JP4175158B2 - 焼結用原料の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鉄所の高炉用原料として用いられる焼結鉱の焼結用原料を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
製鉄所の高炉用原料として用いられる焼結鉱は、一般に、次のような方法で製造される。すなわち、図7に示すように、粒径10mm以下の鉄鉱石1と珪石、蛇紋岩、ニッケルスラグ等のSiO含有原料2、石灰石などのCaOを含有する石灰石系粉原料3および粉コークス、無煙炭等の固体燃料系粉原料4を製造用の水分と共にドラムミキサー5に入れ、これらをドラムミキサー5で混合して擬似粒子と称される粒状物を得る。そして、混合工程で得られた擬似粒子をドワイトロイド式焼結機のパレット上に適当な厚さ(例えば500〜700mm)で置いて表層部の固体燃料を燃焼させ、その燃焼熱によって擬似粒子を焼結させて焼結ケーキとする。この焼結ケーキは破砕、整粒され、一定の粒径以上の焼結鉱を得る。一方、それ未満の粒径を有するものは返鉱となり、焼結用原料として再利用される。
【0003】
このような方法で製造される焼結鉱のJISM8713で規定される被還元性(以下、単に被還元性またはJIS−R1と記す)と高炉でのガス利用率ηCOとの関係を図8に、またガス利用率ηCOと燃料比との関係を図9に示す。これらの図から明らかなように、焼結鉱の被還元性とガス利用率との間には正の相関があり、またガス利用率と燃料比との間には負の相関がある。このことから、焼結鉱の被還元性は高炉での燃料比と負の相関があることが分かり(図10参照)、焼結鉱の被還元性を向上させると高炉での燃料比が低下する。従って、被還元性の高い焼結鉱は高炉用原料として好適な焼結鉱であると言えるが、焼結鉱の冷間強度も高炉での通気性を確保するうえで重要な因子であり、焼結鉱の冷間強度に下限基準を設定して高炉を操業している場合がほとんどである。
【0004】
なお、高炉でのガス利用率ηCOおよび燃料比は、
ηCO=CO(%)/〔CO(%)+CO(%)〕
燃料比=(石炭+コークス)の使用量(kg)/銑鉄(1ton)
で定義され、CO(%)及びCO(%)はいずれも高炉の炉頂ガス中の体積%である。
表1に、焼結鉱を形成する主要鉱物組織であるカルシウムフェライト:nCaO・Fe、ヘマタイト(赤鉄鉱):Fe、カルシウムシリケート:CaO・SiO、マグネタイト(磁鉄鉱):Feの4つの被還元性と引張強度を示す。
【0005】
【表1】
Figure 0004175158
【0006】
表1に示すように、焼結鉱を形成する4つの主要鉱物組織のうち、被還元性の高いものはヘマタイトであり、引張強度の高いものはカルシウムフェライトである。従って、高炉用原料として好適な焼結鉱とは、図11に示すような構造の焼結鉱、すなわち表層部が引張強度の高いカルシウムフェライトCFで形成され、かつ内部が被還元性の高いヘマタイトHeで形成された焼結鉱であると言える。
【0007】
しかし、従来は、前述したように、鉄鉱石1、SiO含有原料2、石灰石系粉原料3および固体燃料系粉原料4をドラムミキサー5で同時に混合して得られた擬似粒子を焼結用原料として焼結鉱を製造しているため、混合工程で得られる擬似粒子が図12に示すような構造、すなわち核となる粗粒の鉄鉱石1の表面に石灰石系粉原料3や固体燃料系粉原料4、粉鉱石などが付着した構造となる。このため、図12に示すような構造の擬似粒子をドワイトロイド式焼結機で焼結すると、焼結鉱の構造が図13に示すような構造、すなわちヘマタイトHe、カルシウムフェライトCF、カルシウムシリケートCS、マグネタイトMgの4つの鉱物組織が混在する構造となってしまい、被還元性に優れ且つ冷間強度の高い焼結鉱を安定して製造することが困難であった。
【0008】
そこで、本出願人は特許文献1にて、焼結鉱の焼結用原料として、平均粒径が2mm以上の粗粒の鉄鉱石を核とする第一層を有し、その第一層の外表面を石灰石系粉原料や固体燃料系粉原料以外の平均粒径が2mm以下の粉鉱石およびSiO2 含有原料からなる第二層を有するとともに、さらに石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料からなる第三層を有する焼結用擬似粒子を得ることが最適であることを見出した。この擬似粒子は、焼結過程でCaOとSiO2 の反応が遅れ、冷間強度の低いカルシウムシリケートの生成が抑制されることで、焼結鉱の表層部には冷間強度の高いカルシウムフェライトが生成され、また焼結鉱の内部には被還元性の高いヘマタイトが生成されるため、微細気孔が多くて被還元性に優れ且つ冷間強度の高い焼結鉱を安定して製造することが可能になる。
【0009】
【特許文献1】
