JP4177269B2 - 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム - Google Patents

光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム Download PDF

Info

Publication number
JP4177269B2
JP4177269B2 JP2004005131A JP2004005131A JP4177269B2 JP 4177269 B2 JP4177269 B2 JP 4177269B2 JP 2004005131 A JP2004005131 A JP 2004005131A JP 2004005131 A JP2004005131 A JP 2004005131A JP 4177269 B2 JP4177269 B2 JP 4177269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
transmission line
fiber
fiber transmission
light source
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004005131A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005201936A (ja
Inventor
和章 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SWCC Corp
Original Assignee
SWCC Showa Cable Systems Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SWCC Showa Cable Systems Co Ltd filed Critical SWCC Showa Cable Systems Co Ltd
Priority to JP2004005131A priority Critical patent/JP4177269B2/ja
Publication of JP2005201936A publication Critical patent/JP2005201936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4177269B2 publication Critical patent/JP4177269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)
  • Optical Communication System (AREA)

Description

本発明は、高出力の光を光ファイバに伝送した時に生じるファイバヒューズ現象を遮断する光ファイバ伝送路と、この光ファイバ伝送路を使用した保安器及びこの保安器を配置した光伝送システムに関する。
近年、FTTH(Fiber To The Home)の導入が始まり各家庭での高速インターネットの利用が急速に普及してきている。このような状況において通信ネットワークをますます充実させる必要性が高まり、例えば波長分割多重(WDM;Wavelength Division Multiplex)方式などが用いられるようになってきている。
このWDM方式は従来に比べてはるかに高い光パワーが伝送される可能性がある。例示すれば数Wオーダーの光パワーが伝送されることもあるために汚れた光コネクタの端面など、光伝送路の中でも光パワー耐性の低い箇所でコアが焼損するという現象が生じることがある。
光伝送路の中において光パワー耐性の低い箇所でコアが焼損すると焼損部が導火線のように光源方向に向かって連鎖的に延焼してゆくファイバヒューズ現象が発生する(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
このようなファイバヒューズ現象による延焼は一度発生すると融着接続部やコネクタ接続部を乗り越えて光源まで達するので最終的には送信機や増幅器等の機器類を破損させてしまうという虞がある。
ところで、ファイバヒューズ現象は高温、高いパワー密度、光の吸収が発生要因とされている。一般的なシングルモードファイバのコアは数%のGeOが添加された石英ガラス(SiO)からなる。このGeO添加石英ガラスは常温では通信波長域(近赤外波長域)においてほとんど光吸収がないが、高温下では熱が関与した光励起反応(間接遷移)が起こりやすくなり、通信波長域にも強い光吸収帯が発現することが知られている。
GeO添加石英ガラスはGeサイトで化学的構造の欠陥が発生しやすいことが知られており、純粋石英ガラスに比べて上記した熱による吸収帯が発生しやすいとも言われている。例えばコネクタ接続点においてはしばしば端面の汚れによって光が吸収され、温度が上昇してファイバヒューズ現象が発生しやすくなる。
また、光のパワーについては同じパワー値であっても伝搬モードの実効断面積が小さい方がパワー密度が高くなる。実効断面積はモードフィールド径によって決定されるので、モードフィールド径が小さいとファイバヒューズ現象が発生しやすくなる。
上記のようなファイバヒューズ現象に対して従来いくつかの対策が施されている。例えばコネクタ端面においてシングルモードファイバのコア径を拡大して事前にファイバヒューズ現象の発生を防止する方法や(例えば、特許文献1参照)、ファイバヒューズ現象が発生した場合にコリメータレンズを用いてその後に生じる延焼を遮断するための装置である(例えば、特許文献2参照)。
2003 電子情報通信学会総合大会 C−3−44 184頁 Technical Digest of Optical Amplifiers and their applicationsTopical meeting, Otaru, Japan, 2003(Optical society of America, Washington, D. C.) TuC4 193〜195頁 特開2002−277685号公報 特開2002−323639号公報
ところで、上記のような従来の技術には、次のような解決すべき課題があった。
