JP4166884B2 - 増大した感光性を有する感光性ハロゲン化銀材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新しいタイプのドーピング剤を使用することによって改良された感光性を示すハロゲン化銀乳剤を支持体上に含む感光性材料、及び前記感光性材料を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
写真産業は良く規定された最小エネルギー量で光に反応しなければならない写真材料を扱っている。この光エネルギーはすぐ見ることができる又は本質的に存在しているにすぎない照射された材料中の変化に導く化学的又は物理的活性を誘発し、処理工程とも称される追加の処理によって後で視覚化されることができる。しかしながら、長い間、改良された感度を有する感光性材料、減少した量の光エネルギーに反応する材料に対する強い増大する要求が存在する。最も重要な可能性の一つは原子又は分子ベース上に主要な光活性変化が存在する感光性材料に見出され、その原子又は分子ベースは材料において最初の光相互作用を可視化するために第2工程において数オーダー(several orders)の大きさで増大されることができる。この“2工程”画像形成機構は例えば本発明の主題を形成するハロゲン化銀材料において遭遇される。このタイプの材料の感度はハロゲン化銀との光相互作用と可視像の形成の間の様々な工程が行うことができる効率によって決定されることは明らかであるだろう。本発明は(潜像とも称される)ハロゲン化銀結晶中の最初の分子光誘導変化を実現する方法に特に焦点を当てられるだろう。現像後のこの変化は可視像の形成を生じる。
【0003】
潜像形成の効率は多くの要因に依存し、それゆえ様々な方法で影響されることができる。最良の結果はもしハロゲン化銀結晶中の各光電子が潜像を形成しながら最も深い電子トラップに到達するなら実現される。これは光吸収後に作られる電子と正孔(holes)の間の再結合ができるだけ多く防止されることを意味する。多くの解決策が提案されているが、それらの全ては限定された結果を有する。人々は主に捕獲確率を増大するために電子トラップの深さを低下しようとしている。例えば硫黄、金、セレン及び他の化合物又はそれらの組合せでの化学増感はほとんどこの目的のために使用されている。
【0004】
形成後の電子と正孔の再結合を防止する別の方法は中間トラップ深さを有する局部的なトラップでのこれらの種の一時的な捕捉である。これは例えば粒子の小さな領域又はコアの沃化物の増大した量の局部的な混入によって結晶格子の内部にひずみを作ることによって行うことができる。この方法は電子−正孔再結合を減少することによる感度増加に導き、現在の写真材料において望まれる現像性のような別の重要な特徴を沃化物の存在によって低下させてしまう。
【0005】
ハロゲン化銀乳剤の感度の増加は原理的には強色増感剤で実施されうるスペクトル増感剤からハロゲン化銀粒子への電子移動の効率を増加することによって実現することもできる。
【0006】
増感色素の活性を見ると、感度増加は粒子表面で色素濃度を増加することによって展開される色素減感を減少することによって実現することもできる。これは例えばUS−A 4897343に記載されたように特別なシアニン及びメロシアニン色素とアスコルビン酸のような電子供与化合物を組合せることによって行うことができる。ハロゲン化銀吸収基又は増感色素に結合される電子供与化合物は付加的な増感効果を得るために使用される。その例はUS−A 5436121,US−A 5478719及びUS−A 4607006に記載されている。
【0007】
再結合を減少するための別の重要な代替法はハロゲン化銀結晶に銀クラスター又は幾つかの金属イオン又は錯体のような正孔トラップを導入することである。使用可能な金属塩の一つは例えばUS−A 5166044及びUS−A 5420001に記載されたような鉄を含み、その場合鉄イオンは塩化銀に富む(AgCl 90mol%以上)ハロゲン化銀乳剤に混入される。感度増加は第1鉄又は第2鉄塩によって生じ、(無機又は有機)アニオンを自由に選択することができる。アニオンの選択は広く証明されているように所望の効果に影響を及ぼさない。既に述べた更なる正孔トラッピング部分(entities)は銀クラスターである。これらは錫化合物、ポリアミン誘導体、ヒトラジン、アスコルビン酸及び類似体などのレダクターで沈殿中乳剤を処理することによって実現される還元増感によって、又は還元物質を使用せずに良く規定されたpH−及び/又はpAg−条件によって結晶中に作ることができる。US−A 3892574では、ハロゲン化銀の沈殿中又は物理熟成前又は中に小さな銀斑点(それは自発的に現像可能なかぶりを与えない)が還元条件で作られる方法が記載されている。同じことがUS−A 3957490に記載されたようなハロゲン化銀製造方法について言うことができ、それは還元時間の終わりにおいて酸化体が化学増感前にハロゲン化銀乳剤に導入されている。還元増感による銀クラスター形成に関する方法のほとんどは、深刻な問題として知られるかぶりを(多かれ少なかれ)生じる。実験的な証拠によれば、これらの銀クラスターは{111}AgBr結晶面上で容易に形成されることができ、一方それは例えば{100}AgBr結晶面上又は{100}AgCl結晶面上では困難になることが見出されている。この理由のためセンシトメトリー特性を改良するために全ての種類のハロゲン化銀結晶において正孔トラッピング部分を形成できる更に一般的な方法が必要とされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1目的は改良された感度及び被覆力を有するハロゲン化銀乳剤を含む感光性材料を提供することにある。
【0009】
本発明のさらなる目的は新しいカテゴリーのドーピング剤を含有するハロゲン化銀粒子を含む感光性ハロゲン化銀乳剤を提供することにある。
【0010】
本発明の別の目的は沈殿中前記新しいカテゴリーのドーピング剤で処理されたハロゲン化銀乳剤を含む感光性材料を製造するための方法を提供することにある。
【0011】
本発明のさらなる目的及び利点は以下に与えられた実施例を伴う記載から明らかになるだろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は有機正孔トラッピングドーパント(organic hole-trapping dopant)を含有するハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤を含む感光性材料によって実現される。特に前記有機正孔トラッピングドーパントは下記式(I)又は式(II)によって表される:
R−COOM (I)
式中、Rは水素、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール基、置換又は非置換アラルキル基又はヘテロアリール基を表し、Mは水素又は塩を形成しうる金属又は有機基である。
【化2】
Figure 0004166884
式中、X及びYはO,S,Seから独立して選択され、mは1であり、nは1又は2であり、R1及びR2はそれぞれ独立して水素、置換又は非置換アルキル基、置換又は非置換アリール又はアラルキル基又は置換又は非置換ヘテロアリール基を表し、R1及びR2は同じであっても異なってもよく、環を形成してもよい。Eは少なくとも一つの自由電子対を有するヘテロ原子によって炭素原子に連結される基であり、Mはプロトン又は有機又は無機対イオンである。
【0013】
さらに本発明は前記感光性材料がフォトアドレス可能な(photoadressable)サーモグラフィック材料であることができる感光性材料を提供する。また本発明は支持体及びその片側又は両側上に少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層を含む前記感光性材料を製造するための方法を提供し、その場合ハロゲン化銀粒子は式(I)又は(II)による有機正孔トラッピングドーパントでドープされ、所望により酸化剤の存在下で実施される。
【0014】
本発明の好ましい例は従属請求項に開示されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明をその好ましい例に関連して以下記載するが、本発明はそれらの例に限定することを意図されないことが理解されるだろう。逆に特許請求の範囲に規定されたような本発明の範囲及び精神内に含まれる全ての代替例、変形例及び均等例をカバーすることを意図される。
【0016】
前述したような本発明を以下詳細に説明する。ハロゲン化銀乳剤を含む感光性材料の感度が正孔トラッピングドーパントとして記載されうる有機分子の導入によって前述したように改良されうることを驚くべきことに発見した。これらの化合物はハロゲン化銀粒子の沈殿の生長相又は工程中にハロゲン化銀に混入されうる有機化合物である。これらの化合物は一定の環境又は条件下で少なくとも一つの、たいていは二つの又は一般には一定量の二つの電子(即ち、2,4など)を放出することができる。業界で一般に知られている正孔トラッピング剤とは反対に、本発明の有機正孔トラッピングドーパントが所望により配位子によって包囲された最低原子価の金属原子からそのトラッピング活性を得ないことは重要である。これとは違い、それは分子の一部のデフラグメンテーション(defragmentation)後にハロゲン化銀結晶においてその電子を届けることができる有機分子に関する。
【0017】
この目的のために有機正孔トラッピング剤として使用されうる重要な化合物は下記式(I)又は式(II)を特徴とする:
R−COOM (I)
【化3】
Figure 0004166884
【0018】
式(I)及び(II)を満足する有機分子はハロゲン化銀格子中への混入後に正孔トラッピング剤として実際に作用する。正孔トラッピング剤は最も一般的な用語では光子の吸収後にハロゲン化銀結晶格子に形成される正孔との反応のために1個以上の電子を放出する化合物として規定されることができる。
