JP4177205B2 - レーザ熱処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体薄膜その他被照射膜にレーザビームを照射しながら走査して均一に加熱するためのレーザ熱処理装置に関する。
レーザ熱処理装置の先行技術に関して、特許文献1はレーザ熱処理装置を開示しており、この文献公報中図1に示すように、レーザ発振器からのレーザビームを強度分布均一化手段により光軸に垂直な断面内の一方向、例えば、y方向にのみ、均一化し、その転写像を、ビーム形状均一化手段として、転写レンズにより基板上膜材料5に拡大転写し、他方、該断面内のy方向に直交するx方向においては集光レンズにより基板上膜材料に集光させて、y方向に長くて均一な強度分布をもち、x方向には狭幅の強度分布を持つ照射ビームを形成している。そして加熱処理に際しては、被加熱面をx方向に照射ビームが掃引するように走査して、広い面域にわたって加熱処理をする。
このようなレーザ熱処理装置は、ガラス基板上に製膜した半導体膜、例えば、非晶質のシリコン膜に照射して、結晶化させるのに利用されている。この方法で得た多結晶シリコン膜は、非常に広い面積を有するものが得られるので、これを半導体基板として、その表面上に多数の薄膜トランジスタを形成配置して、半導体装置とする。そのような半導体装置は、液晶表示装置の駆動制御回路として利用できる。
特開2001−7045号公報
比較のために一例として、図6に示すレーザ加熱装置においては、強度分布均一化手段1には、一対の対向した反射面を有する中実透明ブロックの導光路3を利用している。導光路3の一例は、一対の対向する反射面31、32で規定されるy方向長さ3mm(即ち、導光路3の厚さ)と、x方向長さ100mm(即ち、導光路3の側面35、35間の幅)、z方向長さ250mm(即ち、導光路3の光軸O上長さ)の長方体ブロックがある。
この導光路3に入射したレーザビーム2は、導光路内部を、光軸Oにそってy方向に拡大しながら通過するが、レーザビーム2は、光路を、一対の反射面31、32の間でを反射することなく、透過する部分と、2つの何れかの反射面31、32を1回だけ全反射する部分と、反射面31、32を2回全反射する部分と、さらに3回以上の複数回の全反射を繰り返す部分とに、分割される。分割された全部分のビームは、必ず、出射面34を共通して通過して、その出射面34ではそれらが重ねあわさるから、出射面34において(上記の例では、3mmの厚さで)光強度分布がy方向に均一化される。一方、x方向については、入射光はこの長方形ブロック内で、側面35、35では反射を受けずに、平行な光線を通過させている。x方向のビーム幅は、例えば60mmであるとする。
この出射面34を、y方向転写レンズ10によってy方向にのみ拡大して基板上膜材料5の照射面上に転写する。例えば、y方向転写レンズ10として、1個又は2個のシリンドリカルレンズが用いられている。転写用シリンドリカルレンズ10が3mm幅の強度分布の均一性を保ったまま転写するには、照射面でのy方向の収差を小さくするようにレンズの組み合わせが決定される。例えば20倍に拡大して、3mm幅の出射面を、照射面上y方向60mmの転写像を作る場合には、シリンドリカルレンズ一枚ではy方向のスポットの収差が大きくなるので、図6の例は、2枚のシリンドリカルレンズを組み合わせている。y方向の焦点面は、図6においては、直線Pyで記されている。
x方向については、導光路を通過した平行ビームはx方向に関しては、転写レンズ10を偏向を受けずに通過し、次のx方向集光レンズ20によって、収束し照射面上に焦点を結ぶ。ここで、光軸O上においてx方向の集光点とy方向の集光点が一致するようにx方向集光レンズ20の位置と焦点距離が設定されている。