即ち、特許文献1に開示されたファイバヒューズ現象を防止する方法は、シングルモードファイバに熱を加えてコア中のGeを拡散させてコア径を拡大するTEC(Thermal Expanted Core)技術を用いて行うものであるが、コア径の拡大に限界があり、またこの技術だけではファイバヒューズ現象を阻止するのに十分な効果を奏するとは言い難かった。また、この方法ではファイバヒューズ現象の延焼を阻止する機能のみで、発生箇所を制御するものではないため、長距離に亘って延焼を生じさせる懸念もあった。
一方、特許文献2に開示された装置を用いた場合にもこの技術だけではファイバヒューズ現象による光ファイバ伝送路の破損を局在化し得ないという問題を残している。
本発明は以上の点に着目してなされたもので、簡易な構成でファイバヒューズ現象の発生箇所を特定箇所に局在化し得る光ファイバ伝送路と、この光ファイバ伝送路からなる保安器及びこの保安器を用いた光伝送システムを提供するものである。
本発明は以上の点を解決するため次の構成を採用する。
〈構成1〉
光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路において、前記光ファイバ伝送路の途中に前記光ファイバ伝送路の他の部分よりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所と耐性の高い箇所を近接して配置し、前記耐性の高い箇所を光源側に設けたことを特徴とする光ファイバ伝送路。
このような構成にすると、もしファイバヒューズ現象が生じるような場合でもその箇所が選択的にファイバヒューズ現象に対して耐性の低い箇所で生じるようになるので、ファイバヒューズ現象の生じる箇所が局在化でき、しかもファイバヒューズ現象が生じたとしてもファイバヒューズ現象の生じた箇所に近接して光源側に設けられたファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所でファイバヒューズ現象を遮断するのでファイバヒューズ現象による延焼を極めて短い距離で阻止でき、光源などの機器類の損傷等の虞がなくなる。
〈構成2〉
前記耐性の低い箇所は光の吸収機能を有する部材からなることを特徴とする構成1記載の光ファイバ伝送路。
光が吸収されると温度が上昇しファイバヒューズ現象が発生しやすくなるので、光の吸収機能を有する部材がファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所として適している。
〈構成3〉
前記光の吸収機能を有する部材は光ファイバ伝送路中に金属薄膜を挿入したものであることを特徴とする構成2記載の光ファイバ伝送路。
光ファイバ伝送路中に挿入した金属薄膜は、非常に微小な領域で光エネルギーを吸収して熱に変換するため、局所的に極めて高い温度に達し易く、やはりファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所として適している。
〈構成4〉
前記耐性の低い箇所は前記光ファイバ伝送路を構成するシングルモードファイバよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い光ファイバからなることを特徴とする構成1記載の光ファイバ伝送路。
光ファイバ伝送路を構成するシングルモードファイバよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い光ファイバの部分では選択的にファイバヒューズ現象が生じるので、ファイバヒューズ発生箇所を当該箇所に限定し、光ファイバ伝送路の他の部分での発生を阻止することができる。
〈構成5〉
前記耐性の低い箇所はモードフィールド径を小さくした光ファイバからなることを特徴とする構成4記載の光ファイバ伝送路。
モードフィールド径の小さい光ファイバは光のパワー密度が上昇しファイバヒューズ現象が生じやすくなるので、ファイバヒューズ現象に対する耐性が低くなる。
〈構成6〉
前記耐性の低い光ファイバは光吸収元素をコアに添加した光ファイバであることを特徴とする構成4記載の光ファイバ伝送路。
光吸収元素をコアに添加した光ファイバは光を効率よく吸収するので温度の上昇が大きくなり、よりファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所として適している。
〈構成7〉
前記耐性の低い光ファイバはプラスチックファイバであることを特徴とする構成4記載の光ファイバ伝送路。
プラスチックファイバは石英ガラスに比べ通信波長域での吸収が大きく、熱的安定性も低いことからファイバヒューズ現象発生の閾値が低い。また、比較的高濃度に吸光性の添加物や置換基を導入することが可能であるため吸光性の調整が容易であり、ファイバヒューズ現象発生の閾値を所望のレベルに調整することもできる。
〈構成8〉
前記耐性の低い光ファイバは多成分ガラスファイバであることを特徴とする構成4記載の光ファイバ伝送路。
多成分ガラスファイバもプラスチックファイバと同様に石英ガラスに比べ通信波長域での吸収が大きく、熱的安定性も低いことからファイバヒューズ現象発生の閾値が低く、吸光性添加物濃度を調整することによりファイバヒューズ現象発生の閾値を所望のレベルに調整することができる。
〈構成9〉
前記耐性の高い箇所は純粋石英コア光ファイバからなることを特徴とする構成1記載の光ファイバ伝送路。
純粋石英コア光ファイバはコアにファイバヒューズ現象の誘発要因であるGeが添加されていないのでファイバヒューズ現象に対する耐性が高い。
〈構成10〉
前記耐性の高い箇所はモードフィールド径を大きくした光ファイバからなることを特徴とする構成1記載の光ファイバ伝送路。
モードフィールド径を大きくした光ファイバを用いるとファイバヒューズ現象は断面積を大きくした部分でパワー密度の低下により反応が停止してそれ以上の延焼が生じることがない。
〈構成11〉
前記モードフィールド径を大きくした光ファイバはコア拡大ファイバであることを特徴とする構成10記載の光ファイバ伝送路。
コア径を拡大したファイバはモードフィールド径が大きくなるのでファイバヒューズ現象が発生してもパワー密度の低下により反応が停止し、延焼を遮断することができる。
〈構成12〉
前記耐性の高い箇所は光ファイバ伝送路中にエアギャップを設けたものであることを特徴とする構成1記載の光ファイバ伝送路。
