JP4170835B2 - 消火設備の消火装置選択システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、火災検知器及びノズルを有する消火装置を、複数配設した消火設備の消火装置選択システムに関するものであり、特に、消火装置が前後に配設されている、特殊配置形態における消火設備の消火装置選択システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の消火設備の消火装置選択システムとして、次の様なものがある(例えば、特許文献1、参照)。即ち、
複数の火災検知器と、該各火災検知器に対応してそれぞれ設けられた消火装置と、を備えており、互いに監視エリアが隣接する火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知し、火災検出時の旋回角を求める行程と;前記各火災検知器の旋回角に基づき、前記基準線からの火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較し大きい方の火災検知器を選択する消火装置選択行程と;を備えた消火設備の消火装置選択システム。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−93540号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、火災検知器付き消火装置(ノズル)を、例えば、四角の部屋もしくは円形状(楕円も含む)の壁、に配設(通常配置形態)していることを前提している。
しかし、実際には、凹凸のある特殊形の部屋が存在し、隣接する一方の消火装置が他方の消火装置より後方に下がった位置に設置(特殊配置形態)されている。
この特殊配置形態に前記消火装置選択システムを適用すると、従来例(通常配置形態)と前提が異なるので、場合によっては、適切な消火装置を選択することができなくなる恐れがある。
【0005】
即ち、互いに隣接する、消火装置の一方が他方より後方に配設されている場合には、例えば、コーナ火災、コ−ナ近傍の壁際の火災、等においては、従来例の選択システムでは、消火装置の配設位置によっては、適切な消火装置を選択することができない恐れがある。
【0006】
この発明は、前記事情に鑑み、特殊配置形態の場合でも、最適な消火装置を選択できる様にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角が、前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;前記基準線は、前記後方の火災検知器と前記コーナを結ぶ直線を二等辺三角形の等辺のうちの1辺とし、前記コーナから前記前壁上で前記二等辺三角形の等辺のうちの1辺と同じ長さとする等角仮想位置を求めるとともに、前記後方の火災検知器と前記等角仮想位置を直線で結んで仮想基準線として用い、前記偏り角、前記各火災検知器の旋回角が前記仮想基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の仮想偏り角を用いることを特徴とする。
【0008】
この発明の前記等角仮想位置は、仮想基準線角度をγ、前方の消火装置と後方の消火装置間の前後距離をD、後方の消火装置と前記側壁との左右距離をL、とすると
γ=tan−1(D/L)/2
により求められることを特徴とする。
【0009】
この発明は、火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;前記両消火装置の放水領域における外周円の交点と、前方の消火装置とを通る放水領域調節ラインを設け、該放水領域調節ラインと前記前壁がなす角度と、前記前方の火災検知器の旋回角と、を比較して消火装置の選択を行うことを特徴とする。この発明の火災検知器の監視エリアは、消火装置の放水領域よりも広いことを特徴とする。
【0010】
この発明は、火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;前記コーナで火災が発生したことが検出されたときは、前記後方の火災検知器が選択される優先機能を有することを特徴とする。この発明の前記優先機能は、前記前方の火災検知器より後方にある前記後方の火災検知器に加点した合計点が多い順に、火災検知器毎に若い番号を設定することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、従来例の消火装置選択システムが、通常配置形態のみならず、特殊配置形態においても利用できるようにするものである。