【0019】
式(I)中のRは第1例では蟻酸又はその無機又は有機塩が本発明における正孔トラッピングドーパントとして使用されることを意味する水素原子によって表される。さらなる例ではRはヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基、カルボン酸基又は他の官能基のような置換基として全ての種類の官能基を含有してもよい非置換又は置換アルキル基である。特に重要なものはα−ヒドロキシ−カルボン酸又はその塩及びα−アミノ−カルボン酸又はその塩(アミノ基の窒素原子は環構造の一部であることができる)である。
【0020】
それはシュウ酸、マロン酸、マレイン酸などの多酸の塩も意味するが、トリ−、テトラ−及びそれ以上のカルボン酸の塩も本発明の範囲内にある有機正孔トラッピングドーパントのための式に含まれる。
【0021】
さらなる例ではRは非置換又は置換アリール基、非置換又は置換アラルキル基又は非置換又は置換ヘテロアリール基を表し、それはヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基、カルボン酸基又は他の官能基のような置換基として全ての種類の官能基を含んでもよい。
【0022】
式(I)中のMは式(II)中と同様に元素の周期系の金属のいずれかを表し、特に式(I)中で表されたカルボン酸と又は式(II)中で表されたスルフィン酸基と水溶性塩を形成する金属が好ましい。Mはアルカリ又はアルカリ土類金属又はN(R〜Rの基は同じであっても異なってもよく。R〜Rのそれぞれは水素、非置換又は置換アルキル、非置換又は置換アリール又はホスホニウム、セレノニウム、イオドニウム、テルロニウム又はスルホニウムのようなオニウムイオンを独立して与える)の形の非置換又は置換アンモニウムカチオンであることができる。この基ではアルカリ土類金属が本発明において最も好ましい(アルカリ金属も好ましい)。
【0023】
式(I)によって表される分子のサイズは例えばHCOOMがCHCOOMより効果的であることを意味するハロゲン化銀マトリックス中への混入に関して重要な因子であることは明らかである。金属原子価は1,2又はそれ以上であることができるが、一つが好ましい。式(I)及び(II)によって表される化合物の一部であるアニオンのように有機カチオンもその混入のための明確な制限は全くないが、できるだけコンパクトであることが好ましい。
【0024】
式(II)による正孔トラッピング剤の典型例は以下に与えられる(化合物II.1〜II.11参照)。
【化4】
Figure 0004166884
【0025】
α−ヒドロキシメチルスルフィン酸又はその塩は(“ロンガリット”のように)工業的に入手可能であるか又はMulliez及びNaudy(Tetrahedron 49 (1993),p.2469-2476)によって記載されているように製造することができる。この文献では、α−ヒドロキシメチルスルフィン酸の製造法を記載する古い文献に対する参照が見られる。α−アミノメチルスルフィン酸の合成はMulliezらによって記載されている。R1及びR2が水素を表すとき、それはロンガリットから容易に入手可能である(J. Org Chem. 61 (1996),p.5648-5649)。さらなる製造法はWO9804522A1及びTetrahedron, 50 (18),p.5401-5412に記載されている。
【0026】
本発明の好ましい例では感光性材料はスルフィン酸として又はその無機又は有機塩として内部に存在する、式(II)によるロンガリットを有機正孔トラッピングドーパントとして含むハロゲン化銀乳剤結晶を含む。
【0027】
ハロゲン化銀乳剤の形成はゼラチンのような結合剤の水溶液に反応体として可溶性ハロゲン化物塩とともに可溶性銀塩を導入することによって実施されうる。核が形成される第1核形成工程後、生長が両反応体の連続添加下で行われるだろう。沈殿中全プロセスはpAg−及び/又はpH−制御の条件で実施されうる。
【0028】
式(I)又は(II)、及びそれらの両方の組合せさえも満足する本発明の化合物は様々な方法でハロゲン化銀粒子の沈殿中導入されることができる:銀塩入口を介して又は分離された第3入口システムを介して。本発明の正孔トラッピング剤の添加のために使用される第3入口の位置に注意を払わなければならない。これは正孔トラッピング剤がハロゲン化銀が沈殿される溶液の表面の下に供給されるような方法で装着されなければならない。さらにこの入口自体はハロゲン化物入口よりも銀塩入口に近く位置されなければならない。銀塩入口にできるだけ近い正孔トラッピング剤の注入が好ましく、一つの入口を通した正孔トラッピング剤と銀塩溶液の組合せた同時添加が本発明に使用されうる究極的に最も好ましい構成である。これは正孔トラッピング剤及び銀塩の溶液がハロゲン化銀自体の形成前に一緒に混合される全てのシステム構成について言うことができる。
【0029】
導入はハロゲン化銀乳剤粒子又は結晶の全沈澱工程中に実施されることができる。それは生長工程の始めから終わりまで開始することを意味する。導入は一定の流速で、増加する、減少する又は変動する流速で又は1回又は数回中断される流れでさらに行うことができる。これはハロゲン化銀粒子において式(I)及び/又は(II)を満足する化合物の全てのタイプの濃度分布が可能であることを意味する。添加は所望により自動的に行うことができるか又はコンピューター制御できるモータ駆動注入システムによって又は駆動力として静水圧下で実施することができる。従って有機正孔トラッピングドーパントは結晶中のどこにでも置くことができ、それは結晶全体に又はコア又は前記コアを包囲する1以上のシェルに置くことができることを意味する。本発明で好ましく使用される有機正孔トラッピングドーパントの量はハロゲン化銀の1molあたり10−8〜10−2mol、より好ましくは5×10−8〜5×10−3mol、最も好ましくは10−7〜5×10−3molである。
【0030】
本発明において重要な要素は沈殿工程の式(I)及び/又は(II)による化合物の添加中の酸化剤の存在である。この酸化剤は有機正孔トラッピングドーパントがハロゲン化銀乳剤結晶の沈殿工程において注入される前に存在させることが好ましい。添加はすぐに又は良く規定された時間で実施されることができ、好ましくは両ケースでは撹拌条件で実施される。酸化剤の添加は正孔トラッピング剤の添加前に開始し、正孔トラッピング剤の添加とともに行ってもよい。使用されるべき酸化剤のタイプは最適正孔トラッピング結果を得るために必要とされる酸化力に依存するが、実際の実験結果は選択された酸化剤の量によって影響を及ぼされることもある。本発明と関連する最も好ましい酸化剤はp−トルエンチオスルホン酸又はその塩(それはナトリウム塩であることができる)又は所望によりいずれかの他の金属塩である。この作用方法は本発明のための特別なものであり、例えばUS−A 3672901に記載されているもの(酸化剤は内部還元が部分的に又は完全に除外されている粒子を作る沈殿の始めに導入される)のような今まで使用された他の方法とは異なる。この状況は酸化剤の添加がUS−A 3957490に記載されているように還元剤の存在下で沈殿の終わりに実施される方法に対するものと同じである。
【0031】
感度、階調、圧力感度、高又は低照度相反則不軌、安定性、色素減感、及び感光性ハロゲン化銀乳剤の幾つかの他のセンシトメトリー側面のような多くのパラメーターは業界で知られているようなドーパントの選択によって変更することもできるが、本発明の有機正孔トラッピングドーパントで様々な方法で変更することができる。ドーパントの活性はドーパントのタイプ、その濃度及びハロゲン化銀結晶中のその位置によって影響される。
【0032】
前述のようなハロゲン化銀乳剤は従来の方法によって様々な方法で製造することができる。手短にまとめると、これらの方法はいつも核形成工程で開始した後、粒子生長工程を行う。乳剤製造では反応体は沈殿媒体に容易に溶解する予備形成されたハロゲン化銀核又は微粒子の形で又は銀及びハロゲン化物塩の溶液の形で反応容器に添加される。ここの銀及びハロゲン化物塩溶液は反応容器中のpAg及び/又はpH及び反応容器中に導入される反応体溶液の速度の制御を維持するための自動送出システムによって又は静水圧によって表面又は下表面送出管を通して添加されることができる。pAg及びpH値の調整は本発明の式(I)及び(II)を満足する化合物の使用に関してさらに極めて重要であり、一方前記調整はこれらの正孔トラッピングドーパントの活性を明らかに決定する。それゆえpH値は1〜10に設定されることが好ましく、2〜8が最も好ましい。それ以外ではpAg値は2〜9に設定されることが好ましく、3〜8が最も好ましい。
【0033】
本発明に使用される化合物のために教示されるものとしてハロゲン化銀自体の製造のための反応体溶液又は分散液は一定の速度で又は一定に増加する、減少する又は変動する速度で、もし望むならステップワイズ送出手段と組合せて添加されることができる。本発明に原理的に使用されうるハロゲン化銀乳剤を製造する全ての可能な方法についてのさらなる詳細はResearch Disclosure, item No.38957,1996年9月発行,section I-Cにまとめられている。
【0034】
本発明によれば感光性材料も与えられ、前記材料は支持体及びその片側又は両側上に酸化剤及び有機正孔トラッピングドーパントの存在下で製造されたハロゲン化銀粒子を含む少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層を含み、前記材料は塩化物、臭化物及び沃化物からなる群から選択された少なくとも一つのハロゲン化物から構成されるハロゲン化銀粒子をさらに含む。
【0035】
