JP4170240B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、消泡剤組成物に関する。
一般に鉄、アルミニウム、銅等の金属材料は、加工成形後の表面処理及び塗装工程前に汚染物質が金属表面に残らないように前処理として洗浄処理することが必須である。また、飲料用のリサイクルガラス容器等も洗浄処理が施される。通常、これら固体表面を洗浄する場合、水酸化カリウム等のアルカリ剤、アニオンやノニオン型の洗浄用界面活性剤、各種消泡剤及び水が使用される。洗浄を行う方法としてはスプレー法、浸漬法、電解法等がある。いずれの場合も洗浄時の泡だけでなく、排水処理時の泡立ちも問題となる。本用途の消泡剤としては脂肪酸誘導体、ポリエーテル類等の単独又は配合物が使用されてきた。例えば、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドの共重合体やポリオキシエチレンポリオキシプロピレン多価アルコールエーテルが一般に用いられている。(例えば、特許文献1)。
特開平11−181587号公報
しかしながら、上記ポリエーテルは抑泡性が十分でない問題があった。
本発明は、固体表面を洗浄する際のアルカリ脱脂洗浄において、効果的に発泡の抑制・除去が達成される消泡剤組成物、及び各種産業における廃水処理時に問題となる泡を効果的に抑制する消泡剤組成物を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表され、無水トリフルオロ酢酸で処理してケミカルシフトさせた 1 H-NMRチャートから下記数式(1)で算出される末端水酸基2級化率が95%以上、重量平均分子量が3,000〜20,000、且つ重量平均分子量/数平均分子量が1.1以下であるポリエーテル(A)を必須成分とする消泡剤組成物である。
一般式
R−[O−(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]Z (1)
一般式
N−[(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]2

[R1−N]r−R1N−[(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]2

(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H (2)
[式中、Rは3価以上の多価アルコール残基、R1は炭素数2〜8のアルキレン基;X1は炭素数3又は4のアルキレン基、X2 分岐の1,2−プロピレン基又は1,2−ブチレン基アルキレン基、EOはオキシエチレン基;aは0〜10の整数、bは1〜20の整数、cは5〜50の整数;rは0〜6の整数;zは3〜12を表す。]
数式
末端水酸基2級化率(%) = [s/(s+p)/2)]×100 (1)
[数式中、sは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値;pは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値を表す。]
本発明の消泡剤組成物は、固体表面を洗浄する際のアルカリ脱脂洗浄において、抑泡性・破泡性・持続性に優れており、特に金属材料の洗浄処理や飲料用のガラス容器の洗浄時に効果を発揮する。また、廃水を処理時の泡を抑制・除去するための消泡剤としても良好な効果を発揮する。
一般式(1)は多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を表す。
一般式(1)中のRは3価以上の多価アルコールR(OH)zからOHを除いた残基である。Rの炭素数は3〜12が好ましい。炭素数が3未満では抑泡性・破泡性・持続性いずれも悪くなり、12を超えると消泡性が悪くなり、製品外観やハンドリング性にも問題を生じる。zは3〜12であり、好ましくは3〜6である。zが3未満では抑泡性・破泡性・持続性いずれも悪くなり、12を超えると消泡性が悪くなり、製品外観やハンドリング性にも問題を生じる。
多価アルコールとしては、具体的には例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖、ポリグリセリン等が挙げられる。これらの内で好ましくはグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールである。
1は炭素数3又は4のアルキレン基であり、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、1,2−、2,3−、及び1,3−ブチレン基、テトラメチレン基及びこれらの2種以上の組み合わせが含まれる。好ましくは1,2−プロピレン基である。2種以上を組み合わせる場合、付加様式はブロックでもランダムでも良い。
