JP4173776B2 - 疲労特性に優れた表面接触電気抵抗の小さいステンレス鋼板およびその製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面接触電気抵抗を小さくしたCu含有ステンレス鋼素材であって、特に、疲労特性を強化した鋼板素材、およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気接点材に使用される素材には、従来から導電性の高い銅合金が多用されている。しかし、耐食性の観点から、最近ではステンレス鋼素材が使用されるケースが増えてきた。電気接点材の通電特性には素材自体の「電気抵抗率」だけでなく、「接触電気抵抗」が大きく影響する。特にステンレス鋼素材は表面が不動態皮膜に覆われており、その皮膜は一般に鋼素地(母材)より導電性が悪い。このため、ステンレス鋼素材を電気接点材に使用するには、接触電気抵抗をいかに小さくするかが重要になる。
【0003】
下記特許文献1には、接触抵抗を低減したステンレス鋼板が開示されている。その処方は、1.0重量%以上のCuを含有させたステンレス鋼板を用いるものであり、具体的には次の2通りが提案されている。
[1] Cuリッチ相を0.2体積%以上の割合でマトリクス中に分散させる処理を行い、このとき表面に露出したCuリッチ相によって接触電気抵抗を低減させる手法。
[2] 不動態皮膜中にCuを、重量比でCu/(Si+Mn)が0.5以上となるように濃化させて、皮膜自体の導電性を向上させることにより接触電気抵抗を低減させる手法。
また、[1]と[2]の複合手段によると一層効果があるという。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−89865号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
電気接点用途のなかでも各種タクトスイッチ等では、押しボタンのクリック感が心地よいものであり、かつ高頻度での長期間の使用によってもそのクリック感が低下しない素材が望まれる。そのためには素材の「疲労特性」が重要であることがわかってきた。発明者らが検討したところ、特許文献1のステンレス鋼板では疲労特性が十分とは言えず、上記ニーズに十分対応できないことが判明した。
【0006】
疲労特性に優れたステンレス鋼板としては、SUS301等のオーステナイト系鋼種に時効処理あるいは強冷延を施した材料が挙げられる。しかし、表面接触電気抵抗が大きいため、これを電気接点部品に使うには表面にめっきを施す等の処理が必要となる。
【0007】
また、タクトスイッチの形状はドーム型となっていることから、その材料は加工性にも優れていなければならない。
【0008】
本発明は、表面接触電気抵抗が小さく、かつ良好な加工性を維持しながら疲労特性を改善したステンレス鋼板であって、めっきを施さずに無垢のままで電気接点部品に使用できるものを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らが種々検討したところ、無垢のステンレス鋼素材において表面接触電気抵抗を低減するには、特許文献1に教示されるCu添加の作用を利用することが有利であると判断された。しかし、特許文献1のCuリッチ相を析出させるには800℃前後で1〜24時間の時効処理が必要であるとされる。また、表面皮膜にCuを濃化させるには更に最終的な光輝焼鈍または大気焼鈍+酸洗の工程を要するとされる。このような熱処理を経て製造されたステンレス鋼板において疲労特性を向上させることは極めて困難である。
【0010】
そこで、発明者らは、金属組織を含めて抜本的に素材設計の見直しを行った。その結果、加工誘起マルテンサイト相のマトリクス中にCuリッチ相を分散させることにより、そのCuリッチ相を表面接触電気抵抗の低減と疲労特性の向上の両面に寄与させることが可能であることを見出した。また、そのマルテンサイトを誘起する際の冷間圧延による歪みがドライビングフォースとなるためか、結果的に低温・短時間の時効処理が可能になり、かつ、この時効処理は表面皮膜にCuを濃化させるための最終的な焼鈍をも兼ねることが可能になった。熱処理の低温・短時間化や、加工誘起マルテンサイト相の存在も疲労特性の向上に寄与すると考えられた。さらに、冷間圧延率の調整により良好な加工性も維持できることがわかった。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
【0011】