x方向のz焦点位置がy方向転写位置によってどう変わるかを見ると、導光路の出射面34上の端部Bから発した光線束(b)はx方向集光レンズ20を斜めに入射し、y方向には偏向を受けないので同じ角度で照射面に向かう。x方向集光レンズ20に斜めに入射する効果と、集光レンズ20から照射面Pyまで斜めに進む効果と、によって、x方向のz焦点位置が図6のPxように光軸から離れるに従い集光レンズ20側に近づく。このずれ量をΔzとおくと、例えば、Δz=−0.2mmである。
焦点深度のx方向のz焦点深度幅Δzbeamは、例えば0.4mmであり、図6の場合にはΔzの方が小さい。従って、図6の場合には、60mmの照射ビーム長さに亘ってy方向のピーク強度分布はおおむね等しい。
然しながら、量産性を一層高めるためには、照射部位における照射ビームの長さを大きくして、掃引面積を拡大する必要がある。1つの例として、線状照射ビームの長さを60mmから100mmに拡大する場合には、導光路3のy方向の幅(即ち、導光路のさ)を広げるか、転写レンズの転写倍率を上げるかの方法がある。
導光路のy方向幅(厚さ)を5mmに広げた装置を図7に示すが、転写レンズ10の倍率は、図6の場合と同じ20倍とすれば、照射面では100mmの照射ビーム長さが得られる。図6の場合と同様に、図7の場合にも行うと、光線(b)のx方向のz焦点位置のずれ量ΔzはΔzよりも大きくなる。例えば、Δz=−0.5mmとなり、その絶対値は、Δzbeamよりも大きくなる。
この結果、光軸からy方向に離れるに従ってx方向の集光スポット幅が広がるので、それに従いピーク強度分布も下がる。図8には、図7に図示の光学系を用いて長さ100mmにした照射ビームを成形した場合のピーク強度分布を計算した結果を示すが、図8から、y方向周辺に行くに従いピーク強度が明らかに低下することが判る。
照射ビームを長くすると、y方向の縁側にピーク強度分布が変動して、これが、非晶質膜への照射処理の過程で、x方向のみならず、y方向にも温度勾配を生じさせ、特に、そのような線状照射ビームで掃引した熱処理帯域では、中央部に対して、縁部での結晶粒の成長不良を起こし、熱処理帯域での幅方向に結晶粒度の差が生じることがある。
さて、レーザ熱処理装置に適用されているレーザは紫外線を発するXeClレーザ(波長308nm)、KrFレーザ(波長248nm)等のエキシマレーザが一般的である。ここにおいて、重要なポイントは、少なくとも線状ビームの長さは、製作されるTFTパネルの短辺より長いことである。これは、エキシマレーザなどの紫外レーザ部を重ねた場合には、その重ね部分において、大きく特性が劣化して、同じTFT特性(移動度、しきい値電圧)が得られないことに起因する。
PCT/JP/0710は、この重ね照射部の特性を改善するために、1) 非晶質シリコン膜の第1の領域に波長390nm以上で640nm以下のレーザを照射して第1の多結晶部分を形成する工程と、2)非晶質シリコンの第2の領域とその第2の領域に接する第1の多結晶部分の一部領域とに、波長が390nm以上で640nm以下のレーザを照射して第1の多結晶部分に接するように第2の多結晶部分を形成する工程と、を設けることが明らかにされている。その理由は以下による。
非晶質シリコン膜及び多結晶シリコン膜において、レーザの吸収率は、その波長によって、さまざまに変化する。PCT/JP/0710は、レーザ波長を390nm以上としているので、多結晶膜シリコンの吸収率は、非晶質シリコン膜の吸収率の60%以下となる。そのため、非晶質シリコンにレーザが照射されて多結晶シリコンが形成されれば、その多結晶シリコンに再度レーザを照射しても、多結晶シリコンはレーザのエネルギーを余り吸収しない。その結果、多結晶シリコンの特性がレーザの再照射によっても余り変化せず、多結晶シリコン膜の全体でほぼ等しい特性を発揮することができる。
