JP4173543B2 - 真核細胞にヌクレオチド配列を挿入し得る天然または合成のレトロエレメント配列 - Google Patents
真核細胞にヌクレオチド配列を挿入し得る天然または合成のレトロエレメント配列 Download PDFInfo
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Description
レトロウイルスを遺伝子ベクターとして使用する技術が進歩し、最近では、(i)キャプシド形成細胞系の改良、(ii)エンベロープタンパク質の向性の操作、(iii)多重遺伝子の発現、という3つの目的に使用されるようになっている。組込み状態のプロウイルスは、シス作用するいくつかの必須エレメントを含むので、プロウイルス構造の修飾が十分に利用されてはいなかった。これらのエレメントが多くの問題の原因となっている。
構造面から見ると、レトロウイルスベクター系は、2つのエレメント、即ち、トランス相補性遺伝子(gag、pol及びenv)と、シス作用する配列(U3、R、U5、ポリプリントラック(PPT)、プライマー結合部位(PBS)並びにキャプシド形成及びダイマー形成シグナル)と、から構成されている。
トランス相補性遺伝子はトランス相補性細胞に取込まれている。これらの遺伝子は標的細胞に導入されない。
シス作用する配列はレトロウイルスベクターに取込まれている。これらの配列の大部分は感染標的細胞に移入され、組換えプロウイルスに組込まれる。シス作用するこれらの配列のいずれかが除去されると、レトロウイルス系が機能しなくなる。キャプシド形成シグナルは、ウイルス粒子内のレトロウイルスゲノムのキャプシド形成に必要である。PBS、PPT及びRは逆転写に必要である。U3配列及びU5配列は逆転写のため及び細胞に導入されたレトロウイルス産物の組込みに必須である。
プロウイルスが組込まれた後、これらの配列は遺伝子発現に不要になる。逆に、これらの配列が多くの問題の原因となることさえある。例えば、(i)U3配列の強いプロモーターの存在によって転写妨害が生じることもある。(ii)PBSは内部プロモーターに対してシス配置の阻害エレメントとして作用することもある。例えば、多機能細胞中で、PBSは強いリプレッサーに対する認識配列であり、更に、阻害エレメントとして作用する。(iii)U3配列は、−345と−306との間の直接反復配列から成る遠隔アクチベーター中に位置する負の調節要素の少なくとも1つを含む。(iv)3′LTR(long terminal repeat、末端反復配列)は細胞の隣接遺伝子を活性化し得るが、その結果はしばしば細胞に悪影響を及ぼす。(v)5′LTRのプロモーターから発現されたRNAはキャプシド形成シグナルを含み、その結果として、レトロウイルス粒子中に回収され得る。このRNAは、表現型の細胞性RNAまたはレトロウイルスRNAとの間で組換えを生じ、(生命に危険を及ぼすことも有り得る)新規な特性を獲得したレトロウイルスが回収される。ゲノム内のウイルスの複製及び挿入にはこれらのすべてのエレメントが必要であるため、これらの問題はまだ完全には解決されていない。
上記のような状況下で本発明の発明者らは、宿主細胞内へのプロウイルスの組込み後に不要になったプロウイルス配列の大部分を除去し得るように設計された天然または合成のレトロエレメント配列、特にレトロウイルスヌクレオチド配列、より特定的にはこのような配列を含むレトロウイルスベクターを開発した。より詳細にはこのレトロウイルス配列は、単独LTR配列、レトロトランスポゾンまたはU3、RもしくはU5領域を含む配列を、宿主細胞のゲノムに組込ませ得るレトロウイルスDNAである。
本発明はまた、本発明のレトロエレメント配列または該配列を含むベクターによるトランスフェクション後に得られる宿主細胞、好ましくは真核細胞に関する。
従って本発明は、レトロエレメント配列を含むレトロウイルスが標的細胞に感染したときに標的細胞に移入され得る領域に取込まれており組換えプロウイルスに組込まれる挿入配列を含むことを特徴とするレトロエレメント配列に関する。より特定的には上記挿入配列は、シス作用する領域、より詳細には3′LTR領域または5′LTR領域、好ましくは、このレトロウイルス配列の3′LTRのU3領域または5′LTRのU5領域に取込まれている。この挿入配列は、宿主細胞のゲノムに組込まれ得る有益なヌクレオチド配列と、リコンビナーゼ認識配列とを含む。好ましくは、レトロウイルス配列のアセンブリが有益な配列に対して例えば上流または下流に位置する認識配列を1つだけ含むが、この位置関係は必須要因ではない。レトロウイルス配列を含むレトロウイルスが標的細胞に感染したときに標的細胞に移入される領域に認識配列が含まれているならば、有益なヌクレオチド配列は認識配列の下流に存在してもよい。本発明のレトロウイルスベクターが含む挿入配列の最大長さは通常は0.5〜10kbの範囲である。
より詳細には、本発明の配列はまた、その認識部位の配列を認識し得るリコンビナーゼをコードするDNA配列を含む。リコンビナーゼをコードするこのDNA配列は、ベクターの5′LTR領域と3′LTR領域との間に位置するのが有利である。本発明はまた、上記配列を含むレトロウイルスベクターまたは組換えレトロウイルスに関する。好ましくは、レトロウイルスベクターは、組換えレトロウイルスの形態で存在することができ、標的細胞に移入され得る領域に取込まれた認識配列を1つだけ含んでいる。
従って本発明のDNAは、有益な配列がプロウイルスに組込まれた後に不要となるプロウイルス配列の挿入を伴うことなく、有益なヌクレオチド配列をレトロウイルスベクターを介して真核細胞などの宿主細胞に挿入し得る。
