JP4173904B2 - 平坦な台から成る３次元アンテナアレイを有するセキュリティタグとその製作方法 - Google Patents

Description

本発明は、セキュリティタグに関し、より詳しくは、無線周波数識別（ＲＦＩＤ）タグを配置するのに利用できる所定の体積に対して検出を最適化するＲＦＩＤタグ用の極超短波（ＵＨＦ）ダイポールアンテナシステムに関する。

連続供給プロセスによって製造される低価格タグは、通常、タグ台から形成されるから、２次元である。２次元タグの性能は、一般に、タグインタロゲータ及びリーダのアンテナに対するタグのアンテナの方位の強い関数である。

インタロゲータ／リーダの方位に対するタグの感度を低減する一つの手法は、入射電磁界からより大きなエネルギーを抽出するように、タグアンテナの有効面積を増大させることである。ダイポールアンテナを用いた別の手法は、タグ台の平面内で２個以上のアンテナを互いに角度を成して方位設定することである。しかしながら、上記の両手法は、より大きなタグに帰着することにより、製造費の上昇と市場性の低下を招く。

ＲＦＩＤタグに２個のダイポールアンテナの使用を図るために、米国メリーランド州、ロックビルのマトリックス社（Matrics, Inc.）は、接地端子と共に複数の無線周波数（ＲＦ）入力を備えるＲＦＩＤシステムＩＣ（例えば、マトリックスタグＸ１０２０）を開発した。
しかしながら、特に、ＲＦＩＤタグとの交信にＵＨＦ周波数（例えば、８５０−９５０ＭＨｚ）やマイクロ波周波数（例えば、２．３−２．６ＧＨｚ）を使用する場合、ＲＦＩＤタグが配置される所定体積に対して検出を最適化するＵＨＦ（又はマイクロ波）ダイポールアンテナシステムへの必要が残る。

インタロゲータ又はリーダから発信される信号の受信を最適化するセキュリティタグ（例えば、ＲＦＩＤセキュリティタグ）に使用されるアンテナ構造。そのアンテナ構造は、第１ダイポール及び第２ダイポールを含む平面（例えば、ウェブ材料）を形成するように、非平行で非コリニアな構造に配置された第１ダイポール及び第２ダイポールと、上記平面の外に配置された第３ダイポールとを備える。

インタロゲータ又はリーダから発信された信号の受信を最適化するセキュリティタグ（例えば、ＲＦＩＤセキュリティタグ）用の３次元アンテナを製作する方法。その方法は、ウェブ材料（例えば、基板、平坦な台、紙、プラスチック等）を供給するステップ（ａ）と、第１ダイポールと第２ダイポールを、互いに非平行で非コリニアにウェブ材料上に形成するステップ（ｂ）と、第３ダイポールをウェブ材料上に形成するステップ（ｃ）と、第３ダイポールの部分をウェブ材料から解放するように、ウェブ材料を切断するステップ（ｄ）と、上記解放部分をウェブ材料から移動させるステップ（ｅ）とを備える

当業者は、本発明の広範な概念から逸脱することなしに実施の形態に対して変更をなし得ることを認識するだろう。従って、本発明は開示された特定の実施の形態に制限されるのではなく、添付請求項によって画定されるように本発明の精神と範囲の中で修正例を包含することを意図していることが理解されるだろう。

図１において、ＲＦＩＤセキュリティタグ２０は、３次元アンテナを備える。ＲＦＩＤセキュリティタグ２０は、ＲＦＩＤ集積回路（ＩＣ）２２に接続された３個のダイポールアンテナを備える。Ｘ軸（図１Ａの軸方位参照）のダイポールアンテナは、アンテナスタブＸ１とＸ２を備える。Ｙ軸のダイポールアンテナは、アンテナスタブＹ１とＹ２を備える。最後に、Ｚ軸の第３のダイポールアンテナは、アンテナスタブＺ１とＺ２を備える。このＲＦＩＤセキュリティタグ２０は、容器、例えば、球形容器、立方体箱形容器等内に包装される。ＲＦＩＤセキュリティタグ２０は、船積パレットへの設置、例えば、梱包又は包装材料への導入に理想的である。３次元全てにおけるダイポールの存在は、特に、ＵＨＦ周波数範囲（例えば、８５０−９５０ＭＨｚ）及びマイクロ波範囲（例えば、２．３−２．６ＧＨｚ）の信号に対して、タグ２０が存在する所定の体積にインタロゲータ又はリーダ（不図示）から発信された信号のＲＦＩＤタグ２０による検出を最適化する。よって、３次元アンテナは、２次元アンテナよりも改善をもたらすと共に、直線状又は波状の単一ダイポールアンテナよりも良好に動作する。

