JP4168239B2 - 有機性廃棄物の処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難生物分解性の有機物を含む有機性廃棄物を加熱処理してその生物分解性を高め、その後の生物処理工程での高効率な生物分解を実現する方法に関し、特に生物分解後の難分解性有機物の残留を抑制することによって処理水質の悪化を防ぐとともに、廃棄物減量率の向上を図ることができる有機性廃棄物の処理方法に関すものである。
【0002】
【従来の技術】
下水や屎尿、工場排水等の処理としては生物処理が一般的であるが、斯かる生物処理の主体は微生物であるため、増殖微生物等が余剰汚泥として不可避的に発生する。このため、汚泥の減量化が求められ、これを実現する処理方法が提案されている(例えば、特開平7−116685号公報参照)。
【0003】
上記処理方法は、生物処理工程(反応工程)又はその後の固液分離工程から汚泥を引き抜き、この引き抜いた汚泥をオゾン処理、熱処理、酸又はアルカリ処理等の改質処理によって易生物分解性に改質し、改質された汚泥を生物処理工程(反応工程)に返送して生物分解させる方法である。
【0004】
ここで、下水処理場での汚泥処理プロセスの従来例を図3に示すフロー図に基づいて説明する。
【0005】
本汚泥処理プロセスは、沈殿槽にて発生する初沈汚泥と活性汚泥から発生する余剰汚泥を混合して熱処理することによって汚泥の減量化を図るものであって、図示のように、被処理液路1から沈殿槽2に導入された下水等の廃水は、懸濁性成分(SS成分)が除去されるとともに、初沈汚泥が分離された後、移送路3を経て曝気槽4に導入される。曝気槽4においては、不図示の散気管から供給される空気によって曝気しながら活性汚泥法によって生物処理が施され、廃水中の有機物は生物酸化反応によって分解される。
【0006】
而して、曝気槽4内の処理液の一部は、移送路5を経て固液分離装置6に導入され、沈殿分離によって分離液と分離汚泥とに分離される。分離液は放流水として処理液路7から系外に排出され、分離汚泥は分離汚泥排出路8から取り出され、その一部は返送汚泥として返送路9から前記曝気槽4に返送されて生物処理に供される。そして、残余の分離汚泥は余剰汚泥として熱処理に供されるが、前記沈殿槽2において最初に沈殿した初沈汚泥は連絡路10を経て余剰汚泥に混合され、この初沈汚泥と余剰汚泥とが以下のように改質処理としての熱処理に供される。
【0007】
初沈汚泥と余剰汚泥は、必要に応じて1〜4%の懸濁物質(SS)濃度に濃縮(ステップ11)された後、熱処理によって可溶化(改質)され、これらに含まれる難分解性物質(高分子物質)である有機成分が糖やアミノ酸等の易分解性物質(低分子物質)に分解される。
【0008】
即ち、熱処理においては、既に熱処理された高温の汚泥(可溶化された汚泥)と低温の未処理の汚泥との熱交換(ステップ12)によって、未処理の汚泥が加熱され、この未処理の汚泥は、高温の蒸気によって更に120〜250℃の温度に加熱され(ステップ13)、30〜90分保持する熱処理(ステップ14)によって可溶化される。このとき、圧力は反応温度に対する飽和水蒸気圧(0.3〜2MPa程度)以上に保持され、水分の蒸発とそれに伴う熱の散逸(蒸発潜熱による熱の散逸)が防がれる。尚、場合によっては、空気等の酸素含有気体を吹き込んだり、酸、アルカリ等の薬品を添加することもある。
【0009】
而して、以上の熱処理によって、汚泥を構成する有機物の一部は可溶化して微生物による処理が容易な溶解性有機物(易分解性有機物)となるため、汚泥中の固型性の有機物(難分解性有機物)の量が減少する。又、残留した熱処理残渣についても、沈降分離性及び脱水性が良好となる。
【0010】
ところで、図3に示すように、可溶化された汚泥は、未処理の汚泥との熱交換(ステップ12)によって冷却され、更に冷却水によって強制冷却(ステップ15)された後、その全量が固液分離されてSS濃度で3〜10%に濃縮(ステップ16)され、可溶性有機物を主に含む上澄液は、UASB(上向流嫌気性汚泥床)法や高負荷型の活性汚泥法等によって高負荷生物処理(ステップ17)された後、更に浄化するために前記曝気槽4に返送されて生物処理に供される。尚、高負荷生物処理された上澄液をそのまま放流する場合もあるが、何れにしても有機物で汚染された水の排出が防がれる。
【0011】
他方、固液分離によって残留した濃縮熱処理残渣(可溶化残渣)は、嫌気消化又は好気消化(ステップ18)等の手段で生物分解されて更なる減量及び脱臭が行われた後、脱水(ステップ19)されてSS成分が脱水ケーキとして廃棄される。
【0012】