上記に使用した「有益なヌクレオチド配列」なる用語は、宿主細胞のゲノムに挿入され、特に治療またはワクチン接種のために有益な分子を宿主細胞に産生させ得る配列に関して使用されている。これらの有益な配列としては特に、本発明のレトロウイルスベクターを遺伝子治療に使用するときにはタンパク質(ホルモン、免疫グロブリン、酵素など)があり、ワクチン接種プロトコルの分野で本発明のレトロウイルスベクターを使用するときにはヒトまたはヒト以外のタンパク質(例えばウイルスタンパク質)、などをコードする遺伝子、DNA配列またはRNA配列がある。有益なヌクレオチド配列の一部はまた、一方で宿主細胞に同種または異種の調節要素(即ち、プロモーター、アクチベーター)から構成され、他方で1つもしくは複数の遺伝子または相補的DNAの全部または一部をコードする配列から構成されている。更に、有益なヌクレオチド配列はまた、アンチセンスRNAまたはリボザイム配列をコードし得る。
本発明のレトロエレメント配列は多くの用途を有し得る。遺伝子がより発現し易い環境で真核細胞のような宿主細胞にヌクレオチド配列を挿入するという単純な目的で本発明の配列を使用してもよく、または、遺伝子治療もしくはワクチン接種のために本発明の配列を使用してもよい。例えば、Nature Medicine,Volume No.7,1995年7月、に記載されているプラスミドpMEPVH/pMEPVLまたはpMEPVH/pREPVKのインサートに対応する配列を有益な配列として使用してもよく、in vivo発現産物は治療用組成物の1成分であってもよい。
本発明のレトロウイルスベクターは、トランス相補性ウイルス細胞系を、好ましくはプラスミドの形態を有しておりかつ好ましくはLTRの1つ、特に右のLTRに有益なヌクレオチド配列と認識配列とを含んでいる本発明のレトロエレメント配列によってトランスフェクションすることによって得られる。プラスミドは更に、有益な配列の上流または下流に位置する認識部位を認識し得るリコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列を含み得る。このヌクレオチド配列は好ましくは3′LTR領域と5′LTR領域との間に位置している。ウイルス細胞系のトランスフェクションの終了後にレトロウイルスベクターが得られる。このレトロウイルスベクターを所望の宿主細胞に感染させ、有益なヌクレオチド配列を宿主細胞に組込ませる。
上記に定義のプラスミド、及び、該プラスミドによる細胞系のトランスフェクション方法も本発明の範囲に包含される。
本発明はまた、有益なヌクレオチド配列を真核細胞のような宿主細胞に導入する方法またはプロセスに関する。方法の特徴は、U3領域、U5領域及び/またはR領域のようなレトロエレメントに対応する配列を真核細胞に導入し、該配列を有益なヌクレオチド配列に結合させることである。この方法の特徴は、真核細胞に導入すべきヌクレオチド配列から成る本発明のレトロウイルス配列を含むレトロウイルスベクターを真核細胞に感染させる第一段階と、組換えられた細胞から有益な配列を発現させ次いで該配列の産生物の諸成分を発現させる第二段階とを含み、第一段階が、宿主細胞ゲノムに導入すべき配列を含むレトロウイルスベクターの単独LTRが細胞の細胞性ゲノムに組込まれるような条件下で行われることである。
本発明はまた、患者の複数の標的細胞のゲノムに組込まれ得る遺伝子を含むヌクレオチド配列から成る本発明のレトロウイルスベクターを有効量で投与する医学的治療方法に関する。従って、本発明のレトロウイルスベクターは遺伝子治療に使用され得る。
本発明はまた、レトロウイルスの単独LTR領域を含むプロウイルス構造をそのゲノムに組込んだ細胞宿主に関する。このLTR配列は、有益なヌクレオチド配列の単一コピーを含む。より詳細には、本発明の細胞宿主は真核細胞であり、プロウイルス構造の特徴は、PBS配列、キャプシド形成及びダイマー形成シグナル、及び/またはPPTを本質的に含まないことである。
本発明はまた、単一のLTR配列またはその一部分と有益な配列とを含む組換え細胞宿主に関する。
本発明はまた、本発明のレトロエレメント配列またはレトロウイルスベクターの使用方法に関する。本発明のレトロエレメント配列またはレトロウイルスベクターは、本発明のレトロウイルスDNAに含まれている有益なヌクレオチド配列によってコードされたタンパク質を宿主細胞中で産生させる目的で使用されてもよく、または、有益なヌクレオチド配列を患者の標的細胞のゲノムに組込むという医学的治療目的で使用されてもよい。
より特定的には、本発明の配列はまた、抗体をコードするヌクレオチド配列を宿主細胞に導入し得る。これを細胞外免疫感作と呼ぶ。その理由は、これらの配列から産生された抗体がこれらの配列を組込んだ細胞の内部で効果を発揮するからである。本発明のレトロウイルス配列及びレトロウイルスベクターを使用して宿主細胞に組込まれ得る抗体をコードするヌクレオチド配列の非限定例としては、HIVウイルスのエンベロープタンパク質の認識抗体、特にHIV−1ウイルス及びHIV−2ウイルスのgp120タンパク質、並びに、逆転写酵素を阻害し得る抗体がある。このような抗体は特に、Maciejewskiらの刊行物(Nature Medicine,Volume No.7,1995年7月)に記載されている。本発明のレトロウイルスベクターはこれらの有益なヌクレオチド配列をより有効に組込むことができるので、その組込みに相応して治療効果も向上する。
従って本発明は、HIVウイルスのタンパク質またはタンパク質のフラグメントを認識する抗体をコードする有益なヌクレオチド配列と、認識ヌクレオチド配列とを含むレトロウイルスベクターの使用に関する。これらの2つのヌクレオチド配列は、感染後にヒトリンパ球に導入され得る領域に存在する。好ましくは、これらの2つの配列は、レトロウイルスベクターの3′LTR領域に存在する。
本発明はまた、有益なヌクレオチド配列によってコードされた分子を宿主細胞中で発現させる方法またはプロセスに関する。方法は以下の段階を含む:
−有益なヌクレオチド配列を含む本発明のレトロウイルスベクターを宿主細胞に感染させる段階;
−有益なヌクレオチド配列が発現し得る条件下で宿主細胞を増殖させる段階;及び、
−所望の分子を回収する段階。
本発明のレトロウイルスヌクレオチド配列及びレトロウイルスベクターは、所望の有益なヌクレオチド配列の組込みが可能になるような複数の方法で使用され得る。実際、発明者らは、リコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列がベクターの構成要素であるときに組込み効率が高いが、リコンビナーゼの発現をレトロウイルスベクターに直接関連させる必要がないことを証明した。