Ｚ軸ダイポールを製造する非常に経済的な方法は、全てのダイポールを作製するセキュリティタグ平坦台プロセスを使用することである。特に、図２Ａと図２Ｂに示すように、全ての３個のダイポールは、ウェブ材料（図２Ａ）の平坦なシート上に製作されると共に、ＲＦＩＤ集積回路２２に電気的に接続される。後続の段階で、ダイポールの一つを接続するウェブ材料が切断（図２Ａの線Ｃ参照）されることにより、各ダイポールの自由端（ＦＥ）が、残りの２個のダイポールに垂直に（軸方位の図２Ｃ参照）Ｘ−Ｙ平面から折り曲げられる（図２Ｂ）。

本発明のＲＦＩＤセキュリティタグ２０のダイポールアンテナは、従来のエッチング、印刷（例えば、銅又は銀インク、フレキソ印刷）、打抜き、レーザー切断等を用いて製造することができる。ウェブ材料２４は、紙、プラスチック等を含む平坦な台又は基板を備える。好ましい実施の形態において、ウェブ材料２４の厚さは２５−９０ミクロンの範囲内であり、アンテナスタブＸ１−Ｚ２又は要素１２２／１２４（図３−５及び対応する説明参照）、例えば、金属トレースは、６０ミクロン以上の範囲内であり得る。しかしながら、ウェブ材料２４とアンテナスタブＸ１−Ｚ２／要素１２２／１２４の厚さがそれらの範囲に決して制限されるものではなく、それらの範囲が本発明の範囲を決して制限しないことが、当業者には理解される。事実、本発明の最も広い範囲内では、アンテナスタブ／要素がウェブ材料２４の表面と同面である場合を含んで、ウェブ材料２４に埋込まれたアンテナスタブ／要素を含む。ＲＦＩＤ集積回路２２は、ワイヤボンディング、フリップチッププロセス、コンタクト接合等を用いてアンテナスタブに電気的に接続される。ＲＦＩＤ集積回路２２へのスタブ／要素の接続は、各種のダイポールから受信した信号をＲＦＩＤ集積回路２２に供給するように、整流器及びマルチプレクサさえも用いて達成される。よって、本発明の最も広い範囲内では、全てのダイポールのスタブを、基板上又は基板内に形成し、次に、ＲＦＩＤ集積回路２２に電気的に接続するいかなるプロセスも含まれる。更に、本発明の最も広い範囲内では、両方の全開示内容が参考のために本明細書に組込まれていると共に、両方が本願と同じ譲受け人、即ち、チェックポイントシステムズ社である「セキュリティタグ、それを作製する装置及び方法」と題する２００４年２月２３日提出の米国特許出願第６０／５４７２３５号又は「セキュリティタグとそれを作製する方法」と題する２００２年９月５日提出の米国特許出願第１０／２３５７３３号に開示されているセキュリティタグ製造プロセスも含まれる。アンテナスタブ（Ｘ１−Ｚ２）は、トリミングできる同調スタブと、Ｚ軸スタブＺ１とＺ２がＸ−Ｙ平面から引出される前に、３個のダイポールを適当に同調（例えば、ダイポールが基板上又は基板内に位置する間のダイポールのインライン同調）するように修正し得るインピーダンス整合用の保持バーとを含む。

好ましい実施の形態は、第１と第２のダイポールに対して直角に方位設定された第３のダイポール（スタブＺ１／Ｚ２）を含むけれども、本発明の最も広い範囲内では、第１と第２のダイポールによって形成されるＸ−Ｙ平面の外に配置されているが、その平面に対して必ずしも直角でないスタブを有する第３のダイポールが含まれることを理解すべきである。よって、図２Ｂに示される角度θ_１とθ_２は、Ｘ−Ｙ平面内の水平基準線に対して０°と９０°の間にある。更に、本発明の最も広い範囲内では、角度θ_１とθ_２は等しくない。

