,RTOC、また更にはボリュームインデックストラックに格納された情報(これらの情報を総称しても、本実施の形態では「管理情報」ということにする)は、例えば、ディスク装填時において読み出されて、例えば、メディアドライブ部4のバッファメモリ42(又はバッファメモリ32)の所定領域に保持される。そして、データ記録時や編集時においては、その記録結果や編集結果に応じてバッファメモリに保持されているこれら管理情報について書き換えを行うようにし、その後、所定の機会、タイミングでもって、バッファメモリに保持されている管理情報の内容に基づいて、ディスク51の管理情報を書き換える(更新する)ようにされる(但し、PTOCについては更新は行われない)。
【0101】
図10は、上記図9に示したデータ管理形態をディスク51の物理構造に対応させて示しているものである。
この図に示すリードインエリアは、ディスク最内周におけるピットエリアであり、ここにPTOCの情報が記録される。
【0102】
そして、このリードインエリアの外周に対しては、トランジションエリアを介してレコーダブルエリアが形成される。このレコーダブルエリアは、光磁気記録再生が可能とされる光磁気記録領域とされる。このレコーダブルエリアは、先に図1,図2により説明したように、トラックTr・AとトラックTr・Bの2本のトラックがダブルスパイラル上に形成される。
【0103】
レコーダブルエリアの最内周にあっては、トラックTr・A,Tr・B共に、RTOCエリアが設けられる。そして、トラックTr・AのRTOCエリア内にあっては、4クラスタのサイズのRTOCの情報が3回繰り返して記録される。そしてこれに続けて、12クラスタのサイズのボリュームインデックストラックが配置される。
そして、ボリュームインデックストラックに続けては、サムネイルトラックをオプションとして配置することができることになっている。このRTOCエリア内のサムネイルトラックとしては、少なくとも最初の1クラスタが位置するものと規定されている。そして、例えばファイル数の増加に応じてサムネイル画像データ数が多くなり、RTOCエリア内のサムネイルトラックの容量を超えたときには、後述するレコーダブルデータエリアに対して追加的に記録していくことができる。また、このときのレコーダブルデータエリア上のサムネイルトラックは、ボリュームインデックストラック(又はRTOC)によって管理される。
【0104】
また、このRTOCエリアのサムネイルトラックに続けて、補助データであるスクリプトとイメージデータを記録する領域をオプションとして設定することができる。
また、これらスクリプトとイメージデータについても、RTOCエリア内にて記録可能な容量を超えたときには、ボリュームインデックストラック(又はRTOC)により管理される形態で、レコーダブルデータエリアに対して追加的に記録していくことができる。
【0105】
そして、レコーダブルデータエリアスタートアドレスWより示されるアドレス位置からは、レコーダブルデータエリアが設けられる。このレコーダブルデータエリアに対して、AVデータ、即ちトラック(ファイル)のデータが記録される。また、前述したサムネイル画像データ及び補助データも記録可能とされる。
【0106】
このレコーダブルデータエリアが終了すると、リードアウトエリアスタートアドレスLにより示されるアドレス位置から最外周にかけてリードアウトエリアが形成される。
【0107】
上記説明は、トラックTr・Aに関するものであるが、トラックTr・Bについても、図10から分かるように、領域設定はトラックTr・Aに準ずる。但し、RTOCエリアについては現段階では未定義とされている。つまり、RTOCエリアは、トラックTr・Aについてのみ実質的に使用されるようにしている。
【0108】
なお、これら図9及び図10に示すディスク構造例はあくまでも一例であって、ディスク上での各エリアの物理的位置関係は、実際の使用条件等に応じて変更されて構わないし、データが格納される構造も変更されてかまないものである。
【0109】
6.サムネイル画像生成処理
上記図9及び図10に示したサムネイルトラックに格納されるサムネイル画像は、本実施の形態のビデオカメラにより生成することが可能とされるが、ここで、サムネイル画像の生成処理について説明しておく。なお、ここでは既にディスクに記録された画像ファイルについてのサムネイル画像を生成する場合について説明する。
【0110】
前述のように、例えばディスク51に記録されている管理情報(PTOC、RTOC、ボリュームインデックストラック)は、ディスク装填時などの所定のタイミングで読み出されて、バッファメモリ42(或いはバッファメモリ32)に対して格納されているものとされる。
【0111】
そして、ドライバコントローラ46は、例えばバッファメモリ42に格納されている管理情報を参照して、これよりサムネイル画像を生成すべきファイルについて、サムネイル画像として指定されている画像データが記録されているディスク上のアドレスを求め、このアドレスにアクセスしてディスクに対する読み出し動作を実行させることで、サムネイル画像の生成元としての画像データを得るようにされる。
この画像データは、順次メディアドライブ部4からビデオ信号処理部3に伝送され、データ処理/システムコントロール回路31に供給される。
なお、管理情報によりサムネイル画像の生成元として規定される画像データは、特段の指定が無ければ、例えばファイル中における先頭のフレーム(又はフィールド)画像データが指定されているものとされる
【0112】
そして、データ処理/システムコントロール回路31では、供給された画面データについて、先ず、MPEG2ビデオ信号処理回路33を制御してMPEG2フォーマットに従った伸張処理を施し、フィールド画像単位の画像データのレベルにまでデコードしたデータを獲得するようにされる。
【0113】
例えば、上記フィールド画像単位のレベルにまでデコードされた画像データの段階では、通常は、表示画面に対してほぼフルサイズで表示されるだけの画像サイズ(画素数)を有したデータとされる。
そこで、上記フィールド画像単位によるフルサイズの画像データが得られた後は、このフルサイズの画像データについて縮小処理を行って、実際に必要とされるサムネイル画像のサイズが得られるように処理を行うことになる。
このような画像サイズの縮小のためには、例えば元のフルサイズの画像データに対して、適切なタイミングで画素データに対するサンプリングを行い、このサンプリングした画素データによって画像データを再構成するように信号処理を実行すればよい。
【0114】
そして、例えばビデオコントローラ38は、このようにして得られたサムネイル画像データについてのインデックス情報(図9により説明)を生成し、このインデックス情報と共にこのサムネイル画像データをディスクのサムネイルトラックに記録するように制御を実行する。
このようにして、ファイルごとに対応したサムネイル画像データが得られ、ディスクに記録される。
【0115】
