JP4167303B2 - 視力障害者等の誘導ライン及びその設置方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、現行の視力障害者用タイルなどでは対応できない横断歩道に用いられる視力障害者等の誘導ライン及びその設置方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、視力障害者用の誘導ラインとして、一般歩道や階段、通路等には、「盲人タイル」と呼ばれる「突起を有する黄色のタイル状」の突起が設置されている。横断歩道に面する歩道にも、この盲人タイルが敷設されているが、横断歩道自体には盲人タイルが敷設されていない。そのため、視力障害者が、盲人タイルを目安にして横断歩道直前まで到達したとしても、その後、道路を横断しようとしたとき、横断歩道中には誘導物が存在していないため、視力障害者等にとっては非常に渡り難いといった難点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記横断歩道中に、現行の盲人タイルを敷設すれば、視力障害者用の誘導ラインにできるとの考え方もあるが、従来の盲人タイルの突起高さでは、健常者の歩行上、或いは車椅子での横断に支障がでてくる。また、走行車両のタイヤとの接地抵抗により騒音・振動が発生する。また、従来の盲人タイルを敷設すると、車両運転手等から目立つため、走行に支障を来す等の問題があった。
【0004】
本発明は、上記に鑑み、現行の盲人タイルでは対応できない箇所、例えば、横断歩道において、視力障害者等の誘導に有効であり、走行車両による騒音・振動が発生せず、そして車両の走行及び歩行に支障を与えない誘導ラインの提供を目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明者は、横断歩道において、視力障害者等が進行方向を認識できる誘導ラインとしての突起を路面に敷設することと共に健常者の歩行上、あるいは車椅子での横断に支障が出ないようにするべく、さらに、この突起が、車両運転手や歩行者から目立たず、かつ車両走行による騒音・振動の発生を抑制し、車椅子や2輪車走行に支障を来さないようにするべく、該突起の色・形状・大きさ・配置について鋭意研究した結果、以下の構成を案出した。
【0006】
すなわち、視力障害者等の誘導ラインになると共に健常者の歩行上若しくは車椅子での横断又は車両の走行に支障が出ないようにするため、本発明は、横断歩道の路面の一部に、視力障害者等を誘導するための突起物の線状配列体及び/又は突条体(以下、突起物の線状配列体をも含め、単に突条体等という。)を横断歩道の進行方向に沿って間隔をおいてライン状に配置し(突条体等の長さ方向は前記進行方向に対し横向き)、突起物の線状配列体及び突条体の幅が10〜40mm、長さが200〜1000mm、それらの前記間隔(該線状配列体及び突条体幅の中心間距離)が50〜200mmであって、線状配列体の突起物の中心間距離が40mm以下であって、かつ該突起物及び突条体の高さを2〜5mmとした視力障害者等の誘導ラインを設けた。
【0007】
突起の高さとして2〜5mmの範囲を採用したのは、2mm未満では視力障害者にとって足で突起を認識できる高さではなく、突起が5mmを超えると、歩行者や2輪車の走行安全に支障を来すからであり、また、車両走行に対する騒音・振動の発生を抑制する意味から好ましいからである。なお、好ましい突起の高さは3〜5mmである。
【0008】
このように形成すると、高さが2〜5mmの突条体等が間隔をおいてライン状に配置されているため、視力障害者は歩行時に該突条体等の配置方向を確認しながら進行することができ、進行方向を誤ることなく歩行でき、さらに突条体等を横断歩道の進行方向に沿って配置している(突条体等の長さ方向は進行方向に対し横向き)ため、該突条体等と並行に走行する車両のタイヤが突起に衝突する回数が少なく、騒音発生を抑制できる。なお、突起物の線状配列体の場合においては、車両の騒音防止の観点から、該配列体の長さ方向(横断歩道の進行方向に対し横向き)における突起の中心間距離が40mm以下であることが望ましい。40mmを越えるとタイヤの接地幅を越え、突起物とタイヤの衝突回数が増え、車両の騒音防止の観点から好ましくないからである。また、ここで、突条体等の配置間隔は、身障者の進行方向の確認のし易さからいって身障者の足が双方の突条体等に跨がる程度とするのが好ましい。
