JP4169143B2 - 代謝酵素cyp2c8の多型を利用した薬物代謝の検査方法および検査薬、並びに、薬物代謝を改善する化合物のスクリーニング方法 - Google Patents

代謝酵素cyp2c8の多型を利用した薬物代謝の検査方法および検査薬、並びに、薬物代謝を改善する化合物のスクリーニング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、代謝酵素CYP2C8またはそれをコードする遺伝子の多型を検出することにより、薬物に対する感受性を予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、薬物は患者の示す疾患、症状等に応じて投与されるものであるが、個々の患者の薬物に対する反応性には差違がある。しかしながら、従来、そのような個々人の薬物感受性に応じて薬物を投与することは困難であった。通常、投与された薬物は、肝臓の薬物代謝酵素によってより水溶性の物質へと変換され体外に排出されるものである。このような薬物代謝酵素としては特に薬物、ステロイド、発癌物質、毒素のような外因性の化学物質、並びに、ステロイド及び脂肪酸等の内因性の化合物等の酸化代謝を触媒するヘム蛋白質、シトクロムP450(CYP)を挙げることができる。ヒト肝臓中には20種以上のCYPの分子種が含まれている。CYPは多くの薬物の代謝に関与し、薬物の体内での動態を律速している。従って、薬物の薬効と安全性を知るためには、特定の薬物がCYPのどの分子種により代謝されるのか、また、いずれかの分子種の活性を阻害若しくは誘導しないか等について正確に知ることが重要である。
【0003】
遺伝子解析の進歩に伴い、薬物に対する患者の反応性を患者の遺伝子型によって分類することができると報告されている。CYP遺伝子については、一塩基多型(SNPs)によりチトクロームの代謝活性が弱められたり、増強されたりすることも知られている(Yokoi T.及びKamataki T., Pharma.Res. 15:517-524 (1998);Ingelman-Sundberg M. et al., Trends Pharmacol.Sci. 20:342-349 (1999))。
【0004】
CYP2C8遺伝子は、染色体10q24.1に位置し(Inoue K. et al., J.Hum.Genet. 39:337-343 (1994))、9個のエクソンから構成される遺伝子である(Klose T.S. et al., J.Biochem.Mol.Toxicol. 13:289-295 (1999))。この型のCYPは肝臓、並びに、腎臓、副腎、脳、子宮等を含む多くの肝臓以外の組織で発現されている(前述のKlose T.S. et al.)。CYP2C8は、抗癌薬パクリタキセル(Rahman A. et al., Cancer Res. 54:5543-5546 (1994);Sonnichesen D.S. et al., J.Pharmacol.Exp.Ther. 275:566-575 (1995))、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤セリバスタチン(Muck W., Clin.Pharmacokinet. 39:99-116 (2000))、抗痙攣薬カルマゼピン(Kerr B.M. et al., Biochem.Pharmacol. 47:1969-1979 (1994))、抗糖尿病薬トログリタゾン(Yamazaki H. et al., Drug.Metab.Dispos. 27:1260-1266 (1999))、及び、抗不整脈薬アミオダロン(Ohyama K. et al., Drug.Metab.Dispos. 28:1303-1310 (2000))等の治療薬の代謝に重要な役割を果たしている。CYP2C8はまた、全トランス-レチノイン酸及びアラキドン酸を含むレチノイド、並びに脂肪酸の酸化に関与していることが知られている(Nadin L. et al., Biochem.Pharmacol. 58:1201-1208 (1999);Rifkind A.B. et al., Arch.Biochem.Biophys. 320:380-389 (1995))。
【0005】
CYP2C8については、CYP2C8触媒パクリタキセル 6α-ヒドロキシル化の活性、並びに、ロシグリタゾンのN-脱メチル化、及びp-ヒドロキシル化の活性が、ヒト肝臓パネルからのミクロソームで、最大38倍まで異なることが報告されている(前述、Sonnichsen D.S.ら;Baldwin S.J. et al., Br.J.Clin.Pharmacol. 48:424-432 (1999))。しかしながら、そのような活性に影響するCYP2C8の多型性、特に日本人における多型性についてはほとんど知られていない。
【0006】
基質となる医薬品の一例として、CYP2C8がその代謝に関与するパクリタキセルは、最初にイチイ属Taxus brevifoliaより単離されたタキソールとも呼ばれるジテルペン誘導体のアルカロイドである(Wani M.C., J.Am.Chem.Soc. 93:2325 (1971))。微小管重合を促進することにより細胞分裂を抑制する抗癌剤であり、卵巣癌、非小細胞肺癌、乳癌、及び胃癌に対して効果を有することが知られている(例えば、Kingston D.G.I. et al., Studies in Organic Chemistry 26,pp.219-235, Attaur-Rahman, P.W. Le Quesne編, Elsevier, Amsterdam (1986))。パクリタキセルの生体内での代謝の主経路では、CYP2C8によりパクリタキセルは6α-ヒドロキシパクリタキセルに酸化され、胆汁中へ排泄される。パクリタキセルの使用による副作用(骨髄抑制、肝障害、嘔吐、脱毛、関節痛、発熱等)も報告されている。前述の生体内パクリタキセル代謝に働くCYP2C8の活性が弱い場合、血中及び臓器におけるパクリタキセル濃度が上昇し、高い濃度が持続されることにより副作用が強くあらわれると考えられる。従って、CYP2C8の代謝能に関連する遺伝子置換を調べ、患者のCYP2C8代謝能に応じた量のパクリタキセルを投与することにより、副作用の発現を抑制することが可能となると考えられる。
【0007】