本発明の第一の実施態様においては、有益なヌクレオチド配列と有益な配列の下流または上流に位置する認識配列とから成りレトロウイルスベクターの3′LTR領域または5′LTR領域に存在する第一ヌクレオチド配列と、第一ヌクレオチド配列に等しい配列でありベクターの5′LTR領域に挿入された第二ヌクレオチド配列とを含むレトロウイルスベクターを感染によって宿主細胞のゲノムに挿入する。認識配列を認識し得るリコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドもトランスフェクションによって細胞に導入する。トランスフェクションによって導入されたリコンビナーゼの発現がプロウイルスの構造を形質転換させ、2つのLTRをもつプロウイルスが単独LTRをもつプロウイルスになる。この種の反応では、修飾されたプロウイルスを含む安定な形質転換体の割合は約50%である。この程度の結果しか得られない理由は、トランスフェクション後に、リコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドが一過的に発現し、組込まれることなく組換えられたためであると説明できる。
本発明の第二の実施態様では、有益な配列とこの有益な配列の下流または上流に位置する認識配列とを含むヌクレオチド配列から成るレトロウイルス配列を使用する。完全配列をレトロウイルスの3′LTR領域に挿入する。このようにして得られたレトロウイルスベクターを次に、認識配列を認識し得るリコンビナーゼを構成的に発現するかまたは誘導によって発現する細胞系に感染させる。このような系は、特にリコンビナーゼをコードする遺伝子がレトロウイルス感染直後から発現されるときには、高い効率を示す。
本発明の第三の実施態様では、レトロウイルスベクターがその3′LTR領域に挿入されたヌクレオチド配列を含む。このヌクレオチド配列は、有益な配列とリコンビナーゼによって認識され得る認識配列とを含む。認識配列は、有益な配列の下流または上流に位置する。更に、リコンビナーゼをコードする遺伝子とプロモーターとが、レトロウイルスベクターの2つのLTRの間でこのレトロウイルスベクターに挿入されている。次に、このレトロウイルスを細胞に感染させる。このようなレトロウイルスベクターは、単独のLTRを有するプロウイルスだけを産生する。組込み後に分析した全部のイベントがこの構造を有しているので、この系の効率は高い。このようなレトロウイルスベクターの主な利点は、2つのLTRの間で惹起し易い組換えイベントと、リコンビナーゼをコードする遺伝子の欠失とを結び付けたことである。従って、感染細胞はリコンビナーゼを一過的に発現するだけである。
本発明の好ましい実施態様の1つにおいて、発明者らは、バクテリオファージP1の部位特異的リコンビナーゼ系Creloxを使用した。認識部位LoxPをΔEnh型のベクターの有益なヌクレオチド配列の上流の3′LTRに挿入し、リコンビナーゼcreをコードする遺伝子を2つのLTRの間に挿入した。産生細胞系において、タンパク質Creはプロウイルスプラスミドの構築によって発現される。しかしながら、プラスミドは標的loxPを1つしか含まないので、タンパク質Creによって組換えられない。感染後、loxP部位は3′LTRから5′LTRに複写される。Creは2つの直接反復部位loxPの組換えを生じさせ、その結果、PBS、キャプシド形成及びダイマー形成シグナル及びPPTも含めて、2つのloxPの間に含まれているすべての配列が欠失する。結局、リポーター遺伝子を含む単独LTRだけが細胞のゲノムに組込まれた状態で残る。cre遺伝子も組換えによって消失する。
上述したすべての好ましい実施態様において、一般にはレトロウイルスに外来の配列である有益なヌクレオチド配列は、レトロウイルス配列の3′LTRのU3領域に導入されるのが有利である。実際、3′LTRのU3領域に配列を導入する可能性、完全転写ユニットさえも導入できるという可能性に関しては極めて十分な情報が提供されている。しかしながら、レトロウイルスベクターの3′LTRのU3領域以外の領域に有益な配列を導入することを計画してもよい。その例としては、5′LTRのU5領域がある。更に、認識部位は有益なヌクレオチド配列の直ぐ下流または上流に位置することが好ましいが、この配列が32ntと4.5Kbと間の範囲のかなりの遠距離に配置されてもよく、この場合にも標的細胞への有益な配列の最終的な組込みに対する影響は生じない。
ウイルスDNAのU3領域に導入される外来遺伝子産物の量は多い量でもよく、いくつかの場合には4kbpを上回る量でもよい。これらの配列はまた独立プロモーターを有する完全転写ユニットに対応してもよく、このことはこれらのベクターの多様性を証明する。
本発明のレトロウイルスベクターの3′LTRにはかなりの量の外来遺伝子産物を導入できるので、これらのレトロウイルスベクターから、細胞、より特定的には真核細胞に遺伝子配列を挿入するための極めて優れた系を作製し得る。従って、複数の基準真核細胞を形質転換させることが可能である。本発明の状況下で使用され得る真核細胞としては特に、NIH3T3、BRL、HM1、D3、PLL4、LTなどの基準細胞株がある。
本発明の特定実施態様は、レトロウイルスベクターの3′LTR領域にマーカーをコードするヌクレオチド配列が挿入されるように設計されている。このマーカーの存在は新規な産生物の挿入を証明するために役立つ。
使用可能なマーカーの非限定例としては、以下のマーカー、即ち、LacZ、GFP(緑色蛍光タンパク質)、CD9、PAL(アルカリ性ホスファターゼ)及びHRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)を例示し得る。
リコンビナーゼ系Creloxは本発明のレトロウイルスベクターに極めて好適な系を構成しているが、別のリコンビナーゼ系も使用できる。使用可能なリコンビナーゼ系の非限定例としては以下の系、即ち、酵母FLP系(いわゆる“Fllp”)及び細菌R系を例示し得る。
