JP4174642B2 - 熱交換器の組み付け構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数列の吸熱管を有するフィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が胴筒壁からなる熱交換缶体の内部に配設され、燃焼ガス等の熱媒体を熱交換缶体内に通過させることにより上記吸熱管内に流される水等の被加熱媒体を加熱するために用いられる熱交換器の組み付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の熱交換器として、家庭用の瞬間式給湯器や風呂釜等の燃焼機器に内蔵されたものが知られている。例えば、給湯器に内臓された熱交換器の一例を図12に示す。この図12は「逆燃式」と呼ばれる構造例を示し、胴筒壁201からなる燃焼缶体(熱交換缶体)200の上側に配設されたガンタイプバーナ3から火炎及びその燃焼ガスが下向きに噴射され、それらが熱媒体として上記胴筒壁201内を上から下に向かい流されて排気処理管4に排出されるようになっている。この場合の熱交換器は、燃焼缶体200の上側部位の胴筒壁外周面201aに対し入水のための導入管500が巻回状態でロー付けされる一方、フィン形熱交換部600が上記燃焼缶体200の下側部位の胴筒壁201内を横切るように配設されて上記燃焼ガスとの接触により吸熱し得るようになっている。
【0003】
上記フィン形熱交換部600は、図12の左右方向を「前後方向」、紙面に直交する方向を「左右方向」とすると、左右方向に延びる多数のプレート状フィン700が前後方向に適宜間隔を隔てて互いに平行に配設され、この多数のフィン700に対し吸熱管800が貫通する構造を有している。上記吸熱管800(図13及び図14も併せて参照)は、左右方向に複数列(図例では5列)及び上下方向に2段に配置された吸熱管部801,801,…と、これら吸熱管部801,801,…を直列に連通させる曲がり管802,802,…とにより一つの連続した流路を構成している。そして、上記吸熱管800はその上流端900(図13参照)が上記導入管500の下流端と接続され、導入管500から供給された水が上段の5列の吸熱管部801,…を図14の左から右に順に流れ、続いて下段の5列の吸熱管部801,…を同図の右から左に順に流れる間に上記燃焼ガスにより加熱され、下流端901(図12及び図13参照)からお湯を出湯するようになっている。
【0004】
このような熱交換器においては、上記導入管500内に流される入水により胴筒壁201自体を冷却して胴筒壁201の上側部位の焼損及び熱変形の防止を図りつつ、その胴筒壁201を介した伝熱による予備加熱を受けて熱効率の向上を図るようにされ、また、各フィン700の左右方向両端縁がそれぞれ胴筒壁内面201bと接触されてロー付けされ、吸熱管800内に流される水により下側部位の胴筒壁201自体の温度上昇を少しでも低減させるようにされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フィン形熱交換部600が配設された部位である下側部位の胴筒壁201においては、その外周面201aに対し上側部位の胴筒壁201のように導入管500を構造上配設し得ず、上記上側部位の胴筒壁201の如く導入管500による外周面からの水冷効果を得ることはできない。また、上記下側部位の胴筒壁201においてはその内面201bにロー付けされたフィン700を介して吸熱管800内の水による温度上昇抑制効果がある程度得られるものの、吸熱管800に導入された水はそれまでの導入管500内で予備加熱されている上に、燃焼ガスの流れの中で加熱途中にある。このため、上記下側部位の胴筒壁201の温度上昇を十分に効果的に低減化させることはできない。
【0006】
ここで、フィン形熱交換部600の側から見ると、そのフィンを胴筒壁201にロー付けせずに自由端にしておく方が熱応力の負荷状態の向上や燃焼缶体200自体の耐久性の向上を図り得る上で好ましいものの、このように自由端にするとフィンを介した吸熱管800内の水による温度上昇抑制効果を得ることができず、下側部位の胴筒壁201の温度上昇度合がますます増大してしまうことになる。
【0007】
また、図12に示す例ではバーナとして多数の燃焼管からなるバーナではなくてガンタイプバーナ3を用いているが、このガンタイプバーナ3ではその火炎がフィン形熱交換部600の中央位置に対し一点集中的に噴射されるため、バッフル板31を設けこのバッフル板31に火炎を当てることにより上記火炎を拡散するようにしている。バッフル板31を設けているとはいうものの、胴筒壁201の温度上昇を防ぐために火炎があまりに拡がらないように設計する必要があり、フィン形熱交換部600への熱負荷はやはり中央寄りの吸熱管部801に高く胴筒壁201寄りの吸熱管部801に低くなる傾向にある。このため、熱効率のみを優先させると各吸熱管部801を胴筒壁201からできるだけ離して中央寄りに配置するのが好ましいことになる。しかしながら、吸熱管部801を胴筒壁201から離せば離すほど上記のフィン700を介した吸熱管800内の水による温度上昇抑制効果はより小さくなるため、胴筒壁201と相隣接することになる吸熱管部801は胴筒壁201に対しできるだけ接近させる配置を採用せざるを得ないことになる。
【0008】