なお、本実施の形態としては、これまでの説明から分かるように、画像データ(音声データを含む)の他、音声のみによる音声データ、更には文字情報データなどもファイルとして記録可能とされるが、例えば、音声データ、文字情報データ等、そのファイル内にサムネイル画像の生成元となる画像データが無いような場合には、例えば、予め音声データや文字情報データであることを視覚的に認識できるような絵柄の画像データを用意しておき(例えばビデオコントローラ38のROM内に格納しておいたり、ディスクの所定領域に格納するなどしておけばよい)、この画像データをサムネイル画像として利用するようにすればよいものである。
【0116】
7.スクリプト
また、本実施の形態においては、当該ビデオカメラにより記録したファイル(主として録画ファイル)についての、再生順指定や再生時に所要の特殊効果を与えるなどの編集処理を行うことができる。
上記のような編集を行うのにあたり、本実施の形態では、録画ファイルについて所要の再生出力態様を与えることのできる再生制御情報としてのスクリプトを用意し、ビデオカメラにおいては、例えばビデオコントローラ38がこのスクリプトを解釈することで、編集結果に応じた再生出力態様(例えば再生順)を得るようにするものである。また、編集段階においては、スクリプトの内容の更新を行うことで編集処理を実行するように構成されるものである。なお、ここでいう「スクリプト」とは、動画像データ、静止画像データ、音声データ、更には文書データ等を同時タイミングで再生出力するために、所定のプログラム言語により記述された手続き書き構造をいうものとされる。
【0117】
そこで先ず、本実施の形態において再生制御情報として利用されるスクリプトについて概略的に説明する。
【0118】
本実施の形態としては、スクリプトとしてSMIL(Synchronized Multimedia
Integration Language)を採用するものとする。
SMILとは、例えばインターネット上でのテレビ番組放送、プレゼンテーション等を実現するために、W3C(インターネットの標準化団体)で標準化が行われている言語であり、XML(HTMLのスーパーセット)の文法に基づき、時系列的なプレゼンテーション等を実現しようとするものである。
【0119】
先ず、スケジューリングは<seq>,<par>の2つのタグにより表現される。
<seq>は、seqential、つまり直列を意味し、このタグで囲まれた情報は時間順に再生されることになる。
<par>は、parallel、つまり並列を意味し、このタグで囲まれた情報は同期して再生されることになる。
【0120】
ここで、例えばディスクに記録されているとされるファイルにおいて、video1,video2,video3として表される画像データのファイルについて、video1→video2→video3の順に再生するように指定した場合には、
Figure 0004178679
のようにして記述が行われる。
【0121】
また、ファイルvideo1→video2→video3の順に再生すると共に、video1に対しては、音声データのファイルであるaudio1をアフレコトラックとして同時再生させたいときには、
Figure 0004178679
のようにして記述が行われることになる。
【0122】
また、或るファイルと同期再生させるべきファイルについて、この或るファイルが再生されて何秒後の位置から再生させる等の指定を行うための記述も用意されている。
例えば、video1の画像ファイルが表示(再生)されてから5秒後にキャプション(例えば文字情報としての画像)を表示させるような場合には、
Figure 0004178679
のようにして記述が行われることになる。
【0123】
また、例えば静止画ファイルとしてのファイルpicture1を5秒間表示するように指示するのであれば、
<image src=”picture1” dur = ”5s”>
のようにして記述される。
【0124】
また、いわゆるフレームミュートといわれ、或る動画ファイルの一部を抜き出すようにして再生する場合には、「range」を利用する。例えば、タイムコードとしてSMPTE(Society of Motion Picture and Television)の規格を採用しているとして、
<video src=”video1”range=”smpte:10:07:00−10:07:33”>
のようにして記述することができる。
【0125】
また、或るファイルを指定してリピートを行うのには、「repeat」を利用する。例えばvideo1のファイルを10回リピートするのであれば、
<video src = ”video1”repeat = ”10”>
のようにして記述する。
【0126】
そして本実施の形態においては、このような、SMILといわれるスクリプトを利用し、サムネイル表示として所要の表示形態を与えるための表示制御を実行可能に構成されるものである。
このため、例えば本実施の形態のビデオカメラシステムにおいては、このSMILに対応した解釈、及びスクリプトの記述(生成)が行えるように、XMLのサブセットが用意されることになる。これは、例えばビデオコントローラ38が実行すべきプログラムとして、ビデオコントローラ38内のROM等に予め格納したり、或いはディスクのアプリケーションレイヤーに対して記録して、読み出しが行えるようにしておけばよい。
【0127】
本実施の形態においては、このようなスクリプトは、例えば、編集段階(又は録画操作を行っている段階)において、ビデオコントローラ38が生成又は更新を行って、例えばバッファメモリ32内の所定領域に保持しておくものとされる。
そして、このようにしてバッファメモリ32に保持されたスクリプトを、所定の機会、又はタイミングでもってディスクに記録するようにされる。このスクリプトのデータは、図9及び図10にて説明した補助データトラック(Auxiliary Data Track)に対して、スクリプトファイルとして格納されることになる。このようにしてディスクにスクリプトが記録されることで、次にこのディスクを新たに装填したときには、このディスクに記録されたスクリプトを読み出し、例えば、バッファメモリ32に対して保持させてこれを参照することで、以前の編集により得られた再生順等に従って編集再生等を行うことが可能となるものである。
【0128】
8.操作画面表示
本実施の形態のビデオカメラでは、ディスクに記録されたファイルの検索、また各種編集、設定処理を行うのにあたり、表示パネル67に対して、操作画面の表示を行う。
この操作画面としては、現在装填されているディスク、及びこのディスクに記録されたファイル等についての各種情報を提示するようにしている。そして、この操作画面に対する押圧操作(以降はポインティング操作という)と、各種操作子に対する操作の併用によって、或る目的に従った各種操作が実現されるようにしている。
ここで、本実施の形態の操作画面としては、現在装填されているディスクに記録されたファイルごとに対応するサムネイル画像(小画像)を提示する、いわゆるサムネイル表示を行うようにもされている。つまり、ユーザは、この操作画面に表示されるサムネイル画像を見ることで、ディスクに記録されたファイル(トラック)の内容を視覚的に確認できる。また、このサムネイル画像に対する操作によって、ファイルの検索や再生等を行うことができる。
【0129】
図11は、本実施の形態のビデオカメラの表示パネル67に表示される操作画面の表示形態例を示している。
この操作画面は、例えばディスクが装填された状態で再生/編集モードとされると初期画面として表示されるようになっている。