従って本発明のレトロウイルスベクターは、宿主細胞にDNAを有効に移入する手段を提供する。プロウイルスの組込みは正確であり、染色体の再構成は生じない。重複ベクターの構想は、5′LTRの内部の遺伝子をレトロウイルス転写ユニットの外部に転位させることによって遺伝子の発現が向上するという理論から生まれたものである。
キャプシド形成シグナルの存在は、レトロウイルスと内在性プロウイルスとの間の配列組換えによる複製にコンピテントなウイルスを発生させることがあり、PPT及び他のシス作用エレメントの存在は転位を生じさせることがあり、PBS配列の存在は、トランスジーンの発現に負の効果を与えることがあり得るが、本発明のレトロウイルスベクターを使用した場合にはこれらのウイルス配列がすべて欠失しているので上記のようなイベントはいずれも極めて発生し難い。
sLTR(単独LTR)系は一般的なレトロエレメントの構築に導入された新規な構想である。例えばヒトのHIV、HTLVウイルスまたはヤギのCAEVウイルスのように、粒子が有利な宿主スペクトルを有している多数のレトロウイルスが存在しているが、これらをベクターとするためには、ビリオンを正確に組立ててビリオンを感染性にすることができるシス作用性またはトランス作用性のいくつかの配列が存在する必要があり、これらの配列は上記に引用した配列とは異なった配列である。組込み終了後にシス作用性またはトランス作用性の調節要素は、翻訳された遺伝子には不要になるが、細胞に対しては病原性効果を有しており、野生型ウイルスが再出現する確率が有意に増加する。この種のレトロウイルスは上記のような配列を必要とするので、ベクターとして実用可能ではなかった。本発明のsLTR系をこれらのレトロウイルスに応用することによって、これらのレトロウイルスがより高い安全度及びより高い転写信頼度をもつ遺伝子の形質導入用ベクターとして有効になり得る。
添付図面を参照した非限定実施例に関する以下の記載より本発明がより明らかに理解されよう。
図1Aは、プラスミドpMloxPLの構造を表す。
図1Bは、レトロウイルスMloxPLの感染によって生じたプロウイルスMloxPLの構造を表す。
図1Cは、LTRの内部の2つのloxP部位を利用してcreによって誘発された組換え後のプロウイルスを表す。
図1Dは、MloxPLに感染した繊維芽細胞NIH3T3に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析を表す。
図1Eは、プラスミドpMC1−CreによってトランスフェクトされたクローンNIH3T3 MloxPL.1に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析を表す。
図2Aは、レトロウイルスMloxPLの感染及びLTRの内部の2つのloxP部位を利用してCreによって誘発された組換え後に得られたプロウイルスMloxPLの分子の構造及び分析を表す。
図2Bは、制限エンドヌクレアーゼBclI消化によってMloxPLに感染させた繊維芽細胞NIH3T3 Cre.1に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析の結果を表す。
図2Cは、エンドヌクレアーゼEcoRV消化によってMloxPLに感染させた繊維芽細胞NIH3T3 Cre.1に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析の結果を表す。
図3Aは、プラスミドpMCreloxPLの構造を表す。
図3Bは、本発明のレトロウイルスベクターのいくつかの好ましい実施態様の3′sLTRの概略図を表す。
図3Cは、制限エンドヌクレアーゼBclI消化によってMCreloxPLに感染させた繊維芽細胞NIH3T3に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析の結果を表す。
図3Dは、制限エンドヌクレアーゼEcoRV消化によってMCreloxPLに感染させた繊維芽細胞NIH3T3に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析の結果を表す。
図3Eは、制限エンドヌクレアーゼKpnI消化によってMCreloxPLに感染させた繊維芽細胞NIH3T3に由来の細胞性DNAの“サザンブロット”分析の結果を表す。
図4は、レトロウイルスベクターMcreloxPLによるsLTRの作製メカニズムを示す概略図である。
実施例
命名法
種々のベクター及び種々の細胞は以下の法則に従って命名した。pはプラスミドベクターを表す(例えばpMloxPL);ψ2(1993年3月10日にECACに番号93031002で寄託)の付いた名称はこのベクターによってトランスフェクトした補助野生型ウイルスψ2の細胞系を表す(例えばψ2−MloxPL);pの付かない名称は補助野生型ウイルスの細胞によって産生されたウイルスを表す(例えばMloxPL);細胞系の名称とウイルスの名称との連記は、感染によって生じたプロウイルスを含む細胞系を表す(例えばNIH3T3MloxPL)。
細胞の培養及び選択
樹立細胞系NIH3T3(マウス繊維芽細胞)及びψ2(マウスの異種指向性レトロウイルスのキャプシド形成細胞系)は参考文献(7)及び(13)に記載されている。これらの細胞系を、5%のウシ胎仔血清を加えた高濃度(4.5g/リットル)のグルコースを含むDMEM(ダルベッコ改質イーグル培地)で培養する。12%CO2を含む湿潤雰囲気中で細胞を37℃でインキュベートする。G418を600mg/mlの濃度で適当な培地に加える。個々のコロニーをピペットで採集し異なる培養容器に単離することによってG418耐性コロニーをクローニングした。感染48時間後に限界希釈法によって感染細胞のクローニングを行う。
細胞のトランスフェクション、感染、染色、及び、“サザンブロット”による核酸の分析
参考文献(12)に記載の手順でリン酸カルシウム分画を調製した。ウイルスを含む上清を使用し、参考文献(37)に記載の手順によって5マイクログラム/mlのポリブレンの存在下でNIH3T3細胞にウイルスを感染させた。“サザンブロット”によるハイブリダイゼーションは参考文献(6)の方法で準備した。参考文献(38)に記載の手順でX−gal染色によってβ−ガラクトシダーゼ活性を証明した。