国際公開番号WO01/92588号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された擬似粒子で焼結鉱を製造した場合には、焼結工程での溶融体(スラグ)量が減少し、この溶融体量減少と溶融体量が偏析することにより、焼結鉱の強度低下や歩留まり低下などを生じることがあった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、強度の良好な焼結鉱を安定して得ることのできる焼結用原料の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明に係る焼結用原料の製造方法は、直径10mm以下の鉄鉱石とSiO含有原料、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を製造用水分と共にドラムミキサーで混合して焼結鉱の焼結用原料を製造する際に、前記鉄鉱石および前記SiO含有原料を前記ドラムミキサーで混合して粗粒の鉄鉱石からなる核鉱石の周りに前記SiO含有原料からなるSiO含有層を形成し、次いで前記ドラムミキサーにミルスケールを供給して前記SiO含有層の表面に前記ミルスケールからなるミルスケール層を形成した後、前記ドラムミキサーに前記石灰石系粉原料および前記固体燃料系粉原料を供給して前記焼結用原料を製造することを特徴とする。
【0012】
請求項2の発明に係る焼結用原料の製造方法は、請求項1記載の焼結用原料の製造方法において、前記ドラムミキサーに前記鉄鉱石および前記SiO含有原料を供給してから前記鉄鉱石が前記ドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間を10〜120秒の範囲内に設定して、ミルスケールを120秒以下の滞留領域で添加し、90秒以下の領域で石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加することを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明に係る焼結用原料の製造方法は、請求項1又は2記載の焼結用原料の製造方法において、前記ドラムミキサーに前記石灰石系粉原料および前記固体燃料系粉原料を供給する際に、前記ドラムミキサーへの前記固体燃料系粉原料の供給量をミルスケールの酸化反応熱を利用して減らして前記焼結用原料を製造することを特徴とする。
【0015】
【作用】
本発明者らは、種々の検討を重ねた結果、焼結鉱の焼結用原料(擬似粒子)を製造する際に、SiOを多く含有する鉄鉱石やSiO含有原料を石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料から分離して製造し、さらに石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を製造の後半の過程で添加して製造することで、石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を焼結用原料の外装部に付着させてCaOとSiOの反応を遅らせ、被還元性が悪く且つ冷間強度も低いカルシウムシリケートの生成を抑制することによって、焼結鉱表面には強度の高いカルシウムフェライトが生成され、また焼結鉱内部には被還元性の高いヘマタイトが生成されることを見出した。
【0016】
しかし、焼結過程の溶融体は外装部のCaOとの反応によるカルシウムフェライトが主体となり、SiOとの反応による溶融体(スラグ)形成は限られる。すなわち、溶融体形成は、石灰石系粉原料の存在する外装部分に限られる。このため、溶融体量が少なく、この少量の溶融体結合による焼結鉱強度は弱くなりやすいことから、溶融体量減少と溶融体が偏析することによって、得られる焼結鉱の強度低下や歩留まり低下などを生じることがあった。
【0017】
本発明では、この外装部分に生じる溶融体量を増加させると共にカルシウムフェライトの融液粘性を低下させ、かつ溶融体の偏析を防止すると共に浸透深さ向上を図ることにより、この問題解決を図ったものである。すなわち、SiO系融液にFeOを加えると融液粘性が低下すると共に溶融体量の微増が図れることに注目し、FeO源としてミルスケール等の微粉酸化鉄の添加利用に着目したものである。
ここで、ミルスケールとは製鉄所の圧延工程で発生する微粉酸化鉄(高温下で鋼板表面に生成した酸化鉄が圧延時に剥離したもので、圧延環水スラッジとして回収できる)を指し、例えば表2に示す成分を有する。
【0018】
【表2】
Figure 0004175158
【0019】
本発明においては、核鉱石の表面に付着するSiO含有原料や粉鉱石等の細粒原料とその外装部分に付着する石灰石系粉原料との間にミルスケール等の微粉酸化鉄を介在せしめることにより、焼結工程で生成されるカルシウムフェライトの融液粘性を低下させ、細粒原料粒子間にカルシウムフェライト融液を浸透させ、強度の向上を図るものである。
【0020】
また、微粉酸化鉄の酸化熱(式(1)及び(2)参照)を利用することによって、ドラムミキサーに供給される固体燃料系粉原料の供給量を減少させることができると共にSOx、NOxの発生量を低減できるという付随的効果もある。