一方、フィン700を胴筒壁201の内面にロー付けしたままでも、図14に一点鎖線で示す如く胴筒壁201の内面と相隣接する吸熱管部801との間に遮蔽部材131もしくは132を配設し、この遮蔽部材131,132により胴筒壁内面201bに沿った燃焼ガスの通過を阻止もしくは抑制することによって、胴筒壁201の温度上昇を効果的に抑制することが考えられる。ところが、上記の如き遮蔽部材131,132を設置すると、胴筒壁201と相隣接する吸熱管部801において、その吸熱管部801の胴筒壁201側に対する燃焼ガス通過量が反対側と比べ極端に減少し、その吸熱管部801の胴筒壁側の略半断面部分に対する加熱温度が相対的に低下して同じ吸熱管部801の横断面方向で温度差が生じてしまうことになる。このため、結露発生に起因する腐食発生、上記吸熱管部において温度差に起因する通常以上の熱応力の発生、燃焼缶体内での熱効率の低下発生等の不都合を招くおそれがある。特に、胴筒壁と相隣接する上記吸熱管部には導入管からの入水が最初に供給され、中央寄りの吸熱管部と比べ低温の水が内部に流されるため、上記の不都合の度合は高いものとなる。
【0009】
また、上記下側部位の胴筒壁内面201bを覆うようにステンレス鋼製の遮熱壁を設置し、熱反射により胴筒壁内面に対する加熱度合を低減させることも考えられる。ところが、この場合には酸化による損耗進行や熱変形により胴筒壁内面との間に隙間ができてしまい、この隙間に燃焼ガスが通過してしまうことにより胴筒壁の温度が結局上昇してしまうことになるという不都合がある。つまり、胴筒壁の温度上昇度合の低減化を安定的に得ることはできない。
【0010】
そこで、以上の不都合を解決してフィン形熱交換部が配設される胴筒壁の温度上昇度合の効果的な低減化と、胴筒壁に相隣接する吸熱管部に対する効果的な加熱との両立を図るために、フィン形熱交換部と胴筒壁とを切り離して両者間に隙間を設け、この隙間に対し上記胴筒壁に密着してその胴筒壁を覆う断熱壁部材を介装させることが考えられる。
【0011】
しかるに、上記の断熱壁部材の如き板状の介装部材においては、その組み付け手段として金属板等のようにねじ止めや溶接等の機械的固定手段を採用することができず、上記介装部材を上記隙間に単に介装させただけでは、次のような不都合発生のおそれがあることが考えられる。
【0012】
すなわち、上記介装部材を介装させた状態で熱交換器を例えば給湯器に組み付ける際や、給湯器への組み付け前もしくは組み付け後における運搬の際に、上記介装部材が上記隙間から抜けて位置ずれや脱落を生じるおそれがある。また、上記熱交換器を給湯器等に組み込んだ場合、その燃焼運転のON・OFFの繰り返しによる熱収縮等の影響を受けて介装部材がせり上がるなどの位置ずれが生じるおそれもある。さらに、熱交換器を図12の如く逆燃式ではなくてバーナが燃焼缶体の下側位置にフィン形熱交換部が上側位置にそれぞれ配設されて燃焼ガスが下から上に流される上燃式に構成する場合には、介装部材に落下のおそれがあるとその介装部材の介装自体の適用を行い得ないことになる。
【0013】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フィン形熱交換部と胴筒壁とを切り離して両者間に隙間を設けこの隙間に対し板状の介装部材を介装させる場合に、機械的固定手段以外の手法により上記介装部材を比較的高い熱環境下においても確実に位置ずれや脱落の発生を防止した状態に組み付け得る熱交換器の組み付け構造を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明は、胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が上記筒軸方向に差し入れられて介装されてなる熱交換器の組み付け構造を対象にして以下の基本の特定事項を備えるものである。
【0015】
すなわち、上記フィン群の内の少なくとも1枚のフィンにその直交一軸方向端縁から上記直交一軸方向外方に突出して上記筒軸方向に向いた凸段部を形成する一方、上記各介装部材に上記凸段部に対し上記筒軸方向に相対向する凹段部を形成し、上記各介装部材を、その凹段部が上記フィンの凸段部に対し上記筒軸方向に相対向した状態で突き当てられて上記筒軸方向への移動が阻止された状態で上記フィン群に対し組み付けるようにすることを特定事項とするものである。
【0016】
上記第1の発明によれば、フィンの凸段部に対し介装部材の凹段部が差し入れ方向、つまり燃焼缶体の筒軸方向に突き当てられているため、最も問題となる筒軸方向への介装部材の移動が阻止されて介装部材の位置ずれや脱落の発生が防止されることになる。
【0017】
上記第1の発明における凸段部と凹段部との組み合わせは、例えば凸段部をフィン群の中央位置のフィンの端縁に突片部分を突出させ、介装部材の中央位置にその突片部分が入り込むスリットを形成しそのスリットの奥底部により凹段部を構成させることによっても実現可能であるものの、次のように端部に配置するのが組み付けの確実性の観点から好ましい。すなわち、凸段部を形成するフィンをフィン群の内の直交他軸方向両側に位置する少なくとも各1枚のフィンとし、凹段部を介装部材の直交他軸方向両端縁にそれぞれ形成するようにすることである。この場合の「直交他軸方向両側に位置するフィン」とは、両端のフィンであっても、両端に近いフィンであってもよい。また、1枚のフィンのみならず、2枚もしくは3枚のフィンに凸段部を形成するようにしてもよい。
【0018】