【0130】
この図にあっては、先ず、表示領域の上段において、情報表示エリアA1が設けられる。この情報表示エリアA1においては、ユーザにとって必要とされる各種情報が提示されるもので、ここでは、バッテリ残量表示エリアA1−1、スポーツモード表示エリアA1−2、再生モード表示エリアA1−3、記録残り時間表示エリアA1−4、ディスクアイコンA1−5が配置される。
【0131】
バッテリ残量表示エリアA1−1では、バッテリ残量をバッテリのシンボルと時間によって示すようにしている。
また、ここでは詳しい説明は省略するが、本実施の形態のビデオカメラでは、再生モードとして、例えばコマ送り再生などが行われてユーザが撮影した被写体等の運動の動きを確認可能なスポーツモードを設定可能とされている。そして、スポーツモード表示エリアA1−2では、スポーツモードが設定されていると、例えば図のように「SPORT」という文字によって現在スポーツモードが設定されていることを通知する。
再生モード表示エリアA1−3では、例えばシャッフル再生、リピート再生、A−B間再生など、各種特殊再生モードを文字、シンボル等によって提示する。記録残り時間表示エリアA1−4は、ディスクの記録可能な残り容量を時間によって示している。
ディスクアイコンA1−5は、例えばディスクが装填されていると表示され、このディスクアイコンA1−5に対してポインティング操作を行うと、この図に示す操作画面から、現在装填されているディスクに関する各種情報が表示される、ディスク情報画面の表示に切り換えることが可能となっている。
【0132】
この情報表示エリアA1の下側には、サムネイル表示エリアA2が設けられる。ここでは、最大9枚(9ファイル分)のサムネイル画像を表示可能とされており、ここでは、A〜Iのサムネイル画像SNが表示されている状態が示されている。ここでは示していないが、例えば実際には、各サムネイル画像SNとしては、例えばそのファイルが録画ファイルであれば、その録画ファイルにおいて抜き出された画像が静止画像として表示されている。
【0133】
また、ここでA〜Iのアルファベット順による各サムネイル画像SNの配列順は、基本的には再生順に従っている。つまり、本実施の形態においては、スクリプトにより指定されるファイル再生順に従った所定の配列順によってサムネイル画像を表示可能とされている。但し、ソートなどの操作が行われれば、そのソート順に従ってサムネイルが表示される。
【0134】
この場合、一度に表示可能なサムネイル画像数は9つとされているが、例えばディスクに記録されているトラック(ファイル)数が9よりも多く、従ってサムネイル画像数も9より多い場合には、サムネイル表示エリアA2の右横に表示されるスクロールバーA4に対して、ポインティングを行って例えばドラッグ操作を行うことで、サムネイル表示エリアA2に表示されているサムネイル画像をスクロールさせながら表示させることができるようになっている。
【0135】
また、サムネイル表示エリアA2に表示されている各サムネイル画像SN上においては、各種アイコンが重畳表示されている。
これらアイコンとして、先ず動画アイコンi1は、このアイコンが重畳表示されているサムネイル画像が対応するファイルが動画を記録したファイルであることを示している。図11の場合であれば、サムネイル画像(A,B,C,D,E)が動画ファイルであることが認識される。
【0136】
また、サムネイル画像(G)に表示されているアイコンは、静止画アイコンi2であり、このアイコンによって、そのファイルが静止画ファイルであることが示される。
サムネイル画像(H)に表示されているのはインタビューファイルアイコンi3であり、前述したインタビューモードによって記録されたインタビューファイルであることが示される。
また、サムネイル画像(I)に表示されているのはグループアイコンi4である。本実施の形態のビデオカメラでは、サムネイル表示上での管理として、再生順的に連続する複数のファイルを1纏めにしてグループ化し、このようにしてグループ化した複数ファイルを1つのサムネイル画像として表示することができる。グループアイコンi4は、このようにしてグループ化に対応したサムネイル画像に対して重畳表示される。
【0137】
また、サムネイル画像(F)に表示されているアイコンは、メモファイルアイコンi5である。本実施の形態のビデオカメラでは、編集機能として、ユーザがメモ書きをした内容を1つの独立したファイルとして作成可能とされている。このようなメモファイルを例えば任意のファイルの前に挿入して再生させれば、そのファイルのタイトル的な内容がメモファイルによって表示されるようにすることができる。メモファイルアイコンi5は、そのファイルがメモファイルであることを示す。
【0138】
また、例えばサムネイル画像(C,E)に表示されている鉛筆を模したアイコンは、落書きアイコンi6である。本実施の形態のビデオカメラの編集機能として、既に記録した画像ファイルに対して、ユーザがペン320等によって行ったパネル表示部67への操作軌跡や、スタンプ画像などの貼り付け操作等によって、落書き的な画像を追加させることが可能とされている。
落書きアイコンi6は、この落書き機能によって落書きされたファイルであることを示す。
【0139】
また、サムネイル画像(B,E)にはマークアイコンi7が表示されている。ユーザは、後述するような操作によって、任意のファイルに対してマークを付すことができる。例えばユーザは、自分にとって重要度の高いファイルについてその覚えとしてマークを行うようにされる。そしてマークアイコンi7は、このマークが付されていることを示す。
【0140】
サムネイル画像(A,E)にはロックアイコンi8が表示されている。ユーザは、これも後述する操作によって、任意のファイルについて削除、及び編集等の変更等を行わせないように「ロック」を設定することができる。ロックアイコンi8は、そのファイルがロックされていることを示す。
また、サムネイル画像(A,E)の下側には、エフェクトアイコンi9が表示されている。本実施の形態では、例えば各種シーンチェンジや、モザイクなどの特殊再生効果をファイルに与えることが可能とされているが、エフェクトアイコンi9はこのような特殊効果が与えられたファイルであることを示している。
【0141】
本実施の形態では、このようにして、各種アイコンをサムネイル画像上に重畳表示することで、そのサムネイル画像が対応するファイルの種別、各種設定状況等の諸属性を、ユーザに対して視覚的に認識させることが可能となっている。
【0142】
また、サムネイル画像(E)の画像を枠取るようにして表示されるポインタアイコンi10は、例えばユーザがペン320などによって、サムネイル画像上をポインティング操作することで、そのポインティング操作されたサムネイル画像に対して移動して表示されるものである。そして、このポインタアイコンi10が配置表示されているサムネイル画像が、現在選択されていることになる。
ここで、例えばユーザが再生/ポーズキー308を操作したとすると、このポインタアイコンi10が配置されて選択されているトラックから再生が開始されるようになっている。
【0143】
サムネイル表示エリアA2の左側には、各種メニューキーが表示されるメニューキーエリアA3が設けられる。