そこで、先ず、最初に通常配置形態の消火装置の選択について説明するが、詳細については、特許文献1に記載されているので、ここでは、簡単に説明する。
なお、通常配置形態及び特殊配置形態では、監視エリア全域をカバーするよう消火装置が配設される。
【0012】
図1に示す様に、四角な部屋RSには、火災検知器とノズルを備えた消火装置(以下、火災検知器、というが、単に、検知器、と言うこともある)1,2が設けられているが、両火災検知器1,2が火源、即ち、火点Fを検出したときは、火点Fに近い方の火災検知器が選択される。いずれの火災検知器1,2が火点Fに近いかは、火災検知器が火点位置と確定した方向のベクトルK1,K2の長さにより決定される。
【0013】
図1において、αは火災検知器1の旋回軸から火災検知器2の旋回軸を見たときの角度(角度は各ノズルから見て右側水平位置を0とする)、βは火災検知器2の旋回軸から火災検知器1の旋回軸を見たときの角度、αnは火災検知器1が火点Fを検知したときの方向(角度)、βnは火災検知器2が火点Fを検知したときの方向(角度)、αmは、偏り角、即ち、火災検知器1から見た火点Fの位置が基準線(火災検知器1と火災検知器2を結ぶ線)Hからどれほど離れているかを示す角度(=|α−αn|)、βmは偏り角、即ち、火災検知器2から見た火点Fの位置が基準線Hからどれほど離れているかを示す角度=|β−βn|、をそれぞれ示す。
【0014】
火点Fまでの距離は、ベクトルK1、ベクトルK2の内、短い方、即ち、K2(火災検知器2)が近距離となる。このベクトルの短い方は、長い方より偏り角が大きいので、別の方法として、偏り角αmと偏り角βmの大きさを比較して、大きい値を持つ方、即ち、βm(火災検知器2)を火点Fに近いと判定することもできる。
【0015】
次に、特殊配置形態の消火装置の選択について説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態を示す平面図であり、火災検知器1が配置された前壁1aは、側壁3aを介して後方の火災検知器2が配設された、後壁2aに連続する。又、前壁1aと側壁3aとの間にコーナPが、側壁3aと後壁2aとの間にコーナP2があり、火災検知器1と火災検知器2の間には、前壁1a左端のコーナPと後壁2aの右隅のコーナP2がある。なお、図3、図4及び図8、図10の壁面構成は図2と同様である。
ところで、同一壁面に、水平に2台の火災検知器が並んでいる場合には、壁際の火災であっても火災部分が壁までで止まっていると考えられる。
しかし、図2に示す様に、前壁1aに配設された火災検知器1の後方(後壁2a)に、火災検知器2が配置されている場合には,火災検知器1から見た場合に壁際の火災であっても,実際の火点Fは広がりがあり,この部分に対して放水ができないノズルが選択される可能性がある。上のような場合では,計算上ではαm>βmが成立する空間があり,通常の計算では火災検知器1が選択される。
しかし,実際の火災は、火災検知器1の前壁1aより後方位置まで広がっていることが十分考えられる。
【0016】
火災検知器1では、消火しきれないのに火災検知器1が選択されることがあるが、このような状態が発生するのは,基準線角度(β)=αm>=βmを満たす範囲となる。したがって、火災検知器2が、図2において下方、即ち、火災検知器1から離れる方向、に後退すればその分βの値が大きくなり,前記前壁1aと後壁2aが平行ならば、αmとβは錯角で等しく、αmが大きくなり、他方火災検知器2が火点や火災検知器2から遠のくとβmが狭くなるので、火災検知器1が選択される(勝つ)範囲が広くなってしまう。
【0017】
基準線Hの位置を仮想的に下げて仮想基準線H2にすると,火災検知器1は、右の仮想位置1Aに遠のいたようになり,火災検知器2から前壁のコーナP部分までの防護は後方にある火災検知器2が選択されることが可能となる。
この様にするために、コーナPから仮想位置1Aまでの距離を、コーナPから火災検知器2迄の距離と等しく設定する。
すると、コーナPと火災検知器1の仮想位置1Aと火災検知器2を結ぶ三角形は、二等辺三角形となり、底角が等しく、更に錯角γとα‘が等しいことから、基準線Hの位置を変更する大きさは、コーナPと火災検知器2の位置関係により、次式から求めることができる。
γ=tan-1(D/L)/2
上記式において、γは後壁2aと仮想基準線H2とのなす仮想基準線角度、Dは火災検知器1と火災検知器2間の前後距離、Lは火災検知器2と後壁2aのコーナP2との左右距離、をそれぞれ示す。
【0018】
なお、図2において、Vは基準線Hの垂直二等分線(ノズル境界線)、V2は仮想基準線H2の垂直二等分線(ノズル境界線)、である。このノズル境界線V2即ち仮想基準線H2の垂直二等分線V2が、コーナPを通るようにすると、結果的に勾配D/Lの角度の半分となることがわかる。