ハロゲン化銀格子中に限定された量で原理的に混入されうる他の銀塩は燐酸銀、チオシアン酸銀、クエン酸銀及び他の幾つかの銀塩である。ハロゲン化物として塩化物及び臭化物は塩臭化銀塩を形成するために一定比率間で組合せることができる。しかしながら沃化物イオンを塩化物及び/又は臭化物イオンと共沈させることができ、それによって所定のハロゲン化物組成を有するハロゲン化銀格子中の沃化物の飽和限界に依存する沃化物量を有する沃化ハロゲン化物を形成する。従って、沃臭化銀中に約40mol%の最大量まで、沃塩化銀中に最大13mol%まで(両方とも銀に基づく)確立することができる。好適なハロゲン化銀乳剤は30mol%以下の沃化物を有する臭沃化銀、8mol%以下の沃化物を有する塩沃化銀及び少なくとも10mol%の臭化物及び4mol%以下の沃化物を有する塩臭沃化銀である。
【0036】
ある用途のためには像に従った露光及び続く処理の後に再現可能なセンシトメトリー結果を得るために制御された条件下で結晶表面上に良く規定された量の沃化物を適用することが重要かもしれない。これはEP−A 0561415及びEP−A 0563708に記載されているように沃化物放出剤を使用することによって行うことができ、前述したような本発明の条件及び方法に加えて化学増感前、中又は後に乳剤上に適用されることができる。
【0037】
存在するハロゲン化物の組成は連続又は不連続な方法で結晶中で変化してもよい。異なるハロゲン化物組成を有する様々な区域から構成される結晶を含有する乳剤は幾つかの写真用途のために使用される。結晶の中心部分と残りの部分の間のハロゲン化物組成に差異を有する構造(“コア−シェル乳剤”と称される)又はハロゲン化物組成において異なる2以上の結晶部分を有する構造(“バンド乳剤”と称される)が生じてもよい。ハロゲン化物組成における変化はあるハロゲン化物組成が与えられた粒子上で“シェル”又は“バンド”を形成するいわゆるホスト粒子の存在下で溶解される変換によって間接的な方法で又は直接沈殿によって実現されることができる。本発明の乳剤は本発明の乳剤のために極めて特別であるほとんど同一の方法で作ることができ、その場合粒子は業界で使用される乳剤で通常見出されるハロゲン化物組成によってではなく、式(I)及び/又は(II)による有機正孔トラッピングド−パントの存在によって互いから区別されるにすぎないシェル又はコアを有することもできる。さらに2タイプの前述のコアシェル構造が同じ粒子に存在してもよく、それらが互いにカバーする必要がないと言うことができる。しかしながら、本発明の有機正孔トラッピングドーパントは結晶中のいかなる部位に位置させてもよく、一方粒子中に銀を95%まで含有する最外シェル中の存在が好ましいことに気づくことが重要である。
【0038】
上記方法によって形成される結晶は平板状又は非平板状であることができるモルフォロジーを有する。平板状結晶ではアスペクト比(厚さに対する等価円直径の比率)は低(<2)から中(2〜8)をすぎて高(>8)まで変化することができ、特に超薄型平板状結晶の場合には高アスペクト比を実現することができる。形成される平板状粒子の主面は{111}又は{100}晶癖を有することができ、その構造は(それぞれ)安定であるか又は(例えば晶癖変性剤によって)安定化されなければならない。非平板状粒子の場合には規則的な形状の結晶又は組合された晶癖を有する結晶に分割されうる多くの可能性がある。
【0039】
親水性コロイドは本発明の写真材料のいずれかの層又は乳剤のための保護コロイド又は結合剤として使用される。ゼラチンは有利に使用される親水性コロイドである。従来の石灰処理又は酸処理したゼラチンの製造法は例えば“The Science and Technology of Gelatin”,A. G. Ward and A. Courts, Academic Press 1977,295 頁以降に記載されている。ゼラチンはBull.Soc.Sci.Phot. Japan, Nr 16, 30 頁(1996)に記載されたように酵素処理されることもできる。しかしながら、ゼラチンは合成、半合成、又は天然重合体によって部分的に又は全体的に置換されてもよい。ゼラチンのための合成置換体は例えばポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、及びそれらの誘導体、特にそれらの共重合体である。ゼラチンのための天然置換体は例えばゼイン、アルブミン及びカゼインの如き他の蛋白質、セルロース、サッカライド、スターチ、及びアルギネートである。一般にゼラチンのための半合成置換体は変性天然製品、例えばアルキル化又はアクリル化剤を用いたゼラチンの変換によって、ゼラチン上の重合可能な単量体のグラフト化によって得られるゼラチン誘導体又は予備硬化処理の結果としてブロックされた官能基を有する予備硬化されたゼラチン、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、フタロイルセルロースの如きセルロース誘導体、及びセルロースサルフェート及びポテトスターチである。
【0040】
JP−B−52−16365、Journal of The Society of Photographic Science and Technology of Japan, Vol.29(1), 17, 22(1966), ibid., Vol.30(1), 10に記載されたさらなる合成高分子化合物を分散媒体として使用してもよい。EP−A 0534395に記載された晶癖抑制剤を使用してもよい。
【0041】
ゼラチンの一部を合成又は天然高分子材料によってさらに置換してもよい。
【0042】
ゼラチンのための重要な置換体は公開されたEP−A 0392092,0517961,0528476,0649051及び0704749に記載されているようなシリカであってもよい。EP−A 0528476に述べられているように保護コロイドとして作用するコロイドシリカ中に沈殿されるハロゲン化銀の層を混入するハロゲン化銀感光性写真材料の製造方法が与えられている。
【0043】
この文献ではハロゲン化銀はコロイドシリカ中で製造され、それは沈殿の終わりに安定である乳剤結晶に導く。しかし、予測可能な平均結晶直径及び結晶粒度分布を有さない。これらの問題は塩化銀に富む結晶の製造のために、EP−A 0682787に記載されているように克服される。その場合、かかる結晶が製造されうる明らかに規定された状況(安定化するオニウム化合物の及びシリカゾルの正規の塩沃化銀結晶量の沈殿工程中)を最適化して凝集体の制御されない形成及び成長を避けるべきである。
【0044】
乳剤は過剰の可溶性塩を除去するために沈殿後凝固及び洗浄されることができる。これらの方法はResearch Disclosure, item No.38957(1996年9月発行),section IIIに記載されたダイヤ又はウルトラフィルトレーション及びイオン交換のような様々な代替法とともに行われる。
【0045】
結合剤材料として好適な追加のゼラチン又は別の親水性コロイドを乳剤製造の後の段階で(例えば洗浄後)添加して最適な被覆条件及び/又は被覆された乳剤層の必要厚さを確立することができる。好ましくは0.3〜1.0の範囲のハロゲン化銀に対するゼラチンの比率(ハロゲン化銀は硝酸銀の当量として表示される)がそのとき得られる。別の結合剤はゼラチンの代わりに又はゼラチンに加えて添加されてもよい。有用なビヒクル、ビヒクルエキステンダー、ビヒクル状添加剤及びビヒクル関連添加剤が例えばResearch Disclosure item No.38957(1996年9月発行),Chapter IIに記載されている。
【0046】
前述の方法の一つで製造される本発明のハロゲン化銀乳剤は好ましくは0.01μm以上、2μm未満、より好ましくは1.5μm未満の球等価直径(SED)を有する結晶を含有する。結晶の球等価直径(SED)は前記乳剤のハロゲン化銀の平均体積と同じ体積を有する球の直径を表す。
【0047】
乳剤はハロゲン化銀粒子の表面上に主に潜像を形成する表面増感乳剤であってもよく、あるいはそれらはハロゲン化銀粒子の内部に主に潜像を形成する乳剤であることができる。乳剤はさらに表面増感乳剤又はかぶらされていない内部潜像感光性乳剤の如きネガ作用乳剤であることができる。しかしながら、核形成剤の存在下の現像によってポジ作用であるかぶらされていない潜像形成タイプの直接ポジ乳剤、及び予めかぶらせた直接ポジ乳剤を本発明に使用することができる。
【0048】
増感は多くの様々な方法で実施されることができる。(硫黄、セレン及びテルルの如き)中央カルコゲン化合物、金、(プラチナ、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム及びオスミウムのような)元素の周期系のプラチナ族の金属又はこれらの増感剤での化学増感で実施されることができ、その反応は化学増感が行われる媒体のpAg,pH及び温度に影響されうる。また、化学増感は例えばチオエーテル化合物、チオシアネート誘導体、安定化剤などの存在下で任意に実施されることができる。乳剤は前述したような還元増感と称されるものによって増感されることもでき、もし望むならこれを前述の化学増感法と組合せることができる。本発明に使用されうる増感の全ての可能性の完全な記述はResearch Disclosure, item No.38957(1996年9月発行),section IVに見出すことができる。
【0049】