また、上記第1の発明における介装部材を筒軸方向の一側から差し入れるか他側から差し入れるかの違いに応じて次のような特定事項を付加するようにしてもよい。すなわち、熱交換缶体の筒軸方向他側端位置に胴筒壁内方に突出する受け部を配設し、介装部材を上記筒軸方向他側から一側に向けて差し入れてその凹段部がフィンの凸段部に突き当てられた状態にし、この状態で上記介装部材の差し入れ側とは逆の基端縁が上記受け部に当接されて差し入れ側とは逆向きの移動が阻止された状態にするようにしてもよい。この場合には、筒軸方向の両側方への介装部材の移動が確実に阻止されることになる。すなわち、介装部材の差し入れ側には上記凸段部と凹段部との突き当てにより、差し入れ側とは逆側には上記基端縁と受け部との当接によりそれぞれ筒軸方向への移動が阻止される。なお、上記「受け部」としては、熱交換缶体の内面に形成してもよいし、熱交換缶体に接続される熱媒体(例えば燃焼ガス)の排出管の取り付け用フランジを利用してもよい。
【0019】
逆に介装部材を筒軸方向一側から他側に向けて差し入れる場合には、上記と同様の受け部を配設し、凸段部を折曲可能に形成されたフィン突片により構成しておく。そして、介装部材を差し入れられる際には上記フィン突片を上記介装部材の差し入れを許容するよう折曲した状態にする一方、上記介装部材が差し入れらてその差し入れ側の先端縁が上記受け部に当接された状態では上記フィン突片を復元して上記凸段部を上記介装部材の凹段部に相対向した状態にするようにすればよい。
【0020】
また、上記第1の発明において、上記の如き受け部の存在を必要とすることなく、筒軸方向両側への介装部材の移動を共に阻止した状態に組み付けるようにしてもよい。すなわち、フィンに対し、介装部材の差し入れ側に向いた順向き凸段部と、逆側に向いた逆向き凸段部とを形成する一方、介装部材に対し、上記順向き凸段部に相対向する逆向き凹段部と、上記逆向き凸段部に相対向する順向き凹段部とを形成しておく。そして、上記順向き凸段部を構成するフィン突片を折曲可能に形成し、上記介装部材が差し入れられる際には上記フィン突片を上記介装部材の差入れを許容するよう折曲された状態にする一方、上記介装部材が差し入れられてその順向き凹段部が上記フィンの逆向き凸段部に突き当てられた状態では上記フィン突片を復元して上記順向き凸段部が上記逆向き凹段部に相対向した状態にするようにする。この場合には、介装部材の差し入れ側の筒軸方向に対しては介装部材の順向き凹段部がフィンの逆向き凸段部に突き当てられることにより、また、上記差し入れ側と逆側の筒軸方向に対しては上記フィンの順向き凸段部が介装部材の逆向き凹段部と相対向する状態に復元されることによりそれぞれ介装部材の筒軸方向への移動が阻止されることになる。
【0021】
第2の発明は、胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が介装されてなる熱交換器の組み付け構造を対象として以下の特定事項を備えるものである。なお、この第2の発明における対象は、第1の発明におけるそれとは介装部材を「差し入れる」点を不特定とした点で異なる。
【0022】
すなわち、第2の発明では、上記フィン群の内の直交他軸方向両側に位置する少なくとも各1枚のフィンに、その直交一軸方向端縁から上記筒軸方向に向いた凸段部を構成しかつ上記介装部材の直交一軸方向厚みよりも長く突出するフィン突片を形成する一方、上記各介装部材に上記フィン突片の凸段部に対し上記筒軸方向に相対向する凹段部を形成する。そして、上記凸段部を構成するフィン突片を折曲可能に形成し、このフィン突片が延びた状態で上記介装部材を上記直交一軸方向外方から上記フィン群に対し上記凸段部に上記凹段部が当接するよう内嵌し、上記介装部材が内嵌された状態で上記フィン突片の先端部位を上記介装部材の直交一軸方向外面に沿うよう折曲することにより介装部材がフィン群に対し組み付けられる組み付け構造とする。
【0023】
この第2の発明によれば、熱交換缶体の胴筒壁の存在を抜きにしても、介装部材とフィン群とが熱交換缶体の筒軸方向両側への相対移動が共に阻止される上に、直交一軸方向及び他軸方向への相対移動も共に阻止されて互いに一体化された組み付け状態にすることが可能になる。つまり、熱交換缶体に対し組み付ける前の段階のフィン形熱交換部に対し介装部材を一体化させることが可能になる。
【0024】
以上の第1もしくは第2の発明においては、介装部材を介装させた状態で、直交一軸方向に相対向する両胴筒壁が内向きへ加圧されることにより、上記介装部材の上記直交一軸方向外面がこの外面に相対向する胴筒壁と密着された状態にするようにしてもよい。このようにすることにより、上記介装部材として断熱壁部材を介装させる場合に好適なものとなる。
【0025】
さらに、第3の発明は、胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が上記筒軸方向に差入れられて介装されてなる熱交換器の組み付け構造を対象として以下の特定事項を有するものである。すなわち、上記フィン群の各フィンの直交一軸方向両側端縁をそれぞれ鋸歯状の食い込み縁部とし、上記各介装部材が上記各食い込み縁部と、この食い込み縁部に相対向する胴筒壁との間の隙間に差し入れられた状態で上記直交一軸方向に相対向する両胴筒壁がそれぞれ内向きに加圧されることにより、上記食い込み縁部が上記各介装部材のフィン側内面に食い込んだ状態にすることを特定事項とするものである。
【0026】
