この発明は、供給通路で移送されてきた部品を仮止室に収容し、そのまま目的箇所へ到達させる部品供給装置に関している。
供給通路で移送されてきた部品を仮止室に一時係止し、これを供給ロッドへ移行させてから供給ロッドを進出させる形式のものが知られている。それは、特許第2832528号公報の図5に開示されている。
また、供給ロッドの内部にナットの供給通路が設けられているとともに、この供給通路の先端部にナットを送り出す部分が設けられ、供給ロッドがその長手方向に進退して目的箇所へ部品を到達させるものが知られている。それは、特開昭51−133152号公報に開示されている。
特許第2832528号公報 特開昭51−133152号公報
上述の特許文献1に示す技術は、部品を静止状態の仮止室から進退動作をする供給ロッドの保持凹部へ移行させる動作が不可欠である。このような方式では、仮止室と保持凹部との相対位置が精度良く設定されていないために、部品が正確に保持凹部へ入りきらないことが発生する。したがって、供給ロッドの保持凹部には部品が入らないまま供給ロッドが進出して、部品供給が欠如することがある。さらに、仮止室から保持凹部へ部品を移行させるための構造を備える必要があるので、装置構造が複雑になり設備費用も高額になる。
また、上述の特許文献2に示す技術は、換言すると、供給ロッドに換えて部品供給管自体をその長手方向に進退させて、目的箇所にナットを到達させる形式である。このような進退形式であると、部品供給管が進出するときに最先のナットは元の位置に残留しようとして部品供給管内を相対的に後方へ滑動し、部品供給管だけが進出しようとする。すなわち、ナットの慣性質量による現象が発生する。したがって、ナットが最先の位置から後退方向に位置ずれを起こし、部品供給管が目的箇所に達したときには、最先のナットが所定の位置に存在しないこととなり、目的箇所へナットを移載することができないという問題がある。
このような慣性質量による位置ずれを防止するために、マグネットの設置が開示されているが、ナットの前進中に部品供給管が進出すると、ナットを確実にマグネットで吸引することが不可能となる。とくに、部品供給管の進出速度を上げて供給効率を向上させる場合には、マグネットの吸引力が不足し上記慣性質量による影響が一層強く現れることになる。
さらに、長尺な部品供給管をその長手方向に進退させる必要があるので、それに要するスペースを大きく確保しなければならず、そのために狭い箇所での設備配置が行いにくいという問題がある。
加えて、通常、このような部品供給管は金属製であるが、それに柔軟性のある合成樹脂製の供給チューブが接続されている。したがって、部品供給管が進退するのに順応させて供給チューブも変形動作をさせなければならない。このような変形動作を行わせるためには、例えば、供給チューブをループ状に配置して部品供給管の進退変位を吸収できるようにする必要がある。
上述のような、例えば、ループ形状であると、ナットが内部にひっかかったりして円滑な部品移送に支障を来したり、あるいは供給チューブの配置スペースが大きくなって、狭い箇所での有用性が大幅に低下するという問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するために提供されたもので、供給通路と仮止室を一体的に形成して、信頼性の高い部品供給装置を提供することを目的とする。
問題を解決するための手段
本発明は、以上に述べた問題点を解決するために提供されたもので、請求項1記載の発明は、断面矩形の金属製とされた部品供給管によって部品の供給通路が形成され、部品の供給通路とこの供給通路に連通するとともに部品の出口開放部を有する仮止室とが一体的に形成され、仮止室を供給通路とともに目的箇所へ移動させる進退駆動手段が設けられ、前記進退駆動手段の進退方向は、部品が仮止室に進入する方向に対してほぼ直交させてあり、前記仮止室には部品の進入方向の終端位置に仮止室の内壁の一部を形成するストッパ部材が設けられ、前記出口開放部は前記進退駆動手段の進出方向側に配置され、仮止室の底部材に進退駆動手段の進出方向側に開放している通過スリットが設けられ、前記部品供給管を進退駆動手段の後退方向側に湾曲することにより湾曲部が形成され、前記進退駆動手段によって湾曲部が復帰するときに湾曲部の外周側の内面に部品が接触して部品に対して仮止室側への移送力を作用させ、前記進退駆動手段によって湾曲部が進出するときに湾曲部の内周側の内面に部品が接触して部品に対して仮止室側へ向かう方向とは逆方向の力を作用させることを特徴とする部品供給装置である。