すなわち、上記目的は、質量%で、C:0 . 06%以下,S i :0 . 6%以下,M n :2 . 0%以下,N i :6 . 0〜9 . 0%,C r :15 . 0〜20 . 0%,C u :3 . 0〜5 . 0%,N:0 . 05%以下,M o :0(無添加)〜0 . 20%,残部がF e および不可避的不純物からなり、かつ、下記(1)式で定義されるMd30値が−50〜−20になるように成分調整された化学組成を有し、加工誘起マルテンサイト相を50〜80体積%含み、かつ、そのマルテンサイト相のマトリクス中にCuリッチ相が0.1体積%以上の割合で分散した金属組織を有し、光輝熱処理された表面状態を有し、硬さが550Hv以下である疲労特性に優れた表面接触電気抵抗の小さいステンレス鋼板によって達成される。とりわけ最表層におけるSi,MnおよびCuの濃度が質量比で下記(2)式を満たすとき表面接触電気抵抗の低減効果は非常に大きい。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ……(1)
Cu/(Si+Mn)≧0.2 ……(2)
【0012】
ここで、「Cuリッチ相」とはCuを主体とする(すなわち、Cuを80原子%以上含む)第2相をいう。Cuリッチ相の前記「0.1体積%以上」とは、加工誘起マルテンサイト相の体積100に占める、その中に含まれるCuリッチ相の体積が0.1以上の割合であることを意味する。具体的には、加工誘起マルテンサイト相部分の電子顕微鏡観察画像において算出されるCuリッチ相の体積率である。
(1)式の元素記号の箇所には、質量%で表された各元素の含有量が代入される。
「最表層」とは、不動態皮膜および表面に露出しているCuリッチ相の両方を含む。したがって、(2)式で表される元素濃度比は、鋼板表面のある一定面積を表面分析法(例えばGDS)により分析したときの元素濃度比に対応する。
光輝熱処理された表面状態とは、非酸化性ガス雰囲気中で行った加熱処理ままの表面状態である。
「鋼板」には「鋼帯」が含まれ、また板厚0.050mm以下の「箔」状のものも含まれる。
【0013】
上記鋼板において、疲労限界応力が900N/mm2以上であるものが提供される。また、特に優れた特性を有するものとして、硬さが500Hv以下であるもの、あるいは疲労限界応力が1000N/mm2以上であるものが提供される。
疲労限界応力は、繰返し回数が107を超えたときの最大応力である。
【0015】
さらに、質量%で、C:0 . 06%以下,S i :0 . 6%以下,M n :2 . 0%以下,N i :6 . 0〜9 . 0%,C r :15 . 0〜20 . 0%,C u :3 . 0〜5 . 0%,N:0 . 05%以下,M o :0(無添加)〜0 . 20%,残部がF e および不可避的不純物からなり、かつ、前記(1)式で定義されるMd30値が−50〜−20になるように成分調整された焼鈍鋼板に、圧延率80%以下の冷間圧延を施して加工誘起マルテンサイトが50〜80体積%含まれる組織とし、その後、70体積%以上のH2を含む非酸化性雰囲気中において、400〜600℃,0.1〜2分の光輝熱処理を施して前記マルテンサイト相のマトリクス中にCuリッチ相が0.1体積%以上の割合で分散した金属組織とする、硬さが550Hv以下である疲労特性に優れた表面接触電気抵抗の小さいステンレス鋼板の製造法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明では、電気接点部品に望まれる耐食性を確保するために、Cr含有量が15.0質量%以上のステンレス鋼を対象とする。ただし、Cr含有量が多すぎると加工誘起マルテンサイトの生成量が少なくなるので、Crの上限は20.0質量%とする。
【0017】
Cuは、Cuリッチ相の形成および表面皮膜へのCuの濃化によりステンレス鋼板の表面接触電気抵抗の低減に寄与し、また、Cuリッチ相を加工誘起マルテンサイト相マトリクス中に分散させることにより疲労特性の向上に寄与する。これらの作用を十分に引き出すため、本発明では3.0質量%以上のCu含有を必要とする。3.2質量%以上の含有が一層好ましい。Cu含有量の上限については、基本的に後述の(1)式を満たすことができ、かつ営業上の製造が可能である限り、特に制限されるものではない。通常の製造工程を考慮すると、Cu含有量の好ましい上限は5.0質量%である。
【0018】
ステンレス鋼には通常、C,Si,Mn,N等の元素が含まれる。オーステナイト形成元素であるNiを添加することもある。耐食性向上や析出強化の目的でMoを添加することもある。本発明では、疲労特性を向上させるために加工誘起マルテンサイト相を適量含む組織状態を得る必要があるため、下記(1)式で定義されるMd30値が−50〜−20の範囲になるように、C,Si,Mn,Ni,Cr,Cu,N,Moの含有量を調整する。−50〜−25の範囲とすることが一層好ましい。
Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ……(1)
【0019】