CYP2C8の遺伝子多型について、2つの報告がある。1つは、269位のアミノ酸がイソロイシンからフェニルアラニンに置換されたCYP2C8*2は、パクリタキセル6α-ヒドロキシラーゼによる加水分解反応におけるKm値が野生型に比して2倍に上昇するという報告である(Dai D et al., Pharmacogenetics 11:597-607 (2001))。また、同報告では139位及び399位の2つのアミノ酸が置換した対立遺伝子CYP2C8*3(R139K/K399R)では、パクリタキセル代謝がほぼ消失していると報告されている。一方、日本人細胞株由来のゲノムDNAより、404位のプロリンがアラニンに置換する塩基置換が見出され、これによりCYP2C8タンパク質の発現量が低下することにより活性の低下を招くと報告されている(Soyama A et al., Biol. Pharm. Bull. 24:1427-1430 (2001))。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、CYP2C8により代謝される薬物を医薬品として投与する場合に、CYP2C8により代謝される薬物の投与量を調節し、その副作用を避ける方法を提供することである。即ち、本発明の目的はCYP2C8により代謝される薬物の投与による副作用を抑制するためのCYP2C8遺伝子の多型、特に一塩基欠失を利用した検査方法、及び該方法において使用するための検査薬、並びに、多型、特に一塩基欠失遺伝子を利用したスクリーニング方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
発明者らは種々の医薬品代謝に関与するCYP2C8における遺伝子多型を検出することを目的として、日本人50人由来ゲノムDNAよりCYP2C8遺伝子のエクソン領域を中心に解析を行い、このうち1例からエクソン3内の471 番目のアデニン(A)の欠失によりフレームシフトを起こし、コドン159番目からのアミノ酸の置換を引き起こすと共に、コドン176番目のアミノ酸まででタンパク質翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)多型を見出した。
【0010】
完全なCYP2C8遺伝子(配列番号:1)は490アミノ酸(配列番号:2)をコードする。従って176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる本多型(塩基配列及びアミノ酸配列を各々配列番号:3及び4として示す)により、本蛋白質の約64%が欠失する結果となる。この欠失部分には、CYP2C8が酵素として活性に必要な基質認識部位およびヘム結合部位が存在する(Graham EG and Peterson JA, Arch. Biochem. Biophys. 368:24-29 (1999), "Guide to cytochrome P450, structure and function" by Lewis DFV, published by Taylor and Francis Inc (London). (2001))。また、フレームシフトを起こすことから、塩基欠失の起こる159番目のアミノ酸から176番目のアミノ酸までは、3残基を除き野生型のアミノ酸とは異なるものである。以上のことから、本一塩基欠失によりCYP2C8蛋白質の機能は失われると考えられた。
【0011】
本発明で見出されたCYP2C8の471番目の塩基欠失をもつヒトでは、活性を持たないCYP2C8を発現することから、体内に投与されたCYP2C8の基質となる薬物が正常に代謝されず、体内薬物濃度の上昇を招き、副作用の発現を招くと推定された。CYP2C8により代謝される薬物の投与前に、この一塩基欠失を調べることによりCYP2C8により代謝される薬物の投与量を調節し、副作用の発現を抑制することが可能である。即ち、本発明はパクリタキセル等のCYP2C8により代謝される薬物の投与による副作用を抑制するためのCYP2C8遺伝子の多型を利用した検査方法、及び該方法において使用するための検査薬に関する。また、該多型遺伝子を利用したスクリーニング方法に関する。
【0012】
本発明により、抗癌剤パクリタキセルの代謝に関与している酵素CYP2C8の新規SNPが見出された。本発明の一塩基欠失の存在は、活性に必要な部位を含むCYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こすものであった。CYP2C8により代謝される薬物の投与前に、このSNPを調べることによりCYP2C8により代謝される薬物の投与量を調節し、副作用の発現を抑制することが可能である。即ち、本発明はパクリタキセル等のCYP2C8により代謝される薬物の投与による副作用を抑制するためのCYP2C8遺伝子の多型を利用した検査方法、及び該方法において使用するための検査薬に関する。また、該多型遺伝子を利用したスクリーニング方法に関する。より具体的には、
(1)CYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こすCYP2C8遺伝子の多型を検出する工程を含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
(2)多型が一塩基欠失である、(1)に記載の検査方法。
(3)CYP2C8遺伝子の一塩基欠失が、CYP2C8の159番目のアミノ酸からの置換をもたらし、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)ものである、(2)に記載の検査方法。
(4)以下の(a)〜(c)の工程を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
(a)被検者から調製されたDNA試料よりCYP2C8遺伝子を含むDNAを単離する工程
(b)単離したDNA試料の塩基配列を決定する工程
(c)(b)において決定したDNAの塩基配列を、対照と比較する工程
(5)以下の(a)〜(d)の工程を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
(a)471番目の塩基部位を含むCYP2C8遺伝子断片をヌクレオチドプローブとして基板上に固定する工程
(b)被検者から調製されたDNA試料よりCYP2C8遺伝子の471番目の塩基部位を含むDNAを単離する工程
(c)(b)で単離したDNAを(a)の基板と接触させる工程
(d)該DNAと該基板上に固定されたヌクレオチドプローブとのハイブリダイズの強度を検出することにより、CYP2C8遺伝子多型を検出する工程
(6)CYP2C8遺伝子の多型を、抗体を用いて該遺伝子の変異の結果生じるアミノ酸配列の変異として検出する、(1)〜(3)のいずれかに記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
(7)CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
(8)CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAにハイブリダイズするヌクレオチドプローブが固定された基板からなる、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