また、レーザの波長を640nm以下としているので、非晶質シリコン膜での吸収率が10%以上となる。その結果、非晶質シリコンが、レーザ熱を吸収しやすくなり、非晶質シリコンは容易に多結晶化することができる。
なお、波長が500〜550nmであれば、非晶質シリコン膜と結晶シリコン膜との吸収率の差がより大きくなるので好ましい。波長が520〜550nmであれば、非晶質シリコン膜と結晶シリコン膜との吸収率の差がさらに大きくなるので特に好ましい。以上のように、非晶質シリコンと多結晶シリコンとの吸収率が大きい波長領域では、重ね照射した場合においても、その境界領域におけるTFTの特性(移動度、しきい値電圧)は、ほとんど一致することが、明らかにされている。
然しながら、実際にTFTを作成し、液晶パネルとして表示させると、人間の目には、微妙に重ね領域が認識されることが判明してきた。その原因は、人間の目の識別能力が高いため、わずかな特性の相異であっても、重ね照射部が同じ直線の上に並んでいると、その境界領域が認識されてしまうためである。実際、境界部における特性の差は、各トランジスタ特性のばらつきの範囲内にあり、もし、ランダムに配置されれば認識できない範囲である。この原因は、1回目の照射によって、結晶が作成された際に、境界領域においても、結晶化が行なわれる。ビーム強度が十分に下がった領域では、2回目のビーム照射によって、再度結晶を溶融し本来の移動度に復帰することができるが、境界領域において、比較的高い強度が照射された領域では、中途半端な結晶が成長することにより、多結晶化により、吸収率が低下し、結局、結晶が周囲に比べ小さい大きさで残ってしまうことが判明した。
本発明は、上記問題に鑑み、照射部位における照射ビームを長くして、且つ、照射ビーム幅に亘って均一な強度分布を補償して、照射ビームの膜材料の照射面での掃引幅を大きくして生産性の高いレーザ熱処理装置を提供しようとするものである。
さらに、本発明は、この重ね部における特性を改善して、重ね照射領域における特性のわずかな相異をパネル上で認識できないようにすることを目的とする。
本発明のレーザ熱処理装置は、照射ビームを形成するためのビーム形状成形手段として転写レンズを高いに離間した2群から構成し、像側テレセントリック光学系とすることにより、均一化手段の放射面に対する照射面における照射ビームの拡大倍率を大きくし且つ、焦点深度の大きな照射ビームを形成して、照射面からの長手方向に渡る焦点位置の変位を極力低減して、照射ビームの長手方向に均一な強度分布を補償するものである。
即ち、レーザ熱処理装置は、強度分布均一化手段がレーザビームの光軸に垂直な断面内のy方向のレーザビームの強度分布を均一にし、且つ断面内でこのy方向と直交するx方向のレーザビームの強度分布をレーザ発振器から放射されたレーザビームの強度分布に維持し、ビーム形状成形手段が強度分布均一化手段で得られたy方向の均一分布を基板上膜材料上に転写する転写レンズを含み、転写レンズにより基板の膜材料上でx方向に狭くy方向に長く伸びる線状形状の照射ビームを形成するのであるが、その特徴は、転写レンズを2群以上に離間して構成して、強度分布均一化手段を光軸に平行に出射したビームをy方向のどの位置でも基板の膜材料の照射面上に垂直に入射させるものである。
本発明のレーザ熱処理装置においては、y方向のどの位置でも基板上の膜材料には、ほぼ垂直にビームが入射することができるので、x集光レンズを最終群の転写レンズの後ろ側か、あるいは前側であれば最終群の転写レンズの近傍に配置すれば、x集光レンズを通過した後の光路長がyの位置に寄らずほぼ一定となるので、x集光レンズによるy方向の前述の像面湾曲の発生が抑えられ、従来よりも長くした照射ビームを、y方向に均一な強度分布にして、得ることができる。
実施形態1.