ここで、脱水ケーキの含水率は40〜70%であり、熱処理を施さないで下水汚泥を脱水した場合と比べて含水率が著しく改善されることが知られている。このように有機物の可溶化作用と脱水性の改善により、排出される脱水ケーキの量を大幅に低減することができ、この減量効果によって、脱水ケーキを廃棄物として処分する際の運搬費と処分費を削減することができる。又、この処理方式で生じた脱水ケーキを焼却処分する際には、該脱水ケーキの発熱量が高いために補助燃料が殆ど不要となり、焼却に要するコストを低減することもできる。
【0013】
又、脱水によって発生した脱水濾液は、高負荷生物処理された前記上澄液に混合され、上澄液と共に前記曝気槽4に返送されて生物処理に供される。
【0014】
以上の熱処理における有機SS(VSS)成分の可溶化率は50〜90%に及び、可溶化のメカニズムとしては、有機SSを構成する高分子が高温環境下における分解作用と熱水分子との反応による加水分解作用によって低分子化して可溶性分子に変化するものと考えられている。
【0015】
又、近年、熱処理残渣の少なくとも一部は生物分解性が比較的良好な有機物であることが見出され、残渣についても生物分解を行うプロセスについての工夫が種々なされている。即ち、活性汚泥から発生する余剰汚泥であれば、この余剰汚泥を熱処理後に特に残渣と可溶化液を分離しないで曝気槽に返送して生物分解を行うことが可能であることが開示されている(特開2000−218295公報参照)。
【0016】
更に、近年、有機性廃棄物の効率的処理方法や有価物回収方法への関心が高まるに連れ、汚泥処理に留まらず、有機性廃棄物全般に対して前述のような熱処理を施す試みがなされている。又、熱処理に伴ってタンパク質や多糖類、合成樹脂が加水分解や熱分解によって低分子化してアミノ酸や単糖、モノマー等が生ずることを利用して、これらの物質を有価物として回収することも検討されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、有機性廃棄物の熱処理液には、主に褐色を呈する生物難分解性有機物が含まれており、特に生物分解後の熱処理液に含まれる溶解性の難分解性有機物は、処理液のCOD及び色度を上昇させる原因物質である。このため、状況に応じて難分解性COD及び色度を下げる処理が必要となり、凝集分離法や化学酸化法、活性炭吸着法等を実施するための装置の建設費やランニングコストが高騰するという問題がある。
【0018】
又、熱処理残渣は、可溶化した有機物成分に比して生物分解速度が遅く、その一部には難分解性のSS成分が含まれており、特に熱処理工程における可溶化率が低いと残渣が多くなる。従って、続く生物分解工程において、生物分解速度の遅い残渣を生物分解する必要から反応槽(曝気槽)が大型化し、又、分解し切れない残渣の量が増えて減量率が悪化するという問題が発生する。
【0019】
上記問題を解決するためには、熱処理工程での可溶化率を高める必要があるが、可溶化率を高めるには反応温度と反応圧力を高める必要があり、反応温度と反応圧力を高めると以下のような問題が発生する。
(1)熱交換器等の加熱手段への汚泥の焼き付きが生じて熱交換効率が低下し、熱量の損失が大きくなるとともに、洗浄のためのメンテナンスコストが増大する。
(2)液の腐食性が増大し、又、高い反応圧力に耐えるよう熱処理機器の耐圧強度を高める必要から機器のコストが増大する。
(3)高温の加熱手段が必要となるため、熱源として特別に高圧の蒸気が必要となり、設備コストやランニングコストが増大する。
(4)溶解性の難分解有機物はむしろ増加する傾向となり、処理水質を悪化させる。
【0020】
一方、有機性廃棄物、特に水処理汚泥や食品廃棄物等のタンパク質系の廃棄物には有機性窒素が多量に含有されているが、一般的には有機性廃棄物中の有機物を可溶化或は分解することによって、溶解性窒素成分が放出されることが多い。
【0021】
ところが、窒素成分は環境汚染物質であるため、これを環境中にそのまま放出することは好ましくない場合が多い。このため、溶解性窒素成分を除去する必要があるが、その除去には膨大なコストが掛かるという問題がある。
【0022】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、有機性廃棄物を熱処理後に生物分解した後に残留する処理水のCODの悪化を効果的に抑制し、有機固形物の熱処理での可溶化率を高めて熱処理後の有機物分解のための生物反応槽の小型化と有機物の減量率を高めるとともに、熱処理残渣中の生物分解性を高めて汚泥減量率の向上を図ることができる有機性廃棄物の処理方法を提供することにある。
【0023】