発明の効果
上述のように前記供給通路と前記仮止室とが一体化され、これら両者が進退駆動手段によって目的箇所へ進出するものであるから、部品は供給通路から仮止室へ確実に移送され、出口開放部から目的箇所へ供給される。このように、部品は仮止室へ確実に移行し、仮止室そのものが進退駆動手段によって進出するので、部品が仮止室に首尾良く入りきらないとか、仮止室から目的箇所へ正確に供給されないというようなトラブルが発生しない。
また、供給通路が長尺な状態で設置されていても、供給通路の湾曲や傾斜などの配置形態を適宜選定することにより、仮止室が進退動作をしても部品移送に支障のない供給通路の設置ができる。そして、湾曲状態とされた供給通路であると、進退駆動手段の復帰動作のときには、部品が湾曲外周側の内面に接触するので、部品は仮止室側に移送される力を受け、これによって仮止室への部品移送が促進される。進退駆動手段の進出動作のときには、部品が湾曲内周側の内面に接触するので、部品は仮止室へ向かう方向とは逆方向の力を受ける。これにより、整列している部品の最先の部品が仮止室内の部品を押圧しているのであるが、上述の逆方向の力により前記押圧力が緩和されて、仮止室内の部品が出やすくなる。
前記進退駆動手段の進退方向は、部品が仮止室に進入する方向に対してほぼ直交している。
上述のような直交関係を設定することにより、供給通路が長尺なものとなっても、それを形成する柔軟性のある部品供給管に進退駆動手段の進退に追従した揺動変位を行わせることができる。したがって、部品供給管の配管姿勢に無理な屈曲やループ状の形態を採用する必要がなく、供給通路内における部品の移送が滑らかになり、動作信頼性が向上する。同時に、配管上のスペースを最小化することができる。
また、上述の直交関係により、進退駆動手段が前進するときには、部品はその慣性質量により仮止室の内壁に押し付けられる状態になる。そのため、部品は位置ずれなどを起こすことがなく、前進中であっても仮止室内の所定の箇所で正しく一時係止が維持される。したがって、仮止室が目的箇所に到達したときには、部品と目的箇所との相対位置が正確に定まり、部品供給精度が向上する。このような利点が得られるのは、換言すると、上記直交関係により、進退駆動手段の進出方向にほぼ直交する向きの内壁を仮止室内に形成することができるからである。
前記仮止室には部品の進入方向の終端位置に仮止室の内壁の一部を形成するストッパ部材が設けられ、前記出口開放部は前記進退駆動手段の進出方向側に配置されている。
仮止室に入ってきた部品は前記ストッパ部材によって確実に受け止められる。したがって、部品は仮止室内の所定の箇所に位置決めされ、それと同時に、前記出口開放部との相対位置も正しく設定される。また、進退駆動手段が後退するときに部品が出口開放部から相対的に送出されるのであるが、この部品が送出される方向と供給通路内の部品通過方向とがほぼ直交しているので、2番目の部品が最先の部品の送出に干渉することがなく、円滑な送出が実現する。
前記仮止室の底部材に進退駆動手段の進出方向側に開放している通過スリットが設けられている。
前記通過スリットが、前記底部材において進退駆動手段の進出方向側に開放しているので、通過スリットを通って部品に係合した係合部材が、進退駆動手段の後退時に相対的に底部材から脱出して、部品を係合部材側に移載することができる。このように前記係合部材と一体になっている部品が、仮止室への部品進入方向とほぼ直交する方向に相対的に送出されるので、部品は確実に目的箇所に供給され、信頼性の高い動作が確保できる。
前記供給通路は、仮止室が低くなるように傾斜している。
このような向きに傾斜している供給通路が進退駆動手段の往復動作で揺すられるので、部品は供給通路内でその幅方向に揺すられることになる。したがって、部品が供給通路内の何等かの凹凸にひっかかっても、そこがら脱出することができ、前記傾斜にそった部品の円滑な送給が実現する。
前記供給通路は、進退駆動手段の後退方向側に湾曲している。