このメニューキーエリアA3においては、上から順に、再生メニューキーA3−1、編集メニューキーA3−2、落書き・効果メニューキーA3−3、スタジオメニューキーA3−4、設定メニューキーA3−5、アドバンストメニューキーA3−6が配置表示される。
【0144】
再生メニューキーA3−1は、各種再生に関するメニューを提示し、設定を行うためのキーであり、例えば再生モード表示エリアA1−3に反映される再生モード等を設定することができる。
編集メニューキーA3−2は、記録されたファイル単位での編集に関連する各種項目が提示され、例えば、トラック(ファイル)の移動、コピー、削除、トラック分割、ファイルのグループ化、静止画取りだし(例えばサムネイル画像として表示させる静止画の選択である)が行える。また、トラック情報を提示すると共にトラック情報ごとに関する各種設定が行えるトラック情報画面への移行のための操作もここで行える。
【0145】
落書き・効果メニューキーA3−3は、落書き機能、及びシーンチェンジ(フェードイン、フェードアウト、ワイプなど)、音声特殊効果、画像特殊効果(モザイク、セピア処理)などの各種特殊再生効果の設定を行うためのメニューが提示される。
また、本実施の形態のビデオカメラでは、ユーザがGUIに従って録画及び操作を行っていくことで、簡易に映像作品を作成できる機能を有している。スタジオメニューキーA3−4は、このような簡易映像作品作成機能に対応したメニューが提示される。
【0146】
設定メニューキーA3−5は、例えば表示部6Aとしての画面の明るさ、パネル色の濃淡、ビューファインダーの明るさ、日時設定、静止画設定時間等の各種設定を行うためのメニューが提示される。
アドバンストメニューキーA3−6は例えばパーソナルコンピュータとの接続機能やデモモード等に関してのメニューを提示する。
【0147】
また、表示領域の下段には、トラック情報表示エリアA5が設けられる。このトラック情報表示エリアA5には、サムネイル表示エリアA2において選択されている(ポインタアイコンi10が配置されている)サムネイル画像が対応するトラックについての情報が表示される。
ここでは、先ずトラックナンバ表示エリアA5−1においてトラックナンバが示され、続いて、日時/タイトル表示エリアA5−2において、記録日時とそのトラックに対して付されているタイトルが所定時間(例えば数秒)ごとに交互に表示される。時間表示エリアA5−3には、そのトラックの総時間が表示される。
また、ショートカットアイコンA5−4は、選択されているサムネイル画像が対応するファイルの種別、グループ化設定の有無等に対応して、先に述べた各種アイコン(例えば、動画アイコンi1、静止画アイコンi2、インタビューファイルアイコンi3、グループアイコンi4、メモファイルアイコンi5)の何れかが表示される。そして、このショートカットアイコンA5−4に対してポインティング操作を行うと、トラック情報画面に移行することができるようになっている。
【0148】
ここで、メニューキーエリアA3に対する操作例として、再生メニューキーA3−1の場合を例に挙げて、図12により説明しておく。
例えば図12に示すようにして、再生メニューキーA3−1に対して例えばペン320などによりポインティング操作を行ったとすると、第1ポップアップメニューが表示される。第1ポップアップメニューには、この場合、「←戻る」、「スポーツ分析モード」「プレイモード」「ソート」のメニュー項目が表示されている。この第1ポップアップメニューが表示されている状態で、例えばジョグダイヤル303を回転操作(或いはペン等による画面に対するドラッグ操作などとしてもよい)すると、その回転方向に応じて、選択される項目が移動していくようにされる。そして、例えば図のようにして、「プレイモード」を選択して、ジョグダイヤル303を押圧操作する(或いはペンによる一定時間以上のポインティング操作などとしてもよい)と第2ポップアップメニューが表示される。
【0149】
ここで、第2ポップアップメニューには、「ノーマル」「ディスクリピート」「シャッフル」「イントロスキャン」の4つの項目が表示されている。そして、ユーザは、この第2ポップアップメニュー上で、上記した第1ポップアップメニューに対する操作と同様の操作を行うことで、これらの項目のうちから所望の項目を選択、決定することができる。このようにして設定されたプレイモードは、例えば図11に示した再生モード表示エリアの表示内容として反映される。
【0150】
また、編集メニューキーA3−2に対する操作例についても図13を参照して示しておく。
編集メニューキーA3−2に対してポインティング操作を行った場合には、例えば図13に示す第1ポップアップメニューが表示される。ここでの第1ポップアップメニューには、「移動」「削除」「トラック分割」「グループ化」「タイトル」「静止画取りだし」「コピー」「トラック情報」「戻る」のメニュー項目が表示されている。そして、この第1ポップアップメニューが表示されている状態で、ジョグダイヤル303の回転操作(或いはペン等によるドラッグ操作)を行えば、これらの項目を選択し、逐次表示されるガイドに従って、その選択した項目に応じた編集を行うことができる。
なお、編集の対象となるトラックは、この編集メニューキーA3−2に対する操作時に、サムネイル表示エリアA2においてポインタアイコンi10が配置表示されたサムネイル画像が対応するトラックとされる。
【0151】
ここで、例えば図13に示す第1ポップアップメニューが表示されている状態で、「トラック情報」を選択し、ジョグダイヤル303を押圧操作(或いはペンによる一定時間以上のポインティング操作)したとすると、この場合には、図14に示すトラック情報画面に移行するようにされている。
【0152】
このトラック情報画面には、現在編集対象として選択されているトラックについての各種情報が示される。
例えばこの図に示すようにして、先ず、そのトラックに対応するサムネイル画像が表示され、また、トラックナンバ、総時間、記録日時、トラック名(タイトル)、持続時間、記録レート等が表示されている。
【0153】
また、ここでは、「マーク」と「プロテクト」のチェックボックスCB1,CB2が表示されており、例えばポインティング操作によって、チェックボックスCB1,CB2の各々に対するチェック及びその解除を行うことができるようになっている。
このようなトラックごとの「マーク」と「プロテクト」に関しての設定状況は、例えばRTOCに対して記述される。
そしてチェックボックスCB1に対してチェックを行えば、そのトラックは「マーク」が設定されていることがRTOCにより示され、このRTOCの内容に従って、先に図11に示したマークアイコンi7がサムネイル画像上に表示される。
また、チェックボックスCB2対してチェックを行えば、同様にして、RTOC上では、「プロテクト(ロック)」、つまり、そのトラックに対する編集の禁止が設定されて、このRTOCの内容に応じて図11に示したロックアイコンi7がサムネイル画像上に表示される。
なお、先にも述べたように、トラック情報画面は、図11に示されるディスクアイコンA1−5に対するポインティング操作を行うことによっても、表示させることができるようになっている。
【0154】
9.編集操作
9−1.操作例