(9)CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAを増幅するように設計されたフォワードプライマー及びリバースプライマーを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
(10)以下の(a)〜(d)の工程を含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性を上昇させる医薬品候補化合物のスクリーニング方法。
(a)159番目のアミノ酸から置換し、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8を発現する細胞を提供する工程
(b)該細胞に対し被験化合物を接触させる工程
(c)被験化合物を接触させた細胞におけるCYP2C8活性を検出する工程
(d)被験化合物を接触させない場合の活性と比較して、(c)で検出された活性を増加させる化合物を選択する工程
(11)(10)記載のスクリーニング方法により得られる化合物を含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性を上昇させる医薬
に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らにより、CYP2C8遺伝子(GenBank Accession No. NM_000770; NM_000770のヌクレオチド配列中24番目のATGのAを1番目の塩基とし、これに対応するメチオニンを1番目のアミノ酸残基とする) の471番目の塩基であるアデニン(A)の欠失によりフレームシフトが起こり、159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)新規の多型が見出された。このような塩基欠失をもつヒトでは、CYP2C8酵素活性に必要な部位を含むタンパク質の半分以上の欠失が起こり、活性を持たないCYP2C8酵素が産生されると考えられる。この塩基欠失の結果、CYP2C8により代謝される薬物の生体内での代謝が下がり、それらの薬物が生体内に蓄積し、副作用が発現しやすいと考えられる。従って、パクリタキセル等のCYP2C8により代謝される薬物を投与する前に、患者のCYP2C8遺伝子のこのような置換の有無について検査し、その結果に応じて投与する薬物量を調節する等の方法によりCYP2C8により代謝される薬物の副作用の発現を抑制することが可能となる。
【0014】
多型とは、遺伝学的には、人口中1%以上の頻度で存在している1遺伝子における特定の塩基の変化と一般的には定義される。しかしながら、本発明の「多型」はこの定義に制限されず、1%未満の塩基の変化であっても「多型」に含む。本発明における多型の種類としては、例えば、一塩基多型(SNP)から数十塩基が欠失、置換あるいは挿入されている多型等が挙げられるが、これらに制限されるものではない。さらに、多型部位の数についても特に制限はなく、1個以上の多型を有していてもよい。しかしながら、本発明の多型はこれに制限されるものではなく、CYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こす多型であればよい。好ましくは本発明の多型は、CYP2C8遺伝子の一塩基欠失であり、CYP2C8の159番目のアミノ酸からの置換をもたらし、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)ものである。
【0015】
また、本発明のCYP2C8により代謝される薬物とは、CYP2C8の作用により生体内で代謝される物質である。例えば、パクリタキセル、アミオダロン、セリバスタチン、カルマゼピン等を挙げることができるが、これらの例示に限定されるものではない。
本発明の検査方法の一つの態様は、タンパク質の半分以上を翻訳せず活性を喪失するCYP2C8遺伝子の一塩基欠失を指標とする方法である。本発明により、CYP2C8遺伝子に生じた一塩基欠失を検出する工程を含む方法が提供される。
【0016】
本発明においてCYP2C8遺伝子に生じた一塩基欠失は、その欠失の種類、数、部位は特に限定されないが、タンパク質の半分以上が翻訳されず、タンパク質の活性を喪失させるものである。好ましくは、このような一塩基欠失は159番目のアミノ酸からの置換をもたらし、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)ものである。
【0017】
上記検査方法において、CYP2C8遺伝子に生じた多型の検出は、例えば、被検者のCYP2C8遺伝子の塩基配列を直接決定することにより行うことができる。この方法においてはまず、被検者からDNA試料を調製する。DNA試料は、例えば被検者の末梢血白血球、肝臓、腎臓、副腎、脳、子宮等の組織または細胞から抽出した染色体DNA、あるいはRNAを基に調製することができる。
【0018】
本方法においては、次いで、CYP2C8遺伝子を含むDNAを単離する。該DNAの単離は、CYP2C8遺伝子にハイブリダイズするプライマーを用いて、染色体DNA、あるいはRNAを鋳型としたPCR等によって行うことも可能である。本方法においては、次いで、単離したDNAの塩基配列を決定する。単離したDNAの塩基配列の決定は、当業者に公知の方法で行うことができる。
【0019】
本方法においては、次いで、決定したDNAの塩基配列を、対照と比較する。本方法における対照とは、正常な(野生型)CYP2C8遺伝子の配列を言う。一般に健常人のCYP2C8遺伝子の配列は正常であるものと考えられることから、上記工程の「対照と比較する」とは、通常、健常人のCYP2C8遺伝子の配列と比較することを意味するが、GenBankに野生型として登録されているCYP2C8遺伝子の配列(NM_000770)と比較してもよい。
【0020】
本発明の検査方法は、上記の如く直接被検者由来のDNAの塩基配列を決定する方法以外に、多型の検出が可能な種々の方法によって行うことができる。例えば、以下のような方法を挙げることができる。
まず、被検者からDNA試料を調製する。次いで、調製したDNA試料を制限酵素により切断する。次いで、DNA断片をその大きさに応じて分離する。次いで、検出されたDNA断片の大きさを、対照と比較する。また、他の一つの態様においては、まず、被検者からDNA試料を調製する。次いで、CYP2C8遺伝子を含むDNAを増幅する。さらに、増幅したDNAを制限酵素により切断する。次いで、DNA断片をその大きさに応じて分離する。次いで、検出されたDNA断片の大きさを対照と比較する。
【0021】