このような湾曲を付与することにより、進退駆動手段が後退するときに湾曲の外周側の供給通路内面に後続の部品が接触するので、この部品が仮止室の方へ移動しやすくなる。また、このような湾曲と前述のような仮止室側が低くなる傾斜とを併用することにより、進退駆動手段の後退時に、一層部品の移動が促進される。
前記進退駆動手段にブロック部材が結合され、このブロック部材に供給通路を形成する部品供給管が取り付けられ、この部品供給管に連通させて仮止室が配置されている。
供給通路を形成する部品供給管や仮止室が、基礎的な部材であるブロック部材に取り付けられるので、供給通路や仮止室を簡単な構造で正確に配置することができる。そして、エアシリンダのような進退駆動手段をブロック部材に結合することにより、進退動作を確実に供給通路や仮止室に付与することができる。
次に、本発明の部品供給装置を実施するための最良の形態を説明する。
図1〜図4は、第1の実施例を示す。
この実施例で扱われる部品は、図1および図2に示すような鉄製のプロジェクションナット1である。プロジェクションナット1は、平面形状が四角くてその中央部にねじ孔2が設けられ、裏側3の四隅に溶着用突起4が設けてある。符号5は、表側である。なお、以下の記載においてプロジェクションナットを、単にナットと表現することもある。
進退駆動手段6としては、エアシリンダや進退出力をする電動モータなど種々なものが採用できるが、この実施例ではエアシリンダ7である。このエアシリンダ7はタンデム型であり、2本のピストンロッド8が進退自在に突出している。エアシリンダ7は装置の機枠のような静止部材9に固定されている。そして、ピストンロッド8は水平面に沿って進退するように、エアシリンダ7の取り付けがなされている。
前記ピストンロッド8に、直方体の形状とされたブロック部材10が結合してある。このブロック部材10の前面11に部品供給管12が結合してあり、その内部が断面矩形の供給通路13になっている。部品供給管12は、底部材である底板14,上板15,両横の横側板16,17によって形成されている。
部品供給管12の先端部に、供給通路13に連通し供給通路13と一体的な状態で形成された仮止室18が配置されている。仮止室18は部品供給管12の先端部に形成され、その終端位置にストッパ部材19がブロック部材10の前面11に固定された状態で配置されている。前記ストッパ部材19のストッパ面20は仮止室18の内面の一部を形成している。ストッパ部材19で受け止められたナット1は、ストッパ部材19内に埋設した永久磁石25によって吸引されて位置決めがなされている。
ピストンロッド8すなわちブロック部材10の進退方向は、ナット1が供給通路13から仮止室18に進入する方向に対してほぼ直交している。このために、前記前面11がピストンロッド8の進退軸線に対して垂直の関係となるように配置してある。このような向きの前面11に部品供給管12が溶接などで結合されているので、供給通路13の方向を所定の向きに設定することが行いやすくなる。つまり、前面11が一種の基準面になっている。
前記仮止室18が形成されている部品供給管12の箇所は、その上板15の一部に切欠き部21が形成されて、仮止室18内におけるナット1の有無が視認できるようになっている。また、図3に示すように、横側板17の先端部分にナット1の出口開放部22が設けてある。これは横側板17に四角い開口部を設けて構成してあり、仮止室18のピストンロッド8の進出方向側に配置してある。さらに、他方の横側板16の先端近傍はブロック部材10の前面11に密着している。この部分の横側板16の内面が仮止室18の内壁23とされている。この内壁23は、ピストンロッド8の進退方向に対して垂直な関係となっている。なお、横側板16を短くして内壁23をブロック部材10の前面11で構成してもよい。
仮止室18の部分における部品供給管12の底板14に、ピストンロッド8の進出方向側に開放している通過スリット24が設けてある。後述の係合部材が、この通過スリット24を通ってねじ孔2内に進入する。この通過スリット24の長手方向はエアシリンダ7の進退方向と同じである。