2は分岐の 1,2−プロピレン基、1,2−ブチレン基、及びこれらの2種以上の組み合わせが含まれる。好ましくは1,2−プロピレン基である。2種以上を組み合わせる場合、付加様式はブロックでもランダムでも良い。
該(A)中のオキシエチレン基の量は、(A)に対して好ましくは5〜15質量%であり、7〜13質量%であるのがより好ましい。オキシエチレン基の含量が5質量%以上であると、消泡効果の持続性が良好であり、15質量%以下であると消泡効果が安定している。
aは0〜10の整数であり、好ましくは0〜8、より好ましくは0〜5である。aが10を超えると消泡性が悪くなる。bは1〜20の整数であり、好ましくは3〜8、より好ましくは4〜6である。bが0であると製品の水への分散性が悪くなり、20を超えると消泡性が悪くなる。cは5〜50の整数であり、好ましくは10〜40、より好ましくは20〜30である。cが5未満であると消泡性が悪くなり、50を超えると消泡性が悪くなり、製品外観やハンドリング性にも問題を生じる。
また、一般式(2)はポリアミン[H2NR1(NHR1rNH2]のアルキレンオキサイド付加物を表す。
一般式(2)中のR1は炭素数2〜12のアルキレン基であり、具体的にはエチレン基、1,3−プロピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基、オクタメチレン基等が挙げられる。好ましくは2〜8のアルキレン基、より好ましくは2〜6のアルキレン基である。炭素数が12を超えると消泡性が悪くなり、製品外観やハンドリング性にも問題を生じる。
rは0〜6であり、好ましくは2〜4である。rが12を超えると消泡性が悪くなり、製品外観やハンドリング性にも問題を生じる。
ポリアミンとしては、炭素数2〜12、N数2〜8の、好ましくは炭素数2〜6、N数2〜4の(ポリ)アルキレンポリアミン、例えばアルキレン(炭素数2〜8)ジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,6−ヘキシレンジアミン、オクチレンジアミン、デシレンジアミン及びドデシレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜8)ポリアミン(N数2〜8)(ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサエチレンヘプタミン等のポリエチレンポリアミン)が挙げられる。好ましくはエチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、1,6−ヘキシレンジアミンである。
X1、X2、a、b、cについては一般式(1)の場合と同じであり、好ましいものも同じである。
該(A)の末端水酸基2級化率は95%以上である。2級化率が95%未満であると消泡性の持続性が悪くなる。
2級化率は1H−NMR法により測定し、算出する。
1H−NMR法及び2級化率算出方法》
測定試料約30mgを直径5mmのNMR用試料管に秤量し、約0.5mlの重水素化溶媒を加え溶解させる。その後、約0.1mlの無水トリフルオロ酢酸を添加し、分析用試料とする。上記、重水素化溶媒としては
例えば、重水素化クロロホルム、重水素化アセトン、重水素化トルエン、重水素化ジメチルスルホキシド、重水素化ジメチルホルムアミド等であり、試料を溶解させることのできる溶媒を適宜選択する。
調整した試料を通常の条件で1H−NMRを測定すると1級水酸基が結合したメチレン基由来の信号は4.3ppm付近に観測され、2級水酸基が結合したメチン基由来の信号は5.2ppm付近に観測される。末端水酸基の2級化率は次の計算式により算出する。
末端水酸基2級化率(%)=[s/(s+p/2)]×100、但し、式中sは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値;pは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値である。
該(A)の重量平均分子量(Mw)は3,000〜20,000である。3,000未満あるいは20,000を超えると消泡性が悪くなる。また、
該(A)の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量(Mn))は1.1以下である。1.1を超えると消泡性能が悪くなる。
Mw及び重量平均分子量/数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)を使用して以下の条件で測定される。
《GPCの測定条件》
機種 :HLC−8120(東ソー株式会社製)