Fe+0.5O→2FeO : 1150kcal/kg-Fe ‥‥(1)
2Fe+0.5O→2Fe : 440kcal/kg-FeO ‥‥(2)
なお、核鉱石の表面に付着したSiO含有原料や微粉鉱石等の細粒原料とその外装部分に付着する石灰石系粉原料との間にミルスケール等の微粉酸化鉄を介在せしめるには、石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を焼結用原料の外装部に付着させる前の段階で添加する必要があり、その添加時期は下記の通りである。
【0021】
まず、石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を焼結用原料の外装部に付着させるための時間の設定、すなわち、製造されつつある焼結用原料に対し石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を添加した後、該焼結用原料がドラムミキサーの排出口に到達するまでの添加後の滞留時間、いわゆる石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を焼結用原料の外装部に付着させるための添加後の製造時間(以降、単に外装時間と記す)の設定によって、外装部付着・形成効果が異なることを見出した。
【0022】
本発明者らは、図4に示すように、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を除く焼結用原料の製造時間を一定として、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間を60秒から360秒で変化させた実験を実施した。
その結果、図5に示すように、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間を長く設定すると、焼結鉱の被還元性向上に有効な0.5mm以下の微細孔が減少することが判明した。このことから、焼結鉱の被還元性を向上させるためには、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間を90秒以下に設定することが望ましいことが分かった。
【0023】
また、別の実験により、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間が10秒を下回ると、添加した石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料が原料中の一部分に偏析を起こし、均一な焼結状態が得られず、効果が発揮されないことが判明した。ここで、外装時間が10秒から90秒と言う外装時間は、ドラムミキサーの回転数で言うと2min−1から36min−1に相当する。
【0024】
図6に、電子線マイクロアナライザー(以下、EPMAと記す)を用いて焼結用原料の擬似粒子中のCaとFeの分布状況を分析した結果を示す。同図に示すように、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間を適切な時間(例えば60秒)に設定するとCaの分布が外輪状となり、外装化が達成されていることを確認できるが、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料の外装時間を長く設定するとドラムミキサー内で粒子が壊れ、その結果、石灰石系粉原料が擬似粒子内に取り込まれることによって、Caが全体に分布して従来法と変化が無くなっていることを確認できた。つまり、ドラムミキサー内では製造だけでなく、擬似粒子の破壊も同時に進行していることから、外装時間を長くとりすぎると、外装のために添加した石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料が擬似粒子の破壊により内部に取り込まれて内外装の両方に存在することになる。これにより、焼結鉱表面には強度の高いカルシウムフェライトを、また焼結鉱内部には被還元性の高いヘマタイトを選択的に生成することが困難となり、図5の条件が重要であることが分かった。
【0025】
また、前述したように、外装時間を短くし過ぎては、添加した石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料が焼結用原料の中で偏析してしまい、焼結機上でのムラ焼けの原因となる。そこで、本発明者らが調査した結果、偏析しないためには、外装時間を10秒以上に設定することが必要であることが分かった。すなわち、外装時間は厳密な条件下にあり、単に後半部分においての添加では内装化されてしまう。
【0026】