光ファイバ伝送路中にエアギャップを設けるとファイバヒューズ現象が発生してもエアギャップにおいて延焼に必要な熱の伝搬が寸断され、延焼が遮断されるので光源などの機器類に損傷が及ぶことがない。
〈構成13〉
前記エアギャップを設けたものはコリメータ対であることを特徴とする構成12記載の光ファイバ伝送路。
空間伝送部にコリメータ対を用いることにより、当該箇所での結合損失の低減を図ることができるとともに、ファイバ(コリメータ)端面におけるパワー密度が低減するため、端面に付着した異物の光吸収による発熱によって発生するファイバヒューズ現象の飛び火を抑制することができる。
〈構成14〉
光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路の途中に配置される保安器であって、前記保安器は前記光ファイバ伝送路の他の部分よりもファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所となるブロック部と、前記光ファイバ伝送路の他の部分よりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所となるヒューズ部とを備え、前記ブロック部とヒューズ部とは直列に接続され、前記ブロック部が光源側に設けられるようにしたことを特徴とする保安器。
光ファイバ伝送路の途中にファイバヒューズ現象を局在化して発生させ得るヒューズ部と発生したファイバヒューズ現象を阻止するブロック部とを備えた保安器を配置すると、確実にファイバヒューズ現象を遮断することができ、ファイバヒューズ現象の延焼が抑制できる。
〈構成15〉
前記ブロック部と前記ヒューズ部とは、入力側端末と出力側端末とを備えた筐体内に収納され、前記入力側端末と出力側端末との間に挿入されていることを特徴とする構成14記載の保安器。
上記のブロック部と前記ヒューズ部を筐体の内部に一体に組み込むことで、保安器とすることができる。これは任意の光源と機器、光ファイバ伝送路との間に挿入して使用できる。
〈構成16〉
前記入力側又は/及び出力側端末は光コネクタであることを特徴とする構成15記載の保安器。
入出力側端末にコネクタを用いると光ファイバ伝送路と保安器との接続を機械的に行えるので容易に設置することができる。
〈構成17〉
光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路に請求項14記載の保安器が配置された光伝送システムにおいて、前記保安器は前記光源側から前記光ファイバ伝送路の全長の5%以内の距離に設置されていることを特徴とする光伝送システム。
保安器を光源側から光ファイバの全長の5%以内の距離の所に置くことにより、たとえファイバヒューズ現象が発生したとしても発生箇所が光源等の機器類の近くであるため修繕を容易に行うことができ、また万が一にもファイバヒューズ現象を保安器内で阻止できなかった場合にも、光伝送路に与える損害を最小限に抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について具体例を用いて説明する。
図1は本発明の一実施の形態である光ファイバ伝送路及びファイバヒューズ現象を遮断する状況を説明する図である。図1において本発明の光ファイバ伝送路1は伝送用のシングルモードファイバ(以下、SMF)2a、2b、2cの途中にこのSMF2a、2b、2cよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所3とファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4を近接して配置し、しかもファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4を光源5側に設けたものである。
このように本発明のような構成では、もしファイバヒューズ現象6が生じるような場合でもその箇所が選択的にファイバヒューズ現象6に対して耐性の低い箇所3で生じるようになるので予想外の箇所で生じて大規模な光ファイバ伝送路の破損を来すような心配がなくなる。
また、ファイバヒューズ現象に対して耐性の低い箇所3でファイバヒューズ現象6が生じ、そのファイバヒューズ現象が光源に向かって延焼して行っても光源5側に設けたファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4で確実にファイバヒューズ現象を遮断することができる。
従って、ファイバヒューズ現象の生じる箇所が局在化でき、しかも、もしファイバヒューズ現象が生じたとしてもファイバヒューズ現象の生じた箇所に近接して光源側に設けられたファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所でファイバヒューズ現象を遮断するのでファイバヒューズ現象による延焼を極めて短い距離で阻止でき光源などの機器類の損傷等による大きな問題を起こすことがない。なお、本実施例では公衆通信用の光ファイバについて説明したが、本発明は平面型光導波路においても適用でき、公衆通信用の光ファイバだけに限定されるものではない。
図2は本発明の光ファイバ伝送路を実現する保安器の縦断面図である。
図のように、筐体11の両端壁には、入力側端末である光源側コネクタ12と出力側端末である機器側コネクタ13とが設けられている。筐体11の中は、ファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所となるブロック部14と、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所となるヒューズ部15とが、直列に接続された構造をしている。ブロック部14とヒューズ部15との間の距離をあまり長くとると、ファイバヒューズ現象が生じた場合に延焼距離が長くなるので好ましくない。実用的な通信用光ファイバでは、両者の距離を数cm〜数十cm程度の範囲にとることが好ましい。そこで、両者を筐体に入れて「保安器」とする。これで、両者の距離を最適化し、光源と機器の間に簡単に挿入して使用することができるようになる。
ここで伝送用のSMF2a、2b、2cは通常の公衆通信に用いられるコアにGeを添加して屈折率を上昇させ、クラッドは純粋石英ガラスとした光ファイバである。ただし、光ファイバ伝送路としては本実施の形態に限定されるものではなく、例えば一枚の平板導波路基板内にブロック部とヒューズ部を形成するならば、両者を数mm間隔に近接配置させることもでき、コンパクトな実装が可能となるなど目的に応じて種々の光ファイバを用いることができる。
