JP4166989B2 - 人工関節ステム及び人工股関節ステム - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨に移植するための人工関節ステムに関する。より詳細には、本発明は、疲労強度を増加させるために補強リブを有した人工股関節ステム（すなわち、大腿骨ステム）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
患者の関節（例えば、股関節）の全部又は一部を置換するために使用される整形外科インプラント（すなわち、整形外科移植装置）は、一般に、例えば老化、疾患又は傷害により悪化した関節の能力を回復又は増加させるために使用される。人工股関節置換術の場合には、例えば大腿骨の骨頭及び頚部を含む患者の大腿骨の一部分を置換するために、大腿骨コンポーネント（大腿骨側部品）が使用される。大腿骨ステムが大腿管内に配置され、大腿管に固定される。大腿骨ステムは、人工大腿骨（すなわち、大腿骨補綴装置）を完成させるために、人工大腿骨骨頭（すなわち、大腿骨骨頭補綴装置）を受容するように構成された大腿骨頚部を含んでいる。人工大腿骨ステムは、一般に、大腿管にセメントで固定されるか大腿管内に締まり嵌めされる。
【０００３】
有利には、大腿骨ステムは、骨成長やセメント相互咬合に対応するために、多孔性の外側表面を含むことができる。大腿骨ステムの概略無孔の外側表面（すなわち、基材）にコーティングを施すために、例えば、ワイヤメッシュ（ワイヤ製網）やビード又は窪みが形成された表面を含む様々な多孔性物質が利用される。本明細書において、「概略無孔」とは、人工関節ステムの多孔質コーティングと比較して孔隙率（すなわち、孔を含む比率）が小さい材料を意味する。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
大腿骨ステムは、長い間に繰り返し荷重を加えられた後に、疲れ破壊を起こしやすい。コーティングを施されたステムの概略無孔の核部（これは多孔質コーティングよりも強固である）は、多孔質コーティングを有しない類似の寸法のステムの概略無孔の核部よりも小さくなることから、多孔質コーティングを施されたステムは、一般に、多孔質コーティングを施されていない類似の寸法のステムほど強固ではない。さらに、大腿骨ステムの多孔質コーティングは、多孔質コーティングと大腿骨ステムの基材との間に鋭い角部を形成する。これら鋭い角部は応力集中を引き起こし、この応力集中がステムを弱体化させ得る。
【０００５】
よって、当該技術で必要とされているのは、多孔質コーティングを有した大腿骨ステムの疲労強度を外側寸法を増加させることなく増加させる構造を有した大腿骨ステムである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は骨に移植するための改良された人工関節ステムを提供する。具体的には、本発明は、基材から突出し且つ該基材上に形成された任意の多孔性物質と面一（同じ高さ）になっている補強リブを有した人工大腿骨ステムを提供する。補強リブは、人工大腿骨ステムの断面二次モーメントを増加させ、それにより、人工大腿骨ステムの疲労強度を増加させるように配置されることが有利である。本発明の補強リブは、ステムの重要な領域（すなわち、疲れ破壊が起きやすい高応力領域）における有効核部面積を増加させるだけでなく、前述の重要な領域において多孔質コーティングに関連した応力集中を減少させることによって、大腿骨ステムの疲労強度を増加させる。補強リブは、概略無孔の材料から形成されており、１つの例示の実施態様では、基材材料と概略同一の材料から形成される。
【０００７】
本発明は、１つの形態において、骨に移植するための人工関節ステムからなる。本発明のこの形態の人工関節ステムは、シャフト部に接続されている頚部を含んでおり、頚部とシャフト部とは鈍角をなしている。多孔性物質が人工関節ステムの基材から外方へ突出しており、さらに、概略無孔の突出部が基材から外方へ突出している。概略無孔の突出部は、人工関節ステムの外側寸法を増加させないように、多孔性物質と概略面一（すなわち、同じ高さ）になっている。
【０００８】