このような方法としては、例えば、制限酵素断片長多型(Restriction Fragment Length Polymorphism/RFLP)を利用した方法やPCR−RFLP法等が挙げられる。具体的には、制限酵素の認識部位に変異が存在する場合、あるいは制限酵素処理によって生じるDNA断片内に塩基挿入または欠失がある場合、制限酵素処理後に生じる断片の大きさが対照と比較して変化する。この変異を含む部分をPCR法によって増幅し、それぞれの制限酵素で処理することによって、これらの変異を電気泳動後のバンドの移動度の差として検出することができる。あるいは、染色体DNAをこれらの制限酵素によって処理し、電気泳動した後、本発明のプローブDNAを用いてサザンブロッティングを行うことにより、変異の有無を検出することができる。用いられる制限酵素は、それぞれの変異に応じて適宜選択することができる。この方法では、ゲノムDNA以外にも被検者から調製したRNAを逆転写酵素でcDNAに変換し、これをそのまま制限酵素で切断した後、サザンブロッティングを行うことも可能である。また、このcDNAを鋳型としてPCRでCYP2C8遺伝子を含むDNAを増幅し、それを制限酵素で切断した後、移動度の差を調べることも可能である。
【0022】
さらに別の方法においては、まず、被検者からDNA試料を調製する。次いで、CYP2C8遺伝子を含むDNAを増幅する。さらに、増幅したDNAを一本鎖DNAに解離させる。次いで、解離させた一本鎖DNAを非変性ゲル上で分離する。分離した一本鎖DNAのゲル上での移動度を対照と比較する。
【0023】
該方法としては、例えばPCR-SSCP(single-strand conformation polymorphism、一本鎖高次構造多型)法("Cloning and polymerase chain reaction-single-strand conformation polymorphism analysis of anonymous Alu repeats on chromosome 11". Genomics. 1992 Jan 1; 12(1): 139-146.; "Detection of p53 gene mutations in human brain tumors by single-strand conformation polymorphism analysis of polymerase chain reaction products." Oncogene. 1991 Aug 1; 6(8): 1313-1318.; "Multiple fluorescence-based PCR-SSCP analysis with postlabeling."、PCR Methods Appl. 1995 Apr 1; 4(5): 275-282)が挙げられる。この方法は操作が比較的簡便であり、また被検試料の量も少なくて済む等の利点を有するため、特に多数のDNA試料をスクリーニングするのに好適である。その原理は次の通りである。二本鎖DNA断片を一本鎖に解離すると、各鎖はその塩基配列に依存した独自の高次構造を形成する。この解離したDNA鎖を、変性剤を含まないポリアクリルアミドゲル中で電気泳動すると、それぞれの高次構造の差に応じて、相補的な同じ鎖長の一本鎖DNAがゲル内の異なる位置に移動する。一塩基の置換・欠失・挿入によってもこの一本鎖DNAの高次構造は変化し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動において異なる移動度を示す。従って、この移動度の変化を検出することによりDNA断片に点突然変異や欠失、あるいは挿入等による変異が存在することを検出することができる。
【0024】
具体的には、まず、CYP2C8遺伝子を含むDNAをPCR法等によって増幅する。増幅される範囲としては、通常200〜400bp程度の長さが好ましい。PCRは、当業者においては反応条件等を適宜選択して行うことができる。PCRの際に、32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識したプライマーを用いることにより、増幅DNA産物を標識することができる。あるいはPCR反応液に32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を加えてPCRを行うことにより、増幅DNA産物を標識することも可能である。さらに、PCR反応後にクレノウ酵素等を用いて、32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を、増幅DNA断片に付加することによっても標識を行うことができる。こうして得られた標識DNA断片を、熱を加えること等により変性させ、尿素などの変性剤を含まないポリアクリルアミドゲルによって電気泳動を行う。この際、ポリアクリルアミドゲルに適量(5〜10%程度)のグリセロールを添加することにより、DNA断片の分離の条件を改善することができる。また、泳動条件は各DNA断片の性質により変動するが、通常、室温(20〜25℃)で行い、好ましい分離が得られないときには4から30℃までの温度で最適の移動度を与える温度の検討を行う。電気泳動後、DNA断片の移動度を、X線フィルムを用いたオートラジオグラフィーや、蛍光を検出するスキャナー等で検出し、解析を行う。移動度に差があるバンドが検出された場合、このバンドを直接ゲルから切り出し、PCRによって再度増幅し、それを直接シークエンシングすることにより、変異の存在を確認することができる。また、標識したDNAを使わない場合においても、電気泳動後のゲルをエチジウムブロマイドや銀染色法などによって染色することによって、バンドを検出することができる。
【0025】
さらに別の方法では、まず、被検者からDNA試料を調製する。次いで、CYP2C8遺伝子を含むDNAを増幅する。さらに、増幅したDNAを、DNA変性剤の濃度が次第に高まるゲル上で分離する。次いで、分離したDNAのゲル上での移動度を対照と比較する。
【0026】
このような方法としては、例えば、変性剤濃度勾配ゲル(denaturant gradient gel electrophoresis: DGGE法)等を例示することができる。DGGE法は、変性剤の濃度勾配のあるポリアクリルアミドゲル中で、DNA断片の混合物を泳動し、それぞれの不安定性の違いによってDNA断片を分離する方法である。ミスマッチのある不安定なDNA断片が、ゲル中のある変性剤濃度の部分まで移動すると、ミスマッチ周辺のDNA配列はその不安定さのために、部分的に1本鎖へと解離する。この部分的に解離したDNA断片の移動度は、非常に遅くなり、解離部分のない完全な二本鎖DNAの移動度と差がつくことから、両者を分離することができる。具体的には、CYP2C8遺伝子を含むDNAを本発明のプライマー等を用いたPCR法等によって増幅し、これを尿素などの変性剤の濃度が移動するに従って徐々に高くなっているポリアクリルアミドゲル中で電気泳動し、対照と比較する。変異が存在するDNA断片の場合、より低い変性剤濃度位置でDNA断片が一本鎖になり、極端に移動速度が遅くなるため、この移動度の差を検出することにより変異の有無を検出することができる。