カラム TSK gel SuperH4000
TSK gel SuperH3000
TSK gel SuperH2000
(いずれも東ソー株式会社製)
カラム温度 :40℃
検出器 :RI
溶媒 :テトラヒドロフラン
流速 :0.6ml/分
試料濃度 :0.25%
注入量 :10μl
標準 :ポリオキシエチレングリコール
(東ソー株式会社製;TSK STANDARD
POLYETHYLENE OXIDE)
データ処理装置:SC−8020(東ソー株式会社製)
該ポリエーテル(A)は公知の方法で製造することができる。例えば一般式(1)において、多価アルコールR(OH)zに炭素数3〜4のアルキレンオキサイドを(0〜10)×zモル付加反応させた後、エチレンオキサイドを(1〜20)×zモル付加させ、次いで炭素数3〜4の隣接アルキレンオキサイドを(5〜50)×zモル付加させることにより製造できる。
また、一般式(2)においてポリアミン[H2NR1(NHR1rNH2]に炭素数3〜4のアルキレンオキサイドを(0〜10)×(r+4)モル付加反応させた後、エチレンオキサイドを(1〜20)×(r+4)モル付加させ、次いで炭素数3〜4の隣接3員環アルキレンオキサイドを(5〜50)×(r+4)モル付加させることにより製造できる。
炭素数3〜4のアルキレンオキサイドとしては、好ましくは、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、1,4−ブチレンオキサイドである。
炭素数3〜4の隣接アルキレンオキサイドとしては、上記の内、好ましくは、プロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイドである。
反応は、上記のいずれのアルキレンオキサイドを付加する場合においても温度は好ましくは80〜160℃、圧力は好ましくは0〜0.5MPa、反応時間は好ましくは10〜20時間で行うことができる。反応は触媒の存在下に行われる。
上記触媒としては、アルカリ触媒、例えば水酸化物[KOH、NaOH、CsOH、Ca(OH)2等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物等]、酸化物(K2O 、CaO、BaO等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の酸化物等)、アルカリ金属(Na、K等)及びその水素化物(NaH、KH等)並びにアミン類(トリエチルアミン、トリメチルアミン等)が挙げられる。鉱酸やルイス酸等の酸触媒も使用することはできるが、該(A)の2級化率が下がるため好ましくない。触媒の使用量は好ましくは、該(A)の仕上がり量に対して0.1〜0.5質量%である。
これら触媒は消泡剤中に残しておいてもよいし、吸着剤を用いて吸着・ろ過し、除去してもよい。
分子量を制御する方法としては、水酸基含有副生物の生成を制御すればよく、反応前の水分量を0.1重量%未満とすること、及び炭素数3〜4の隣接3員環アルキレンオキサイドを付加させる際、特に反応末期の温度を95〜120℃とすることが挙げられる。
また、2級化率を制御する方法としては、1級水酸基末端すなわちオキシエチレン基末端を分岐アルキレン基で封鎖してやればよく、一般式(1)〜(2)中のオキシエチレン基と炭素数3又は4の分岐アルキレン基の比、すなわちc/bが2以上で、且つbが5以上であれば達成しやすい。
このようにして、上記一般式(1)(2)で表され、末端水酸基2級化率が95%以上、数平均分子量が3,000〜20,000であるポリエーテル(A)を製造できる。
本発明の消泡剤組成物中の(A)の含有量は、好ましくは80〜100質量%であり、より好ましくは90〜100質量%である。80%以上であると消泡性が良好である。
本発明の消泡剤組成物には、公知の消泡剤、例えば鉱油、植物油、脂肪族(炭素数4〜10)アルコール、例えば、ブタノール、脂肪酸(炭素数12〜20)、例えば、ステアリン酸、脂肪酸(炭素数12〜20)のポリエリレングリコールエステル(数平均分子量は好ましくは100〜200)、例えば、ポリエチレングリコール(分子量600)のラウリン酸エステル、アルキル(炭素数1〜12)フェノール、例えば、ノニルフェノール、脂肪族(炭素数8〜20)アルコールアルコキシレート(数平均分子量は好ましくは100〜200)、例えば、セカンダリーアルコール(例えば炭素数13)のエトキシレート(例えば分子量400)、アルキル(炭素数8〜12)フェノールアルコキシレート、例えば、ノニルフェノールエトキシレート(例えば分子量400)、シリコーンオイル(例えば分子量5,000)等を併用して使用しても良い。
本発明の消泡剤組成物を使用する場合の添加量は、添加する系の発泡状態等に応じて適宜設定すればよいが、好ましくは、使用する対象系に対して1〜50,000ppm程度添加すればよい。