又、本発明の目的とする処は、硫化水素やアミンに由来する悪臭の発生を防ぐとともに、亜硝酸性窒素を効果的に低減して窒素負荷の軽減や脱窒槽の小型化、脱窒のための電子供与体添加量の削減、脱窒工程における汚泥発生量削減等を図ることができる有機性廃棄物の処理方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、有機性廃棄物を熱処理後、その少なくとも一部を微生物反応を用いて分解する有機性廃棄物の処理方法において、熱処理工程に亜硝酸塩を供給することを特徴とする。
【0025】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記亜硝酸塩として濃度が0.5〜40%の亜硝酸ナトリウム水溶液を熱処理工程の直前に供給することを特徴とする。
【0026】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、熱処理工程に供給する有機物の0.002〜0.4倍の亜硝酸性窒素を熱処理工程に供給することを特徴とする。
【0027】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、熱処理された可溶化液中の有機性窒素及びアンモニア性窒素を生物反応によって亜硝酸性窒素に変換し、亜硝酸性窒素含有水を熱処理工程の手前に返送することを特徴とする。
【0028】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記亜硝酸塩を有機性廃棄物に混合した後、これらを熱処理に供することを特徴とする。
【0029】
請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れかに記載の発明において、熱処理工程終了時に1〜2000mg/Lの亜硝酸性窒素を残留させることを特徴とする。
【0030】
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、亜硝酸検出手段によって熱処理工程出口の亜硝酸性窒素濃度を検出することを特徴とする。
【0031】
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の発明において、残留する亜硝酸性窒素を環境中に排出する前に所定の水準まで無害化することを特徴とする。
【0032】
請求項9記載の発明は、請求項1〜8の何れかに記載の発明において、熱処理工程での熱処理温度を50〜300℃、圧力を熱処理温度に対応する飽和水蒸気圧以上に設定して有機性廃棄物の乾燥を防ぎつつ熱処理を行うことを特徴とする。
【0033】
一般に、アミノ基と還元糖は、相互に反応して複雑な中間体を経て重合し、難分解性の高分子物質を生ずる(この現象を「褐変現象」と称する)。
【0034】
一方、有機性廃棄物中には、多くの場合、タンパク質と多糖類が含まれており、これらのタンパク質と多糖類は熱処理中の加水分解反応や熱分解反応により、その少なくとも一部が褐変現象の原因物質であるアミノ基と還元糖に変化する。尚、アミノ基と還元糖以外にも、直接褐変現象の原因となる中間体を生じて褐変現象の発生に寄与している物質が存在する可能性もある。
【0035】
ところで、褐変現象の生成物は溶解性或は不溶性の着色成分であると考えられており、溶解性の生成物は処理水のCODと色度を上昇させる難分解性有機物となり、又、不溶性の生成物は可溶化率の悪化や残渣中の難分解性成分割合の増加を招くと考えられる。
【0036】
褐変現象の詳細なメカニズムは明らかではないが、本発明者は、熱処理工程に亜硝酸塩を供給することによって褐変現象の発生を抑制することができることを見出した。アミノ基と亜硝酸塩との反応によるアミノ基の変質又は消失や、亜硝酸塩又は該亜硝酸塩から生じた窒素酸化物による有機物の酸化作用が難分解性有機物の生成抑制又は生成後の分解に寄与するものと推定される。
【0037】
特に、酸化作用の点については、次亜塩素酸塩や過酸化水素水等の強酸化剤を使用すれば、これが有機物と容易に反応して短時間で効力を消失してしまうため、有意な効果を得るためには膨大な添加量が必要になるものと考えられる。これに対して、弱酸化剤である亜硝酸塩は、有機物を完全に酸化分解しないで難分解性有機物と選択的に反応し、易分解性に改質している可能性がある。
【0038】
有機性廃棄物中のCODを分解するには、酸化剤により酸化するよりも、生物反応による分解作用を利用した方が圧倒的にコストを低く抑えることができるため、生物易分解性の有機物とはなるべく反応せず、難分解性有機物に対して選択的に生成抑制効果又は分解効果を発揮すると思われる点において亜硝酸塩は優れている。
【0039】