レーザ熱処理装置は、レーザ発振器から放射されたレーザビームの断面強度分布を成形する強度分布均一化手段と、強度分布均一化手段からのビームを、基板上の膜材料表面で、線状の照射ビームに成形するビーム形状成形手段と含んでいる。ここで、強度分布均一化手段は、レーザ発振器からのレーザビームをその光軸に垂直な断面内の一方向、即ち、y方向の強度分布を均一にし、且つ、その断面内でこのy方向と直交する他の方向、即ち、x方向のレーザビームの強度分布をレーザ発振器から放射されたレーザビームの強度分布に維持するものである。
このような強度分布均一化手段には、y方向にのみ互いに対面する一対の反射面を有する導光路を使用することができる。導光路は、2枚の鏡を対面して配置した中空型や、対面する全反射面とを有する中実なガラスブロックが使用される。
導光路においては、レーザビームは入射面に入射し、対面する反射面に1回反射から数回反射する複数のビームに分割されて、分割ビームは、出射面で重ね合わされて、各放射方向に放射されて、ビーム形状成形手段に入射される。
強度分布均一化手段の別の態様は、レーザビームより狭幅の多数のシリンドリカルレンズを幅方向に積層し、ビーム分割をするためのシリンドリカルレンズアレイ等も利用できる。
他方、ビーム形状成形手段は、強度分布均一化手段でレーザビームを分割して得られたy方向の均一分布を基板上膜材料の照射面上に転写して、基板上膜材料の照射面上でx方向に狭くy方向に長く伸びる線状の照射ビームを形成する。
この実施形態においては、上記のビーム形状成形手段が、互いに離間した少なくとも2群の転写レンズを含み、強度分布均一化手段を光軸に平行に出射した光線を、y方向のどの位置でも基板膜材料の照射面に照射ビームをx方向から見て実質的に垂直に入射させる。これにより、二つの群の転写レンズが、照射ビームの集光スポットをy方向の全域にわたって照射面上に正確に位置付けして、y方向に均一な強度分布を補償するものである。この2群の転写レンズの組み合わせにより、照射面上の照射ビームは、y 方向長さを大きく拡大しても、y方向の両側縁部においても中央部と実質的に差のない強度分布を保持することができる利点がある。
図1において、強度分布均一化手段1に透明ガラスの導光路3を使用し、y方向に狭幅にして対向する平行な反射面31、32を備えて、レーザ光源(不図示)からのレーザビーム2を入射面33に入射させ、導光路3で多数のビームに分割し、その出射面34から放射した分割ビームを、ビーム形状成形手段10に入射させている。導光路3の出射面34では、y方向の強度分布は均一化されいてるが、x方向成分は、均一化処理を受けないので、均一化されず、レーザ発振器からのレーザビームの強度分布、たとえば、ガウス分布を維持している。
この例のビーム形状成形手段は、第1群のy方向転写レンズ10と第2群のy方向転写レンズ11と、x方向集光レンズ20から成っている。2つの群の転写レンズ10、11は、いずれもシリンドリカルレンズを用いて、導光路3の出射面34を拡大して、膜材料5上の照射面に結像する。
この実施形態では、第1群のy方向転写レンズ10が、導光路3からの分割ビームを受けて、z方向にその前方にy−z面内に実焦点Fを結ぶように配置される。この例では、第1群のy方向転写レンズ10は、2つの凸状シリンドリカルレンズ101、102をx方向に延びるよう並列している。第2群の転写レンズ11には、上記の第1群のy方向転写レンズ10から上記実焦点Fを通って分割ビームが入射して、この第2群の転写レンズ11が、前方に(即ち、照射面側に)平行な照射ビーム21にして、膜材料5上の照射面の照射部位22にx方向から見て実質的に垂直照射させる。2つの群の転写レンズ10、11は、前述のように、導光路3の出射面34を照射部位22に転写し、基板上膜材料上で長方形のビーム形状の長手方向を形成する。その際に、該照射ビーム21がy方向のどの位置でも基板上の膜材料上に実質的に垂直に入射する。他方、x方向に関して、x方向集光レンズ20が、基板上膜材料上で長方形のビーム形状の短手方向を形成するように、照射部位22に集光するので、z−焦点位置のy方向でのずれは発生せず、y方向に亘って均一な強度分布を有する照射ビームが得られる。ここの明細書で、膜材料5上照射面にx方向から見て実質的に垂直に照射するとは、照射ビームが膜材料照射面からの法線に対して、焦点ずれを実質的に生じない範囲に傾きを生じることは許容される。そのような法線からの傾きは、x方向から見て±10°の範囲であれば許容され、傾きは、好ましくは、±5°の範囲とする。