【0009】
次に、車両の運転手や歩行者等から目立たないようにするため、請求項2記載の発明のように、突条体等の色が路面若しくは横断歩道の標示線の色と同一又は類似とした。ここで、類似とは、突条体等の色と路面若しくは横断歩道の標示線の色とが近似しており、一般的な歩行者や運転者が突条体等の色に気を採られない程度に双方の色が共通していることをいう。例えば、標示線部分の色は、マンセル色票でN9程度、アスファルト面の色はN4程度であるので、これと同様な色を有する突起とする。
【0010】
また、突条体等の形状としては、視力障害者等が踏んだときに1本の横向きの線状突起として認識しうる配列体及び/又は形状体であれば特に制限はないが、請求項3記載の発明のように、前記突起物の形状としてはド−ム状、円錐台形状、角錐台形状若しくは四角柱状が、前記突条体の形状としては半円柱状又は断面が四角若しくは台形の平板状が好ましい。その方が視力障害者にとって認識しやすくかつ健常者を含め歩行の障害や車両の走行の障害となりにくいからである。
【0011】
前記突条体等の幅及び長さとしては、身障者による自己の位置及び進行方向の認識を容易にする一方、車両走行による騒音・振動の発生を抑制し、かつ車椅子や2輪走行に支障を来さないようにするために、請求項1記載の発明のように、前者が10〜40mm、後者が200〜1000mmのものが好ましい。
【0012】
前記突条体等の配置は、請求項1記載の発明のように、歩行者の進行方向への間隔が50〜200mmの範囲とするのが好ましい。この範囲では必ず、突起に足が接することになるからである。最適な実施の形態としては、80mm程度である。
【0013】
これら突条体等の設置方法としては、請求項4記載の発明のように、いわゆる塗布方式若しくは貼付方式のいずれであってもよい。ここで、塗布方式とは、路面に塗料材料を塗布して突条体等を形成する方式である。この場合、各種塗料を用いることができるが、その塗料材料としては、例えば、石油樹脂やロジンエステル樹脂を結合剤とした溶融型である塗料や、アルキド樹脂やアクリル樹脂を主成分とした溶剤型である塗料や、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などを主成分とした無溶剤型や反応硬化型である塗料や、アルキド樹脂やアクリル樹脂、エポキシ樹脂などを主成分とした水溶性型やエマルジョン型である塗料を用いることが可能である。
【0014】
塗料の性状としては、施工時の突状体等の形態を保つために、高度なチクソ性が必要であり、配合的には、樹脂の他に、塗布路面に応じて、着色顔料・充填材、ガラスビーズ、安定剤などを適宜配合して調整すればよい。
【0015】
貼付方式は、突起形成物(例えば、表面に突起を固着したフィルム材)の裏面を種々の接着手段で路面に固着する(例えば、接着)方式である。接着手段としては、粘着テープなどによる方式、反応型接着剤による方式、感圧方式、加熱反応方式など種々の方式が採用できるが、路面若しくは前記フィルム材の一方に反応性主剤液を塗布若しくは含浸し、他方、フィルム材若しくは路面の一方に硬化剤を塗布若しくは含浸し、そのフィルム材をその路面に重ねることにより、反応型の貼付接着を行う方法を採用することが最適である。このような方法を採用すれば、反応型であるために接着力が大きく、また、反応型であっても2液混合方式ではないので、使用時間に制限がなく、また2液混合の必要性がなく、さらに、路面に凹凸があってもこれに対応できるといった有利な効果がある。
【0016】
なお、本発明の誘導ラインは、従来の「盲人タイル」では対応できない横断歩道に使用するのが最適である。また、本発明の誘導ラインは、視力障害者にとって最適な誘導ラインであるが、視力障害者のみならず、暗闇における健常者の誘導ラインとしても機能し得るので、「視力障害者等」とは、健常者を含む概念として定義したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施の形態である視力障害者等の誘導ラインを設置した交差点の構成図、図2は図1のA部拡大図、図3は同じく突起物の線状配列体の配置状態を示す平面図、図4はその拡大図、図5は同じくその路面設置状態を示す図である。
【0018】