添加時期は固体表面洗浄剤にあらかじめ添加しても良いし、洗浄時に後から適宜添加しても良い。また、添加方法はそのまま添加しても良いし、水等で任意の濃度に希釈して添加しても良い。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例中、部及び%は特に記載がない限り質量基準である。
[実施例1]
1L耐圧容器に水分0.05%以下のペンタエリスリトール86.5部、ポリプロピレングリコール(数平均分子量400)23部、水酸化カリウム1.5部を仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、−0.08MPaまで減圧とし、140℃まで昇温した。これにプロピレンオキサイド232部を滴下し、140〜160℃で4時間反応させ(圧力は0.3MPa以下)、次いで、エチレンオキサイド598部を滴下し、130〜160℃で4時間反応(圧力は0.5MPa以下)させ、ペンタエリスリトールのプロピレンオキサイド3.6モル・エチレンオキサイド12モルブロック付加物(含有量理論値94%)を得た。さらにこの反応物126部と水酸化カリウム2部を別の1L耐圧容器に仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、反応系内を減圧(圧力は−0.095MPa以下)にしながら130℃で30分間脱水した。次いで、100℃まで冷却し、674部のプロピレンオキサイドを100〜110℃の範囲で30時間かけて反応(圧力は0.3MPa以下)させ、微黄色の液体を得た。これをA1とする。A1は前記一般式(1)において、Rがペンタエリスリトール、a=2、b=5、c=34、Mwが12,100の消泡剤を、90%有しており、EO含有量は10.0%、Mw/Mnは1.02、2級化率は98%であった。
以下、ポリプロピレングリコールを用いる以外は、同様にしてA2〜A4を得た。その組成、性状等を表1に示した。
[実施例2]
1L耐圧容器に水分0.05%以下の1,2−エチレンジアミン120部を仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、−0.08MPaまで減圧とし、140℃まで昇温した。これにプロピレンオキサイド464部を滴下し、140〜160℃で2時間反応させ(圧力は0.3MPa以下)1,2−エチレンジアミンのプロピレンオキサイド4モル付加物を得た。この反応物292部と水酸化カリウム2部を別の1L耐圧容器に仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、反応系内を減圧(圧力は−0.095MPa以下)にしながら130℃で30分間脱水した。次いで、エチレンオキサイド528部を滴下し、130〜160℃で6時間反応(圧力は0.5MPa以下)させ、1,2−エチレンジアミンのプロピレンオキサイド4モル・エチレンオキサイド12モルブロック付加物を得た。さらにこの反応物102.5部と水酸化カリウム1.4部を別の1L耐圧容器に仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、反応系内を減圧(圧力は−0.095MPa以下)にしながら130℃で30分間脱水した。次いで、100℃まで冷却し、580部のプロピレンオキサイドを100〜110℃の範囲で30時間かけて反応(圧力は0.3MPa以下)させ、淡黄色の液体を得た。これをA5とする。A5は前記一般式(1)において、a=1、b=3、c=20、Mwは6,280、EO含有量は9.7%、Mw/Mnは1.02、2級化率は98%であった。
以下、同様にしてA6〜A8を得た。その組成、性状等を表1に示した。
[比較実施例1]
1L耐圧容器に水分0.05%以下の1,2−エチレンジアミン120部を仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、−0.08MPaまで減圧とし、140℃まで昇温した。これにプロピレンオキサイド464部を滴下し、140〜160℃で2時間反応(圧力は0.3MPa以下)させ1,2−エチレンジアミンのプロピレンオキサイド4モル付加物を得た。この反応物292部と水酸化カリウム2部を別の1L耐圧容器に仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、反応系内を減圧にしながら130℃で30分間脱水した。次いで、エチレンオキサイド528部を滴下し、130〜160℃で6時間反応(圧力は0.5MPa以下)させ、1,2−エチレンジアミンのプロピレンオキサイド4モル・エチレンオキサイド12モルブロック付加物を得た。さらにこの反応物102.5部と水酸化カリウム1.4部を別の1L耐圧容器に仕込み、密閉して、反応系内を窒素雰囲気下にした後、反応系内を減圧にしながら130℃で30分間脱水した。次いで、580部のプロピレンオキサイドを150〜160℃の範囲で4時間かけて反応(圧力は0.5MPa以下)させ、淡黄色の液体を得た。これをB1とする。B1はMw/Mnが1.12であった。