このノズル境界線V上に火点Fが存在する場合には、両火災検知器1,2の偏り角が等しくなるが、該ノズル境界線の火災検知器1側に火点Fある場合には、火災検知器1の偏り角が火災検知器2のそれより大きくなり、又、該ノズル境界線の火災検知器2側に火点Fある場合には、火災検知器2の偏り角が火災検知器1のそれより大きくなる。
【0019】
ただし,この場合には火災検知器2のノズルの放水範囲外であっても、ノズル境界線V2、即ち、基準線HをコーナPへ移動させた仮想基準線H2の垂直二等分線、によって火災検知器のノズル選択の条件が変わり,火災検知器1が近い場所であっても,火災検知器2が選択されることがある。
このような問題を解決するには,火災検知器1,2ごとの角度データによる判定を導入する必要がある。
【0020】
ノズル境界線のコーナPへの移動によって火災検知器2が選択された場合,図3に示すように、火災検知器2のノズルの放水領域W2より火災監視エリアX2が広いと、放水されない領域Bが発生する恐れがある。この領域Bを「放水のブラックホール」と呼ぶことにする。
【0021】
そこで、放水のブラックホールBを考慮したノズル選択、即ち、火災検知器の選択、を行う必要がある。
上記のようなブラックホールBが発生する消火装置の配置の場合には,火災検知器1と火災検知器2の間で偏り角の比較を行う前に,火災検知器1の角度αnが放水領域調節ライン(θライン)Mより右側の範囲、即ち、角度αnが放水領域調節ラインMと前壁1a(右側)との間θ未満、であれば、火災検知器1を選択するようにする。これにより前記ブラックホールBは、火災検知器1の放水領域W1に組み込まれることになる。
なお、この放水領域調節ラインMは、図3において、火災検知器1と交点5とを通る直線であり、この交点5は、火災検知器1の放水領域W1の外周円C1と、火災検知器2の放水領域W2の外周円C2とが交差する点である。
こうして放水のブラックホールBを考慮した火災検知器選択をするためには、この放水領域調節ラインMを加味して消火装置の選択を行うようにすると良い。ところで、この放水領域調節ラインMは、一般にはブラックホールBを示す領域、即ち、外周円C1、C2、ノズル境界線V2、火災監視エリアX2とで囲まれた領域を外接する位置、即ち、最も広い角度θでブラックホールBの領域に接するように位置を選ぶことが好ましい。
図3では、放水領域調節ラインMとして外周円C1,C2の交点を通る線がブラックホールBの領域を外接しているが、火災検知器の壁の位置や形状条件によっては、外接円C2と仮想ノズル境界線V2との交点を通る線の方が、ブラックホールBを示す領域を外接する線になることも考えられる。その場合には、外接円C2と仮想ノズル境界線V2との交点を通る線を放水領域調節ラインMとしても良い。
【0022】
次に、コーナ火災の場合について説明する。
図4に示すように、前記ブラックホールBが無い場合であっても、前壁1aのコーナPで火災が発生した場合には、火災検知器2及び火災検知器11Aからは等距離にあり、いずれの火災検知器の選択も可能である。ただし、後方に配置されている火災検知器2の方が、火災検知器1よりノズルの放水できる範囲が広くとれる。
即ち、火災位置F2は、火災検知器1,2の放水可能範囲であるが、火災位置F1は火災検知器2だけ、又、火災位置F3は火災検知器1だけ、のノズルの放水可能範囲となるので、結局、コーナPにおいては、火災検知器2が火災検知器1よりそのノズルの放水範囲が広いことになる。
【0023】
そこで、仮想境界線V2は、コーナPを通ることを考慮し,若番、即ち、後方の火災検知器側を若番優先機能を生かさせるために若い番号、にすることにより、できるだけ火災検知器2を選択する様にする。この番号の決定方法を図5により説明する。
【0024】
一つの区画で、どの火災検知器AN、BN、CN、DN、ENを、若番にするかは、後方得点ルールで決定する。即ち、ある火災検知器から見て当該火災検知器より後方にある火災検知器、即ち、前記ある火災検知器が旋回しても見えない範囲に位置する火災検知器、に1点を与えるとともに、全ての計算の結果をまとめ、点数の多いものを若番の火災検知器とする。但し、同点の場合は、適宜、例えば、配置順に番号を割りつける。
前記計算の結果は、表1の通りである。
【0025】
【表1】
Figure 0004170835
【0026】
この結果から、点数の多い順に火災検知器の番号を割りつけると、
1番火災検知器 ⇒ DN火災検知器
2番火災検知器 ⇒ AN火災検知器
3番火災検知器 ⇒ BN火災検知器