上述のようにして、本実施の形態のビデオカメラでは、表示パネルに表示される画像に対する直接的なポインティング操作を含む、いわゆるGUIによって各種操作が可能とされている。
また、上記した説明によると、トラックに対する編集として、フェードイン・フェードアウト、ワイプなどのシーンチェンジ効果やモザイク等をはじめとする画像特殊効果を与えることはは、落書き・効果メニューキーA3−3に対する操作によって行うことができるものとされているのであるが、本実施の形態では、シーンチェンジ効果や画像特殊効果について、次のような操作によっても設定が行えるようにする。そして、その設定された効果をアイコンによってサムネイル画像上に表示して、ユーザが認識可能なようにするものである。
【0155】
図15は、フェードイン効果を与えるための編集操作例を示している。
図15(a)には、ユーザが編集対象としているトラックに対応するサムネイル画像SNを抜き出して示している。このサムネイル画像は、図11にて説明したサムネイル表示エリアA2に対して表示されているものの1つである。
【0156】
ユーザがフェードイン効果をそのトラックに対して与えようとする場合には、図15に示すようにして、サムネイル画像SN上に対して、例えばペン320を押圧させた状態で、画面左下から右上にかけてほぼ直線的な軌跡が得られるようにしてドラッグ操作を行うようにされる。この操作によって、ビデオカメラ側では、フェードイン効果の設定操作が行われたものと判定して、このトラックに対してフェードインの設定を行う。つまり、先に述べたように、このトラックについてのスクリプトの内容として、フェードイン効果が与えられるように記述を行う。
そして、このようにしてフェードイン効果の設定が行われた後においては、そのサムネイル画像SNに対しては、図15(b)に示すようにして、そのトラックにはフェードイン効果が設定されていることを示すフェードインアイコンi20が重畳表示される。
【0157】
ここで、図15(b)に示されるフェードインアイコンi20の図柄としては、右下から左上へ向かう矢印となっており、図15(a)に示されるフェードイン設定のためのドラッグ操作の軌跡に対応したものとなっている。このようにして、ドラッグ操作の軌跡とアイコンの図柄とを対応させたものとすることで、ユーザにとっては、アイコンを見たときに、何の効果が与えられているのかを認識することが容易となる。
【0158】
また、図16には、フェードアウト効果についての編集操作例が示されている。
あるトラックに対してフェードアウト効果を与えるには、そのトラックに対応するサムネイル画像SNに対して、図16(a)のように、左上から右下にかけてほぼ直線的にドラッグ操作を行う。これにより、そのトラックに対しては、フェードアウトが設定される。そして、図16(b)に示すようにして、そのサムネイル画像SNに対しては、フェードアウトを示すフェードアウトアイコンi21が重畳表示される。この場合、フェードアウトアイコンi21の図柄は、右上から左下へ向かう矢印となっており、ここでもフェードアウト設定のためのドラッグ操作の軌跡に対応したものとなっている。
【0159】
図17は、フェードイン・フェードアウト操作例を示している。つまり、或るトラックについて、フェードインとフェードアウトの2つの効果を一度に設定するための操作である。
ここでは、図17(a)に示すようにして、サムネイル画像上の左から右側にかけて、上側に半円の弧を描くようにしてドラッグ操作を行う。これにより、そのトラックにはフェードイン・フェードアウト効果が設定され、以降のサムネイル画像SNには図17(b)に示すようにしてフェードイン・フェードアウトアイコンi22が重畳表示される。また、このフェードイン・フェードアウトアイコンi22も、フェードイン・フェードアウトのためのドラッグ操作に軌跡に対応した矢印の図柄とされている。
【0160】
なお、上記図15(b)、図16(b)、図17(b)では、それぞれサムネイル画像SNに対してフェードインアイコンi20、フェードアウトアイコンi21、フェードイン・フェードアウトアイコンi22のみが表示されているが、実際としては、図11にて説明した各種アイコンも、これらのサムネイル画像が対応するトラックの種別及び設定された内容に応じて同時に表示されているものである。
【0161】
このようにして、本実施の形態では、サムネイル画像上に対して、特定の操作軌跡が与えられるようにしてドラッグ操作を行うことで、各種特殊効果に関する設定を行うことが可能とされる。例えば、先に図11により説明したようにして、メニューキー操作によってこのような特殊効果設定を行う場合には、ポップアップメニューを表示させながら項目選択を行っていくという操作を、1段階以上行っていくことが必要になるが、上記図15,図16,図17に示したような操作形態であれば、ユーザは、サムネイル画像上に対してドラッグ操作を行うだけで、各種の特殊効果設定を行うことが可能となる。
また、このような特殊効果設定に応じて、その特殊効果ごとに応じたアイコンをサムネイル画像に重畳表示させていることで、ユーザは、そのトラックに対してどのような特殊効果が設定されているのかを視覚的に把握することもでき、また、そのアイコンの図柄をドラッグ操作の軌跡に対応させれば、より分かりやすいものとすることができることになる。
ここで、上記したドラッグ操作は、例えばパーソナルコンピュータとしてのGUI操作において広く行われている、いわゆるドラッグ・アンド・ドロップ操作の1つと見ることができる。つまり、パーソナルコンピュータでのドラッグ・アンド・ドロップ操作は、通常、マウス操作によって、カーソル移動、アイコン移動、また、ドロー(描画)などを行うものであるが、本実施の形態では、これに準じて、操作画面上に対して直接押圧操作を行いながらその押圧位置を移動させていくものである。
【0162】
そして、このようなサムネイル画像に対するドラッグ操作による特殊効果設定としては、上記した3例以外にも各種考えることができる。そこで、図18に他の操作例を例示しておく。
例えば図18(a)のようにして、V字を描くようにしてドラッグ操作を行った場合には、既に設定してある特殊効果の機能を解除させることができるものとする。
【0163】
また、図18(b)に示すようにして円を描くようにしてドラッグ操作を行えば、丸画面表示を行う特殊効果が得られるようにされる。そして、この丸画面表示を示すためにサムネイル画像上に表示されるアイコンも、この図18(b)に示す操作軌跡に対応した図柄とされる。
なお、以降説明する図18(c)〜(g)までの操作例についても、この操作に応じてサムネイル画像に重畳表示されるアイコンとしては、そのドラッグ操作軌跡に対応した図柄とされるものである。
【0164】
図18(c)には横方向ワイプのための操作が示される。ここでは、画像上の左から右にかけてほぼ水平方向に2本の直線を描くようにドラッグ操作を行うようにされる。
また、縦方向ワイプであれば、図18(d)に示すようにして、画像上の上から下にかけて、ほぼ垂直方向に2本の直線を描くようにしてドラッグ操作を行うようにされる。
【0165】
また、画像特殊効果としてモザイクを与えるときには、図18(e)に示すようにして画像上の左上から右下にかけて、階段状の図形が描かれるようにしてドラッグ操作を行う。