また、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所3は光の吸収機能を有する部材を用いるとよい。この光の吸収機能を有する部材としては、例えば光の吸収性能を有する金属薄膜を光ファイバ伝送路2bと2cの間に挿入するなどすればよい。図3(a)は、光ファイバ21、22の突き合わせ接続部に、金属薄膜23として、光信号の固定減衰器用として用いられている、クロム系金属等の薄膜被覆を施した例を示す。通常はファイバヒューズ現象が生じないようなパワーで光信号を伝送する。何らかの原因でファイバヒューズ現象が生じる場合には金属薄膜23の部分で光エネルギが吸収され、温度がいち早く上昇するのでファイバヒューズ現象が発生しやすくなる。
さらに、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所3は光ファイバ伝送路を構成するSMFよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い光ファイバ、例えばモードフィールド径の小さい光ファイバ、コアに遷移金属元素や希土類元素を添加した光減衰性ファイバ、プラスチックファイバ、あるいは多成分ガラスファイバを用いるとよい。
モードフィールド径の小さい光ファイバは光のパワー密度が上昇しファイバヒューズ現象が生じやすくなるので、ファイバヒューズ現象に対する耐性が低くなる。また、光吸収元素をコアに添加した光ファイバは光を効率よく吸収するので温度の上昇が大きくなり、よりファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所として適している。
さらに、プラスチックファイバは石英ガラスに比べ通信波長域での吸収が大きく、化学的安定性も低いことからファイバヒューズ現象発生の閾値が低く、ファイバヒューズ現象に対する耐性(耐光パワー特性)が低い。また比較的高濃度に吸光性の添加物や置換基を導入することが可能であるため吸光性の調整が容易であり、ファイバヒューズ現象発生の閾値や耐光パワー特性を所望のレベルに調整することもできる。
多成分ガラスファイバもプラスチックファイバと同様に石英ガラスに比べ通信波長域での吸収が大きく、熱的安定性も低いことからファイバヒューズ現象発生の閾値が低く、吸光性添加物濃度を調整することによりファイバヒューズ現象発生の閾値や耐光パワー特性を所望のレベルに調整することができ、いずれもファイバヒューズ現象が生じやすい傾向がある。もちろん光ファイバ伝送路を構成する光ファイバに合わせてそれよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い光ファイバを選べばよいので、本実施の形態に限定されるものではない。
次にファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4は純粋石英コア光ファイバを用いるとよい。純粋石英コア光ファイバはコアにファイバヒューズ現象の発生要因であるGeのような高温で光吸収の増大を誘発するドーパントが添加されていないのでファイバヒューズ現象に対する耐性が高く、優れたファイバヒューズ現象の遮断機能を有している。
また、ファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4はモードフィールド径を大きくした光ファイバを用いるとよい。モードフィールド径を大きくした光ファイバとしては、例えばコア径を熱拡散により拡大したファイバ(Thermal Expanded Core;TEC ファイバ)が挙げられる。このようにモードフィールド径を大きくした光ファイバを用いるとファイバヒューズ現象はモード実効断面積を大きくした部分で拡散してそれ以上の延焼が生じることがない。
さらに、例えば、図3(b)に示すように、ファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所4は一対の光ファイバ25、26の突き合わせ接続部(光ファイバ伝送路)中に、エアギャップ27を設けるとよい。エアギャップ27は例えば伝送用SMF2aと2bとを近接させ、間にわずかな隙間を設けて構成したり、伝送用SMF2aと2bとの間にコリメータ対を配置し、このコリメータ対の間にわずかなギャップを設けて構成するとよい。
このようにするとファイバヒューズ現象が発生してもエアギャップにおいて熱伝導が寸断されることにより延焼が遮断されるので光源などの機器類に損傷が及ぶことがない。コリメータを設けたのは、ギャップを介して伝送される光信号の結合損失を最小にするため及び光パワー密度を低減させることにより光ファイバ端面に付着した異物による吸光→発熱→ファイバヒューズ現象再発という過程を抑制するためである。なお、このエアギャップの周辺は、高い光パワー密度の空間ビーム光が漏洩する可能性があるので、周囲を不燃物で遮光することが望ましい。
また、前記した保安器を光ファイバ伝送路の光源側から光ファイバ伝送路全長の5%以内の距離に設置するとよい。光ファイバ伝送路全長の5%以内の距離はほとんどの場合光源装置を設置した施設内であるので、このようにして設置すると、ファイバヒューズ現象が発生したとしてもその発生箇所を局在化できるとともにファイバヒューズ現象による延焼を極めて短距離で遮断できる。
本発明の光ファイバ伝送路及びファイバヒューズ現象を遮断する状況を説明する図である。 本発明の光ファイバ伝送路を実現する保安器の縦断面図である。 (a)は、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所の実施例側面図、(b)は、ファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所の実施例側面図である。
符号の説明
1 光ファイバ伝送路
2a 伝送用SMF
2b 伝送用SMF
2c 伝送用SMF
3 ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所
4 ファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所
5 光源
6 ファイバヒューズ現象