さらに、詳細には、導光路3は、寸法が、100mm×250mm×厚み5mmのガラスブロックの例で説明すると、照射ビームのy方向でのz焦点位置が変化するのは、x方向集光レンズ20から照射面に向けた焦点面までの距離が照射面上y方向の位置によって異なることにあるので、y方向転写レンズ10を通過した後の光線が基板5上照射面に垂直に入射するようにして、最終群の転写レンズ11の前側の近傍又は最終群の転写レンズの後ろ側にx方向集光レンズ20を配置する。そのために、転写レンズ系を2群以上に分ける必要があり、第1群の転写レンズ10(101、102)は、光源側に配置して、転写主レンズとし、第2群の転写レンズ11を、基板5の照射面側に配置して転写補正レンズとしての機能を有する。
導光路3の出射面34のy方向各位置を出た光線束が基板上に実質的に垂直に入射するための条件は以下の通りであり、これを満たすようにレンズの形状を設定する。
条件1は、導光路出射面34のy方向位置y0を光軸に平行に出射する光線を第1群の転写レンズ10が屈折させて第2群の転写レンズ11に入射させる際に、第2群の転写レンズ11上の光軸に対するその入射位置y1を、y1=M×y0とする位置になるように第1群の転写レンズ10を設定することである。ここに、Mは転写倍率であり、例えば、図1において、導光路3の出射面34のy方向幅5mmを、照射部位22における照射ビームのy方向長さD100mmに拡大転写する場合には、転写倍率M=20である。
条件2は、導光路出射面34のy方向位置y0を光軸に平行に出射して第2群の転写レンズ11に入射位置y1で入射した光線を、この第2群の転写レンズ11が、基板上の照射面に垂直に向けることである。
そして、基板上の照射面に垂直である分割ビームに対してx方向集光レンズを介挿するので、基板上の照射部位にはy方向に亘ってz−焦点のずれのない線状の照射ビームが得られる。
上記2つの条件1と2を満たすレンズを設定して得られた線状の照射ビームのy方向ピーク強度分布を計算した結果を、図2に示す。厚さ5mmの導光路3を用いて、照射ビームを100mmの長さに成形しても、そのy方向全長に亘って均一なピーク強度分布が得られる。
このようして、上記条件を充たす転写レンズ群を調製することにより、厚み5mmの導光路3を使用して、照射部位22における照射ビーム21の長さDを60mm以上に、特に、100mm以上にすることができ(図1(A))、照射ビームの1回の掃引で幅60mm以上の、特に、100mm以上の、熱処理帯域が形成できる。例えば、非晶質シリコン膜では、1回の掃引で100mm以上の広幅の多結晶帯域を形成することができ、処理効率を高めることができる。
上述のように、上記の2群の転写レンズの配置は、膜材料5の照射面上での照射ビームがy方向のどの位置においても均一なピーク強度を有するのであるが、同時に、導光路3、ではレーザビームが複数層分割され、分割ビームが出射面に折り返されて合成されるので、その幅の端部では、急峻に強度分布が低下しており、この鮮明な矩形状なy方向強度分布を、上記構造の光学系により、照射面に垂直に入射するようにしてしかもz−焦点のずれを生じることなく、転写するので、y方向の両端部のエッジ強度分布を急峻な立ち下がりにすることができる。さらに後述のように、導光路の出射面上の一点をできるだ基板上の一点に転写するように転写レンズの設定を行なうのが望ましい。また、線状にした照射ビームの長手y方向の長さより処理すべき膜材料、例えば、非晶質シリコン膜、の幅のほうが大きいのが普通であるが、この場合に、基板上1回掃引では基板全面をアニールすることができないので、膜上照射をx方向に1回掃引し、さらに、基板に対するビームの位置をy方向に掃引一幅分(照射ビーム一長さ分)だけずらして再度照射掃引するように走査をする。その際、照射ビームのy方向のエッジ領域で強度分布の立下りがなだらかで緩慢であると、そのエッジ領域では非晶質シリコン膜がうまく多結晶化しない惧れがある。然しながら、この実施形態では、上記説明の如く、y方向端のエッジを強度分布の急峻な立下がりビーム形状にするので、シリコンの多結晶膜は、多結晶化できない領域を狭くし、又は、実質的に解消することができる。
本発明は、上記の如く、重ね合わせ部の境界部における性能の不均一を解消するために、線状ビームの長手方向端部の境界領域の長さを極力小さくする。この境界領域の長さは、ピーク強度に対して10%から90%の範囲の領域の長さと定義して、5mm以下とする。さらに、好ましくは、3mm以下とするものである。
図2に示すように、ビームの長手方向で矩形状である照射ビームにおいて、少なくとも、長手方向端部の境界領域の長さL(ピーク強度に対して10%から90%の範囲の領域の長さと定義される)を極力小さくする。このような設定を行うことにより、1回目の照射により中途半端な大きさまで成長し、2回目の照射でも十分な大きさまで成長できずに残ってしまう結晶領域が縮小される。これにより、TFTパネルを製作した際に、目視してわずかな境界領域が目立たなくなる利点がある。光学設計上比較的現実的に設定しやすい境界領域の長さLは、5mm以下である。さらに、長さLは、転写レンズの表面形状の追い込みにより、3mm以下に設定するのが、さらに好ましい。
実施の形態2.
この実施形態は、第1群のレンズと第2群のレンズとの間隔を、第1群の転写レンズの焦点距離f1と、第2群の転写レンズの焦点距離f2との和とするように設定して、第2群の転写レンズからの照射ビームを照射面に実質的に垂直に照射するものである。
詳しくは、上記の条件1、2を満たすレンズについて、図3に示すように、第1群のレンズ(転写主レンズ)10の焦点距離をf1とし、第2群の転写レンズ(転写補正レンズ)11の焦点距離をf2とし、転写レンズ系全体の合成焦点距離をf12とすると、主転写レンズの後ろ側主点位置41から転写補正レンズ42の前側主点までの距離Lを、実施的にf1とf2の和とするとき、導光路3を光軸に平行に出射する光線は全て基板5上の照射面に垂直に入射する光線となる。
実用的には、2つの群の転写レンズ間の上記主点位置間距離Lは、上記の焦点距離の和(f1+f2)に対して±20%の誤差範囲、即ち、(f1+f2)×0.8≦L≦(f1+f2)×1.2に設定するのは許容でき、上述のように、照射部位上の照射ビームのy方向強度分布に実用上十分な均一性が得られる。好ましくは、2つの群の転写レンズの間の上記距離Lは、焦点距離の和(f1+f2)に対して誤差範囲を±10%以下とする。
この導光路3を光軸Oに平行に出射する光線それぞれが、導光路3の出射面34のy方向位置y0を出た光線束の中心の光線と考えれば、L=f1+f2の条件を、上記の誤差範囲を含めて、満たすようにすれば、導光路3の出射面34のy方向各位置を出た光線束の中心光線が、最終群の転写レンズ11により、集光レンズ20に垂直に入射することになる。
さらに、導光路の出射面34のy方向の強度分布均一性を保ったまま膜材料上の照射面に転写するには、導光路の出射面34の像高y0を出る光線が基板上の照射面でy方向にできる限り収差なく一点に集光させることが望ましい。この条件とL=f1+f2の条件とを満足するようなレンズにより、基板上の膜材料の照射面での照射ビームのy方向の強度均一性が保たれる。
さらに、この実施形態のレーザ熱処理装置は、x方向集光レンズを、最終群のy転写レンズと基板との間に配置するのが好ましい。従来は、y方向でのz焦点位置が変化した原因は、x方向集光レンズ20から焦点面までの距離がyの位置によって異なるだけでなく、集光レンズへの斜入射もあった。そこで、集光レンズ20を後段の転写レンズ11の後に置くことにより、導光路の出射面34のy方向各位置を出た光線束が、転写レンズ11によってx方向集光レンズ20に垂直に入射するので、集光レンズ20によりy方向のどの位置でもレンズから実質的に同一の焦点距離で集光され、x方向の焦点位置が、y方向の各位置に依存しなくなる。
実施の形態3.
この実施形態は、第2群のy方向転写レンズとx方向集光レンズ20とを、相対移動不能に固定することを含む。
図4においては、第2群のy方向転写レンズ11と、x方向集光レンズ20と、の間に、相対的な位置関係、特に、光軸周りにねじれが、わずかに生じても、線状の照射ビームのx方向の集光幅が大きく広がる。この実施形態は、ホルダー7、例えば、フレーム71を用いて、両者を固定一体化し、両者の相対位置を固定する。フレーム71は、矩形状の枠体をなし、枠体の内側に、第2群のy方向転写レンズ11とx方向集光レンズ20とを狭い間隔を置いて、配置して、そのレンズ外縁を取り囲むように固定するのである。
別の方法は、それぞれのレンズをホルダーに収めた後で、それぞれのホルダー同士を固定するような治具により両者を固定することもできる。
実施の形態4.