4番火災検知器 ⇒ CN火災検知器
5番火災検知器 ⇒ EN火災検知器
のようになる。
従って、部屋15のコーナ16、17の火災の場合には、火災検知器DNが選択され、コーナ18の火災の場合には、火災検知器ANが選択されることになる。
【0027】
【実施例】
この発明の第1実施例を図6〜図9により説明する。
図6に示すように、部屋RHには、複数の消火装置(火災検知器)20〜24が配設されている。この消火装置20〜24は、図7に示すように、火災検知器28を備えているが、この火災検知器28は、放水ノズル30に固定されている。放水ノズル30は、歯車33に固定され、該歯車33は旋回モータ34に連結されている。
【0028】
火災検知器28は、炎検知器28Aと赤外線センサ28Bとから構成されている。この火災検知器28では、まず初めに、赤外線センサ28Bを旋回させて火源を検出することにより火源方向を特定し、その後、炎検知器28Aをその火源方向に指向させ、静止した状態で炎特有のCO2共鳴放射と揺らぎを検出することにより火災判断を行う。
【0029】
放水ノズル30は、歯車33に固定され、前記歯車33は給水フランジ35に立設された給水パイプ37に回動自在に支持されている。この給水パイプ37には、エンコーダ39を有する旋回モータ34が固定され、このモータ34は小歯車40を介して前記歯車33に連結されている。
【0030】
この放水ノズル30は、遠投ヘッド45、中投ヘッド46及び近投ヘッド47から構成されている。この遠投ヘッド45は、上段に設けられ、中段の中投ヘッド46より放水幅が狭いが放水距離が長いので、中投ヘッド46に比べ遠方迄散水できる。近投ヘッド47は最下段に設けられ、前記中投ヘッド46より放水幅が広いが、放水距離は短いので、ヘッド近傍しか散水することができない。
【0031】
なお、図7において、消火装置制御部50は、カウンタ51、モータドライバ52、インタフェィス53,で構成され、カウンタ51は、エンコーダ39に、モータドライバ52は旋回モータに、インタフェイス53は火災検知器28に、それぞれ接続されている。また、消火装置制御部50は、図示しない中央制御盤CPUと接続されている。
【0032】
次に、コーナ16の壁際の火災に対する火災検知器選択について説明する。
互いに平行な前壁1aと後壁2aにそれぞれ火災検知器24、23が設けられている場合、図8に示すように、火災Fが、火災検知器24を設けた前壁1aの延長線上にあり、後方の火災検知器23からも前方の火災検知器24からも火災確定することができるときには、αm>βmの場合には、火災検知器24が火災Fに近いので、通常配置形態の場合には、火災検知器24が選択される。なお、αmは、基準線Hから見た火災検知器24の偏り角、βmは基準線Hから見た火災検知器23の偏り角、を示す。
【0033】
このことを避けるために、火災検知器24を等角仮想位置24Aに置いた場合の仮想基準線H2との関係で計算を行う。
火災検知器23は、基準線の角度がωからφになるとすると、
β`=βm+(ω−φ)
火災検知器24の仮想基準線H2からの偏り角度はα`=φになる。
このとき、先にφを求める条件として、火災検知器23から前壁1aのコーナ16までの線Eと後壁22aとのなす角度の半分としたのであるから、後壁2aを基準とした線Eの角度が2θとなる一方、火災検知器23から火点Fを見た角度がβm+ωとなる。火点Fが前壁1aの延長線上にある前提より、後者の角度が前者以上となり、以下の条件を満足する。
βm+ω>=2φ
【0034】
従って、火災検知器23の仮想基準線H2からの偏り角β‘=βm+(ω−φ)と、火災検知器24の仮想基準線H2からの偏り角度α‘=φを比較すると、
βm+(ω−φ)>=θ 、即ち、β’>=α‘ となる。
故に、この実施例では基準線の入れ換えにより火災検知器23が選択されることになる。なお、β‘=α’の場合は、後方の火災検知器23を選択するようにすると良い。
【0035】
次に、本実施例の作動について説明する。
図示しない自動火災報知設備の煙検知器が火災を検知すると、火災信号を中央制御盤CPUに送出する。該中央制御盤CPUは、火災信号を送出した煙検知器等に対応する部屋RHの火災検知器に消火装置制御部50を介して火災探査指令を発する。
【0036】
そうすると、各火災検知器は、旋回してセンサ探査をするが、この時、最初に赤外線センサ28Bが、所定角度旋回して自己の担当する監視エリア全域の探査を行う。火点Fの熱を検出した時には、エンコーダ39により計測された火点発見時の旋回角が消火装置制御部50に記憶される。
【0037】