図1のごとく、一般に、車両走行路1に沿って歩道2が設置されており、走行路1の交差点3には、横断歩道4が設置されている。この横断歩道4は、アスファルト路面5に複数の白帯状の標示線6が歩行者の進行方向Bに間隔をおいて設置されており、この標示線6及び複数の標示線6間のアスファルト路面5に亘って、視力障害者等を誘導するための突起物8の線状配列体8aが、横断歩道1の進行方向Bに沿ってライン状に配置されてなる誘導ライン9が設置されている。この誘導ライン9は、横断歩道4の端部及び中央部のいずれであってもよいが、本実施の形態では中央部にほぼ300mm幅で設置されている。なお、歩道2には、いわゆる盲人タイル10が敷設されている。
【0019】
この突起物8は、車両運転者や歩行者から目立たないようにするため、アスファルト路面5及び標示線6を含む路面の色と類似の色を使用しており、標示線6の部分ではマンセル色票でN9程度、アスファルト路面5の部分ではN4程度としている。
【0020】
突起物8の形状としては、ド−ム状(半球形状)あるいは円錐台形状もの等が採用できる。該線状配列体8aの大きさとしては、幅Wが10〜40mm、高さhが2〜5mm、長さLが200〜1000mm、歩行者の進行方向Bへの間隔Plが50〜200mmの範囲で適宜選定できる。本実施の形態では、ド−ム状の突起物8を歩行者の進行方向と直交する方向Cに横線状に配列した配列体8aを採用しており、その1個の突起物8の大きさは、直径Φが10〜40mm、高さhが2〜5mmの範囲で、各突起物8の中心間距離Pw(ピッチ)は15〜40mmの範囲で採用することができる。
【0021】
これら線状配列体8aは、塗布方式により、路面に設置することができる。その塗料材料としては、例えば、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂など各種樹脂を主成分とした反応硬化型である塗料を使用することができる。塗料の性状としては、施工時の突起物の形態を保つために、高度なチクソ性が必要であり、配合的には、樹脂の他に、塗布路面に応じて、着色顔料・充填材、ガラスビーズ、安定剤などを適宜配合して調整する。
【0022】
誘導ライン9の施工は、ペイントスプレー用システム(ペイントタンク、塗料加熱装置、ポンプ、スプレーガンなど)と、突状体施工システム(塗料タンク、ポンプ、2液混合装置、塗装装置など)とをセットしたマーカー車で行う。マーカー車に搭載のコンプレッサーの圧縮空気により、路面の清掃後、必要に応じてペイントを塗装し、その後突状体施工システムにより各種塗料による突起物8を点状にかつその点が横方向に配列体8aを形成するように塗布すると共に、マ−カ−車を移動させながら、この配列体8aが所定間隔で並び、ラインを形成するように塗布して硬化させる。固化後に施工は終了する。
【0023】
具体例としては、1個の突起物の大きさは、直径Φが15mm、高さhが4mmとし、線状配列体8aの長さ方向Cでの各突起物8のピッチPwを20mm、線状配列体8aの長さLを300mmとし、歩行者の進行方向Bにおけるの線状配列体8aの中心間の間隔Plを80mmとした。なお、本具体例では、線状配列体8aの配置は、交互にずらし、後列の突起物は前列の突起物の中間に位置するようにしている。身障者による進行方向の認識が、進行方向における突起物の並列配置の場合より、より容易にできるからである。
【0024】
上記具体例のような誘導ライン9は、アスファルト路面5及び横断歩道用標示線6を含む路面の色と類似の色で設置したので、車両運転手や歩行者から目立たないようになる。このことは、本実施の形態の誘導ラインについての車両運転者に対する表1に示すアンケ−ト結果から明らかである。
【0025】
また、突起物8の線状配列体8aを採用したので、視力障害者等が踏んだときに1本の横向きの線状突起として感じられ、しかも線状配列体8aの中心間の間隔Plを80mmとしたので、進行方向が察知し易くなるばかりか、線状配列体8aの長さ方向は、車両の進行方向とほぼ一致し、突起物8のピッチPwは20mmであってタイヤの接地幅より小さいので、タイヤと突起物の衝突回数や衝突のエネルギ−が小さく、走行する車両からの騒音発生を防止若しくは抑制できる。さらに、突起物8の高さhは4mmとしたので、高さの面からも、車両走行による騒音・振動の発生を抑制し、車椅子や2輪走行に支障を来さない。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