次の工程ではハロゲン化銀乳剤はシアニン、メロシアニン、トリ−、テトラ−及び多核シアニン及びメロシアニン、オキサノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリルなどを含むポリメチン色素を含む様々な種類からの色素でスペクトル増感されてもよい。本発明ではJ−凝集色素の使用に特に注意が払われるべきである(“The Theory of Photographic Process”,T.H.James,第4編(1977)218−222頁、及びT.Tani“Photographic Sensitivity. Theory and Mechanisms”,Oxford Univ. Press, New York-Oxford, 1995参照)。これらのJ−凝集色素はJ−凝集“調整(tuning)”化合物又は生成物又は薬剤と組合せて使用されることが好ましい。これらの特別な“調整”化合物はJ−凝集体をある所望のサイズに変えることができる。これらのいわゆる“J−凝集−調整化合物”は良く知られ、例えば(A.A.Muenterら,J.Phys. Chem., 96(1992)2783に記載されたような)色素又はアルコール、界面活性剤、ケトン、写真安定化剤及び様々な他の製品のような他の化合物(例えばA.H. Herz, Phot.Sci.Eng., 18(1974)323参照)であることができる。本発明に好ましく使用される重要なJ−凝集−調整化合物は写真安定化剤である。
【0050】
ある状況ではスペクトルの大部分がカバーされるべきなら1以上のスペクトル増感剤を使用してもよい。幾つかのスペクトル増感剤の組合せを強色増感(それは波長スペクトルのある範囲において色素単独の一つのいずれかの濃度から生じる又は色素の添加効果から生じる増感より増感が大きく表現されることを意味する)を得るために使用されることもある。一般に強色増感はスペクトル増感色素と安定化剤、現像促進剤又は抑制剤、蛍光増白剤、被覆助剤などの他の添加剤の選択された組合せを使用することによって達成されうる。例えばEP−A 0786690,EP−A 0786691及びEP−A 0786692に記載されているような特別な適用を本発明のハロゲン化銀乳剤に使用することができる。本発明に関して重要であるスペクトル増感における様々な他の可能性の有用な記述はResearch Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section Vに見出すことができる。
【0051】
前記ハロゲン化銀乳剤を含む写真材料は材料自体に又は露光後の処理に、写真材料の仕上げ又は貯蔵に有効な役割を果たす様々な化合物を含んでもよい。これらの化合物は安定化剤及びかぶり防止剤であることができる。かぶり防止剤はかぶりの発生を防止するものとして規定され、一方安定化剤はセンシトメトリー特性を保護する機能を有する。かぶり防止剤及び安定化剤は(露光された)写真材料の処理工程、貯蔵工程又は製造工程に使用される。かぶり防止剤及び安定化剤はアゾール、メルカプトピリミジン、メルカプトトリアジン、アザインデンなどであることができる。さらなる好適な例は例えばResearch Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section VIIに記載されているものである。
【0052】
写真材料の親水性コロイド層(ハロゲン化銀乳剤層、裏打ち層、アンチハロ(antihalo)層など)は無機又は有機硬化剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section IIB参照)、蛍光増白剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section VI参照)、光吸収及び散乱材料(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section VIII参照)、被覆助剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section IXA参照)、帯電防止剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section IXC参照)、艶消剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section IXD参照)及び現像変性剤(Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section XVIII参照)を含有することができる。
【0053】
本発明の写真材料はさらに写真材料の寸法安定性を改良する化合物、UV吸収剤及びスペーシング剤の如き他の種々の添加剤を含んでもよい。写真材料の寸法安定性を改良するために好適な添加剤は、例えば水溶性又は難水溶性合成ポリマー(例えばアルキル(メタ)アクリレート、アルコキシ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル、アクリロニトリル、オレフィン、及びスチレンのポリマー、又は上記のものとアクリル酸、メタアクリル酸、α−β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレート、及びスチレンスルホン酸のコポリマー)の分散体である。
【0054】
好適なUV吸収剤は、例えばUS−A 3533794に記載のようなアリール置換ベンゾトリアゾール化合物、US−A 3314794及び3352681に記載のような4−チアゾリドン化合物、JP−A 56−2784に記載のようなベンゾフェノン化合物、US−A 3705805及び3707375に記載のような桂皮酸エステル化合物、US−A 4045229に記載のようなブタジエン化合物、及びUS−A 3700455に記載のようなベンズオキサゾール化合物、及び好適な蛍光増白剤も記載されているResearch Disclosure item No.38957(1996年9月発行),section VIに記載のものである。
【0055】
スペーシング剤は一般に平均粒径が0.2〜10μmであるものを存在させることができる。スペーシング剤はアルカリに可溶性又は不溶性であることができる。アルカリ不溶性スペーシング剤は通常写真材料中に永久に残るが、アルカリ可溶性スペーシング剤は通常アルカリ処理浴においてそれから除去される。好適なスペーシング剤は例えばポリメチルメタクリレートから、アクリル酸とメチルメタクリレートのコポリマーから、及びヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレートから作ることができる。他の好適なスペーシング剤はUS−A 4614708に記載されている。
【0056】
被覆前に被覆溶液の粘度を調整するためにいかなる増粘剤を使用してもよい。但し、それらが被覆された写真材料中のハロゲン化銀乳剤の写真特性に特に影響を及ぼさないことが条件である。好ましい増粘剤は水性ポリマー、例えばポリスチレンスルホン酸、デキストラン、硫酸エステル、ポリサッカライド、スルホン酸基、カルボン酸基又は燐酸基を有するポリマー及びコロイドシリカを含む。被覆溶液の増粘を生じる文献から良く知られた高分子増粘剤はコロイドシリカと組合されて使用されてもよい。増粘剤に関する特許は例えばUS−A 3167410、ベルギー特許 No.558143及びJP−A 53−18687及び58−36768である。高分子化合物の添加から生じる物理的安定性についての負の影響はそれらの化合物の除去によって及びコロイドシリカの余分の追加を制限することによって避けることができる。
【0057】
高い硬化度を達成するために層結合剤はもちろん許容可能な多数の官能基を配置するべきであり、それらの官能基は適切な硬化剤との反応によって十分に耐性のある層を与えることができる。かかる官能基は特にアミノ基が挙げられるが、カルボキシル基、ヒドロキシ基及び活性メチレン基であることもできる。硬化剤を、被覆手順前又は中に1以上の感光性ハロゲン化銀乳剤層をカバーする耐応力層に、又は1以上の前記乳剤層に添加してもよい。特に使用される結合剤がゼラチンであるときの写真材料の結合剤は適切な硬化剤、例えばエポキシド型のもの、エチレンイミン型のもの、ビニルスルホン型のもの(例えば1,3−ビニルスルホニル−2−プロパノール)、クロム塩(例えば酢酸クロム及びクロムみょうばん)、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、グリオキサール、及びグルタルアルデヒド)、N−メチロール化合物(例えばジメチロールウレア及びメチロールジメチルヒダントイン)、ジオキサン誘導体(例えば2,3−ジヒドロキシ−ジオキサン)、活性ビニル化合物(例えば1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン)、活性ハロゲン化合物(例えば2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン)、及びムコハロゲン酸(例えばムコ塩素酸及びムコフェノキシ塩素酸)で硬化することができる。これらの化合物は単独で又は組合せて使用することができる。結合剤はカルバモイルピリジニウム塩の如き速く反応する硬化剤で硬化することもできる。ホルムアルデヒド及びフロログルシノールをそれぞれ保護層及び乳剤層に添加することができる。硬化のためにさらに好適な可能性は Research Disclosure item No.38957(1996年9月発行), section IIB に見出すことができる。
【0058】
写真材料は軟質又は硬質であることができる様々な支持体上に被覆されてもよい。軟質材料としてはプラスチックフィルム及び紙が挙げられ、一方硬質材料としてはガラス、金属などが挙げられる。支持体の表面は一般にハロゲン化銀乳剤層の接着性を増大するために(コロナ放電、紫外線照射などの)アンダーコーティング処理に供される( Research Disclosure item No.38957,1996年9月発行,section XV及びそれに引用された文献参照)。写真材料は潜像を形成するために特に可視、近紫外及び近赤外領域のスペクトルにおいて化学線に露光されることができる(Research Disclosure item No.38957,1996年9月発行,section XVI参照)。