これら元素の好ましい含有量範囲は、質量%で、C:0.06%以下,Si:0.6%以下,Mn:2.0%以下,Ni:6.0〜9.0%,N:0.05%以下である。Moは必要に応じて0.2%以下の範囲で添加すればよい。CrおよびCuについては上述のとおりである。
【0020】
以上のように化学組成を調整した鋼は、冷間圧延により加工誘起マルテンサイト相を生成させることができる。本発明では、冷間圧延率の調整により、50〜80体積%の加工誘起マルテンサイト相を含む組織状態とする。この組織状態を得るには、熱延鋼板または冷延鋼板を焼鈍してオーステナイト組織とし、これに例えば60%以上の冷間圧延を施せばよい。ただし、十分な加工性を確保するために、このときの冷間圧延率は80%以下の範囲で行うことが望ましい。
【0021】
次いで、熱処理を施すことによりCuリッチ相を生成させる。種々検討の結果、前記の加工誘起マルテンサイト相のマトリクス中に、そのマルテンサイト相の体積100に対して0.1以上の体積率を占めるCuリッチ相を分散して析出させたとき、表面接触電気抵抗の低減と疲労特性の向上が同時に達成できることがわかった。このような析出状態のとき、残部のオーステナイト相マトリクス中にも適量のCuリッチ相が析出しており、結果的に鋼板表面に露出するCuリッチ相のトータル量が表面接触電気抵抗の大幅な低減に寄与するに十分な量となると考えられる。また、加工誘起マルテンサイト相マトリクスにCuリッチ相による適度な歪みが加えられ、これが疲労特性の向上に寄与するものと考えられる。
【0022】
Cuリッチ相の析出処理は、600℃以下の比較的低温で、しかも2分以下という短時間の熱処理で行うことができる。これは、加工誘起マルテンサイト相に蓄えられた冷延歪みがドライビングフォースになるためと考えられる。また、この熱処理を「光輝熱処理」とすれば、Cuリッチ相の生成と同時に、酸洗工程を経ることなく表面の不動態皮膜中のCu濃度を高めることができ、表面接触電気抵抗の一層の低減を図ることができる。Cuリッチ相の析出処理と表面へのCu濃化処理を1つの熱処理で済ませることは、マルテンサイト相マトリクスに付与した歪みを低減してしまうことの防止に役立ち、これは疲労特性の向上に極めて有効となる。
【0023】
具体的な熱処理条件としては、70体積%以上のH2を含み、残部が例えばN2等の不活性ガスからなる非酸化性雰囲気において、400〜600℃で0.1〜2分加熱する光輝熱処理が採用できる。露点は−30℃以下に調整することが望ましい。これにより、下記(2)式を満たすようにCuが濃化した最表層を形成することができ、その結果、特に優れた表面接触電気抵抗の低減効果が得られる。
Cu/(Si+Mn)≧0.2 ……(2)
【0024】
タクトスイッチ等に適した加工性を保持するために、鋼板の硬さは550Hv以下に調整する。500Hv以下にすることが一層好ましい。また、タクトスイッチのクリック感および耐久性を高性能化するために、鋼板の疲労限界応力は900N/mm2以上にすることが好ましい。1000N/mm2以上にすることが一層好ましい。これらの特性は、前述した化学組成,冷間圧延,および光輝熱処理の条件範囲内で実現できる。
【0025】
【実施例】
表1に供試鋼の化学組成を示す。各鋼とも、熱間圧延→熱延板焼鈍→冷間圧延→焼鈍の工程を経て、素地をオーステナイト単相組織とし、これに70〜90%の冷間圧延を施して板厚0.05mmの極薄鋼帯を作製した。その後、連続焼鈍ラインにおいて、93体積%H2+7体積%N2雰囲気で550℃×均熱1分の光輝熱処理(露点は−30℃以下)を施し、試料鋼板とした。なお、一部の供試鋼については光輝熱処理を施さずに、冷延ままの鋼帯を試料鋼板とした。
【0026】
【表1】
Figure 0004173776
【0027】
各試料鋼板について、加工誘起マルテンサイト量,硬さ,表面接触電気抵抗,90°曲げ加工性,疲労限界応力,マルテンサイト相マトリクス中に占めるCuリッチ相の体積率,最表層のCu/(Si+Mn)値を調べた。
【0028】
加工誘起マルテンサイト量は、光学顕微鏡を用いた金属組織観察により求めた。なお、光輝熱処理の前後において、加工誘起マルテンサイト量にはほとんど変化がないことを確かめている。残部のマトリクスはオーステナイト相であった。
硬さは、試料表面に荷重200gを負荷した場合のビッカース硬さである。
表面接触電気抵抗は、図1に示す構成の装置を用いて、純金製の線材で作った接触子を試料表面に100gの荷重で押しつけたときの接触抵抗を、4端子法にて測定して求めた。接触荷重はバネをねじることによって発生する回転トルクを利用して調整される。この装置では、荷重のON/OFFに連動したステージの走査によって接触位置を自動的に変えることができるようになっている。