PCRによるLacZの検出
40マイクロリットルの反応液(50mMのトリス−HCl(pH9)、150マイクログラム/mlのウシ血清アルブミン、16mMの(NH4)2OS4、7mMのMgCl2、各250マイクロモルのdNTP、1.25単位のTaq DNApol(USB)、0.078単位のVent(exo+)DNApol(NeE.Biolabs))中で1マイクログラムの細胞性ゲノムDNAのPCRを実施する。プライマーを0.25マイクロモルの最終濃度で加えた(20量体に対して)。反応を開始させる前にPCRの反応液を80℃で5分間加熱した。LacZの検出にはプライマーとして、
を用い、内部対照となるマウスの内在性RAP−SYNの検出にはプライマーとして、
5′−GGACTGGGTGGCTTCCAACTCCCAGACAC−3′、及び、
5′−AGCTTCTCATTGCTGCGCGCCAGGTTCAGG−3′を用いて、35サイクル(94℃,55分;59℃,30秒;70℃,3分30秒)のPCR反応を行った。PCRの反応生成物をゲル電気泳動によって分析した。
実施例1:レトロウイルスベクターpMloxPLの構築及び細胞系のトランスフェクション
(a)ベクターpMloxPLの構築
pMloxPLは、プラスミドpG−MPL(Choulikaら,1995、に記載)に由来し、このプラスミド中の認識部位loxPが、I−SceI部位の代わりに、結合アダプター(5′−CATGCATATAACTTCGTATAGCATACATTATACGAAGTTATC−3′及び5′−CATGGATAACTTCGTATAATGTATGCTTATCGAAGTTATATG−3′)のNcoI部位の内部に挿入されている。loxP部位の配列をDNA配列決定によって確認した。
使用したレトロウイルスを図1aに示す。(gag、pol及びenv遺伝子の欠失した)欠損モロニーマウス白血病プロウイルスを出発材料とし、遠隔アクチベーター配列に置換して右側LTRのU3領域にPhleoLacZをコードする配列を挿入することによって、pMloxPLを構築する。遺伝子PhleoLacZに由来の5′は、MoMuLVのenv遺伝子のスプライス受容部位とバクテリオファージP1に由来の32bpの長さのloxP部位との間に配置されていた。感染細胞中では、この型のウイルスは、隣接する細胞性プロモーターのトラッピングによって活性化される遺伝子を含むLTRを有している。
(b)プラスミドpMloxPLによる細胞系のトランスフェクション
キャプシド形成機能の欠損した異種指向性補助野生型ウイルスを発現する補助野生型ウイルスの細胞系ψ2にプラスミドpMloxPLを選択プラスミドpUSVneoと共にトランスフェクトすることによって、ウイルスを産生する細胞系を作製した。G418(ネオマイシン)で選択した後でβ−ガラクトシダーゼ活性に基づいて選択した個々のクローンのウイルス力価を測定した。ウイルス力価の測定は、感染直後のNIH3T3細胞を限界希釈法によってクローニングし、LacZを含むプロウイルスの存在をPCRで検出することによって行った。NIH3T3細胞系においてψ2−MloxPL.1及びψ2−MloxPL.2を産生する細胞系は、夫々2.5×104及び5×104(表1)の力価を示した。ウイルス上清1mlあたりの青色コロニー形成単位(BCFU/ml)で表されるψ2−MloxPL.1及びψ2−MloxPL.2の力価は夫々3及び6であり、これは104の組込みあたり約1つの青色コロニーという比に対応する。前述したように、これらのプロウイルスはプロモータートラップとして機能し、104あたり1つの組込みだけが繊維芽細胞系NIH3T3中でリポーター遺伝子を発現する。
組込み後のプロウイルスMloxPLのDNAの構造を図1bに概略的に示す。本明細書の図面には、LTRの位置と制限部位BclIとフラグメントのサイズとを示す。xは左アームの任意のサイズのBdIフラグメントを示し、yは右アームの任意のサイズのBclIフラグメントを示す。Pは32Pで放射性標識したプローブLacZを示す。これらの構造を次に、独立の6つのNIH3T3クローンの“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによって分析する。この分析の結果を図1dに示す。全部のクローンがプロウイルスを含み、プロウイルスの3′LTRのU3領域の内部の配列が5′LTRに重複している。エンドヌクレアーゼBclIで消化すると、PhleoLacZを含む2つのLTRをもつプロウイルスから所望のフラグメントが生じる(制限酵素BclIはLTRの各LacZ配列中に認識部位を有している)。LacZをプローブとして用いた“サザンブロット”ハイブリダイゼーションは、U3領域の正確な重複を証明する6kbpの開裂フラグメントを示す。一定でないサイズの追加の2つのバンドは、プロウイルスのBclI部位から隣接する細胞性DNAまで伸びるフラグメントを表す。追加の2つのバンドは、1クローンあたり1つのプロウイルス組込みがあることを証明し、これらのバンドのサイズが一定でないことは、各細胞系が独立クローンであったことを確認する。
実施例2:細胞系とプラスミドpMolxPL及びpMCl−Creとのコトランスフェクション
LTRに介在されたloxPの重複がリコンビナーゼCreによって組換えられるか否かを試験した。タンパク質Creによる組換えの標的としてクローン細胞系NIH3T3MloxPL.1を使用した。この細胞系に発現ベクターpMC1−Creを選択ベクターpUSVneoと共にコトランスフェクトした。Creによって誘発された組換え後のプロウイルスの構造を図1cに示す。