【0059】
本発明の写真材料の露光のために様々な露光手段を使用することができる。光源として、写真材料の感度波長に相当する放射線を放出するいずれの光学的(光)源も使用することができる。一般に使用される光源の例としては、自然光、白熱ランプ、ハロゲンランプ、水銀ランプ、蛍光ランプ及び全てのタイプのフラッシュ光源が挙げられる。紫外から赤外域の光を放出する光源は記録光源として使用されることもできる。写真材料は例えばガスレーザー、半導体レーザー、発光ダイオード又はプラズマ光源に露光されることもできる。同様に材料はLCD光源に又はX線又は電子線で刺激された燐光体によって与えられる蛍光表面に露光されることができる。直接X線、β又はγ線は本発明における可能な放射線源として含まれる。
【0060】
露光後ハロゲン化銀結晶中に形成される潜像は可視像を形成するために処理されることができる。それゆえ様々な方法が知られ、多くの現像、定着及び安定化剤が写真銀像の形成のために記載されている。本発明と関連して原理的に使用されうる写真ハロゲン化銀材料を処理するためのノウハウはResearch Disclosure item No.176043,1978年12月発行,section XIX〜XXIV及びResearch Disclosure item No.38957,1996年9月発行,section XIX に記載されている。
【0061】
通常の処理方法では材料のほとんどはいわゆる補助現像液と通常組合される主現像主薬としてヒドロキノンを含有する液体によって現像される。別の処理方法ではヒドロキノンは写真材料自体に混入され、一方処理液は単なるアルカリ溶液である。しかしながら、特に生態学的及び医療的見地においてヒドロキノンが様々な点で疑わしいことを認識することは重要である。本発明はヒドロキノンが現像主薬としてアスコルビン酸によって少なくとも部分的に置換される生態学的な処理方法にも関連する。アスコルビン酸は広い意味で解釈されるべきであり、アスコルビン酸異性体、誘導体、塩及び類似化合物(幾つかのレダクトン及びレダクチン酸誘導体を含む)を含む。最も好ましい化合物は(1−)アスコルビン酸、イソ−アスコルビン、レダクチン酸及びそれらの塩である。本発明の範囲で好ましく使用されるべきであるアスコルビン酸現像主薬を含有する現像液の有用な組合せはResearch Disclosure item No.37152,1995年3月1日発行,185−224頁において(グラフィック、放射線写真などの)多くの用途のために記載されている。
【0062】
本発明による写真乳剤は多層マルチカラー材料で使用されることもできる。これらの材料は支持体及び異なるスペクトル感度を有する2以上のハロゲン化銀乳剤層を含む。多層カラー写真材料は支持体上に少なくとも一つの赤感性乳剤層、少なくとも一つの緑感性乳剤層及び少なくとも一つの青感性乳剤層を一般に含む。非感光性層は同じ色感度を有する2以上の乳剤層間に与えられてもよい。そうでなければ、異なる色感度を有する別の乳剤層が同じ色感度を有する2以上の乳剤層間に与えられることができる。ハロゲン化銀粒子の層の如き光反射層は感度を増大するために高感受性層の下に、特に高い青感層の下に与えられることができる。
【0063】
ハロゲン化銀材料はカラー写真材料に混入されうる様々なタイプのカップラーを含有することもできる。赤感性乳剤層は一般にシアンカップラーを含有し、緑感性乳剤層は一般にマゼンタカップラーを含有し、青感性乳剤層は一般にイエローカップラーを含有する。これらのタイプの材料における本発明の適用のために重要であることができる全ての情報はResearch Disclosure item No.38957,1996年9月発行,section X に広く記載されている。本発明の範囲にも属する様々なカラー適用に関する多くの情報はUS−A 5532120に見出すこともできる。
【0064】
カラー材料のための可視色素像を形成するために要求される処理は、材料をカラー現像主薬と接触して現像可能なハロゲン化銀を減らし、カラー現像主薬を酸化し、それは順にカップラーと通常反応して色素を形成することを意味する(Research Disclosure item No.38957,1996年9月発行,section XX 参照)。
【0065】
本発明において無視されるべきではないフォトサーモグラフィック用途にも特別な注意が払われるべきである。このタイプの材料ではUV、可視又はIR光への露光後光学濃度又は色に変化をもたらすサーモグラフィック法において触媒又は参与することができる感光剤が存在する。フォトサーモグラフィック材料の例は3M Companyのいわゆる“Dry Silver”写真材料であり、それはD.A. Morgan によって“Handbook of Imaging Science”, A.R. Diamond 編,43頁,Marcel Dekker による発行,1991において調査されている。
【0066】
フォトアドレス可能な感熱性材料は感光性ハロゲン化銀、銀イオンのための還元剤及び結合剤を通常含む。感熱性材料は感光性ハロゲン化銀と触媒関係でかつ銀イオンのための還元剤と熱作用関係で実質的に非感光性の有機銀塩をさらに含んでもよい。材料は実質的に非感光性の有機銀塩成分と触媒関係のハロゲン化銀、ハロゲン化銀粒子と密接な増感関係の強色増感剤を任意に伴うスペクトル増感剤及び同じ層又は他の層中にある材料の前又は後現像安定化又は熱現像工程において活性のある他の成分を有する層システムを含んでもよい。但し、有機還元剤及び調色剤(もし存在するなら)は実質的に非感光性の有機銀塩と熱作用関係にあることが条件である。即ち、熱現像工程において還元剤及び調色剤(もし存在するなら)は実質的に非感光性の有機銀塩(例えば脂肪酸の銀塩)に拡散できることが条件である。本発明の目的は感光性像形成材料を提供することであり、前記材料は実質的に非感光性の有機銀塩、それと熱作用関係にあるそのための有機還元剤及び結合剤を含むフォトアドレス可能なサーモグラフィック材料である。
【0067】
前述の本発明の感光性ハロゲン化銀粒子は実質的に非感光性の有機銀塩とともに使用されるなら、それは実質的に非感光性の有機銀塩の0.1〜90mol%の範囲で使用され、好ましくは0.2〜50mol%、より好ましくは0.5〜35mol%、最も好ましくは1〜12mol%の範囲で使用される。好ましい実質的に非感光性の有機銀塩は有機カルボン酸、特に脂肪酸として知られる脂肪族カルボン酸の銀塩(脂肪族炭素鎖は少なくとも12のC原子を有することが好ましい)であり、例えばラウリル酸銀、パルミチン酸銀、ステアリン酸銀、ヒドロキシステアリン酸銀、オレイン酸銀及びベヘン酸銀(それらの銀塩は“銀石けん”とも称される)、US−A 4504575に記載されたドデシルスルホン酸銀及びEP−A 0227141に記載されたジ−(2−エチルヘキシル)−スルホコハク酸銀である。熱的に現像可能な銀像を生成するためにGB−A 1111492に記載されたようなチオエーテル基で変性した脂肪族カルボン酸及びGB−A 1439478に記載されたような他の有機銀塩、例えば安息香酸銀及びフタルアジノン銀を同様に使用してもよい。さらにイミダゾレート銀及びUS−A 4260677に記載された実質的に非感光性の無機又は有機銀塩錯体が挙げられる。
【0068】
実質的に非感光性の有機銀塩を含有する粒子の懸濁液はEP−A 0754969に記載されたように水溶液への銀塩の水溶液及び有機カルボン酸又はその塩の水溶液又は懸濁液の同時計量添加を含む方法を使用することによって得られてもよい。
【0069】
前述のハロゲン化銀乳剤はそれを実質的に非感光性の有機銀塩に触媒近接状態に置くいずれかの方法でフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料に添加されてもよい。結合剤中に別々に形成される(即ち、他の場所で形成される又は“予め形成される”)ハロゲン化銀及び実質的に非感光性の有機銀塩を使用前に混合して被覆溶液を製造することができるが、それらの両方を長時間ブレンドすることも有効である。それは平板状ハロゲン化銀粒子が存在する場合には特に重要であり、かくして前記平板状粒子の大きな比表面積と密接な接触が実現される。さらに、US−A 3457075に開示されているように実質的に非感光性の有機銀塩をハロゲン化銀に部分的に変換するために有機銀塩にハロゲン含有化合物を添加することを含む方法を使用することも有効である。
【0070】
本発明の重要な点は有機銀塩材料又は有機銀塩粒子中の式(I)及び/又は(II)による有機正孔トラッピングドーパント及び所望により電子トラッピングドーパントの存在である。ハロゲン化銀結晶について既に述べられているようにそれは式(I)及び/又は(II)によって表される有機正孔トラッピングドーパント及び1以上の電子トラッピングドーパントの組合せであることもできる。ハロゲン化銀粒子について記載されているのと同様な方法においてこのドーピング法をさらに別の種類のドーパントの添加と組合せることができる。
【0071】