この実施例においては、ナット1は、固定電極26の上面に載置された鋼板部品27上に供給される。固定電極26は静止部材9に固定されており、その中心部から係合部材であるガイドピン28が進出して、鋼板部品27にあけた下孔29と通過スリット24を貫通して、ねじ孔2内に進入するようになっている。したがって、ガイドピン28と下孔29と通過スリット24とねじ孔2は同軸上に位置するようになっている。なお、符号30は、ガイドピン28を進退させるために固定電極26の中心部に設けた通孔である。
前記ガイドピン28を進退させるために、エアシリンダ31が固定電極26の下側に取り付けてある。そして、固定電極26と同軸の状態で可動電極32が配置されている。
図2に示すように、部品供給管12すなわち供給通路13は仮止室18側が低くなるように傾斜している。そして、ブロック部材10の左端近くから後方すなわちピストンロッド8の後退方向側に湾曲している。この湾曲部は符号34で示されている。部品供給管12はステンレス鋼のような材料で作られた金属製である。この金属製の部品供給管12に柔軟性のある合成樹脂でできた供給ホース35が接続され、その端部はパーツフィーダ36に接続されている。パーツフィーダ36には空気搬送のための圧縮空気噴射管38が取り付けられ、圧縮空気が供給ホース35内に噴射されるようになっている。
図3に示すように、部品供給管12には前記傾斜と湾曲とが付与されている。このような形状であるから供給通路13をパーツフィーダ36に連通させるためには、部品供給管12を徐々にねじりながら供給ホース35に移行するようにしている。このようなねじり部は符号37で示されている。
上述の実施例の動作を説明する。
パーツフィーダ36から送出されてきたプロジェクションナット1は、圧縮空気噴射管38からの噴射空気で供給通路13内を移送されてくる。ナット1が湾曲部34にさしかかると供給通路13は下り傾斜をしているので、勢いよく仮止室18内に進入する。この進入の過渡期に永久磁石25の吸引力によってナット1が確実に仮止室18内に導入される。
仮止室18に入ってきたナット1はストッパ部材19によって確実に受け止められる。ストッパ部材19はブロック部材10に溶接などで固定されているので、剛性の高い部材としてストッパ機能を果たすことができる。つまり、ピストンロッド8の進退方向とナット1の進入方向とが直交しているので、ブロック部材10に供給通路13を沿わせて配置して、その先端部に仮止室18やストッパ部材19の配置が可能となるという効果がある。
このナット1の進入方向はピストンロッド8の進退方向に対してほぼ直交している。さらに、後続のナット1が送り出されると、仮止室18内のナット1に連続して2番目のナット1として整列する。同様にして3番目,4番目と順次ナット列が形成される。
ここでエアシリンダ7が動作してピストンロッド8が進出し、図2に示すように、ナット1のねじ孔2と固定電極26のガイドピン28とが同軸になった位置でピストンロッド8の進出が停止する。その後、エアシリンダ31によってガイドピン28が上昇してねじ孔2内に進入する。この進入状態のままピストンロッド8が仮止室18とともに後退すると、ガイドピン28はナット1を係止したまま通過スリット24から相対的に抜けだす。
このような動作をへてナット1が下孔29と同軸の状態で鋼板部品27上に載置される。その後、可動電極32が進出してナット1の溶着用突起4が鋼板部品27に押し付けられ、溶接電流が通電されて溶着用突起4が鋼板部品27に溶着する。
上述の動作において、仮止室18が前進するときには、ナット1が内壁23に押し付けられるので、ナット1の位置決めにとって効果的である。また、ナット1は、仮止室18への進入方向に直交する向きに仮止室18から相対的に出て行くので、このときにはストッパ部材19のストッパ面20をこすりながら出て行く。したがって、ナット1が出て行く過渡期にはストッパ面20で案内されるので、ナット1の向きが安定し円滑なナット送出が得られるという効果がある。
さらに、ピストンロッド8の進退時には、図1に示す仮想的な揺動点39をほぼ中心にして、部品供給管12ないしは供給ホース35がほぼ水平方向に揺動するので、供給通路13全域において無理な屈曲などが発生しない。したがって、部品供給管12や供給ホース35の配管が行いやすくなり、しかも小さなスペースで済み、装置の配置面で有利なものとなる。