本発明は、他の形態において、骨セメントを用いて、大腿管内に挿入される部分周りに被覆を形成するようにした、大腿骨に移植するための人工股関節ステムからなる。本発明のこの形態の人工股関節ステムは、シャフト部に接続されている頚部を含み、この頚部は人工股関節ステムの内側部から延びており、シャフト部と鈍角をなしている。遷移部は、頚部とシャフト部との中間に配置されており、シャフト部の横断面積よりも大きい横断面積を有している。突出部は、人工股関節ステムの外側表面上に配置されており、人工股関節ステムが大腿骨に移植されたときに、骨セメントの被覆によって覆われるような高さを有している。
【０００９】
本発明は、利点として、人工大腿骨ステムの外側寸法を増加させることなく、人工大腿骨ステムの疲労強度を増加させる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
添付図面に関してなされる本発明の実施形態の以下の説明を参照することにより、本発明の上記又は他の特徴及び目的、並びに、これらを達成する手法がより明らかとなり、本発明がより十分に理解されるであろう。
【００１１】
複数の図面を通して、対応する符号は対応する部分を指している。図面は、本発明の実施形態を示しているが、必ずしも正しい縮尺になっておらず、本発明をより十分に例示、説明するために所定の特徴部が誇張されている場合がある。本願で示されている具体例は、本発明の実施形態の例を示しているだけであり、このような具体例は如何なるようにであれ本発明の範囲を制限するものとして解釈されるべきではない。
【００１２】
図面、特に図１を参照すると、基材２６に付加された多孔性物質２８と、基材２６から延びている突出部４０とを有する大腿骨ステム２０が示されている。図２及び図８に示されているように、突出部４０は、多孔性物質２８と面一になっている、すなわち多孔性物質２８と同じ高さの面を形成している。突出部４０によって形成された基材２６のより大きな有効横断面積の部分は、大腿骨ステム２０の断面二次モーメント（ｔｒａｎｓｖｅｒｓｅ ｃｒｏｓｓ−ｓｅｃｔｉｏｎａｌ ｍｏｍｅｎｔ ｏｆ ｉｎｅｒｔｉａ）を増加させ、それにより、大腿骨ステム２０の前外表面に発生する応力の減少をもたらす。本明細書において、「横断面積」とは、大腿骨シャフト部３６の長手方向軸線に対して概略垂直な平面に沿った断面の面積を指す。大腿骨ステム２０は、通常、遠位端部５０と、大腿骨シャフト部３６と、（内側湾曲部３２を有した）遷移部３０と、フランジ２４と、肩部２３と、近位端部５２で終端している頚部２２とを含んでいる。大腿骨ステム２０の幾何形状は例として示されているに過ぎない。本発明の教示は変化していく幾何形状の大腿骨ステムに対して適応可能性を有している。
【００１３】
図１、図２及び図８の例示の実施態様では、大腿骨ステム２０の突出部４０は、多孔性物質２８の範囲又は被覆率を最大にし且つ突出部４０の縁部における応力集中を最小に抑えるために、概略卵形状を有している。突出部４０の卵形状は周縁の尖った鋭い角部をなくし、それにより、突出部４０の縁部における応力集中を減少させる。突出部４０の中央点における相対的に大きい横断面積を有する部分は、大腿骨ステム２０の重要な領域（すなわち、疲れ破壊が発生しやすい高応力領域）に配置される。大腿骨ステム２０の重要な領域は、大腿骨ステムが右大腿骨に移植されるか左大腿骨に移植されるかによって変化する。突出部４０の相対的に広い中央点は、大腿骨ステム２０が左右両方の大腿骨への移植並びに移植の際の大腿骨ステムの僅かな回転に対応することを可能とさせている。突出部４０は大腿骨ステム２０の内側部に配置され、突出部４０が圧迫された状態で装填されるようにすることが有利である。このようにして、突出部４０における応力集中の有害な効果が効果的に打ち消される。
【００１４】
大腿骨ステム２０は、例えば、コバルトクロム合金から形成される。しかしながら、大腿骨ステム２０は、チタンのような他の生体適合性金属又は合金から構成されることもできる。同様に、多孔質物質によるコーティング２８は、例えば、コバルトクロム合金から形成されておりビードが設けられたコーティングを含むが、本発明の教示に関して、他の様々な多孔質コーティングを使用することが可能である。概略卵形状の突出部４０は、多孔質の外側表面を最大限に利用することを可能とさせると共に、大腿骨ステム２０の断面二次モーメントを適切に増加させるに十分な材料を提供する。上述したように、突出部４０の中央点は、突出部４０において最大の横断面積を有した部分からなる。突出部４０の中央点は、内側湾曲部接点３４に位置している。内側湾曲部接点３４は、内側湾曲部３２が筒状の大腿骨シャフト部３６と接する部分からなる。換言すれば、内側湾曲部接点３４は、内側湾曲部３２が終わり、筒状の大腿骨シャフト部３６が始まる点に位置している。１つの例示の大腿骨ステムでは、内側湾曲部接点３４は、大腿骨ステムの重要な領域（すなわち、疲れ破壊が発生しやすい高応力領域）からなっている。