従って、熱処理工程に亜硝酸塩を供給して褐変現象の発生を抑制することによって、処理水のCODや色度の悪化を抑制することができるばかりでなく、熱処理残渣中の生物難分解性固形有機物量を低減することができ、これによって汚泥減量率を高めることができる。
【0040】
ここで、熱処理工程においては、反応終了後まで亜硝酸塩を残留させた方が効果的であるが、その理由の1つとして、反応中に亜硝酸塩が消失してしまうと、それ以後に新たに生じたアミノ基や還元糖による褐変現象の発生を防ぐことができないことが挙げられる。
【0041】
又、有機性廃棄物、特に下水汚泥を熱処理した際に硫化物や揮発性アミンに由来する臭気が発生して問題となるが、亜硝酸塩は硫化物を酸化したり、アミンと反応する性質を有しているため、この亜硝酸塩を添加することによって臭気の問題を軽減或は解消することができる。
【0042】
尚、本発明では、有機物の熱処理時に生ずる好ましくない変質を抑制するため、本発明の知見は廃棄物の分解を行うときに留まらず、有機性廃棄物から有価物を回収する際の収率の向上や品質の向上に対しても応用することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0044】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る処理方法を実施するための下水処理場での汚泥処理プロセスを示すフロー図であり、本図においては図3に示したと同一要素及び処理ステップには同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0045】
本実施の形態に係る汚泥処理プロセスは、一部を除いて図3に示した従来のそれと基本的に同一であり、沈殿槽2にて発生する初沈汚泥と生物処理後の活性汚泥から発生する余剰汚泥を混合して熱処理することによって汚泥の減量化を図るものである。
【0046】
而して、本実施の形態は、混合された初沈汚泥と余剰汚泥を濃縮して熱処理する直前に、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム水溶液を注入することを特徴としている。ここで、亜硝酸ナトリウム水溶液としては、濃度0.5〜40%のものを使用することができる。このような高濃度の亜硝酸ナトリウム水溶液は、高温で熱分解する可能性があるため、本実施の形態では、加熱する前に汚泥と混合するようにしている。
【0047】
尚、熱処理工程に供給する亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウムをはじめとする工業薬品を使用することができる他、アンモニア、硝酸、各種の酸化窒素ガス等の窒素酸化物を生物学的、物理学的或は化学的手段によって亜硝酸に転換して製造された亜硝酸塩溶液を用いることができる。特に、濃度が数百mg/L以上の高濃度アンモニアを含有する液は、硝化反応によって亜硝酸に効率的に転換することができるため、本発明方法における亜硝酸源として用いることが望ましい。
【0048】
ところで、有機性廃棄物の熱処理液には、主に褐色を呈する生物難分解性有機物が含まれており、特に生物分解後の熱処理液に含まれる溶解性の難分解性有機物は、処理液のCOD濃度及び色度を上昇させる原因物質である。
【0049】
本発明者は、熱処理工程に亜硝酸塩を供給し、有機性廃棄物を亜硝酸塩と共に熱処理することによって、生物難分解性有機物の生成を抑制して褐変現象の発生抑え、生物分解後の処理水のCOD濃度を低減させることができることを見出した。アミノ基と亜硝酸塩との反応によるアミノ基の変質又は消失や、亜硝酸塩又は該亜硝酸塩から生じた窒素酸化物による有機物の酸化作用が難分解性有機物の生成抑制又は生成後の分解に寄与するものと推定される。
【0050】
又、亜硝酸塩の存在により、熱処理における有機物の可溶化率が向上し、生物分解水槽(本実施の形態では、曝気槽4)の小型化と廃棄物減量率の向上が図られることが分かった。
【0051】
従って、本実施の形態では、前述のように混合された初沈汚泥と余剰汚泥を熱処理する直前に、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム水溶液を初沈汚泥と余剰汚泥に混合するようにしている。この結果、生物難分解性有機物の生成量を抑えることができ、これによって褐変現象の発生を抑制して処理水のCOD濃度の悪化を抑制することができる。
【0052】
又、熱処理残渣中の生物難分解性固形有機物量を低減することができ、これによって汚泥減量率を高めることができる。
【0053】
ところで、熱処理工程においては、反応中に亜硝酸ナトリウムが消失してしまうと、それ以後に新たに生じたアミノ基や還元糖による褐変現象の発生を防ぐことができない等の理由から、反応終了後まで亜硝酸ナトリウムを残留させた方が効果的である。
