JP4175360B2 - 垂直型風車 - Google Patents

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Description

本発明は、風力発電や風速計などに用いられる風車に関する。
従来、この種の風車は、回転軸が垂直であり、自然風の風向に影響を受けない、また抗力型の風車として高風速時においても回転数が比較的低く安全であり、さらには構造が簡単であるということから、小型の発電機や風速計などと接続され、小型の風車として利用されていた(例えば、特許文献1参照)。
以下、その風車について図8の水平断面と図9の側面図を参照しながら説明する。図8の側面図、図9の水平断面図のように、カップ状の受風部101を支持部102で支持し、位相をずらして複数等間隔に配置される。前記受風部101は風を受ける向きによって受風面103と背面104とで抗力が異なり、その力の差により回転力を発生する仕組みとなっている。
実開平7−30377号公報(第8図および第9図)
このような従来の風車では、構造の単純さという特徴のために多く使われているが、受風部の最適化例は少なく、効率は悪かった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、風車ブレード形状の最適化を行い、風車の起動性と、回転時の効率を良くすることを目的としている。
本発明の垂直型風車は、ブレードの形式として複数持ち、両型の軸方向の境界の形状を順次変化させ、サボニウス型と翼型の中間の形状としたことを特徴としたものである。
この手段により、複数の形式の良い点を併せ持つことができ、風車の起動性と、出力効率を良くすることが可能となる。
また他の手段は、ブレードの外直径は、軸方向のどの位置も同一としたことを特徴としたものである。
この手段により、複数の形式の良い点を併せ持つことができ、風車の起動性と、出力効率を良くすることができるとともに、製造上も安価に作製可能となる。
風車の形式を、複数の形式を用いた構成としたものであり、複数の形式の良い点を併せ持つことができ、また、翼型とサボニウス型の両方を使うことにより、風車の発電効率向上と起動性向上の両方の効果を発揮する風車を提供することができる。
本発明は、風車の受風部水平断面において、回転軸を備え、前記回転軸方向で形式が同一ではなく複数の形式を用いた構成としたものであり、複数の形式の良い点を併せ持つことができ、風車の起動性と、出力効率を良くすることが可能となる。ここで形式とは、サボニウス型、翼型、あるいはバッハ型などの風車の形式、風車の羽根形式を指すものである。また、上記形式の種々の型において水平方向断面形状を変えた場合も形式が異なると定義する。
また、本発明は、垂直型風車の受風部水平断面において、軸方向の中央部と両端部とで、翼型とサボニウス型の両形式を用いた構成としたものであり、風をとらまえることが不得意な風車両端は、サボニウス型とし、起動性を良くし、中央部は効率のよい翼型としたものであり、これにより、最も風の多い風車の軸方向中央部受風面において効率の良さを発揮し、また回転軸の両端部において同風速時の発生トルクを大きくすることができ、風車の起動性向上を可能としたものである。
参考例1)
図1および2は、参考例1の側面図および平面断面図である。
図1および2において、軸方向の上下の両端は、受風面1と背面2を備えたサボニウス型ブレード3であり、中央部は翼型ブレード4であり、いずれのブレードも、支持円板5に固定されている。前記支持円板5は、回転軸6に取付けられた垂直型風車7である。
上記構成において前記垂直型風車7が風を受けると、起動時には、両端の前記サボニウス型ブレード3で、大きなトルクが発生し、回転を開始すると、中央部の翼型ブレード4で効率よく、回転トルクは発生する。通常の、風車では、上下方向に同じ断面のブレードを用いているので、起動特性または、回転時特性のどちらかに重点がおかれ、特性的に課題があるが、本発明例では、水平断面でのブレード形状が異なるので、起動から回転中までのすべての範囲で、性能に課題のない垂直型風車とすることができる。
また、前記支持円板5の回転軸方向の位置は、起動特性を重点におくか、回転時の特性を重点におくかで、両ブレード形状の軸方向の割合を決めることができる。
通常は、起動特性よりも回転時の特性を重点におくので、回転軸方向の両端の前記サボニウス型ブレード3の軸方向長さの合計は、軸方向全長の1/5以内とする。
また、両端に前記サボニウス型ブレード3を設けた場合には、前記サボニウス型の方が翼型よりブレードの弦長が長いので、強度的には強い利点がある。
参考例2)
図3および4は、参考例2の側面図および平面断面図である。なお、参考例1と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図3および4において、軸方向の中央部は、受風面1と背面2を備えたサボニウス型ブレード3であり、軸方向の両端は、翼型ブレード4であり、いずれのブレードも、支持円板5に固定されている。前記支持円板5は、回転軸6に取付けられた垂直型風車8である。
上記構成において前記垂直型風車8が風を受けると、起動時には、中央部の前記サボニウス型ブレード3で、大きなトルクが発生し、回転を開始すると、両端の翼型ブレード4で効率よく、回転トルクは発生する。通常の、風車では、上下方向に同じ断面のブレードを用いているので、起動特性または回転時特性のどちらかに重点がおかれ、特性的に課題があるが、本発明例では、水平断面でのブレード形状が異なるので、起動から回転中までのすべての範囲で、性能に課題のない垂直型風車とすることができる。
また、前記支持円板5の軸方向の位置は、起動特性を重点におくか、回転時の特性を重点におくかで、両ブレード形状の軸方向の割合を決めることができる。