この第3の発明によれば、各フィンの食い込み縁部が介装部材に対し直交一軸方向に食い込んだ状態で組み付けられるため、その介装部材の筒軸方向、直交一軸方向及び他軸方向のいずれの方向への移動をも阻止することが可能となる。しかも、上記の加圧の付与により胴筒壁内面と介装部材の外面とを互いに密着した状態にすることが可能となり、上記介装部材として断熱壁部材を用いる場合に好適なものとなる。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したように、第1〜第3の発明に係るいずれの熱交換器の組み付け構造によっても、機械的固定手段を用いずに、介装部材を比較的高い熱環境下におかれる熱交換器に対し確実に位置ずれや脱落の発生を防止した状態に組み付けることができるようになる。
【0028】
この結果、フィン形熱交換部と胴筒壁とを切り離して両者間に隙間を設けこの隙間に対し板状の介装部材、例えば断熱壁部材を介装させる場合においても、確実にその機能を発揮させることができるようになる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
<第1実施形態>
図1は、本発明の実施形態に係る熱交換器の組み付け構造を適用して組み付けられた熱交換器の縦断面図を示す。本実施形態は、一つの熱交換缶体としての燃焼缶体2に対し互いに異なる2回路からの各水路が配設された1缶2水路式がかつ逆燃式に構成された例を示す。例えば、図示省略の給湯回路及び追い焚き循環回路のそれぞれからの一対の管路が同じ燃焼缶体2に通されて加熱されるようになっている。なお、本発明は、本実施形態に示す1缶2水路式もしくは図12に示す1缶1水路式のいずれの熱交換器にも、あるいは、逆燃式もしくは上燃式のいずれの熱交換器にも適用可能である。また、本実施形態は1缶2水路式の構造を採る点及び細部構造において図12に示す1缶1水路式のものとは異なるものの、逆燃式の構造を採る点で図3に示すものと基本的には同様の構造を有するものである。
【0031】
すなわち、上記燃焼缶体2の上部にはバーナとして灯油等の液体燃料を燃料とする燃料噴霧式バーナ(ガンタイプバーナ)3が取り付けられ、このバーナ3はバッフル板31に向けて下向きに火炎を噴射して熱媒体としての燃焼ガスを左右方向(図1の左右方向)に拡散した状態で後述の燃焼室22内を筒軸方向一側である上から他側である下に向けて流すようになっている。一方、上記燃焼缶体2の下端部には排気処理管4がその排気フランジ41を介して接合されており、後述のフィン形熱交換部6を通過した後の燃焼ガスを排出するようになっている。上記排気フランジ41が後述の断熱壁部材10の基端縁を支持する受け部を構成することになる。
【0032】
上記燃焼缶体2は角筒形状の胴筒壁21を有し、内部空間が燃焼室22を構成している。上側部位の胴筒壁21の外周面21aには一対の配管5a,5bからなる導入管5が螺旋状に巻回された状態でロー付けされている一方、燃焼室22の下端部寄りの位置にはフィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部6が上記燃焼室22を横切るように配設されている。
【0033】
上記導入管5の配管5aは給湯回路を構成する入水管と連通されてこの配管5a内に水道からの水が被加熱媒体として供給され、配管5bは追い焚き循環回路を構成する戻り管に連通されてこの配管5b内に図示省略の浴槽内の湯水が被加熱媒体として供給されるようになっている。
【0034】
上記フィン形熱交換部6は、それぞれ左右方向(直交一軸方向)に延び比較的狭い間隔を隔てて互いに平行に配置された多数のフィン7,7,…からなるフィン群と、前後方向(図1の紙面に直交する方向;直交他軸方向)に延びて上記各フィン7を貫通する一対の配管8a,8bからなる吸熱管8とが組み付けられたものである。上記吸熱管8の配管8aの上流端は上記配管5aと連通されて配管8a内に水が供給され、配管8bの上流端は上記配管5bと連通されて配管8b内に湯水が供給されるようになっている。そして、配管8aの下流端が給湯回路の出湯管と連通されてお湯を各カラン等に出湯させ、配管8bの下流端が追い焚き循環回路の往き管と連通されて追い焚き後の湯水を浴槽に戻すようになっている。
【0035】
上記吸熱管8は、上段に5列、下段に4列の吸熱管部81〜89がそれぞれ左右方向に所定間隔を隔てて配置され、上記吸熱管部81〜89が燃焼缶体2の外部で曲がり管90,90,…(図2参照)により直列に連通されて各配管8a,8bが1本の連続した流路を形成するようになっている。そして、上記吸熱管8には上流端91側から導入管5から供給された水及び湯水がそれぞれ配管8a及び8bに個別に流されて下流端92に至るようになっている。具体的には、水もしくは湯水が上記の上流端91から最初に上段において胴筒壁21に相隣接する吸熱管部81に流されてこの吸熱管部81から吸熱管部82,83,84,85の順に流され、続いて下段の吸熱管部86に流されてこの吸熱管部86から吸熱管部87,88,89の順に流されて上記の下流端92に至るようになっている。なお、図1において上記の各吸熱管部81〜89は一対の配管8a,8bにより構成されたものを表している。
【0036】
上記各フィン7の左右方向寸法L2は、相対向する両胴筒壁21,21の内面間寸法Lに対し左右方向両端側にそれぞれ設定寸法L1だけ短く設定され、また、最も胴筒壁21,21寄りに配置される上段の左右両側位置の吸熱管部81,85と、この各吸熱管部81,85から各フィン7の左右方向両端縁までのフィンの張り出し寸法として燃焼ガスが通過し得る設定寸法L3が設定されている。
【0037】