【００１５】
遷移部３０におけるステムの横断面積は大腿骨シャフト部３６の横断面積よりも大きいので、ステムの近位端部に近づくと要求される突出部材料は少なくなる一方、大腿骨ステム２０の遠位端部は大腿骨に堅固に固定されることから、大腿骨ステム２０の遠位端部に近づくと必要とされる材料は少なくなる。このことを考慮して、図１、図２及び図８に示されている例示の実施態様の突出部４０の横断面積は、通常、その中央点から近位端部及び遠位端部へ減少していき、多孔質コーティングの最大限の利用を可能とさせている。１つの例示の実施態様では、突出部４０は、突出部４０の中央点から、遷移部３０側へ約２．５ｃｍ（１インチ）ほど延びており、大腿骨シャフト部３６側へ約２．５ｃｍ（１インチ）ほど延びている。
【００１６】
図３及び図９は、本発明の第２の実施形態による大腿骨ステム２０ａを示している。本発明の幾つかの実施形態は、図１、図２及び図８に示されている実施形態と類似の構成要素を含んでいる。これら類似の構成要素は、それに文字を付した参照番号で示されている。簡潔にするために、これら類似の構成要素全てを本願で開示されている様々な代替実施形態に関して説明することはしない。大腿骨ステム２０ａは、図１に示されている内側突出部４０と類似の形状をした外側突出部４２を含んでいる。外側突出部４２は大腿骨ステム２０ａの外側部に配置されており、中央点が大腿骨ステム２０の内側湾曲部接点３４と対向した概略反対側に位置している。大腿骨ステムの断面二次モーメントを増加させることにより、大腿骨ステムの強度を増加させるために、本発明の突出部の様々な配置を利用することができる。さらに、本発明にしたがって人工股関節の大腿骨コンポーネント（大腿骨側構成要素）の強度をさらに増加させるために、複数の突出部を利用することが可能である。例えば、外側突出部４２（図３）と共に内側突出部４０（図１）を使用して、本発明による大腿骨ステムを形成することも可能である。
【００１７】
図４〜図６は、内側リブ４４及び外側リブ４６を有した本発明による第３の実施形態を示している。図６に示されているように、内側リブ４４及び外側リブ４６が基材２６ｂから延びており、多孔質コーティング２８ｂと面一になっている、すなわち同じ高さの面を形成している。内側リブ４４及び外側リブ４６は大腿骨ステム２０ｂの長さのほとんどにわたって延びており、基材２６ｂへと遷移するように徐々にテーパ状になった端点を含んでいる。内側リブ４４及び外側リブ４６の端点のテーパによって与えられた滑らかな遷移は、その部分における応力集中を減少させるように機能する。図４に示されているように、内側リブ４４は、通常、遠位端部５０ｂからフランジ２４ｂの遠位側まで延びている。同様に、外側リブ４６は、遠位端部５０ｂから肩部２３ｂまで延びている。大腿骨ステム２０ｂのほぼ全長にわたって延びているように図示されているが、内側リブ４４及び外側リブ４６は大腿骨ステム２０ｂの長さの一部のみに沿って延びている部分的なリブであってもよい。内側リブ４４及び外側リブ４６の幅が変化し、（最大の幅になった部分と関連している）最大の横断面積が重要な領域に配置され得るようにすることがさらに考えられる。
【００１８】
図７は単一のリブ４５を有した大腿骨ステム２０ｃの断面図を示している。リブ４５は、大腿骨ステム２０ｂに関して上述したように、内側リブとすることもできるし、外側リブとしてもよい。図７は、図４〜図６の２リブ構成と対立する本発明による単一リブ構成を図示するために提供されている。
【００１９】
図１０は、螺旋状リブ４８を有した大腿骨ステム２０ｄを示している。螺旋状リブ４８は、フランジ２４ｄの遠位側に隣接する近位端部と、大腿骨ステム２０ｄの遠位端部５０ｄに隣接する遠位端部とを含んでいる。螺旋状リブ４８の近位端部は螺旋状リブ４８の遠位端部から９０°回転させられている。螺旋状リブ４８は、遠位部分の前後面においてかなりの曲げを受けるより長い大腿骨ステムに対して特に適用性を有している。リブ４８の螺旋状配置は、大腿骨ステム２０ｄの内外面及び前後面の両方にリブを配置することを可能とさせており、リブ４８の前後面への配置は大腿骨ステムの遠位部分でなされることが有利である。