Claims (9)

  1. 光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路において、前記光ファイバ伝送路の途中に前記光ファイバ伝送路の他の部分よりも局所的に高い温度に達し易くファイバヒューズ現象を発生し易い、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所と、ファイバヒューズ現象を遮断するファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所を近接して配置し、前記耐性の高い箇所を光源側に設け、
    前記耐性の低い箇所は光の吸収機能を有する部材からなることを特徴とする光ファイバ伝送路。
  2. 前記光の吸収機能を有する部材は光ファイバ伝送路中に金属薄膜を挿入したものであることを特徴とする請求項1記載の光ファイバ伝送路。
  3. 光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路において、前記光ファイバ伝送路の途中に前記光ファイバ伝送路の他の部分よりも局所的に高い温度に達し易くファイバヒューズ現象を発生し易い、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所と、ファイバヒューズ現象を遮断するファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所を近接して配置し、前記耐性の高い箇所を光源側に設け、
    前記耐性の低い箇所は前記光ファイバ伝送路を構成するシングルモードファイバよりもファイバヒューズ現象に対する耐性の低い光ファイバからなることを特徴とする光ファイバ伝送路。
  4. 前記耐性の低い箇所はモードフィールド径を小さくした光ファイバからなることを特徴とする請求項3記載の光ファイバ伝送路。
  5. 前記耐性の低い光ファイバは光吸収元素をコアに添加した光ファイバであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバ伝送路。
  6. 前記耐性の低い光ファイバはプラスチックファイバであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバ伝送路。
  7. 前記耐性の低い光ファイバは多成分ガラスファイバであることを特徴とする請求項3記載の光ファイバ伝送路。
  8. 光源と接続され、光源からの光を所定の屈折率を有するコアとその周囲の前記コアよりも屈折率の低いクラッドとからなるシングルモードファイバにより伝送させる光ファイバ伝送路の途中に配置される保安器であって、前記保安器は、ファイバヒューズ現象を遮断するファイバヒューズ現象に対する耐性の高い箇所となるブロック部と、前記光ファイバ伝送路の他の部分よりも局所的に高い温度に達し易くファイバヒューズ現象を発生し易い、ファイバヒューズ現象に対する耐性の低い箇所となるヒューズ部とを備え、
    前記ブロック部とヒューズ部とは直列に接続され、前記ブロック部が光源側に設けられ、
    前記ブロック部と前記ヒューズ部とは、入力側端末と出力側端末とを備えた筐体内に収納され、前記入力側端末と出力側端末との間に挿入されていることを特徴とする保安器。
  9. 前記入力側又は/及び出力側端末は光コネクタであることを特徴とする請求項8記載の保安器。
JP2004005131A 2004-01-13 2004-01-13 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム Expired - Fee Related JP4177269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005131A JP4177269B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004005131A JP4177269B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005201936A JP2005201936A (ja) 2005-07-28
JP4177269B2 true JP4177269B2 (ja) 2008-11-05