【0054】
このため、本実施の形態では、熱処理工程の出口に亜硝酸検出手段20を設け、この亜硝酸検出手段20によって熱処理工程出口の亜硝酸性窒素濃度を検出し、熱処理工程出口まで亜硝酸性窒素が残留していることを確認するようにしている。ここで、亜硝酸検出手段20によって熱処理工程出口の亜硝酸性窒素濃度を自動計測し、その計測結果に応じて亜硝酸ナトリウム水溶液の注入量を調節することも可能である。尚、亜硝酸検出手段20による亜硝酸性窒素濃度の検出方法としては、イオン電極法やORP電極を用いる方法等の他、自動分析器を用いる方法等が挙げられる。
【0055】
以下、本発明を効果的に実施するための条件について説明する。
【0056】
亜硝酸塩は、熱処理の前に有機性廃棄物と混合しても、有機性廃棄物の昇温中に混合しても良く、或は熱処理反応槽に直接注入しても良い。
【0057】
又、有機性廃棄物中の窒素成分を化学的或は生物化学的に変換して亜硝酸塩を生成させても良く、亜硝酸塩を豊富に含む廃棄物と混合することによって亜硝酸塩を供給するようにしても良い。ここで、亜硝酸塩を生成させる方法としては、有機性窒素又はアンモニア性窒素を微生物反応により酸化する硝化反応、硝酸性窒素を適当な電子供与体を用いて微生物反応により還元する脱窒反応等を利用することができ、又、微生物反応ではなく触媒や電極反応等を用いることもできる。
【0058】
亜硝酸塩は、有機性廃棄物と混合された後、生物反応や化学反応により変質し、硝酸塩や窒素ガス、その他の窒素酸化物やアンモニア等に変化することが多い。このため、亜硝酸塩を有機性廃棄物と混合した後は、これらをなるべく速やかに熱処理に供することが望ましく、1日以内、好ましくは2時間以内に熱処理に供するべきである。特に、本実施の形態のように有機性廃棄物を熱処理に供する直前に亜硝酸塩を混合すると、亜硝酸塩の無駄な消費を防ぐことができることから、より好ましい。
【0059】
亜硝酸塩の添加量として、供給する有機性廃棄物の性質にもよるが、熱処理工程に供給する有機性廃棄物中の有機物量に対して、亜硝酸性窒素として0.002〜0.4倍とするのが好ましく、特に0.01〜0.2倍とするのが好ましい。因に、亜硝酸塩の添加量が少な過ぎると十分な効果が得られず、逆に過剰であると水質悪化の原因となったり、自己分解反応を起こして亜硝酸塩が無駄に消費されたり、亜硝酸塩の分解により発生する窒素酸化物ガスの量が増加するために好ましくない。
【0060】
一方、熱処理における亜硝酸塩の消費量は有機性廃棄物の性質や熱処理条件により異なるため、反応後に亜硝酸性窒素が残留することを指標として条件を決定した方が良いこともある。熱処理中に亜硝酸塩が消費し尽くされたとしても一定の効果が見込まれるが、望ましくは熱処理終了時にも一定量以上の亜硝酸塩が残留しているのが良く、1〜2000mg/L、より好ましくは10〜500mg/Lの亜硝酸性窒素が残留しているべきである。因に、残留する亜硝酸塩濃度が低過ぎると十分な効果が得られないことが多く、逆に過剰であると水質悪化の原因となったり、自己分解反応を起こして亜硝酸塩が無駄に消費されたり、亜硝酸塩の分解により発生する窒素酸化物ガスの量が増加するという問題が発生する。
【0061】
ところで、残留する亜硝酸塩は、それ自体がCOD値を高める原因物質であり、又、環境汚染物質でもあるため、これを環境中に排出する前に硝化や脱窒等の処理を行って必要な水準まで無害化することが望ましい。亜硝酸塩を除去するための硝化や脱窒等の処理は、熱処理により可溶化した有機物を分解するための生物処理プロセスと共用することもできるため、亜硝酸塩を容易に除去することができる点も、亜硝酸塩を利用するメリットの1つとして挙げられる。特に、可溶化液は亜硝酸塩と共に易分解性の有機物を豊富に含むため、適当な生物処理装置を用いれば、脱窒反応により容易に窒素ガスに転換して亜硝酸塩を除去することができる。
【0062】
又、反応時のpHは2〜14の範囲で選ぶことができるが、pHが低いほど亜硝酸塩の自己分解による消費量と窒素酸化物ガスの発生量が多いため、pHは2以上、好ましくは4以上とすべきである。最も適しているpHは、4〜9の範囲である。
【0063】
次に、加熱処理条件(熱処理温度と熱処理時間)について説明する。
【0064】
加熱処理での蒸気による熱処理温度(反応温度)は50〜300℃に設定され、圧力は熱処理温度(反応温度)に対する飽和水蒸気圧以上に保持され、水分の蒸発(乾燥)とそれに伴う熱の散逸(蒸発潜熱による熱の散逸)が防がれる。
【0065】