図３の平面図には、電子商品監視（ＥＡＳ）型及びＲＦＩＤ型のタグに使用されるタグ台２４上に形成された多数のダイポール要素を有する２次元アンテナアレイの別の実施の形態１２０が示される。特に、この実施の形態１２０では、２個の折り曲げられたダイポール要素、即ち、切断タグ台２４の周囲に沿った外方要素１２２と、外方要素１２２の領域内の内方要素１２４とが示されている（ＲＦＩＤ集積回路２２は不図示）。内方要素１２４は、ダイポールスタブ１２４Ａと１２４Ｂを備える。好ましくは、内方要素１２４と外方要素１２２は、アンテナスタブを形成する導電性トレースに帰着するいくつかのタグ製造プロセス（これらの全ては、タグ２０について上述したものであると共に、実施の形態１２０にも適用できる）のいずれかによって、非導電性タグ台基板２４上に形成される。このようなプロセスは、打抜き、導電性インク印刷、導電性箔のエッチングと追加めっきを含むがこれらに制限されない。基板は、重合体材料であることが好ましいが、紙等の別の大略非導電性の材料でもよい。

図４では、図３の実施の形態１２０が、３次元アンテナアレイに折り曲げられている。３次元アンテナアレイは、打抜きプロセス又は同様のプロセスを用いて内方要素１２４の周囲の回りで図４ＡのＸ−Ｙ平面内の基板２４を切断すると共に、外方要素１２２のＸ−Ｙ平面に対して角度を成す直立位置に内方要素１２４を折り曲げることにより、２次元アンテナアレイから形成される。図５では、外方要素１２２に対して大略垂直な図４のアンテナの内方要素１２４が、ロックハウジング１０の一部を含む硬質タグ（例えば、再使用可能なセキュリティタグ）ハウジングの背面シェル１２６内に設置されている。好ましい実施の形態２０と異なり、第２の実施の形態１２０は、両方のアンテナスタブ１２４Ａと１２４Ｂを平坦なタグ台２４の同一面上に設けることによって形成される。

第２の実施の形態１２０の内方要素１２４は外方要素１２２に対して直角に方位設定されているけれども、本発明の最も広い範囲内では、外方要素１２２によって形成されるＸ−Ｙ平面の外に配置されているが、その平面に対して必ずしも直角でないスタブ１２４Ａと１２４Ｂを有する内方要素１２４が含まれることを留意すべきである。よって、図４に示される角度θ_Ａとθ_Ｂは、Ｘ−Ｙ平面内の水平基準線に対して０°と９０°の間にある。更に、本発明の最も広い範囲内では、角度θ_Ａとθ_Ｂは等しくない。

図１乃至図５に示す３次元アンテナアレイは、描写した実施の形態の特定の実施に制限されない。例えば、内方要素１２４と外方要素１２２は、折り曲げたダイポールである必要はなく、ループ等の他のアンテナ構造であり得る一方、アレイは、ループとダイポール等の各種のアンテナ要素構造の組合せであり得る。更に、２次元アンテナの要素は、互いに内方に形成する必要はなく、互いに隣接し得る。又、本発明の精神内で、要素の個数は２個より大きくてもよいと共に、要素は、互いに任意の角度に方位設定され得る。

当業者には明らかであるように、アンテナアレイを３次元に広げることによって、アンテナアレイの性能が、アンテナアレイを形成するために消費するタグ台の大きさについて改良される。２次元アンテナアレイと同じ面積を維持することによって、アンテナアレイの性能は、タグの費用を増大させることなく上昇させられる。別のやり方として、２次元アンテナアレイと同じ性能をより安価なタグで得るために、アンテナ面積を減らしてもよい。

３次元アンテナを有するセキュリティタグの機能図である。 基準カーテシアン座標軸を示す図である。 ＲＦＩＤ集積回路と、タグの製造中に基板の一部として３次元アンテナ用のアンテナスタブとを含む基板の一部を示す図である。 第３（Ｚ）軸のダイポールアンテナを形成するために、２個のアンテナスタブを基板からどのように引出すかを示す図である。 基準カーテシアン座標軸を示す図である。 ２次元に配置された多数の要素を有するタグ台の平面図である。 ３次元に折り曲げられたアンテナ要素を有するタグ・インレイの斜視図である。 第２の実施の形態における基準カーテシアン座標軸を示す図である。 硬質タグハウジングの背面シェルに設置された折り曲げタグの斜視図である。

符号の説明

１０ ロックハウジング
２０ ＲＦＩＤセキュリティタグ
２２ ＲＦＩＤ集積回路
２４ ウェブ材料
１２２ 外方要素
１２４ 内方要素
１２６ 背面シェル

Claims (15)