【００２０】
多孔質コーティングを有した大腿骨ステムに関して上記で説明したが、このような多孔質の外側コーティングを有しない大腿骨ステムにおいて、本発明のリブを利用することが可能である。このような適用形態では、本発明の突出部は大腿骨ステムの外側表面から外方へ延びることになる。このような状況では、リブの高さは、大腿骨ステムを移植するために利用される骨セメントによって形成されたセメント被覆によって、突出部が覆われ、周囲が取り囲まれるように、寸法決定される。
【００２１】
本発明は例示の構造を有しているものとして説明されたが、本発明は本開示の精神及び範囲内でさらに改変されることが可能である。したがって、本出願は、本発明の総合的な原理を使用した本発明の任意の変化形態、使用法又は適用形態を網羅することを意図したものである。さらに、本出願は、本発明が属する技術分野において公知になっている又は慣用されているような本開示からの逸脱範囲をも網羅することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による大腿骨ステムの斜視図である。
【図２】本発明による大腿骨ステムの側面図である。
【図３】本発明による大腿骨ステムの第２の実施形態の側面図である。
【図４】本発明による大腿骨ステムの第３の実施形態の内側面図である。
【図５】図４に示されている大腿骨ステムの外側面図である。
【図６】図４に示されている大腿骨ステムの断面図である。
【図７】本発明による大腿骨ステムの第４の実施形態の断面図である。
【図８】図２に示されている人工大腿骨ステムの断面図である。
【図９】図３に示されている人工大腿骨ステムの断面図である。
【図１０】本発明による人工大腿骨ステムの第５の実施形態の側面図である。
【符号の説明】
２０、２０ａ、２０ｂ、２０ｃ、２０ｄ…大腿骨ステム
２２、２２ａ、２２ｂ、２２ｄ…頚部
２６、２６ａ２６ｂ、２６ｃ、２６ｄ…基材
２８、２８ａ、２８ｂ、２８ｃ、２８ｄ…多孔性物質
３６、３６ａ、３６ｂ、３６ｄ…シャフト部
４０、４０ａ…（内側）突出部
４２…（外側）突出部
４４…内側リブ
４５…単一リブ
４６…外側リブ
４８…螺旋状リブ

Claims (20)

1. 骨に移植するための人工関節ステムであって、
   シャフト部に接続されており、該シャフト部と鈍角をなしている頚部と、
   人工関節ステムの基材から外方へ突出している多孔性物質と、
   前記基材から外方へ突出しており、前記多孔性物質と概略面一になっている概略無孔の突出部とを備え、前記多孔性物質が前記突出部の周囲を取り囲んでいる人工関節ステム。
2. 骨に移植するための人工関節ステムであって、
   シャフト部に接続されており、該シャフト部と鈍角をなしている頚部と、
   人工関節ステムの基材から外方へ突出している多孔性物質と、
   前記基材から外方へ突出しており、前記多孔性物質と概略面一になっている概略無孔の突出部とを備え、
   前記概略無孔の突出部が、前記人工関節ステムの概略全長にわたって延びているリブからなり、前記リブが概略螺旋状になっており、前記リブの遠位端部が前記リブの近位端部から９０度回転させられている人工関節ステム。
3. 前記多孔性物質が前記人工関節ステムを覆っている、請求項１又は請求項２に記載の人工関節ステム。
4. 前記基材が基材孔隙率を有し、前記概略無孔の突出部が突出部孔隙率を有し、前記基材孔隙率が前記突出部孔隙率と概略等しい、請求項１又は請求項２に記載の人工関節ステム。
5. 前記人工関節ステムが、前記頚部と前記シャフト部との中間に位置し且つ前記シャフト部の横断面積よりも大きい横断面積を有した遷移部をさらに備え、前記概略無孔の突出部が前記シャフト部から前記遷移部まで延びている、請求項１に記載の人工関節ステム。
6. 前記概略無孔の突出部が、該突出部の中央点から、前記遷移部に約２．５ｃｍ延び、前記シャフト部に約２．５ｃｍ延びている、請求項５に記載の人工関節ステム。
7. 前記概略無孔の突出部は、前記遷移部に位置する近位端部と、前記シャフト部に位置する遠位端部とを有し、前記概略無孔の突出部の横断面積が前記中央点から前記近位端部及び前記遠位端部の各々へ減少していく、請求項６に記載の人工関節ステム。
8. 大腿骨に移植するための人工股関節ステムであって、