また、例えば前又は後のトラックとの画像的つながりをオーバーラップさせる場合には、図18(f)に示すようにして、略正弦波状の軌跡が得られるようにドラッグ操作を行うようにされる。
そして、前又は後のトラックとの画像的つながりをスライド効果によって行うように設定する場合には、画像上を水平方向に1本の直線を描くようにしてドラッグ操作を行うようにされる。
【0166】
なお、これら図15〜図18に示した各種ドラッグ操作の軌跡と特殊効果の対応例はあくまでも一例であって、他にも各種考えられる。また、図15〜図18により挙げた以外の特殊再生効果にも、このようなドラッグ操作による設定は可能である。また、ここでは、画像についての各種特殊効果設定が挙げられているが、例えば音声についての各種特殊効果に対しても、このようなドラッグ操作による設定は可能である。
また、特殊再生効果を指定するための操作としては、上記のようにして或る1つのサムネイル画像に対してドラッグ操作を行うだけでなく、例えば複数のサムネイル画像に跨るようにして所定軌跡によってドラッグ操作を行った場合に、これに対応する何らかの特定の特殊再生効果が設定されるようにすることも考えられる。
【0167】
9−2.処理動作
図19は、上記図15〜図18により説明したドラッグ操作による特殊効果の編集操作に応じた処理動作を示すフローチャートである。この図に示す処理動作は、例えばビデオコントローラ38がマスターコントローラとして機能したうえで、必要に応じて、データ処理/システムコントロール回路31、ドライバコントローラ46等が制御処理を実行することにより実現される。これは、以降説明する図20、及び図12の処理動作についても同様である。
【0168】
この図に示す処理においては、先ず、図11に示した操作画面表示が行われている状態で、ステップS101として示すようにして、表示パネル部67に対する操作、つまり、この操作画面に対する押圧を伴う操作が行われるのを待機している。
そして、タッチパネル6Bから何らかの操作情報が得られ、ステップS101にて肯定結果が得られるとステップS102に進んで、先のステップS101にて行われた表示パネル部67への操作が、先に図15〜図18により述べたような、特殊効果設定のための操作であるか、又はそれ以外の操作であるか否かが判別される。
【0169】
ここで例えば、或るサムネイル画像SNが表示されている座標範囲内で、ポインティングされた座標が移動していくドラッグ操作が行われたことが判定されたのであれば、ステップS102では肯定結果が得られて、ステップS103に進むようにされる。
ステップS103においては、実際に行われたドラッグ操作によるポインティングされた座標の移動軌跡に基づいて、設定すべき特殊効果の種類を決定する。例えば、ポインティングされた座標の移動軌跡が、サムネイル画像上での左下から右上にかけての直線的な動きであったことが判定されれば、図15に示したフェードインであるものとして決定を行うことになる。
【0170】
そして次のステップS104においては、決定された特殊効果が以降のそのトラックの再生に反映されるように、そのトラックについてのスクリプトの記述(書き換え)を行うようにされる。このようにして、スクリプトに対して特殊効果についての記述が行われることで、本実施の形態では、特殊効果の設定が行われることになる。ここで、スクリプトによって特殊効果を設定するということは、元のトラックの録画ファイルのデータの加工は行わず、再生画像データに対して信号処理を行うことでその特殊効果を表現することを意味する。つまり、特殊効果の設定によっても、元のデータの品質は損なわれないものである。
【0171】
また、ステップS102において、特殊効果設定のための操作では無いそれ以外の操作であることが判別された場合には、ステップS105に進んで、実際に行われた操作画面に対する操作に応じた処理を実行する。例えば、或るメニューキーに対するポインティング操作であったのであれば、その操作されたメニューキーに対応するポップアップメニューを表示させるための制御処理等を実行することになる。
【0172】
続いて、図20のフローチャートにより、図11にて説明した操作画面表示(サムネイル表示)のための処理動作について説明する。この処理は、上記図19の処理によって設定された特殊効果に対応するアイコンの重畳表示(図15(b)、図16(b)、図17(b))も含まれている。
【0173】
ここで、図11に示した操作画面は、再生/編集モードの状態でディスクが装填されたときには初期画面として表示されるものとする。また、例えば再生/編集モード時において、ディスク再生が行われていなければ、操作画面が表示されるものとする。
このため、図20に示す処理にあっては、先ずステップS201においてディスクの装填が行われる、若しくは、ディスクが既に挿入されている状態で、これまでは操作画面が表示されていなかった状態から操作画面の表示を開始すべき状態とされるのを待機している。
【0174】
そしてステップS201において、ディスクの装填、又は、操作画面表示開始のタイミングになったことが判別されるとステップS202に進むことになる。ステップS202においては、ディスクからTOC情報と各トラックのスクリプトの読み込みを行うようにされる。ディスクから読み込まれたこれらの情報は、例えばバッファメモリ32の所定領域に対して格納されて保持される。また、ビデオコントローラ38内部のRAMの記憶容量に余裕あれば、この内部RAMに対して格納するように構成することも考えられる。そして読み込みを行ったTOC情報とスクリプトの内容を解析する。
そして、その内容の解析結果に基づいて、次のステップS204においてトラックごとの属性情報を取得する。ここでいう属性情報とは、図11及び図15〜図18にて説明した、サムネイル画像SN上に対して重畳表示すべきアイコンに対応した情報である。つまり、そのトラックが動画、静止画、インタビュートラック、メモトラック等の何れであるのかといった情報の他、落書きの有無、マーク、ロック設定の有無、及び特殊効果の設定状況などである。
【0175】
そして次のステップS204において、上記ステップS203において取得した属性情報が反映されるようにして操作画面の表示が行われるように、画像データの生成、及び表示パネル67(表示部6A)への表示出力制御を実行する。つまり、各トラックごとの属性に応じて、サムネイル画像に対して適宜必要なアイコンを重畳表示させる。また、サムネイル画像領域以外の情報表示エリアA1、トラック情報エリアA5においても、現在の各種状況に対応した内容の表示が行われるようにする。
【0176】
また、図21のフローチャートにより補足的に、図19に示すようにして設定された特殊効果を表現する再生のための処理動作について説明しておく。
例えばトラック再生を行うための所要の操作行われたとすると、ビデオコントローラ38は、この図21に示す処理に移行する。
この図に示す処理においては、先ずステップS301においてディスクに記録されているスクリプトを読み出すことが行われる。
ここで読み出されるべきスクリプトは、これより再生を開始すべきトラックと再生順的にこれに続けて再生される以降の各トラックごとに対応付けされて管理されている内容が読み出されるものとする。ディスクから読み出されたスクリプトは、この場合にもバッファメモリ32の所定領域若しくはビデオコントローラ38内部のRAMに対して格納される。