上記設定寸法L1に相当する部分、すなわち、左右各側の胴筒壁21の内面21bと、この内面21bに相対向する各フィン7の端縁との間の部分には介装部材としての断熱壁部材10が介装され、この両断熱壁部材10、10はそれぞれ胴筒壁21の内面21bに対し密着した状態でその内面21bを覆うようになっている。上記の各断熱壁部材10は、石綿系もしくはアルミナ(Al2O3)及びシリカ(SiO2)を主成分とするセラミックファイバに対し少量の無機バインダを加えた断熱素材を用いて所定の厚み及び形状を有するように予め成形された成形品により形成されている。そして、フィン熱交換部6が燃焼缶体2に組み込まれた状態で、そのフィン形熱交換部6の左右方向両端、つまり、各フィン7の左右方向両端縁と、これに相対向する胴筒壁内面21bとの間の隙間9,9に対し下側もしくは上側から上記断熱壁部材10,10を内装し、この状態で両胴筒壁21,21の外方から内向きに所定の加圧力を加えることにより上記各断熱壁部材10を胴筒壁21の内面21bに密着させるようにしている。これにより、各断熱壁部材10が上記内面21bに密着した状態でその各断熱壁部材10と、これに相隣接する吸熱管部81,85との間に上記設定寸法L3の左右方向幅を有する隙間11が形成されるようになっている。
【0038】
以上の構成の熱交換器においては、給湯回路による給湯運転が行われると、入水管からの水がまず導入管5の配管5aに流され、その水が続いてフィン形熱交換部6の吸熱管8の配管8aに流されることになる。次いで、バーナ3の燃焼作動が開始され、これにより、燃焼室22内を上から下に向かい高温の燃焼ガスが流される。この状態では、燃焼缶体2の上側部位の胴筒壁21が燃焼ガスと接触するものの導入管5内の水により水冷される一方、下側部位の胴筒壁21においては上記燃焼ガスとの接触が断熱壁部材10により阻止されるためその下側部位の胴筒壁21の温度上昇を防止もしくは可及的に抑制することができる。なお、追い焚き循環回路による追い焚き運転の場合にも湯水が配管5b,8bに流れる点を除けば上記の場合と同様となる。
【0039】
一方、フィン形熱交換部6においては、上方のバーナ3側から供給される燃焼ガスが胴筒壁21側に最も近い吸熱管部81,85に対しても左右方向(横断面方向)両側で偏ることなく流れ、この燃焼ガスとの接触により上記各吸熱管部81,85の断面方向の全体からほぼ均一に加熱されることになる。すなわち、上記燃焼ガスが、各断熱壁部材10と各吸熱管部81,85との間の上下方向隙間11、及び、上記各吸熱管部81,85と中央寄りの各吸熱管部82,84との間の上下方向隙間の双方に流れ、これら各吸熱管部81,85の左右両側を通過する燃焼ガスにより各吸熱管部81,85が全体的にほぼ均一に加熱されることになる。これにより、左右両側での温度差に起因する結露発生等のおそれを確実に解消させることができる。特に、導入管5から相対的に低温の水もしくは湯水が最初に流される吸熱管部81においては顕著な効果を得ることができることになる。
【0040】
しかも、各フィン7の左右方向各端縁と、胴筒壁21とが従来の如くロー付けされておらず互いに非接触とされているため、フィン形熱交換部6の特に各フィン7に対する熱的応力の負荷を低減させることができる上に、ロー付けされた場合と比べ上記熱的応力の負荷を受けない分、燃焼缶体2の耐久性向上を図ることができるようになる。加えて、熱交換器の製造工程においては、従来必要としていた多数のフィン700,700,…(図13参照)と、胴筒壁内面201bとのロー付け工程を全て省略することができ、製造の容易化、工数減少化によるコスト低減化をも図ることができるようになる。
【0041】
以上の如き作用・効果が得られる熱交換器において、断熱壁部材10のフィン形熱交換部6への組み付けは以下のようにして行われる。
【0042】
すなわち、上記フィン形熱交換器6を構成するフィン群の内の前後方向両端位置の各フィン7aと、この各フィン7aに隣接する各フィン7bとには、図3にも示すように左右方向(図2の上下方向、図3の左右方向)両端縁から外方に突出して下向きの凸段部を構成するフィン突片71がそれぞれ形成されている。つまり、上記各突片71の下向き縁72と横向き縁73とにより下向きの凸段部が構成されている。一方、各断熱壁部材10の前後方向(図2の左右方向、図3の斜め方向)両側の上側角部分が直角に切り欠かれて上向きの凹段部101が形成されている。つまり、横向き縁102と、上向き縁103とにより上記上向きの凹段部101が構成されている。なお、図3においては上記各凹段部101を誇張して図示し(図2と対比)、また、吸熱管8を省略して図示している。
【0043】
そして、上記各介装部材10を下側から上側に向けて若干斜めにして各隙間9に対し差し入れることにより、上記各凹段部101の上向き縁103をフィン突片71の下向き縁72に突き当て、この突き当てた状態で各介装部材10の基端縁100を受け部としての排気フランジ41に載置する(図1参照)。この後、上述の如く加圧力を付加させて各断熱壁部材10を胴筒壁内面21bに密着させるようにする。
【0044】
以上により各断熱壁部材10は、フィン形熱交換部6に対し上方への移動が凹段部101とフィン突片71との当接により、下方への移動が排気フランジ41により、前後方向への移動が各断熱壁部材10の各横向き縁102とフィン7bの突片71の表面との当接により、左右方向への移動が各断熱壁部材10の表裏面が各フィン7の両端縁と胴筒壁内面21bとに挟み込まれることにより、それぞれ確実に阻止された状態に組み付けられる。これにより、給湯器塔への組み付けや運搬時においても、あるいは、燃焼缶体2内での熱的環境下での継続的使用によっても各断熱壁部材10の位置ずれや脱落を確実に防止して下側部位の胴筒壁21の温度上昇抑制効果を確実に維持することができるようになる。