24のネオマイシン耐性クローンのDNAを“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによって分析した。BclI消化物を分析することによって組換え型のプロウイルスの検出を行った。クローンの制限されたDNAを32Pで放射性標識したLacZによってプローブした。この分析の結果を図1eに示す。プロウイルスの親構造は、LacZを含むU3配列の正確な重複に対応する6kbpのバンドと夫々8kbp及び2kbpの追加の2つのバンド(前述)とを示す(図1b及びd)。ネオマイシン耐性クローンのDNAの分析は、24個のうちの5個のクローンで、6.0kbpのバンドが除去されていたことを示す(図1e)。プロウイルスに隣接する細胞性DNAに対応する8kbp及び2kbpのバンドは残存しており、これは、プロウイルス組込み部位が再構成されていなかったことを示す。この結果は、プロウイルスMolxPLを含む細胞中のcre遺伝子の発現はLTRに含まれた2つのloxP部位の組換えを生じさせ易いことを示唆する。
Creloxに介在される組換えの効率を試験するために、更に、G418耐性の25のクローンのDNAを“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによって分析し、cre配列の存在を試験した。DNAを制限エンドヌクレアーゼXhoIによって消化し、32Pで放射性標識した全長creDNAによってプローブした。この分析の結果を図1eに示す。loxPで組換えられた5つのクローンのうちの3つのクローンが1.9kbpのcreプローブとハイブリダイズするバンドを示し、これは、pMC1−Creの全長cre発現ユニットが存在することを示唆する。loxPで組換えられた5つのクローンのうちの1つはcreプローブとハイブリダイズするバンドを示さなかった。loxPで組換えられた1つのクローンがプラスミドpMC1−Creの再構成の結果として生じる5kbpのバンドを示す。creとハイブリダイズする1.9kbpのバンドを示す残りの4つのクローンは、組込み型のプロウイルスMloxPL中に組換えを有していない。残りの16のクローン中にcreDNAの存在は検出されなかった。この結果は、安定なトランスフェクト細胞系中ではプラスミドpMC1−Creの存在によって誘発される組換えが完全な効率で生じないこと、組換えが生じたのはloxP部位の50%に過ぎないことを示している。この結果はまた、2つのloxP部位の間の組換えがpMC1−Creの一過的な発現によって得られることを示唆する(表2)。
実施例3:Cre酵素を発現する細胞に対するMloxPLの感染
プラスミドpMC1−CreとプラスミドpUSVneoとのコトランスフェクションによってプラスミドpMC1−Creを含むNIH3T3細胞系を作製した。G418を含む培地中でクローンを選択し、それらのDNAを制限エンドヌクレアーゼXhoIで消化した後、“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによって分析した。32Pで放射性標識した全長creDNAプローブとのハイブリダイゼーションによってCre遺伝子の存在を検出した。分析したG418耐性の12のクローンのうちの10のクローンが種々のコピー数(約1〜10コピー)のCre配列の存在を示した(データ示さず)。
発明者らは相補的分析の目的で約10コピーのプラスミドpMC1−Creを含むクローンNIH3T3Cre.1を選択した。クローンNIH3T3Cre.1をMloxPLウイルスに感染させた。クローンを限界希釈法で単離した。
レトロウイルスMloxPLの感染及びCreによって誘発された組換えによって生じたプロウイルスの構造を図2aに示す。組込み型のベクターは単独LTR(sLTR)構造を有している。組込み型のプロウイルスでは、1つのLTRが欠失し、また、2つのLTR間に存在していた全部の配列が欠失している(図2a及びc参照)。
プロウイルス構造中に重複LTRが存在するか否かを検出するために、プロウイルスMloxPLの細胞性DNAを制限エンドヌクレアーゼBclIで消化した後、“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによってプロウイルスMloxPLのDNAの構造を分析した。図2bに示すように、NIH3T3Cre.1をMloxPLに感染させることによって得られた12のクローンの分析は、重複の指標となる6kbpのバンドはどのクローンにも存在していないことを示した。
プロウイルス中に5′LTRが存在しないことを証明するために、DNAをEcoRVによって制限した。エンドヌクレアーゼEcoRVによって制限したNIH3T3Cre.1.MloxPLのDNAの“サザンブロット”ハイブリダイゼーションを放射性標識プローブLacZを用いて実施すると(図2a及びC)、2.1kbpのバンドと任意のサイズのバンドとの存在が観察される。3.9kbpのバンドが存在しないことは、5′LTRが存在しないことを示す。
実施例4:レトロウイルスベクターpMcreloxPLの構築及び細胞系のトランスフェクション
(a)プラスミドpMcreloxPLの構築
この実施例で使用したレトロウイルスの構造を図3aに示す。pMCreloxPLは、SV40ウイルスのラージT抗原に核局在的に融合した1.3kbpのcre遺伝子を、プラスミドpMloxPLの2つのLTRの間に挿入することによって得られた。cre遺伝子は、pMloxPLのPstI部位の処の結合アダプターによる突然変異ポリオーマウイルスPYF441の遠隔アクチベーターの重複によって隣接した単純ヘルペスウイルスのチミジンキナーゼ(tk)の遺伝子のプロモーターの転写コントロール下にある。配列Creはウイルスゲノムと同じ配向である。プラスミドpMcreloxPLは1995年6月13日付けでCNCMに番号1−1599で寄託された。
(b)プラスミドpMcreloxPLによる細胞系のトランスフェクション