【0177】
そしてステップS302では、上記のようにしてディスクから読み出されたスクリプトファイルについての解釈を開始し、続くステップS303の処理として、解釈されたスクリプトの記述内容に従った再生処理を実行する。このとき、スクリプトの記述として、特殊効果に対応したタグ等による記述があれば、このタグの内容に対応した特殊効果が得られるように、画像信号処理や音声信号処理を実行する。
そして、続くステップS304の処理として、スクリプトの解釈の終了(例えば再生すべきトラックの終了に対応する)が行われたとされると、これまでの処理を終了することになる。
なお、この図には示していないが、例えば停止操作が行われれば、映像作品の再生はその時点で終了され、また、一時停止操作が行われれば、一時停止操作が行われていた時点で表示されていた画像が表示された状態を維持し、スクリプト解釈の進行も一時停止されるように制御処理が実行されるものである。
【0178】
また、上記実施の形態では、特殊効果の設定は、スクリプトへの記述により行われるものとしているが、特殊効果の設定状況を示す内容がRTOCに記述されるようにして、少なくとも図11に示したような情報画面の表示を行う場合において、特殊再生に関するアイコン表示に関しては、このRTOCの内容に記述された内容を参照することで行うようにされても構わないものである。
また、本実施の形態において採用されるスクリプトの言語としては、SMILに限定されるものではなく、他の言語が採用する構成を採っても構わないものである。
【0179】
更に、本実施の形態のビデオカメラとしては、ビデオ記録再生部位として、MD−DATA2に基づくディスク記録再生装置としたが、ビデオ記録再生部位としては、本実施の形態としての構成の他、他の種類のディスク状記録媒体に対応する記録再生装置とされても構わない。
また、記録媒体としてはディスク状記録媒体にも限定されるものではなく、例えば個体メモリ素子を備えた記録媒体に対応した記録再生装置であっても本発明の摘要は可能である。
更に、動画像データを圧縮するために本実施の形態では、MPEG2方式を採用するものとして説明したが、例えば他の動画像データの圧縮符号化が可能な方式が採用されて構わない。また、静止画データ及び音声データについての圧縮方式も、本実施の形態として例示したもの(JPEG,ATRAC2等)に限定される必要は特にない。
【0180】
【発明の効果】
以上説明したように本発明は、情報表示画面上におけるサムネイル画像(小画像)上に、そのサムネイル画像が対応するトラック(ファイル)に関連する各種属性を表現するアイコン(属性提示画像)が表示される。つまり、本発明では、サムネイル画像上にアイコン表示を行うことで、視覚的にトラックとその属性情報の対応をとっている。
これにより、ユーザとしては、このサムネイル表示が行われる情報画面をみることで、各ファイルの種別や、所定の設定項目についての設定状況を把握することができる。つまり、例えばサムネイル表示によってどのようなファイルが記録されているか認識できると同時に、これらのファイルについての属性も認識できることになる。
【0181】
また、これに対応する記録媒体としては、撮像によって得た画像を記録したファイルと共に属性情報を記録するようにしておくようにされる。これにより、装置側では記録媒体からこの属性情報を読み出して参照することで、上記したような表示を常に行えることになる。また、属性の変更も属性情報の内容を書き換えることで容易に行うことが可能である。
【0182】
また、本発明としては、サムネイル画像に対して操作を行うことで再生効果を指示することが可能とされ、このようにして設定された再生効果を表すアイコン(再生効果画像)がサムネイル画像に対して重畳表示される。
これにより、再生効果のための編集操作としては、例えばメニュー項目の選択などの複数の操作手順が必要となり得る操作の場合と比較して、単にサムネイル画像に対する指示操作という簡易な操作によって行えることになる。また、サムネイル画像に対して重畳表示されるアイコン(再生効果画像)によって、ユーザはファイルごとにどのような再生効果を与えているのかを視覚的に容易に認識できることになる。
【0183】
また、サムネイル画像に対する再生効果の指示操作としては、サムネイル画像上に対して、例えば押圧操作を行いながら所定の軌跡を描くという、いわゆるドラッグ・アンド・ドロップによる操作とすることで、ユーザとしては感覚的な操作によって再生効果の指示が行えることになる。
また、再生効果を示すアイコンの図柄(画像内容)として、上記したドラッグ・アンド・ドロップ操作の軌跡に対応したものとすることで、それが文字等に依らない抽象的図柄であっても、どのような再生効果であるのかは容易に認識できることになる。
【0184】
また、上記のようにして指定した再生効果が得られるように再生できるように装置を構成することで、再生効果の編集操作と、その再生を1つの機器で完結して行えることになる。
ここで、また、画像信号と共に記録した音声も再生できるようにしておくことで、再生効果としては、音声にも与えるようにして再生を行うことが可能とされる。
【0185】
また、これに対応する記録媒体としては、撮像によって得た画像を記録したファイルと共に再生効果を示す再生効果情報を記録するようにされ、これによって、装置側では記録媒体から再生効果情報を読み出すことで、サムネイル画像への再生効果画像の重畳表示を行うことができることになる。また、再生効果の編集の修正等も容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のビデオカメラに対応するディスクのトラック構造を示す説明図である。
【図2】実施の形態のビデオカメラに対応するディスクのトラック部分を拡大して示す説明図である。
【図3】実施の形態のビデオカメラに対応するディスクの仕様を示す説明図である。
【図4】実施の形態のビデオカメラの内部構成のブロック図である。
【図5】実施の形態のビデオカメラのメディアドライブ部の内部構成のブロック図である。
【図6】実施の形態のビデオカメラの側面図及び平面図である。
【図7】実施の形態のビデオカメラの正面図及び背面図である。
【図8】可動パネル部の動きを示す斜視図である。
【図9】実施の形態に対応するディスク内のデータ構造例を示す概念図である。
【図10】実施の形態に対応するディスク内のデータ構造例を、ディスクの物理領域に対応させて示す概念図である。
【図11】本実施の形態のビデオカメラにおける操作画面(サムネイル表示)の表示形態例を示す説明図である。
【図12】再生メニューキーに対する操作例を示す説明図である。
【図13】編集メニューキーに対する操作例を示す説明図である。
【図14】トラック情報画面例を示す説明図である。
【図15】本実施の形態のフェードイン操作例及びフェードインアイコン表示例を示す説明図である。
【図16】本実施の形態のフェードアウト操作例及びフェードアウトアイコン表示例を示す説明図である。
【図17】本実施の形態のフェードイン・フェードアウト操作例及びフェードイン・フェードアウトアイコン表示例を示す説明図である。
【図18】各種特殊再生効果指示のための操作例を示す説明図である。