本発明による溶媒媒体からフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料を被覆するために感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩の乳剤を製造することに特に好ましい方法はUS−A 3839049に開示されているが、Research Disclosure,1978年6月,item 17029及びUS−A 3700458に記載されているものの如き、他の方法も乳剤製造のために使用されてもよい。本発明による水性媒体からフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料を被覆するために感光性ハロゲン化銀及び有機銀塩の乳剤を製造することに特に好ましい別の方法はWO 97/48014に開示され、それは(i)支持体を与え、(ii)実質的に非感光性の有機銀塩、実質的に非感光性の有機銀塩と触媒関係の感光性ハロゲン化銀、実質的に非感光性の有機銀塩と熱作用関係の還元剤及び結合剤を含むフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料で支持体を被覆する工程を含むフォトサーモグラフィック記録材料のための製造方法において、感光性ハロゲン化銀がハロゲン化物又はポリハロゲン化物アニオンを有する少なくとも一つのオニウム塩と実質的に非感光性の有機銀塩の粒子の水性乳剤を反応することによって形成されること及びフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料が水性分散媒体から被覆されることを特徴とする製造方法を開示する。
【0072】
フォトアドレス可能な感熱性材料における実質的に非感光性の有機銀塩の還元のために好適な有機還元剤はO,N又はCに連結された少なくとも一つの活性ハロゲン原子を含有する有機化合物であり、例えばモノ−、ビス−、トリス−又はテトラキス−フェノール、モノ−又はビス−ナフトール、ジ−又はポリヒドロキシ−ナフタレン、ジ−又はポリヒドロキシベンゼン、アルコキシナフトール(例えばUS−A 309441に記載された4−メトキシ−1−ナフトール)のようなヒドロキシモノエーテル;ピラゾリジン−3−オン型還元剤(例えばPHENIDONE(商標))、ピラゾリン−5−オン、インダン−1,3−ジオン誘導体、ヒドロキシテトロン酸、ヒドロキシテトロンイミド、3−ピラゾリン、ピラゾロン、還元糖、アミノフェノール(例えばMETOL(商標))、p−フェニレンジアミン、例えばUS−A 4082901に記載されたようなヒドロキシルアミン誘導体、レダクトン(例えばアスコルビン酸)、ヒドロキサム酸、ヒドラジン誘導体、アミドキシム、n−ヒドロキシウレアなどである(US−A 3074809,US−A 3080254,US−A 3094417及びUS−A 3887378も参照)。
【0073】
3M Dry Silver(登録商標)材料に使用されるビスフェノールの如きポリフェノール、Kodak Dacomatic(登録商標)に使用されるようなスルホンアミドフェノール、及びナフトールが感光性ハロゲン化銀/有機銀塩/還元剤に基づくフォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料を有するフォトサーモグラフィック記録材料のために特に好ましい。熱現像工程中、還元剤は感光性ハロゲン化銀及びもし存在するなら実質的に非感光性の有機銀塩粒子に拡散してその還元が起こりうるような方法で存在させなければならない。
【0074】
主還元剤とみなされる上記還元剤はいわゆる補助還元剤と結合して使用されてもよい。上記主還元剤と結合して使用されてもよい補助還元剤はUS−A 5464738に開示されたようなスルホニルヒドラザイド還元剤、US−A 5496695に開示されたようなトリチルヒドラザイド及びホルミル−フェニル−ヒドラザイド及び有機還元金属塩、例えばUS−A 3460946及び3547648に記載されたステアリン酸第1錫である。
【0075】
本発明によるフォトアドレス可能な感熱性材料のためのフィルム形成結合剤は溶媒又は水性分散媒体から被覆可能であってもよい。フォトアドレス可能な感熱性材料のためのフィルム形成結合剤が本発明による溶媒分散媒体から被覆可能である場合には、有機銀塩が均質に分散されうる全ての種類の天然、変性された天然又は合成樹脂又はかかる樹脂の混合物を使用してもよい:例えばα,β−エチレン不飽和化合物から誘導されたポリマー、例えばポリ塩化ビニル、後塩素化ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、塩化ビニルと酢酸ビニルのコポリマー、ポリ酢酸ビニル及び部分加水分解されたポリ酢酸ビニル、繰返しビニルアルコール単位の一部だけがアルデヒドと反応してもよい出発材料としてポリビニルアルコールから作られるポリビニルアセタール、好ましくはポリビニルブチラール、アクリロニトリルとアクリルアミドのコポリマー、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン及びポリエチレン又はそれらの混合物である。少量のビニルアルコール単位を含有する特に好適なポリビニルブチラールは商品名BUTVAR(登録商標)B76及びBUTVAR(登録商標)B79の下でMONSANTO米国によって販売され、紙及び適切に下塗りされたポリエステル支持体に良好な接着性を与える。
【0076】
本発明による水性分散媒体から被覆可能なフォトアドレス可能な感熱性現像可能材料のためのフィルム形成結合剤は有機銀塩が均質に分散されうる全ての種類の透明又は半透明、水分散性又は水溶性、天然、変性された天然又は合成樹脂又はかかる樹脂の混合物であってもよく、例えばゼラチン及びゼラチン誘導体(例えばフタロイルゼラチン)の如き蛋白質、カルボキシメチルセルロースの如きセルロース誘導体、デキストラン、スターチエーテル、ガラクトマンナンのようなポリサッカライド、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アクリルアミドポリマー、ホモ−又はコポリマーされたアクリル又はメタクリル酸、親水性基を有する又は有さない水分散性ポリマーのラテックス、又はそれらの混合物である。水性ポリマー分散液(ラテックス)を形成するための親水性官能価を有するポリマーはUS−A 5006451に記載されているが、帯電防止剤として存在するバナジウムペントキサイドの望ましくない拡散を防止するバリヤー層を形成するためにその中で作用する。
【0077】
有機銀塩に対する結合剤の重量比率は0.2〜6の範囲であることが好ましく、一方フォトアドレス可能で熱的に現像可能な材料の厚さは5〜50μmの範囲であることが好ましい。
【0078】
上記結合剤又はそれらの混合物は高温でレドックス反応の反応速度を改良する、“熱溶媒(heat solvents,thermal solvents,thermosolvents)”又はワックスと結合して使用されてもよい。本発明において“熱溶媒”という言葉は50℃以下の温度で記録層中で固体状態であるが、60℃以上の温度で少なくとも一つのレドックス反応体(例えば有機銀塩のための還元剤)のための加熱された領域及び/又は液体溶媒中の記録層のための可塑剤になる非加水分解性有機材料を意味する。その目的のために有用なものはUS−A 3347675に記載された1500〜20000の範囲の平均分子量を有するポリエチレングリコールである。さらにUS−A 3667959に記載された熱溶媒であるウレア、メチルスルホンアミド及びエチレンカーボネートの如き化合物、及びResearch Disclosure,1976年12月,(item 15027)26−28頁において熱溶媒として記載されているテトラヒドロ−チオフェン−1,1−ジオキサイド、メチルアニセート及び1,10−デカンジオールの如き化合物が挙げられる。熱溶媒のさらに他の例はUS−A 3438776及び4740446及び公開されたEP−A 0119615及び0122512及びDE−A 3339810に記載されている。
【0079】
前記実質的に非感光性の有機銀塩及び前記感光性ハロゲン化銀結晶を含むフォトアドレス可能な感熱性材料は様々な他の化合物を含んでもよく、それは材料自体に又は材料の処理、仕上げ又は保存段階のような後で重要な役割を果たす。
【0080】
これらの化合物は“調色剤”、安定化剤及びかぶり防止剤、(特に水性媒体からフォトアドレス可能な感熱性材料を被覆するための)界面活性剤、ハレーション防止色素及び他の添加剤(EP−A 0844514に記載されている遊離脂肪酸、帯電防止剤、界面活性剤など)であることができる。
【0081】
フォトアドレス可能な感熱性材料のために使用される支持体、保護及び帯電防止層の機能及び組成、フォトサーモグラフィック記録材料の様々な層の被覆は同じEP−A 0844514に開示されている。
【0082】
前述の記載は本発明の感光性材料を製造するための方法の全ての材料を含むものである。これは支持体及びその片側又は両側上に式(I)及び/又は(II)による有機正孔トラッピングドーパントの存在下で沈殿が行われるハロゲン化銀粒子を含有する少なくとも一つのハロゲン化銀乳剤層を含む感光性材料を製造するための方法として要約することができる。前記沈殿は前述した良く規定された条件でp−トルエンチオスルホン酸が好ましい酸化剤の存在下で行われなければならない。
【0083】
【実施例】
本発明を下記実施例によって以下記載されるが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0084】
下記実施例は本発明に記載された方法で実現されうる利点を明らかに示すだろう。
【0085】
次の実施例で使用されるコア−シェル乳剤の製造のために下記溶液が調製された:
溶液(1):1リットルの脱イオン水中に500グラムの硝酸銀を含有する;
溶液(2a):1リットルの脱イオン水中に231.6グラムの塩化ナトリウムを含有する;
溶液(2b):1リットルの脱イオン水中に349.9グラムの臭化カリウムを含有する;
溶液(3):1.5リットルの脱イオン水中に75グラムの不活性ゼラチンを含有する;
溶液(4):1リットルの脱イオン水中に0.15グラムのナトリウムホルミエートを含有する。
【0086】
実施例 1
乳剤の製造
(a)核形成工程
溶液(3)の温度を50℃に上昇させた後、pAgを2.94mol硝酸銀溶液で7.4に、pHを1mol硫酸溶液で2.8に調整した。次いでpAgを7.4の一定に維持しながら7.75ml/分の流速で300秒間溶液(1)及び(2a)をダブルジェット技術を使用することによって溶液(3)に導入した。