本発明での前記外装時間の条件を満たすことにより、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料が内部に取り込まれることなく、初めて外装化されることになり、SiO含有原料を石灰石系粉原料から分離した石灰石のない状態で焼結用原料を製造することが達成されるのである。これにより、CaOとSiOの反応を遅らせ、被還元性が悪く、冷間強度も低いカルシウムシリケートの生成を抑制することができる。この条件のもと、まず、ミルスケール等の微粉酸化鉄を添加し、次いで石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加することにより、焼結用原料の外装部に石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料が付着するのである。微粉酸化鉄の添加に際しては、90秒以下の滞留領域で添加し、続いて60秒以下の滞留領域で石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を添加すれば、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を除く細粒原料から製造された擬似粒子表面に内装されることなくミルスケール等の微粉酸化鉄を付着させ、更にその表面に石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料を付着させることができる。
【0027】
そして、本発明では、外装化された石灰石系粉原料と鉄鉱石の界面焼結過程で生成される融液生成の際にFeOの存在により融液粘性の低下を図って、鉄鉱石の表面に付着した細粒原料の粒子間に浸透させ、細粒原料の周囲を覆うことにより、十分な冷間強度を発揮させるのである。これにより、強度の良好な焼結鉱を安定して得ることができる。
【0028】
なお、石灰石系粉原料の外装化は重要であるが、微粉酸化鉄の細粒原料中への若干の混入は許容でき、この場合の微粉酸化鉄の添加時期は、石灰石系粉原料が90秒以下に対し、120秒以下に許容できる。したがって、微粉酸化鉄を120秒以下の滞留領域で添加し、90秒以下の領域で石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加することで、核鉄鉱石の表面に付着したSiO含有原料や粉鉱石等の細粒原料とその外装部分に付着する石灰石系粉原料との間にミルスケール等の微粉酸化鉄を介在させることができる。
【0029】
さらに、ミルスケール等の微粉酸化鉄を添加することで、微粉酸化鉄の酸化反応熱を利用できるため、ドラムミキサー内に供給される固体燃料系粉原料の供給量を減少させてコストの低減を図ることができる。なお、ドラムミキサー内への微粉酸化鉄の供給量としては、1.0質量%〜35.0質量%程度までの範囲が好ましい。融液粘性低下効果を安定させるためには、ドラムミキサー内への微粉酸化鉄の供給量を2.0質量%以上とすることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1乃至図3は本発明の一実施形態を示す図であり、高炉用原料として使用される焼結鉱を製造する場合には、先ず、図1の(a)に示すように、直径10mm以下の鉄鉱石とニッケルスラグ等のSiO含有原料を製造用水分と共にドラムミキサー5内にドラムミキサー5の装入口5aから供給する。そして、ドラムミキサー5を所定速度で回転させ、図2の(a)に示すような構造の粒状物8、すなわち粗粒の鉄鉱石からなる核鉱石6の周りにSiO含有層7が形成された二層構造の粒状物8を造る。
【0031】
次に、図1の(b)に示すように、ドラムミキサー5内にミルスケール等の微粉酸化鉄を供給し、ドラムミキサー5内で製造された二層構造の粒状物8と微粉酸化鉄とを混合して、図2の(b)に示すような構造の粒状物10、すなわちSiO含有層7の表面に微粉酸化鉄層9が形成された三層構造の粒状物10を造る。
【0032】
次に、図1の(c)に示すように、石灰石系粉原料および粉コークス等の固体燃料系粉原料を製造用水分と共にドラムミキサー5内に供給する。そして、ドラムミキサー5内で製造された三層構造の粒状物10と石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料とを混合して、図2の(c)に示すような構造の擬似粒子(焼結用原料)12、すなわち微粉酸化鉄層9の表面に石灰石系粉原料及び固体燃料系粉原料からなるCaO含有層11が形成された四層構造の擬似粒子12を造る。なお、四層構造の擬似粒子12を製造した後は、従来と同様に、擬似粒子12の燃料成分である固体燃料系粉原料をドワイトロイド式焼結機で燃焼させて焼結鉱を製造する。
【0033】