【図19】特殊再生効果指示操作に応じた特殊再生効果の設定のための処理動作を示すフローチャートである。
【図20】各種属性情報を反映した操作画面表示のための処理動作を示すフローチャートである。
【図21】設定された特殊再生効果を伴う再生動作を実現するための処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 レンズブロック、2 カメラブロック、3 ビデオ信号処理部、4 メディアドライブ部、5 デッキ部、6 表示/画像/音声入出力部、6A 表示部、6B タッチパネル、7 操作部、8 外部インターフェイス、9 電源ブロック、11 光学系、12 モータ部、22 サンプルホールド/AGC回路、23 A/Dコンバータ、24 タイミングジェネレータ、25 カメラコントローラ、31 データ処理/システムコントロール回路、32 バッファメモリ、33 ビデオ信号処理回路、34 メモリ、35 動き検出回路、36 メモリ、37 音声圧縮エンコーダ/デコーダ、38 ビデオコントローラ、41 MD−DATA2エンコーダ/デコーダ、42 バッファメモリ、43 二値化回路、44 RF信号処理回路、45 サーボ回路、46 ドライバコントローラ、51 ディスク、52 スピンドルモータ、53 光学ヘッド、54 磁気ヘッド、55 スレッドモータ、61 ビデオD/Aコンバータ、62 表示コントローラ、63 コンポジット信号処理回路、64 A/Dコンバータ、65D/Aコンバータ、66 アンプ、101 RFアンプ、103 AGC/クランプ回路、104 イコライザ/PLL回路、105 ビタビデコーダ、106 RLL(1,7)復調回路、107 マトリクスアンプ、108 ADIPバンドパスフィルタ、109 A/Bトラック検出回路、110 ADIPデコーダ、111 CLVプロセッサ、112 サーボプロセッサ、113 サーボドライバ、114 データバス、115 スクランブル/EDCエンコード回路、116 ECC処理回路、117 デスクランブル/EDCデコード回路、118 RLL(1,7)変調回路、119 磁気ヘッド駆動回路、120 レーザドライバ、121 転送クロック発生回路、201 カメラレンズ、202マイクロフォン、203 可動パネル部、204 ビューファインダ、205 スピーカ、300 メインダイヤル、301 レリーズキー、302 削除キー、303 ジョグダイヤル、304 フォトキー、305 ズームキー、306 フォーカスキー、307 逆光補正キー、308 再生/ポーズキー、309 停止キー、310 スロー再生キー、311,312 サーチキー、313 録音キー、314 画面表示キー、315,316 音量キー、320 ペン、SN サムネイル画像、A−1 情報表示エリア、A−2 サムネイル表示エリア、A−3 メニューキーエリア、A−4 スクロールバー、A5 トラック情報表示エリア、i1〜i10,i20〜i21 (サムネイル画像上に表示される)アイコン、Ld ランド、NWG ノンウォブルドグルーブ、WG ウォブルドグルーブ、Tr・A,Tr・B トラック

Claims (9)

  1. 撮像手段と、
    上記撮像手段により得られる、静止画像又は動画像としての上記画像信号が記憶される記憶手段と、
    上記記憶手段に記憶される上記静止画像又は上記動画像に対応するとされる小画像を、表示領域内において分割された各分割表示領域に対して表示させる分割表示手段と、
    上記静止画像又は動作画像に与えることが可能な再生効果を特定する再生効果特定手段と、
    上記再生効果特定手段により特定された再生効果を示す再生効果画像を、上記小画像に対応する分割表示領域の当該小画像上重畳表示させる表示制御手段と、
    を備え
    上記再生効果特定手段は、ドラッグ・アンド・ドロップによる所定操作を行うことで上記再生効果を特定することのできる操作手段を備えているとともに、
    上記再生効果画像は、上記ドラッグ・アンド・ドロップとしての当該再生効果の所定操作の軌跡に対応した図柄からなる画像内容とされていること
    を特徴とする記録再生装置。
  2. 上記表示手段は、上記静止画像又は上記動画像についての属性情報も上記対応する小画像の分割表示領域に表示させる、ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  3. 上記静止画像又は上記動画像に対し与えることのできる再生出力態様を特定する再生制御情報が、スクリプト形式にて記述され、上記記録再生装置内に記憶される、ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  4. 上記スクリプト形式は、XML形式であることを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
  5. 上記再生効果は、上記再生制御情報に基づき特定されることを特徴とする請求項3に記載の記録再生装置。
  6. 上記記憶手段は、
    (1) LAND記録方式またはGROUVEの記録方式
    (2) RLL(1,7)変調方式、及び
    (3) ブロック完結又は畳み込みインターリーブ方式
    を用いる記録方式にて、記録メディアに情報記録するものである、ことを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  7. 上記再生効果特定手段によって指示された再生効果が与えられるようにして上記静止画像又は上記動画像を再生する再生手段が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  8. 音声信号を入力する音声入力手段が備えられ、
    入力された上記音声信号は、上記記憶手段に対して上記静止画像又は上記動画像に対応付けされて記憶されると共に、
    上記再生手段は、上記再生効果指示手段によって指示された再生効果が与えられるようにして、上記静止画像又は上記動画像と共に上記音声信号を再生することを特徴とする請求項1に記載の記録再生装置。
  9. 所定の記録媒体に記録されている、撮像によって得られた静止画像又は動画像としての画像信号についての情報提示を表示により行う画像表示方法として、
    上記記録媒体に記録されている上記静止画像又は上動画像に対応するとされる小画像を、表示領域内において分割された各分割表示領域に対して表示させる分割表示手順と、
    上記静止画像又は動作画像に与えるべき再生効果を特定する再生効果特定手順と、
    上記再生効果指示手順により指示された再生効果を示す再生効果画像を、上記小画像に対応する分割表示領域の当該小画像上重畳表示させる表示手順と、
    を実行するように構成されているとともに、
    上記再生効果特定手順は、ドラッグ・アンド・ドロップによる所定操作を行うことで上 記再生効果を特定することのできる操作手順を備えているとともに、
    上記再生効果画像は、上記ドラッグ・アンド・ドロップとしての当該再生効果の所定操作の軌跡に対応した図柄からなる画像内容とされていること
    を特徴とする画像表示方法。
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