赤外線センサ28Bが所定角度旋回すると、火点Fの熱を発見した火災検知器28は、その火点Fの熱の発見時の旋回角に戻り、炎検知器28Aの指向方向を火点Fに向ける。炎検知器28Aは静止した状態で火点Fの炎を探査して火災判断を行い、消火装置制御部50はその結果を先に記憶した火源検出時の旋回角情報とともに中央制御CPUに送出する。
【0038】
2つの火災検知器23,24がコーナ16近傍の火点Fを検出した場合には、2つの火災検知器23、24の配置に前後関係があるか否か、が判断される(S1)。ステップS1が、NOの場合には、通常配設形態の処理(通常処理)に進み(S2)、YESの場合には、建物のコーナ図面より前方火災検知器24の等角仮想位置24Aを決定する(S3)。
【0039】
次に、後方火災検知器23のノズルに防護漏れ(放水のブラックホール)が発生するか否かを判断する(S4)。ステップS4がYESの場合には、後方火災検知器23の防護範囲を前方火災検知器の旋回角(θラインM)θから求める。そして、仮想基準線角度φを配置図から計算し、第2テーブルを形成する(S6)とともに、通常配置形態での基準線角度ωを計算し、第1テーブルを形成する(S7)。なお、前記ステップS4がNOの場合には、θラインMの角度を零(θ=0)として判断する(S8)。
【0040】
後方及び前方の両火災検知器23,24の火災検知器が火源確定したか否かを判断する(S9)。ステップS9がNOの場合は、単独確定放水開始する(S10)。
ステップS9がYESの場合には、θラインMの設定値θが零より大きいか否かを判断する(S11)。ステップ11がYESの場合は、前方ノズルの角度がθラインMの角度θより小さいか否かを判断する(S12)。
【0041】
ステップS12がYESの場合には、通常の基準線角度を適用(第1テーブル)して(S13)、2つの火災検知器の基準線からの偏り角度を求める(S15)。
前記ステップS11、S12がNOの場合には、仮想基準角度を適用(第2テーブル)して(S14)、2つの火災検知器の仮想基準線H2からの仮想偏り角α‘、β’を求める(S15)。
【0042】
次に、前方火災検知器の偏り角が後方火災検知器の偏り角より大きいか否かを判断する(S16)。ステップS16がYESの場合には、前方火災検知器24を選択し(S17)、選択された火災検知器のノズルからの放水を開始する(S18)。又、ステップ16が、NOの場合には、後方火災検知器23を選択し(S19)、放水を開始する(S18)。なお、通常配置形態の処理として、ステップS2に進むようにしたが、予め、第1テーブルが形成されている場合は、ステップS13に進むようにして処理しても良い。又、このフローチャートは、火点Fがコーナ16の近傍の場合を説明したが、火点Fはどこにあってもこのフローチャートで対応できる。
【0043】
この発明の第2実施例を図10により説明するが、図6〜図9と同一図面符号はその名称も機能も同一である。
この実施例と第1実施例との相違は、火点Fが前壁1aより少し前方に位置している点である。この場合の偏り角の計算をする前に、火災検知器24の角度αnが,火災検知器23が放水範囲外となる値θ(放水領域調整ラインM)と比較し,αn<θであれば通常の基準線Hでの判定を行う。
αn>=θであれば仮想基準線H2での判定を行う。
【0044】
判定を仮想基準で行う場合、火災検知器23の仮想偏り角β‘が火災検知器24の仮想偏り角α’より大きくなる(勝つ)範囲は、次の条件内である。ただし、αm<βmであれば無条件で火災検知器23が勝つので、 αm>βmである場合を前提とする。
火災検知器24の角度α‘は、α`=αm−ω+φ
火災検知器23の角度β‘は、β`=βm+(ω−φ)
となる。
従って、火災検知器23が勝つ条件の範囲は、
βm+ω−φ>αm−ω+φ であり、
βm−αm>2(φ−ω) ∴βm>αm−2δ
但し、δ=ω−φ
【0045】
この結果、火災検知器24の偏り角αmが火災検知器23の偏り角βmよりも、本来の基準線Hと仮想基準線H2の差の2倍まで大きい(火災検知器24が近い)範囲までは火災検知器23が勝つことになる。
【0046】
この発明は、上記実施の形態に限らず、例えば、図5のAN火災検知器とBN火災検知器のような位置関係のものや、壁面が曲面の場合も適用される。また、消火装置の一方が他方より後方に配設されていれば、壁面がなくとも適用される。この場合、火災検知器の盤面の端をコーナPにみなすようにすると良い。
【0047】
【発明の効果】
この発明は、火災検知器とノズルを備えた消火装置の特殊配置形態の場合には、仮想基準線を設けて仮想偏り角を求めるので、適切な火災検知器を選択することができる。
この発明は、コーナ火災の場合には、コーナ選択基準により火災検知器選択を行うので、適切な火災検知器選択を行うことが出来る。