【0045】
図4は上記の第1実施形態による組み付け構造を原理的に示す図3対応図である。この図4においては、フィン突片71をフィン群の内の前後方向両端位置の各一枚のフィン7a,7aの左右方向両端縁にのみ形成した場合を示している。それ以外は図3についての上記の説明と同じであり、同じ構成要素には同じ符号を付している。以下の実施形態においては、このような原理的に図示したものを用いて説明するが、組み付けられた状態は図1及び図2に具体的に示すものと同様の熱交換器となる。
【0046】
<第2実施形態>
図5及び図6に示す第2実施形態は、断熱壁部材10を隙間9(図1及び図2参照)に対し第1実施形態とは逆に上から下に差し入れるものである。
【0047】
この第2実施形態では、フィン群の内の前後方向両端位置の各1枚のフィン7a,7aの左右方向両端縁のそれぞれ上端側位置にフィン突片71aを突出形成する。この各フィン突片71aは上記フィン7aと同じ例えば銅製の薄板により一体に形成され、折曲可能となっている。このフィン突片71aも下向き縁72aと、横向き縁73aとにより下向きの凸段部が構成されている。
【0048】
一方、各断熱壁部材10には、その前後方向両端位置の上端側位置がそれぞれ直角に切り欠かれて横向き面102aと、上向き縁103aとにより上向きの凹段部101a,101aが形成されている。
【0049】
そして、上記各フィン突片71aを図6に示すように断熱壁部材10の上下方向への通過を許容するような回避位置(図6に実線で示すフィン突片71a参照)まで内側に折曲した状態に予めしておき、この状態で各断熱壁部材10を隙間9(図1及び図2参照)に対し上から下に差し入れる。
【0050】
この差し入れにより各断熱壁部材10の基端縁100が排気フランジ41(図1参照)に載置されれば、次に、各フィン突片71aをフィン7aと同じ面上に延びるような係合位置(図6に二点鎖線で示すフィン突片71a参照)まで復元するよう折り曲げ直す。これにより、各フィン突片71aの下向き縁72aが凹段部101aの上向き縁103aと略当接した状態となる。以下、第1実施形態と同様に左右方向両側の胴筒壁21,21(図1及び図2参照)に内向きの加圧力を負荷させればよい。
【0051】
この第2実施形態の場合にも、第1実施形態と同様に各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6に対し上下方向、左右方向及び前後方向への全ての移動が阻止された状態に組み付けることができる。
【0052】
<第3実施形態>
図7に示す第3実施形態は、排気フランジ41(図1参照)の存在を必要とすることなく、各断熱壁部材10のフィン形熱交換部6に対する上下方向両側への移動を阻止した状態に各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6に組み付け得るものである。
【0053】
本第3実施形態では、フィン形熱交換部6の前後方向両端位置の各1枚のフィン7a,7aの左右方向両端縁にそれぞれ上下方向に所定間隔を隔てて上側位置のフィン突片74と、下側のフィン突片75とを一体に突出形成する。下側フィン突片75においては、上向き縁76と、横向き縁77とにより各断熱壁部材10を下から上に差し入れる場合の順向き凸段部としての上向き凸段部が構成されることになる。また、上側フィン突片74においては、上記横向き縁77と、下向き縁78とにより上記の差し入れ方向の場合の逆向き凸段部としての下向き凸段部が構成されることになる。
【0054】
一方、各断熱壁部材10には、その前後方向両端縁に上記両フィン突片74,75の間隔に対応する上下方向寸法部分を除いて上側と下側の各部分が切り欠かれて順向き凹段部としての上向き凹段部104と、逆向き凹段部としての下向き凹段部105とが形成されている。具体的には、上記上向き凹段部104は横向き縁106と、上向き縁107とにより構成される一方、下向き凹段部105は横向き縁108と下向き縁109とにより構成されている。
【0055】
そして、上記各断熱壁部材10を下から上に差し入れる場合には上記下側フィン突片75を図8に示すように断熱壁部材10の上下方向への通過を許容するような回避位置(図8に実線で示すフィン突片75参照)まで内側に折曲した状態に予めしておき、この状態で各断熱壁部材10を隙間9(図1及び図2参照)に対し下から上に差し入れる。
【0056】
この差し入れにより各断熱壁部材10の上向き凹段部104の上向き縁107が上側フィン突片74の下向き縁78に突き当たれば(図8に一点鎖線で示す状態参照)、次に、上記下側フィン突片75をフィン7aと同じ面上に延びるような係合位置(図8に二点鎖線で示すフィン突片75参照)まで復元するよう折り曲げ直す。これにより、上記下側フィン突片75の上向き縁76が下向き凹段部105の下向き縁109と略当接した状態となる。以下、第1実施形態と同様に左右方向両側の胴筒壁21,21(図1及び図2参照)に内向きの加圧力を負荷させればよい。
【0057】
なお、上記とは逆に上記各断熱壁部材10を上から下に差し入れる場合には上側フィン突片74を予め上記と同様の回避位置まで折曲させておけばよい。
【0058】