90°曲げ加工性は、V曲げ試験を行い、試験片の表面観察によって以下のように評価した。
○:加工部に肌荒れ,割れ,亀裂が認められない。
△:加工部に肌荒れが認められる。
×:加工部に割れや亀裂が認められる。
【0029】
疲労限界応力は、幅3.0×長さ100mmの短冊状試験片について、片繰り曲げ試験機を用いて、繰返し回数が107を超えたときの最大応力を求め、これを疲労限界応力とした。
Cuリッチ相の体積率は、試料鋼板中の加工誘起マルテンサイト相について透過型電子顕微鏡観察を行って求めた。このCuリッチ相はε−Cu相を主体とするものであると考えられる。
最表層のCu/(Si+Mn)値は、試料鋼板の表面におけるCu,SiおよびMnの濃度(質量比)をGDS(グロー放電発光分析)を用いて測定し、その値から算出した。
表2に結果を示す。
【0030】
【表2】
Figure 0004173776
【0031】
本発明例のものは、適正量の加工誘起マルテンサイトを有し、その中に0.1体積%以上のCuリッチ相が分散した組織状態を呈することにより、表面接触電気抵抗の低減と疲労特性の向上が同時に実現された。さらに、加工性も良好であった。
【0032】
これに対し、比較例No.1はCu含有量が不足するため、表面接触電気抵抗の向上が見られなかった。No.2および6はMd30値が低いため、加工誘起マルテンサイト量を十分に確保できず、疲労特性が向上しなかった。No.3はMd30が高いため、加工誘起マルテンサイト量が多くなりすぎ、加工性に劣った。No.4および7は光輝熱処理を施さなかったので、Cuリッチ相が十分生成せず、疲労特性に劣った。No.5は冷間圧延率が高すぎたため、加工性に劣った。
【0033】
【発明の効果】
本発明では、ステンレス鋼素材において、i) 表面接触電気抵抗の低減,ii) 疲労特性の向上,iii) 加工性の確保、を同時に実現した。本発明のステンレス鋼板は、無垢のままで高性能・高耐久性が要求されるタクトスイッチの電気接点部品を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面接触電気抵抗を測定する装置の構成を示した図。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0 . 06%以下,S i :0 . 6%以下,M n :2 . 0%以下,N i :6 . 0〜9 . 0%,C r :15 . 0〜20 . 0%,C u :3 . 0〜5 . 0%,N:0 . 05%以下,M o :0(無添加)〜0 . 20%,残部がF e および不可避的不純物からなり、かつ、下記(1)式で定義されるMd30値が−50〜−20になるように成分調整された化学組成を有し、加工誘起マルテンサイト相を50〜80体積%含み、かつ、そのマルテンサイト相のマトリクス中にCuリッチ相が0.1体積%以上の割合で分散した金属組織を有し、光輝熱処理された表面状態を有し、硬さが550Hv以下である疲労特性に優れた表面接触電気抵抗の小さいステンレス鋼板。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ……(1)
  2. 最表層におけるSi,MnおよびCuの濃度が質量比で下記(2)式を満たす請求項1に記載の鋼板。
    Cu/(Si+Mn)≧0.2 ……(2)
  3. 硬さが500Hv以下である請求項1または2に記載の鋼板。
  4. 疲労限界応力が900N/mm2以上である請求項1または2に記載の鋼板。
  5. 硬さが500Hv以下、かつ、疲労限界応力が1000N/mm2以上である請求項1または2に記載の鋼板。
  6. 質量%で、C:0 . 06%以下,S i :0 . 6%以下,M n :2 . 0%以下,N i :6 . 0〜9 . 0%,C r :15 . 0〜20 . 0%,C u :3 . 0〜5 . 0%,N:0 . 05%以下,M o :0(無添加)〜0 . 20%,残部がF e および不可避的不純物からなり、かつ、下記(1)式で定義されるMd30値が−50〜−20になるように成分調整された焼鈍鋼板に、圧延率80%以下の冷間圧延を施して加工誘起マルテンサイトが50〜80体積%含まれる組織とし、その後、70体積%以上ののH2を含む非酸化性雰囲気中において、400〜600℃,0.1〜2分の光輝熱処理を施して前記マルテンサイト相のマトリクス中にCuリッチ相が0.1体積%以上の割合で分散した金属組織とする、硬さが550Hv以下である疲労特性に優れた表面接触電気抵抗の小さいステンレス鋼板の製造法。
    Md30=551−462(C+N)−9.2Si−8.1Mn−29(Ni+Cu)−13.7Cr−18.5Mo ……(1)
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