【0027】
さらに別の方法では、まず、被検者から調製したCYP2C8遺伝子を含むDNA、および該DNAとハイブリダイズするヌクレオチドプローブが固定された基板を用意する。次いで、該DNAと該基板を接触させる。さらに、基板に固定されたヌクレオチドプローブにハイブリダイズしたDNAを検出することにより、CYP2C8遺伝子多型を検出する。
【0028】
このような方法としては、DNAアレイ法(SNP遺伝子多型の戦略、松原謙一・榊佳之、中山書店、p128-135, 2000)が例示できる。被検者からのCYP2C8遺伝子を含むDNA試料の調製は、当業者に周知の方法で行うことができる。該DNA試料の調製の好ましい態様においては、例えば被検者の末梢血白血球、肝臓、腎臓、副腎、脳、子宮等の組織または細胞から抽出した染色体DNAを基に調製することができる。染色体DNAから本方法のDNA試料を調製するには、例えばCYP2C8遺伝子を含むDNAにハイブリダイズするプライマーを用いて、染色体DNAを鋳型としたPCR等によってCYP2C8遺伝子を含むDNAを調製することも可能である。調製したDNA試料には、必要に応じて、当業者に周知の方法によって検出のための標識を施すことができる。
【0029】
本発明において用いられる「基板」とは、ヌクレオチドを固定することができる板状の材料を意味する。本発明においてヌクレオチドには、オリゴヌクレオチドおよびポリヌクレオチドが含まれる。本発明の基板は、ヌクレオチドを固定することが可能であれば特に制限はないが、一般にDNAアレイ技術で使用される基板が好適に用いられる。
【0030】
一般にDNAアレイは、高密度に基板にプリントされた何千ものヌクレオチドで構成されている。通常これらのDNAは非透過性(non-pourous)の基板の表層にプリントされる。基板の表層は、一般的にはガラスであるが、透過性(porous)の膜、例えばニトロセルロースメンブレンを使用することもできる。
【0031】
本発明において、ヌクレオチドの固定(アレイ)方法として、Affymetrix社により開発されたオリゴヌクレオチドを基本としたアレイが例示される。オリゴヌクレオチドのアレイにおいて、オリゴヌクレオチドは通常インサイチュ(in situ)で合成される。例えば、photolithographicの技術(Affymetrix社)、および化学物質を固定させるためのインクジェット(Rosetta Inpharmatics社)技術等によるオリゴヌクレオチドのインサイチュ合成法が既に知られており、いずれの技術も本発明の基板の作製に利用することができる。
【0032】
基板に固定するヌクレオチドプローブは、CYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こすCYP2C8遺伝子の多型を検出することができるものであれば、特に制限されない。特に好ましくは、CYP2C8の159番目のアミノ酸からの置換をもたらし、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子の一塩基欠失を検出するヌクレオチドプローブが使用される。即ち、該プローブは、例えば、野生型のCYP2C8遺伝子、あるいは多型(一塩基欠失)を有するCYP2C8遺伝子と特異的にハイブリダイズするようなプローブである。特異的なハイブリダイズが可能であれば、ヌクレオチドプローブは、検出するCYP2C8遺伝子を含むDNA、または一塩基欠失を有するCYP2C8遺伝子に対し、完全に相補的である必要はない。
【0033】
発明において基板に結合させるヌクレオチドプローブの長さは、オリゴヌクレオチドを固定する場合は、通常10〜100ベースであり、好ましくは10〜50ベースであり、さらに好ましくは15〜25ベースである。
【0034】
本発明においては、次いで、該cDNA試料と該基板を接触させる。本工程により、上記ヌクレオチドプローブに対し、DNA試料がハイブリダイズされる。ハイブリダイゼーションの反応液および反応条件は、基板に固定するヌクレオチドプローブの長さ等の諸要因により変動しうるが、一般的に当業者に周知の方法により行うことができる。
【0035】
本発明においては、次いで、該DNA試料と基板に固定されたヌクレオチドプローブとのハイブリダイズの有無または強度を検出する。この検出は、例えば、蛍光シグナルをスキャナー等によって読み取ることによって行うことができる。尚、DNAアレイにおいては、一般的にスライドガラスに固定したDNAをプローブといい、一方溶液中のラベルしたDNAをターゲットという。従って、基板に固定された上記ヌクレオチドを、本明細書においてヌクレオチドプローブと記載する。
【0036】
上記の方法以外にも、特定位置の一塩基欠失を含む変異のみを検出する目的にはアレル特異的オリゴヌクレオチド(Allele Specific Oligonucleotide/ASO)ハイブリダイゼーション法が利用できる。変異が存在すると考えられる塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを作製し、これと試料DNAでハイブリダイゼーションを行わせると、一塩基欠失を含む変異が存在する場合、ハイブリッド形成の効率が低下する。それをサザンブロット法や、特殊な蛍光試薬がハイブリッドのギャップにインターカレーションすることにより消光する性質を利用した方法、等により検出することができる。また、リボヌクレアーゼAミスマッチ切断法による検出も可能である。具体的には、CYP2C8遺伝子を含むDNAをPCR法等によって増幅し、これをプラスミドベクター等に組み込んだCYP2C8遺伝子cDNA等から調製した標識RNAとハイブリダイゼーションを行う。一塩基欠失を含む変異が存在する部分においてはハイブリッドが一本鎖構造となるので、この部分をリボヌクレアーゼAによって切断し、これをオートラジオグラフィー等で検出することによって変異の存在を検出することができる。
【0037】
また、本発明はCYP2C8遺伝子の多型を、抗体を用いて該遺伝子の変異の結果生じるアミノ酸配列の変異として検出する、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法に関する。CYP2C8遺伝子の多型によりCYP2C8酵素のアミノ酸配列に変異が生じる場合、このような多型はアミノ酸配列の変異部分に対する抗体を用いて検出することができる。本発明において新たに見出されたCYP2C8遺伝子の変異はCYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こす多型であることから、当該多型の結果、欠失するタンパク質部分を抗原とする抗体を用いることにより検出することが可能であり、本発明の検出方法はこのような抗体を用いた方法を含む。本方法において使用される抗体としては、ポリクローナル抗体及びモノクローナル抗体が挙げられ、さらには抗原結合性を有するそれらの断片を用いることもできる。また、全てのクラスの抗体を利用することができる。さらに、ヒト抗体、ヒト化抗体、二特異性抗体等、公知の特殊な形態の抗体であってもよい。