この第3実施形態の場合には、排気フランジ41を用いることなく、各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6に対し上下方向、左右方向及び前後方向への全ての移動が阻止された状態に組み付けることができる。
【0059】
なお、本第3実施形態の場合には、フィン形熱交換部6を燃焼缶体2(図1参照)に取り付ける前の段階において各断熱壁部材10を上記フィン形熱交換部6に対し組付けるようにしてもよい。この場合には、上記下側フィン突片75を回避位置に折曲することなく係合位置のままにしておき、この状態のフィン7aに対し各断熱壁部材10をその両凹段部104,105がフィン7aの両凸段部74,75に内嵌されるように左右方向外方から内方に向けて組み付ければよい。
【0060】
<第4実施形態>
図9に示す第4実施形態は、燃焼缶体2に対する取り付けを行う前の段階のフィン形熱交換部6に対し各断熱壁部材10を一体に組み付け得るものである。
【0061】
本第4実施形態は、第3実施形態と同様に、上向き凹段部104と、下向き凹段部105とを形成した断熱壁部材10と、上側フィン突片74と、下側フィン突片79とを形成したフィン7aとを用いるものであるが、上記下側フィン突片79の突出長さが断熱壁部材10の厚みに相当する寸法に先端部位79aに要する所定の寸法を加えたものに設定されている点で第3実施形態と異なる。
【0062】
そして、各断熱壁部材10をフィン7aに対し左右方向外方位置から内方に向けて組み付けるようにして、上向き凹段部104を上側フィン突片74により構成された下向き凸段部に、下向き凹段部105を下側フィン突片79により構成された上向き凸段部にそれぞれ内嵌させる。この後、上記下側フィン突片79の先端部位79aを断熱壁部材10の外面に沿うように折曲する(図9に二点鎖線から実線で示す先端部位79a参照)。
【0063】
この第4実施形態の場合には、排気フランジ41を用いることなく、各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6に対し上下方向、左右方向及び前後方向への全ての移動が阻止された状態にすることができる上に、その各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6に対し一体に保持された状態に組み付けることができる。これにより、各断熱壁部材10が組み付けられた状態でフィン形熱交換部6の運搬等を単体で容易に行い得る。
【0064】
<第5実施形態>
図10に示す第5実施形態は、隙間9(図1参照)に対し各断熱壁部材10を単に介装させるだけで、両側の胴筒壁21,21に加圧力を負荷することにより、上記各断熱壁部材10をフィン形熱交換部6と一体に結合し、かつ、胴筒壁21と断熱壁部材10とを密着させ得るものである。
【0065】
すなわち、本第5実施形態ではフィン形熱交換部6を構成する全フィン7,7,…の左右方向両端縁に、それぞれその上下方向全範囲にわたり鋸歯状の食い込み縁部70を形成する。一方、各断熱壁部材10は所定厚みの矩形板状のものとする。上記食い込み縁部70は断熱壁部材10に食い込み得るようなギザギザ形状であればどのような形状でもよいが、本第5実施形態では特に断熱壁部材10の上方への位置ずれを防止するために図11に示すように斜め縁701と、下向き縁702とが連続するギザギザ形状を採用している。
【0066】
そして、図10及び図11に示すように格断熱壁部材10を食い込み縁部70と胴筒壁21(図11に一点鎖線で示す胴筒壁21)との間の隙間9に対し上から下に向けて差し入れ、その基端縁100を排気フランジ41(図1参照)に載置させる。次に、左右方向両側の胴筒壁21,21を左右方向内側に向けて加圧することにより、各断熱壁部材10の内面に上記食い込み縁部70を食い込ませる。
【0067】
以上により、各断熱壁部材10は上下方向、左右方向及び前後方向のいずれにも移動が阻止された状態になると共に、胴筒壁内面21b(図1参照)に対して密着した状態となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の各実施形態を示す縦断面図であり、図14に対応する。
【図2】図1のC−C線における断面説明図である。
【図3】第1実施形態の組み付け構造を示す分解斜視図である。
【図4】第1実施形態を原理的に示す図3対応図である。
【図5】第2実施形態を示す図4対応図である。
【図6】第2実施形態の組み付け手順を説明する部分斜視図である。
【図7】第3実施形態を示す図4対応図である。
【図8】第3実施形態の組み付け手順を説明する部分分解斜視図である。
【図9】第4実施形態を示す部分斜視図である。
【図10】第5実施形態を示す図4対応図である。
【図11】図1と同方向からみた第5実施形態の部分拡大断面説明図である。
【図12】従来の熱交換器を説明する断面説明図である。
【図13】図12のA−A線における拡大断面説明図である。
【図14】図12のB−B線における拡大断面説明図である。
【符号の説明】
2 燃焼缶体(熱交換缶体)
6 フィン形熱交換部
7,7a,7b フィン
8 吸熱管
9 隙間
10 断熱壁部材(介装部材)
21 胴筒壁
21b 胴筒壁内面
22 燃焼室(内部空間)
41 排気フランジ(受け部)
70 食い込み縁部
71、71a フィン突片(凸段部)
74 上側フィン突片(逆向き凸段部)
75 下側フィン突片(順向き凸段部)
79 フィン突片(凸段部)
79a 先端部位
100 基端縁
101、101a 凹段部
104 上向き凹段部(順向き凹段部)