キャプシド形成細胞系ψ2中でプラスミドpMCreloxPLを選択プラスミドpUSVneoとコトランスフェクトすることによって、ウイルスを産生する細胞系を作製した。トランスフェクトされた細胞ψ2をG418を含む培地中で選択した後、LacZを発現するレトロウイルスの産生に基づいて個々のクローンを選択した。1つのクローンが感染性ウイルスを産生した。このクローンをψ2−MCreloxPL.1と命名した。ψ2−MCreloxPL.1中では、プラスミドpMCreloxPLが宿主細胞ゲノムに単一コピーとして組込まれていた(データ示さず)。ψ2−MCreloxPL.1を産生する細胞系は、1ミリリットルあたり1×104の感染性ウイルスを産生する。LacZ遺伝子の存在はPCRによって検出される(表1)。ψ2−MCreloxPL.1のウイルス上清1ミリリットルあたりで測定した青色コロニー形成単位(BCFU/ml)の力価は3BCFU/mlであり、これは予想した通り、PCRで測定した力価の約1/104の減少に相当する。ψ2−MCreloxPLの産生効率はψ2−MloxPLの産生効率に比べて低下していたが、複数のコトランスフェクション実験後に産生性クローンが1つだけ回収された。このクローンはウイルスプラスミド構築物の単一コピーを組込んでいた。この結果から、プラスミドの2つ以上のコピーを組込んだ細胞は、組込み型トランスジーンを修飾するリコンビナーゼ活性が存在するので回収されることができないという結論が得られた。
(c)MCreloxPLのプロウイルス構造
MCreloxPLに感染したNIH3T3細胞の単離は、細胞あたり0.5の多重度でウイルス粒子を感染させた後、限界希釈法で実施した。レトロウイルスpMCreloxPLの感染によって生じたプロウイルスの構造を図3bに示す。この図において、αは左アームの任意のサイズのフラグメントを示す。
組込み型のプロウイルスのDNAの構造を、独立の6つのクローンNIH3T3MCreloxPL中の“サザンブロット”ハイブリダイゼーションによって分析した。エンドヌクレアーゼBclIによって制限し放射性標識LacZプローブによって検出したプロウイルスDNAの“サザンブロット”分析によって、異なるサイズの2つのフラグメントが生じたが、これらのクローンは7.5kbpの追加のバンドを生じていなかった(図3c)。この7.5kbpの追加フラグメントが存在しないことは、PhleoLacZを含む単独LTRの存在を証明する。プロウイルス構造が単独LTRに対応することを更に確認するために、付加的な分析を試みた。プロウイルス中に5′LTRが存在しないことを最終的に証明するために、細胞性DNAをEcoRVによって制限した。エンドヌクレアーゼEcoRVによって制限したNIH3T3MCreloxPLのDNAの“サザンブロット”ハイブリダイゼーションを放射性標識LacZプローブを用いて実施すると(図3d)、2.1kbpのバンドと任意のサイズのバンドとの存在が判明する。6kbpのバンドが存在しないことは、5′LTRが存在しないことを示す。次にこの“ブロット”を、放射性標識したcreプローブとハイブリダイズさせた。NIH3T3MCreloxPLのDNA中にバンドが存在しないことは、プロウイルスDNAがcre遺伝子を含まないことを示す(図3d)。最後に、残りのLTRの構造が再構成されなかったことを確認するために、NIH3T3MCreloxPLのDNAをエンドヌクレアーゼKpnIによって制限し、放射性標識したLacZのDNAでプローブした。どの場合にも4.3kbpのフラグメントが観察され、これは、LTR PhleoLacZが予想されたサイズであったことを示す(図3e)。結局、単離されたどのクローンも、再構成されていない単独LTRをもつ組込み型のプロウイルスを含んでいた。
G418を含む培地中でG418耐性クローンを選択した。8mlの培地をG418耐性の各クローンの5×106の細胞と共にインキュベートすることによってウイルス原液を調製し、5×104のNIH3T3細胞に種々の希釈度のウイルスを8時間作用させ、次いで限界希釈法でクローニングするかまたはX−gal染色によってβ−ガラクトシダーゼ活性を測定した。b力価は、クローニング後に単離しPCRで検出した感染クローン(IP:感染性粒子)と非感染クローンとの比によって算出した((PCR+/PCR−)/1×105)。
cBCFUは“青色コロニー形成単位(blue colony forming unit)の頭字語である。BCFUはX−gal染色によって検出されるPhleoLacZ遺伝子を活性化する遺伝子をトラップできた感染の数を表す。
d比は感染クローンあたりのBCFU数である。
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48.Tramblay,P.J.,C.A.Kozak & P.Jolicoeur,1992,プロウイルス挿入性突然変異誘発によるマウス白血病ウイルス誘発性T細胞白血病中の新規な遺伝子Vin−Iの同定(Identification of a novel gene,vin−I,in murine leukemia virus−induced T−cell leukemias by provirus insertional mutagenesis),J.Virol 66:1344−1353;
49.Trusko,S.P.,E.K.Hoffman & D.L.George,1989,レトロウイルスプロモーター挿入によって得られるcKi−ras癌原遺伝子の転写活性化(Transcriptional activation of cKi−ras proto−oncogene resulting from retroviral promoter insertion),N.A.R.17:9259−9265;
50.Varela−Echavarria,A.,C.M.Prorock,Y.Ron,& J.P.Dougherty,1993,モロニーマウス白血病ウイルス主体のベクターの複製中の高速遺伝子再構成(High rate of genetic rearrangement during replication of Molloney murine leukemia virus−based vector),J.Virol.67:6357−6364;
51.von Melchner,H.& H.E.Ruley,1989,レトロウイルスプロモータートラップを用いる細胞性プロモーターの同定(Identification of cellular promoters by using a retrovirus promoter trap),J.Virol.63:3227−3233;