【0038】
ポリクローナル抗体は、CYP2C8の欠失される部分(特に、159番目以降のアミノ酸部分)に対応するペプチドをマウス、ラット等の動物に免疫して周知の方法(Current protocols in Molecular Biology, edit. Ausubel et al. (1987) publish. John Wiley & Sons, Section 11.12〜11.13)により得ることができる。また、モノクローナル抗体は該ペプチドで免疫した動物から抗体産生細胞を単離し、骨髄腫細胞等の細胞と融合させハイブリドーマ細胞を作製し、該ハイブリドーマ細胞から産生させることができる(Current protocols in Molecular Biology, edit. Ausubel et al. (1987) publish. John Wiley & Sons, Section 11.4〜11.11)。また、ヒト抗体(例えば、"Functional transplant of megabase human immunoglobulin loci recapitulates human antibody response in mice", Mendez M.J. et al. (1997) Nat. Genet. 15: 146-156)、ヒト化抗体(Methods in Enzymology 203: 99-121 (1991))等の特殊な抗体も周知技術に従って製造することができる。
【0039】
その他の本発明の多型の検出が可能な方法としては、
1)質量分析法による方法(Griffin TJ and Smith LM, Trends Biotechnol. vol. 18, pp77-84, (2000))、
2)Taq-Man PCRによる方法(Livak KJ. Genet. Anal. vol.14, pp143-149, (1999)、CYPへの応用例:Hiratsuka M et al., Biol. Pharm. Bull. vol.23, pp1131-1135, (2000))、
3)Pyrosequencingによる方法(Ahmadian A et al., Anal. Biochem. vol. 280, pp103-110, (2000))、
4)Invader法による方法(Lyamichev V et al., Nat. Biotechnol. vol. 17, pp292-296, (1999)、メディカルドゥ社発行 「遺伝子医学」 vol.4, No.1, pp44-51およびpp68-72 (2000))
を挙げることができる。以上、種々の検出方法を例示したが、これらに限らず、CYP2C8遺伝子の発現量を減少させる本発明のCYP2C8遺伝子に生じた多型(特に一塩基欠失)の検出を可能にする方法であれば、いかなる方法を用いることができる。
【0040】
本発明はまた、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性を検査するための検査薬を提供する。
その一つの態様は、CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬である。これは遺伝子多型を指標とする検査に使用される。
【0041】
該オリゴヌクレオチドは、CYP2C8遺伝子を含むDNAに特異的にハイブリダイズするものである。ここで「特異的にハイブリダイズする」とは、通常のハイブリダイゼーション条件下、好ましくはストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例えば、サムブルックら,Molecular Cloning,Cold Spring Harbour Laboratory Press,New York,USA,第2版1989に記載の条件)において、他のタンパク質をコードするDNAとクロスハイブリダイゼーションを有意に生じないことを意味する。特異的なハイブリダイズが可能であれば、該オリゴヌクレオチドは、検出するCYP2C8遺伝子の塩基配列に対し、完全に相補的である必要はない。
【0042】
該オリゴヌクレオチドは、上記本発明の検査方法におけるプローブやプライマーとして用いることができる。該オリゴヌクレオチドをプライマーとして用いる場合、その長さは、通常15bp〜100bpであり、好ましくは17bp〜30bpである。プライマーは、多型(好ましくは一塩基欠失)部分を含むCYP2C8遺伝子の少なくとも一部を増幅しうるものであれば、特に制限されない。
【0043】
また、上記オリゴヌクレオチドをプローブとして使用する場合、該プローブは、CYP2C8遺伝子の471番目の塩基を含む領域に対応するDNAに特異的にハイブリダイズするものであれば、特に制限されない。該プローブは、合成オリゴヌクレオチドであってもよく、通常少なくとも15bp以上の鎖長を有する。
【0044】
本発明のオリゴヌクレオチドは、例えば市販のオリゴヌクレオチド合成機により作製することができる。プローブは、制限酵素処理等によって取得される二本鎖DNA断片として作製することもできる。
【0045】
本発明のオリゴヌクレオチドをプローブとして用いる場合は、適宜標識して用いることが好ましい。標識する方法としては、T4ポリヌクレオチドキナーゼを用いて、オリゴヌクレオチドの5'端を32Pでリン酸化することにより標識する方法、およびクレノウ酵素等のDNAポリメラーゼを用い、ランダムヘキサマーオリゴヌクレオチド等をプライマーとして32P等のアイソトープ、蛍光色素、またはビオチン等によって標識された基質塩基を取り込ませる方法(ランダムプライム法等)を例示することができる。
【0046】
また、本発明における検査薬の別の態様は、CYP2C8遺伝子の471番目の塩基を含む領域に対応するDNAとハイブリダイズするヌクレオチドプローブが固定された基板からなるCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬である。これは遺伝子多型を指標とする検査に使用される。これらは、上述の方法に従って調製することができる。
【0047】
また、本発明における検査薬の別の態様は、CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAを増幅するように設計されたフォワードプライマー及びリバースプライマーを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬である。プライマーの長さは、通常15bp〜100bpであり、好ましくは17bp〜30bpである。プライマーは、多型部分を含むCYP2C8遺伝子の少なくとも一部を増幅しうるものであれば、特に制限されない。