部品供給管12とストッパ部材19をブロック部材10の前面11に結合するものであるから、前面11が取り付け基準面のような状態になり、構造物としての精度が向上するとともに、構造が簡素化される。
以上に説明した実施例の作用効果を列記すると、つぎのとおりである。
上述のように前記供給通路13と前記仮止室18とが一体化され、これら両者が進退駆動手段であるエアシリンダ7によって固定電極26の方へ進出するものであるから、プロジェクションナット1は供給通路13から仮止室18へ確実に移送され、出口開放部22から電極のガイドピン28へ供給される。このように、ナット1は仮止室18へ確実に移行し、仮止室18そのものがエアシリンダ7によって進出するので、ナット1が仮止室18に首尾良く入りきらないとか、仮止室18からガイドピン28へ正確に供給されないというようなトラブルが発生しない。
また、供給通路13が長尺な状態で設置されていても、供給通路13の湾曲や傾斜などの配置形態を適宜選定することにより、仮止室18が進退動作をしてもナット移送に支障のない供給通路13の設置ができる。
前記エアシリンダ7の進退方向は、ナット1が仮止室18に進入する方向に対してほぼ直交している。
上述のような直交関係を設定することにより、供給通路13が長尺なものとなっても、それを形成する柔軟性のある供給ホース35にエアシリンダ7の進退に追従した揺動変位を行わせることができる。したがって、供給ホース35の配管姿勢に無理な屈曲やループ状の形態を採用する必要がなく、供給通路13内におけるナット1の移送が滑らかになり、動作信頼性が向上する。同時に、配管上のスペースを最小化することができる。
また、上述の直交関係により、エアシリンダ7のピストンロッド8が前進するときには、ナット1はその慣性質量により仮止室18の内壁23に押し付けられる状態になる。そのため、ナット1は位置ずれなどを起こすことがなく、前進中であっても仮止室18内の所定の箇所で正しく一時係止が維持される。したがって、仮止室18がガイドピン28に到達したときには、ナット1とガイドピン28との相対位置が正確に定まり、部品供給精度が向上する。このような利点が得られるのは、換言すると、上記直交関係により、エアシリンダ7の進出方向にほぼ直交する向きの内壁23を仮止室18内に形成することができるからである。
前記仮止室18にはナット1の進入方向の終端位置に仮止室18の内壁の一部を形成するストッパ部材19が設けられ、前記出口開放部22はエアシリンダ7の進出方向側に配置されている。
仮止室18に入ってきたナット1は前記ストッパ部材19のストッパ面20によって確実に受け止められる。したがって、ナット1は仮止室18内の所定の箇所に位置決めされ、それと同時に、前記出口開放部22との相対位置も正しく設定される。また、エアシリンダ7が後退するときにナット1が出口開放部22から相対的に送出されるのであるが、このナット1が送出される方向と供給通路13内の部品通過方向とがほぼ直交しているので、2番目のナット1が最先のナット1の送出に干渉することがなく、円滑な送出が実現する。
前記仮止室18の底部材である底板14にエアシリンダ7の進出方向側に開放している通過スリット24が設けられている。
前記通過スリット24が、前記底板14においてエアシリンダ7の進出方向側に開放しているので、通過スリット24を通ってナット1に係合したガイドピン28(係合部材)が、エアシリンダ7の後退時に相対的に底板14から脱出して、ナット1をガイドピン28側に移載することができる。このようにガイドピン28と一体になっているナット1が、仮止室18へのナット進入方向とほぼ直交する方向に相対的に送出されるので、ナット1は確実にガイドピン28に供給され、信頼性の高い動作が確保できる。
前記供給通路13は、仮止室18が低くなるように傾斜している。
このような向きに傾斜している供給通路13がエアシリンダ7の往復動作で揺すられるので、ナット1は供給通路13内でその幅方向に揺すられることになる。したがって、ナット1が供給通路13内の何等かの凹凸にひっかかっても、そこから脱出することができ、前記傾斜にそったナット1の円滑な送給が実現する。
前記供給通路13は、エアシリンダ7の後退方向側に湾曲している。