因に、反応温度が120℃よりも低い場合には可溶化の効果を殆ど期待することができず、特に50℃未満では他の可溶化手段を併用しない限り殆ど可溶化しない場合が多い。又、150℃以下の温度、特に120℃以下の温度では難分解性有機物の生成反応速度が遅いため、問題になる程度の難分解性有機物は生じない。
【0066】
一方、反応温度が250℃以上、特に300℃を超えると、難分解性有機物が熱分解反応を受けて低分子化するため、難分解性CODはむしろ低減する。このような高温高圧条件では、空気や酸素等の酸化剤を共存させることによって湿式酸化法による有機物の酸化分解が行われることが多く、この場合には難分解性CODが生じたとしても、その大部分は湿式酸化反応により分解されるために問題は生じないことが多い。又、湿式酸化法を用いない場合でも、このような反応条件では難分解性CODをはじめとする物質の反応性が高まっているため、少量の酸化剤の注入等で難分解性CODを改質し、酸化分解するか、少なくとも生物分解性を高める等、他の代替手段を用いることが比較的容易である。
【0067】
50〜180℃の比較的低温で熱処理を行う場合は、熱処理設備の建設費やランニングコストが比較的安価となる反面、可溶化率は低く、廃棄物の減量効果が十分でない場合が多い。このような場合には、過酸化水素や次亜塩素酸ソーダ、空気、酸素等の酸化剤、酸やアルカリ、界面活性剤等の添加や超音波処理等の物理的手段、その他任意の可溶化手段が併用される場合があるが、何れの場合にも本発明を適用することができる。
【0068】
150〜350℃以上の温度域で有機性廃棄物の熱処理を行う場合には、空気や酸素等の酸化剤を共存させることによって湿式酸化反応を行い、有機物の大部分を二酸化炭素と水等の無機物に分解し、残留する有機物も低分子化することによって熱処理以降の後処理を容易化する手法が用いられることも多い。このような湿式酸化法においても難分解性CODは生成されるために本発明は有効であるが、特に酸化剤の量が少ない場合や酸化剤を用いない熱処理の場合には、溶液中の有機物濃度が高く、難分解性CODの生成量も多くなるため、本発明は更に有効である。特に熱処理工程に投入される有機性廃棄物のCOD量に対し、投入される酸化剤の酸化当量が10%以下、特に0.5%以下のときには難分解性CODの生成が顕著であることが多く、この点からも本発明は特に有効である。
【0069】
他方、熱処理時間は任意に設定することができるが、有機物の可溶化反応は最初の数分間で急速に進行し、その後は熱処理時間(反応時間)を延長しても可溶化率は余り向上せず、又、難分解性有機物の生成量は徐々に増加するため、熱処理時間としては、通常5〜300分、特に10〜120分とすることが多い。
【0070】
本発明では、熱処理工程で一酸化窒素ガスや二酸化窒素ガスが発生する場合があるため、これらのガスは反応槽上部より抜き出すか、処理液と共に排出した後に気相を捕集し、これらの酸化窒素ガスを無害化する。無害化手段としては、触媒を用いたり、生物反応を利用する方法を採用することができるが、特に活性汚泥槽に酸化窒素ガスを吹き込む等して微生物反応により分解する方法が簡便であるために好ましい。
【0071】
又、本発明は、有機性廃棄物分解後の窒素成分を効率的に除去する目的に対しても有効である。この窒素成分は、通常、有機性窒素又はアンモニア性窒素であることが多く、特に有機性窒素は生物分解等によりアンモニア性窒素となることが多い。
【0072】
このようにして生じたアンモニア性窒素を比較的安価に分解する方法としては、生物反応を利用した硝化脱窒法が用いられることが多い。ここで、硝化脱窒法は、硝化細菌の働きを利用してアンモニア性窒素を亜硝酸性窒素又は硝酸性窒素に酸化し、得られた液を脱窒細菌の働きを利用して適当な電子供与体を用い、亜硝酸性窒素や硝酸性窒素を窒素ガスに還元して除去する方法である。
【0073】
而して、本発明を応用すれば、硝化細菌により生成した亜硝酸性窒素を熱処理工程に供給することによって、亜硝酸性窒素の少なくとも一部を熱処理工程で分解することができ、脱窒反応槽への負荷を軽減して脱窒反応槽を小型化したり、電子供与体の使用量を低減することができる。又、脱窒反応で生ずる余剰汚泥の発生量を低減することもできる。
【0074】
尚、本発明における熱処理では、条件により二酸化窒素、一酸化窒素、亜酸化窒素等の窒素酸化物が生成されるため、必要に応じて熱処理工程における排ガス中からこれらの窒素酸化物を除去することが望ましい。その除去方法としては、公知の何れの方法を用いても良いが、特に本発明では水処理プロセスと組み合わせることによって水中の亜硝酸塩や硝酸塩を簡単に除去することができるため、水やアルカリ水溶液或は酸化剤水溶液でガスを洗浄してガス中の窒素酸化物を水溶液としてから、この水溶液を他の窒素成分と共に除去するのが効率的である。
