JP4175240B2 - 検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、その目的は検出装置において適切な閾値を設定することが容易に行うことができ、検出対象物の素性によって変化する検出信号増加側のピーク値の最小値、或いは検出信号減少側のボトム値の最大値を容易に確認することができると共に、ピーク値またはボトム値のそれぞれの検出レベルが不安定な場合であっても適切な閾値設定が可能な検出装置を提供することにある。
前記閾値を超えた上記検出レベルの極大値および前記閾値を下回る上記検出レベルの極小値をそれぞれ逐次検出する極値検出部と、
この極値検出部が検出した上記極大値および極小値をそれぞれ保持する記憶部と、
この記憶部に保持された極大値より前記極値検出部が検出した極大値が小さいとき、または上記記憶部に保持された極小値より前記極値検出部が検出した極小値が大きいとき、前記記憶部に保持された極大値または極小値をそれぞれ上記極値検出部が検出した極大値または極小値に更新する更新手段と、
前記記憶部に保持された極大値または極小値をそれぞれ表示する表示部と
を備えることを特徴としている。
このため、記憶部に保持された極大値および極小値の履歴情報から検出レベルの極大値および極小値の傾向や、ばらつきの状態、平均値等の各種統計情報を得ることができる。
具体的に本発明に係る検出装置における前記検出器は、請求項4に記載するように所定の光路を形成する投光器および受光器を備え、上記投光器から発した光またはその反射光を前記受光器にて受光してその検出レベルから上記光路内の光学的条件を検出する光電センサとして構成される。
図1は本発明の一実施形態に係る検出装置であって、光電センサの概略構成を示すものである。この図において1は、例えば波長660nmのレーザ光を発光する発光ダイオード(LED)からなる投光器、2は上記レーザ光を、直接或いはその反射光を受光するフォトダイオード(PD)からなる受光器である。これらの投光器1および受光器2は、透過形の光電センサを構成するものであってもよく、或いは反射形の光電センサを構成するものであってもよい。尚、ここでは投光器1から所定の物体検出対象領域に対して光を直接投射すると共に、受光器2は、上記物体検出対象領域に存在する検出対象物によって投光器1が発する光の反射光を受光して検出対象物の有無を判定する反射形の光電センサについて説明する。
信号処理回路5には、A/D変換器3が出力する検出レベルRが閾値設定部6に設定された閾値SHを上回ったレベルにあるとき、且つA/D変換器3から出力された検出信号に極大値が含まれているとき、この極大値を保持するピーク値ホールド部8aが設けられている。また信号処理回路5には、A/D変換器3が出力する検出レベルRが閾値設定部6に設定された閾値SHを下回ったレベルにあるとき、且つA/D変換器3から出力された検出信号に極小値が含まれているとき、この極小値を保持するボトム値ホールド部8bが設けられている。これらのホールド部8a,8bは、検出レベルR中の極大値および極小値をそれぞれ検出する極値検出部の役割を担っている。
つまり、ピーク値ホールド部8aは、検出信号の検出レベルRが閾値設定部6に設定した閾値を上回っているとき、この閾値より高いレベルの検出信号に含まれる極大値を検出する。そして、この極大値をピーク値記憶部9aに保持させる。次いで、ピーク値ホールド部8aは、再び検出信号の検出レベルRが閾値設定部6に設定した閾値を上回った検出信号に含まれる極大値を検出する。このときピーク値比較部10aは、ピーク値ホールド部8aが保持した最新の極大値と、ピーク値記憶部9aに保持されている前回の極大値とをそれぞれ比較する。そして制御部4は、最新の極大値が前回の極大値より下回っているとき、ピーク値記憶部9aに保持されている極大値を最新の極大値に更新する(更新手段)。そして、この更新された極大値(ピーク値)は、ピーク値表示部11aにより表示されるようになっている。
まず信号処理回路5の制御部4は、カウンタ変数XおよびYをそれぞれ1に、ピーク値記憶部9aに保持するピーク値の変数P(1)に検出信号の検出レベルRの最大値、ボトム値記憶部9bに保持するボトム値の変数B(1)に検出信号の検出レベルRの最小値を設定して変数の初期化を行う[ステップS1]。ちなみにピーク値記憶部9aおよびボトム値記憶部9bは、例えば後述するような配列変数等の構成をとっている。
このような手順に従って作動する本発明に係る検出装置について、具体例を挙げて説明する。ここでは、理解を容易にするために極大値を検出するアルゴリズムと極小値の検出するアルゴリズムとに分けて説明する。尚、A/D変換器3が出力する検出信号の検出レベルRは、[0〜100]の範囲の値をとるものとして、閾値設定部6には仮閾値SHとして[50]を設定したものとする。したがって、上述したフローチャートのステップS1において配列変数P(1)には検出レベルRが取り得る最大値として[100]が、配列変数B(1)には、検出レベルRが取り得る最小値として[0]がそれぞれ代入されて変数の初期化がなされる。
次に本発明に係る検出装置について極小値の検出を行うアルゴリズムについて説明する。