このような湾曲を付与することにより、エアシリンダ7が後退するときに湾曲の外周側の供給通路13の内面に後続のナット1が接触するので、このナット1が仮止室18の方へ移動しやすくなる。また、このような湾曲と前述のような仮止室18側が低くなる傾斜とを併用することにより、エアシリンダ7の後退時に、一層ナットの移動が促進される。
供給通路13の湾曲外周側の内面にナット1が接触する点を、図4にしたがって説明する。なお、図4は湾曲部34付近の簡略的な平断面図である。図1や図3のような湾曲状態とされた供給通路13であると、図4(A)に示すようなエアシリンダ7の復帰動作のときには、ナット1が湾曲外周側の内面40に接触するので、ナット1は仮止室18側に移送される力を受け、これによって仮止室18へのナット移送が促進される。
また、図4(A)のような状態においては、エアシリンダ7の復帰方向の力がナット1に作用したら、その分力がナット1を仮止室18の方へ移送する力に加算され、より強い移送力が確保できる。さらに、このような現象において、仮止室18側が低くなるように供給通路13が傾斜していると、ナット1はより一層強く送出される。
図4(B)に示すように、エアシリンダ7が進出して仮止室18内のナット1をガイドピン28に供給するときには、後続のナット1が湾曲内周側の内面41に接触するので、ナット1は仮止室18へ向かう方向とは逆方向の力を受ける。これにより、整列しているナットの最先のナットが仮止室18内のナット1を押圧しているのであるが、上述の逆方向の力により前記押圧力が緩和されて、仮止室18内のナット1が出やすくなる。
前記エアシリンダ7にブロック部材10が結合され、このブロック部材10に供給通路13を形成する部品供給管12が取り付けられ、この部品供給管12に連通させて仮止室18が配置されている。
供給通路13を形成する部品供給管12や仮止室18が、基礎的な部材であるブロック部材10に取り付けられるので、供給通路13や仮止室18を簡単な構造で正確に配置することができる。そして、エアシリンダ7のような進退駆動手段をブロック部材10に結合することにより、進退動作を確実に供給通路13や仮止室18に付与することができる。
図5は、第2の実施例を示す。
この実施例は、ほぼ鉛直方向に昇降するエアシリンダ43によって、ほぼ水平方向の進退出力をするエアシリンダ7を昇降させるようにしたものである。このエアシリンダ43のピストンロッド44がエアシリンダ7の下側に結合されている。このような構造のため、図示していないが、前記ガイドピン28は鋼板部品27から突出したままで静止している。それ以外の構成は先の実施例と同じなので、同様な機能の部材には同一の符号が記載してある。
上記構成により、ナット1を保持した仮止室18がガイドピン28と同軸の位置で停止すると、エアシリンダ43が下降動作をして、ガイドピン28がナット1のねじ孔2内に相対的に進入する。その後、エアシリンダ7によって仮止室18が後退して、ナット1がガイドピン28に係止される。したがって、前述の実施例のようなガイドピン28を進退させるエアシリンダ31が不要となり、固定電極26の構造を簡素化できる。つまり、エアシリンダ7と43の進退動作が合成されることにより、スクエアーモーション45が形成される。それ以外の作用効果は、先の実施例と同じである。
上述のように、本発明によれば、供給通路と仮止室とが一体的に形成され、さらに、仮止室への部品の進入方向に対してほぼ直交する方向に仮止室を進退させることができるので、仮止室への部品進入を確実に果たすことができ、供給通路内での部品移動を円滑にすることができる。このような利点により、多角的な分野での利用が期待できる。
装置全体の平面図である。
供給通路と仮止室の部分を示す縦断正面図である。
装置全体の平面図と正面図である。
部品供給管の屈曲部の一部を示す断面図である。
他の実施例を示す簡略的な側面図である。
符号の説明
1 プロジェクションナット
2 ねじ孔
6 進退駆動手段
7 エアシリンダ
10 ブロック部材
11 前面
12 部品供給管
13 供給通路
18 仮止室
19 ストッパ部材
22 出口開放部
23 内壁
24 通過スリット
26 固定電極
27 鋼板部品
28 ガイドピン
32 可動電極
34 湾曲部
40 内面
41 内面