また、中央部に前記サボニウス型ブレード3を設けたときには、両端より中央部に風が集まり易いので、起動性を重視した、風車とすることができる。
通常は、起動特性よりも回転時の特性を重点におくので、前記サボニウス型ブレード3の軸方向長さは、軸方向全長の1/5以内とする。
参考例3)
図5は参考例3の側面図である。なお、参考例1または2と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図5において、軸方向の上部は、受風面1と背面2を備えたサボニウス型ブレード3であり、下部は翼型ブレード4であり、いずれのブレードも、支持円板5に固定されている。前記支持円板5は、回転軸6に取付けられた垂直型風車9である。
上記構成において、前記垂直型風車9が風を受けると、起動時には、上部の前記サボニウス型ブレード3で、大きなトルクが発生し、回転を開始すると、下部の翼型ブレード4で効率よく、回転トルクは発生する。通常の、風車では、上下方向に同じ断面のブレードを用いているので、起動特性または回転時特性のどちらかに重点がおかれ、特性的に課題があるが、本発明例では、水平断面でのブレード形状が異なるので、起動から回転中までのすべての範囲で、性能に課題のない垂直型風車とすることができる。
また、前記支持円板5の軸方向の位置は、起動特性を重点におくか、回転時の特性を重点におくかで、両ブレード形状の軸方向の割合を決めることができる。通常は、起動特性よりも回転時の特性を重点におくので、前記サボニウス型ブレード3の軸方向長さは、軸方向全長の1/5以内とする。
参考例4)
図6は参考例4の側面図である。なお、参考例1〜3と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図6において、軸方向の下部は、受風面1と背面2を備えたサボニウス型ブレード3であり、上部は翼型ブレード4であり、いずれのブレードも、支持円板5に固定されている。前記支持円板5は、回転軸6に取付けられた垂直型風車10である。
上記構成において、前記垂直型風車10が風を受けると、起動時には、下部の前記サボニウス型ブレード3で、大きなトルクが発生し、回転を開始すると、上部の翼型ブレード4で効率よく、回転トルクは発生する。通常の、風車では、上下方向に同じ断面のブレードを用いているので、起動特性または回転時特性のどちらかに重点がおかれ、特性的に課題があるが、本発明例では、水平断面でのブレード形状が異なるので、起動から回転中までのすべての範囲で、性能に課題のない垂直型風車とすることができる。
また、前記支持円板5の軸方向の位置は、起動特性を重点におくか、回転時の特性を重点におくかで、両ブレード形状の軸方向の割合を決めることができる。
また、下部に前記サボニウス型ブレード3を設けた場合には、前記サボニウス型の方が翼型よりブレードの弦長が水平方向に長いので、強度的には強い利点がある。通常は、起動特性よりも回転時の特性を重点におくので、前記サボニウス型ブレード3の軸方向長さは、軸方向全長の1/5以内とする。
(実施の形態
図7は本発明の実施の形態の側面図である。なお、参考例1〜4と同一部分については同一番号を付し、詳細な説明を省略する。
図7において、軸方向の下部は、受風面1と背面2を備えたサボニウス型ブレード3であり、上部は翼型ブレード4であり、上支持円板11および下支持円板12に取り付けられており、上支持円板11および下支持円板12は、回転軸6に取付けられた垂直型風車13である。
さらに、両型のブレードの軸方向の境界部14は、順次形状を変化させ、サボニウス型と翼型の中間の形状としている。
上記構成において、前記垂直型風車13が風を受けると、起動時には、下部の前記サボニウス型ブレード3で、大きなトルクが発生し、回転を開始すると、上部の翼型ブレード4で効率よく、回転トルクは発生する。通常の、風車では、上下方向に同じ断面のブレードを用いているので、起動特性または回転時特性のどちらかに重点がおかれ、特性的に課題があるが、本発明例では、水平断面でのブレード形状が異なるので、起動から回転中までのすべての範囲で、性能に課題のない垂直型風車とすることができる。
また、両型のブレードの軸方向の境界部14は、順次形状を変化させ、サボニウス型と翼型の中間の形状としているので、中央の前記支持円板5がなく、軽量で安価となる。
境界の軸方向の位置は、起動特性を重点におくか、回転時の特性を重点におくかで、両ブレード形状の軸方向の割合を決めることができる。
また、下部に前記サボニウス型ブレード3を設けた場合には、前記サボニウス型の方が翼型よりブレードの弦長が水平方向に長いので、強度的には強い利点がある。
本発明による風車は、ブレードの水平方向断面形状の最適化により風力を効率的に回転エネルギーに変える風車を提供し、また低風速から起動させることができることを目的としている。
参考例1の側面図 参考例1の平面断面図 参考例2の側面図 参考例2の平面断面図 参考例3の側面図 参考例4の側面図 本発明の実施の形態の側面図 従来の風車を示す側面図 同上平面断面図
符号の説明
1 受風面
2 背面
3 サボニウス型ブレード
4 翼型ブレード
5 支持円板
6 回転軸
7 垂直型風車
8 垂直型風車
9 垂直型風車
10 垂直型風車
11 上支持円板
12 下支持円板
13 垂直型風車
14 境界部

Claims (2)

  1. ブレードの形式として複数持ち、両型の軸方向の境界の形状を順次変化させ、サボニウス型と翼型の中間の形状としたことを特徴とした垂直型風車。
  2. ブレードの外直径は、軸方向のどの位置も同一としたことを特徴とした請求項記載の垂直型風車。
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