52.Weiss,R.,N.Teich,H.Varmus & J.Coffin,1985,RNA tumor viruses.,p.1222(ed.),Molecular Biology of tumor viruses,Cold Spring Harbor Laboratory;
53.Yee,Y.K.,J.C.Moores,D.J.Jolly,J.A.Wolff,J.G.Respess & T.Friedmann,1987,転写不能なレトロウイルスベクターからの遺伝子発現(Gene expression from transcriptionally disabled retroviral vectors),Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84:5197−5201;
Claims (23)
- (a)少なくとも合成または天然のレトロエレメントの3′LTRまたは5′LTR、および
(b)細胞のゲノム内に挿入されるヌクレオチド配列および与えられた組換え系のためのリコンビナーゼの単独認識配列を含む挿入配列
を含むポリヌクレオチドであって、宿主細胞にヌクレオチド配列が導入された後には必要でないプロウイルス配列を挿入することなく、レトロウイルスベクターの仲介を介して標的細胞のゲノムに前記のヌクレオチド配列を挿入することを可能にするために、当該挿入配列が前記3′LTRまたは5′LTRに取込まれている前記ポリヌクレオチド。 - 前記挿入配列が3′LTRのU3領域、5′LTRのU5領域またはLTRのR領域に取込まれていることを特徴とする請求項1に記載のポリヌクレオチド。
- 前記レトロエレメントがレトロウイルスDNA配列であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリヌクレオチド。
- リコンビナーぜによって認識され得る前記認識配列が、挿入されるヌクレオチド配列の上流に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- リコンビナーゼによって認識され得る前記認識配列が、挿入されるヌクレオチド配列の下流に位置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- 前記認識配列が認識部位LoxPを含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- 挿入されるヌクレオチド配列がタンパク質またはRNAをコードする配列を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- 前記RNAがアンチセンスRNAまたはリボザイム配列である請求項7に記載のポリヌクレオチド。
- 挿入されるヌクレオチド配列が更に調節要素を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- 前記認識部位を認識し得るリコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列を含むことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載のポリヌクレオチド。
- リコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列が前記ポリヌクレオチドの5′LTR領域と3′LTR領域の間に位置することを特徴とする請求項10に記載のポリヌクレオチド。
- リコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列がCreタンパク質をコードすることを特徴とする請求項11に記載のポリヌクレオチド。
- 1995年6月13日付けでCNCMにNo.I−1599で寄託されたプラスミドpMcreloxPL。
- 請求項1乃至12のいずれか1項に記載のポリヌクレオチドを含むことを特徴とするレトロウイルスベクター。
- gag、polおよびenv遺伝子を欠失し、前記認識部位を3′LTRのU3領域、5′LTRのU5領域またはR領域に含むモロニーマウス白血病プロウイルスである請求項14に記載のレトロウイルスベクター。
- 請求項14または15に記載のレトロウイルスベクターの単一LTR配列を含むプロウイルス構造体がゲノム中に導入されており、当該LTR配列が挿入されるヌクレオチド配列の単一のコピーを含む細胞宿主。
- 真核細胞であり、プロウイルス構造体がPBS配列、キャプシド形成及びダイマー形成シグナルおよびPPTを欠損していることを特徴とする請求項16に記載の細胞宿主。
- 請求項14または15に記載のレトロウイルスベクターによる宿主細胞の感染を含むことを特徴とする培養宿主細胞に遺伝子を導入する方法。
- 挿入されるヌクレオチド配列によってコードされる分子を培養宿主細胞内で発現させる方法であって、
(a)当該ヌクレオチド配列を含む請求項14または15に記載のレトロウイルスベクターによる宿主細胞の感染、
(b)当該ヌクレオチド配列を発現させる条件下での宿主細胞の増殖、および
(c)所望分子の産生
を含む前記方法。 - 工程aにおいて認識配列を認識し得るリコンビナーゼをコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドのトランスフェクションを更に含む請求項19に記載の方法。
- 宿主細胞が前記認識配列を認識し得るリコンビナーゼを構成的に発現するかまたは誘導によって発現する請求項19に記載の方法。
- 挿入されるヌクレオチド配列中においてコードされているタンパク質またはRNAの宿主細胞による産生における請求項1乃至13のいずれか1項に記載のポリヌクチドの使用。
- 挿入されるヌクレオチド配列によってコードされるRNAまたはタンパク質の宿主細胞による産生における請求項14または15に記載のレトロウイルスベクターの使用。
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