Family

ID=34819548

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004005131A Expired - Fee Related JP4177269B2 (ja) 2004-01-13 2004-01-13 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4177269B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI436113B (zh) 2008-08-26 2014-05-01 Fujikura Ltd 光纖熔融阻斷構件、光纖雷射及光傳送路
JP2011039118A (ja) * 2009-08-06 2011-02-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光伝送装置及び光伝送システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005201936A (ja) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7333702B2 (en) Fiber optics transmission line
JP4954737B2 (ja) 光増幅システム、これを用いた光ファイバレーザ及び光ファイバ増幅器
US10082630B1 (en) Packaging of an optical fiber head in high-power laser applications
US10209453B1 (en) Packaging of an optical fiber head with optical fiber not immersed in cooling water to enhance reliability and optical performance
JPH04369280A (ja) ファイバ・オプティック増幅器
JP3530951B2 (ja) 光ファイバ、光増幅器および光伝送システム
JP6377923B2 (ja) 高パワー光学システムからの望ましくない光の除去
KR20140102706A (ko) 분산 모드 흡수기를 구비한 고전력 광섬유 레이저 시스템
JP2007293298A (ja) 光学部品の光入出力端
JP3826726B2 (ja) 光出力装置の保護装置並びにそれを用いた光伝送システム及び光出力装置の保護方法
Kuroiwa et al. Fusion spliceable and high efficient Bi2O3-based EDF for short-length and broadband application pumped at 1480 nm
JP4177269B2 (ja) 光ファイバ伝送路、保安器及び光伝送システム
Yanagi et al. Fiber fuse terminator
EP3086420A2 (en) Systems and techniques for termination of ports in fiber lasers
JP4461966B2 (ja) 光増幅用ファイバ、光増幅モジュール、光通信システム及び光増幅方法
Domingues et al. High‐power effects in damaged and contaminated optical fiber connectors
Tomizawa et al. Safety issues in high-power optical fibre communication systems, including distributed Raman amplification systems
US20020114605A1 (en) Fiber fuse protection
JP5952764B2 (ja) ファイバヒューズストッパ、光コネクタ、及び光伝送システム
JP2002372636A (ja) 高強度光伝送システム、高強度光伝送システムに用いられるファイバフューズ阻止用部材、および、ファイバフューズ阻止用部材の製造方法
JPH09146056A (ja) 光フューズ及び光素子保護装置
JP2005345592A (ja) フォトニック結晶ファイバ型光減衰器及びその使用方法
JP2009111022A (ja) ポンプコンバイナ及び光増幅装置
KR200374634Y1 (ko) 클래딩 모드 차단 타입의 금속 이온 첨가 광 감쇠 파이버를 이용한 패치 코드 타입 고정 광 감쇠기 제조
JP2011039118A (ja) 光伝送装置及び光伝送システム

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20060425

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060605

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060724

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071029

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071102

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071207

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080813

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080821

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4177269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110829

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120829

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130829

Year of fee payment: 5

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313118

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees