JP4176412B2 - Method and apparatus for regenerating creep degraded part - Google Patents

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文稔 坂田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、火力・原子力発電プラントや化学プラント等において、クリープ損傷により劣化した部位、特に溶接部及び母材、例えばボイラやタービンの高温耐圧溶接部及び高温配管、管寄せ、管台等の母材のクリープ劣化部を再生する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、例えば火力発電プラントにおいては、運転時間が長時間に及ぶのに従い長時間使用による設備の劣化、頻繁な起動停止や急速な負荷変動等による熱疲労等を十分に考慮した保守管理が益々重要になってきている。例えば、高温耐圧金属部材が用いられる大口径厚肉配管では、亀裂等の傷は、多くの場合溶接部の内部で発生している。この傷を早期に発見するため、定期的に組織検査、超音波検査等の非破壊検査が行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
長時間の使用によりクリープ劣化した溶接部及び母材において、このような定期検査の結果、当該クリープ劣化部の残寿命が次回の定期検査(通常2年、周期延長の場合は4年)まで無いと判断された場合、以下のような対策が施される。
【0004】
(1)厚肉大径管溶接部の場合
a.原則は取り替え:材料手配に長期間(例えば数ヶ月)を要するため、定期検査期間内の取り替えは困難である。このため、以下の応急対策を施す。
b.補強板の取り付け:取り替えができない場合、応急的に当該クリープ劣化部に補強板を取り付ける。しかし、主蒸気管のような厚肉部材であると補強板の肉厚を厚くしなければならない等の問題がある。また、溶接で補強板を取り付けるため、溶接後の焼鈍が必要である。
c.補修溶接:クリープ劣化した部位を補修溶接する場合、クリープ損傷箇所をある程度削除後に補修溶接を施工するが、当該部位のクリープボイド等の損傷を完全に除去することができないことから、溶接時の残留応力等により除去できなかったクリープボイド等の損傷が加速する恐れがあるため、実用性に乏しいという問題がある。すなわち、補修溶接は一般に母材の板厚tの0.2tの深さ部分しか施工できないことから、それよりも深い部位のクリープボイド等の損傷を完全に除去することができないものである。そして、この補修溶接部(強度が強い)と補修溶接できなかった劣化部(強度が弱い)との強度差(「ミスマッチ」と言われている)によりそれらの境界部に亀裂が生じ、これらの亀裂が熱応力で加速されるため、実用性に乏しいものであった。
d.亀裂進展状況のモニタリング:クリープ劣化した部位に電極を取り付け、電気抵抗法により亀裂の進展状況を定期的に監視する。この場合、寿命の限界まで稼働させることはできるが、寿命を延ばすことはできない。
【0005】
(2)母材の場合
損傷が激しい部材、例えば管寄せの管台は原則取り替えるが、取り替えのために機器の運転を中断する必要があり、また取り替える場合には工期と多大な費用がかかる。ただし、取り替え本数が多くて材料の在庫が無い場合には、次回定期検査まで寿命が無い部材の一部を残存する。この場合には、リフレッシュ(亀裂削除後に肉盛り溶接してR仕上げ、焼鈍)を行う。そして、次回定期検査より前の適当な時期に検査による寿命検査による寿命監視をする必要がある。
【0006】
本発明は、以上述べた事情に鑑みなされたもので、容易に寿命を延ばすことができるクリープ劣化部の再生方法及び装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、クリープ劣化部を再生する方法において、加熱時に生じる前記クリープ劣化部の膨張を加熱前に拘束した後に、該再生しようとするクリープ劣化部を、母材のA3変態点を3回以上繰り返し超えて加熱した後、室温に戻すことによって、該クリープ劣化部を加熱して発生する熱膨張による圧力を用いて再生熱処理することを特徴とする。
【0008】
この手段によれば、クリープ劣化部の膨張を拘束した状態で、該クリープ劣化部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。クリープ劣化部の膨張を拘束するためには治具を用いてもよいが、クリープ劣化した部材自体が大きい場合には、加熱されていない部位によって加熱部位の膨張が拘束されるため、治具を不要とすることができる。
この手段によれば、A3変態点以上に加熱することで、より効果的にクリープボイド・亀裂を圧接、補修することができる。すなわち、クリープ劣化部が高温耐圧溶接部である場合には、HAZ部( weldheat affected zone :溶接熱影響部)などの硬化組織では、母材と同等の組織になり、損傷進展速度が遅くなる。さらに、その際に新しく生成された粒界によって、析出物、不純物偏析物が新たな粒界内に閉じ込められ、亀裂伝播速度が遅く なり、損傷進展速度が遅くなる。一方、クリープ劣化部が管寄せ管台の根元膨出部及び配管曲がり部の外周部である場合には、その劣化した母材をA3変態点以上の適当な温度にまで加熱することにより、当該部位の組織を未使用材と同等の組織にして寿命を延ばすことができる。A3変態点近傍での熱処理を繰り返すことで、より効果的に析出物、不純物偏析物を新たな粒界内に閉じ込めることができる。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が高温耐圧溶接部であることを特徴とする。
【0010】
この手段によれば、特に、クリープ劣化が最も進行した高温耐圧溶接部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が管寄せ管台の根元膨出部であることを特徴とする。
【0012】
この手段によれば、特に、高温耐圧溶接部と同様に、クリープ劣化が最も進行した管寄せ管台の根元膨出部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が配管曲がり部の外周部であることを特徴とする。
【0014】
この手段によれば、特に、高温耐圧溶接部及び管寄せ管台の根元膨出部と同様に、クリープ劣化が最も進行した配管曲がり部の外周部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0015】
請求項5に記載の本発明は、請求項2に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部である高温耐圧溶接部を補修溶接した後に、この補修溶接部を含めて加熱することを特徴とする。
【0016】
この手段によれば、再生しようとするクリープ劣化部である溶接部を、補修溶接と加熱による再生熱処理との組み合わせにより、補修溶接で除去できなかったクリープボイドを圧接できるとともに、補修溶接部(強度が強い)と補修溶接できなかった劣化部(強度が弱い)との強度差(ミスマッチ)を低減し、一層の延命化を図ることができる。
【0017】
請求項6に記載の本発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法において、加熱を高周波加熱としたことを特徴とする。
【0018】
この手段によれば、高周波を用いることで、局所的にかつ急速に加熱することができる。そして、急速に加熱することにより熱の拡散を防ぎ、また局所的に加熱することにより加熱部に熱膨張力を集中させることができる。
【0019】
請求項7に記載の本発明は、再生しようとするクリープ劣化部を酸洗した後に加熱することを特徴とする。
【0020】
この手段によれば、酸化してしまっている亀裂は圧接できないが、予め亀裂を酸洗することで、亀裂を圧接することができる。
【0021】
請求項に記載の本発明は、請求項に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部を加熱後に焼鈍してから室温に戻すことを特徴とする。
【0022】
この手段によれば、加熱後に急激に冷却するとマルテンサイトになってしまい、また局所的に残留応力が発生してクリープボイドの損傷進展を招いてしまうが、加熱後に焼鈍させることで母材と同じ組織とし、また残留応力の発生も防ぐことができる。
【0023】
請求項に記載の本発明は、請求項に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部を加熱後に徐々に冷却して室温に戻すことを特徴とする。
【0024】
この手段によれば、加熱後に急激に冷却するとマルテンサイトになってしまい、また局所的に残留応力が発生してクリープボイドの損傷進展を招いてしまうが、加熱後に徐々に冷却させることで母材と同じ組織とし、また残留応力の発生も防ぐことができる。
【0025】
請求項10に記載の本発明は、クリープ劣化部を再生する装置において、再生しようとするクリープ劣化部の熱膨張を拘束するクランプと、前記クリープ劣化部を加熱する加熱手段とを備え、該加熱手段は、前記クリープ劣化部を、母材のA3変態点を3回以上繰り返して加熱し、前記クランプによってクリープ劣化部を拘束することにより、前記加熱手段によってクリープ劣化部が加熱された際に発生する熱膨張による圧力を用いて再生熱処理することを特徴とする。
【0026】
この手段によれば、再生しようとするクリープ劣化部の膨張をクランプによって拘束した状態で、該クリープ劣化部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0027】
請求項11に記載の本発明は、請求項10に記載の装置において、前記加熱手段が高周波加熱コイルであることを特徴とする。
【0028】
この手段によれば、高周波を用いることで、局所的にかつ急速に加熱することができる。そして、急速に加熱することにより熱の拡散を防ぎ、また局所的に加熱することにより加熱部分に膨張張力を集中させることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳述する。
【0030】
図1は本発明の一実施形態を示し、再生装置1は再生しようとクリープ劣化部である高温耐圧溶接部を備えた配管2に取り外し可能に取り付けられている。配管2は、低合金鋼管等から成る高温配管であり、高周波加熱コイル10によって覆われた部位に溶接部が形成されている。図2はこの配管溶接部の断面を示し、符号3が高温耐圧溶接部であり、符号4がHAZ部である。
【0031】
再生装置1は、左右にクランプ5,6を備えている。これらのクランプ5,6による拘束圧力は加圧力調整部7により調整可能であり、さらに圧力を測定するための加圧力計測器8が設けられているが、配管2を加圧する必要は必ずしもなく、単に把持するだけでもよい。これらクランプ5,6の間には高周波加熱コイル10が設けられている。この高周波加熱コイル10は、配管2の溶接部3に臨んで位置されている。高周波加熱コイル10は配管2を取り囲む環状となっているが、配管2が大径の場合には、複数の円弧状コイルでもよい。また、コイル冷却用の水冷管11と、配管温度を検出する温度計12と、パワーケーブル13とが備えられている。
【0032】
次に、上記再生装置1を用いて配管2の高温耐圧溶接部3の再生を行う手順の一例について説明する。
【0033】
(1)クリープボイドの低減
まず、亀裂を圧接することができるように、予め配管溶接部3を酸洗することが好ましい。これにより、確実に酸化膜を除去して亀裂を圧接することができる。
【0034】
次に、配管2をクランプ5,6によって拘束し、高周波加熱コイル10によって、溶接部3を加熱する。このとき、高周波加熱コイル10は配管2の局所(溶接部3)のみを加熱する。配管2はクランプ5,6により固定されており、また、高周波加熱コイル10は配管2の局所(溶接部3)のみを加熱していることから、加熱部分の熱膨張力による圧力が、加熱部分自体に集中して作用する。これにより、クリープボイド・亀裂が圧接され、溶接などの応急措置より短期間に補修することができる。また、急速に加熱することができることから、熱の拡散を防いで効果的に熱膨張力を加熱部分に作用させることができる。
【0035】
また、加熱温度は材料の変態点、例えばA3変態点(α鉄とγ鉄との変態点)より高いことが好ましい。図3に組織の写真を示した。(a)は加熱温度をA3変態点以上とした場合、(b)は加熱温度をA3変態点以下とした場合である。いずれもクリープボイドを低減することができることがわかるが、加熱温度をA3変態点より高くした方がクリープボイドの低減効果が高い。
【0036】
このようにしてクリープボイド・亀裂を減少させることができるため、配管2の寿命を延長することができる。これにより、例えば次回の定期検査まで寿命を延長することで、それまでに材料を手配して次回の定期検査時に配管2の交換等を行えばよい。
【0037】
(2)HAZ部の再結晶化
また、図4に示すように加熱温度制御を行うことで、特にHAZ部4の損傷進展速度を減少させることができる。すなわち、配管2の溶接部3に対して、上記と同様に高周波加熱コイル10によって加熱を行うが、まずA3変態点を超えて加熱し、次にA3変態点よりも下げ、再びA3変態点を超えて加熱するようにする。このように繰り返し、好ましくは3〜5回、A3変態点を超えて加熱する。その後、ある程度まで温度を下げて焼鈍を行う。又は、焼鈍の代わりに徐々に冷却させてもよい。
【0038】
このようにすることで、マルテンサイト組織であったHAZ部4を母材と同等のフェライトパーライト組織にすることができる。したがって、延性を備えるようになり、損傷進展速度を下げることができる。
さらに、図5に示すように、溶接したままの粒界20に沿って発生する析出物21、粒界偏析22が、上記の処理によって作られた新たな粒界23内に閉じ込められる。このため、亀裂伝播速度が遅くなり、損傷進展速度を下げることができる。以上のように、HAZ部4においても配管溶接部の寿命を延長することができる。
【0039】
なお、上記実施形態においては、再生装置1によって溶接部3を加熱することとしたが、大きな構造物の場合、加熱されていない部位によって加熱部位の膨張が拘束されるため、このような再生装置1を用いずとも、溶接部を加熱するだけで溶接部の再生を行うことができる。
【0040】
また、加熱手段として高周波加熱コイルを挙げて説明したが、局所的に急速に加熱することができる加熱手段であれば、高周波加熱コイルに限定されないのは言うまでもない。
【0041】
次に、図6は配管2の高温耐圧溶接部3を補修溶接した後に上記再生装置1を用いて再生を行う例を示す。
【0042】
すなわち、補修溶接は、上述した如く、一般に配管2の板厚tの0.2tの深さ部分しか施工できないことから、それよりも深い部位のクリープボイド等の損傷を完全に除去することができないものである。そして、この補修溶接部30(強度が強い)と補修溶接できなかった劣化部(強度が弱い)との強度差(ミスマッチ)によりそれらの境界部に亀裂が生じ、これらの亀裂が熱応力で加速されるため、実用性に乏しいものであった。
【0043】
そこで、本例は、クリープ劣化部である高温耐圧溶接部3において、クリープボイド等の損傷を取り除くことできる部分(配管2の板厚tの0.2tの深さ部分)を符号30で示すように補修溶接し、その後この補修溶接部30を含めて溶接部3全体を高周波加熱コイル10で加熱するようにし、これにより補修溶接部30と補修溶接できなかった劣化部との強度差(ミスマッチ)を低減して延命化効果を高めるようにしたものである。
【0044】
次に、図7は本発明の他の実施形態を示し、ボイラ等の管寄せ40に適用した場合を示す。管寄せ40(図示の管寄せは円形断面であるが、矩形断面のものもある)は多数の配管を集合し、流れの分配を行う容器であって、各配管を取り付けるための管台41が溶接により取り付けられているものである。このような構成においては、管台41の根元部が材質不良、腐食、摩耗などによる強度の不足、又は過熱によって符号42で示すように膨らみ、すなわち膨出し、肉厚が薄くなることからクリープ劣化が最も進行しやすいものである。したがって、このような管台根元部のクリープ劣化した膨出部42を再生装置1'により高周波で局所的に変態点以上に加熱して未使用材と同等の組織にして延命化を図るようにすることができる。
【0045】
すなわち、再生装置1'は、管台根元部のクリープ劣化した膨出部42において、高周波加熱コイル10とクランプ16が接合装置17により管台41に取り付けられる。接合装置17の図示されていない他端は、管寄せ40又は他の構造物に剛に取り付けられている。これにより、高周波加熱コイル10によって管台根元部のクリープ劣化した膨出部42を加熱したときに、クランプ16と接合装置17によって管台根元部のクリープ劣化した膨出部42の膨張が拘束されているため、熱膨張力による圧力が加熱部分自体に作用する。これにより、上記と同様にクリープボイド・亀裂が圧接され、補修することができる。
【0046】
なお、図7に示した管寄せ40において、その各管台41は管寄せ40に溶接により取り付けられるものであるから、これらの溶接部がクリープ劣化したときにも、上記再生装置1'を用いて上記と同様にクリープボイド・亀裂を圧接して補修することができる。
【0047】
また、ボイラやタービン等において、クリープ劣化が最も進行しやすい部位として、図8に示すように、例えばU字形配管(ボイラ管、加熱管等)50のような配管の曲がり部51の外周部52がある。すなわち、このようなU字形配管50は1本の管を曲げて作られることから、その曲がり部51の外周部52が内周部53よりも伸びて、外周部52が図示するように内周部53よりも肉厚を薄くされて曲げ加工されるためにクリープ劣化が最も進行しやすいものである。したがって、このような配管曲がり部51のクリープ劣化した外周部52も上記再生装置により高周波で局所的に変態点以上に加熱することにより、未使用材と同等の組織にして延命化を図ることができる。
【0048】
なお、以上述べた管寄せ管台及び配管曲がり部の再生において、それらの母材が9Cr又は12Crである場合には加熱による再生熱処理、すなわち好適には3回以上A3変態点を繰り返し越えて加熱した後に、焼戻しする必要があるものである。例えば、650〜800℃の加熱温度で、1インチ(25.4mm)当たり約1時間の焼戻しを必要とし、肉厚7mmの9Crでは約15分、肉厚80mmの9Crでは約3時間、焼戻しするようにする。
【0049】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、次のような効果を得ることができる。
【0050】
請求項1に記載の本発明は、クリープ劣化部を再生する方法において、加熱時に生じる前記クリープ劣化部の膨張を加熱前に拘束した後に、該クリープ劣化部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。その結果、次回定期検査(2年後)まで寿命を延ばすことができ、機器の信頼性が向上し、また寿命を4年に延ばすことができる部位では、定期検査周期を2年から4年に延長することができ、保守費用を大幅に削減することができる。
再生しようとするクリープ劣化部を母材のA3変態点以上に加熱することで、より効果的にクリープボイド・亀裂を圧接、補修することができる。そして、HAZ部などの硬化組織では母材と同等の組織になり、また管寄せ管台の根元膨出部及びU字形配管の曲がり外周部では未使用材と同等の組織になり、損傷進展速度を遅くすることができ、さらに、その際に新しく生成された粒界によって、析出物、不純物偏析物が新たな粒界内に閉じ込められ、亀裂伝播速度を遅くすることができる。これによっても寿命を延ばすことができる。また、A3変態点近傍での熱処理を繰り返すことで、より効果的に析出物、不純物偏析物を新たな粒界内に閉じ込めることができる。
【0051】
請求項2、3及び4に記載の本発明は、それぞれ、特に、クリープ劣化が最も進行した高温耐圧溶接部、管寄せ管台の根元膨出部及び配管曲がり外周部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0052】
請求項5に記載の本発明は、再生しようとするクリープ劣化部である溶接部を、補修溶接と加熱による再生熱処理との組み合わせにより、補修溶接で除去できなかったクリープボイドを圧接できるとともに、補修溶接部(強度が強い)と補修溶接できなかった劣化部(強度が弱い)との強度差(ミスマッチ)を低減し、一層の延命化を図ることができる。
【0053】
請求項6に記載の本発明は、加熱に高周波を用いることで、局所的にかつ急速に加熱することができ、急速に加熱することにより熱の拡散を防ぎ、また局所的に加熱することにより加熱部に熱膨張力を集中させることができる。
【0054】
請求項7に記載の本発明は、酸化してしまっている亀裂は圧接できないが、予め亀裂を酸洗することで、亀裂を圧接することができる。
【0055】
請求項及びに記載の本発明は、それぞれ、再生しようとするクリープ劣化部を加熱後に焼鈍又は徐々に冷却させて室温に戻すことにより母材と同じ組織とし、また残留応力の発生も防ぐことができる。
【0056】
請求項10に記載の本発明は、クリープ劣化部を再生する装置において、再生しようとするクリープ劣化部の膨張をクランプによって拘束した状態で、該クリープ劣化部を加熱することにより発生する熱膨張の内圧力を利用して、クリープボイド・亀裂を圧接、補修して延命化を図ることができる。
【0057】
請求項11に記載の本発明は、加熱に高周波を用いることで、局所的にかつ急速に加熱することができ、急速に加熱することにより熱の拡散を防ぎ、また局所的に加熱することにより加熱部に熱膨張力を集中させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にしたがって再生装置により配管の高温耐圧溶接部を再生する一例を示す斜視図である。
【図2】 上記配管の高温耐圧溶接部を示す断面図である。
【図3】 再生前及び上記再生装置によって再生された溶接部の組織を示した写真であり、(a)はA3変態点以上に加熱した場合、(b)はA3変態点より低い温度に加熱した場合である。
【図4】 上記再生装置による加熱・冷却過程の一例を示す図である。
【図5】 上記再生装置によって再生された溶接部の粒界を示した模式図である。
【図6】 本発明にしたがって配管の高温耐圧溶接部を再生する他の例を示す、図2と同様な図である。
【図7】 上記再生装置の変形例を管寄せ管台に適用した場合を示す斜視図である。
【図8】 (a)は本発明にしたがって再生しようとするU字形配管を示す図及び(b)は(a)のb−b線断面図である。
【符号の説明】
1,1’ 再生装置
2 配管
3 高温耐圧溶接部
4 HAZ部
5,6 クランプ
10 高周波加熱コイル(加熱手段)
16 クランプ
30 補修溶接部
40 管寄せ
41 管台
42 膨出部
50 U字形配管
51 曲がり部
52 外周部
53 内周部
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a portion deteriorated by creep damage in a thermal / nuclear power plant or chemical plant, particularly a welded part and a base material, for example, a high-temperature pressure-resistant welded part of a boiler or a turbine, a high-temperature pipe, a header, a nozzle or the like. The present invention relates to a method and an apparatus for regenerating a creep deteriorated portion of a material.
[0002]
[Prior art]
In recent years, for example, in thermal power plants, maintenance management that takes into account the deterioration of equipment due to long-term use, thermal fatigue due to frequent start / stop, rapid load fluctuations, etc. is becoming more and more important as the operation time becomes longer. It is becoming. For example, in large-diameter thick-walled pipes that use high-temperature pressure-resistant metal members, scratches such as cracks often occur inside the weld. In order to detect this wound early, nondestructive inspection such as tissue inspection and ultrasonic inspection is regularly performed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As a result of such periodic inspection, the remaining life of the creep deteriorated part is not until the next periodic inspection (usually 2 years, 4 years in the case of period extension) in welded parts and base materials that have deteriorated due to long-term use. If it is determined, the following measures will be taken.
[0004]
(1) For thick-walled large-diameter pipe welds a. The principle is replacement: replacement within the regular inspection period is difficult because the material arrangement takes a long time (eg several months). For this reason, the following emergency measures are taken.
b. Attaching the reinforcing plate: If the replacement is not possible, attach the reinforcing plate to the creep deteriorated part as soon as possible. However, a thick member such as the main steam pipe has a problem that the thickness of the reinforcing plate must be increased. Moreover, in order to attach a reinforcement board by welding, annealing after welding is required.
c. Repair welding: When repairing welds where creep has deteriorated, repair welding is carried out after removing the creep damage to some extent, but damage such as creep voids at the part cannot be completely removed. Since damage such as creep voids that could not be removed due to stress or the like may be accelerated, there is a problem that the practicality is poor. That is, since repair welding can generally be performed only at a depth of 0.2 t of the thickness t of the base material, damage such as creep voids at deeper portions cannot be completely removed. Then, due to the difference in strength (referred to as “mismatch”) between the repair weld (high strength) and the deteriorated part (weak strength) that could not be repair welded, the boundary between them was cracked. Since the crack was accelerated by thermal stress, it was not practical.
d. Crack progress monitoring: An electrode is attached to the creep-degraded part, and the progress of cracks is regularly monitored by the electric resistance method. In this case, it can be operated to the limit of the life, but the life cannot be extended.
[0005]
(2) In the case of a base material A damaged member, for example, a header of a header is replaced in principle. However, it is necessary to interrupt the operation of the equipment for the replacement, and the replacement requires a work period and a large cost. However, if the number of replacements is large and the material is not in stock, some of the members that have no lifetime remain until the next periodic inspection. In this case, refreshing (being welded after crack removal and R finishing, annealing) is performed. And it is necessary to monitor the life by the life inspection by the inspection at an appropriate time before the next periodic inspection.
[0006]
The present invention has been made in view of the circumstances described above, and an object of the present invention is to provide a method and an apparatus for regenerating a creep deteriorated part that can easily extend the life.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention according to claim 1 is a method for regenerating a creep deteriorated portion, wherein after restraining thermal expansion of the creep deteriorated portion generated during heating before heating , the creep deteriorated portion to be regenerated is It is characterized in that after the A3 transformation point is repeatedly heated three times or more and then returned to room temperature, regenerative heat treatment is performed using pressure due to thermal expansion generated by heating the creep deteriorated portion.
[0008]
According to this means, in the state in which the expansion of the creep deteriorated portion is constrained, the internal pressure of the thermal expansion generated by heating the creep deteriorated portion is used to press the creep void / crack and repair and prolong the life. Can be achieved. A jig may be used to constrain the expansion of the creep deteriorated portion. However, if the creep deteriorated member itself is large, the expansion of the heated part is constrained by the unheated part. It can be unnecessary.
According to this means, the creep void / crack can be pressed and repaired more effectively by heating to the A3 transformation point or higher. That is, when the creep deteriorated part is a high-temperature pressure-resistant welded part, the hardened structure such as the HAZ part ( weld heat affected zone ) becomes a structure equivalent to the base material, and the damage progress rate is slow. Furthermore, precipitates and segregated impurities are confined in the new grain boundaries by the newly generated grain boundaries, and the crack propagation rate is slowed and the damage growth rate is slowed. On the other hand, in the case where the creep deteriorated part is the base bulge part of the header nozzle and the outer peripheral part of the pipe bent part, the deteriorated base material is heated to an appropriate temperature above the A3 transformation point. The structure of the part can be made the same structure as that of the unused material to extend the life. By repeating the heat treatment in the vicinity of the A3 transformation point, it is possible to more effectively confine precipitates and impurity segregates within new grain boundaries.
[0009]
According to a second aspect of the present invention, in the method of the first aspect, the creep deteriorated portion to be regenerated is a high temperature pressure resistant welded portion.
[0010]
According to this means, in particular, by using the internal pressure of thermal expansion generated by heating the high-temperature pressure-resistant welded part where the creep degradation has progressed the most, the creep voids and cracks are pressed and repaired to extend the life. Can do.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the method according to the first aspect, the creep deteriorated portion to be regenerated is a root bulge portion of the nozzle head.
[0012]
According to this means, in particular, as with the high temperature pressure resistant welded portion, the creep void is utilized by utilizing the internal pressure of the thermal expansion generated by heating the root bulge portion of the header nozzle where the creep deterioration has progressed most.・ It is possible to prolong the life by pressure welding and repairing cracks.
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, in the method of the first aspect, the creep deteriorated portion to be regenerated is an outer peripheral portion of a pipe bending portion.
[0014]
According to this means, in particular, the internal pressure of the thermal expansion generated by heating the outer peripheral portion of the bent portion of the pipe where the creep degradation has progressed most, like the high-temperature pressure-resistant welded portion and the root bulging portion of the nozzle head. Can be used to press and repair creep voids and cracks to prolong life.
[0015]
According to a fifth aspect of the present invention, in the method according to the second aspect of the present invention, after repair welding the high temperature pressure resistant welded portion which is a creep deteriorated portion to be regenerated, the repaired welded portion is heated. And
[0016]
According to this means, a weld that is a creep deteriorated part to be regenerated can be pressed against a creep void that could not be removed by repair welding by a combination of repair welding and regenerative heat treatment by heating. Strength) and a deteriorated part (weak strength) that could not be repair welded can be reduced in strength difference (mismatch), and further life extension can be achieved.
[0017]
The present invention according to claim 6 is characterized in that in the method according to any one of claims 1 to 5, the heating is a high-frequency heating.
[0018]
According to this means, it is possible to heat locally and rapidly by using a high frequency. Then, by rapidly heating, heat diffusion can be prevented, and by locally heating, the thermal expansion force can be concentrated on the heating portion.
[0019]
The present invention according to claim 7 is characterized in that the creep deteriorated portion to be regenerated is pickled and then heated.
[0020]
According to this means, a crack that has been oxidized cannot be pressure-welded, but the crack can be pressure-welded by pickling the crack in advance.
[0021]
The present invention according to claim 8 is characterized in that, in the method according to claim 1 , the creep deteriorated portion to be regenerated is annealed after heating and then returned to room temperature.
[0022]
According to this means, if it is cooled rapidly after heating, it becomes martensite, and residual stress is generated locally, leading to damage development of creep voids, but it is the same as the base material by annealing after heating. It is possible to form a structure and to prevent the occurrence of residual stress.
[0023]
The present invention according to claim 9 is characterized in that, in the method according to claim 1 , the creep deteriorated portion to be regenerated is gradually cooled to the room temperature after heating.
[0024]
According to this means, if it is rapidly cooled after heating, it becomes martensite, and residual stress is generated locally, leading to damage development of creep voids. And the occurrence of residual stress can be prevented.
[0025]
The present invention is defined in claim 10, in the apparatus for reproducing the creep deteriorated part includes a clamp that restrains the thermal expansion of the creep deteriorated part to be reproduced, and a heating means for heating the creep deteriorated part, heating The means is generated when the creep deteriorated portion is heated by the heating means by heating the creep deteriorated portion by repeating the A3 transformation point of the base material three times or more and constraining the creep deteriorated portion by the clamp. Regeneration heat treatment is performed using a pressure due to thermal expansion.
[0026]
According to this means, with the expansion of the creep deteriorated portion to be regenerated restrained by the clamp, the internal pressure of the thermal expansion generated by heating the creep deteriorated portion is used to press the creep void / crack. Can be repaired to prolong life.
[0027]
The present invention of claim 11 is the device in accordance with claim 10, wherein said heating means is a high-frequency heating coil.
[0028]
According to this means, it is possible to heat locally and rapidly by using a high frequency. Then, the diffusion of heat can be prevented by rapid heating, and the expansion tension can be concentrated on the heated portion by locally heating.
[0029]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0030]
FIG. 1 shows an embodiment of the present invention, in which a regenerator 1 is detachably attached to a pipe 2 having a high-temperature pressure-resistant welded part that is a creep deteriorated part. The pipe 2 is a high-temperature pipe made of a low alloy steel pipe or the like, and a welded portion is formed at a portion covered with the high-frequency heating coil 10. FIG. 2 shows a cross section of the pipe welded portion. Reference numeral 3 denotes a high-temperature pressure-resistant welded portion, and reference numeral 4 denotes a HAZ portion.
[0031]
The reproducing apparatus 1 includes clamps 5 and 6 on the left and right. The restraint pressure by these clamps 5 and 6 can be adjusted by the pressurizing force adjusting unit 7, and further, a pressurizing measuring instrument 8 for measuring the pressure is provided, but it is not always necessary to pressurize the pipe 2, It may be simply grasped. A high-frequency heating coil 10 is provided between the clamps 5 and 6. The high frequency heating coil 10 is positioned facing the welded portion 3 of the pipe 2. The high-frequency heating coil 10 has an annular shape surrounding the pipe 2. However, when the pipe 2 has a large diameter, a plurality of arc-shaped coils may be used. Further, a water cooling pipe 11 for coil cooling, a thermometer 12 for detecting the pipe temperature, and a power cable 13 are provided.
[0032]
Next, an example of a procedure for regenerating the high-temperature pressure-resistant welded portion 3 of the pipe 2 using the regenerator 1 will be described.
[0033]
(1) Reduction of creep voids First, it is preferable to pickle the pipe welded portion 3 in advance so that the crack can be pressed. Thereby, it is possible to reliably remove the oxide film and press the crack.
[0034]
Next, the pipe 2 is restrained by the clamps 5 and 6, and the welding portion 3 is heated by the high-frequency heating coil 10. At this time, the high frequency heating coil 10 heats only the local part (welded part 3) of the pipe 2. Since the pipe 2 is fixed by the clamps 5 and 6, and the high-frequency heating coil 10 heats only the local part (welded part 3) of the pipe 2, the pressure due to the thermal expansion force of the heated part is Acts on itself. As a result, creep voids and cracks are pressed and repaired in a shorter period of time than emergency measures such as welding. Moreover, since it can heat rapidly, it can prevent the spreading | diffusion of a heat | fever and can make a thermal expansion force act on a heating part effectively.
[0035]
Moreover, it is preferable that heating temperature is higher than the transformation point of material, for example, A3 transformation point (transformation point of (alpha) iron and (gamma) iron). FIG. 3 shows a photograph of the tissue. (A) is the case where the heating temperature is set to the A3 transformation point or higher, and (b) is the case where the heating temperature is set to the A3 transformation point or lower. In any case, it can be seen that creep voids can be reduced, but the effect of reducing creep voids is higher when the heating temperature is higher than the A3 transformation point.
[0036]
Since creep voids and cracks can be reduced in this way, the life of the pipe 2 can be extended. Thereby, for example, by extending the life until the next periodic inspection, materials may be arranged by then and the piping 2 may be replaced at the next periodic inspection.
[0037]
(2) Recrystallization of HAZ part Moreover, the damage progress rate of the HAZ part 4 can be reduced especially by performing heating temperature control as shown in FIG. That is, the welding part 3 of the pipe 2 is heated by the high-frequency heating coil 10 in the same manner as described above, but is first heated beyond the A3 transformation point, then lowered from the A3 transformation point, and the A3 transformation point is set again. Be overheated. Thus, it repeats, Preferably it heats exceeding the A3 transformation point 3 to 5 times. Thereafter, the temperature is lowered to some extent and annealing is performed. Or you may make it cool gradually instead of annealing.
[0038]
By doing in this way, the HAZ part 4 which was a martensite structure can be made into the ferrite pearlite structure equivalent to a base material. Accordingly, the ductility is provided, and the damage progress rate can be reduced.
Further, as shown in FIG. 5, precipitates 21 and grain boundary segregation 22 generated along grain boundaries 20 as welded are confined in new grain boundaries 23 formed by the above-described treatment. For this reason, the crack propagation speed becomes slow, and the damage propagation speed can be lowered. As described above, the life of the pipe welded portion can be extended also in the HAZ portion 4.
[0039]
In the above-described embodiment, the welded part 3 is heated by the regenerator 1. However, in the case of a large structure, the expansion of the heated part is restricted by the unheated part. Even if 1 is not used, the welded part can be regenerated only by heating the welded part.
[0040]
Moreover, although the high frequency heating coil was mentioned and demonstrated as a heating means, it cannot be overemphasized that it is not limited to a high frequency heating coil if it is a heating means which can be heated locally rapidly.
[0041]
Next, FIG. 6 shows an example in which regeneration is performed using the regeneration apparatus 1 after repair welding of the high temperature pressure resistant weld 3 of the pipe 2.
[0042]
That is, as described above, since repair welding can generally be performed only at a depth portion of 0.2 t of the plate thickness t of the pipe 2, damage such as creep voids at deeper portions cannot be completely removed. Is. A crack occurs at the boundary portion due to a difference in strength (mismatch) between the repair weld 30 (high strength) and a deteriorated portion (weak strength) that could not be repair welded, and these cracks are accelerated by thermal stress. Therefore, it was poor in practicality.
[0043]
Therefore, in this example, in the high-temperature pressure-resistant welded portion 3 which is a creep deteriorated portion, a portion (a depth portion of 0.2 t of the plate thickness t of the pipe 2) where damage such as creep voids can be removed is indicated by reference numeral 30. After that, the entire welded portion 3 including the repair welded portion 30 is heated by the high-frequency heating coil 10, whereby the strength difference (mismatch) between the repaired welded portion 30 and the deteriorated portion that could not be repaired welded. This is to improve the life prolonging effect.
[0044]
Next, FIG. 7 shows other embodiment of this invention, and shows the case where it applies to the header 40, such as a boiler. A header 40 (the header shown in the figure has a circular cross-section, but a rectangular cross-section) is a container that collects a large number of pipes and distributes the flow, and has a nozzle 41 for attaching each pipe. It is attached by welding. In such a configuration, the base portion of the nozzle 41 swells as indicated by reference numeral 42 due to insufficient strength due to material defects, corrosion, wear, or overheating, that is, bulges, and the wall thickness becomes thin, resulting in creep degradation. Is the easiest to progress. Accordingly, the creeping bulging portion 42 at the base of the tube base is heated locally above the transformation point at a high frequency by the regenerator 1 ′ so as to make the structure equivalent to that of the unused material to extend the life. can do.
[0045]
That is, in the regenerator 1 ′, the high-frequency heating coil 10 and the clamp 16 are attached to the nozzle 41 by the joining device 17 in the bulging portion 42 that has creep-degraded at the base of the nozzle. The other end (not shown) of the joining device 17 is rigidly attached to the header 40 or other structure. As a result, when the high-frequency heating coil 10 heats the bulged portion 42 having creep deteriorated at the base of the tube base, expansion of the bulged portion 42 having creep deteriorated at the base of the tube base is restrained by the clamp 16 and the joining device 17. Therefore, the pressure due to the thermal expansion force acts on the heating part itself. As a result, the creep voids / cracks are pressed and repaired as described above.
[0046]
In the header 40 shown in FIG. 7, each nozzle 41 is attached to the header 40 by welding. Therefore, even when these welds are creep-degraded, the above-mentioned regeneration device 1 ′ is used. In the same manner as described above, creep voids and cracks can be pressed and repaired.
[0047]
Further, as a portion where creep deterioration is most likely to proceed in a boiler, a turbine, or the like, as shown in FIG. 8, for example, an outer peripheral portion 52 of a bent portion 51 of a pipe such as a U-shaped pipe (boiler pipe, heating pipe, etc.) 50. There is. That is, since such a U-shaped pipe 50 is made by bending a single pipe, the outer peripheral portion 52 of the bent portion 51 extends from the inner peripheral portion 53, and the outer peripheral portion 52 is shown as illustrated in FIG. Since the thickness is made thinner than the portion 53 and bending is performed, creep degradation is most likely to proceed. Accordingly, the outer peripheral portion 52 of the pipe bent portion 51 which has been creep-degraded is also heated to the transformation point or higher locally at a high frequency by the above-described reproducing device, so that the life can be extended to the same structure as that of the unused material. it can.
[0048]
In the above-described regeneration of the header and the pipe bent portion, when the base material is 9Cr or 12Cr, the heat treatment is preferably performed by heating, that is, preferably repeatedly over the A3 transformation point three times or more. After that, it is necessary to temper. For example, tempering of about 1 hour per inch (25.4 mm) is required at a heating temperature of 650 to 800 ° C., about 9 minutes for 9Cr with a thickness of 7 mm, and about 3 hours with 9Cr with a thickness of 80 mm. Like that.
[0049]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the following effects can be obtained.
[0050]
The present invention according to claim 1 is a method for regenerating a creep deteriorated portion , wherein thermal expansion generated by heating the creep deteriorated portion after constraining the thermal expansion of the creep deteriorated portion generated during heating before heating. By using the internal pressure, creep voids and cracks can be welded and repaired to prolong life. As a result, the service life can be extended until the next periodic inspection (after 2 years), the reliability of the equipment is improved, and the part that can extend the service life to 4 years is changed from 2 years to 4 years. It can be extended and maintenance costs can be greatly reduced.
By heating the creep deteriorated part to be regenerated to the A3 transformation point or higher of the base material, the creep void / crack can be more effectively pressed and repaired. The hardened structure such as the HAZ part has the same structure as that of the base material, and the root bulge part of the nozzle head and the bent outer periphery of the U-shaped pipe have the same structure as that of the unused material. Further, precipitates and segregated impurities are confined in the new grain boundaries by the newly generated grain boundaries, and the crack propagation rate can be slowed. This can also extend the life. Further, by repeating the heat treatment in the vicinity of the A3 transformation point, it is possible to more effectively confine precipitates and impurity segregated substances in new grain boundaries.
[0051]
The present invention described in claims 2, 3, and 4 is particularly generated by heating the high-temperature pressure-resistant welded portion where creep deterioration has progressed most, the root bulging portion of the nozzle head, and the pipe bending outer peripheral portion. Using the internal pressure of thermal expansion, creep voids and cracks can be pressed and repaired to prolong life.
[0052]
According to the fifth aspect of the present invention, the welded portion which is the creep deteriorated portion to be regenerated can be welded with a creep void that could not be removed by repair welding by a combination of repair welding and regenerative heat treatment by heating, and repaired. It is possible to reduce the difference in strength (mismatch) between the welded portion (strong strength) and the deteriorated portion (weak strength) that could not be repair welded, thereby further extending the life.