この発明は、放水領域調節ラインを設けたので、ノズルの放水不可能な火災検知器を選択することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】通常配置形態を示す平面図である。
【図2】本発明の第1実施の形態を示す平面図である。
【図3】本発明の第2実施の形態を示す平面図である。
【図4】本発明の第3実施の形態を示す平面図である。
【図5】火災検知器の配置状態を示す平面図である。
【図6】本発明の第1実施例を示す消火装置の配置図である。
【図7】消火装置の斜視図である。
【図8】コーナの壁際の平面図である。
【図9】火災検知器選択のフローチャートである。
【図10】本発明の第2実施例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 火災検知器
2 火災検知器
23 火災検知器
24 火災検知器
H 基準線
H2 仮想基準線
V 境界線
V2 仮想境界線
P コーナ
M 放水領域調整ライン
αm 偏り角
βm 偏り角
α‘ 仮想偏り角
β‘ 仮想偏り角

Claims (6)

  1. 火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、
    前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角が、前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;
    を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;
    前記基準線は、前記後方の火災検知器と前記コーナを結ぶ直線を二等辺三角形の等辺のうちの1辺とし、前記コーナから前記前壁上で前記二等辺三角形の等辺のうちの1辺と同じ長さとする等角仮想位置を求めるとともに、前記後方の火災検知器と前記等角仮想位置を直線で結んで仮想基準線として用い、
    前記偏り角、前記各火災検知器の旋回角が前記仮想基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の仮想偏り角を用いることを特徴とする消火設備の消火装置選択システム。
  2. 前記等角仮想位置は、仮想基準線角度をγ、前方の消火装置と後方の消火装置間の前後距離をD、後方の消火装置と前記側壁との左右距離をL、とすると
    γ=tan−1(D/L)/2
    により求められることを特徴とする請求項1記載の消火設備の消火装置選択システム。
  3. 火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、
    前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;
    前記両消火装置の放水領域における外周円の交点と、前方の消火装置とを通る放水領域調節ラインを設け、該放水領域調節ラインと前記前壁がなす角度と、前記前方の火災検知器の旋回角と、を比較して消火装置の選択を行うことを特徴とする消火設備の消火装置選択システム。
  4. 火災検知器の監視エリアが、消火装置の放水領域よりも広いことを特徴とする請求項3記載の消火設備の消火装置選択システム。
  5. 火災検知器と放水ノズルを備えた消火装置が、複数配設されており、
    前方の火災検知器が配設された前壁と、該前壁の後方に、後方の火災検知器が配設された後壁と、前記前壁及び前記後壁を連続する壁面からなる側壁と、前記前壁と前記側壁とからなるコーナと、を有し、互いに監視エリアが隣接する前記各火災検知器を直線で結んで基準線を設定する行程と;該火災検知器を水平方向に旋回せしめて火源を検知したときの角度を旋回角として求める行程と;前記各火災検知器の旋回角前記基準線からどれほど離れているかを示す角度として前記各火災検知器の偏り角を求める行程と;前記各火災検知器の偏り角を比較して、偏り角の大きい火災検知器が火源に近いと判定する消火装置選択行程と;
    を備えている消火設備の消火装置選択システムであって;
    前記コーナで火災が発生したことが検出されたときは、前記後方の火災検知器が選択される優先機能を有することを特徴とする消火設備の消火装置選択システム。
  6. 前記優先機能は、前記前方の火災検知器より後方にある前記後方の火災検知器に加点した合計点が多い順に、火災検知器毎に若い番号を設定することを特徴とする請求項5記載の消火設備の消火装置選択システム。
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