   シャフト部に接続され、前記人工股関節ステムの内側部から延びており、該シャフト部と鈍角をなしている頚部と、
   前記人工股関節ステムの基材から外方へ突出している多孔性物質と、
   前記基材から外方へ突出しており、前記多孔性物質と概略面一になっている第１の概略無孔の突出部と、
   前記頚部と前記シャフト部との中間に位置し且つ前記シャフト部の横断面積よりも大きい横断面積を有した遷移部とを備え、
   前記第１の概略無孔の突出部は、前記遷移部に位置する近位端部と、前記シャフト部に位置する遠位端部とを有し、該第１の概略無孔の突出部の前記横断面積が前記中央点から前記近位端部及び前記遠位端部の各々まで減少していく人工股関節ステム。
9. 前記多孔性物質が前記人工股関節ステムを覆っている、請求項８に記載の人工股関節ステム。
10. 前記基材が基材孔隙率を有し、前記第１の概略無孔の突出部が突出部孔隙率を有し、前記基材孔隙率が前記突出部孔隙率と概略等しい、請求項８に記載の人工股関節ステム。
11. 前記第１の概略無孔の突出部が前記人工股関節ステムの前記内側部に配置されている、請求項８に記載の人工股関節ステム。
12. 前記第１の概略無孔の突出部が前記人工股関節ステムの外側部に配置されている、請求項８に記載の人工股関節ステム。
13. 前記人工股関節ステムが、前記基材から外方へ突出しており且つ前記多孔性物質と概略面一になっている第２の概略無孔の突出部をさらに備えており、該第２の概略無孔の突出部が前記人工股関節ステムの外側部に配置されている、請求項１１に記載の人工股関節ステム。
14. 前記人工股関節ステムが、前記頚部と前記シャフト部との中間に位置し且つ前記シャフト部の横断面積よりも大きい横断面積を有した遷移部をさらに備え、前記第１の概略無孔の突出部及び前記第２の概略無孔の突出部の両方が、前記シャフト部から前記遷移部まで延びており、該第１の概略無孔の突出部及び該第２の概略無孔の突出部の中央点から、前記遷移部に約２．５ｃｍ延び、前記シャフト部に約２．５ｃｍ延びている、請求項１３に記載の人工股関節ステム。
15. 前記第１の概略無孔の突出部が、前記人工股関節ステムの概略全長にわたって延びているリブからなる、請求項１１に記載の人工股関節ステム。
16. 前記第１の概略無孔の突出部、前記第２の概略無孔の突出部が、それぞれ、第１のリブ、第２のリブからなり、前記第１のリブ及び前記第２のリブの両方が前記人工股関節ステムの概略全長にわたって延びている、請求項１３に記載の人工股関節ステム。
17. 骨セメントを用いて、大腿管内に挿入される部分の周りに被覆を形成するようにした、大腿骨に移植するための人工股関節ステムであって、
    シャフト部に接続され、前記人工股関節ステムの内側部から延びており、該シャフト部と鈍角をなしている頚部と、
    前記頚部と前記シャフト部との中間に位置し、前記シャフト部の横断面積よりも大きい横断面積を有した遷移部と、
    前記人工股関節ステムの外側表面から外方へ突出しており且つ前記被覆によって覆われるような高さを有した第１の突出部とを備え、
    前記第１の突出部が前記人工股関節ステムの前記内側部に配置されており、
    前記第１の突出部が、前記人工股関節ステムの概略全長にわたって延びている第１のリブからなり、
    前記第１のリブが概略螺旋状になっており、該第１のリブの遠位端部が該第１のリブの近位端部から９０度回転させられている人工股関節ステム。
18. 前記人工股関節ステムが、前記人工股関節ステムの前記外側表面から外方へ突出しており且つ前記被覆によって覆われるような高さを有した第２の突出部をさらに備えており、該第２の突出部が前記人工股関節ステムの前記外側部に配置されている、請求項１７に記載の人工股関節ステム。
19. 前記第１の突出部は、前記遷移部に位置する近位端部と、前記シャフト部に位置する遠位端部とを含み、前記第１の突出部の横断面積が前記中央点から前記近位端部及び前記遠位端部の各々まで減少していく、請求項１７に記載の人工股関節ステム。
20. 前記第１の突出部、前記第２の突出部が、それぞれ、第１のリブ、第２のリブからなり、前記第１のリブ及び前記第２のリブの両方が前記人工股関節ステムの全長にわたって延びている、請求項１８に記載の人工股関節ステム。

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