【0075】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態を図2に基づいて説明する。尚、図2は本発明の実施の形態2に係る処理方法を実施するための下水処理場での汚泥処理プロセスを示すフロー図であり、本図においても図3に示したと同一要素及び処理ステップには同一符号を付しており、以下、それらについての説明は省略する。
【0076】
本実施の形態に係る汚泥処理プロセスにおいては、熱処理によって可溶化した処理液(可溶化液)を高負荷生物処理(ステップ17)した後、亜硝酸化槽21に導入し、該処理液中の有機性窒素及びアンモニア性窒素を生物反応より亜硝酸性窒素に変換し、亜硝酸性窒素含有水を熱処理工程の手前に返送して熱処理前の汚泥(混合された初沈汚泥と余剰汚泥)に混合することによって、前記実施の形態1と同様の効果を得るようにしている。
【0077】
熱処理前の汚泥の量に対する亜硝酸性窒素含有水の混合割合は、所定の亜硝酸性窒素添加量となるように選定することができ、汚泥中の窒素含有量や亜硝酸化槽21における亜硝酸生成量によって異なる。亜硝酸性窒素含有水の返送量が多過ぎると熱処理工程における必要熱量が増加するため、返送量は処理対象の汚泥量に対して通常は10倍以内、好ましくは3倍以内とされる。尚、亜硝酸性窒素量が不足する場合には、亜硝酸性窒素注入手段を別途設ければ良い。
【0078】
ところで、返送されなかった亜硝酸性窒素含有水は、生物学的脱窒処理等によって分解して無害化することができる。この場合、脱窒のために必要な有機物源としては、図示しないが、生物処理を行う前の可溶化液を一部バイパスして用いるのが効果的である。
【0079】
尚、以上の実施の形態では、本発明を特に下水処理場での汚泥処理プロセスに対して適用した形態について述べたが、本発明は他の任意の有機性廃棄物の処理方法に対しても同様に適用可能であることは勿論である。又、沈殿槽を用いた例で説明したが、加圧浮上槽等、他の公知の固液分離手段を用いることができるのは勿論である。
【0080】
【実施例】
以下に本発明の実施例について説明するが、本発明はその適用が本実施例に限定されるものではない。
【0081】
SS濃度9.3kg/m3 、VSS濃度8.5kg/m3 、全CODCr濃度13.5kg/m3 、溶解性CODCr濃度0.1kg/m3 の余剰汚泥を用い、この余剰汚泥に亜硝酸ナトリウムを窒素として1,000mg/L添加して熱処理を行うことによって本発明の効果を検証した。熱処理に供与した亜硝酸性窒素は、有機性固形物の指標であるVSSに対して0.12倍である。
【0082】
熱処理は、内容積80mLのオートクレーブを用い、温度175℃で60分間、圧力約0.8MPaの条件で行った。
【0083】
熱処理後の汚泥を遠心分離によって固液分離して上澄液を取り出し、その適量を回分的に活性汚泥処理することによって生物分解性の成分を除去した後、上澄液の濾液についてCODを測定した。
【0084】
残留する亜硝酸性窒素はCODとして検出されるため、亜硝酸性窒素濃度を別途定量し、亜硝酸性窒素に由来するCODを差し引いた。又、このとき用いた活性汚泥に元々含まれているCOD成分を補正するため、熱処理汚泥を投入しないブランク試験を行い、同様にCODを測定した。この結果得られた熱処理汚泥の上澄液の活性汚泥処理後のCOD値からブランク試験におけるそれを差し引いた値を難分解性COD成分とした。このようにして得られた難分解性COD成分を、試験に供与したVSS量で割ることによって、熱処理汚泥VSS当たりの難分解性成分生成率を求めた。
【0085】
この結果、熱処理後の亜硝酸性窒素濃度は540mg/L、SS濃度は2.8kg/m3 、VSS濃度は2.1kg/m3 、全CODCr濃度は13kg/m3 、溶解性CODCr濃度は8.3kg/m3 であった。これに対して、亜硝酸塩を添加しなかった対照系では、SS濃度は4.0kg/m3 、VSS濃度は3.3kg/m3 であった。尚、亜硝酸塩1gはCODCrとして1.14g検出されるため、この関係に基づいて、CODCr分析の際には、測定されたCODCr値から亜硝酸塩に由来するCODCr値を差し引いて補正した。
【0086】
VSSの可溶化率は亜硝酸塩添加系で75%、亜硝酸塩を添加しなかった対照系で61%であり、明らかに亜硝酸塩を添加したことによる可溶化促進効果が認められた。又、CODCr濃度が13.5g/Lから13g/Lに低下したため、僅かながら酸化反応が進行したことが示唆された。
【0087】
又、難分解性の溶解性CODMn生成率は、対照系で0.053CODMn/gVSSであったのに対して、亜硝酸塩を添加することによって0.006CODMn/gVSSに低下した。つまり、難分解性有機物の発生量が約1/9に低下した。