この場合、視力障害者による進行方向の認識のしやすさについては、長さが15mと12.5mの横断歩道に設置した前記具体例の誘導ラインを歩行した時の盲学校の生徒50名に対する表2のアンケ−ト結果から、また、車両走行による騒音や振動の発生が防止されていることについては、図13に示すように、大型トラック若しくは普通乗用車を使用し、50km/h又は30km/hの速度で走行した場合の振動と騒音の測定値が、前記具体例の誘導ラインを設置した場合と設置していない場合とで差異がほとんどなく、ほぼ同レベルであることから明らかである。
【0029】
なお、図13において、「設置有」とは誘導ラインを設置した場合を意味し、「設置無」とは誘導ラインを設置していない場合を意味する。また、車両走行時の振動及び騒音は、図12に示すように、誘導ラインの幅の中央部であって、車両タイヤ17から2m離れた位置に普通騒音計14(リオン株式会社製NA−20)と振動ピックアップ15を置き測定した。なお、振動の測定には振動レベル計16(リオン株式会社製YM−52)を使用した。
【0030】
図6ないし図8に本発明に係る視力障害者等の誘導ラインの第2の実施の形態を示す。図6は第2の実施の形態における突条体8bの形状と幅と高さの関係を示す図、図7は同じくその正面図、図8は歩行者の進行方向への突条体8bの配列状態を示す図である。
【0031】
この第2の実施の形態では、突条体として形状が半円柱状すなわち断面半円形の柱状突起8bを採用している。この突条体8bは、高さhが2〜5mm、幅Wが10〜40mm、長さLが300mmに設定されており、歩行者進行方向Bでの間隔Plが50〜200mmに設定可能である。上記構成の突条体8bは、第1の実施形態と同様な方法で横断歩道上に設置でき、同様な作用効果を奏することになる。
【0032】
図9は本発明に係る視力障害者等の誘導ラインの第3の実施の形態を示し、突条体として断面台形状の平板状突起8cを採用している。この突条体8cは、高さhが2〜5mm、幅Wが10〜40mm、長さLが300mmに設定されており、歩行者進行方向での間隔が50〜200mmに設定可能である。この実施の形態においても、上記第1、第2の実施の形態と同様な作用効果を奏することになる。
【0033】
なお、上記いずれの形態においても、突条体等の設置方法として塗布方式を採用したが、これに限らず、貼付方式を採用してもよい。図10及び図11にその一例を示す。図10は第4の実施の形態を示す斜視図、図11は同じくその正面図である。
【0034】
図10及び図11のごとく、この実施の形態では、予め突条体8bが形成されたフィルム11に硬化剤を含ませておき、路面のマスキングテープ12で囲まれた部分に主剤液13を塗布した後、この部分にフィルム11を貼り付けることで硬化剤と主剤液13とが反応硬化してフィルム11が路面5に貼り付ける方法を採用している。
【0035】
フィルム材としては、紙、布、不織布、ネット、樹脂フィルム、主剤液に溶ける性質を有する樹脂フィルムなど、様々な材料を選択できる。また、硬化剤をフィルム材に固定する方法としては、フィルム材の毛管現象を利用して、液状硬化剤を塗布してフィルム材に浸み込ませる方法、硬化剤を含ませた樹脂液や塗料をフィルム材に塗布又は浸み込ませる方法、あるいは硬化剤を含ませた樹脂液や塗料など自身を硬化させてフィルム材にする方法など、あらゆる方法を採用することができる。
【0036】
具体的には、フィルム材として、厚さが約0.12mmであるポリエステル100%の不織布(JIS L 1096による測定により、強度(kgf)が8×3(縦×横)、伸び(%)が25×20(縦×横)、引裂強度(kgf)が約0.5であった。)を用いた。硬化剤として、変性BPO(変性ベンゾイルペルオキシド)が40wt%のキシレン溶液を10重量部と、アクリル樹脂ポリマーが50wt%のトルエン・酢酸エチル溶液を90重量部とを混合し、得られた混合液をフィルム材に目付量が約20g/m2 となるように塗布含浸させ、乾燥硬化させた。このフィルムの上に上記突条体8bを予め固着させておく。また、主剤液13としては、低粘度・高反応性のアクリル樹脂液を用いて、これをスプレーやローラで路面に約400ml/m2 で塗布した上で、上記フィルム材を重ねておき、放置すれば、主剤中のモノマーとフィルム中の変性BPOが反応し、硬化して貼付が完了する。
【0037】