【0087】
(b)生長工程−第1工程
次いで50℃に維持された前述の沈殿物中に2888秒間溶液(1)及び(2a)を導入することによってダブルジェット沈殿を続けた。次いでpAgを7.4にずっと維持しながら流速を開始時の7.75ml/分から沈殿の終了時の60ml/分まで一次的に増加した。
【0088】
次いでpAgを7.4の同じ値に維持しながら乳剤を塩及び水のために選択的透過性膜上で限外濾過した。濾過後乳剤をさらに短時間しゃく解及び貯蔵した。次いでゼラチンを添加して乳剤を0.5の銀に対するゼラチン比率(銀は硝酸銀として表示される)にもたらした後、良好なゼラチン分散を得るための短時間の撹拌及び保存に好ましい殺生物剤としてフェノール溶液の少量の添加を行った。
【0089】
このようにして作られた乳剤は0.37μmの平均体積直径を有する単分散立方体粒子を含有していた。650グラムの乳剤に500mlの脱イオン水を添加した後、硝酸銀の量は乳剤1kgあたり85グラムであった。温度を50℃にもたらした後、pAgを濃縮硝酸銀溶液を使用することによって3.6に調整し、pHを0.4mol水酸化ナトリウム溶液で4.8に調整した。次いで150mlの4.76×10−3mol p−トルエンチオスルホン酸ナトリウム溶液を硝酸銀1molあたり加えた。
【0090】
(c)生長工程−第2工程
この沈殿工程ではトリプルジェット法を行い、シェルの厚さを50nmにできるだけ近づけ、かくして全平均体積粒子厚さを0.42μmにした。三つの溶液(1),(2a)及び(4)を、pAgを3.6に調整しながら硝酸銀溶液(1)が316秒間30ml/分の一定流速を有するように希釈されたコア乳剤に一緒に注入した。溶液(4)を10ml/分の流速で300秒(同じ開始時)だけ加え、それをこの沈殿工程中一定に維持した。
【0091】
乳剤を40℃に冷却後、硝酸銀に対するゼラチンの重量比率を同じタイプの不活性ゼラチンを加えることによって0.5に調整した。生じた乳剤はキログラムあたり115グラムの硝酸銀を含有していた。
【0092】
(d)化学増感
乳剤を次いで脱イオン水で再分散及び希釈し、pAg及びpHをそれぞれ60℃の温度で7.16及び5.5に調整した後、下記化合物を(硝酸銀35グラムあたり)加えた:
− 2.8mlの希釈された界面活性剤溶液及び3.5mlの4.76×10−3mol p−トルエンチオスルホン酸溶液(これらの溶液の添加の13分後に以下の溶液を連続的に加えた);
− 0.84mlの8×10−5molチオ硫酸ナトリウム溶液;
− 1.75mlの1.456×10−3mol/l AuCl・4HO及び1.58×10mol/l NHCNSを含有する溶液;
− 2.10mlの0.396mol亜硫酸ナトリウム溶液。
化学増感を最適な感度が達成されるまで実施した。
【0093】
被覆法
40℃に冷却した後、熟成した乳剤を1.0の硝酸銀に対するゼラチンの重量比率に調整した。次いで良く規定された量の増感のためのトリアザインドリジン誘導体及び幾つかの湿潤剤を、ポリエチレンテレフタレート支持体上に乳剤を被覆する前に加えた。硝酸銀の量は2.0g/mであった。
【0094】
露光及び処理
次いで被覆された乳剤をキセノンランプで階段光学くさび(定数=0.1)を通して10−2秒間露光した。現像を1分間G150浴で実施した後、G333浴(それはG333の1部に対して4部の脱イオン水で希釈された)での1分間の定着工程及び脱イオン水での1分間の洗浄工程を実施した。全ての処理工程を室温で実施した。G130及びG333はAGFA-GEVAERT N.V. からの商品名である。下記パラメーターを決定するために光線量の関数として処理後に実現された濃度を測定し使用した:
− かぶりレベルDmin
− 最大濃度Dmax
− “Chemical Sens.”:この欄は乳剤が化学増感されているか否か(+/−)についての情報を与える、
− “Doped”欄は乳剤がドープされている場合に示し、それによって本発明の化合物であることを示し、一方“Dopant amount”欄は乳剤の硝酸銀1molあたりのドーパントの量として表示される前記ドーパントの量(ppm)を与える;与えられた量は粒子沈殿工程中に加えられる量である、
− 感度S0.1>fogはかぶりレベルの上に0.1の濃度を得るために必要とされる光の量(log(It)単位で表示)として測定される、
− 感度S0.5>fogはかぶりレベルの上に0.5の濃度を得るために必要とされる光の量(log(It)単位で表示)として測定される;S0.1>fog及びS0.5>fogの感度値は0.3の減少が2倍の感度増加であることを意味する。
【0095】
【表1】
Figure 0004166884
【0096】
表1にまとめられた結果は本発明の式(I)による化合物でドープされたAgCl乳剤が感度及び被覆力に増加を与えることを極めて明らかに証明する。これは化学的に増感されない及び増感されたAgX乳剤の両方に対して見出される。
【0097】
実施例 2
この実験のために前述の実施例の前記AgCl乳剤の代わりにAgBr乳剤だけを使用した。同じ寸法を有する純粋なAgBr乳剤の製造及び評価のために正確に同じ方法及びドーピング法をAgCl乳剤に関して適用した。このケースでは溶液(2a)の代わりに溶液(2b)を溶液(1)とともに使用する。
【0098】
生長工程の第2工程におけるシェルの形成のためにpAgを3.6に維持しながらトリプルジェット沈殿を20ml/分の溶液(1)の流速で450秒間実施した。溶液(4)だけを8ml/minの流速で同じ時間に開始して375秒添加した。
【0099】
生じた乳剤は乳剤1キログラムあたり140グラムの硝酸銀を含有していた。AgBr乳剤についてのセンシトメトリー結果は表2にまとめられ、その表の見出しは表1と同じ意味を有する。
【0100】
【表2】
Figure 0004166884
【0101】
AgClについて示されているように表2中の結果はAgBr乳剤における有機正孔トラッピングドーパントとしての本発明による化合物の使用が感度のかなりの増加を起こすことを明らかに証明する。
【0102】
実施例 3
乳剤の製造
実施例1の工程(a)〜(c)に記載されているのと同じ方法で作られた乳剤は0.42μmの平均体積直径を有する単分散立方体粒子を含有していた。395gのこの乳剤を606mlの脱イオン水に加えて硝酸銀の量を乳剤の1kgあたり50gのAgにした。温度を50℃にもたらした後、pAgを濃縮硝酸銀溶液を使用することによって7.14に調整した。さらに乳剤を再分散し、(安定化剤としてテトラアザインデンを有する又は有しない)緑光吸収増感剤でスペクトル増感し、38℃で7.14及び4.8にそれぞれ等しいpAg及びpHで30分間熟成した。次いで乳剤を1.5g/mの量でポリエチレンテレフタレート支持体上に幾つかの湿潤剤とともに被覆した。
【0103】
露光及び処理
サンプルを階段光学くさび(Edgerton定数=0.15)を通して及び干渉フィルターV405及びカットオフフィルターL477を通して10−2秒間キセノンランプで露光した。露光した写真材料を(James, Vanselow and Quirk in Phot.Sci.Technol.,19B(1953)170 頁に規定されたように)メトール−アスコルビン酸浴で8分間現像した後、室温のG333浴(それはG333の1部に対して4部の脱イオン水で希釈された)での1分間の定着工程及び脱イオン水での1分間の洗浄工程を行った。G333はAGFA-GEVAERTからの商標製品である。
【0104】
表3に記載された結果は下記パラメーターを記載する。
− Dminはかぶりレベルである(0.01の精度で表示);
− Dmaxは最大濃度である(0.01の精度で表示);
− Sens(0.2>fog)はかぶりレベルの上に0.2の濃度で実現されるlog(It)単位の感度を意味する;
− Sens(80%Dmax)は最大濃度の80%で実現されるlog(It)単位の感度を意味する。
【0105】
表3は緑光吸収増感剤でスペクトル増感された0.42μmの(1ppmホルメートでドープされた)AgBr立方体粒子のセンシトメトリー結果をまとめる:
− 単量体形態(20%SGSC=比粒子表面被覆量(specific grain surface coverage);
− 凝集形態(80%SGSC);
− 凝集形態(80%SGSC)(安定化剤としてテトラアザインデン(=TAI)の存在下)。
【0106】
【表3】
Figure 0004166884
【0107】
表3に与えられた結果から本発明の式(I)による有機正孔トラッピング剤での乳剤のドーピングはハロゲン化銀自体によって吸収される光で照射することによって感度において極めて強い増加を与えることを結論づけることができる。この増加は粒子表面に存在するスペクトル増感剤の構造からほとんど独立している。スペクトル増感剤によって特に吸収される光での照射は前記増加よりさらに大きい感度の増加を与える。本発明の正孔トラッピング剤で実現される効果は凝集形態でスペクトル増感剤を含有する乳剤に対して最も大きい。
【0108】
表からわかるように、もしテトラアザインデンのような写真安定化剤が凝集形態で粒子表面上で存在するときにスペクトル増感剤とともに使用されるなら感度のさらなる増加を実現することができる。
【0109】
実施例 4
本実施例で使用されるロンガリット(前述の発明の実施の形態の化合物II.1参照)を100ppm含有するコア−シェル乳剤の製造のため、下記溶液を調製した:
− 溶液(1):1リットルの脱イオン水中に500グラムの硝酸銀を含有する;
− 溶液(2):1リットルの脱イオン水中に349.9グラムの臭化カリウムを含有する;
− 溶液(3):1リットルの脱イオン水中に50グラムの不活性ゼラチンを含有する;
− 溶液(4):1リットルの脱イオン水中に0.372グラムのロンガリットを含有する。
【0110】
乳剤製造
(a)核形成工程