【0048】
上記の検査薬においては、有効成分であるオリゴヌクレオチド以外に、例えば、滅菌水、生理食塩水、植物油、界面活性剤、脂質、溶解補助剤、緩衝剤、タンパク質安定剤(BSAやゼラチンなど)、保存剤等が必要に応じて混合されていてもよい。
【0049】
また本発明は、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性を上昇させる医薬品候補化合物のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法の一つの態様は、CYP2C8の活性を指標とした方法である。本方法においては、まず、159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子を発現する細胞に、被験化合物を接触させる。用いられる「細胞」の由来としては、例えば、ヒト、サル、マウス、ラット、ウシ、ブタ、イヌ等に由来する細胞が挙げられるが、これらの由来に制限されない。「159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子を発現する細胞」としては、内因性の159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子を発現している細胞、または外因性の遺伝子が導入され、該遺伝子が発現している細胞を利用することができる。外因性の159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子が発現する細胞は、通常、該遺伝子が挿入された発現ベクターを宿主細胞へ導入することにより作製することができる。該発現ベクターは、一般的な遺伝子工学技術によって作製することができる。
【0050】
本方法に用いる被検化合物としては、例えば、天然化合物、有機化合物、無機化合物、タンパク質、ペプチドなどの単一化合物、並びに、化合物ライブラリー、遺伝子ライブラリーの発現産物、細胞抽出物、細胞培養上清、発酵微生物産生物、海洋生物抽出物、植物抽出物等を挙げることができる。
【0051】
159番目のアミノ酸から置換され、さらに176番目のアミノ酸までで翻訳が終止する(177番目が終止コドンとなる)CYP2C8遺伝子を発現する細胞への被験化合物の「接触」は、通常、該遺伝子を発現する細胞の培養液に被験化合物を添加することによって行うが、この方法に限定されない。被験化合物がタンパク質等の場合には、該タンパク質を発現するDNAベクターを、該細胞へ導入することにより、「接触」を行うことができる。
【0052】
本方法においては、次いで、該遺伝子の発現産物であるCYP2C8の活性を測定する。CYP2C8の活性の測定は、CYP2C8により代謝される薬物、例えば、パクリタキセル、アミオダロン、セリバスタチン及びカルマゼピン等、並びに、レチノイド及び脂肪酸等を酸化する活性を測定することにより測ることができる。例えば、パクリタキセルはCYP2C8により酸化され6α-ヒドロキシル化物に変換される。このようなパクリタキセル6α-ヒドロキシラーゼ活性の測定方法については、例えば、Walle T.(Methods Enzymol. 272:145-151 (1996))により報告されている。
【0053】
本方法においては、次いで、測定したCYP2C8活性を、被験化合物の非存在下において測定した場合の活性と比較して、活性を上昇させる化合物を選択する。このようにして選択された化合物は、抗癌薬パクリタキセル、HMG-CoAレダクターゼ阻害剤セリバスタチン、抗痙攣薬カルマゼピン、抗糖尿病薬トログリタゾン、及び、抗不整脈薬アミオダロン等のCYP2C8により代謝される治療薬を投与する際に併用することにより、それらの治療薬による副作用を抑制するのに役立つと考えられる。また、全トランス-レチノイン酸及びアラキドン酸を含むレチノイド、並びに脂肪酸の酸化に関与する疾病の治療または予防のための医薬品候補化合物となる。即ち、本発明はさらに、このようなスクリーニング方法により得られる化合物を含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性を上昇させる医薬に関する。
【0054】
本発明のスクリーニング方法により取得される化合物は、分子自体を被検者に投与することも可能であるが、一般的に公知の製剤学的方法により製剤化して投与することも可能である。例えば経口投与の場合、錠剤、散剤、カプセル剤、懸濁液剤等、経皮投与の場合、ハップ剤等を示すことができるが、これらに制限されない。投与方法は、治療効果や予防効果を示し得る限り特に制限はなく、例えば経口投与、経皮投与、注射による血中投与等が考えられる。これらの化合物がDNAである場合、該DNAを生体内に投与する際には、レトロウイルス、アデノウイルス、センダイウイルスなどのウイルスベクターやリポソーム等の非ウイルスベクター、或いは、naked DNAの形態で利用することができる。投与方法としては、in vivo法およびex vivo法を例示することができる。
【0055】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
[実施例1] CYP2C8遺伝子の配列決定
CYP2C8のゲノム配列(NCBI, NT_008878)に基づき、下記表1に示すCYP2C8特異的CYP2C8遺伝子全領域増幅用プライマーを設計した。
【0056】
【表1】
CYP2C8遺伝子全領域増幅用プライマーセット(Z-Taq Primer)
Figure 0004169143
【0057】
まず、全長増幅用のプライマーセット(表1,各0.2μM)とZ-Taq (1.25 units; Takara Shuzo, Kyoto, Japan)を用いて、50人の日本人由来ゲノムDNA(200 ng)について、CYP2C8遺伝子の全長を増幅した。この際の反応液の全量は100μlで、PCRの条件は、「98℃で5秒、55℃で5秒および72℃で190秒」を25サイクルであった。
【0058】
CYP2C8遺伝子全領域増幅用プライマーと同様に、CYP2C8のゲノム配列(NCBI, NT_008878)に基づき下記表2に示す配列を有する各エクソン増幅用のプライマーを設計した。
【0059】
【表2】
エクソン増幅用プライマーセット
Figure 0004169143
【0060】
次に各エクソンのPCR増幅用プライマーセット(表2、各0.2μM)を用いて、CYP2C8遺伝子の全エクソンを含むDNA断片(反応液を2μl用いる)より、各エクソンを含むDNA断片をEx-Taq(0.625 units; Takara Shuzo, Kyoto, Japan)を用いて増幅した。この際の反応液の全量は50μLで、PCRの条件は、94℃で5分処理後、「94℃で30秒、55℃で1分および72℃で2分」を30サイクル行い、その後72℃で7分処理した。その後、PCR増幅産物のうち5μLにPCR Product Pre-Sequencing Kit(USB Co.,Cleveland, OH)に含まれるExonuclease Iを0.2μL、Shrimp alkaline phosphataseを0.2μL、精製水を1.6μL加えて37℃で15分、80℃で15分処理し、その後4℃に冷却した。