この実施形態は、第1群の転写レンズと強度分布均一化手段とは、一体に固定することを含む。
図5において、第1群の転写レンズ10と強度分布均一化手段とは、光軸周りのねじれがわずかに異なると、線状ビームのx方向の集光幅が大きく広がってしまう。第1群の転写レンズ10と導光路3との間を、適当なホルダー7、例えば、フレーム72により固定するのが好ましい。別の手段は、導波路とレンズとを各ホルダーに別異に収めた後で、両ホルダを固定するような治具により両者を固定しても良い。


本発明のレーザ熱処理装置は、基板上に形成した半導体膜、例えば、非晶質シリコン膜を熱処理して結晶質半導体膜に成形し、半導体基板としてその上に多数のトランジスターなど半導体装置を形成する半導体製造分野において広く適用できる技術である。
本発明の実施形態に係るレーザ熱処理装置の部分的な模式的な断面図(A、B)を示す。 本発明の実施形態に係るレーザ熱処理装置により照射した照射ビームのy方向の強度分布を示すグラフ。 本発明の実施形態に係るレーザ熱処理装置を示す図1同様図。 本発明の別の実施形態に係るレーザ熱処理装置を示す図1同様図。 本発明の別の実施形態に係るレーザ熱処理装置を示す図1同様図。 比較の例として、レーザ熱処理装置を示す図。 比較の例として、レーザ熱処理装置を示す図であって、光学系が線状に成形した照射ビームを長くした時の焦点ずれを示す。 従来のレーザ熱処理装置で、照射ビームを長くした時の照射ビームのy方向の強度分布を示す図。
符号の説明
1 強度分布均一化手段、10 第1群のy方向転写レンズ、11 第2群のy方向転写レンズ、2 レーザビーム、20 x方向集光レンズ、21 照射ビーム、22 照射部位、5 膜材料、7 ホルダ。

Claims (4)

  1. 基板上に形成された膜材料にレーザ照射を行なって熱処理するためのレーザ熱処理装置であって、レーザ発振器から放射されたレーザビームの断面強度分布を成形する強度分布均一化手段と、基板上の膜材料上で線状のビーム形状を形成するビーム形状成形手段を備えて、
    強度分布均一化手段が、レーザビームの光軸に垂直な断面内のy方向のレーザビームの強度分布を均一にし、且つ断面内でこのy方向と直交するx方向のレーザビームの強度分布がレーザ発振器から放射されたレーザビームの強度分布を維持し、
    ビーム形状成形手段が、強度分布均一化手段で得られたy方向の均一分布を基板上膜材料上に転写して基板上の膜材料上でx方向に狭くy方向に長く伸びる線状の照射ビームを形成するレーザ熱処理装置において、
    上記のビーム形状成形手段が、強度分布均一化手段で得られたy方向の均一分布をy方向にのみ拡大して基板上膜材料上に転写し、上記基板上膜材料上で長方形のビーム形状の長手方向を形成する転写レンズと、
    上記x方向のみを上記基板上膜材料上に集光し、上記基板上膜材料上で長方形のビーム形状の短手方向を形成する集光レンズとを備えており、
    上記y方向の転写レンズは、少なくとも2群の転写レンズを含み、
    上記集光レンズは、最終群の転写レンズの前側近傍又は最終群の転写レンズの後ろ側に配置され、
    強度分布均一化手段を光軸に平行に出射したビームがy方向のどの位置でも基板上の膜材料上に垂直に入射することを特徴とするレーザ熱処理装置。
  2. 第1群の転写レンズがf1の焦点距離を有し、第2群の転写レンズがf2の焦点距離を有し、2群の転写レンズ間の距離Lを、
    (f1+f2)×0.8≦L≦(f1+f2)×1.2
    であるように設定したことを特徴とする請求項1に記載のレーザ熱処理装置。
  3. ビーム形状成形手段が、最終群のy転写レンズの後にx方向集光レンズを配置したことを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ熱処理装置。
  4. 最終群の転写レンズとx方向集光レンズとが一体に保持されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のレーザ熱処理装置。
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