以下、公知の方法に従って、比較組成例B2〜B7を得た。その組成、性状等を表1に示した。
* XにおけるP、Bはそれぞれプロピレンオキサイド(PO)、1,2−ブチレンオキサイド(BO)を表す。
** 比較品B5はEO16モルとPO80モルをランダム付加
試験例
A1〜8、B1〜7をそのまま消泡剤組成物として用いて消泡性の評価を行った。試験方法は以下の通りである。
(1)消泡性の評価
金属表面の脱脂洗浄等に用いられ、泡立ちの原因となる起泡性の活性剤成分として「サンノニックSS−90」(炭素数13のセカンダリーアルコールのEO9モル付加物、三洋化成工業社製)を4g/L、水酸化ナトリウムを1.0g/L、消泡剤を0.6g/L含む水溶液3Lを調整した。さらに、この溶液を45℃に温調し、高さ40cm、20L容量のポリ容器に入れた。直径1cmのホース(注ぎ口の先を液面から高さ50cmのところに固定)を備えた循環ポンプ(図1)を用いて、調整液を20L/分の速度で注ぎ落とし、泡容量が3Lに達するまでの時間、5分後の泡容量(L)及び10分後の泡容量(L)とオーバーフロー(泡が容器容量の20L以上となり溢れ出た場合を言う)の有無を確認した。結果を表2に示す。
また、前記の評価で気泡力の高い活性剤成分として「サンデットEN」(ラウリルアルコールエチレンオキサイド2モル付加物の硫酸エステルナトリウム25%水溶液、三洋化成工業社製)を8g/L加えた系で同様の評価を行った。結果を表3に示す。
本発明のポリエーテルを必須成分とする消泡剤組成物は、比較の消泡剤組成物に比べて抑泡性・破泡性が優れており、持続性にも優れていることがわかる。
本発明の消泡剤は固体表面を洗浄する際のアルカリ脱脂洗浄において、特に金属材料の洗浄処理や飲料用のガラス容器の洗浄時に好適である。また本発明の消泡剤の用途は特に限定されず、バイオプロセス、食品製造工程、パルプ製造工程、抄紙工程、繊維加工、金属加工などの廃水処理用消泡剤としても好適である。例えば、製紙パルプ工業、塗料工業、繊維工業、合成樹脂工業、樹脂エマルジョン工業、食品工業、機械金属工業等の廃水を多量発生させる製造・処理工程等において発泡障害が問題になる全ての製造・処理工程に使用することができる。
消泡性の評価に用いた装置を表す。
符号の説明
1.ポリ容器(20リットル)
2.循環ポンプ
3.ホース
4.流出口
5.初期液面
6.泡
7.試験液





SHAPE \* MERGEFORMAT










Claims (3)

  1. 下記一般式(1)又は一般式(2)で表され、無水トリフルオロ酢酸で処理してケミカルシフトさせた 1 H-NMRチャートから下記数式(1)で算出される末端水酸基2級化率が95%以上、重量平均分子量が3,000〜20,000、且つ重量平均分子量/数平均分子量が1.1以下であるポリエーテル(A)を必須成分とする消泡剤組成物。
    一般式
    R−[O−(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]Z (1)
    一般式
    N−[(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]2

    [R1−N]r−R1N−[(X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H]2

    (X1O)a−(EO)b−(X2O)c−H (2)
    [式中、Rは3価以上の多価アルコール残基、R1は炭素数2〜8のアルキレン基;X1は炭素数3又は4のアルキレン基、X2 分岐の1,2−プロピレン基又は1,2−ブチレン基、EOはオキシエチレン基;aは0〜10の整数、bは1〜20の整数、cは5〜50の整数;rは0〜6の整数;zは3〜12を表す。]
    数式
    末端水酸基2級化率(%) = [s/(s+p)/2)]×100 (1)
    [数式中、sは5.2ppm付近の2級水酸基の結合したメチン基由来の信号の積分値;pは4.3ppm付近の1級水酸基の結合したメチレン基由来の信号の積分値を表す。]
  2. 前記(A)中のオキシエチレン基の量が(A)に対して5〜15質量%である請求項1記載の消泡剤組成物。
  3. 固体表面洗浄用又は廃水処理用に供される請求項1又は2記載の消泡剤組成物。



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