1. インタロゲータ又はリーダから発信された信号の受信を最適化するセキュリティタグに使用されるアンテナ構造において、
   平坦な絶縁基板（２４）の上に非平行で非コリニアな構造に配置された第１ダイポール（Ｘ１、Ｘ２）及び第２ダイポール（Ｙ１、Ｙ２）と、部分（ＦＥ）を有する第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）とを備え、更に、第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）は、絶縁基板（２４）の上に形成された後、上記部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から切離して上記部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から折り曲げることにより、絶縁基板（２４）から突出するアンテナ構造。
2. 第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）が、第１アンテナスタブ（Ｚ１）と第２アンテナスタブ（Ｚ２）を備え、更に、絶縁基板（２４）が、互いに反対の第１面と第２面を含み、更に、第１アンテナスタブ（Ｚ１）が、第１面側で絶縁基板（２４）の外に配置される一方、第２アンテナスタブ（Ｚ２）が、第２面側で絶縁基板（２４）の外に配置される請求項１に記載のアンテナ構造。
3. 第１アンテナスタブ（Ｚ１）と第２アンテナスタブ（Ｚ２）が、夫々、第１面と第２面に対して直角に配置される請求項２に記載のアンテナ構造。
4. 第１ダイポール（Ｘ１、Ｘ２）、第２ダイポール（Ｙ１、Ｙ２）と第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）が、ＲＦ周波数に同調される請求項２に記載のアンテナ構造。
5. 上記ＲＦ周波数が、約８５０−９５０ＭＨｚの周波数帯のＵＨＦ周波数である請求項４に記載のアンテナ構造。
6. 上記ＲＦ周波数が、約２．３−２．６ＧＨｚの周波数帯のマイクロ波周波数である請求項４に記載のアンテナ構造。
7. 第１ダイポール（Ｘ１、Ｘ２）、第２ダイポール（Ｙ１、Ｙ２）と第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）が、ＲＦ周波数に同調される請求項３に記載のアンテナ構造。
8. 上記ＲＦ周波数が、約８５０−９５０ＭＨｚの周波数帯のＵＨＦ周波数である請求項７に記載のアンテナ構造。
9. 上記ＲＦ周波数が、約２．３−２．６ＧＨｚの周波数帯のマイクロ波周波数である請求項７に記載のアンテナ構造。
10. インタロゲータ又はリーダから発信された信号の受信を最適化するセキュリティタグ用の３次元アンテナを製作する方法において、
    平坦な絶縁基板（２４）を供給するステップ（ａ）と、第１ダイポール（Ｘ１、Ｘ２）と第２ダイポール（Ｙ１、Ｙ２）を、互いに非平行で非コリニアに絶縁基板（２４）上に形成するステップ（ｂ）と、第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）を絶縁基板（２４）上に形成するステップ（ｃ）と、第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）の部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から切離すステップ（ｄ）と、第３ダイポール（Ｚ１、Ｚ２）の上記部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から折り曲げるステップ（ｅ）とを備える方法。
11. 上記ステップ（ｃ）が、第１アンテナスタブ（Ｚ１）と第２アンテナスタブ（Ｚ２）を作製するステップを備え、更に、上記ステップ（ｄ）が、第１アンテナスタブ（Ｚ１）の第１部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から切離すと共に第２アンテナスタブ（Ｚ２）の第２部分（ＦＥ）を絶縁基板（２４）から切離すステップを備える請求項１０に記載の方法。
12. 絶縁基板（２４）が、互いに反対の第１面と第２面を含み、更に、上記ステップ（ｅ）が、第１部分（ＦＥ）と第２部分（ＦＥ）を第１面から又は第２面から折り曲げるステップを備える請求項１１に記載の方法。
13. 絶縁基板（２４）が、互いに反対の第１面と第２面を含み、更に、上記ステップ（ｅ）が、第１部分（ＦＥ）を第１面から折り曲げると共に、第２部分（ＦＥ）を第２面から折り曲げるステップを備える請求項１１に記載の方法。
14. 第１部分（ＦＥ）と第２部分（ＦＥ）を第１面から又は第２面から折り曲げる上記ステップが、第１部分（ＦＥ）と第２部分（ＦＥ）を第１面から又は第２面から直角に折り曲げるステップを備える請求項１２に記載の方法。
15. 第１部分（ＦＥ）を第１面から折り曲げると共に、第２部分（ＦＥ）を第２面から折り曲げる上記ステップが、第１部分（ＦＥ）と第２部分（ＦＥ）を、夫々、第１面と第２面から直角に折り曲げるステップを備える請求項１３に記載の方法。

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