【0088】
一方、熱処理残渣成分は固形分であり、活性汚泥に混合して生物分解を行うと、活性汚泥の固形分との区別が付かなくなるため、分解性を明確に示すことは困難である。
【0089】
そこで、熱処理残渣を活性汚泥と混合したときの酸素消費速度を調べることにより、熱処理残渣中の易分解性成分を評価した。この結果、対照系で得られた熱処理残渣は1日間で約60%の懸濁態CODCrが生物分解すると評価されたのに対して、亜硝酸塩添加系では約75%の懸濁態CODCrが生物分解すると評価された。従って、本発明によれば、熱処理残渣の生物分解率向上の効果も得られることが明らかになった。
【0090】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、有機性廃棄物を熱処理後、その少なくとも一部を微生物反応を用いて分解する有機性廃棄物の処理方法において、熱処理工程に亜硝酸塩を供給するようにしたため、有機性廃棄物を熱処理後に生物分解した後に残留する処理水のCODの悪化を効果的に抑制し、有機固形物の熱処理での可溶化率を高めて熱処理後の有機物分解のための生物反応槽の小型化と有機物の減量率を高めるとともに、熱処理残渣中の生物分解性を高めて汚泥減量率の向上を図ることができるという効果が得られる。
【0091】
又、本発明によれば、硫化水素やアミンに由来する悪臭の発生を防ぐとともに、亜硝酸性窒素を効果的に低減して窒素負荷の軽減や脱窒槽の小型化、脱窒のための電子供与体添加量の削減、脱窒工程における汚泥発生量削減等を図ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る処理方法を実施するための下水処理場での汚泥処理プロセスを示すフロー図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る処理方法を実施するための下水処理場での汚泥処理プロセスを示すフロー図である。
【図3】下水処理場での汚泥処理プロセスの従来例を示すフロー図である。
【符号の説明】
2 沈殿槽
4 曝気槽
6 固液分離装置
11 濃縮
12 熱交換
13 加熱
14 熱処理
15 冷却
16 濃縮
17 高負荷生物処理
18 消化
19 脱水
20 亜硝酸検出手段
21 亜硝酸化槽
Claims (9)
- 有機性廃棄物を熱処理後、その少なくとも一部を微生物反応を用いて分解する方法であって、
熱処理工程に亜硝酸塩を供給することを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 - 前記亜硝酸塩として濃度が0.5〜40%の亜硝酸ナトリウム水溶液を熱処理工程の直前に供給することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 熱処理工程に供給する有機物の0.002〜0.4倍の亜硝酸性窒素を熱処理工程に供給することを特徴とする請求項1記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 熱処理された可溶化液中の有機性窒素及びアンモニア性窒素を生物反応によって亜硝酸性窒素に変換し、亜硝酸性窒素含有水を熱処理工程の手前に返送することを特徴とする請求項3記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 前記亜硝酸塩を有機性廃棄物に混合した後、これらを熱処理に供することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 熱処理工程終了時に1〜2000mg/Lの亜硝酸性窒素を残留させることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 亜硝酸検出手段によって熱処理工程出口の亜硝酸性窒素濃度を検出することを特徴とする請求項6記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 残留する亜硝酸性窒素を環境中に排出する前に所定の水準まで無害化することを特徴とする請求項6又は7記載の有機性廃棄物の処理方法。
- 熱処理工程での熱処理温度を50〜300℃、圧力を熱処理温度に対応する飽和水蒸気圧以上に設定して有機性廃棄物の乾燥を防ぎつつ熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載の有機性廃棄物の処理方法。
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