このように、直径10mm以下の鉄鉱石とSiO含有原料、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を製造用水分と共にドラムミキサー5で混合して焼結鉱の焼結用原料を製造する際に、鉄鉱石およびSiO含有原料をドラムミキサー5で混合して粗粒の鉄鉱石からなる核鉱石6の周りにSiO含有層7を形成し、次いでドラムミキサー5に微粉酸化鉄を供給してSiO含有層7の表面に微粉酸化鉄層9を形成した後、ドラムミキサー5に石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を供給して混合すると、混合工程で得られる擬似粒子12の構造がSiO含有層7とCaO含有層11との間に微粉酸化鉄層9を有する四層構造となる。したがって、このような構造の擬似粒子を焼結用原料としてドワイトロイド式焼結機で焼結処理すると、焼結工程で得られる焼結鉱の構造が図3に示すような構造、すなわち表層部が引張強度の高いカルシウムフェライトCFで形成され、内部が被還元性の高いヘマタイトHeで形成された構造となるので、焼結鉱の表層部にカルシウムシリケートが生成されることを抑制することができ、これにより、被還元性に優れ且つ冷間強度の高い焼結鉱を安定して得ることができる。
【0034】
また、ミルスケール等の微粉酸化鉄を添加することにより、焼結工程で微粉酸化鉄の酸化発熱を利用できるため、ドラムミキサー内への固体燃料系粉原料4の供給量を減少させてコストの低減も図ることができる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る焼結用原料の製造方法によれば、混合工程で得られる擬似粒子の構造がSiO含有層とCaO含有層との間に微粉酸化鉄層を有する四層構造となる。これにより、擬似粒子のSiOとCaOが焼結工程で反応することが微粉酸化鉄層によって抑制されるため、被還元性に優れ且つ冷間強度の高い焼結鉱を安定して得ることができる。また、ミルスケール等の微粉酸化鉄を添加することにより、焼結工程で微粉酸化鉄の酸化発熱を利用できるため、ドラムミキサー内への固体燃料系粉原料の供給量を減少させてコストの低減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る焼結用原料の製造方法を説明するための図である。
【図2】図1の各工程で得られる擬似粒子の構造を模式的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る焼結用原料の製造方法で得られる焼結鉱の構造を模式的に示す図である。
【図4】石灰石系粉原料と固体燃料系粉原料の外装実験方法を説明するための図である。
【図5】外装時間と焼結鉱の被還元性との関係を示す図である。
【図6】外装時間を変化させた場合の擬似粒子中のCaとFeの分布状況を示す図である。
【図7】従来の焼結鉱の製造方法を説明するための図である。
【図8】焼結鉱の被還元性と高炉でのガス利用率との関係を示す図である。
【図9】高炉でのガス利用率と燃料比との関係を示す図
【図10】焼結鉱の被還元性と高炉での燃料比との関係を示す図である。
【図11】高炉用原料として好適な焼結鉱の構造を模式的に示す図である。
【図12】従来の焼結鉱の製造方法で得られる擬似粒子の構造を模式的に示す図である。
【図13】従来の焼結鉱の製造方法で得られる焼結鉱の構造を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 鉄鉱石
2 SiO含有原料
3 石灰石系粉原料
4 固体燃料系粉原料
5 ドラムミキサー
6 核鉱石
7 SiO含有層
9 微粉酸化鉄層
11 CaO含有層
12 擬似粒子
He ヘマタイト
CF カルシウムフェライト
CS カルシウムシリケート
Mg マグネタイト

Claims (3)

  1. 直径10mm以下の鉄鉱石とSiO含有原料、石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を製造用水分と共にドラムミキサーで混合して焼結鉱の焼結用原料を製造する際に、前記鉄鉱石および前記SiO含有原料を前記ドラムミキサーで混合して粗粒の鉄鉱石からなる核鉱石の周りに前記SiO含有原料からなるSiO含有層を形成し、次いで前記ドラムミキサーにミルスケールを供給して前記SiO含有層の表面に前記ミルスケールからなるミルスケール層を形成した後、前記ドラムミキサーに前記石灰石系粉原料および前記固体燃料系粉原料を供給して前記焼結用原料を製造することを特徴とする焼結用原料の製造方法。
  2. 前記ドラムミキサーに前記鉄鉱石および前記SiO含有原料を供給してから前記鉄鉱石が前記ドラムミキサーの排出口に到達するまでの滞留時間を10〜120秒の範囲内に設定して、ミルスケールを120秒以下の滞留領域で添加し、90秒以下の領域で石灰石系粉原料および固体燃料系粉原料を添加することを特徴とする請求項1記載の焼結用原料の製造方法。
  3. 前記ドラムミキサーに前記石灰石系粉原料および前記固体燃料系粉原料を供給する際に、前記ドラムミキサーへの前記固体燃料系粉原料の供給量をミルスケールの酸化反応熱を利用して減らして前記焼結用原料を製造することを特徴とする請求項1又は2記載の焼結用原料の製造方法。
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