まずA/D変換器3が出力する検出信号の検出レベルRが、図5に示すように仮閾値SH=[50]を下回り最初の極小値が[25]になったとする。このときボトム値ホールド部8bは、上述したようにステップS8で変数Pに極小値[25]を取り込む。この極小値B=[25]は、配列変数で初期化されたB(1)=[0]より大きいので、ステップS10でボトム値記憶部9bに記憶されてボトム値表示部11bにより表示される。そして制御部4は、ステップS12でカウンタ変数YをインクリメントしてY=[2]にする。
かくしてこのように構成された本発明に係る検出装置は、ホールド部(極値検出部)8によって閾値設定部6に設定された閾値を超えた検出レベルの極大値および前記閾値を下回る上記検出レベルの極小値とをそれぞれ検出して保持すると共に、これらの極値(極大値および極小値)を記憶部9に保持するようになっている。そして、この記憶部9に保持された極大値より前記極値検出部が検出した極大値が小さいとき、または記憶部9に保持された極小値より前記極値検出部が検出した極小値が大きいとき、制御部4は、前記記憶部に保持された極大値または極小値をそれぞれ上記極値検出部が検出した極大値または極小値に更新する。そしてこの更新された極大値および極小値は、表示部11により表示される。つまり、閾値を上回った極大値のうち最小の値をとる極大値をピーク値とし、閾値を下回った極小値のうち最大の値をボトム値として表示部11に表示させることができ、これらの値を参照して、検出レベルの基準値となる閾値を閾値設定部6に適切に設定することが可能となる。
ちなみに上述した表示部11のほか、特に図示しないが検出装置に端末装置(例えばパソコンや可搬形のハンディターミナル)を近接させ、または通信線を接続することによって閾値設定部6の閾値設定を行ったり、記憶部9に保持された極大値および極小値の表示させたりするようにしてもよい。このようにすることにより、記憶部9に保持された極大値および極小値の履歴情報を例えばパソコンに搭載したアプリケーションソフトにより解析し、適切な閾値情報の算出を行わせることで、該検出装置の閾値設定部6に適切な閾値を設定することが容易に行うことができるようになる。
このように構成された高周波形(誘導形)近接センサは、原理的には検出用コイルLに近接した検出対象物Sの有無を、検出用コイルLの内部抵抗成分の変化、即ち、検出用コイルLのQの変化として捉えている。そして、このQの変化は、発振器12の振幅の変化として検出されるようになっている。
或いは、本発明に係る検査装置は、図8に示すように被検出物の近接に伴う静電誘導によって静電容量が変化することを利用した静電容量形近接センサに適用することが可能である。この静電容量形近接センサには、物体の近接を検出する検出用コンデンサCと、この検出用コンデンサと共振回路を構成するコイルLとが設けられている。そして、この検出用コンデンサCとコイルLとからなる共振回路を発振駆動する発振器12が設けられている。この発振器12の発振出力は、周波数を電圧に変換するf/V変換器14により周波数に比例した電圧信号が出力されるようになっている。そうしてf/V変換器14によって変換された電圧信号は、A/D変換器3に与えられて、ディジタル信号に変換された後、上述した信号処理回路5に与えられる。
2 受光器
3 A/D変換器
4 制御部
5 信号処理回路
6 閾値設定部
7 比較部
8 ホールド部
8a ピーク値ホールド部
8b ボトム値ホールド部
9 記憶部
9a ピーク値記憶部
9b ボトム値記憶部
10 比較部
10a ピーク値比較部
10b ボトム値比較部
11 表示部
11a ピーク値表示部
11b ボトム値表示部
Claims (4)
- 所定の計測条件下における検出器が出力した検出信号の検出レベルを基準値として該検出レベルの所定の検出条件となる閾値を設定する閾値設定手段と、前記検出器による検出レベルを前記閾値と比較して検知信号を出力する比較器とを具備した検出装置であって、
前記閾値を超えた上記検出レベルの極大値および前記閾値を下回る上記検出レベルの極小値をそれぞれ逐次検出する極値検出部と、
この極値検出部が検出した上記極大値および極小値をそれぞれ保持する記憶部と、
この記憶部に保持された極大値より前記極値検出部が検出した極大値が小さいとき、または上記記憶部に保持された極小値より前記極値検出部が検出した極小値が大きいとき、前記記憶部に保持された極大値または極小値をそれぞれ上記極値検出部が検出した極大値または極小値に更新する更新手段と、
前記記憶部に保持された極大値または極小値をそれぞれ表示する表示部と
を備えることを特徴とする検出装置。 - 前記表示部が出力する極大値および極小値は、前記検出器の検出信号の検出レベルの基準となる閾値を設定する参考値となるものである請求項1に記載の検出装置。
- 前記記憶部は、前記検出レベルの前記極大値および前記極小値の履歴をそれぞれ保持するものである請求項1に記載の検出装置。
- 前記検出器は、所定の光路を形成する投光器および受光器を備え、上記投光器から発した光またはその反射光を前記受光器にて受光してその検出レベルから上記光路内の光学的条件を検出する光電センサである請求項1に記載の検出装置。
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