このような貼付方法を採用すると、フィルム11の接着は反応型なので、接着力が強く、また、反応型であるにも拘わらず、使用時に2液を混合することを行わないので、使用時間に制限がない。また、使用時に2液を混合することがないので、使用時間に制限がなく、反応速度の速い樹脂の使用が可能となる。このため、接着時間の短縮が図れ、交通開放が速やかに行える。さらに、路面に凹凸がある場合でも対応が可能であるなどの効果がある。
【0038】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、請求項1記載のによると、横断歩道において、高さが2〜5mmの突条体等が間隔をおいてライン状に配置されているため、身障者は歩行時に該突条体等の配置方向を確認しながら進行することができ、進行方向を誤ることなく歩行でき、また歩行者の歩行あるいは2輪車の走行に支障がなく、さらに突条体等を横断歩道の進行方向に沿って配置されている(突条体等の長さ方向は進行方向に対し横向き)ため、該突条体等と並行に走行する車両のタイヤが突起に衝突する回数が少なく、騒音発生を抑制でき、請求項2記載の発明によると、突条体等の色が路面若しくは横断歩道の標示線の色と同一又は類似としたので車両の運転手や歩行者等から目立つことがなく、視覚の面からも交通の障害とならないという優れた効果を有する。
【0039】
さらに、請求項3記載の発明によると、突条体等の形状として、視力障害者等が踏んだときに1本の横向きの線状突起として認識しやすくかつ歩行等の障害になりにくい配列体及び/又は形状体となっているので、視力障害者にとって、認識しやすくかつ健常者を含め歩行の障害や車両の走行の障害とならず、請求項1記載の発明によると、前記突条体等の幅を10〜20mm、長さを200〜1000mmとしているので、身障者による自己の位置及び進行方向の認識を容易にする一方、車両走行による騒音・振動の発生をより抑制し、かつ車椅子や2輪走行に支障をより来しにくく、請求項1記載の発明によると、前記突条体等の歩行者の進行方向への配置間隔が50〜200mmの範囲となっているので、この範囲では必ず、突起に足が接することになり、身障者は自己の進行方向がより確認しやすく、請求項4記載の発明によると、これらの誘導ラインが簡単かつ効率的に設置できるといった優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である交差点における視力障害者等の誘導ライン付きの横断歩道を示す図
【図2】図1のA部拡大図
【図3】同じく突起物の線状配列体の配置状態を示す平面図
【図4】同じくその拡大図
【図5】同じくその路面設置状態を示す図
【図6】本発明の第2の実施形態を示す図
【図7】同じくその路面設置状態を示す図
【図8】同じくその配置状態を示す平面図
【図9】本発明の第3の実施の形態を示す図
【図10】本発明の第4の実施の形態を示す斜視図
【図11】同じくその正面図
【図12】第1の実施の形態における車両走行に対する振動と騒音の測定方法の概略図
【図13】車両走行に対する振動と騒音の、第1の実施の形態の誘導ラインの有無における比較図
【符号の説明】
1 車両走行路
2 歩道
3 交差点
4 横断歩道
5 アスファルト路面
6 標示線
8 突起物
8a 突起物8の線状配列体
8b 断面半円形の柱状突起
8c 断面台形状の平板状突起
Claims (4)
- 横断歩道の路面の一部に、視力障害者等を誘導するための突起物の線状配列体が、その長さ方向を横断歩道の進行方向に対し横向きにして、横断歩道の進行方向に沿って間隔をおいてライン状に配置され、突起物の線状配列体の幅が10〜40mm、長さが200〜1000mm、前記間隔が該線状配列体幅の中心間距離で50〜200mmであって、線状配列体の突起物の中心間距離が40mm以下であり、かつ該突起物の高さが2〜5mmであることを特徴とする視力障害者等の誘導ライン。
- 前記突起物の線状配列体の色が路面若しくは横断歩道の標示線の色と同一又は類似であることを特徴とする請求項1記載の視力障害者等の誘導ライン。
- 前記突起物の形状がド−ム状、円錐台形状、角錐台形状若しくは四角柱状であることを特徴とする請求項1又は2記載の視力障害者等の誘導ライン。
- 塗布方式若しくは貼り付け方式を用いることを特徴とする請求項1、2又は3記載の視力障害者等の誘導ラインの設置方法。
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