溶液(3)の温度を63℃に上昇させた後、pAgを溶液(2)で6.9に、pHを0.3molの硫酸溶液で2.8に調整した。次いでpAgを6.9の一定に維持しながら溶液(1)及び(2)を0.87ml/分の流速で300秒間溶液(3)中にダブルジェット技術を使用することによって導入した。
【0111】
(b)中和工程
pAgを7.8の値に調整するために溶液(2)を10ml/分の流速で2秒間導入した。
【0112】
(c)第1生長工程
63℃に維持された反応容器に8414秒間溶液(1)及び(2)を導入することによってダブルジェット沈殿を続けた。次いでpAgをずっと7.8に維持しながら開始時の0.87ml/分から沈殿の終了時の13.33ml/分まで流速を一次的に増加した。
【0113】
pAgを7.8の同じ値に維持しながら乳剤を塩及び水のために選択的透過性膜上で限外濾過した。濾過後乳剤をさらに短時間しゃく解及び貯蔵した。次いでゼラチンを添加して0.5の銀に対するゼラチン比率(銀は硝酸銀として表示される)にもたらした。この添加後、均質なゼラチン分散を得るための短時間の撹拌及び殺生物剤として作用するフェノールの水溶液の少量の添加を行った。
【0114】
このようにして作られた乳剤は0.40μmの平均体積直径を有する単分散立方体臭化銀粒子を含有していた。650グラムの乳剤に650mlの脱イオン水を添加した後、硝酸銀の量は乳剤1kgあたり100グラムであった。温度を50℃にもたらした後、濃縮硝酸銀溶液を使用することによってpAgを4.15に調整し、pHを0.3mol硫酸溶液で4.8に調整した。次いで25mlの4.76mmol p−トルエンチオスルホン酸ナトリウム溶液を硝酸銀1molあたり加えた。かくして得られたコア乳剤を四つの等しい部分(A,B,C及びDと称する)に分割した。
【0115】
(d)第2生長工程
この沈殿工程ではトリプルジェット法を行い、シェルの厚さを50nmにできるだけ近づけ、かくして全平均体積粒子厚さを0.45μmにした。三つの溶液(1),(2)及び(4)を、pAgを4.15および6.65にそれぞれ調整して維持しながら硝酸銀溶液(1)が450秒間20ml/分の一定流速を有するように希釈されたコア乳剤B及びDに一緒に注入した。溶液(4)を前記部分B及びDのために8ml/分の一定流速で375秒間同時に加えた。同じことを、ロンガリット溶液(4)の添加以外、部分A及びCについて実施した。
【0116】
乳剤部分A,B,C及びDを40℃に冷却後、硝酸銀に対するゼラチンの重量比率を同じタイプの不活性ゼラチンを加えることによって0.5に調整した。生じた乳剤はキログラムあたり124グラムの硝酸銀を含有していた。
【0117】
被覆法
40℃に冷却した後、乳剤部分A及びDを、追加量のゼラチンを加えることによって1.27の硝酸銀に対するゼラチンの重量比率に調整した。次いで安定化剤としてテトラアザインドリジン湿潤及び硬化剤を、乳剤部分A−Dをポリエチレンテレフタレート支持体上に被覆する前に加えた。硝酸銀の量は材料A,B,C及びDのそれぞれに対して1mあたり1.23,1.45,1.51及び1.35グラムであった。
【0118】
露光及び処理
被覆された材料A−Dを、階段光学くさび(サンプルは階段光学くさび(Edgerton定数=0.15)を通して10−2秒間キセノンランプで露光された)を通して及び固有光学吸収領域における露光のために使用される干渉フィルターV405を通して10−2秒間露光した。露光された写真材料を(James, Vanselow and Quirk in Phot.Sci.Technol.,19B(1953)170 頁に規定されているように)メトール−アスコルビン酸浴で8分間現像した後、室温のG333浴(それはG333の1部に対して4部の脱イオン水で希釈された)での1分間の定着工程及び脱イオン水での1分間の洗浄工程を行った。G333はAGFA-GEVAERTからの商標製品である。
【0119】
全ての処理工程は室温で実施された。G333(登録商標)はAgfa-Gevaert N.V. からの商標である。下記パラメーターを決定するために光線量の関数として処理後に実現された濃度を測定し使用した:
− かぶりレベルDmin
− 最大濃度Dmax
− “Sens. 1”はかぶりの上0.2の濃度で測定された感度についての情報を与える、
− “Sens. 2”は最大濃度の80%で測定された感度についての情報を与える。
(両感度は所望の濃度を得るために要求される(log(露光)単位で表示される)光の量と測定される:従って、0.3の減少は2倍の感度増加に相当する。)
【0120】
以下の表4にまとめられた結果は本発明の式(II)によるロンガリット化合物II.1でドープされている臭化銀乳剤が化学増感剤の添加のない場合であっても感度の増加を与えることを極めて明らかに証明している。有機正孔トラッピング剤としてロンガリット化合物II.1で本発明に従ってドープされた乳剤(本発明乳剤B及びDを参照)から被覆された材料はかぶりの上0.2の濃度で測定された感度から計算されうるように化学熟成剤が全く乳剤に加えられないことであっても比較乳剤A及びCより感度が高い。0.8倍Dmaxの濃度での乳剤Bについての低感度はシェル沈殿中に維持された低pAg値に明らかに起因する。
【0121】
【表4】
Figure 0004166884
【0122】
化学増感
40℃の温度でpAg及びpHをそれぞれ7.32及び5.5に調整した後、下記化合物を(硝酸銀の35グラムあたり)加えた:
− 1.75mlの希釈された界面活性剤溶液及び3.5mlの4.76mmol p−トルエンチオスルホン酸ナトリウム溶液(これらの溶液の添加の13分後に以下の溶液を連続的に加えた);
− 0.84mlの8×10−5molチオ硫酸ナトリウム溶液;
− 1.75mlの1.456×10−3mol/lのHAuCl・4HO及び1.58×10−2mol/lのNHCNSを含有する溶液;
− 2.10mlの7.93μmolの亜硫酸ナトリウム溶液。
【0123】
化学増感は最適な感度が達成されるまで60℃で実施された。化学熟成された乳剤A−Dで被覆された材料A′,B′,C′及びD′について表4に与えられたデータを表5にまとめる。
【0124】
露光は固有光学吸収領域での露光のために使用されたキセノンランプ A V405を用いて0.15の定数及びD=1の濃度を有する階段光学くさびを通して0.06秒以内で実施された。現像は23℃で2分間G150(登録商標)現像液(希釈:1+5)で実施された後、2分間のG335(登録商標)浴での定着工程及び2分間の23℃の脱イオン水での洗浄工程を行った。G150(登録商標)及びG335(登録商標)はともにAgfa-Gevaert N.V. からの商品名である。
【0125】
【表5】
Figure 0004166884
【0126】
表5から得られた結果から結論づけられるように、対応する材料として被覆された化学熟成乳剤A′−D′は表4からの非熟成乳剤と比較すると増大した最大濃度を有するが、ロンガリットとして有機正孔トラッピング剤でドープされた乳剤は低濃度及び高濃度の両方において明らかに増大した感度を示す。2倍までの感度増加は例えば材料C′及びD′(ともにシェル沈殿中にpAgを持つ)が互いに比較されるときに実際に測定される。
【0127】
本発明の好ましい例を詳細に記載したが、多数の変形例を特許請求の範囲に規定された発明の範囲から逸脱せずになしうることは当業者には明らかであろう。

Claims (11)

  1. 有機正孔トラッピングドーパントを含有するハロゲン化銀粒子を有するハロゲン化銀乳剤を含む感光性材料であって、前記有機正孔トラッピングドーパントが、光子の吸収後にハロゲン化銀格子に形成される正孔との反応のために1個以上の電子を放出する薬剤であり、かつハロゲン化銀格子中に混入される場合において、前記有機正孔トラッピングドーパントが蟻酸の有機又は無機塩であることを特徴とする感光性材料。
  2. 前記材料が実質的に非感光性の有機銀塩、それと熱作用関係のそれのための有機還元剤及び結合剤を含むフォトアドレス可能なサーモグラフィック材料であることを特徴とする請求項1記載の感光性材料。
  3. 前記有機正孔トラッピングドーパントがハロゲン化銀の1molあたり10−8〜10−2molの量で存在することを特徴とする請求項1又は2記載の感光性材料。
  4. 前記ハロゲン化銀乳剤が、スペクトル増感剤としての少なくとも一つのJ−凝集色素を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の感光性材料。
  5. スペクトル増感されたハロゲン化銀乳剤がJ−凝集調整生成物を含むことを特徴とする請求項4記載の感光性材料。
  6. J−凝集調整生成物が写真安定化剤であることを特徴とする請求項5記載の感光性材料。
  7. ハロゲン化銀が塩化物、臭化物及び沃化物からなる群から選択された少なくとも一つのハロゲン化物から構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の感光性材料。
  8. ハロゲン化銀が少なくとも10mol%の臭化物を含むことを特徴とする請求項7記載の感光性材料。
  9. ハロゲン化銀乳剤が、0.01〜2.0μmの平均球等価直径を有するハロゲン化銀粒子を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の感光性材料。
  10. 正孔トラッピングドーパントを含むハロゲン化銀粒子が、コア及び最外シェルを有する粒子であり、前記最外シェルが前記正孔トラッピングドーパントを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の感光性材料。
  11. シェルが粒子中に95%未満の銀を含むことを特徴とする請求項10記載の感光性材料。
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