[0053]
The present invention according to claim 6 can be heated locally and rapidly by using a high frequency for heating. By rapidly heating, heat diffusion is prevented, and by locally heating. The thermal expansion force can be concentrated on the heating unit.
[0054]
According to the seventh aspect of the present invention, although the crack that has been oxidized cannot be pressed, the crack can be pressed by pickling the crack in advance.
[0055]
In the present invention according to claims 8 and 9 , respectively, the creep deteriorated part to be regenerated is annealed or gradually cooled to return to room temperature to return to room temperature, thereby preventing the occurrence of residual stress. be able to.
[0056]
According to a tenth aspect of the present invention, there is provided an apparatus for regenerating a creep deteriorated portion, wherein the expansion of the creep deteriorated portion to be regenerated is restrained by a clamp and the thermal expansion generated by heating the creep deteriorated portion is restrained. Using internal pressure, creep voids and cracks can be pressed and repaired to prolong life.
[0057]
The present invention according to claim 11 can be heated locally and rapidly by using a high frequency for heating. By rapidly heating, diffusion of heat is prevented, and by locally heating. The thermal expansion force can be concentrated on the heating unit.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example in which a high-temperature pressure-resistant welded portion of a pipe is regenerated by a regenerating apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a high-temperature pressure-resistant welded portion of the pipe.
FIG. 3 is a photograph showing the structure of a welded part before reproduction and reproduced by the above-described reproducing apparatus, where (a) is heated to a temperature higher than the A3 transformation point, and (b) is heated to a temperature lower than the A3 transformation point. This is the case.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a heating / cooling process by the regenerator.
FIG. 5 is a schematic view showing a grain boundary of a welded portion regenerated by the regenerating apparatus.
FIG. 6 is a view similar to FIG. 2, showing another example of regenerating a high temperature pressure resistant weld of piping according to the present invention.
FIG. 7 is a perspective view showing a case in which a modified example of the reproducing apparatus is applied to a nozzle head.
8A is a view showing a U-shaped pipe to be regenerated according to the present invention, and FIG. 8B is a cross-sectional view taken along the line bb of FIG. 8A.
[Explanation of symbols]
1, 1 'Regenerator 2 Piping 3 High-temperature pressure-resistant welding part 4 HAZ part 5, 6 Clamp 10 High frequency heating coil (heating means)
16 Clamp 30 Repair welding part 40 Header 41 Tubular 42 Swelling part 50 U-shaped piping 51 Bending part 52 Outer part 53 Inner part

Claims (11)

クリープ劣化部を再生する方法において、加熱時に生じる前記クリープ劣化部の膨張を加熱前に拘束した後に、該再生しようとするクリープ劣化部を、母材のA3変態点を3回以上繰り返し超えて加熱した後、室温に戻すことによって、該クリープ劣化部を加熱して発生する熱膨張による圧力を用いて再生熱処理することを特徴とする方法。In the method of regenerating the creep deteriorated portion, after restraining the thermal expansion of the creep deteriorated portion generated during heating before heating , the creep deteriorated portion to be regenerated is repeatedly exceeded three times or more by the A3 transformation point of the base material. A method characterized by regenerating heat treatment using a pressure due to thermal expansion generated by heating the creep-deteriorated portion by heating to a room temperature after heating . 請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が高温耐圧溶接部であることを特徴とする方法。  2. The method according to claim 1, wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is a high temperature pressure resistant welded portion. 請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が管寄せ管台の根元膨出部であることを特徴とする方法。  2. The method according to claim 1, wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is a root bulge portion of the nozzle head. 請求項1に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部が配管曲がり部の外周部であることを特徴とする方法。  2. The method according to claim 1, wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is an outer peripheral portion of a pipe bent portion. 請求項2に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部である高温耐圧溶接部を補修溶接した後に、この補修溶接部を含めて加熱することを特徴とする方法。  3. The method according to claim 2, wherein after repairing and welding the high-temperature pressure-resistant welded part which is a creep deteriorated part to be regenerated, the repaired welded part is heated. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法において、加熱を高周波加熱としたことを特徴とする方法。  The method according to any one of claims 1 to 5, wherein the heating is high-frequency heating. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部を酸洗した後に加熱することを特徴とする方法。  The method according to any one of claims 1 to 6, wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is heated after pickling. 請求項に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部を加熱後に焼鈍してから室温に戻すことを特徴とする方法。2. The method according to claim 1 , wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is annealed after heating and then returned to room temperature. 請求項に記載の方法において、再生しようとするクリープ劣化部を加熱後に徐々に冷却して室温に戻すことを特徴とする方法。2. The method according to claim 1 , wherein the creep deteriorated portion to be regenerated is gradually cooled to the room temperature after heating. クリープ劣化部を再生する装置において、再生しようとするクリープ劣化部の熱膨張を拘束するクランプと、前記クリープ劣化部を加熱する加熱手段とを備え、該加熱手段は、前記クリープ劣化部を、母材のA3変態点を3回以上繰り返して加熱し、前記クランプによってクリープ劣化部を拘束することにより、前記加熱手段によってクリープ劣化部が加熱された際に発生する熱膨張による圧力を用いて再生熱処理することを特徴とする装置。An apparatus for regenerating a creep deteriorated portion includes a clamp for restraining thermal expansion of the creep deteriorated portion to be regenerated and a heating means for heating the creep deteriorated portion, the heating means including the creep deteriorated portion as a mother Reheating heat treatment using the pressure due to thermal expansion generated when the creep deteriorated portion is heated by the heating means by repeatedly heating the A3 transformation point of the material three times or more and constraining the creep deteriorated portion by the clamp. A device characterized by that. 請求項10に記載の装置において、前記加熱手段が高周波加熱コイルであることを特徴とする装置。11. The apparatus according to claim 10 , wherein the heating means is a high frequency heating coil.
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