【0061】
CYP2C8遺伝子全領域増幅用プライマー及び各エクソン増幅用プライマーと同様に、CYP2C8のゲノム配列(NCBI, NT_008878)に基づき下記表3に示す配列を有する各エクソンについてシークエンス用のプライマーを設計した。
【0062】
【表3】
シークエンス用プライマーセット
Figure 0004169143
*471番目のアデニン塩基の欠失を確認するために使用
【0063】
PCRにより増幅した産物の両鎖につき表3のプライマーを用いて、ABI BigDye Terminator Cycle Sequencing Kit(Version 2, Applied Biosystems, Foster City, CA)により直接塩基配列を決定した。即ち、計2.8 μLのPCR増幅産物に1 μMのプライマーを3.2μL、BigDye(Ver. 2)を4 μL、5x Sequencing bufferを2 μL、精製水8μLを加え合計20μLとして「96℃で10秒、50℃で5秒、60℃で4分」を25サイクル行い、その後、4℃に冷却した。過剰な色素をDyeEx96 plate(Qiagen, Hilden, Germany)を用いて除去し、溶出液全量20μLをABI Prism 3700 DNA Analyzer(Applied Biosystems)を用いて分析した。その際、溶出液に精製水25μLを加え、94℃で2分間、ヒートショックを行った。
【0064】
その結果、日本人50人由来ゲノムDNAより薬物代謝酵素CYP2C8遺伝子のアミノ酸コーディングエクソンを中心に解析を行い、このうち1例から471番目の アデニン(A)が欠失することによりフレームシフトを起こし、コドン159番目からのアミノ酸置換を引き起こし、さらにコドン176番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる(177番目が終止コドンとなる)多型を見出した。本一塩基欠失によりCYP2C8タンパク質の約64%が欠失し、さらに残る36%のうちの約1割の部分のアミノ酸は野生型と異なる。この欠失部分には、酵素として活性に必要な基質認識部位およびヘム結合部位が存在する。よって当該塩基欠失はCYP2C8タンパク質の機能を消失させるものであり、CYP2C8の基質となる薬物の濃度上昇を招くことから、薬物の副作用につながる一塩基欠失でありうると考えられた。
【0065】
【発明の効果】
本発明により、CYP2C8により代謝される薬物を医薬品として投与する場合に、CYP2C8により代謝される薬物の投与量を調節し、その副作用を避ける方法が提供される。より具体的には、本発明によりCYP2C8により代謝される薬物の投与による副作用を抑制するためのCYP2C8遺伝子の多型(特に好ましくは一塩基欠失)を利用した検査方法、及び該方法において使用するための検査薬、並びに、多型(特に好ましくは一塩基欠失)遺伝子を利用したスクリーニング方法が提供される。
【0066】
【配列表】
Figure 0004169143
Figure 0004169143
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Figure 0004169143
Figure 0004169143
Figure 0004169143
Figure 0004169143

Claims (7)

  1. CYP2C8タンパク質の半分以上の欠失を引き起こすCYP2C8遺伝子の多型であって、該多型が一塩基欠失であり、該一塩基欠失が CYP2C8 遺伝子の 471 番目のアデニンの欠失であって、 CYP2C8 159 番目のアミノ酸からの置換をもたらし、さらに 176 番目のアミノ酸までで翻訳を終止させる( 177 番目が終止コドンとなる)ものである多型を検出する工程を含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
  2. 以下の(a)〜(c)の工程を含む、請求項1記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
    (a)被検者から調製されたDNA試料よりCYP2C8遺伝子を含むDNAを単離する工程
    (b)単離したDNA試料の塩基配列を決定する工程
    (c)(b)において決定したDNAの塩基配列を、対照と比較する工程
  3. 以下の(a)〜(d)の工程を含む、請求項1記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
    (a)471番目の塩基部位を含むCYP2C8遺伝子断片をヌクレオチドプローブとして基板上に固定する工程
    (b)被検者から調製されたDNA試料よりCYP2C8遺伝子の471番目の塩基部位を含むDNAを単離する工程
    (c)(b)で単離したDNAを(a)の基板と接触させる工程
    (d)該DNAと該基板上に固定されたヌクレオチドプローブとのハイブリダイズの強度を検出することにより、CYP2C8遺伝子多型を検出する工程
  4. CYP2C8遺伝子の多型を、抗体を用いて該遺伝子の変異の結果生じるアミノ酸配列の変異として検出する、請求項1記載のCYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査方法。
  5. CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAにハイブリダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有するオリゴヌクレオチドを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
  6. CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAにハイブリダイズするヌクレオチドプローブが固定された基板からなる、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
  7. CYP2C8遺伝子の471番目を含む領域に対応するDNAを増幅するように設計されたフォワードプライマー及びリバースプライマーを含む、CYP2C8により代謝される薬物に対する代謝活性の検査薬。
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