105 下向き凹段部(逆向き凹段部)
Claims (9)
- 胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が上記筒軸方向に差し入れられて介装されてなる熱交換器の組み付け構造であって、
上記フィン群の内の少なくとも1枚のフィンにはその直交一軸方向端縁から上記直交一軸方向外方に突出して上記筒軸方向に向いた凸段部が形成される一方、上記各介装部材には上記凸段部に対し上記筒軸方向に相対向する凹段部が形成され、
上記各介装部材は、その凹段部が上記フィンの凸段部に対し上記筒軸方向に相対向した状態で突き当てられて上記筒軸方向への移動が阻止された状態で上記フィン群に対し組み付けられている
ことを特徴とする熱交換器の組み付け構造。 - 請求項1記載の熱交換器の組み付け構造であって、
凸段部が形成されるフィンはフィン群の内の直交他軸方向両側に位置する少なくとも各1枚のフィンであり、
凹段部は介装部材の直交他軸方向両端縁にそれぞれ形成されている、熱交換器の組み付け構造。 - 請求項1または請求項2記載の熱交換器の組み付け構造であって、
熱交換缶体の筒軸方向他側端位置には胴筒壁内方に突出する受け部が配設され、
介装部材が上記筒軸方向他側から一側に向けて差し入れられその凹段部がフィンの凸段部に突き当てられた状態とされ、この状態で上記介装部材の差し入れ側とは逆の基端縁が上記受け部に当接されて差し入れ側とは逆向きの移動が阻止された状態とされている、熱交換器の組み付け構造。 - 請求項2記載の熱交換器の組み付け構造であって、
熱交換缶体の筒軸方向他側位置には胴筒壁内方に突出する受け部が配設され、
凸段部は折曲可能に形成されたフィン突片により構成され、介装部材が上記筒軸方向一側から他側に向けて差し入れられる際には上記フィン突片が上記介装部材の差し入れを許容するよう折曲された状態とされる一方、上記介装部材が差し入れらてその差し入れ側の先端縁が上記受け部に当接された状態では上記フィン突片が復元されて上記凸段部が上記介装部材の凹段部に相対向した状態にされている、熱交換器の組み付け構造。 - 請求項2記載の熱交換器の組み付け構造であって、
フィンには、介装部材の差し入れ側に向いた順向き凸段部と、逆側に向いた逆向き凸段部とが形成され、
介装部材には、上記順向き凸段部に相対向する逆向き凹段部と、上記逆向き凸段部に相対向する順向き凹段部とが形成され、
上記順向き凸段部を構成するフィン突片は折曲可能に形成され、上記介装部材が差し入れられる際には上記フィン突片が上記介装部材の差入れを許容するよう折曲された状態とされる一方、上記介装部材が差し入れられてその順向き凹段部が上記フィンの逆向き凸段部に突き当てられた状態では上記フィン突片が復元されて上記順向き凸段部が上記逆向き凹段部に相対向した状態にされている、熱交換器の組み付け構造。 - 胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が介装されてなる熱交換器の組み付け構造であって、
上記フィン群の内の直交他軸方向両側に位置する少なくとも各1枚のフィンにはその直交一軸方向端縁から上記筒軸方向に向いた凸段部を構成しかつ上記介装部材の直交一軸方向厚みよりも長く突出するフィン突片が形成される一方、上記各介装部材には上記フィン突片の凸段部に対し上記筒軸方向に相対向する凹段部が形成され、
上記凸段部を構成するフィン突片は折曲可能に形成され、このフィン突片が延びた状態で上記介装部材が上記直交一軸方向外方から上記フィン群に対し上記凸段部に上記凹段部が当接するよう内嵌され、上記介装部材が内嵌された状態で上記フィン突片の先端部位が上記介装部材の直交一軸方向外面に沿うよう折曲されることにより介装部材がフィン群に対し組み付けられている、熱交換器の組み付け構造。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに記載の熱交換器の組み付け構造であって、
介装部材が介装された状態で直交一軸方向に相対向する両胴筒壁が内向きへ加圧されることにより、上記介装部材の上記直交一軸方向外面がこの外面に相対向する胴筒壁と密着された状態にされている、熱交換器の組み付け構造。 - 胴筒壁を有しその内部空間に筒軸方向一側から他側に向けて熱媒体が流される熱交換缶体に対し、フィンアンドチューブ形式のフィン形熱交換部が上記内部空間を横切るように取り付けられ、上記フィン形熱交換部が上記筒軸方向に直交する直交二軸の内の一軸方向に延びる少なくとも3枚以上のフィンからなるフィン群と、他軸方向に延びて上記フィン群を貫通する複数列の吸熱管とにより構成され、上記フィン群の上記直交一軸方向両端縁と、この両端縁と相対向する胴筒壁との間の各隙間に板状の介装部材が上記筒軸方向に差入れられて介装されてなる熱交換器の組み付け構造であって、
上記フィン群の各フィンの直交一軸方向両側端縁がそれぞれ鋸歯状の食い込み縁部とされ、
上記各介装部材が上記各食い込み縁部と、この食い込み縁部に相対向する胴筒壁との間の隙間に差し入れられた状態で上記直交一軸方向に相対向する両胴筒壁が内向きへ加圧されることにより、上記食い込み縁部が上記各介装部材のフィン側内面に食い込んだ状態にされている
ことを特徴とする熱交換器の組み付け構造。 - 請求項7又は請求項8記載の熱交換器の組み付け構造であって、
介装部材は断熱性素材により板状に形成された断熱壁部材である、熱交換器の組み付け構造。
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